JP3388377B2 - 偏光無依存型光サーキュレータ - Google Patents

偏光無依存型光サーキュレータ

Info

Publication number
JP3388377B2
JP3388377B2 JP04955495A JP4955495A JP3388377B2 JP 3388377 B2 JP3388377 B2 JP 3388377B2 JP 04955495 A JP04955495 A JP 04955495A JP 4955495 A JP4955495 A JP 4955495A JP 3388377 B2 JP3388377 B2 JP 3388377B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flat plate
birefringent crystal
crystal flat
polarization
axis direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04955495A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08248356A (ja
Inventor
敏昭 増本
Original Assignee
エヌイーシートーキン株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エヌイーシートーキン株式会社 filed Critical エヌイーシートーキン株式会社
Priority to JP04955495A priority Critical patent/JP3388377B2/ja
Publication of JPH08248356A publication Critical patent/JPH08248356A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3388377B2 publication Critical patent/JP3388377B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信機器,光情報処
理機器等に搭載されると共に、光の進行方向を一定方向
に特定するための光サーキュレータに関し、特に全ての
偏光状態の入射光に対して偏光無依存性を示す偏光無依
存型光サーキュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、双方向の光通信システムでは、
1本の光ファイバから下りの信号を取り出すと共に、同
じ光ファイバに上りの信号を乗せるために光サーキュレ
ータが必要になる。このような光サーキュレータとして
は、4端子型の偏光無依存型光サーキュレータが知られ
ている。
【0003】図4は、従来の4端子型の偏光無依存型光
サーキュレータの基本構成を示したものである。この光
サーキュレータには、45度ファラデー回転子29と相
反的45度旋光性素子30とが用いられている。又、4
5度ファラデー回転子29の左側には第1の誘電体多層
膜偏光ビームスプリッタ25が配置され、この第1の誘
電体多層膜偏光ビームスプリッタ25には一対のポート
21,23が備えられている。同様に、相反的45度旋
光性素子30の右側には第2の誘電体多層膜偏光ビーム
スプリッタ26が配置され、この第2の誘電体多層膜偏
光ビームスプリッタ26には一対のポート22,24を
備えている。更に、45度ファラデー回転子29及び第
1の誘電体多層膜偏光ビームスプリッタ25に面して第
1の反射ミラー27が配置され、相反的45度旋光性素
子30及び第2の誘電体多層膜偏光ビームスプリッタ2
6に面して第2の反射ミラー28が配置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した4端子型の偏
光無依存型光サーキュレータの場合、その構成上におい
ては理想的に動作するが、実際の作製に際しては幾つか
の問題がある。例えば、相反的45度旋光性素子として
水晶の旋光子を用いると、光通信機器での使用波長帯に
おいては小型化が困難であるし、又同様な作用の素子と
して1/2波長板を用いても光学特性の波長依存性が大
きくなってしまう。更に、誘電体多層膜偏光ビームスプ
リッタでは反射成分の直線偏光度が高くないため、充分
なアイソレーションを得ることが難しい。このように、
従来の偏光無依存型光サーキュレータの場合、小型化へ
の適応性や光学素子の特性に若干の問題がある。
【0005】本発明は、このような問題点を解決すべく
なされたもので、その技術的課題は、小型化への適応が
容易であると共に、光学素子の特性上において充分高い
アイソレーションを持つ偏光無依存型光サーキュレータ
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、複数の
平板状光学素子を一軸方向及び該一軸方向とは平行な他
軸方向を含む水平面に対して垂直な方向に少なくとも該
一軸方向及び該他軸方向の何れかに沿って配設して成る
偏光無依存型光サーキュレータにおいて、複数の平板状
光学素子は、水平面に対して垂直な上下方向に一軸方向
には沿い,且つ他軸方向とは外れて一方向へ順を成して
配置された第5の複屈折結晶平板,第6の複屈折結晶平
板,及び第3の45度ファラデー回転子と、水平面に対
して垂直な上下方向に一軸方向及び他軸方向に沿って第
3の45度ファラデー回転子から続いて一方向へ順を成
して配置された第1の複屈折結晶平板,及び第1の45
度ファラデー回転子と、水平面に対して垂直な上方向,
下方向にそれぞれ組み合わされた状態で一軸方向及び他
軸方向に沿って第1の45度ファラデー回転子から続い
て一方向へ順を成すように配置された第2の複屈折結晶
平板,及び第3の複屈折結晶平板と、水平面に対して垂
直な上下方向に他軸方向には沿い,且つ一軸方向とは外
れて第2の複屈折結晶平板及び第3の複屈折結晶平板か
ら続いて一方向へ順を成して配置された第2の45度フ
ァラデー回転子,及び第4の複屈折結晶平板とを含み、
第1の複屈折結晶平板と第4の複屈折結晶平板とにおけ
る偏光分離の距離は等しく、第2の複屈折結晶平板,第
3の複屈折結晶平板,及び第5の複屈折結晶平板と第6
の複屈折結晶平板とにおける偏光分離の距離は等しい偏
光無依存型光サーキュレータが得られる。
【0007】又、本発明によれば、上記偏光無依存型光
サーキュレータにおいて、他軸方向において一方向に従
って第1の複屈折結晶平板から入射した入射光を第4の
複屈折結晶平板から出射させて光学的に結合するための
第1の導光部材と、他軸方向において一方向とは反対側
の他方向に従って第4の複屈折結晶平板から入射した入
射光を一軸方向における第5の複屈折結晶平板から出射
させて光学的に結合するための第2の導光部材とを含
み、3端子型として構成されると共に、入射光を透過さ
せるそれぞれの経路において直交する2種類の偏光に対
する光路長が等しい偏光無依存型光サーキュレータが得
られる。
【0008】
【作用】一般に結合光学系を介して配設された複数の複
屈折素子に入射される入射光は、各複屈折素子において
2つの偏光成分である異常光線と常光線とに分離されて
出射されるが、一方の光線に対して他方の光線が離れる
方向は偏光分離の方向と呼ばれ、それらの間の角度は偏
光分離の角度と呼ばれ、更に各複屈折素子の出射側にお
ける各光線間の距離は偏光分離の距離と呼ばれる(以下
も同様とするが、該当部分は単に偏光分離の方向,偏光
分離の角度,又は偏光分離の距離と略する)。本発明の
偏光無依存型光サーキュレータでは、異常光線と常光線
とを水平方向から+45度又は−45度の方向に分離又
は合成する複屈折結晶平板と、異常光線と常光線とを垂
直方向に分離又は合成する複屈折結晶平板とによって光
路を定め、偏光方向を非相反的に45度回転させる45
度ファラデー回転子により、第1の光ファイバから出射
された入射光を偏光方向に依存しない一定の光路長で第
2の光ファイバに結合させると共に、第2の光ファイバ
から出射された入射光を偏光方向に依存しない一定の光
路長で第3の光ファイバに結合させ、更に第3の光ファ
イバから出射された入射光を他の光ファイバには結合し
ないように作用させている。そこで、偏光無依存型光サ
ーキュレータにおいては、偏光面を同一方向に45度だ
け回転させる3枚の45度ファラデー回転子と、偏光分
離の距離が等しい2枚の複屈折結晶平板と、更に他に偏
光分離の距離が等しい4枚の複屈折結晶平板とを用いる
と共に、3本の光ファイバを用いて、入射光を透過させ
るそれぞれの経路における光路長が入射光の偏光状態に
拘らず一定となる結合光学系を構成している。
【0009】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明の偏光無依存型
光サーキュレータについて、図面を参照して説明する。
【0010】図1は、本発明の一実施例に係る3端子型
の偏光無依存型光サーキュレータの基本構成を斜視図に
より示したものである。
【0011】この偏光無依存型光サーキュレータは、複
数の平板状光学素子を一軸方向及びその一軸方向とは平
行な他軸方向を含む水平面に対して垂直な方向に少なく
とも一軸方向及び他軸方向の何れかに沿って配設して成
っている。
【0012】ここで、複数の平板状光学素子は、以下に
説明する構成部分を含んでいる。即ち、水平面に対して
垂直な上下方向に一軸方向には沿い,且つ他軸方向とは
外れて一方向(図中では左側から右側へ向かう方向)へ
順を成して配置された第5の複屈折結晶平板8,第6の
複屈折結晶平板9,及び第3の45度ファラデー回転子
10と、水平面に対して垂直な上下方向に一軸方向及び
他軸方向に沿って第3の45度ファラデー回転子10か
ら続いて一方向へ順を成して配置された第1の複屈折結
晶平板4,及び第1の45度ファラデー回転子11とを
含んでいる。
【0013】又、複数の平板状光学素子には、水平面に
対して垂直な上方向,下方向にそれぞれ組み合わされた
状態で一軸方向及び他軸方向に沿って第1の45度ファ
ラデー回転子11から続いて一方向へ順を成すように配
置された第2の複屈折結晶平板5,及び第3の複屈折結
晶平板6と、水平面に対して垂直な上下方向に他軸方向
には沿い,且つ一軸方向とは外れて第2の複屈折結晶平
板5及び第3の複屈折結晶平板6から続いて一方向へ順
を成して配置された第2の45度ファラデー回転子1
2,及び第4の複屈折結晶平板7とが含まれている。
【0014】但し、ここで第1の複屈折結晶平板4と第
4の複屈折結晶平板7とにおける偏光分離の距離は等し
く、第2の複屈折結晶平板5,第3の複屈折結晶平板
6,及び第5の複屈折結晶平板8と第6の複屈折結晶平
板9とにおける偏光分離の距離は等しくなっている。
【0015】又、この偏光無依存型光サーキュレータで
は、第1の導光部材として、他軸方向において一方向に
従って第1の複屈折結晶平板4から入射光を入射させる
ための第1の光ファイバ1及び第1の結像レンズ13
と、この入射光が第4の複屈折結晶平板7から出射され
たものを光学的に結合するための第2の結像レンズ14
及び第2の光ファイバ2とが備えられている。尚、ここ
での第2の光ファイバ2及び第2の結像レンズ14は、
他軸方向において一方向とは反対側の他方向に従って第
4の複屈折結晶平板7から入射光を入射させるための第
2の導光部材としても機能するが、第2の導光部材には
その他にここでの入射光が一軸方向における第5の複屈
折結晶平板8から出射されたものを光学的に結合するた
めの第3の結像レンズ15及び第3の光ファイバ3を含
むことにより、3端子型で構成されると共に、入射光を
透過させるそれぞれの経路における光路長が入射光の偏
光状態に拘らず一定となる結合光学系を構成している。
【0016】次に、この3端子型の偏光無依存型光サー
キュレータの基本的動作について説明する。
【0017】第1の光ファイバ1から出射された入射光
は、第1の結像レンズ13を介してそれぞれ第1の複屈
折結晶平板4,第1の45度ファラデー回転子11,第
2の複屈折結晶平板5又は第3の複屈折結晶平板6,第
2の45度ファラデー回転子12,及び第4の複屈折結
晶平板7を経て、第2の結像レンズ14を介して第2の
光ファイバ2で結合される。
【0018】又、第2の光ファイバ2から出射された入
射光は、第2の結像レンズ14を介してそれぞれ第4の
複屈折結晶平板7,第2の45度ファラデー回転子1
2,第2の複屈折結晶平板5又は第3の複屈折結晶平板
6,第1の45度ファラデー回転子11,第1の複屈折
結晶平板4,第3の45度ファラデー回転子10,第6
の複屈折結晶平板9,及び第5の複屈折結晶平板8を経
て、第3の結像レンズ15を介して第3の光ファイバ3
で結合される。
【0019】尚、各45度ファラデー回転子10,1
1,12はガーネット厚膜とマグネットとから成り、第
1の光ファイバ1又は第3の光ファイバ3の側から第2
のファイバ2の側へ向かって,即ち、図中では左側から
右側に向かって見たとき、光の進行方向に依らずに偏光
方向を反時計回わりに45度だけ回転させる。各複屈折
結晶平板はルチル単結晶から成り、そのc軸は光学面に
対して48度だけ傾いている。
【0020】図2は、これらの複屈折結晶平板に入射光
が左側から右側へ向かって垂直に入射した場合、常光線
に対する異常光線の偏光分離の方向を示したものであ
る。水平方向がX軸,垂直方向がY軸で表わされてい
る。
【0021】即ち、第1の複屈折結晶平板4及び第4の
複屈折結晶平板7は、異常光線を垂直下方向へとベクト
ルOAとして距離d1 だけ分離させる。第2の複屈折結
晶平板5及び第5の複屈折結晶平板8は、異常光線を水
平右方向から時計回わりに45度の方向へとベクトルO
Bとして距離d2 だけ分離させる。第3の複屈折結晶平
板6及び第6の複屈折結晶平板9は、異常光線を水平右
方向から反時計回わりに45度の方向へとベクトルOC
として距離d2 だけ分離させる。因みに、ここで入射光
が図1の右側から左側へ向かって進むとき、これらの複
屈折結晶平板による異常光線の分離ベクトルはここで説
明したベクトルとは逆向きのベクトルで示される。
【0022】図3は、第1の光ファイバ1から第2の光
ファイバ2へ向かう入射光と第2の光ファイバ2から第
3の光ファイバ3へと向かう入射光とに関するそれぞれ
の経路をxy平面に投影して表示したものである。但
し、ここでxy平面は各複屈折結晶平板4,5,6,
7,8,9と各45度ファラデー回転子10,11,1
2との光学面に平行な面であって、x軸を水平方向,y
軸を垂直方向に選び、原点である座標点P1 を第1の光
ファイバ1から出射された入射光が第1の結像レンズ1
3を介して第1の複屈折結晶平板4に垂直に入射する点
としている。
【0023】先ず、入射光が第1の光ファイバ1から第
2の光ファイバ2へ至る場合の光路について説明する。
第1の光ファイバ1から出射された入射光は、第1の複
屈折結晶平板4にxy平面における座標点P1 より入射
するが、このときの水平方向の偏光成分は第1の複屈折
結晶平板4に常光線として通過するように設定されてい
るので光路は曲がらず、第1の45度ファラデー回転子
11を透過したときにその偏光方向が水平右方向から反
時計回わりに45度の方向へ変化する。この後、第2の
複屈折結晶平板5に入射した偏光成分は、常光線になっ
ているため、第2の複屈折結晶平板5を直線的に透過し
た後、第2の45度ファラデー回転子12によってその
偏光方向が垂直方向に変換されて第4の複屈折結晶平板
7に入射する。ここでの第4の複屈折結晶平板7におけ
る入射点はxy平面上では座標点P1 のままであるが、
第4の複屈折結晶平板7では異常光線として透過するた
め、その出射点はxy平面上において座標点P1 から距
離d1 分だけ下の座標点P2 に至る。これにより、座標
点P2 から出射された入射光が第2の結合レンズ14を
介して第2の光ファイバ2で結合する。
【0024】一方、垂直方向の偏光成分は異常光線とし
て第1の複屈折結晶平板4を透過するため、xy平面上
において入射点は座標点P1 であるが、ここからの出射
点は座標点P2 へ移動する。その後、垂直方向における
偏光成分は第1の45度ファラデー回転子11によって
その偏光方向が水平右方向から時計回わりに45度の方
向に変換され、第3の複屈折結晶平板6を常光線として
透過した後、第2の45度ファラデー回転子12によっ
てその偏光方向が水平方向へと変換される。引き続き、
偏光成分は第4の複屈折結晶平板7を常光線として透過
するため、xy平面上の位置は座標点P2 に留まり、こ
の結果として座標点P2 から出射された入射光が第2の
結合レンズ14を介して第2の光ファイバ2で結合す
る。
【0025】ところで、ここでの入射光に関する水平方
向及び垂直方向における偏光成分は第1の複屈折結晶平
板4に入射して第4の複屈折結晶平板7から出射される
が、これら両方向に関する光路長を比較すると、それら
は等しくなっている。又、異常光線と常光線とに対する
屈折率をそれぞれne ,no とし、偏光分離の角度をθ
とするとき、複屈折を持たない空気及びガーネット厚膜
を除いた光路長はne・d1 /cosθ+no (d1
2 )に比例する。
【0026】次に、入射光が第2の光ファイバ2から第
3の光ファイバ3へ至る場合の光路について説明する。
【0027】先ず、第2の光ファイバ2から出射された
入射光は、第2の結合レンズ14を介してxy平面上の
座標点P2 より第4の複屈折結晶平板7に入射する。こ
こでの水平方向の偏光成分は常光線として第4の複屈折
結晶平板7を透過した後、第2の45度ファラデー回転
子12によってその偏光方向が水平右方向から反時計回
わりに45度の方向へ変換され、第3の複屈折結晶平板
6に対してはxy平面上の座標点P2 において入射する
が、第3の複屈折結晶平板6では異常光線として透過し
て出射点がxy平面上の座標点Q1 へ移動する。その
後、第1の45度ファラデー回転子11によって、この
偏光成分の偏光方向が垂直方向に変換されて第1の複屈
折結晶平板4を異常光線として透過した後、xy平面上
の位置が座標点Q2 に移動する。引き続き、第3の45
度ファラデー回転子10によってその偏光方向が水平左
方向から時計回わりに45度の方向に変換され、この結
果として第6の複屈折結晶平板9を常光線として透過し
た後、第5の複屈折結晶平板8を異常光線として透過す
るため、xy平面上の位置は座標点P3 に至る。これに
より、座標点P3 から出射された入射光が第3の結合レ
ンズ15を介して第3の光ファイバ3で結合する。
【0028】一方、垂直方向の偏光成分は異常光線とし
て第4の複屈折結晶7を透過するため、xy平面上にお
いて入射点は座標点P2 であるが、ここからの出射点は
座標点P1 へ移動する。その後、第2の45度ファラデ
ー回転子12によってその偏光方向が水平左方向から時
計回わりに45度の方向に変換され、第2の複屈折結晶
平板5を異常光線として透過した後、xy平面上の位置
が座標点Q3 に移動する。その後、この偏光成分は第1
のファラデー回転子11によってその偏光方向が水平方
向に変換され、第1の複屈折結晶平板4を常光線として
透過した後、第3の45度ファラデー回転子10によっ
てその偏光方向が水平左方向から反時計回わりに45度
の方向に変換される。引き続き、第6の複屈折結晶平板
9を異常光線として透過した後、第5の複屈折結晶平板
8を常光線として透過した結果としてxy平面上の位置
が座標点P3 に至る。これにより、座標点P3 から出射
された入射光が第3の結合レンズ15を介して第3の光
ファイバ3で結合する。
【0029】ところで、ここでの入射光に関する水平方
向及び垂直方向における偏光成分は第4の複屈折結晶平
板7に入射して第5の複屈折結晶平板8から出射される
が、これら両方向の偏光成分に関する光路長は等しく、
又異常光線と常光線とに対する屈折率をそれぞれne ,
no とし、偏光分離の角度をθとするとき、複屈折を持
たない空気及びガーネット厚膜を除いた光路長は(d1
+2・d2 )ne /cosθ+(d1 +d2 )no に比
例する。
【0030】更に、逆方向損失を検討するために、第3
の光ファイバ3から出射される入射光の経路について説
明する。この場合、入射光に関して水平右方向から時計
回わりに45度の方向に偏光方向を持つ成分は、第5の
複屈折結晶平板8を異常光線として透過することによっ
てxy平面上の位置が座標点P3 から座標点Q2 に移動
する。この後は第6の複屈折結晶平板9,第3の45度
ファラデー回転子10,第1の複屈折結晶平板4,及び
第1の45度ファラデー回転子11によってその偏光方
向が水平右方向から45度ずつ時計回わり及び反時計回
わりの方向に変換されるが、xy平面上への投影点は座
標点Q2 のままとなる。引き続き、第3の複屈折結晶平
板6に入射する際、入射光は異常光線になっているた
め、水平右方向から45度の方向へ屈折する結果、この
第3の複屈折結晶平板6の上側面(その投影を図中では
直線Rで示す)に当たり、ここで止まって第2の光ファ
イバ2で結合することはない。尚、第3の複屈折結晶平
板6の上側面で全反射される光に関しては、その後の第
2の45度ファラデー回転子12,第4の複屈折結晶平
板7の作用によって、第2の光ファイバ2で結合するこ
とはない。
【0031】一方、入射光に関して水平右方向から反時
計回わりに45度の方向に偏光方向を持つ成分は、第5
の複屈折結晶平板8を常光線として透過するので光路は
曲げられないが、第6の複屈折結晶平板9によってxy
平面上の位置が座標点P3 から座標点Q3 へ移動する。
この後、第3の45度ファラデー回転子10によってそ
の偏光方向が垂直方向に変換され、第1の複屈折結晶平
板4によってxy平面への位置が座標点Q3 から座標点
4 へ移動する。引き続き、第1の45度ファラデー回
転子11によってその偏光方向が水平右方向から時計回
わりに45度の方向へ変換された後、第2の複屈折結晶
平板5に入射するが、この時点では異常光線になって右
下45度の方向へ屈折する結果、この第2の複屈折結晶
平板5の下側面に当たり、ここで止まって第2の光ファ
イバ2で結合することはない。尚、ここでの下側面で全
反射される光に関しても、第2の光ファイバ2で結合す
ることはない。
【0032】ところで、この偏光無依存型光サーキュレ
ータにおいて、各複屈折結晶平板に関して、偏光分離の
距離d1 は、図3を参照すれば座標点P1 と座標点P2
とが直線Rの両側に位置するように選び、偏光分離の距
離d2 は、座標点P1 と座標点Q3 とが第3の45度フ
ァラデー回転子10の右側面の投影線である直線Sの両
側に位置するように選べば良いが、両者は独立に選ぶこ
とができる。
【0033】この偏光無依存型光サーキュレータの場
合、第2の光ファイバ2から第1の光ファイバ1への経
路と第3の光ファイバ3から第2の光ファイバ2への経
路とに関しては、複数の45度ファラデー回転子がアイ
ソレーションに寄与しているため、50dB以上のアイ
ソレーションが確保される。又、第3の光ファイバ3か
ら第1の光ファイバ1への経路については、各光学素子
の配置に関する幾何学的形状の故に、結合する光を無視
することができる。即ち、この偏光無依存型光サーキュ
レータは入射光が結合するそれぞれの経路において偏光
無依存性を持つと共に、全ての偏光に対して等しい光路
長を有する。
【0034】尚、上述した実施例では、各複屈折結晶平
板の材料としてルチル単結晶を用いた例を説明したが、
それ以外に方解石,イットリウム・バナデイト単結晶等
を用いることもできる。又、各45度ファラデー回転子
の材料としてビスマス置換鉄ガーネット厚膜の他にCd
MnHgTe単結晶等を用いることもできる。
【0035】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、光学素子に実用的な材料を選択することによって小
型化を可能にすると共に、複数の45度ファラデー回転
子を用いているので光学素子の特性上において充分高い
アイソレーション(50dB以上)を持ち、しかも入射
光が透過するそれぞれの経路において全ての偏光に対し
て等しい光路長を有する偏波分散が無い3端子型の偏光
無依存型光サーキュレータが得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る3端子型の偏光無依存
型光サーキュレータの基本構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示す偏光無依存型光サーキュレータに用
いられる各複屈折結晶平板に入射光が左側から右側へ向
かって垂直に入射した場合、常光線に対する異常光線の
偏光分離の方向を示したものである。
【図3】図1に示す偏光無依存型光サーキュレータにお
いて第1の光ファイバから第2の光ファイバへ向かう入
射光と第2の光ファイバから第3の光ファイバへと向か
う入射光とに関するそれぞれの経路をxy平面に投影し
た様子を示したものである。
【図4】従来の4端子型の偏光無依存型光サーキュレー
タの基本構成を示したものである。
【符号の説明】
1 第1の光ファイバ 2 第2の光ファイバ 3 第3の光ファイバ 4 第1の複屈折結晶平板 5 第2の複屈折結晶平板 6 第3の複屈折結晶平板 7 第4の複屈折結晶平板 8 第5の複屈折結晶平板 9 第6の複屈折結晶平板 10 第3の45度ファラデー回転子 11 第1の45度ファラデー回転子 12 第2の45度ファラデー回転子 13 第1の結像レンズ 14 第2の結像レンズ 15 第3の結像レンズ 21,22,23,24 ポート 25 第1の誘電体多層膜偏光ビームスプリッタ 26 第2の誘電体多層膜偏光ビームスプリッタ 27 第1の反射ミラー 28 第2の反射ミラー 29 45度ファラデー回転子 30 相反的45度旋光性素子

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の平板状光学素子を一軸方向及び該
    一軸方向とは平行な他軸方向を含む水平面に対して垂直
    な方向に少なくとも該一軸方向及び該他軸方向の何れか
    に沿って配設して成る偏光無依存型光サーキュレータに
    おいて、前記複数の平板状光学素子は、前記水平面に対
    して垂直な上下方向に前記一軸方向には沿い,且つ前記
    他軸方向とは外れて一方向へ順を成して配置された第5
    の複屈折結晶平板,第6の複屈折結晶平板,及び第3の
    45度ファラデー回転子と、前記水平面に対して垂直な
    上下方向に前記一軸方向及び前記他軸方向に沿って前記
    第3の45度ファラデー回転子から続いて前記一方向へ
    順を成して配置された第1の複屈折結晶平板,及び第1
    の45度ファラデー回転子と、前記水平面に対して垂直
    な上方向,下方向にそれぞれ組み合わされた状態で前記
    一軸方向及び前記他軸方向に沿って前記第1の45度フ
    ァラデー回転子から続いて前記一方向へ順を成すように
    配置された第2の複屈折結晶平板,及び第3の複屈折結
    晶平板と、前記水平面に対して垂直な上下方向に前記他
    軸方向には沿い,且つ前記一軸方向とは外れて前記第2
    の複屈折結晶平板及び前記第3の複屈折結晶平板から続
    いて前記一方向へ順を成して配置された第2の45度フ
    ァラデー回転子,及び第4の複屈折結晶平板とを含み、
    前記第1の複屈折結晶平板と前記第4の複屈折結晶平板
    とにおける偏光分離の距離は等しく、前記第2の複屈折
    結晶平板,前記第3の複屈折結晶平板,及び前記第5の
    複屈折結晶平板と前記第6の複屈折結晶平板とにおける
    偏光分離の距離は等しいことを特徴とする偏光無依存型
    光サーキュレータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の偏光無依存型光サーキュ
    レータにおいて、前記他軸方向において前記一方向に従
    って前記第1の複屈折結晶平板から入射した入射光を前
    記第4の複屈折結晶平板から出射させて光学的に結合す
    るための第1の導光部材と、前記他軸方向において前記
    一方向とは反対側の他方向に従って前記第4の複屈折結
    晶平板から入射した入射光を前記一軸方向における前記
    第5の複屈折結晶平板から出射させて光学的に結合する
    ための第2の導光部材とを含み、3端子型として構成さ
    れると共に、前記入射光を透過させるそれぞれの経路に
    おいて直交する2種類の偏光に対する光路長が等しいこ
    とを特徴とする偏光無依存型光サーキュレータ。
JP04955495A 1995-03-09 1995-03-09 偏光無依存型光サーキュレータ Expired - Fee Related JP3388377B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04955495A JP3388377B2 (ja) 1995-03-09 1995-03-09 偏光無依存型光サーキュレータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04955495A JP3388377B2 (ja) 1995-03-09 1995-03-09 偏光無依存型光サーキュレータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08248356A JPH08248356A (ja) 1996-09-27
JP3388377B2 true JP3388377B2 (ja) 2003-03-17

Family

ID=12834426

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04955495A Expired - Fee Related JP3388377B2 (ja) 1995-03-09 1995-03-09 偏光無依存型光サーキュレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3388377B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08248356A (ja) 1996-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5682446A (en) Polarization mode dispersion-free circulator
JP3737566B2 (ja) 光デバイス
US5212586A (en) Optical circulator having a simplified construction
US5237445A (en) Optical isolator
JP2000065531A (ja) 複屈折板を用いた干渉像入力装置
EP0552783B1 (en) Optical isolator device
US4392722A (en) Prism polarizer
WO2015081806A1 (zh) 一种与波长和温度无关的法拉第旋转镜
JPH0990279A (ja) 偏光無依存型光アイソレータと光サーキュレータ
JP3718152B2 (ja) 可変光アッテネータ
US6246518B1 (en) Reflection type optical isolator
US20050041908A1 (en) Miniature magneto-optic fiber optical switch
JP3388377B2 (ja) 偏光無依存型光サーキュレータ
JP3368209B2 (ja) 反射型光サーキュレータ
US6549686B2 (en) Reflective optical circulator
JPH05313094A (ja) 光アイソレータ
JP2002296544A (ja) 3ポート小型光サーキュレータ
EP0492437B1 (en) Polarization independent optical isolator
JPH0820623B2 (ja) 光アイソレータ
JPS6111683Y2 (ja)
JP2006317624A (ja) 光サーキュレータ
JP2002228984A (ja) 光サーキュレータ
CN111552099A (zh) 一种偏振相关反射型光隔离器
JP3860669B2 (ja) 光結合系部品及びそれを用いた光サーキュレータ
JPS5868718A (ja) 光アイソレ−タ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20021211

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees