JP3387685B2 - 液中放電表面処理装置 - Google Patents

液中放電表面処理装置

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JP3387685B2 JP06558495A JP6558495A JP3387685B2 JP 3387685 B2 JP3387685 B2 JP 3387685B2 JP 06558495 A JP06558495 A JP 06558495A JP 6558495 A JP6558495 A JP 6558495A JP 3387685 B2 JP3387685 B2 JP 3387685B2
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尚武 毛利
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昭弘 後藤
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Mitsubishi Electric Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、放電加工を行う工具
を利用可能とした液中放電表面処理装置に関するもので
あり、特に、総型電極による型彫加工と表面処理を同一
機械上で行うことができる液中放電表面処理装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図8は『電気加工技術、Vol.16 No.53
(1993)38.』(増井ほか「放電加工による表面の合金化
処理」の項参照)に掲載されている従来の液中放電表面
処理装置を示した説明図である。図8において、31は
表面改質を行う工作物、32は電極、33は電極32を
保持する主軸であり、電極32は主軸33によって図示
されない駆動装置により上下方向に可動となっている。
34は加工槽、35は改質材料粉末を混入した加工液、
36は加工用電源である。また、37は攪拌スクリュー
で、加工槽34に収容した改質材料粉末が混入された加
工液35を攪拌し、加工液35中の改質材料粉末の濃度
を均一化する。
【0003】次に、従来の液中放電表面処理装置につい
て説明する。工作物31と電極32の間には、加工用電
源36からパルス電圧が印加され、工作物31と電極3
2の間に放電が発生する。電極32は主軸33とともに
図示されない駆動装置により上下方向(Z軸方向)にサ
ーボ駆動され、放電加工が進行する。加工液35にはタ
ングステンの微粉末が混入されているため、工作物31
の表面においては放電により工作物31の母材が溶融さ
れるとともに、そこに加工液35中のタングステン粉末
が混入し、工作物31の表面に改質層、即ち、タングス
テン合金層が生成される。前記文献によれば、正極性放
電(電極側−、工作物側+)において、特に、均一な改
質層が得られることが記載されている。また、その他、
シリコン、クロム等の粉末を加工液30に混入して放電
加工を行うことにより、金属表面に同様な改質層が生成
され、高い耐食性や耐摩耗性が得られることも記載され
ている。
【0004】また、工作物31の金属表面に改質層を形
成する別の方法として、『電気加工学会全国大会講演論
文集(1993)79. 』(齋藤ほか「液中放電の表面加工への
展開」の項参照)に掲載の技術がある。この方法は、タ
ングステンカーバイト等の粉体を圧縮することにより形
成した圧粉体電極によって、工作物31の表面に表面処
理層を形成する1次加工処理の後、銅電極等によって工
作物31の表面に形成された表面処理層を放電加工によ
り再溶融処理する2次加工処理により、緻密な表面処理
層を生成するものであり、先の文献に開示されている技
術と比較してより緻密な改質層が得られる。
【0005】工作物31の金属表面に表面処理層を形成
する1次加工処理では、工作物31の表面にとりあえず
表面処理材料を付着させることを前提としているため、
処理時間はそれほど厳密に管理する必要がない。しか
し、再溶融処理する2次加工処理の時間は、適当な厚み
の改質層を生成する必要性があることから、1次加工処
理に比べて十分な管理を行う必要がある。ここで、改質
層を得るプロセスについて図9を用いて説明する。図9
は工作物31の金属表面に改質層を形成するプロセスの
説明図であり、(a)は工作物31の表面に表面処理層
を形成する1次加工処理、(b)は再溶融処理する2次
加工処理、(c)は長時間再溶融処理した場合の過剰加
工処理の事例である。
【0006】1次加工処理(a)の終了時、或いは、2
次加工処理の初期においては、放電による熱量が母材で
ある工作物1にまで達せず、1次加工処理(a)で形成
された表面処理層、即ち、1次表面処理層A1 の表面に
のみにエネルギーが投入される。通常、1次加工処理
(a)で形成された1次表面処理層A1 は空隙の多い脆
弱層であり、その熱伝導度も低いため、表面の熱が拡散
せず、1次加工処理(a)で形成した1次表面処理層A
1 の表面は容易に除去される。即ち、2次加工処理
(b)による2次加工処理の初期については1次表面処
理層A1 の除去のみが行われ、工作物1の表面への再溶
融は起こらない。更に、加工が進行し、1次表面処理層
A1 が薄くなると、放電の熱が母材である工作物1の表
面にまで達し、工作物1の表面の溶融が行われ、1次表
面処理層A1 のWC、TiN 、TiC 等の表面処理材が工作物
1の表面に入り込んだ形で再溶融が行われる。こうして
形成された2次表面処理層A2 は母材の方向に表面処理
材成分の分布が変化した傾斜組織となるため、2次表面
処理層A2 は密着度が高く、緻密な表面処理層が生成さ
れる。
【0007】しかしながら、ここで加工を終了しない
で、更に加工を継続すると長時間再溶融処理した場合の
過剰加工処理(c)の事例のようになり、形成された再
溶融層に対する加工が進行し、表面改質層を形成する2
次表面処理層A2 の表面処理材成分A3 の多くが除去さ
れ、工作物1の表面が露出してしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の液中放電表面処
理装置は、上記のように構成されており、均一な表面改
質層を得るためには、処理時間の管理が重要であり、特
に、2次加工処理の時間が少なすぎると1次加工処理
(a)で形成された表面処理層に再溶融が起こらず、処
理層が脆弱のままとなり所望の性能が得られない。逆
に、2次加工処理(b)による加工処理の時間が長すぎ
ると、1次加工処理(a)で形成した工作物1の1次表
面処理層A1 及び2次加工処理(b)で生成した表面改
質層がすべて除去されてしまうこととなる。このため、
2次加工処理を終了するタイミングを厳密に管理する必
要がある。
【0009】従来の2次加工処理(b)による2次加工
処理の完了を判断する方法としては、加工を中断して工
作物1の表面の状態を観察し、再溶融しているかを黙視
により確認する方法しかなかった。また、2次加工処理
(b)による加工ギャップと工作物1の母材表面の位置
から、加工終了位置を予め決めておき、所定の位置で処
理を終了することも理論的には可能である。しかし、数
μm程度の薄い表面改質層を形成させる場合、現実に
は、所望の厚みの表面処理層を得ることは極めて困難で
あった。これらのことから、2次表面処理層A2 の厚み
の管理は実質的に困難であるとともに、常に、人間によ
る確認作業を必要とし、自動化、省力化に関して解決す
べき課題が残されていた。
【0010】そこで、この発明は、再溶融処理の終了の
タイミングを人手を介さずに確実に検出し、常に、一定
の厚みの均一な表面改質層を安定して得ることができ、
処理効率を高めた液中放電表面処理装置の提供を課題と
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる液中放
電表面処理装置は、工作物の表面に形成する表面処理材
料からなる表面処理用電極によって、前記工作物の表面
に1次表面処理層を形成する1次表面処理を行った後、
他の電極によって前記1次表面処理層の再溶融処理を行
うことにより、前記工作物の表面に改質層を生成する液
中放電表面処理装置において、前記工作物の表面の1次
表面処理層に対する改質層の加工速度に相当する変化量
を計算する速度計算器と、前記速度計算器から得られた
加工速度の変化から再溶融処理の完了を判別する終了判
別器とを具備するものである。
【0012】請求項2にかかる液中放電表面処理装置の
前記終了判定器は、再溶融処理中の加工速度の最大値に
所定の係数を乗じた速度以下になった時点で再溶融処理
の完了を判別するものである。
【0013】請求項3にかかる液中放電表面処理装置の
前記速度計算器は、前記工作物の表面の1次表面処理層
に対する改質層の加工速度に相当する変化量をZ軸の移
動速度として検出するものである。
【0014】請求項4にかかる液中放電表面処理装置
は、再溶融処理中の加工位置情報の履歴を記憶する加工
位置履歴記憶器と、前記加工位置情報の履歴から再溶融
処理の完了を判別する終了判別器とを具備するものであ
る。
【0015】請求項5にかかる液中放電表面処理装置の
前記終了判定器は、前記再溶融処理中の所定期間中にお
ける加工位置の変化量が所定値以下となった時点で再溶
融処理の完了を判別するものである。
【0016】請求項6にかかる液中放電表面処理装置の
前記終了判定器は、前記再溶融処理中の任意の期間にお
ける加工位置の変化量に所定の係数を乗じた加工位置の
変化量以下になった時点で再溶融処理の完了を判別する
ものである。
【0017】請求項7にかかる液中放電表面処理装置
は、前記再溶融処理中の加工位置情報をZ軸の位置情報
としたものである。
【0018】請求項8にかかる液中放電表面処理装置
は、工作物の表面の1次表面処理層に対する改質層の加
工速度に相当する変化量を計算する速度計算器と、前記
速度計算器から得られた加工速度の変化量から再溶融処
理の電気条件を変更する加工条件制御器とを具備するも
のである。
【0019】請求項9にかかる液中放電表面処理装置の
前記加工条件制御器は、前記再溶融処理中の加工速度の
最大値に所定の係数を乗じた速度以下になった時点で再
溶融処理の電気条件を変更するものである。
【0020】請求項10にかかる液中放電表面処理装置
の前記速度計算器は、前記工作物の表面の1次表面処理
層に対する改質層の加工速度に相当する変化量をZ軸の
移動速度としたものである。
【0021】請求項11にかかる液中放電表面処理装置
は、再溶融処理中の加工位置情報の履歴を記憶する加工
位置履歴記憶器と、前記加工位置情報の履歴から再溶融
処理の電気条件を変更する加工条件制御器とを具備する
ものである。
【0022】請求項12にかかる液中放電表面処理装置
の前記加工条件制御器は、前記再溶融処理中の所定期間
中における加工位置の変化量が所定値以下となった時点
で再溶融処理の電気条件を変更するものである。
【0023】請求項13にかかる液中放電表面処理装置
の前記加工条件制御器は、前記再溶融処理中の任意の期
間における加工位置の変化量に所定の係数を乗じた加工
位置変化量以下になった時点で再溶融処理の電気条件を
変更するものである。
【0024】請求項14にかかる液中放電表面処理装置
の前記加工位置履歴記憶器は、前記再溶融処理中の加工
位置情報をZ軸の位置情報としたものである。
【0025】
【作用】請求項1においては、工作物の表面に形成する
表面処理材料からなる表面処理用電極によって、前記工
作物の表面に1次表面処理層を形成する1次表面処理を
行った後、他の電極によって前記1次表面処理層の再溶
融処理を行うことにより、前記工作物の表面に改質層を
生成するとき、前記1次表面処理層に対する改質層の加
工速度に相当する変化量を計算し、得られた加工速度の
変化から再溶融処理の完了を判別し、再溶融処理を終了
する。
【0026】請求項2においては、再溶融処理中の加工
速度の最大値に所定の係数を乗じた速度以下になった時
点で再溶融処理の完了を判別し、再溶融処理を終了す
る。
【0027】請求項3においては、工作物の表面の1次
表面処理層に対する改質層の加工速度に相当する変化量
をZ軸の移動速度として判別し、再溶融処理を終了す
る。
【0028】請求項4においては、再溶融処理中の加工
位置情報の履歴を記憶し、加工位置の履歴情報から再溶
融処理の完了を判別し、再溶融処理を終了する。
【0029】請求項5においては、溶融処理中の所定期
間中における加工位置の変化量が所定値以下となった時
点で再溶融処理の完了を判別し、再溶融処理を終了す
る。
【0030】請求項6においては、再溶融処理中の任意
の期間における加工位置の変化量に所定の係数を乗じた
加工位置の変化量以下になった時点で再溶融処理の完了
を判別し、再溶融処理を終了する。
【0031】請求項7においては、再溶融処理中の加工
位置情報をZ軸の位置情報とし、再溶融処理中の加工位
置情報の履歴を記憶し、加工位置の履歴情報から再溶融
処理の完了を判別し、再溶融処理を終了する。
【0032】請求項8においては、工作物の表面の1次
表面処理層に対する改質層の加工速度に相当する変化量
を計算し、得られた加工速度の変化量から再溶融処理の
電気条件を変更する。
【0033】請求項9においては、再溶融処理中の加工
速度の最大値に所定の係数を乗じた速度以下になった時
点で再溶融処理の電気条件を変更する。
【0034】請求項10においては、工作物の表面の1
次表面処理層に対する改質層の加工速度に相当する変化
量をZ軸の移動速度とし、得られた移動速度の変化量か
ら再溶融処理の電気条件を変更する。
【0035】請求項11においては、再溶融処理中の加
工位置情報の履歴を記憶し、この加工位置の履歴情報か
ら再溶融処理の電気条件を変更する。
【0036】請求項12においては、再溶融処理中の所
定期間中における加工位置の変化量が所定値以下となっ
た時点で再溶融処理の電気条件を変更する。
【0037】請求項13においては、再溶融処理中の任
意の期間における加工位置の変化量に所定の係数を乗じ
た加工位置の変化量以下になった時点で再溶融処理の電
気条件を変更する。
【0038】請求項14においては、再溶融処理中の加
工位置情報をZ軸の位置情報とし、その加工位置情報の
履歴を記憶し、この加工位置の履歴情報から再溶融処理
の電気条件を変更する。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例の液中放電表面処理装
置について図を用いて説明する。なお、図中、従来例と
同一符号及び記号は従来例と同一または相当する部分を
示すものである。
【0040】実施例1.図1は本発明の第一実施例にお
ける液中放電表面処理装置を示す説明図である。図1に
おいて、1は加工及び表面処理を行う工作物、2は再溶
融処理に使用する総型電極で、通常は、銅、グラファイ
ト等の材料が用いられる。3はタングステンカーバイト
(超硬)の粉末を圧力成形した表面処理用の圧粉体電極
からなる単純形状電極で、工作物1の表面に形成する表
面処理材料で形成される。4は総型電極2及び表面処理
用の圧粉体電極からなる単純形状電極3を交換する電極
交換手段、5は電極の垂直方向の駆動を行うZ軸駆動手
段、6は工作物1の水平方向(X方向)の駆動を行うた
めのXテーブル、7は工作物1の水平方向(Y方向)の
駆動を行うためのYテーブル、8はXテーブル6を駆動
する図示されない駆動モータを制御するX軸サーボアン
プ、9はYテーブル7を駆動する図示されない駆動モー
タを制御するY軸サーボアンプ、10は加工液10aを
収容する加工槽、11はコンピュータからなるCNC
(Computerized Numerical Control)制御装置、12は
CNC制御装置11の内部に設けられ、表面処理用の単
純形状電極3による加工時における電極の動きを制御す
る軌跡移動制御手段、13は表面処理用の単純形状電極
3による加工のための電極パスプログラム(NCプログ
ラム)を軌跡移動制御手段12に供給する電極軌跡生成
用CAM、21はZ軸駆動モータを制御するZ軸サーボ
アンプ、22はZ軸方向並びに必要に応じてX軸方向及
びY軸方向に応じて決定される加工速度に相当する絶対
速度を計算する速度計算器、23は速度計算器22から
得られた加工速度の変化から再溶融処理の完了を判別す
る終了判別器である。
【0041】次に、本実施例の液中放電表面処理装置の
動作について説明する。工作物1は放電表面処理を行う
前の荒加工工程で、切削加工または放電加工にて荒取り
がなされ、概略の形状は既に形成されている。この状態
の工作物1を加工槽10にセットし、工作物1のセッテ
ィングを行った後、電極交換手段4により表面処理用の
圧粉体電極からなる単純形状電極3をZ軸駆動手段5に
取付けて1次加工処理を開始する。この1次加工処理に
おいては、単純形状電極3によって荒加工工程による横
方向に加工表面をなぞるように加工を行う。このため、
単純形状電極3の軌跡移動を加工表面形状に従った制御
をする必要がある。CNC制御装置11の内部に設けら
れた軌跡移動制御手段12は、予め電極軌跡生成用CA
M13によって作成された電極パス情報に基づき、表面
処理用の単純形状電極3の横方向の移動、即ち、Xテー
ブル6、Yテーブル7の駆動制御を行い、単純形状電極
3の軌跡移動を加工表面をなぞるようにしている。この
ようにして、切削による荒加工工程で形成された加工表
面に対し、必要に応じて全部または一部について表面処
理用の単純形状電極3により、工作物1の表面に1次表
面処理層を形成する1次加工処理が行われる。
【0042】なお、1次加工処理により形成された1次
表面処理層は、厚い被膜を加工面に形成できるが、表面
処理材料の粉体自体の溶融が不十分であるため、1次表
面処理層の厚み及び密度が均一でなく、かつ、密度が低
いため、表面処理による所望の耐磨耗性、耐食性の特性
が得られない。また、1次表面処理層の面あらさ及び母
材との密着度が悪い等の問題があり、通常、このままで
は表面処理層としては使用できない場合が多い。そのた
め、1次加工処理にて形成した1次表面処理層に対し
て、再溶融加工が行われる。
【0043】即ち、1次加工処理の終了後、電極交換手
段4は表面処理用の単純形状電極3をZ軸駆動手段5か
ら取外し、再溶融処理用の総型電極2をZ軸駆動手段5
にセットし、2次加工処理を開始する。この2次加工処
理は表面処理用の単純形状電極3による1次加工処理の
横加工とは異なり、揺動動作を伴ったZ軸サーボによる
加工が主体となり、必要に応じてX軸及びY軸の揺動動
作を伴った加工が付加される。この2次加工処理によっ
て1次加工処理で形成された1次表面処理層の再溶融加
工が行われ、緻密で強固な2次表面処理層、即ち、改質
層を生成することができる。
【0044】この2次加工処理は従来例の図9(a)で
説明したとおり、2次加工処理の初期においては1次表
面処理層A1 の除去のみが行われ、工作物1の表面への
再溶融は起こらない。更に、処理が進行し、図9(b)
に示すように、2次加工処理により1次表面処理層A1
が薄くなると、放電の熱が工作物1の表面にまで達する
ようになり、工作物1を母材とする表面の溶融が行わ
れ、1次表面処理層A1のWC、TiN 、TiC 等からなる表
面処理材が工作物1の表面に入り込んだ形で再溶融が行
われ、緻密で強固な2次表面処理層A2 、即ち、改質層
が生成される。
【0045】図2は本発明の一実施例における液中放電
表面処理装置における1次表面処理層の厚さと2次表面
処理層の厚さとの関係を示す特性図で、1次表面処理層
の厚みが異なるものに2次加工処理(再溶融処理)を行
ったものについて最終的に生成される2次表面処理層
(改質層)の厚みを示したものである。図2において、
1次表面処理層の厚みにかかわらず、好ましい特性とな
る2次加工処理後の2次表面処理層の厚みは、常に、一
定になっていることがわかる。これは2次加工処理の初
期には再溶融は行われず、堆積しすぎた1次表面処理層
の上面付近の除去のみが行われていることを示してい
る。
【0046】しかしながら、好ましい改質層の状態を正
確に検出しない場合、再溶融層が生成された後も更に2
次加工処理を行うと、生成された再溶融層に対する加工
が進行し、表面改質層が除去されてしまう。そのため、
自動制御を行うには再溶融が完了した時点を検出して加
工を終了する必要がある。そこで、本実施例において
は、加工速度の変化を検出することにより、再溶融加工
をどの時点で終了させればよいかを判別した。
【0047】次に、再溶融加工中における加工速度の変
化について図3を用いて説明する。図3は本発明の一実
施例の液中放電表面処理装置における2次加工処理にお
ける加工時間と加工深さとの関係を示す特性図であり、
(a)は再溶融加工において、加工時間に対する加工深
さ(加工位置)の状態を実測したものであり、(b)は
それを模式的に示したものである。まず、2次加工処理
における加工時間と加工深さとの関係を、主に、図3
(b)を用いて模式的に説明する。ここで、加工深さは
Z軸の移動位置の変化をZ軸サーボアンプ21で検出し
たものである。
【0048】再溶融加工において、加工時間に対する加
工深さ(加工位置)の状態を実測すると図3(a)のよ
うになるが、その平均を得ることにより、図3(b)の
ようになる。実用的にも、加工時間と加工深さとの関係
は実測値の平均を得ることにあるから、模式的に表現し
た図3(b)の特性を前提として何等支障はない。図3
(a)及び図3(b)に示すように、再溶融加工が開始
すると、その初期は食いつきで2次加工処理がやや不安
定であり加工速度が低い。しかし、2次加工処理が安定
になると加工速度が増大する。特に、加工が十分安定と
なった図3(b)のa点においては、加工速度が最大と
なる。この時点においては、脆弱な1次表面処理層の除
去のみが行われるため、図9(a)の母材の加工速度と
比較してかなり速い速度で加工が進行する。前述したよ
うに、この時点で加工を終了しても、放電の熱が母材に
達していないから、再溶融層は生成されていない。その
後、更に2次加工処理を継続すると、加工速度が急激に
低下する図3(b)のb点の範囲(斜線部分)において
は、放電が母材付近に達し、母材に放電エネルギーが吸
収され、この時点で母材表面にて再溶融層が生成され
る。即ち、この時点で1次加工処理で形成された1次表
面処理層の再溶融加工が行われ、緻密で強固な2次表面
処理層、即ち、改質層を生成することができる。しか
し、このまま放置して図3(b)のc点にまで達する
と、図9(c)に示すように改質層を含み、1次表面処
理層がすべて除去されることになる。
【0049】上記現象に基き、本実施例における速度計
算器22は、2次加工処理中においてZ軸サーボアンプ
21で検出した加工位置の情報から加工面に対する加工
速度に相当する量を逐次連続的または間欠的に計算す
る。即ち、所定時間当りの加工位置(加工深さ)の変化
量、即ち、変化量から加工速度を計算する。終了判別器
23では予め終了判別のための速度値が与えられてお
り、加工速度がその値以下となった時点、例えば、図3
のb点で再溶融処理の終了を判別し、2次加工処理を終
了する。
【0050】なお、この実施例においては、終了判別器
23に対して終了判別のための速度値が予め固定値とし
て与えられているが、2次加工処理中の加工速度の最大
値に所定の係数を乗じた速度以下になった時点で再溶融
処理の完了を判別する終了判別器23を備え、終了判別
を行うことによっても終了判別が可能となる。
【0051】図4は本発明の一実施例の液中放電表面処
理装置における2次加工処理における加工時間と加工深
さとの関係を示す他の特性図である。この図4は、加工
条件の異なる場合における加工速度の変化(加工時間に
対する加工深さ)を示した特性図であり、(a)は加工
エネルギーが大きい場合、(b)は加工エネルギーが小
さい場合を示すものである。
【0052】図4に示すように、加工エネルギーによっ
て加工速度の変化の仕方が異なるため、予め終了判定の
ための速度を固定値として与えておいても、正確に終了
判定を行うことができない場合がある。即ち、図4
(a)に示すように加工エネルギーが大きい場合には2
次加工処理における平均速度が速いため、終了判定が遅
れやすく、再溶融層が除去され易くなる。逆に、図4
(b)のように、加工エネルギーが小さい場合には平均
速度が遅いため、まだ、再溶融が完了していない速いタ
イミングで終了判別をする可能性がある。
【0053】そこで、2次加工処理中の加工速度の最大
値に所定の係数を乗じた速度以下になった時点で、再溶
融処理の完了を判別するようにすることにより、加工エ
ネルギーの大小にかかわらず、常に最適な時点で終了判
別が可能な、しかも、普遍的な判別指標を得ることがわ
かる。この2次加工処理中の加工速度の最大値に所定の
係数を乗じた速度以下になった時点で、再溶融処理の完
了を判別する方法は、加工面積や工作物材質が異なる場
合についても普遍的な判別指標が得られるため、極めて
有効である。また、加工速度が最大の時点の速度に係数
を乗じた速度を判別速度にするのではなく、2次加工処
理の開始後の所定時間経過後の速度、または2次加工処
理の開始から所定距離だけ進んだ時点での速度に係数を
乗じた速度を終了判別のレベルにしてもよい。
【0054】このように、本実施例の液中放電表面処理
装置は、工作物1の表面に形成する表面処理材料からな
る表面処理用電極としての単純形状電極3によって、工
作物1の表面に1次表面処理層A1 を形成する1次表面
処理を行った後、他の総型電極2によって1次表面処理
層A1 の再溶融処理を行うことにより、工作物1の表面
に改質層を生成する液中放電表面処理装置において、工
作物1の表面の1次表面処理層A1 に対する改質層の加
工速度に相当する変化量を計算する速度計算器22と、
前記速度計算器22から得られた加工速度の変化から再
溶融処理の完了を判別する終了判別器23とを具備する
ものであり、これを請求項に対応する実施例とすること
ができる。
【0055】したがって、工作物1の表面の1次表面処
理層A1 に対する改質層の加工速度に相当する変化量を
速度計算器22で計算し、前記速度計算器22から得ら
れた加工速度の変化から再溶融処理の完了を終了判別器
23で判別し、再溶融処理を終了するようにしたため、
再溶融処理の終了のタイミングを確実に、かつ、人手を
介さず自動で行うことができ、結果的に、常に一定の厚
みの均一な表面改質層を安定して得るとともに、表面処
理に要する加工時間を最小におさえて処理効率を高める
ことができる。
【0056】また、本実施例の液中放電表面処理装置
は、前記終了判別器23を、再溶融処理中の加工速度の
最大値に所定の係数を乗じた速度以下になった時点で再
溶融処理の完了を判別するものとしている。したがっ
て、加工エネルギーの大小にかかわらず、常に最適な時
点で終了判別が可能となり、普遍的な判別指標を得るこ
とができ、結果的に、加工面積や工作物材質が異なる場
合についても安定した表面処理を行うことができる。
【0057】そして、本実施例の液中放電表面処理装置
は、速度計算器22を、工作物1の表面の1次表面処理
層に対する改質層の加工速度に相当する変化量をZ軸の
移動速度としたものであり、特に、表面改質層はZ軸に
移動に依存する確率が大であるから、X軸方向及びY軸
方向に揺動させても、改質層の加工速度に相当する変化
量をZ軸の移動速度としても、生成される改質層の品質
を低下させることがない。また、X軸方向及びY軸方向
の相対速度を2次元または3次元で計算するよりも、高
速処理が可能となり、正確に判別指標の判定ができる。
【0058】実施例2.図5は本発明の第二実施例にお
ける液中放電表面処理装置を示す説明図である。図5に
おいて、1は加工及び表面処理を行う工作物、2は再溶
融処理に使用する総型電極で、通常は、銅、グラファイ
ト等の材料が用いられる。3はタングステンカーバイト
の粉末を圧力成形した表面処理用の圧粉体電極からなる
単純形状電極、4は総型電極2及び表面処理用の圧粉体
電極からなる単純形状電極3を交換する電極交換手段、
5は電極の垂直方向の駆動を行うZ軸駆動手段、6は工
作物1のX方向の駆動を行うためのXテーブル、7は工
作物1のY方向の駆動を行うためのYテーブル、8はX
テーブル6を駆動する図示されない駆動モータを制御す
るX軸サーボアンプ、9はYテーブル7を駆動する図示
されない駆動モータを制御するY軸サーボアンプ、10
は加工液10aを収容する加工槽、11はCNC制御装
置、12はCNC制御装置11の内部に設けられ、表面
処理用の圧粉体電極3による加工時における電極の動き
を制御する軌跡移動制御手段、13は表面処理用の単純
形状電極3による加工のための電極パスプログラムを軌
跡移動制御手段12に供給する電極軌跡生成用CAM、
21はZ軸駆動モータを制御するZ軸サーボアンプ、2
4はZ軸方向並びに必要に応じてX軸方向及びY軸方向
の電極位置の履歴情報を記憶する加工位置履歴記憶器、
23は加工位置履歴記憶器24から得られた加工位置の
履歴から再溶融処理の完了を判別する終了判別器であ
る。
【0059】次に、本実施例の液中放電表面処理装置の
動作について説明する。第一実施例と同様に、放電表面
処理を行う荒加工工程等の工程で切削加工または放電加
工によって荒取りがなされ、概略の形状は既に形成され
た状態の工作物1を加工槽10にセットし、工作物1の
セッティングを行った後、電極交換手段4により表面処
理用の単純形状電極3をZ軸駆動手段5に取付けて1次
加工処理を開始する。この1次加工処理においては、単
純形状電極3によって荒加工工程等の前工程による横方
向に加工表面をなぞるように加工を行う。このため、電
極の軌跡移動を制御する必要がある。CNC制御装置1
1の内部に設けられた軌跡移動制御手段12は予め電極
軌跡生成用CAM13によって作成された電極パス情報
に基づき、表面処理用の単純形状電極3の横方向の移
動、即ち、Xテーブル6、Yテーブル7の駆動制御を行
う。このようにして、切削等の前工程で形成された加工
表面の必要に応じて全部または一部について表面処理用
の単純形状電極3により1次加工処理が行われる。
【0060】1次加工処理の終了後、電極交換手段4は
表面処理用の単純形状電極3をZ軸駆動手段5から取外
し、再溶融処理用の総型電極2をZ軸駆動手段5にセッ
トし、2次加工処理を開始する。2次加工処理は表面処
理用の単純形状電極3による横加工とは異なり、揺動動
作を伴ったZ軸サーボによる加工が主体となる。この2
次加工処理により1次加工処理で形成された1次表面処
理層の再溶融加工が行われ、緻密で強固な表面改質層を
生成することができる。
【0061】特に、本実施例においては、再溶融が完了
した時点を検出して加工を終了するために、加工位置の
履歴情報によって再溶融加工をどの時点で終了させれば
よいかを判別できる。このため、加工位置履歴記憶器2
4は図3(a)に示すような2次加工処理中の電極位置
情報の履歴を記憶する。終了判別器23は所定時間にお
ける加工位置の変化量が所定値以下となった時点、例え
ば、図3(b)のb点で再溶融処理の終了を判別し、2
次加工処理を終了する。即ち、加工位置履歴記憶器24
は、図3(a)に示すような現在までの2次加工処理の
進捗状況を記憶しておき、所定時間における加工位置の
変化量が所定値以下となった時点をもって再溶融処理の
終了を判別する。即ち、図3(b)の模式的に示した特
性の微分を行い、その変化率が大から、所定の値よりも
小となったとき、再溶融処理の終了を判別し、2次加工
処理を終了している。
【0062】なお、この実施例においても、終了判別器
23に対して終了判別のため、所定時間における加工位
置の閾値となる変化量を予め固定値として与えている
が、2次加工処理中の任意の期間における加工位置変化
量に所定の係数を乗じた加工位置変化量以下になった時
点で再溶融処理の完了を判別する終了判別器23とし、
それによって終了判別を行うことにより、更に、的確な
終了判別が可能となる。即ち、2次加工処理の開始後の
図3(b)に示す時間t1 から時間t2 の期間における
加工位置変化量を加工位置履歴から計算するとともに、
この値に所定の係数を乗じた量を基準値とし、その後所
定の期間ごとの加工位置変化量が前記基準値以下になっ
たときに、終了を判定することができる。
【0063】更に、図4に示すように、加工エネルギー
の大小によって加工位置履歴の変化の仕方が異なるた
め、予め終了判定のための加工位置の変化量を固定値と
して与えておいても、的確な終了判定を行うことができ
ない場合がある。即ち、図4(a)のように加工エネル
ギーが大きい場合には、2次加工処理における平均速度
が速いため、終了判定が遅れやすく、再溶融層が除去さ
れ易くなる。逆に、図4(b)のように加工エネルギー
が小さい場合には平均速度が遅いため、再溶融が完了し
ていない早いタイミングで終了判別をする可能性があ
る。一方、2次加工処理中の任意の期間における加工位
置の変化量が最適な時点で終了判別が可能な、普遍的な
判別指標を得ることができる。本実施例においては、加
工面積や工作物材質が異なる場合についても普遍的な判
別指標が得られるため、極めて有効である。
【0064】このように、本実施例の液中放電表面処理
装置は、工作物1の表面に形成する表面処理材料からな
る表面処理用電極としての単純形状電極3によって、工
作物1の表面に1次表面処理層A1 を形成する1次表面
処理を行った後、他の電極、即ち、総型電極2によって
1次表面処理層A1 の再溶融処理を行うことにより、工
作物1の表面に改質層を形成する液中放電表面処理装置
において、再溶融処理中の加工位置情報の履歴を記憶す
る加工位置履歴記憶器24と、加工位置情報の履歴から
再溶融処理の完了を判別する終了判別器23とを具備す
るものであり、これを請求項に記載の実施例とすること
ができる。
【0065】したがって、再溶融処理中の加工位置情報
の履歴を加工位置履歴記憶器24で記憶し、その記憶さ
れた加工位置情報の履歴を基に終了判別器23で再溶融
処理の完了を判別し、再溶融処理を終了するようにした
ため、再溶融処理(2次加工処理)の終了のタイミング
を確実に、かつ、人手を介さず自動で行うことができ、
結果として、常に、一定の厚みの均一な表面改質層を安
定して得るとともに、表面処理に要する加工時間を最小
におさえて処理効率を高めることができる。
【0066】また、本実施例の液中放電表面処理装置
は、終了判別器23を、再溶融処理中の所定期間中にお
ける加工位置の変化量が所定値以下となった時点で再溶
融処理の完了を判別するものであり、これを請求項に対
応する実施例とすることができる。したがって、溶融処
理中の所定期間中における加工処理位置の変化量が所定
値以下となった時点で再溶融処理の完了を判別し、2次
加工処理を終了するようにでき、再溶融処理の終了のタ
イミングを一定の条件で安定して判別することができ、
常に、一定の厚みの均一な表面改質層を安定して得ると
ともに、表面処理に要する加工時間を最小におさえて処
理効率を高めることができる。
【0067】そして、本実施例の液中放電表面処理装置
は、終了判別器23を、再溶融処理中の任意の期間にお
ける加工位置の変化量に所定の係数を乗じた加工位置の
変化量以下になった時点で再溶融処理の完了を判別する
ものであり、これを請求項に対応する実施例とすること
ができる。したがって、加工エネルギーの大小に影響さ
れることなく、常に最適な時点で終了判別が可能とな
り、普遍的な判別指標を得ることができ、加工面積や工
作物材質が異なる場合についても安定した表面処理を行
うことができる。
【0068】更に、本実施例の液中放電表面処理装置
は、加工位置履歴記憶器24が記憶する再溶融処理中の
加工位置情報をZ軸の位置情報としたものであり、これ
を請求項に対応する実施例とすることができる。したが
って、特に、表面改質層はZ軸の移動に依存する確率が
大であるから、X軸方向及びY軸方向に揺動させても、
改質層の加工速度に相当する変化量をZ軸の移動速度と
しても、生成される改質層の品質を低下させることがな
い。また、X軸方向及びY軸方向の相対速度を2次元ま
たは3次元で計算するよりも、高速処理が可能となり、
正確に判別指標の判定ができる。
【0069】実施例3.図6は本発明の第三実施例にお
ける液中放電表面処理装置を示す説明図である。図6に
おいて、1は加工及び表面処理を行う工作物、2は再溶
融処理に使用する総型電極で、通常は、銅、グラファイ
ト等の材料が用いられる。3はタングステンカーバイト
(超硬)の粉末を圧力成形した表面処理用の圧粉体電極
からなる単純形状電極、4は総型電極2及び表面処理用
の圧粉体電極からなる単純形状電極3を交換する電極交
換手段、5は電極の垂直方向の駆動を行うZ軸駆動手
段、6は工作物1のX方向の駆動を行うためのXテーブ
ル、7は工作物1のY方向の駆動を行うためのYテーブ
ル、8はXテーブル6を駆動する図示されない駆動モー
タを制御するX軸サーボアンプ、9はYテーブル7を駆
動する図示されない駆動モータを制御するY軸サーボア
ンプ、10は加工液10aを収容する加工槽、11はC
NC制御装置、12はCNC制御装置11の内部に設け
られ、表面処理用の圧粉体電極3による加工時における
電極の動きを制御する軌跡移動制御手段、13は表面処
理用の単純形状電極3による加工のための電極パスプロ
グラムを軌跡移動制御手段12に供給する電極軌跡生成
用CAM、14は極間に加工パルスを供給する加工電
源、21はZ軸駆動モータを制御するZ軸サーボアン
プ、22はZ軸方向並びに必要に応じてX軸方向及びY
軸方向に応じて決定される加工速度に相当する絶対速度
を計算する速度計算器、25は速度計算器22から得ら
れた加工速度の変化から加工電気条件を変更する加工条
件制御器である。
【0070】次に、本実施例の液中放電表面処理装置の
動作について説明する。第一実施例と同様に、放電表面
処理を行う荒加工工程等の前工程で切削加工または放電
加工にて荒取りがなされ、概略の形状は既に形成された
状態の工作物1を加工槽10にセットし、工作物1のセ
ッティングを行った後、電極交換手段4により表面処理
用の単純形状電極3をZ軸駆動手段5に取付けて1次加
工処理を開始する。1次加工処理においては、単純形状
電極3によって荒加工工程による横方向に加工表面をな
ぞるように加工を行うため、単純形状電極3の軌跡移動
を制御する必要がある。CNC制御装置11の内部に設
けられた軌跡移動制御手段12は予め電極軌跡生成用C
AM13によって作成された電極パス情報に基づき、表
面処理用の単純形状電極3の横方向の移動、即ち、Xテ
ーブル6、Yテーブル7の駆動制御を行う。このように
して、切削による荒加工工程等の前工程で形成された加
工表面の必要に応じて全部または一部について表面処理
用の単純形状電極3による1次加工処理が行われる。
【0071】この1次加工処理の終了後、電極交換手段
4は表面処理用の単純形状電極3をZ軸駆動手段5から
取外し、再溶融処理用の総型電極2をZ軸駆動手段5に
セットし、2次加工処理を開始する。2次加工処理は表
面処理用の単純形状電極3による横加工とは異なり、揺
動動作を伴ったZ軸サーボによる加工が主体となる。2
次加工処理により1次加工処理で形成された1次表面処
理層の再溶融加工が行われ、緻密で強固な表面改質層を
生成することができる。
【0072】特に、本実施例においては、再溶融が完了
した時点を検出して加工電源14の電気条件を変更し、
加工面の最終仕上を行うものである。このため、速度計
算器22は2次加工処理中において加工位置の情報から
加工面に対する加工速度に相当する量を逐次連続的また
は間欠的に計算する。即ち、所定時間当りの加工位置
(加工深さ)の変化量から加工速度を計算する。加工条
件制御器25は予め電気条件切換のための速度値が与え
られており、加工速度がその値以下となった時点、例え
ば、図3のb点の斜線領域の入り口で最終仕上げのため
に電気条件を変更する。
【0073】この種の電気条件切換の特長は、図4を用
いて説明することができる。図4(a)に示すように加
工エネルギーが大きい場合には2次加工処理における平
均速度が速く、高速で2次加工処理を行うことができ、
また、再溶融が完了した時点の速度変化も大きく、再溶
融の完了時点の判断も容易である。しかし、2次加工処
理の平均速度が速いことから、終了判定が遅れやすく、
再溶融層が除去され易くなる可能性もある。逆に、図4
(b)のように、加工エネルギーが小さい場合には、平
均速度が遅いため、再溶融が完了した時点の速度変化も
小さいが、最適な改質層が得られる時間が長くなる。
【0074】そこで、例えば、2次加工処理の初期には
電気条件を加工エネルギーが大きくなるように設定し、
2次加工処理中の加工速度の最大値に所定の係数を乗じ
た速度以下になった時点、例えば、図3のb点の斜線領
域の入り口で、最終仕上げのために電気条件を加工エネ
ルギーが小さくなるように変更する。このように、2次
加工処理の開始時点では加工速度を速くし、再溶融が完
了する手前で加工速度を遅くし、常に最適な改質層が得
られるようにし、加工面積や工作物材質が異なる場合に
ついても安定した表面処理を行うことができる。
【0075】なお、第一実施例においては、終了判別器
23に対して終了判別のための速度値が予め固定値とし
て与えられていたが、2次加工処理中の加工速度が最大
値に所定の係数を乗じた速度以下になった時点で、再溶
融処理の電気加工条件を変更する加工条件制御器25を
備え、最終仕上げのための電気加工条件への切換を行う
ことにより、更に、的確な最終仕上が可能となる。
【0076】2次加工処理中の加工速度の最大値に所定
の係数を乗じた速度以下になった時点で最終仕上条件に
切換えることにより、加工エネルギーの大小にかかわら
ず、常に最適な時点で終了判別が可能な、普遍的な判別
指標を得ることができる。この2次加工処理中の加工速
度の最大値に所定の係数を乗じた速度以下になった時点
で最終仕上条件に切換える方法は、加工面積や工作物1
の材質が異なる場合についても普遍的な判別指標が得ら
れるため、極めて有効である。また、加工速度が最大の
時点の速度に係数を乗じた速度を判別速度にするのでは
なく、2次加工開始後の所定時間経過後の速度、または
2次加工開始から所定距離進んだ時点の速度に係数を乗
じた速度を加工条件切換時期の判別のレベルにしてもよ
い。特に、加工エネルギーを小さくしてからは、時間的
要件で再溶融処理の完了を判別し、加工を終了するよう
にするのが好ましい。再溶融処理の終了のタイミングを
確実に、かつ人手を介さず自動で行うことができ、常に
一定の厚みの均一な表面改質層を安定して得るととも
に、表面処理に要する加工時間を最小におさえて処理効
率を高めることができる。
【0077】このように、本実施例の液中放電表面処理
装置は、工作物1表面に形成する表面処理材料からなる
表面処理用電極としての単純形状電極3によって、工作
物1の表面に1次表面処理層A1 を形成する1次表面処
理を行った後、他の電極、即ち、総型電極2によって1
次表面処理層の再溶融処理を行うことにより、工作物1
の表面に改質層を生成する液中放電表面処理装置におい
て、工作物1の表面の1次表面処理層A1 に対する改質
層の加工速度に相当する変化量を計算する速度計算器2
2と、速度計算器22から得られた加工速度の変化量か
ら再溶融処理の電気条件を変更する加工条件制御器25
とを具備するものであり、これを請求項に対応した実施
例とすることができる。したがって、工作物1の表面の
1次表面処理層A1 に対する改質層の加工速度に相当す
る変化量を速度計算器22で計算し、加工条件制御器2
5で速度計算器22から得られた加工速度の変化量を基
に再溶融処理の電気条件を変更するものであるから、再
溶融処理後の処理表面の面あらさ、面性状を大幅に改善
することができ、結果的に、従来にない良質面性状の表
面処理を行うことができる。
【0078】また、本実施例の液中放電表面処理装置
は、加工条件制御器25を、再溶融処理中の加工速度の
最大値に所定の係数を乗じた速度以下になった時点で再
溶融処理の電気条件を変更するものであり、これを請求
項に対応した実施例とすることができる。したがって、
再溶融処理中の加工速度の最大値に所定の係数を乗じた
速度以下になった時点で再溶融処理の電気条件を変更す
るようにしたため、更に的確な最終仕上を行うことがで
きる。
【0079】そして、本実施例の液中放電表面処理装置
は、速度計算器22を、工作物1の表面の1次表面処理
層A1 に対する改質層の加工速度に相当する変化量をZ
軸の移動速度とするものであり、これを請求項に対応し
た実施例とすることができる。したがって、表面改質層
はZ軸の移動に依存する確率が大であるから、X軸方向
及びY軸方向に揺動させても、改質層の加工速度に相当
する変化量をZ軸の移動速度としても、生成される改質
層の品質を低下させることがない。また、X軸方向及び
Y軸方向の相対速度を2次元または3次元で計算するよ
りも、高速処理が可能となり、正確に判別指標の判定が
できる。
【0080】実施例4.図7は本発明の第四実施例にお
ける液中放電表面処理装置を示す説明図である。図7に
おいて、1は加工及び表面処理を行う工作物、2は再溶
融処理に使用する総型電極で、通常は、銅、グラファイ
ト等の材料が用いられる。3はタングステンカーバイト
の粉末を圧力成形した表面処理用の圧粉体電極からなる
単純形状電極、4は総型電極2及び表面処理用の圧粉体
電極からなる単純形状電極3を交換する電極交換手段、
5は電極の垂直方向の駆動を行うZ軸駆動手段、6は工
作物1のX方向の駆動を行うためのXテーブル、7は工
作物1のY方向の駆動を行うためのYテーブル、8はX
テーブル6を駆動する図示されない駆動モータを制御す
るX軸サーボアンプ、9はYテーブル7を駆動する図示
されない駆動モータを制御するY軸サーボアンプ、10
は加工液10aを収容する加工槽、11はCNC制御装
置、12はCNC制御装置11の内部に設けられ、表面
処理用の単純形状電極3による加工時における電極の動
きを制御する軌跡移動制御手段、13は表面処理用の単
純形状電極3による加工のための電極パスプログラムを
軌跡移動制御手段12に供給する電極軌跡生成用CA
M、14は極間に加工パルスを供給する加工電源、21
はZ軸駆動モータを制御するZ軸サーボアンプ、24は
Z軸方向並びに必要に応じてX軸方向及びY軸方向の電
極位置の履歴情報を記憶する加工位置履歴記憶器、25
は加工位置履歴記憶器24から得られた加工位置の履歴
から加工電気条件を変更する加工条件制御器である。
【0081】次に、本実施例の液中放電表面処理装置の
動作について説明する。第一実施例と同様に、放電表面
処理を行う荒加工工程等の前工程で切削加工または放電
加工にて荒取りがなされ、概略の形状は既に形成された
状態の工作物1を加工槽10にセットし、工作物1のセ
ッティングを行った後、電極交換手段4により表面処理
用の単純形状電極3をZ軸駆動手段5に取付けて1次加
工処理を開始する。1次加工処理においては、単純形状
電極3によって荒加工工程による横方向に加工表面をな
ぞるように加工を行うため、単純形状電極3の軌跡移動
を制御する必要がある。CNC制御装置11の内部に設
けられた軌跡移動制御手段12は予め電極軌跡生成用C
AM13によって作成された電極パス情報に基づき、表
面処理用の単純形状電極3の横方向の移動、即ち、Xテ
ーブル6、Yテーブル7の駆動制御を行う。このように
して、切削による荒加工工程等の前工程で形成された加
工表面の必要に応じて全部または一部について表面処理
用の単純形状電極3による1次加工処理が行われる。
【0082】1次加工処理の終了後、電極交換手段4は
表面処理用の単純形状電極3をZ軸駆動手段5から取外
し、再溶融処理用の総型電極2をZ軸駆動手段5にセッ
トし、2次加工処理を開始する。2次加工処理は表面処
理用の単純形状電極3による横加工とは異なり、揺動動
作を伴ったZ軸サーボによる加工が主体となる。2次加
工処理により1次加工処理で形成された1次表面処理層
の再溶融加工が行われ、緻密で強固な表面改質層を生成
することができる。
【0083】特に、本実施例においては、再溶融が完了
した時点を検出し、加工電源14の電気条件を変更し、
加工面の最終仕上を行うものである。即ち、加工位置履
歴記憶器24は、図3に示すような2次加工処理中の電
極位置情報の履歴を記憶する。加工条件制御器25は所
定時間における加工位置の変化量が所定値以下となった
時点例えば、図3のb点の斜線領域の入り口で最終仕上
げのために電気条件を変更する。
【0084】この種の電気条件切換について、図4を用
いて説明する。図4(a)に示すように加工エネルギー
が大きい場合には2次加工処理における平均速度が速
く、高速で2次加工処理を行うことができ、また、再溶
融が完了した時点の速度変化も大きく、再溶融の完了時
点の判断も容易である。しかし、2次加工処理の平均速
度が速いことから、終了判定が遅れやすく、再溶融層が
除去され易くなる可能性もある。逆に、図4(b)のよ
うに、加工エネルギーが小さい場合には、平均速度が遅
いため、再溶融が完了した時点の速度変化も小さいが、
最適な改質層が得られる時間が長くなる。そこで、例え
ば、2次加工処理の初期には電気条件を加工エネルギー
が大きくなるように設定し、2次加工処理中の加工速度
の最大値に所定の係数を乗じた速度以下になった時点、
例えば、図3のb点の斜線領域の入り口で、最終仕上げ
のために電気条件を加工エネルギーが小さくなるように
変更する。このように、2次加工処理の開始時点では加
工速度を速くし、再溶融が完了する手前で加工速度を遅
くし、常に最適な改質層が得られるようにし、加工面積
や工作物材質が異なる場合についても安定した表面処理
を行うことができる。
【0085】なお、この実施例においては、加工条件切
換のため、加工条件制御器25に対して、所定時間にお
ける加工位置の変化量を予め固定値として与えていた
が、2次加工処理中の任意の期間における加工位置の変
化量に所定の係数を乗じた加工位置変化量以下になった
時点で再溶融処理の電気加工条件を変更する加工条件制
御器25を備え、最終仕上のための電気加工条件への切
換を行うことにより、更に、的確な最終仕上が可能とな
る。即ち、2次加工処理開始後t1からt2の期間における
加工位置変化量を加工位置履歴から計算するとともにこ
の値に所定の係数を乗じた量を基準値とし、その後、所
定の期間毎の加工位置の変化量が前記基準値以下になっ
たとき、加工条件変更時期として判定することができ
る。
【0086】2次加工処理中の任意の期間における加工
位置の変化量に所定の係数を乗じた量以下になった時点
で再溶融処理の完了を判別することにより、加工エネル
ギーの大小にかかわらず、常に最適な時点で終了判別が
可能な、普遍的な判別指標を得ることができる。この2
次加工処理中の任意の期間における加工位置の変化量に
所定の係数を乗じた量以下になった時点で再溶融処理の
完了を判別する方法は、加工面積や工作物材質が異なる
場合についても普遍的な判別指標が得られるため、極め
て有効である。
【0087】このように、本実施例の液中放電表面処理
装置は、工作物1の表面に形成する表面処理材料からな
る表面処理用電極としての単純形状電極3によって、工
作物1の表面に1次表面処理層A1 を形成する1次表面
処理を行った後、他の電極、即ち、総型電極2によって
1次表面処理層A1 の再溶融処理を行うことにより、工
作物1の表面に改質層を生成する液中放電表面処理装置
において、再溶融処理中の加工位置情報の履歴を記憶す
る加工位置履歴記憶器24と、加工位置情報の履歴から
再溶融処理の電気条件を変更する加工条件制御器25と
を具備するものであり、これを請求項に対応する実施例
とすることができる。したがって、再溶融処理中の加工
位置情報の履歴を加工位置履歴記憶器24で記録し、加
工位置情報の履歴に基き加工条件制御器25によって再
溶融処理の電気条件を変更するものであるから、再溶融
処理後の処理表面の面あらさ、面性状を大幅に改善する
ことができ、従来にない良質面性状の表面処理を行うこ
とができる。
【0088】また、本実施例の液中放電表面処理装置
は、加工条件制御器25を、再溶融処理中の所定期間中
における加工位置の変化量が所定値以下となった時点で
再溶融処理の電気条件を変更するものであり、これを請
求項に対応する実施例とすることができる。したがっ
て、最終仕上開始のタイミングを一定の条件で安定して
判別することができ、従来にない良質面性状の表面処理
を行うことができる。
【0089】そして、本実施例の液中放電表面処理装置
は、加工条件制御器25を、再溶融処理中の任意の期間
における加工位置の変化量に所定の係数を乗じた所定の
加工位置の変化量以下になった時点で再溶融処理の電気
条件を変更するものであり、これを請求項に対応する実
施例とすることができる。したがって、加工エネルギー
の大小にかかわらず、常に最適な時点で終了判別が可能
な、普遍的な判別指標を得ることができ、加工面積や工
作物材質が異なる場合についても安定、かつ、良質面あ
らさの表面処理を行うことができる。
【0090】更に、本実施例の液中放電表面処理装置
は、加工位置履歴記憶器24を、再溶融処理中の加工位
置情報をZ軸の位置情報としたものであり、これを請求
項に対応する実施例とすることができる。したがって、
表面改質層はZ軸の移動に依存する確率が大であるか
ら、X軸方向及びY軸方向に揺動させても、改質層の加
工速度に相当する変化量をZ軸の移動速度としても、生
成される改質層の品質を低下させることがない。また、
X軸方向及びY軸方向の相対速度を2次元または3次元
で計算するよりも、高速処理が可能となり、正確に判別
指標の判定ができる。
【0091】ところで、上記実施例においては、総型電
極2を再溶融処理に使用しているが、本発明を実施する
場合には、1次表面処理層の再溶融処理を行うものであ
り、その加工面の形状からすれば、総型電極2の使用が
好ましいが、本発明を実施する場合には、工作物1の表
面に形成する表面処理材料からなる表面処理用電極とし
ての単純形状電極3外の電極であればよく、また、その
電極材料は溶融を目的とするものでないから、その材料
の硬度を問うものではない。したがって、再溶融処理に
使用する電極は、銅、グラファイト等の材料に拘束され
るものではなく、工作物1の表面に形成する表面処理材
料からなる表面処理用電極外の他の電極であればよい。
【0092】また、上記実施例の総型電極2は、荒加工
を行う総型電極と仕上げ加工を行う総型電極とを用意
し、両者を使用することによって、仕上げを良好にする
ことができる。しかし、本発明を実施する場合には、荒
加工を行う総型電極または仕上げ加工を行う総型電極
を、共通の工作物に製品形状の転写加工を行う総型電極
2とすることができる。また、専用に工作物に製品形状
の転写加工を行う総型電極を用意しても実施できる。
【0093】そして、上記実施例の表面処理材料を単純
形状に成形した単純形状電極3は、WC、TiN 、TiC 等の
何れか1つ以上の金属からなる粉体を固化した圧粉体電
極としたものを前提に使用したが、本発明を実施する場
合には、WC、TiN 、TiC 自体の金属棒を電極としてもよ
い。勿論、金属からなる粉体を固化した圧粉体電極とし
たものの方が、容易に金属粒子が融合し易くなり、その
効率が良くなる。
【0094】更に、上記実施例の単純形状電極3が工作
物1の加工部分の表面をなぞりながら加工を行うよう制
御する軌跡移動制御手段12は、CNC制御装置11に
内蔵されている実施例で説明したが、本発明を実施する
場合には、工作物1の加工部分の表面の軌跡を記憶して
おり、その記憶している記憶に従って単純形状電極3を
移動できるものであればよい。したがって、NC装置、
或いは他の制御装置の利用が可能である。しかし、放電
加工機の記憶している情報が直接使用できるので、放電
加工機を制御する制御装置を、単純形状電極3が工作物
1の加工部分の表面をなぞりながら加工を行うよう制御
する軌跡移動制御手段12として使用するのが好適であ
る。
【0095】更にまた、上記実施例の速度計算器22、
終了判別器23、加工位置履歴記憶器24、加工条件制
御器25は、CNC制御装置11の内部で処理する事例
で説明したが、本発明を実施する場合には、前記機能の
各々を独立させたり、複数を一体にすることもできる。
【0096】
【発明の効果】以上のように、請求項1の液中放電表面
処理装置においては、工作物の表面の1次表面処理層に
対する改質層の加工速度に相当する変化量を計算する速
度計算器と、前記速度計算器から得られた加工速度の変
化から再溶融処理の完了を判別する終了判別器とを備
え、加工面に対する電極の進行速度に相当する変化量を
計算し、この加工速度の変化から再溶融処理の完了を判
別し、再溶融処理を終了するようにしたため、再溶融処
理の終了のタイミングを確実に、しかも、人手を介すこ
となく自動で行うことができ、常に、一定の厚みで、均
一な表面改質層を安定して得ることができ、かつ、表面
処理に要する加工時間を最小におさえて処理効率を高め
ることができる効果がある。
【0097】請求項2の液中放電表面処理装置において
は、請求項1の終了判定器を、前記再溶融処理中の加工
速度の最大値に所定の係数を乗じた速度以下になった時
点で再溶融処理の完了を判別するようにしたので、請求
項1の効果に加えて、加工エネルギーの大小に影響され
ることなく、再溶融処理の終了のタイミングの信頼性が
向上でき、常に、最適な時点で再溶融処理の終了判別が
でき、普遍的な判別指標を得ることができ、加工面積や
工作物材質が異なる場合についても安定した表面処理を
行うことができる効果がある。
【0098】請求項3の液中放電表面処理装置において
は、請求項1または請求項2の速度計算器を、前記工作
物の表面の1次表面処理層に対する改質層の加工速度に
相当する変化量をZ軸の移動速度としたものであるか
ら、請求項1または請求項2の効果に加えて、X軸方向
及びY軸方向の相対速度を2次元または3次元で計算す
るよりも、高速処理が可能となり、正確に判別指標の判
定ができる効果がある。
【0099】請求項4の液中放電表面処理装置において
は、再溶融処理中の加工位置情報の履歴を記憶する加工
位置履歴記憶器と、前記加工位置情報の履歴から再溶融
処理の完了を判別する終了判別器と備え、再溶融処理中
の加工位置情報の履歴を記憶し、加工位置の履歴情報か
ら再溶融処理の完了を判別して再溶融処理を終了できる
から、再溶融処理の終了のタイミングを確実に、人手を
介さず自動で行うことができ、常に、一定の厚みの均一
な表面改質層を安定して得ることができるとともに、表
面処理に要する加工時間を最小におさえて処理効率を高
めることができる効果がある。
【0100】請求項5の液中放電表面処理装置において
は、請求項4の終了判定器を、再溶融処理中の所定期間
中における加工位置の変化量が所定値以下となった時点
で再溶融処理の完了を判別するように構成するものであ
るから、請求項4の効果に加えて、再溶融処理の終了の
タイミングの信頼性が向上でき、常に、最適な時点で再
溶融処理の終了判別ができ、普遍的な判別指標を得るこ
とができ、加工面積や工作物材質が異なる場合について
も安定した表面処理を行うことができる効果がある。
【0101】請求項6の液中放電表面処理装置において
は、請求項4の終了判別器を、再溶融処理中の任意の期
間における加工位置の変化量に所定の係数を乗じた加工
位置の変化量以下になった時点で再溶融処理の完了を判
別するものであるから、請求項4の効果に加えて、加工
エネルギーの大小に影響されることなく、再溶融処理の
終了のタイミングの信頼性が向上でき、常に、最適な時
点で再溶融処理の終了判別ができ、普遍的な判別指標を
得ることができ、加工面積や工作物材質が異なる場合に
ついても安定した表面処理を行うことができる効果があ
る。
【0102】請求項7の液中放電表面処理装置において
は、請求項4乃至請求項6の何れか1つに記載の加工位
置履歴記憶器が記憶する前記再溶融処理中の加工位置情
報をZ軸の位置情報としたものであるから、請求項4乃
至請求項6の効果に加えて、X軸方向及びY軸方向の相
対速度を2次元または3次元で計算するよりも、高速処
理が可能となり、正確に判別指標の判定ができる効果が
ある。
【0103】請求項8の液中放電表面処理装置において
は、工作物の表面の1次表面処理層に対する改質層の加
工速度に相当する変化量を計算する速度計算器と、前記
速度計算器から得られた加工速度の変化量から再溶融処
理の電気条件を変更する加工条件制御器とを備え、加工
面に対する電極の加工速度に相当する変化量を計算し、
この加工速度の変化から再溶融処理の電気条件を変更す
るようにしたため、再溶融処理後の処理表面の面あら
さ、面性状を大幅に改善することができ、更に、従来に
ない良質面性状の表面処理を行うことができる効果があ
る。
【0104】請求項9の液中放電表面処理装置において
は、請求項8の加工条件制御器を、再溶融処理中の加工
速度の最大値に所定の係数を乗じた速度以下になった時
点で再溶融処理の電気条件を変更するものであるから、
請求項8の効果に加え、更に、的確な最終仕上げを行う
ことができる効果がある。
【0105】請求項10の液中放電表面処理装置におい
ては、請求項8または請求項9の速度計算器を、前記工
作物の表面の1次表面処理層に対する改質層の加工速度
に相当する変化量をZ軸の移動速度としたものであるか
ら、請求項8または請求項9の効果に加えて、X軸方向
及びY軸方向の相対速度を2次元または3次元で計算す
るよりも、高速処理が可能となり、正確に判別指標の判
定ができる効果がある。
【0106】請求項11の液中放電表面処理装置におい
ては、再溶融処理中の加工位置情報の履歴を記憶する加
工位置履歴記憶器と、前記加工位置情報の履歴から再溶
融処理の電気条件を変更する加工条件制御器とを備え、
再溶融処理中の加工位置情報の履歴を記憶し、この加工
位置の履歴情報から再溶融処理の電気条件を変更するも
のであるから、再溶融処理後の処理表面の面あらさ、面
性状を大幅に改善することができ、従来にない良質面性
状の表面処理を行うことができる効果がある。
【0107】請求項12の液中放電表面処理装置におい
ては、請求項11の加工条件制御器を、前記再溶融処理
中の所定期間中における加工位置の変化量が所定値以下
となった時点で再溶融処理の電気条件を変更するものと
したから、請求項11の効果に加え、最終仕上げ開始の
タイミングを一定の条件で安定して判別することがで
き、従来にない良質面性状の表面処理を行うことができ
る効果がある。
【0108】請求項13の液中放電表面処理装置におい
ては、請求項11の加工条件制御器を、再溶融処理中の
任意の期間における加工位置の変化量に所定の係数を乗
じた所定の加工位置の変化量以下になった時点で再溶融
処理の電気条件を変更するようにしたので、請求項11
の効果に加え、加工エネルギーの大小にかかわらず、常
に、最適な時点で終了判別が可能となり、普遍的な判別
指標を得ることができ、更に、加工面積や工作物材質が
異なる場合についても安定、かつ、良質な面あらさの表
面処理を行うことができる効果がある。
【0109】請求項14の液中放電表面処理装置におい
ては、請求項11乃至請求項13の何れか1つに記載の
加工位置履歴記憶器が記憶する前記再溶融処理中の加工
位置情報をZ軸の位置情報としたものであるから、請求
項11乃至請求項13の効果に加えて、X軸方向及びY
軸方向の相対速度を2次元または3次元で計算するより
も、高速処理が可能となり、正確に判別指標の判定がで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第一実施例における液中放電
表面処理装置を示す説明図である。
【図2】 図2は本発明の第一実施例における液中放電
表面処理装置における1次表面処理層の厚さと2次表面
処理層の厚さとの関係を示す特性図である。
【図3】 図3は本発明の第一実施例の液中放電表面処
理装置における2次加工処理における加工時間と加工深
さとの関係を示す特性図である。
【図4】 図4は本発明の第一実施例の液中放電表面処
理装置における2次加工工程における加工時間と加工深
さとの関係を示す他の特性図である。
【図5】 図5は本発明の第二実施例における液中放電
表面処理装置を示す説明図である。
【図6】 図6は本発明の第三実施例における液中放電
表面処理装置を示す説明図である。
【図7】 図7は本発明の第四実施例における液中放電
表面処理装置を示す説明図である。
【図8】 図8は従来の液中放電表面処理装置を示した
説明図である。
【図9】 図9は工作物の金属表面に改質層を形成する
プロセスの説明図である。
【符号の説明】
図において、1 工作物、2 再溶融処理用の総型電
極、3 表面処理用の単純形状電極、4 電極交換手
段、5 Z軸駆動手段、6 Xテーブル、7 Yテーブ
ル、8 X軸サーボアンプ、9 Y軸サーボアンプ、1
0 加工槽、11CNC制御装置、12 軌跡移動制御
手段、13 電極軌跡生成用CAM、14加工電源、2
1 Z軸サーボアンプ、22 速度計算器、23 終了
判別器、24 加工位置履歴記憶器、25 加工条件制
御器である。なお、図中、同一符号及び記号は同一また
は相当する構成部分を示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 長男 愛知県春日井市岩成台9丁目12番地12 (72)発明者 毛利 尚武 愛知県名古屋市天白区八事石坂661−51 (72)発明者 真柄 卓司 愛知県名古屋市東区矢田南五丁目1番14 号 三菱電機株式会社 名古屋製作所内 (72)発明者 後藤 昭弘 愛知県名古屋市東区矢田南五丁目1番14 号 三菱電機株式会社 名古屋製作所内 (56)参考文献 特開 平7−70761(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 26/00 B23H 1/00 B23H 9/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作物の表面に形成する表面処理材料か
    らなる表面処理用電極によって、前記工作物の表面に1
    次表面処理層を形成する1次表面処理を行った後、他の
    電極によって前記1次表面処理層の再溶融処理を行うこ
    とにより、前記工作物の表面に改質層を生成する液中放
    電表面処理装置において、 前記工作物の表面の1次表面処理層に対する改質層の加
    工速度に相当する変化量を計算する速度計算器と、 前記速度計算器から得られた加工速度の変化から再溶融
    処理の完了を判別する終了判別器とを具備することを特
    徴とする液中放電表面処理装置。
  2. 【請求項2】 前記終了判定器は、前記再溶融処理中の
    加工速度の最大値に所定の係数を乗じた速度以下になっ
    た時点で再溶融処理の完了を判別することを特徴とする
    請求項1に記載の液中放電表面処理装置。
  3. 【請求項3】 前記速度計算器は、前記工作物の表面の
    1次表面処理層に対する改質層の加工速度に相当する変
    化量をZ軸の移動速度としたことを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の液中放電表面処理装置。
  4. 【請求項4】 工作物の表面に形成する表面処理材料か
    らなる表面処理用電極によって、前記工作物の表面に1
    次表面処理層を形成する1次表面処理を行った後、他の
    電極によって前記1次表面処理層の再溶融処理を行うこ
    とにより、前記工作物の表面に改質層を生成する液中放
    電表面処理装置において、 前記再溶融処理中の加工位置情報の履歴を記憶する加工
    位置履歴記憶器と、 前記加工位置情報の履歴から再溶融処理の完了を判別す
    る終了判別器とを具備することを特徴とする液中放電表
    面処理装置。
  5. 【請求項5】 前記終了判定器は、前記再溶融処理中の
    所定期間中における加工位置の変化量が所定値以下とな
    った時点で再溶融処理の完了を判別することを特徴とす
    る請求項4に記載の液中放電表面処理装置。
  6. 【請求項6】 前記終了判定器は、前記再溶融処理中の
    任意の期間における加工位置の変化量に所定の係数を乗
    じた加工位置の変化量以下になった時点で再溶融処理の
    完了を判別することを特徴とする請求項4に記載の液中
    放電表面処理装置。
  7. 【請求項7】 前記加工位置履歴記憶器が記憶する前記
    再溶融処理中の加工位置情報をZ軸の位置情報としたこ
    とを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか1つに記
    載の液中放電表面処理装置。
  8. 【請求項8】 工作物の表面に形成する表面処理材料か
    らなる表面処理用電極によって、前記工作物の表面に1
    次表面処理層を形成する1次表面処理を行った後、他の
    電極によって前記1次表面処理層の再溶融処理を行うこ
    とにより、前記工作物の表面に改質層を生成する液中放
    電表面処理装置において、 前記工作物の表面の1次表面処理層に対する改質層の加
    工速度に相当する変化量を計算する速度計算器と、 前記速度計算器から得られた加工速度の変化量から再溶
    融処理の電気条件を変更する加工条件制御器とを具備す
    ることを特徴とする液中放電表面処理装置。
  9. 【請求項9】 前記加工条件制御器は、前記再溶融処理
    中の加工速度の最大値に所定の係数を乗じた速度以下に
    なった時点で再溶融処理の電気条件を変更することを特
    徴とする請求項8に記載の液中放電表面処理装置。
  10. 【請求項10】 前記速度計算器は、前記工作物の表面
    の1次表面処理層に対する改質層の加工速度に相当する
    変化量をZ軸の移動速度としたことを特徴とする請求項
    8または請求項9に記載の液中放電表面処理装置。
  11. 【請求項11】 工作物の表面に形成する表面処理材料
    からなる表面処理用電極によって、前記工作物の表面に
    1次表面処理層を形成する1次表面処理を行った後、他
    の電極によって前記1次表面処理層の再溶融処理を行う
    ことにより、前記工作物の表面に改質層を生成する液中
    放電表面処理装置において、 前記再溶融処理中の加工位置情報の履歴を記憶する加工
    位置履歴記憶器と、 前記加工位置情報の履歴から再溶融処理の電気条件を変
    更する加工条件制御器とを具備することを特徴とする液
    中放電表面処理装置。
  12. 【請求項12】 前記加工条件制御器は、前記再溶融処
    理中の所定期間中における加工位置の変化量が所定値以
    下となった時点で再溶融処理の電気条件を変更すること
    を特徴とする請求項11に記載の液中放電表面処理装
    置。
  13. 【請求項13】 前記加工条件制御器は、前記再溶融処
    理中の任意の期間における加工位置の変化量に所定の係
    数を乗じた所定の加工位置の変化量以下になった時点で
    再溶融処理の電気条件を変更することを特徴とする請求
    項11に記載の液中放電表面処理装置。
  14. 【請求項14】 前記加工位置履歴記憶器は、前記再溶
    融処理中の加工位置情報をZ軸の位置情報としたことを
    特徴とする請求項11乃至請求項13の何れか1つに記
    載の液中放電表面処理装置。
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