JP3387319B2 - 磁気ディスクの浮上性能検査装置、及び検査方法 - Google Patents

磁気ディスクの浮上性能検査装置、及び検査方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
の記録用媒体である磁気ディスクのヘッド浮上性能を検
査する検査装置、及び検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置では、ディスク面上を
ヘッドが数十nmの間隙を保ちながら浮上して、記録再生
を行っている。この為、ディスク面上にヘッド浮上量相
当以上の突起物が有ると磁気欠陥となったり、ヘッドの
浮上障害が発生したりする。従って、ディスクの生産
程では、ディスクを装置に組み込む以前にディスク単板
でのヘッド浮上性能をテストし、一定の基準をパスした
ディスクだけを磁気ディスク装置に組み込んでいる。
【0003】ディスクのヘッド浮上性能をテストする方
法は、ヘッドとディスクの突起物が接触した時に発生す
る弾性波(AE波)を検出する方法が、従来より採用さ
れている。この弾性波を検出する方法は、おおむね以下
の通りである。
【0004】円板検査に用いられているヘッドは、浮上
面側に2本のストレートレールを持ち、レールが受ける
揚圧によりヘッドが浮上する。このヘッドにピエゾ素子
を接着させたり、AEセンサーをヘッド近傍に装着させた
りした検査用ヘッドを用いる。ピエゾ素子は、分極処理
された圧電効果を持つセラミックスに電極を形成した構
造である。この検査ヘッドは、目的の検査浮上量でディ
スク面上を浮上させ、ディスクの浮上保証領域内のヘッ
ド浮上性能を検査する。
【0005】ディスクの浮上保証領域は、例えば3.5イ
ンチディスクの場合、内周側は半径約19mmから外周側は
半径約45mmと広域に渡る。従って、検査ヘッドをディス
クの半径方向に移動させながら、ディスクとヘッドが接
触したときに生じるセンサーからの出力を検出する。従
来の検査方法は、検査ヘッドを所定の浮上高さで浮上さ
せた状態でディスク全面を走査し、AE信号の振幅波形
の波高値が設定された基準値(スライスレベル)を越え
る信号が存在するか否かを判定し、浮上保証領域内に基
準値を越える信号が存在する場合をディスクの浮上不良
としていた。
【0006】検査ヘッドは、ディスクとの相対速度によ
って浮上量が変化する。ヘッドスライダの流出端が最小
浮上量となるので、例えば、検査浮上量を45nmとしたと
き、流出端の最小浮上量が45nmになるようにディスクの
回転数を変化させ相対速度を合わせる。そして、この条
件で測定したときに円板上の約45nm以上の突起が検出さ
れる。
【0007】一方、レーザー光などの光によりディスク
上の突起検出を行う方法もある。例えば「特開平6−1
29842号公報」にはディスク面上に光を照射し、反
射散乱光を検出する事により表面状態の良否を判定する
方法が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】高密度記録に伴い、磁
気ディスク装置にはMR(Magneto-Resistive)ヘッドを採
用した装置が実用化されている。MRヘッドの再生過程
は、ディスクに記録された磁化パターンから発生する漏
れ磁束の大きさを検出し、電気信号に変換する。しか
し、MRヘッドには、先に記載した漏れ磁束の大きさによ
る信号変換の他に、MR素子部がある速度で回転している
ディスク面と接触することで、MR素子が瞬間的な温度変
化を生じ、素子の電気抵抗が変化して、再生信号にスパ
イク状のノイズとして重畳する問題を生じることがあ
る。このスパイク状のパルスが再生信号にノイズとして
重畳されると、信号再生障害となる。このような現象
は、サーマル・アスペリティ(Thermal Asperity)と呼
ばれ、既にその原因や現象が報告されている。
【0009】従来の磁気ディスク装置では、ディスク面
と浮上しているヘッドの間隙は、約50nm以上と比較的大
きく、ヘッドとディスクが接触する系ではなかった。し
かし、高密度記録になるに伴いヘッドの浮上量も50n
m以下となってきた。そうすると、回転する磁気ディス
クにヘッドが間欠的に軽微な接触をする頻度が高くなっ
た。例えば、ヘッドのシーク動作、使用環境の変化に伴
うヘッド浮上量の低下によりヘッドがディスクと間欠的
に接触するようになった。更に、高密度記録を実現する
ために、連続的に軽微な接触を行わせて記録再生を行う
ほどヘッドの浮上量を低くするまでに至っている。ディ
スクとヘッドの間隙が50nm以下となると、ヘッドが
ディスクに連続または間欠的に接触を許容するヘッド−
ディスクインターフェースを考慮する必要がある。
【0010】これに対応するディスク浮上性能の検査方
法は、上記「従来の技術」に示した様な突起物の接触を
検出する方法では困難になってきた。具体的な理由の一
つは、検査浮上量を低くして微小な突起物を検出しよう
とすると突起以外の粗さに伴うなうAE信号のノイズレ
ベルが高まり、突起接触の信号とノイズ信号の区別がつ
かなくなる。例えば、検査浮上量を25nm以下にする
とディスク表面形状に伴うAE信号のノイズレベルが上
昇するため、低いスライスレベルの設定ができない。そ
のため、検査浮上量程度の微小な突起によるAE信号
は、見逃されてきた。更にヘッドを軽微な接触状態で測
定する場合、スライスを設定して検査する方法が使えな
くなった。
【0011】理由の二つ目は、ディスクの表面形状に起
因したディスクの品質の差を見る事ができない。ヘッド
が完全浮上しているためディスク表面の粗さやうねりに
伴う差が現れない。
【0012】以上の理由から上記に記載したようなサー
マル・アスペリティを発生させるような微小な突起物
(例えば、微小突起物の外形が、高さ16nm、面積3
μm2程度)がディスク面上に存在しても、その微小な突
起物を検出できないという問題が生じてきた。
【0013】本発明の目的は、ディスク面上にサーマル
・アスペリティを発生させうる微少な突起物を検出する
ための検査装置を供給することである。
【0014】本発明の他の目的は、ディスク面上にサー
マル・アスペリティを発生させうる微少な突起物を検出
するための検査方法を開示することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、検査ヘッドは、浮上面の一部分が円板と
連続接触や間欠接触しながら走行可能なヘッド浮上姿勢
を保つことができるスライダ形状とした。そして、その
時ピエゾ素子から生じるAE波形を数値処理して円板のヘ
ッド走行性能を検査する方法を用いた。
【0016】検査ヘッドのスライダ形状は、いろいろな
形状が考案できる。しかし、円板と接触する部分は、適
当な形状でなければならない。図2、及び図3に間接接
触や連続接触する検査用のピエゾヘッドのスライダ形状
を示す。基本的な形状は、ヘッドの流入部は揚圧が発生
するが、接触する部分には揚圧が発生しない、若しくは
揚圧が発生してもヘッド浮上に大きく寄与しない程度の
形状となっている。このためヘッドの加重は、揚圧部で
支え、接触部分は、ディスク表面と軽微に接触する。軽
微な接触とは、ディスクが回転している状態でヘッドが
接触した時にディスク表面が形状的、質的な変化を伴わ
ない程度の接触である。
【0017】接触して発生する弾性波は、ピエゾ素子や
AEセンサーによって電気信号に変換され、ディスク一
周分のAE信号波形が測定できる。また、ヘッドの接触
部の幅(半径方向)の長さが数十μmとすることで、測
定の面分解能が上がり、検査精度が向上する。
【0018】AE信号波形は、ディスク上の突起とヘッ
ドが衝突したときの衝撃の強さや、接触した時の摩擦力
の強さに伴う出力が得られる。従って、ディスク上の微
少な突起物との接触や円板のうねり成分に応じた信号強
度が得られる。
【0019】AE波形の数値処理は、波形の振幅信号の
包絡線(エンベロープ)信号を回路的に生成する。この
包絡線信号は、ディスク一周分を適当な分割数でサンプ
リングして数値化される。数値化されたディスク一周分
の波形データは、専用の処理装置に取り込み、数値処理
される。各トラックごとに逐次処理がなされ、ディスク
のヘッド浮上範囲の測定結果が得られる。そして、エン
ベロープ波形の形状を表すパラメータを抽出するための
各種数値処理を行い、ディスク面上の突起や粗さやうね
りに起因した数値を抽出して、この処理結果を判定し、
円板の良否を検査する。
【0020】ディスクの浮上特性検査用ヘッドの一例を
図2に示す。これは、従来より用いられているピエゾ素
子を登載したヘッドとほぼ同様の2本のストレートスラ
イダを持つヘッドである。従来のストレートスライダの
形状と異なる点は、一方のスライダ2-1の流出端2-4の幅
が約50μmと狭く、もう一方のスライダ2-2の流出端
がスライダ2-1の流出端2-4より100μm後退している
点である。この検査ヘッドは、ディスク面との相対速度
によって浮上量が変化し、スライダ2-1の流出端部2-4の
みが最下点となり、ディスク面に最接近する。そして、
最下点の浮上量がディスクの面粗さの近くまで低下させ
るとヘッドの流出端部2-4とディスク面とが軽微な接触
を開始する。接触部分を一箇所とすることでディスク面
上の微小突起の精度良い検出が可能となる。
【0021】検査ヘッドの浮上量は、スライダ流出端部
2-4がディスク面と軽微な接触を開始する相対速度でヘ
ッドを浮上させ、その時の衝撃に応じた出力がピエゾ素
子から得られる。このピエゾ素子からの信号を定められ
た方法で処理し、ディスクの良否を判定する。図1に具
体的な装置の構成を表したブロック図を示す。
【0022】検査装置は、検査ヘッド1-2を装着し、デ
ィスク1-1面上をシークできる機能を具備したスピンス
タンドに、アンプ1-3、バンドパスフィルタ1-4、更にエ
ンベロープ検波回路1-5、ピーク検出器1-6、A/D変換
器1-7等の計測機器、及びA/D変換されたデータの一
周分を一時的に保持するレジスタ1-8と、波形処理を行
う専用の処理装置1-9を登載している。これらは、ディ
スクの両面を同時に測定するため、アンプ1-3からA/
D変換器1-7まで2式づつ用意されている。更に、スピ
ンスタンドの制御やディスクの浮上性能の良否判定や結
果出力を行う制御装置1-10が付属している。
【0023】まず、検査装置の動作を説明する。検査ヘ
ッド1-2からのAE信号は、一般的に約数百kHzの固
有振動を持ち、ヘッドがディスク面と接触した時に発生
する衝撃に伴う波形は、振幅変調されたような波形が得
られる。これをアンプ1-3、バンドパスフィルタ1-4、エ
ンベロープ検波回路1-5を通して振幅波形の片極性だけ
を検波し、更に包絡線の検出を行って、AE信号はエン
ベロープ信号に変換される。
【0024】このエンベロープ信号は、ピーク検出器1-
6により各セクタごとにピークホールドされ、信号強度
をリアルタイムでA/D変換器1-7によりディジタルデ
ータに変換する。そして、各セクタごとのピークデータ
は、ディスクの両面(A面、B面)ともにセクタごとに
順次レジスタ1-8に保持され、ディスク1周分のデータ
を蓄積した後に波形処理装置1-9に波形データを転送す
る。リアルタイムのピーク検出やA/D変換がタイミン
グ的に間に合わない場合は、1つ乃至は複数セクタの飛
び越しサンプリングを行ない、数回転中に一周分のエン
ベロープ波形を形成する方法が考えられる。
【0025】そして、転送が完了した後に制御装置1-10
は、次のトラックにヘッドを移動させデータサンプリン
グの開始を指示する。このとき、レジスタにバッファ機
能を持たせる事により、制御装置1-10は、ヘッドの移動
およびサンプリングの開始タイミングを早める事がで
き、検査処理能力を高める事ができる。従って、ディス
ク全面の波形データは、周方向がセクタの分解能で、半
径方向がヘッドのおくりピッチの分解能でサンプリング
できる。波形処理装置1-9に取り込まれたディスク一周
分のデータは、次に示す波形処理方法により波形処理を
行う。この様な処理を各トラックで逐次実行し、ディス
クの浮上保証範囲全域の浮上性能を検査する。
【0026】次に波形の処理方法を説明する。一周分の
エンベロープ波形は、サンプリングされたデータ点ごと
にその波高値を評価し、ヒストグラム分布を求める。そ
して、次のトラックのエンベロープ波形も同様の波高値
ヒストグラム分布を求め、先の分布に積算していく。こ
の様に逐次各トラックでの波高値ヒストグラム分布を積
算してき、各面(A面、B面)に対して図4に示すよ
うなディスク全域のエンベロープ波形の波高値ヒストグ
ラムを求める。
【0027】次に、図4のヒストグラムをピークレベル
の0から順次数値積分を行なう。各ピークレベルまでの
データ数をn個とし、ディスク片面から取得した全ての
データ数をN個として、各ピークレベルまでのデータ点
数の比率n/N(%)を求める。ここで全てのデータ数
は、セクタとトラック数の積となる。
【0028】そして、X軸に比率n/N(%)、Y軸に
ピークレベルをプロットすると図5のような数値積分し
た曲線が求まる。図5の図中より指定した部分の評価数
値を求め、制御装置1-10に転送する。そして制御装置1-
10は、その数値を元にディスクの良否を判定し、結果を
出力する。評価数値の取得位置は、制御装置1-10から任
意の位置を指定できる。また判定基準は、目的とするデ
ィスク性能により種々の組み合わせが設定できる構成と
なっている。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の方法でディスクの浮上検
査を行うために3.5インチディスクを作成した。ディ
スクは、3.5インチのAl基材にNiPめっきを施し
た基板に周方向にテクスチャ加工を施し、粗さ約Rp5
nmの平滑な基板を作成する。
【0030】この基板上に記録膜と保護膜をスパッタ形
成した後、保護膜表面に凹凸をエッチング形成し、潤滑
膜を塗布してディスクを得た。
【0031】保護膜に形成する凹凸は、ディスクの表面
にマスクとなる直径約0.5μmの粒子を均一に分散さ
せエッチングマスクとした。この状態で保護膜を17n
mだけエッチングし、ディスク表面に平均直径約0.5
μm、高さ17nmのマウンド形状で、約10の5乗個
/mm2の密度で形成した。
【0032】検査ヘッドは、図3に示したスライダ形状
を持つヘッドのコアにピエゾ素子を登載した。検査は、
両面同時に測定するために同じ浮上特性のヘッドを選別
して使用した。図3のヘッドの最小浮上量となる流出端
部2-4は、センターレール2−3の流出端となる。スラ
イダ2−3の幅は、50μmとした。このタイプのヘッ
ドは、ディスク面上のうねりや微小突起に対する追従性
が鈍いため、従来の2レールのスライダ形状のヘッドよ
りうねりや微小突起に対する検出感度が良いと言う特長
がある。
【0033】次に、これらのディスクの浮上性能の検査
を行った。測定範囲は、半径R45.3mmからR1
9.0mmとし、両面同時に測定するために同じ浮上特
性のヘッドを選別して使用した。ヘッドは、図3のタイ
プのヘッドを用いたので半径方向の送りピッチを30μ
mとした。このため測定範囲は、877トラックにな
り、各トラックごとに回転数を調整し、測定範囲内を一
定速度で測定した。
【0034】測定する速度は、ヘッドが完全に浮上して
いる状態から速度を徐々に低下させ、ヘッドが接触を開
始する速度を求め、これを検査速度とし、ディスク全数
を同一速度で検査した。この検査速度でのヘッド浮上高
さは、20nmであった。接触の開始は、ピエゾ素子の
出力値変化を測定しながら決定した。
【0035】ディスクの浮上特性の良否を判定する指標
は、図5の数値積分したグラフのa点からe点に相当す
る評価数値を持って判断した。この評価数値は、任意の
点を指定することができるが、本実施例では、図5のa
点からe点とした。これら数値は、曲線の特徴を表す指
標となるものであり、ディスクの表面形状を反映してい
る。ここでa点は、ディスク全面のエンベロープ波形の
振幅中心値Acであり、b点c点は、それぞれ振幅の最
大値Amaxと最小値Aminに当たる。また、積算データ数
の5%の点をd点、95%の点をe点とし、それぞれを
A5%、A95%とする。
【0036】ここで評価数値として、ピーク振幅値P=
Amax−A95%、平均振幅値G=A95%−A5%、及び振幅
中心値Acに着目する。ピーク振幅値Pは、ディスク面
上の異常突起部に起因した値になり、ディスク面上に一
箇所以上存在するとピーク振幅値Pは大きな値を示す。
平均振幅値Gは、ディスク表面の粗さやうねりに起因し
た値になり、ディスク表面の平均粗さが大きいほど平均
振幅値Gは大きくなる。また、ディスク表面に比較的長
波長(例えば数100μm)のうねりが存在すると平均
振幅値Gは大きな値を示す。また、平均振幅値Acは、
ディスク表面の粗さや検査ヘッドの接触力に起因した値
となり、これら3個の評価数値を元に浮上性能を判断し
た。
【0037】従って、ピーク振幅値Pと平均振幅値Gの
両方の値が小さいほど浮上性能の良好なディスクとな
る。図6には、Y軸にピーク振幅値P、X軸に平均振幅
値Gをプロットした浮上性能の分布図を示す。そして、
図に示すようなクラス分けをした。検査結果のクラス分
けを一例として示すと、図6の分布図の中のクラスA、
クラスB、不良の3クラスを設定した。
【0038】具体的にはクラスAは、評価数値のAc値
を1.8以下、かつG値が1.0以下、かつP値が1.
2以下の範囲とした。クラスBは、評価数値Acを1.
8以下、かつG値が1.0より大きく1.5以下、かつ
P値が1.2より大きく2.5以下の範囲とした。不良
クラスは、クラスAやクラスB以外のディスクであり、
具体的な数値は、評価数値Acを1.8より大きく、ま
たはG値が1.0より大きく、またはP値が2.5より
大きい範囲とした。
【0039】これら判定基準は、目的とする性能に伴い
変更すれば良い。また、各クラスの境界条件も各種関数
式で表したりすることもでき、フレキシブルに対応でき
る。
【0040】上記検査方法で検査し、その結果をクラス
分けをした中からAクラス、Bクラスと不良クラスのデ
ィスクでサーマル・アスペリティ発生の頻度を確認し
た。それぞれのクラスのディスクで、ディスク全面を走
査して面当たりのTAの発生個数を測定し、各浮上量に
対するサーマル・アスペリティ発生個数をプロットし
た。
【0041】図6の分布図のクラスA、クラスB、不良
の3クラスに対して発生個数をプロットを比較した結果
を図7の様に示す。各クラスによってサーマル・アスペ
リティの発生開始浮上量が異なっている。このことから
もピーク振幅値Pと平均振幅値Gの両方の値が小さいほ
ど浮上性能の良好なディスクであることが判る。
【0042】従って、本方法によりディスクの浮上性能
を評価する事により事前にサーマル・アスペリティ障害
の発生を防ぐ事が可能となる。また、検査基準を厳しく
すればサーマル・アスペリティの発生浮上高さは低くな
るが歩留りの低下になる。
【0043】以上、一例となる検査方法を記載したが、
図5の評価数値の抽出の仕方は、制御装置から任意の位
置を指定できるし、選別基準などは目的とするディスク
性能により種々の組み合わせることが可能である。
【0044】
【発明の効果】本発明の検査装置と検査方法を用いディ
スクの浮上性能の検査を行うことにより、間欠接触の状
態で浮上性能を評価することができるためサーマル・ア
スペリティを発生させる可能性のあるディスク面上の微
小な突起物を確実に検出することが可能となった。
【0045】そのため、ディスクの生産程の段階で、
装置組込み以前に装置不良となりうるディスクを選別す
る事が可能になり、装置不良が低減できた。
【0046】また、ディスクの表面形状の違いや基板の
加工時に生じるうねりや加工痕も検査する事ができる。
従来は、ディスク表面形状の差に伴う変動を見ることは
できなかった。この事により、ディスク表面の粗さ分
布、うねり分布なども検査できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】検査装置構成およびAE信号系のブロック図で
ある。
【図2】浮上性能検査用ヘッド(1)である。
【図3】浮上性能検査用ヘッド(2)である。
【図4】測定範囲全域のAE出力のヒストグラム図であ
る。
【図5】AE出力のヒストグラムを数値積分した図であ
る。
【図6】ディスクの浮上性能の分布図である。
【図7】各クラスのディスクに於ける浮上量対サーマル
・アスペリティ数の上昇カーブの図である。
【符号の説明】
1-1…ディスク、 1-2…検査用ヘッド、
1-3…アンプ、1-4…バンドパスフィルタ、1-5…エンベ
ロープ検波器、1-6…ピーク検出器、1-7…A/D変換
器、 1-8…レジスタ、 1-9…波形処理装
置、1-10…検査装置の制御装置、 1-11…インディッ
クス信号、1-12…セクタ信号、 2-1…スラ
イダ、 2-2…スライダ、2-3…センタースライダ、
2-4…流出端部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 伸弥 神奈川県小田原市国府津2880番地株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部 内 (72)発明者 酒井 信 神奈川県小田原市国府津2880番地株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部 内 (56)参考文献 特開 平5−126514(JP,A) 特開 昭62−134555(JP,A) 特開 平2−198337(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 29/00 - 29/28 G11B 5/84 G01B 17/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気ディスクと、 この磁気ディスク上を浮上する検査用ヘッドと、 この検査用ヘッドが前記磁気ディスクと接触した時に生
    じる弾性波信号を検波する回路と、 前記磁気ディスク一周分を複数に分割した各セクタごと
    に前記検波信号の包絡線を検出する回路と、 前記各セクタごとに包絡線信号の最大値を保持する回路
    と、 この最大値をアナログ/デジタル変換する変換器と、こ
    の変換器により変換したデータを収集し、このデータの
    分布を求め、この分 布の曲線の形状の特徴を示す評価数値と予め設定した値
    とを比較して前記磁気ディスクの浮上性能の良否を判定
    する専用処理装置とを備えた磁気ディスクの浮上性能検
    査装置。
  2. 【請求項2】検査用ヘッドが磁気ディスクと接触した時
    に生じる弾性波信号を検波する回路と、前記磁気ディス
    ク一周分を複数に分割した各セクタごとに前記検波信号
    を包絡線検出する回路と、前記各セクタごとに包絡線信
    号の最大値を保持する回路と、この最大値をアナログ/
    ディジタル変換する変換器と、この変換器で変換された
    ディジタル情報を処理する為の専用処理装置を用いた浮
    上性能検査方法であって、 前記専用処理装置は、測定範囲から得られた前記各セク
    タごとの包絡線信号の最大値データの分布を求め、その
    分布曲線の形状の特徴を示す評価数値を抽出し、この評
    価数値と予め設定した値とを比較する事により前記検査
    ヘッドの出力分布から前記磁気ディスクの浮上性能の良
    否を判定する磁気ディスクの浮上性能検査方法。
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