JP3386937B2 - 繊維材料およびその製法 - Google Patents

繊維材料およびその製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維材料およびそ
の製法に関する。さらに詳しくは、収率にすぐれた繊維
材料の製法およびそれからえられた繊維材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、(モダ)アクリル繊維の染色は、
該(モダ)アクリル繊維にスルホン酸基を染色座席とし
てあらかじめ導入したのち、塩基性染料で染色する方法
が採られている。(モダ)アクリル繊維にスルホン酸基
をあらかじめ導入する方法としては、該(モダ)アクリ
ル繊維の原料モノマーに、スルホン酸基含有モノマーと
してメタリルスルホン酸ソーダ、アクリルアミドターシ
ャリーブチルスルホン酸ソーダまたはスチレンスルホン
酸ソーダを配合したのち、共重合させる方法が知られて
いる。
【0003】しかしながら、スルホン酸基含有モノマー
としてメタリルスルホン酸ソーダまたはアクリルアミド
ターシャリーブチルスルホン酸ソーダを用いたばあいに
は、水を媒体とする懸濁重合または乳化重合によってポ
リマーを調製した際に、これらメタリルスルホン酸ソー
ダおよびアクリルアミドターシャリーブチルスルホン酸
ソーダの反応効率が20〜30%程度と低く、未反応モ
ノマーとして水媒体中に多量に残存するという欠点があ
る。また、スルホン酸基含有モノマーとしてスチレンス
ルホン酸ソーダを用いたばあいには、該スチレンスルホ
ン酸ソーダは高価であるため、工業的に不利であるとい
う欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、安価な材料で染色座席
としてスルホン酸基を効率よく導入することができる水
を媒体とした懸濁重合法または乳化重合法による繊維材
料の製法を提供することを目的とする。
【0005】また、本発明は、前記製法を利用すること
により、安価な繊維材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1に、
(A)アクリロニトリル80〜97重量%、(B)一般
式(I):
【0007】
【化3】
【0008】(式中、R1は−COOCH3基または−O
COCH3基を示す)で表わされるビニルモノマー2〜
15重量%および(C)イソプレンスルホン酸およびイ
ソプレンスルホン酸塩から選ばれた少なくとも1種のス
ルホン酸基含有モノマー0.05〜7重量%からなるモ
ノマー組成物を水を媒体として懸濁重合または乳化重合
させることを特徴とする繊維材料の製法、ならびに該繊
維材料の製法によってえられた繊維材料(以下、第1発
明という)に関する。
【0009】また、本発明は、第2に、(A)アクリロ
ニトリル25〜65重量%、(B)一般式(II):
【0010】
【化4】
【0011】(式中、R2は水素原子または塩素原子を
示す)で表わされる塩素含有ビニルモノマー30〜70
重量%および(C)イソプレンスルホン酸およびイソプ
レンスルホン酸塩から選ばれた少なくとも1種のスルホ
ン酸基含有モノマー0.1〜7重量%からなるモノマー
組成物を水を媒体として懸濁重合または乳化重合させる
ことを特徴とする繊維材料の製法、ならびに該繊維材料
の製法によってえられた繊維材料(以下、第2発明とい
う)に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の繊維材料の製法は、水を
媒体とする懸濁重合法または乳化重合法によって繊維材
料を調製するに際し、スルホン酸基含有モノマーとして
従来汎用されているメタリルスルホン酸ソーダまたはア
クリルアミドターシャリーブチルスルホン酸ソーダを用
いたばあいよりもはるかにすぐれた高効率でスルホン酸
基含有モノマーを繊維材料中に導入することができ、し
かも該スルホン酸基含有モノマーが安価であるので、工
業的生産性にすぐれた方法である。
【0013】本発明の繊維材料の製法は、スルホン酸基
含有モノマーとして、イソプレンスルホン酸およびイソ
プレンスルホン酸塩の少なくとも1種(以下、イソプレ
ンスルホン酸(塩)という)を用いた点に1つの大きな
特徴がある。
【0014】前記イソプレンスルホン酸(塩)は、従来
用いられているメタリルスルホン酸ソーダおよびアクリ
ルアミドターシャリーブチルスルホン酸ソーダと大差の
ない水に対する溶解度を有するものである。ところが、
メタリルスルホン酸ソーダやアクリルアミドターシャリ
ーブチルスルホン酸ソーダを用いたばあいには、反応効
率が20〜30%程度であるのに対して、前記イソプレ
ンスルホン酸(塩)を用いたばあいには、反応効率が4
0〜70%にも達し、該反応効率を、メタリルスルホン
酸ソーダやアクリルアミドターシャリーブチルスルホン
酸ソーダを用いたばあいよりも大幅に向上させることが
できる。
【0015】かかる事実は、前記イソプレンスルホン酸
(塩)がメタリルスルホン酸ソーダやアクリルアミドタ
ーシャリーブチルスルホン酸ソーダと大差のない水に対
する溶解度を有することからすれば、まさに驚くべきこ
とである。
【0016】本発明の繊維材料の製法によれば、このよ
うに高効率でイソプレンスルホン酸(塩)を有効利用す
ることができる理由は、現時点では未だ定かではない
が、おそらく、前記イソプレンスルホン酸(塩)がメタ
リルスルホン酸ソーダやアクリルアミドターシャリーブ
チルスルホン酸ソーダと対比して、共役二重結合の重合
性やラジカルの連鎖移動作用に差があることに起因する
のではないかと考えられる。
【0017】また、本発明の繊維材料の製法によれば、
繊維材料中に含有されるイソプレンスルホン酸(塩)の
比率を高めることができるので、えられる繊維材料が有
するスルホン酸基の含有量を増大させることができる。
その結果、前記繊維材料に付着させることができる塩基
性染料の量が増大するので、前記繊維材料は、染色性に
すぐれたものとなる。
【0018】さらに、本発明の繊維材料の製法によれ
ば、反応に供しえなかったイソプレンスルホン酸(塩)
の量を大幅に減少させることができるので、繊維材料の
製造後の廃液に含まれたイソプレンスルホン酸(塩)の
量を減少させることになる。その結果、廃水汚染が減少
し、廃水処理の負荷が減少するのみならず、工場立地条
件上、廃水負荷に制約がある工場には多大なメリットを
もたらすという利点がある。
【0019】まず、第1発明に用いられるモノマー組成
物について説明する。
【0020】第1発明においては、前記したように、
(A)アクリロニトリル80〜97重量%、(B)一般
式(I):
【0021】
【化5】
【0022】(式中、R1は−COOCH3基または−O
COCH3基を示す)で表わされるビニルモノマー2〜
15重量%および(C)イソプレンスルホン酸およびイ
ソプレンスルホン酸塩から選ばれた少なくとも1種のス
ルホン酸基含有モノマー0.05〜7重量%からなるモ
ノマー組成物が用いられる。
【0023】前記モノマー組成物におけるアクリロニト
リルの量は、えられる繊維の強伸度および耐熱性の点か
ら、80重量%以上、好ましくは85重量%以上が必要
とされ、またえられる繊維材料の溶媒に対する溶解性の
点から、97重量%以下、好ましくは95重量%以下が
必要とされる。
【0024】前記一般式(I)で表わされるビニルモノ
マーの具体例としては、酢酸ビニルおよびメチルアクリ
レートがあげられる。これらのビニルモノマーは、単独
でまたは混合して用いられる。
【0025】前記モノマー組成物におけるビニルモノマ
ーの量は、えられる繊維に必要な熱可塑性を付与するた
めに2重量%以上、好ましくは4重量%以上が必要とさ
れ、またえられる繊維の熱収縮性が過大となるのを防止
するために15重量%以下、好ましくは13重量%以下
が必要とされる。
【0026】前記イソプレンスルホン酸塩の代表例とし
ては、たとえばイソプレンスルホン酸リチウム、イソプ
レンスルホン酸ソーダ、イソプレンスルホン酸カリウム
などのイソプレンスルホン酸アルカリ金属塩;イソプレ
ンスルホン酸アンモニウム塩;イソプレンスルホン酸メ
チルアミン、イソプレンスルホン酸エチルアミン、イソ
プレンスルホン酸プロピルアミン、イソプレンスルホン
酸ジメチルアミン、イソプレンスルホン酸トリエチルア
ミンなどのイソプレンスルホン酸アルキルアミン、イソ
プレンスルホン酸エチレンジアミン、イソプレンスルホ
ン酸トリエチレンジアミンなどのイソプレンスルホン酸
ポリアミン、イソプレンスルホン酸モルホリン塩、イソ
プレンスルホン酸ピペリジン塩などのイソプレンスルホ
ン酸アミン塩などがあげられる。これらのイソプレンス
ルホン酸塩は、単独でまたは2種以上を混合して用いら
れる。
【0027】前記イソプレンスルホン酸塩のなかでは、
イソプレンスルホン酸アルカリ金属塩、イソプレンスル
ホン酸アンモニウム塩およびイソプレンスルホン酸アミ
ン塩は、第1発明において、とくに好適に使用しうるも
のである。
【0028】前記モノマー組成物におけるイソプレンス
ルホン酸(塩)(イソプレンスルホン酸およびイソプレ
ンスルホン酸塩の少なくとも1種)の量は、充分な染色
性を付与するために、0.05重量%以上、好ましくは
0.1重量%以上、さらに好ましくは0.2重量%以上
が必要とされ、またえられる繊維の染色むらの防止およ
びえられる繊維材料の製造時の瀘過・洗浄工程の作業性
の点から、7重量%以下、好ましくは5重量%以下、さ
らに好ましくは3重量%以下が必要とされる。
【0029】なお、前記モノマー組成物には必要によ
り、たとえば(メタ)アクリル酸、メチルメタクリレー
ト、(メタ)アクリルアミドなどのモノマーを10重量
%をこえない範囲内で配合してもよい。
【0030】つぎに、第2発明に用いられるモノマー組
成物について説明する。
【0031】第2発明においては、前記したように、
(A)アクリロニトリル25〜65重量%、(B)一般
式(II):
【0032】
【化6】
【0033】(式中、R2は水素原子または塩素原子を
示す)で表わされる塩素含有ビニルモノマー30〜70
重量%および(C)イソプレンスルホン酸およびイソプ
レンスルホン酸塩から選ばれた少なくとも1種のスルホ
ン酸基含有モノマー0.1〜7重量%からなるモノマー
組成物が用いられる。
【0034】前記モノマー組成物におけるアクリロニト
リルの量は、えられる繊維の強伸度および耐熱性を維持
するために25重量%以上、好ましくは35重量%以上
が必要とされ、またえられる繊維に有用な難燃性を付与
するために65重量%以下、好ましくは60重量%以下
が必要とされる。
【0035】前記一般式(II)で表わされる塩素含有ビ
ニルモノマーの具体例としては、塩化ビニルおよび塩化
ビニリデンがあげられる。これらの塩素含有ビニルモノ
マーは、単独でまたは混合して用いられる。
【0036】前記モノマー組成物における塩素含有ビニ
ルモノマーの量は、えられる繊維に有用な難燃性を付与
するために30重量%以上、好ましくは37重量%以上
が必要とされ、またえられる繊維の強伸度および耐熱性
を維持させるために70重量%以下、好ましくは63重
量%以下が必要とされる。
【0037】前記イソプレンスルホン酸塩としては、第
1発明に用いられるイソプレンスルホン酸塩と同じもの
が例示される。前記イソプレンスルホン酸塩は、単独で
または2種以上を混合して用いられる。
【0038】前記イソプレンスルホン酸塩のなかでは、
イソプレンスルホン酸アルカリ金属塩、イソプレンスル
ホン酸アンモニウム塩およびイソプレンスルホン酸アミ
ン塩は、第2発明において、とくに好適に使用しうるも
のである。
【0039】前記モノマー組成物におけるイソプレンス
ルホン酸(塩)(イソプレンスルホン酸およびイソプレ
ンスルホン酸塩の少なくとも1種)の量は、充分な染色
性を付与するために、0.1重量%以上、好ましくは
0.2重量%以上、さらに好ましくは0.3重量%以上
が必要とされ、またえられる繊維の染色むらの防止およ
びえられる繊維材料の製造時の瀘過・洗浄工程の作業性
の点から、7重量%以下、好ましくは5重量%以下、さ
らに好ましくは4重量%以下が必要とされる。
【0040】なお、前記モノマー組成物には、必要によ
り、たとえばメチル(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリルアミド、臭化ビニルなどのモノマーを10重量%
をこえない範囲内で配合してもよい。
【0041】つぎに、第1発明および第2発明における
モノマー組成物を用いて繊維材料を製造する方法につい
て説明する。
【0042】前記モノマー組成物(第1発明または第2
発明におけるモノマー組成物をいう。以下同様)を懸濁
重合法によって調製するばあい、以下のようにすればよ
い。
【0043】まず、イオン交換水などの精製水のpHを
あらかじめ2〜3.5程度に調整しておく。かかるpH
を調整する際には、硫酸水溶液を好適に用いることがで
きる。
【0044】前記精製水に、モノマー組成物を添加し、
該モノマー組成物を精製水中に懸濁させる。モノマー組
成物の添加量は、通常精製水100重量部に対して10
〜100重量部程度であればよい。
【0045】液温を30〜70℃程度に保ち、撹拌によ
りモノマー組成物を懸濁させながら、重合開始剤を添加
する。
【0046】前記重合開始剤としては、たとえば過硫酸
ソーダ、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、塩素酸
ソーダ、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、
過酸化水素などの酸化剤;亜硫酸水素ソーダ、ピロ亜硫
酸ソーダ、亜硫酸ソーダ、亜硝酸ソーダなどの還元剤な
どがあげられる。前記重合開始剤の使用量は、その種類
によって異なるので一概には決定することができない
が、通常モノマー組成物100重量部に対して酸化剤お
よび還元剤がそれぞれ0.01〜5重量部程度であれば
よい。
【0047】なお、反応系には、必要により、たとえば
微量の硫酸第一鉄などの反応促進剤;適量のメルカプト
エタノール、メルカプトプロピオン酸、ターシャリード
デシルメルカプタンなどの分子量調節剤を配合してもよ
い。
【0048】反応時間は、とくに限定がないが、通常、
0.5〜5時間程度であればよい。
【0049】重合反応生成物は、通常、凝集粒子として
えられ、この粒子径はとくに限定がないが、通常10〜
70μm程度であることが好ましい。
【0050】重合反応終了後は、重合反応溶液からポリ
マーを濾別し、水洗したのち、乾燥させることにより、
本発明の繊維材料を回収することができる。
【0051】前記モノマー組成物を乳化重合法によって
調製するばあい、以下のようにすればよい。
【0052】まず、イオン交換水などの精製水のpHを
あらかじめ2〜3.5程度に調整しておく。かかるpH
を調整する際には、硫酸水溶液を好適に用いることがで
きる。
【0053】前記精製水に乳化剤を配合する。
【0054】前記乳化剤の代表例としては、たとえばア
ルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチドなどの
カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキ
ルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸
塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、N−アシルメチルタウリンなどのスルホン酸塩、ア
ルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル硫酸塩などの硫酸エステル、アルキルリ
ン酸エステルなどのリン酸エステルなどのアニオン界面
活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンアルキルエ−テル、ポリオ
キシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコ
ール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポ
リオキシエチレンアルキルアミンなどのノニオン界面活
性剤があげられ、これらは適宜選択して1種または2種
以上が用いられる。前記乳化剤の使用量は、その種類に
よって異なるので一概には決定することができないが、
通常モノマー組成物100重量部に対して0.2〜5重
量部程度であればよい。
【0055】つぎに、モノマー組成物を添加したのち、
液温を30〜70℃程度に保ちながら、撹拌下で重合開
始剤を添加する。
【0056】前記重合開始剤としては、前記懸濁重合法
に用いられるものと同じものが例示される。前記重合開
始剤の使用量は、その種類によって異なるので一概には
決定することができないが、通常モノマー組成物100
重量部に対して酸化剤および還元剤がそれぞれ0.01
〜5重量部程度であればよい。
【0057】なお、反応系には、必要により、たとえば
微量の硫酸第一鉄などの反応促進剤;適量のメルカプト
エタノール、メルカプトプロピオン酸、ターシャリード
デシルメルカプタンなどの分子量調節剤を配合してもよ
い。
【0058】反応時間は、とくに限定がないが、通常、
1〜20時間程度であればよい。
【0059】重合反応終了後は、反応溶液にたとえば塩
化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫
酸アルミニウムなどの塩を添加し、70〜90℃程度の
温度に加熱することにより、塩析を行なう。
【0060】つぎに、反応溶液からポリマーを濾別し、
水洗したのち、乾燥させることにより、本発明の繊維材
料を回収することができる。
【0061】本発明(第1発明および第2発明)の繊維
材料は、前記したように、前記モノマー組成物を水を媒
体として懸濁重合または乳化重合させることによってえ
られるが、懸濁重合法および乳化重合法のなかでは、乳
化重合法は、イソプレンスルホン酸(塩)の反応効率が
高い繊維材料をうることができるので、本発明において
好ましい方法である。
【0062】また、本発明(第1発明および第2発明)
の繊維材料の平均分子量は、重合反応条件を適宜調整す
ることによって調節することができる。かかる平均分子
量は、えられる繊維の強伸度を高めるためには、400
00以上、なかんづく50000以上であることが好ま
しく、また粘度が高くなって作業性が低下することを回
避するためには、100000以下、なかんづく800
00以下であることが好ましい。
【0063】本発明(第1発明および第2発明)の繊維
材料から繊維を製造する方法としては、通常の湿式紡糸
法および乾式紡糸法のいずれを採用してもよい。
【0064】紡糸原液を調製する際には、たとえば硝
酸、ロダン塩などの濃厚水溶液、アセトン、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの溶剤を用い
て、紡糸原液中に含まれる繊維材料の濃度が8〜40重
量%程度となるように調整すればよい。なお、紡糸原液
には、必要により、たとえば安定化剤、難燃化剤などを
配合してもよい。
【0065】繊維を湿式紡糸法によって製造するばあい
には、紡糸原液を紡糸ノズルを介して水中に押出し、フ
ィラメントを形成させたのち、必要により、延伸、洗
浄、乾燥を行ない、ついで延伸、熱処理を行なえばよ
い。
【0066】かくして、第1発明の繊維材料を用いたば
あいには、アクリル系合成繊維として好適に使用しうる
繊維がえられ、また第2発明の繊維材料を用いたばあい
には、難燃性にすぐれたモダクリル系合成繊維として好
適に使用しうる繊維がえられる。
【0067】
【実施例】つぎに、本発明の繊維材料およびその製法を
実施例にもとづいて詳細に説明するが、本発明はかかる
実施例のみに限定されるものではない。
【0068】実施例1および比較例1〜2 100ml容の撹拌器つき耐圧瓶に、0.1N硫酸1.
2gおよびイオン交換水62.8gを仕込んだのち、表
1に示す組成からなるモノマー組成物8gを仕込み、4
5℃に加熱し、撹拌しながら重合開始剤として3%過硫
酸アンモニウム水溶液4gおよび6%酸性亜硫酸ソーダ
水溶液4gを添加して重合反応を開始させた。
【0069】重合反応を2時間行なったのち、えられた
ポリマーを濾別し、水洗後に80℃で乾燥させて繊維材
料をえた。
【0070】つぎに、繊維材料の平均分子量および収
率、スルホン酸基含有モノマーの重合利用率および重合
回収率、ならびに相対飽和値を以下の方法にもとづいて
調べた。その結果を表1に示す。
【0071】(A)平均分子量 繊維材料0.2gをジメチルホルムアミド50mlに溶
解させたのち、30℃で該繊維材料の比粘度〔ηsp〕
を測定し、式: 〔平均分子量〕=〔ηsp〕/〔1.5×10-4・C〕 〔式中、Cは繊維材料の濃度(0.075モル/l)を
示す〕にしたがって求める。
【0072】(B)収率 繊維材料を熱風乾燥機で80℃で10時間乾燥させたあ
との重量を測定し、式:
【0073】
【数1】
【0074】にしたがって求める。
【0075】(C)重合利用率 繊維材料0.50gを精秤し、ジメチルホルムアミド5
0mlに溶解させる。つぎに、えられた溶液と強酸型カ
チオン交換樹脂(粒子径:50〜100メッシュ)2.
0gとを1時間かけて混合撹拌したのち、ガラスフィル
ターを用いてカチオン交換樹脂を除去し、えられた濾液
を電位差滴定装置を用いて、0.02NのNaOH水溶
液にて滴定し、またこれとは別に、ブランクテストを行
なって補正する。
【0076】繊維材料中の強酸性基の含有量は、式: 〔強酸性基の含有量〕=〔0.02×F×(A−B)×10-3〕/S 〔式中、Sは繊維材料の重量(0.5g)、Fは0.0
2NのNaOH水溶液の力価、Aは0.02NのNaO
H水溶液の滴定量(ml)、Bは0.02NのNaOH
水溶液のブランクテストによる滴定量(ml)を示す〕
にしたがって求める。
【0077】つぎに、求められた繊維材料中の強酸性基
の含有量から、式: 〔スルホン酸基含有モノマーの重合利用率(%)〕=
〔(強酸性基の含有量)−(スルホン酸基含有モノマー
を含まないモノマー組成物からなる繊維材料中の強酸性
基の含有量)〕×(スルホン酸基含有モノマーの分子
量)×100/(スルホン酸基含有モノマーの重量/モ
ノマー組成物の重量) にしたがって求める。
【0078】(D)重合回収率 スルホン酸基含有モノマーの重合回収率は、式: 〔重合回収率(%)〕=〔(スルホン酸基含有モノマー
の重合利用率)×(収率)/100〕 にしたがって求める。
【0079】(E)相対飽和値 繊維材料をジメチルホルムアミドに溶解させ、20%ジ
メチルホルムアミド溶液を調製したのち、板上に流延さ
せ、ジメチルホルムアミドを揮散除去して厚さ約40μ
mのフィルムを作製する。
【0080】つぎに、えられたフィルムを純水中に浸漬
し、30分間煮沸したのち、80℃で乾燥させてテスト
サンプルを作製する。
【0081】テストサンプル0.5gを用い、マラカイ
トグリーンシュウ酸塩0.015g(塩素含有モノマー
の使用時)または0.02g(ビニルモノマーの使用
時)、酢酸ソーダ0.005gおよび酢酸0.005g
を用い、これらをイオン交換水100mlに加え、振盪
式自動染色試験機を用いて95℃で90分間定温染色す
る。
【0082】染色後、染液の620nmにおける吸光度
と、試験前の染液の620nmにおける吸光度との差か
ら、あらかじめ求められた検量線にしたがって染料の吸
着量を求め、テストサンプルに対する重量百分率で表わ
す。
【0083】なお、表1〜2中、各略号は、以下のこと
を意味する。
【0084】AN:アクリロニトリル MA:メチルアクリレート IPS:イソプレンスルホン酸ソーダ SATBS:アクリルアミドターシャリーブチルスルホ
ン酸ソーダ SMS:メタリルスルホン酸ソーダ
【0085】
【表1】
【0086】表1に示された結果から、実施例1の繊維
材料の製法によれば、従来の比較例1〜2の製法と対比
して、スルホン酸基含有モノマーを効率よく利用するこ
とができ、その重合回収率が比較例1〜2の約1.7〜
2倍となり、繊維材料に組込まれるスルホン酸基含有モ
ノマー量を大幅に向上させることができ、また比較例1
〜2の製法と対比して、相対飽和値が約1.5(使用し
た染料の約38重量%)も増大し、繊維材料の染色性が
大幅に向上していることがわかる。
【0087】つぎに、実施例1でえられた繊維材料中の
メチルアクリレートの定量を以下の方法にもとづいて行
なった。その結果、えられた繊維材料中にメチルアクリ
レートが9.34重量%含有されていることが確認され
た。
【0088】このことから、繊維材料を構成しているメ
チルアクリレートにもとづく繰り返し単位の含有率は、
モノマー組成物中のメチルアクリレートの含有率にほぼ
等しいことがわかる。
【0089】したがって、主成分のアクリロニトリルも
これと同様に、繰り返し単位の含有率とモノマー組成物
中の含有率とがほぼ同じであるということができる。
【0090】(メチルアクリレートの定量)繊維材料の
赤外吸光スペクトルを調べ、アクリロニトリル2240
cm-1、メチルアクリレート1735cm-1における吸
光度を測定し、あらかじめ作成しておいた検量線によ
り、定量する。
【0091】実施例2および比較例3〜4 100ml容の撹拌器つき耐圧瓶に、0.1N硫酸1.
2gおよびイオン交換水62.8gを仕込んだのち、表
2に示す組成からなるモノマー組成物8gを仕込み、4
5℃に加熱し、撹拌しながら重合開始剤として3%過硫
酸アンモニウム水溶液4gおよび6%酸性亜硫酸ソーダ
水溶液6gを添加して重合反応を開始させた。
【0092】重合反応を2時間行なったのち、えられた
ポリマーを濾別し、水洗後に80℃で乾燥させて繊維材
料をえた。
【0093】つぎに、繊維材料の平均分子量および収
率、スルホン酸基含有モノマーの重合利用率および重合
回収率、ならびに相対飽和値を実施例1と同様にして調
べた。その結果を表2に示す。
【0094】
【表2】
【0095】表2に示された結果から、実施例2の繊維
材料の製法によれば、従来の比較例3〜4の製法と対比
して、スルホン酸基含有モノマーを効率よく利用するこ
とができ、その重合回収率が比較例3〜4の約2倍とな
り、繊維材料に組込まれるスルホン酸基含有モノマー量
を大幅に向上させることができ、また比較例3〜4の製
法と対比して、相対飽和値が約1.0(使用した染料の
約25重量%)も増大し、繊維材料の染色性が大幅に向
上していることがわかる。
【0096】つぎに、実施例2でえられた繊維材料中の
メチルアクリレートの定量を実施例1と同様にして行な
った。その結果、えられた繊維材料中にメチルアクリレ
ートが9.13重量%含有されていることが確認され
た。
【0097】このことから、繊維材料を構成しているメ
チルアクリレートにもとづく繰り返し単位の含有率は、
モノマー組成物中のメチルアクリレートの含有率にほぼ
等しいことがわかる。
【0098】したがって、主成分のアクリロニトリルも
これと同様に、繰り返し単位の含有率とモノマー組成物
中の含有率とがほぼ等しいということができる。
【0099】実施例3および比較例5〜6 100ml容の撹拌器つき耐圧瓶に、0.1N硫酸水溶
液6.6g、重合促進剤として硫酸第一鉄1.6×10
-5g、乳化剤としてn−ドデシルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ0.4g、表3に示すモノマー組成物8gおよびイ
オン交換水57gを仕込んだのち、43℃に加熱し、撹
拌しながら重合開始剤として1%過硫酸アンモニウム水
溶液4gおよび1%酸性亜硫酸ソーダ水溶液4gを添加
して重合反応を開始させた。
【0100】重合反応を5時間行なったのち、20%塩
化ナトリウム水溶液10gを添加し、90℃で1時間加
熱して塩析を行なった。
【0101】そののち、えられたポリマーを濾別し、熱
水で洗浄したのち、80℃で乾燥させて繊維材料をえ
た。
【0102】つぎに、繊維材料の平均分子量および収
率、スルホン酸基含有モノマーの重合利用率および重合
回収率、ならびに相対飽和値を実施例1と同様にして調
べた。その結果を表3に示す。
【0103】なお、表3〜4中、各略号は、以下のこと
を意味する。
【0104】AN:アクリロニトリル VD:塩化ビニリデン IPS:イソプレンスルホン酸ソーダ SATBS:アクリルアミドターシャリーブチルスルホ
ン酸ソーダ SMS:メタリルスルホン酸ソーダ
【0105】
【表3】
【0106】表3に示された結果から、実施例3の繊維
材料の製法によれば、従来の比較例5〜6の製法と対比
して、スルホン酸基含有モノマーを効率よく利用するこ
とができ、その重合回収率が比較例5〜6の約2倍とな
り、繊維材料に組込まれるスルホン酸基含有モノマー量
を大幅に向上させることができ、また比較例5〜6の製
法と対比して、相対飽和値が約1.0(使用した染料の
約33重量%)も増大し、繊維材料の染色性が大幅に向
上していることがわかる。
【0107】つぎに、実施例3でえられた繊維材料中の
塩化ビニリデンの定量を以下の方法にもとづいて行なっ
た。その結果、えられた繊維材料中に塩化ビニリデンが
40.8重量%含有されていることが確認された。
【0108】このことから、繊維材料を構成している塩
化ビニリデンにもとづく繰り返し単位の含有率は、モノ
マー組成物中の塩化ビニリデンの含有率にほぼ等しいこ
とがわかる。
【0109】したがって、主成分のアクリロニトリルも
これと同様に、繰り返し単位の含有率とモノマー組成物
中の含有率とがほぼ同じであるということができる。
【0110】(塩化ビニリデンの定量)繊維材料を酸素
燃焼フラスコ法により分解し、生成した塩素をホルハル
ト(Volhard)法によって定量する。
【0111】実施例4および比較例7〜8 100ml容の撹拌器つき耐圧瓶に、0.1N硫酸水溶
液6.6g、重合促進剤として硫酸第一鉄1.6×10
-5g、乳化剤としてn−ドデシルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ0.4g、表4に示すモノマー組成物8gおよびイ
オン交換水57gを仕込んだのち、43℃に加熱し、撹
拌しながら重合開始剤として1%過硫酸アンモニウム水
溶液4gおよび1%酸性亜硫酸ソーダ水溶液4gを添加
して重合反応を開始させた。
【0112】重合反応を5時間行なったのち、20%塩
化ナトリウム水溶液10gを添加し、90℃で1時間加
熱して塩析を行なった。
【0113】そののち、えられたポリマーを濾別し、熱
水で洗浄したのち、80℃で乾燥させて繊維材料をえ
た。
【0114】つぎに、繊維材料の平均分子量および収
率、スルホン酸基含有モノマーの重合利用率および重合
回収率、ならびに相対飽和値を実施例1と同様にして調
べた。その結果を表4に示す。
【0115】
【表4】
【0116】表4に示された結果から、実施例4の繊維
材料の製法によれば、従来の比較例7〜8の製法と対比
して、スルホン酸基含有モノマーを効率よく利用するこ
とができ、その重合回収率が比較例7〜8の約2.5倍
となり、繊維材料に組込まれるスルホン酸基含有モノマ
ー量を大幅に向上させることができ、また比較例7〜8
の製法と対比して、相対飽和値が約1.2(使用した染
料の40重量%)も増大し、繊維材料の染色性が大幅に
向上していることがわかる。
【0117】つぎに、実施例4でえられた繊維材料中の
塩化ビニリデンの定量を実施例3と同様にして行なっ
た。その結果、えられた繊維材料中に塩化ビニリデンが
40.8重量%含有されていることが確認された。
【0118】このことから、繊維材料を構成している塩
化ビニリデンにもとづく繰り返し単位の含有率は、モノ
マー組成物中の塩化ビニリデンの含有率とほぼ等しいこ
とがわかる。
【0119】したがって、主成分のアクリロニトリルも
これと同様に、繰り返し単位の含有率とモノマー組成物
中の含有率とがほぼ同じであるということができる。
【0120】実施例5および比較例9〜10 100ml容の撹拌器つき耐圧瓶に、0.1N硫酸1.
2gおよびイオン交換水62.8gを仕込んだのち、表
5に示す組成からなるモノマー組成物8gを仕込み、4
5℃に加熱し、撹拌しながら重合開始剤として3%過硫
酸アンモニウム水溶液4gおよび6%酸性亜硫酸ソーダ
水溶液4gを添加して重合反応を開始させた。
【0121】重合反応を実施例5では3時間、比較例9
〜10では2時間行なったのち、えられたポリマーを濾
別し、水洗後に80℃で乾燥させて繊維材料をえた。
【0122】つぎに、繊維材料の平均分子量および収
率、スルホン酸基含有モノマーの重合利用率および重合
回収率、ならびに相対飽和値を実施例1と同様にして調
べた。その結果を表5に示す。
【0123】なお、表5〜6中、各略号は、以下のこと
を意味する。
【0124】AN:アクリロニトリル VAC:酢酸ビニル IPS:イソプレンスルホン酸ソーダ SATBS:アクリルアミドターシャリーブチルスルホ
ン酸ソーダ SMS:メタリルスルホン酸ソーダ
【0125】
【表5】
【0126】表5に示された結果から、実施例5の繊維
材料の製法によれば、従来の比較例9〜10の製法と対
比して、スルホン酸基含有モノマーを効率よく利用する
ことができ、その重合回収率が比較例9〜10の約1.
7〜2.1倍となり、繊維材料に組込まれるスルホン酸
基含有モノマー量を大幅に向上させることができること
がわかる。
【0127】つぎに、実施例5でえられた繊維材料中の
酢酸ビニルの定量を以下の方法にもとづいて行なった。
その結果、えられた繊維材料中に酢酸ビニルが6.52
重量%含有されていることが確認された。
【0128】(酢酸ビニルの定量)繊維材料の赤外吸光
スペクトルを調べ、アクリロニトリル2240cm-1
酢酸ビニル1737cm-1における吸光度を測定し、あ
らかじめ作成しておいた検量線により、定量する。
【0129】実施例6および比較例11〜12 100ml容の撹拌器つき耐圧瓶に、0.1N硫酸1.
2gおよびイオン交換水62.8gを仕込んだのち、表
6に示す組成からなるモノマー組成物8gを仕込み、4
5℃に加熱し、撹拌しながら重合開始剤として3%過硫
酸アンモニウム水溶液4gおよび6%酸性亜硫酸ソーダ
水溶液4gを添加して重合反応を開始させた。
【0130】重合反応を実施例6では3時間、比較例1
1〜12では2時間行なったのち、えられたポリマーを
濾別し、水洗後に80℃で乾燥させて繊維材料をえた。
【0131】つぎに、繊維材料の平均分子量および収
率、スルホン酸基含有モノマーの重合利用率および重合
回収率、ならびに相対飽和値を実施例1と同様にして調
べた。その結果を表6に示す。
【0132】
【表6】
【0133】表6に示された結果から、実施例6の繊維
材料の製法によれば、従来の比較例11〜12の製法と
対比して、スルホン酸基含有モノマーを効率よく利用す
ることができ、その重合回収率が比較例11〜12の約
1.6〜2倍となり、繊維材料に組込まれるスルホン酸
基含有モノマー量を大幅に向上させることができること
がわかる。
【0134】つぎに、実施例6でえられた繊維材料中の
酢酸ビニルの定量を実施例5と同様にして行なった。そ
の結果、えられた繊維材料中に酢酸ビニルが6.14重
量%含有されていることが確認された。
【0135】実施例7および比較例13〜14 100ml容の撹拌器つき耐圧瓶に、0.1N硫酸水溶
液6.6g、乳化剤としてn−ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ0.4g、分子量調節剤としてn−ドデシル
メルカプタン0.016g、表7に示すモノマー組成物
8gおよびイオン交換水64.98gを仕込んだのち、
43℃に加熱し、撹拌しながら重合開始剤として1%過
硫酸アンモニウム水溶液4gおよび1%酸性亜硫酸ソー
ダ水溶液4gを添加して重合反応を開始させた。
【0136】重合反応を5時間行なったのち、20%塩
化ナトリウム水溶液10gを添加し、90℃で1時間加
熱して塩析を行なった。
【0137】そののち、えられたポリマーを濾別し、熱
水で洗浄したのち、80℃で乾燥させて繊維材料をえ
た。
【0138】つぎに、繊維材料の平均分子量および収
率、スルホン酸基含有モノマーの重合利用率および重合
回収率、ならびに相対飽和値を実施例1と同様にして調
べた。その結果を表7に示す。
【0139】なお、表7〜8中、各略号は、以下のこと
を意味する。
【0140】AN:アクリロニトリル MA:メチルアクリレート VC:塩化ビニル IPS:イソプレンスルホン酸ソーダ SATBS:アクリルアミドターシャリーブチルスルホ
ン酸ソーダ SMS:メタリルスルホン酸ソーダ
【0141】
【表7】
【0142】表7に示された結果から、実施例7の繊維
材料の製法によれば、従来の比較例13〜14の製法と
対比して、スルホン酸基含有モノマーを効率よく利用す
ることができ、その重合回収率が比較例13〜14の約
3倍となり、繊維材料に組込まれるスルホン酸基含有モ
ノマー量を大幅に向上させることができ、また比較例1
3〜14の製法と対比して、相対飽和値が約1.0(使
用した染料の約25重量%)も増大し、繊維材料の染色
性が大幅に向上していることがわかる。
【0143】つぎに、実施例7でえられた繊維材料中の
メチルアクリレートの定量を実施例1と同様にして行な
った。その結果、えられた繊維材料中にメチルアクリレ
ートが9.06重量%含有されていることが確認され
た。
【0144】このことから、繊維材料を構成しているメ
チルアクリレートにもとづく繰り返し単位の含有率は、
モノマー組成物中のメチルアクリレートの含有率にほぼ
等しいことがわかる。
【0145】したがって、主成分のアクリロニトリルも
これと同様に、繰り返し単位の含有率とモノマー組成物
中の含有率とがほぼ同じであるということができる。
【0146】実施例8および比較例15〜16 100ml容の撹拌器つき耐圧瓶に、0.1N硫酸水溶
液6.6g、重合促進剤として硫酸第一鉄1.6×10
-5g、乳化剤としてn−ドデシルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ0.4g、表8に示すモノマー組成物16gおよび
イオン交換水49gを仕込んだのち、43℃に加熱し、
撹拌しながら重合開始剤として1%過硫酸アンモニウム
水溶液4gおよび1%酸性亜硫酸ソーダ水溶液4gを添
加して重合反応を開始させた。
【0147】重合反応を5時間行なったのち、20%塩
化ナトリウム水溶液10gを添加し、90℃で1時間加
熱して塩析を行なった。
【0148】そののち、えられたポリマーを濾別し、熱
水で洗浄したのち、80℃で乾燥させて繊維材料をえ
た。
【0149】つぎに、繊維材料の平均分子量および収
率、スルホン酸基含有モノマーの重合利用率および重合
回収率、ならびに相対飽和値を実施例1と同様にして調
べた。その結果を表8に示す。
【0150】
【表8】
【0151】表8に示された結果から、実施例8の繊維
材料の製法によれば、従来の比較例15〜16の製法と
対比して、スルホン酸基含有モノマーを効率よく利用す
ることができ、その重合回収率が比較例15〜16の約
2.6〜2.7倍となり、繊維材料に組込まれるスルホ
ン酸基含有モノマー量を大幅に向上させることができ、
また比較例15〜16の製法と対比して、相対飽和値が
約1.2(使用した染料の約40重量%)も増大し、繊
維材料の染色性が大幅に向上していることがわかる。
【0152】つぎに、実施例8でえられた繊維材料中の
塩化ビニルの定量を実施例3の塩化ビニリデンの定量と
同様にして行なった。その結果、えられた繊維材料中に
塩化ビニルが49.5重量%含有されていることが確認
された。
【0153】
【発明の効果】本発明の製法によれば、安価なイソプレ
ンスルホン酸およびイソプレンスルホン酸塩から選ばれ
た少なくとも1種のスルホン酸基含有モノマーを用いて
染色座席としてスルホン酸基を効率よく繊維材料中に導
入することができる。
【0154】本発明の繊維材料は、前記製法によってえ
られたものであるので、安価であり、しかも染色座席で
あるスルホン酸基を多量に含有するので、工業的利用価
値がきわめて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−181111(JP,A) 特開 平1−263103(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 6/38 C09F 220/46

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アクリロニトリル80〜97重量
    %、(B)一般式(I): 【化1】 (式中、R1は−COOCH3基または−OCOCH3
    を示す)で表わされるビニルモノマー2〜15重量%お
    よび(C)イソプレンスルホン酸およびイソプレンスル
    ホン酸塩から選ばれた少なくとも1種のスルホン酸基含
    有モノマー0.05〜7重量%からなるモノマー組成物
    を水を媒体として懸濁重合または乳化重合させることを
    特徴とする繊維材料の製法。
  2. 【請求項2】 イソプレンスルホン酸塩がイソプレンス
    ルホン酸アルカリ金属塩、イソプレンスルホン酸アンモ
    ニウム塩またはイソプレンスルホン酸アミン塩である請
    求項1記載の繊維材料の製法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の繊維材料の製法
    によってえられた繊維材料。
  4. 【請求項4】 (A)アクリロニトリル25〜65重量
    %、(B)一般式(II): 【化2】 (式中、R2は水素原子または塩素原子を示す)で表わ
    される塩素含有ビニルモノマー30〜70重量%および
    (C)イソプレンスルホン酸およびイソプレンスルホン
    酸塩から選ばれた少なくとも1種のスルホン酸基含有モ
    ノマー0.1〜7重量%からなるモノマー組成物を水を
    媒体として懸濁重合または乳化重合させることを特徴と
    する繊維材料の製法。
  5. 【請求項5】 イソプレンスルホン酸塩がイソプレンス
    ルホン酸アルカリ金属塩、イソプレンスルホン酸アンモ
    ニウム塩またはイソプレンスルホン酸アミン塩である請
    求項4記載の繊維材料の製法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の繊維材料の製法
    によってえられた繊維材料。
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