JP3386480B2 - 静電リニアモ−タ - Google Patents

静電リニアモ−タ

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JP3386480B2
JP3386480B2 JP26773491A JP26773491A JP3386480B2 JP 3386480 B2 JP3386480 B2 JP 3386480B2 JP 26773491 A JP26773491 A JP 26773491A JP 26773491 A JP26773491 A JP 26773491A JP 3386480 B2 JP3386480 B2 JP 3386480B2
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信之 壁井
喜一 土屋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、産業用ロボッ
ト、産業機械、自動車機器部品、家庭電化製品、オフィ
スオ−トメ−ション機器、および、医用福祉機器等の駆
動に利用することが可能な静電リニアモ−タに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁気力を利用したモ−タとし
て、回転型モ−タやリニアモ−タ、及び、ステッピング
モ−タ等が知られている。そして、磁気力を利用した各
種のモ−タは、例えば、産業用ロボット、産業機械、自
動車機器部品、家庭電化製品、オフィスオ−トメ−ショ
ン機器、および、医用福祉機器等を駆動するアクチュエ
−タとして利用されている。しかし、静電力を利用した
モ−タとして、実用に供することのできる程度の出力を
持つものは、いまだ製作されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、静電力は、
μmからnm程度の小さなスケ−ルで電磁力よりも有効
になる。このため、静電モ−タの基本単位は小さく設定
され、固定子と可動子との間のギャップも極小さな値に
保たれる。
【0004】そして、静電モ−タにおいては、磁気モ−
タに比べて出力/重量比は大きくなるが、単体の静電モ
−タの出力は通常の磁気モ−タに比べて絶対値では小さ
くなる。したがって、単位体積当りの集積化率をできる
だけ高くすることが肝要である。
【0005】また、静電力は表面積に比例するため、出
力を高めるためには表面積を大きく設定する必要があ
る。そして、単位体積当たりの出力を上げるためには固
定子と可動子とをシ−ト状に成形するとよいとされてい
る。しかし、固定子及び可動子を実際にシ−ト状に成形
した場合、固定子及び可動子の撓みを防ぐための支持体
が必要である。さらに、固定子及び可動子を薄くして
も、実効的な表面積はあるところで限界に達して増加し
なくなる。また、静電モ−タにおいては加工や組立の精
度の問題が大きい。このため、固定子や可動子等を精度
を確保しやすい形状に成形することが望まれている。
【0006】さらに、材料及び機構の面から考えて、電
磁気力により駆動されるモ−タを柔軟構造にすることは
一般に困難であった。しかし、最近では、静電モ−タの
応用が期待されており、柔軟なモ−タへの要求が高まっ
ている。また、可動子と固定子との間の摩擦力が大きい
と両者または一方の摩耗が著しくなり、この摩耗を原因
として静電モ−タ寿命が短くなる。
【0007】さらに、摩耗を避けるために、ばね等で可
動子を支持し可動子と固定子との間の間隔を一定に保つ
方法があるが、この方法を採用しても大きなストロ−ク
を得ることはできない。したがって、これらの理由か
ら、摩耗を生じにくい駆動原理の開発が望まれている。
【0008】本発明の目的とするところは、集積化が可
能であるとともに高精度に加工することが容易で、柔軟
性を持たせることもでき、さらに、摩擦力の影響を受け
にくい静電リニアモ−タを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、中空に成形され、軸方向に離間して配設さ
れる複数の固定子電極を備える固定子及びこの固定子に
ギャップを介して挿入され、軸方向に離間して配設され
る通電可能な複数の可動子電極を有する可動子を備える
静電リニアモータにおいて、前記可動子電極の極性は、
常時正極又は負極のいずれか一方に保ち、前記可動子電
極の近傍にある前記固定子電極が前記軸方向に対して一
方の側に位置するときには、前記電極間の極性を異なら
せ、前記可動子電極の近傍にある前記固定子電極が前記
軸方向に対して他方の側に位置するときには、前記電極
間の極性を同じくするように制御可能な構成であるとと
もに、前記各可動子電極は互いに導通され、前記各固定
子電極は、いずれかの極性にスイッチング可能な構成で
あることを特徴とする静電リニアモータである。
【0010】
【0011】
【0012】そして、本発明は、静電モ−タの集積化を
可能にするとともに容易に高精度な加工を行えるように
し、柔軟性も持たせることができ、さらに、摩耗の発生
を防止できるようにした。
【0013】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図1〜図29に基
づいて説明する。
【0014】図1(a)、(b)および図2(c)、
(d)は本発明の第1の実施例を示しており、各図中の
図中の符号1は細管型の静電リニアモ−タある。この静
電リニアモ−タ1は、中空糸状の固定子2と、この固定
子2の中に挿入された糸状の可動子3とにより構成され
ている。
【0015】固定子2は、例えば絶縁性材料からなる支
持細管4と環状の電極5−1〜7とを備えている。そし
て、電極5−1〜7は支持細管4の内側に同心的に配置
されており、支持細管4の軸方向の所定の位置において
支持細管4の内壁側に取り付けられている。
【0016】また、可動子3は、線状で通電可能な導体
線6の一部に誘電体7−1〜8を被覆してなるものであ
る。可動子3はその外径を支持細管4および電極5−1
〜7の内径よりも小さく設定されており、その外周面と
支持細管4および電極5−1〜7の内周面との間にギャ
ップ8を介在させている。さらに、可動子3は誘電体7
−1〜8で軸方向の所定の位置に被覆されており、誘電
体7−1〜8と電極5−1〜7は互いに異なるピッチで
配置されている。
【0017】可動子3の導体線6と固定子2の電極5−
1〜7とは電源9−1、9−2に接続されており、導体
線6と電極5−1〜7との間には電源9−1、9−2に
よって電圧が印加される。さらに、電極5−1〜7への
電圧印加は二方向スイッチ(以下、スイッチと称す)1
0−1〜7によってON−OFFされる。直列に接続さ
れた両電源9−1、9−2は両者の間の電位が零になる
よう互いの中間部分でア−ス11に接続されている。
【0018】ここで、図1(a)および図2(c)にお
いては、スイッチ10−1〜7の右の端子eが電源9−
1の正極に、左の端子fが電源9−2の負極に接続され
ている。そして、電源9−1および電源9−2の正負の
向きを逆に設定することも可能である。電極5−1〜7
の軸方向の寸法と誘電体7−1〜8の軸方向寸法とは互
いに略等しく設定されている。つぎに、上述の静電リニ
アモ−タ1の作用を説明する。
【0019】まず、図1(a)に示すように誘電体7−
1、7−2、7−3および7−8が、それぞれ電極5−
1、5−2、5−3および5−7のごく近傍または内側
にある時でかつ電極5−1、5−2、5−3および5−
7の軸方向に対し右に位置している時にスイッチ10−
1、10−2、10−3および10−7を電源9−1の
正極側にONすると、電極5−1と誘電体7−1、電極
5−2と誘電体7−2、電極5−3と誘電体7−3およ
び電極5−7と誘電体7−8の間で静電力による吸引力
が働き、それぞれの電極内に誘電体は吸引される。そし
て、可動子3がそれにつれて左へ移動し機械的仕事を為
す。
【0020】可動子3を固定子2の中心より偏心させる
方向にも静電力による吸引力は働く。この力を打ち消す
ため、吸引力を発生させない電極5−4、5−5および
5−6をスイッチ10−4、10−5および10−6を
介して電源9−2の負極に接続することにより、電極5
−4、5−5および5−6の近傍または内側にあり、か
つ電極5−4、5−5および5−6の軸方向に対し左ま
たは中心に位置している誘電体7−4、7−5および7
−6に、電極5−4、5−5および5−6との間に半径
方向の反発力を生じさせ、可動子3を固定子2の中心に
保持する。また軸方向にも反発力が働くことにより、誘
電体7−4、7−5および7−6は左方向に押され、可
動子3は吸引力だけの場合より強い力で左方向に移動さ
せられる。可動子3に負荷を取り付けておけば、静電リ
ニアモ−タ1はアクチュエ−タとして動作する。
【0021】つぎに可動子3が左に移動し図2(c)に
示すような位置に来た場合には、スイッチ10−4、1
0−5および10−6を電源9−1の正極側にONする
と、電極5−4と誘電体7−5、電極5−5と誘電体7
−6および電極5−6と誘電体7−7の間で静電力によ
る吸引力が働き、それぞれの電極内に吸引される。そし
て、可動子3がそれにつられてさらに左へ移動し機械的
仕事を為す。
【0022】電極5−1、5−2、5−3および5−7
をスイッチ10−1、10−2、10−3および10−
7を介して電源9−2の負極に接続することにより、電
極5−1、5−2、5−3および5−7の近傍または内
側にあり、かつ電極5−1、5−2、5−3および5−
7の軸方向に対し左または中心に位置している誘電体7
−1、7−2、7−3および7−8に、電極5−1、5
−2、5−3および5−7との間に半径方向の反発力を
生じさせ、可動子3を固定子2の中心に保持する。また
軸方向にも反発力が働くことにより、誘電体7−1、7
−2、7−3および7−8は左方向に押され、可動子3
は吸引力だけの場合より強い力で左方向に移動させられ
る。
【0023】上述の動作において両電源9−1と9−2
に極性を逆にするか、スイッチ10−1〜7を逆の状態
にすることで、可動子3は右方向に移動させることがで
きる。管の表面積/体積の比は管の断面積を小さくする
ほど大きくなる。すなわち、静電リニアモ−タ1を細く
するほど単位体積当りの出力は大きくなる。また、肉厚
を薄くしても細管をより細くすれば断面形状を正確に保
持しモ−タの機能を維持することができる。したがっ
て、集積化が容易になる。さらに、固定子2が管状であ
るので、精度の高い加工が可能になる。そして、静電リ
ニアモ−タ1を細く加工するほど、静電リニアモ−タ1
の機能を向上させることができる。
【0024】なお、固定子2を製造するための技術とし
て中空糸の製造技術を利用することが考えられる。ま
た、本実施例に示された細管型の静電リニアモ−タ1に
おいては、例えば極薄い平板の肉厚を高精度に制御する
ことよりも糸径を所望の値に保つことのほうが簡単であ
るため、精度の確保が容易である。さらに、導体線6を
管状に形成してもよい。つぎに、本発明の第2の実施例
を説明する。なお、第1の実施例と同様な部分について
は同一番号を付し、その説明は省略する。
【0025】図3(a)〜(d)は本発明の第2の実施
例を示しており、各図中の符号21は細管型の静電リニ
アモ−タである。この静電リニアモ−タ21は、第1の
実施例と同様に中空糸状の固定子22と、この固定子2
2の中に挿入された中実な糸状の可動子23とにより構
成されている。
【0026】固定子22は内周面を絶縁体によって薄く
被覆されており、固定子22の内周面には絶縁膜26が
形成されている。この絶縁膜26は、図3(b)および
図4(d)に示すように、固定子22の内周面の略全体
に亘って形成されており、支持細管24の内周面と電極
25−1〜7とを覆っている。
【0027】可動子23は、線状で通電可能な導体線2
7を段付きに形成してなるもので、導体線27の軸方向
の一部には径方向に膨らんだ大径部28−1〜8が形成
されている。大径部28−1〜8は導体線27に一体に
形成されており、大径部28−1〜8の外径は支持細管
24および絶縁膜26の内径よりも小さく設定されてい
る。さらに可動子23と固定子22との間にギャップ2
9が介在しており、このギャップ29の大きさは、大径
部28−1〜8と固定子22との間の部分において他の
部分よりも小さくなっている。さらに、大径部28−1
〜8と電極25−1〜7は互いに異なるピッチで配置さ
れている。
【0028】可動子23の導体線27と固定子22の電
極25−1〜7とは電源9−1と9−2に接続されてお
り、導体線27と電極25−1〜7との間には電源9−
1と9−2によって電圧が印加される。さらに電極25
−1〜7への電圧印加は二方向スイッチ(以下スイッチ
と称す)10−1〜7によってON−OFFされる。直
列に接続された両電源9−1、9−2は両者の間の電位
が零になるよう互いの中間部分でア−ス11に接続され
ている。
【0029】ここで、図3(a)および図4(c)にお
いては、スイッチ10−1〜7の右の端子eが電源9−
1の正極に、左の端子fが電源9−2の負極に接続され
ている。そして、電源9−1および電源9−2の正負の
向きを逆に設定することも可能である。電極25−1〜
7の軸方向の寸法と大径部28−1〜8の軸方向寸法と
は互いに略等しく設定されている。つぎに、上述の静電
リニアモ−タ21の作用を説明する。
【0030】まず、図3(a)に示すように大径部28
−1、28−2、28−3および28−8が、それぞれ
電極25−1、25−2、25−3および25−7のご
く近傍または内側にある時で、かつ電極25−1、25
−2、25−3および25−7の軸方向に対し右に位置
している時にスイッチ10−1、10−2、10−3お
よび10−7を電源9−1の正極側にONすると、電極
25−1と大径部28−1、電極25−2と大径部28
−2、電極25−3と大径部28−3および電極25−
7と大径部28−8の間で静電力による吸引力が働き、
それぞれの電極内に誘電体は吸引される。そして、可動
子23がそれにつれて左へ移動し機械的仕事を為す。
【0031】可動子23を固定子22の中心より偏心さ
せる方向にも静電力による吸引力は働く。この力を打ち
消すため、吸引力を発生させない電極25−4、25−
5および25−6をスイッチ10−4、10−5および
10−6を介して電源9−2の負極に接続することによ
り、電極25−4、25−5および25−6の近傍また
は内側にあり、かつ電極25−4、25−5および25
−6の軸方向に対し左または中心に位置している大径部
28−4、28−5および28−6に、電極25−4、
25−5および25−6との間に半径方向の反発力を生
じさせ、可動子23を固定子22の中心に保持する。ま
た軸方向にも反発力が働くことにより、大径部28−
4、28−5および28−6は左方向に押され、可動子
23は吸引力だけの場合より強い力で左方向に移動させ
られる。可動子23に負荷を取り付けておけば、静電リ
ニアモ−タ21はアクチュエ−タとして動作する。
【0032】つぎに可動子23が左に移動し図4(c)
に示すような位置に来た場合には、スイッチ10−4、
10−5および10−6を電源9−1の正極側にONす
ると、電極25−4と大径部28−5、電極25−5と
大径部28−6および電極25−6と大径部28−7の
間で静電力による吸引力が働き、それぞれの電極内に吸
引される。そして、可動子23がそれにつられてさらに
左へ移動し機械的仕事を為す。
【0033】電極25−1、25−2、25−3および
25−7をスイッチ10−1、10−2、10−3およ
び10−7を介して電源9−2の負極に接続することに
より、電極25−1、25−2、25−3および25−
7の近傍または内側にあり、かつ電極25−1、25−
2、25−3および25−7の軸方向に対し左または中
心に位置している大径部28−1、28−2、28−3
および28−8に、電極25−1、25−2、25−3
および25−7との間に半径方向の反発力を生じさせ、
可動子23を固定子22の中心に保持する。また軸方向
にも反発力が働くことにより、大径部28−1、28−
2、28−3および28−8は左方向に押され、可動子
23は吸引力だけの場合より強い力で左方向に移動させ
られる。
【0034】上述の動作において両電源9−1と9−2
に極性を逆にするか、スイッチ10−1〜7を逆の状態
にすることで、可動子23は右方向に移動させることが
できる。本発明の第3の実施例を説明する。なお、前述
の各実施例と同様な部分については同一番号を付し、そ
の説明は省略する。
【0035】図5(a)、(b)及び図6(c)は本発
明の第3の実施例を示しており、各図中の符号31は細
管型の静電リニアモ−タである。この静電リニアモ−タ
31は、前述の各実施例と同様に中空糸状の固定子32
と、この固定子32の中に挿入された中実な糸状の可動
子33とにより構成されている。
【0036】固定子32は図3中にその一部のみ示すよ
うに、例えば絶縁性材料からなる支持細管34と、複数
の環状の電極35〜42とを備えている。各電極35〜
42は互いの形状及び寸法を略等しく設定されている。
さらに、電極35〜42は、図5(a)、(b)および
図6(c)に示すように半円状に成形されており、支持
細管34の内周部に同心的に組込まれている。
【0037】また、電極35〜42は略180度毎に交
互に配置されており、支持細管34の軸方向に沿って略
等ピッチで二列に並んでいる。さらに、電極35〜42
は、その内周面を支持細管34の内周面に沿わせてい
る。そして、各電極35〜42の間は支持細管34によ
って絶縁されている。
【0038】また、一方の列を構成する電極(例えば3
5、37、39、41)は他方の列を構成する電極(例
えば36、38、40、42)に対して、支持細管34
の軸方向に沿って半ピッチずつずれている。そして、一
方の列の各電極(例えば35、37、39、41)は他
方の列の電極(例えば36、38、40、42)のうち
の二つの電極の一部に対向している。
【0039】一方の列の電極35、37、39、41
は、一つずつ交互に第1の二方向スイッチ(以下、第1
のスイッチと称する)43に接続されており、この第1
のスイッチ43を介して負の電源に接続される。また、
他方の列の電極36、38、40、42も同様に、一つ
ずつ交互に第2の二方向スイッチ(以下、第2のスイッ
チと称する)44に接続されており、この第2のスイッ
チ44を介して正の電源に接続される。
【0040】前記固定子32は内周面を絶縁体によって
薄く被覆されており、固定子32の内周面には絶縁膜2
6が形成されている。この絶縁膜26は固定子32の内
周面の略全体に亘って形成されており、支持細管34の
内周面と電極35〜42とを覆っている。
【0041】前記可動子33は、線状で通電可能な導体
線27を段付きに成形してなるもので、可動子33には
導体線27の径方向へ膨んだ複数の大径部28、28が
形成されている。大径部28、28は導体線27に一体
に形成されており、大径部28、28の外径は支持細管
34の内径よりも小さく設定されている。
【0042】可動子33の導体線27は第3の二方向ス
イッチ(以下、第3のスイッチと称する)45を介して
正及び負の電源(図示しない)に接続されており、可動
子33はこの第3のスイッチ45の切換えに伴って正の
電源或いは負の電源に選択的に接続される。つぎに、上
述の静電リニアモ−タ31の作用を説明する。
【0043】まず、図5(a)に示すように第2のスイ
ッチ44を介して電極36、40が正の電源に接続さ
れ、第1のスイッチ43を介して電極37、41が負の
電源に接続され、さらに、可動子33の導体線27が第
3のスイッチ45の負極に接続される。そして、固定子
32の内部に静電力が発生し、可動子33の大径部2
8、28が正極側の電極36、40に向って吸引され
る。これに伴って可動子33が正極側の電極36、40
に吸着される。
【0044】また、図5(b)に示すように、第3のス
イッチ45が切換えられて導体線27が正極に接続され
ると、可動子33の極性が反転し、大径部28、28が
負極側の電極37、41に向って吸引される。これに伴
って可動子33は、正極側の電極36、40から分離
し、固定子32内で浮遊しながら電極37、41が位置
する側(図中の右側)へ移動し、負極側の電極37、4
1に吸着される。
【0045】次いで、第2のスイッチ44を介して電極
38、42が電源に接続され、可動子33の導体線27
が第3のスイッチ45の負極に接続される。そして、大
径部28、28が正極側の電極38、42に向って吸引
され、これに伴って可動子33が更に図中の右側へ移動
し、正極側の電極38、42に吸着される。可動子33
に負荷を取付けておけば、静電リニアモ−タ31はアク
チュエ−タとして動作する。
【0046】なお、一方の列の電極35、37、39、
41と他方の列の電極36、38、40、42とが必ず
しも互いに半ピッチずれていなくても、可動子33を移
動させることは上述の場合と同様に可能である。本発明
の第4の実施例を説明する。なお、前述の各実施例と同
様な部分については同一番号を付し、その説明は省略す
る。
【0047】図8〜図10は本発明の第4の実施例の細
管型の静電リニアモ−タ51を示しており、この静電リ
ニアモ−タ51には固定子52と可動子53とが備えら
れている。固定子52においては、第3の実施例と同様
に、支持細管34の内周を二分するように複数対の電極
35、36、37、38、39、40が一定のピッチで
二列に配設されている。さらに、一方の列の電極35、
37、39と他方の列の電極36、38、40は互いに
半ピッチずつずれるとともに、電極35〜40は支持細
管34の内周面に露出している。
【0048】各電極35〜40は交互に第1〜第4の二
方向スイッチ(以下、第1〜第4のスイッチと称する)
54〜57に接続されており、各スイッチ54〜57毎
の切換えに伴って図示しない正の電源或いは負の電源に
選択的に且つ独立に接続される。そして、電極35、3
9は第1のスイッチ54に接続されており、電極37は
第2のスイッチ55に接続されている。また、電極3
6、40は第3のスイッチ56に接続されており、電極
38は第4のスイッチ57に接続されている。
【0049】可動子53は誘電体を線状に成形してなる
もので、支持細管34の中に挿入されている。そして、
可動子53と固定子52との間にはギャップ29が形成
されており、可動子53は固定子52の中で自由に変位
する。つぎに、上述の静電リニアモ−タ51の作用を説
明する。
【0050】まず、図8(a)に示すように、第2〜第
4のスイッチ55〜57が開放され、電極35、39が
第1のスイッチ54を介して正の電源に接続される。す
ると、可動子53の電極35、39に近い側の部位には
負の電荷が発生するとともに、電極35、39に遠い側
の部位には正の電荷が発生する。そして、可動子53は
静電力を受け、電極35の側に吸引されて電極39に吸
着される。
【0051】つぎに、図9(a)に示すように、第1の
スイッチ54が切換えられ、電極35、39が負の電源
に接続されと、その瞬間可動子53に残存している負の
電荷が作用し、可動子53と電極35、39との間に反
発力が発生し、可動子53は電極35、39から離れ
る。
【0052】さらに、図10(a)に示すように、第1
〜第3のスイッチ54〜56が開放されるとともに第4
のスイッチ57が負に切換えられると、可動子53に既
に発生していた正の電荷と電極38に発生した負の電荷
とが引合い、可動子53は電極38に吸着される。そし
て、これに伴い可動子53は電極39の側から電極38
の側(図中の右側から左側)へ浮遊しながら移動する。
【0053】次いで第4のスイッチ57が正に切換えら
れると電極38が正に帯電し、可動子53が電極38に
対して反発し、電極38から離れる。こののち、第2の
スイッチ55が正に切換えられて電極37が正に帯電
し、可動子53が更に図中の左側へ移動する。
【0054】このように順次第1〜第4のスイッチ54
〜67が切換えられ、可動子53が図中の左側へ移動す
る。さらに、第1〜第4のスイッチ54〜56の切換え
順序を変えれば、可動子53を逆に右方向へ移動させる
ことも可能である。そして、可動子53に負荷を取付け
ておけば、静電リニアモ−タ51はアクチュエ−タとし
て動作する。
【0055】また、一方の列の電極35、37、39と
他方の列の電極36、38、40とが必ずしも互いに半
ピッチずれていなくても、可動子53を移動させること
は可能である。本発明の第5の実施例を説明する。な
お、前述の各実施例と同様な部分については同一番号を
付し、その説明は省略する。
【0056】図11は本発明の第5の実施例の細管型の
静電リニアモ−タ71を示しており、この静電リニアモ
−タ71は固定子72と可動子73とを備えている。固
定子72においては支持細管34の内周を二分するよう
に複数組の電極74−1〜n、75−1〜n、76−1
〜m、77−1〜mが一定のピッチで配設されている。
【0057】さらに、電極74−1〜n、75−1〜n
及び電極76−1〜m、77−1〜mは一列に且つ交互
に並べられている。そして、一方の列の電極74−1〜
n、75−1〜nと他方の列の電極76−1〜m、77
−1〜mは互いに半ピッチずつずれるとともに、電極3
5〜40は支持細管34の内周面に露出している。
【0058】各組の電極74−1〜n、75−1〜n、
76−1〜m、77−1〜mは、各組毎に並列に接続さ
れており、さらに、第1から第4の二方向スイッチ(以
下、第1〜第4のスイッチと称する。)78〜81を介
して電極(図示しない)に接続されている。そして、電
極74−1〜n、75−1〜n、76−1〜m、77−
1〜mは、各スイッチ78〜81毎の切換えに伴って、
電源の正極或いは負極に選択的に接続される。
【0059】可動子73は誘電体を線状に成形してなる
もので、支持細管34の中に挿入されている。そして、
可動子73と固定子72との間にはギャップ29が形成
されており、可動子73は固定子72の中で自由に変位
する。つぎに、上述の静電リニアモータ71の作用を説
明する。
【0060】まず、第1のスイッチ78が正の側にON
して一組の電極74−1〜nが正の電源に接続される
と、電極74−1〜nに正の電圧が印加されるととも
に、可動子73の電極74−1〜nの近傍に位置する部
位に負の電荷が発生する。また、可動子73の電極74
−1〜nに対して遠い部位には正の電荷が誘導される。
そして、可動子73に静電力が作用し、可動子73は電
極74−1〜nに向って移動し、電極74−1〜nに吸
着される。
【0061】こののち、第1のスイッチ78が切換えら
れて電極74−1〜nが負の電源に接続されると、可動
子73に残存している負の電荷が作用し、可動子73と
電極74−1〜nとの間に反発力が発生し、可動子73
が電極74−1〜nから離れる。
【0062】さらに、第1のスイッチ78が開放される
とともに第3のスイッチ80を負の側にONすると、電
極76−1〜mが負に帯電し、電極76−1〜mに発生
した電荷と可動子73に既に発生していた正の電荷と引
き合い、可動子73は電極76−1〜mに吸着される。
これに伴い可動子73は、電極74−1〜nの側から電
極76−1〜mの側(図中の右側から左側)へ移動す
る。このように、第1〜第4のスイッチ78〜81を適
当なタイミングで順次ON−OFFすれば、可動子73
は一定の方向に連続して移動する。そして、可動子73
に負荷を取付けておけば、静電リニアモータ71はアク
チュエータとして動作する。また、第1〜第4のスイッ
チ78〜81の切換えの順序を逆に設定すれば、可動子
73は逆方向、即ち図中の左側から右側へ移動する。
【0063】図12は本発明の第6の実施例を示してお
り、図中の符号91…は細管型の静電リニアモ−タであ
る。各静電リニアモ−タ91…は、中空糸状の固定子9
2とこの固定子92に挿入された中実糸状の可動子93
とにより構成されている。そして、静電リニアモ−タ9
1…は互いに並列に束ねられており、可動子93…は固
定子に対して略軸心方向に沿って突没する。
【0064】この静電リニアモ−タとして91…とし
て、前述の各実施例で説明された静電リニアモ−タ1、
21、31、51、61、71のいずれをも利用するこ
とが可能である。また、例えばn個の静電リニアモ−タ
91…を直列に接続すれば、可動子93の変位量を、単
体の場合に比べてn倍することが可能である。本発明の
第7の実施例を説明する。
【0065】図13は本発明の第7の実施例の静電リニ
アモ−タ101を示している。この静電リニアモ−タ1
01においては、柱状の固定子102と複数の線状の可
動子103…とが備えられている。固定子102におい
ては、複数の導体板104−1〜mと同じく複数の絶縁
板105−1〜nとが交互に積層されている。
【0066】さらに、導体板104−1〜mと絶縁板1
05−1〜nとは、各板毎に同位置に配置された複数の
円形な透孔106…、107…を有しており、互いに対
応する透孔106…、107…は固定子102の軸方向
全長に亘って連通している。
【0067】そして、可動子103…が透孔106…、
107…により構成された差込み孔108…に挿入さ
れ、導電板104−1〜mへの選択的な通電に伴い固定
子102の各差込み孔108…内で発生した静電力に応
じて進退する。
【0068】この静電リニアモ−タ101においては、
単体の静電リニアモ−タを集積した場合と同様な効果が
得られるうえに、板体を積層するだけで電極を所定位置
に配置できるので、製造が容易である。
【0069】なお、各透孔106…、107…を必ずし
も同軸に並べる必要はなく、例えば差込み孔108を蛇
行させてもよい。そして、可動子103…を中空糸に成
形すれば、可動子103の可撓性を増すことができ、可
動子103を蛇行した差込み孔108…に沿って変形さ
せながら変位させることが可能である。本発明の第8の
実施例を説明する。
【0070】図14は本発明の第8の実施例の静電リニ
アモ−タ111を示しており、この静電リニアモ−タ1
11においては、固定子112がハニカム状に成形され
るとともに、可動子113…(1つのみ図示)が六角柱
状に成形されている。そして、可動子113が固定子1
12の各差込み孔114…に挿入され、固定子112に
対して突没する。この静電リニアモ−タ111によれ
ば、可動子113の表面積を高めることができ、表面積
/体積比を円形の場合よりも大とすることができる。本
発明の第9の実施例を説明する。
【0071】図15は本発明の第9の実施例を示してい
る。図14においては単体の細管型静の電リニアモ−タ
121…、122…が縦糸及び横糸として用いられてお
り、静電リニアモ−タ121…、122…からなる布1
23が形成されている。そして、本実施例によれば、細
管型の静電リニアモ−タ121…、123…が自ら構造
体を構成し、二次元方向または準三次元方向に変形する
アクチュエ−タが実現される。本発明の第10の実施例
を説明する。なお、前述の各実施例と同様な部分につい
ては同一番号を付し、その説明は省略する。
【0072】図16〜図21は本発明の第10の実施例
を示しており、各図中の符号131は多面固定子型の静
電リニアモ−タである。この静電リニアモ−タ131に
おいては、多面固定子132と可動子133とが備えら
れている。
【0073】多面固定子132においては、例えば互い
に平行に対向した平板状の電極支持体134、135の
それぞれに電極136、138、140及び電極13
7、139が取付けられており、電極支持体134、1
35の板面及び電極136〜140の表面が絶縁膜14
1、142によって覆われている。
【0074】可動子133は通電可能な材料を段付き円
柱状に成形してなるものであり、両電極支持体134、
135の間に挿入されている。さらに、可動子133に
は細径部143と大径部144とが形成されており、大
径部144は細径部143の軸方向中間部に配置されて
いる。
【0075】この静電リニアモ−タ131においては2
つの直列な電源145、146が備えられており、両電
源145、146は両者の間の電位が零になるよう互い
の中間の部分でア−ス147に接続されている。両電源
145、146と各電極136〜140とは第1〜第4
の二方向スイッチ(以下、第1〜第4のスイッチと称す
る)148〜151を介して接続されている。
【0076】各スイッチ148〜151は一方の電源1
45の負極及び他方の電源146の正極に接続されてい
る。そして、一方の電極支持体134の電極136、1
40は第1のスイッチ148に並列に接続されている。
また、可動子133は各スイッチ148〜151と並列
に常に電源146の負の電極に接続されており、負の電
荷を帯びている。つぎに、上述の静電リニアモ−タ13
1の作用を説明する。
【0077】まず、図16(A)に示すように、第3の
スイッチ150が正の側にONされ、電極138が正に
帯電する。他のスイッチ148、149、151は開放
しており、他の電極136、137、139、140は
帯電していない。そして、可動子133の大径部144
が電極138に吸引され、可動子133が電極138に
吸着される。
【0078】ここで、図16(B)に示すように、第3
のスイッチ150が負の側に切換えられると、電極13
8は負に帯電し、可動子133と電極138とが反発す
る。このとき、第4のスイッチ151が正の側にONさ
れると、電極137が正極となり、可動子133の大径
部144に吸引力が作用する。したがって、可動子13
3は電極138から電極137の側へ向い、浮遊しなが
ら両電極支持体134、135の間の空間を横切って移
動する。
【0079】図17(C)に示すように、可動子133
は浮遊したのち電極137に吸着される。この時点で第
3のスイッチ150が中立な状態にされ、電極138の
電荷が自然消滅する。ここで、第3のスイッチ150を
ア−ス147に接続して電極138の電荷を積極的に零
にしてもよい。
【0080】こののち、図17(D)に示すように、第
4のスイッチ151が電源146の負にONされ、電極
137が負に帯電する。これとともに第1のスイッチ1
48が電源145の正極にONし、電極136が正に帯
電する。可動子133の大径部144が電極137から
離れ、可動子133が電極136に向って図中の右側か
ら左側へ、浮遊しながら更に移動する。
【0081】図18(E)に示すように、可動子133
が電極136に吸着された時点で第4のスイッチ151
が中立な状態に戻され、電極137の電荷が自然消滅す
る。ここで、第4のスイッチ151をア−ス147に接
続して電極137の電荷を積極的に零にしてもよい。
【0082】以上は可動子133が図中の右側から左側
へ移動する場合の作用の説明であるが、以下に可動子1
33が図中の右側から左側へ移動する場合の作用を説明
する。
【0083】まず、図19(A)に示すように、電極1
38が電源145の正極に接続され、他の電極は13
6、137、139、140は帯電していない状態にあ
る。このため、可動子133の大径部144が電極13
8に吸着されている。
【0084】ここで、図19(B)に示すように、第3
のスイッチ150が電源146の負極側に切換えられ、
電極138が負に帯電し、可動子133が電極138に
対して反発する。このとき第2のスイッチ149が正の
側にONされると、電極139が正極となり、大径部1
44に吸引力が作用する。したがって、可動子133は
電極138から離れて、電極138の側から電極139
の側(図中の左側から右側)へ浮遊しながら移動する。
【0085】図20(C)に示すように、可動子133
は浮遊したのち電極139に吸着される。この時点で第
3のスイッチ150が中立な状態にされ、電極138の
電荷が自然消滅する。ここで、第3のスイッチ150を
ア−ス147に接続して電極138の電荷を積極的に零
にしてもよい。
【0086】こののち、図20(D)に示すように、第
2のスイッチ149が電源146の負にONされ、電極
139が負に帯電する。これとともに第1のスイッチ1
48が電源145の正極にONし、電極140が正に帯
電する。可動子133の大径部144が電極139から
離れ、可動子133が電極140に向って図中の右側か
ら左側へ、浮遊しながら更に移動する。
【0087】図21(E)に示すように、可動子133
が電極140に吸着された時点で第2のスイッチ149
が中立な状態に戻され、電極139の電荷が自然消滅す
る。ここで、第2のスイッチ149をア−ス147に接
続して電極139の電荷を積極的に零にしてもよい。
【0088】すなわち、上述のような静電リニアモ−タ
131においては、可動子133が電極136〜140
に順次吸着されるまでの間の浮遊状態にあるときに移動
する。したがって、固定子132と可動子133との間
の動摩擦力を零にすることができる。さらに、摩耗の発
生を防止することができる。また、特別な支持機構を用
いる必要がなく、可動子133のストロ−クを大とする
ことができる。そして、静電リニアモ−タ131が細い
ほど、静電リニアモ−タ131の機能は向上する。本発
明の第11の実施例を説明する。なお、前述の各実施例
と同様な部分については同一番号を付し、その説明は省
略する。
【0089】図22〜図27は本発明の第11の実施例
を示しており、各図中の符号161は多面固定子型の静
電リニアモ−タである。この静電リニアモ−タ161に
おいては、多面固定子162と可動子163とが備えら
れている。
【0090】多面固定子162においては、例えば互い
に平行に対向した平板状の電極支持体134、135の
それぞれに電極136、138、140及び電極13
7、139が取付けられており、電極136〜140の
表面が電極支持体134、135の板面に露出してい
る。
【0091】可動子163は通電可能な材料を段付き円
柱状に成形してなるものであり、両電極支持体134、
135の間に挿入されている。さらに、可動子163に
は細径部164と大径部165とが形成されており、大
径部165は細径部164の軸方向中間部に配置されて
いる。
【0092】この静電リニアモ−タ161においては2
つの直列な電源145、146が備えられており、両電
極145、146は両者の間の電位が零になるよう互い
の中間の部分でア−ス147に接続されている。両電源
145、146と各電極136〜140とは第1〜第4
の二方向スイッチ(以下、第1〜第4のスイッチと称す
る)148〜151を介して接続されている。
【0093】各スイッチ148〜151は一方の電源1
45の負極及び他方の電源146の正極に接続されてい
る。そして、一方の電極支持体134の電極136、1
40は第1のスイッチ148に並列に接続されている。
つぎに、上述の静電リニアモ−タ161の作用を説明す
る。
【0094】まず、図22(A)に示すように、第3の
スイッチ150が正の側にONされ、電極138が正に
帯電する。他のスイッチ148、149、151は開放
しており、他の電極136、137、139、140は
帯電していない。可動子163の大径部165の電極1
38に近い側の部位は負に帯電し、電極138に遠い側
の部位は正に帯電する。そして、大径部165が吸引力
を受け、可動子163が電極138に吸着される。
【0095】ここで、図22(B)に示すように、第3
のスイッチ150が負の側に切換えられると、電極13
8は負に帯電し、大径部165の負に帯電している部分
と電極138とが反発する。このとき、第4のスイッチ
151が正の側にONされると、電極137が正極とな
り、大径部165の負に帯電している部分に対して吸引
力が作用する。したがって、可動子163は電極138
から電極137の側へ向い、浮遊しながら両電極支持体
134、135の間の空間を横切って移動する。
【0096】図23(C)に示すように、可動子163
は浮遊したのち電極137に吸着される。この時点で第
3のスイッチ150が中立な状態にされ、電極138の
電荷が自然消滅する。ここで、第3のスイッチ150を
ア−ス147に接続して電極138の電荷を積極的に零
にしてもよい。
【0097】こののち、図23(D)に示すように、第
4のスイッチ151が電源146の負にONされ、電極
137が負に帯電する。これとともに第1のスイッチ1
48が電源145の正極にONし、電極136が正に帯
電する。可動子163の大径部165が電極137から
離れ、可動子163が電極136に向って図中の右側か
ら左側へ、浮遊しながら更に移動する。
【0098】図24(E)に示すように、可動子163
が電極136に吸着された時点で第4のスイッチ151
が中立な状態に戻され、電極137の電荷が自然消滅す
る。ここで、第4のスイッチ151をア−ス147に接
続して電極137の電荷を積極的に零にしてもよい。
【0099】以上は可動子163が図中の右側から左側
へ移動する場合の作用の説明であるが、以下に可動子1
63が図中の右側から左側へ移動する場合の作用を説明
する。
【0100】まず、図25(A)に示すように、電極1
38が電源145の正極に接続され、他の電極は13
6、137、139、140は帯電していない状態にあ
る。このため、可動子163の大径部164の電極13
8に近い側が負に帯電し、遠い側が正に帯電している。
そして、可動子163が電極138に吸着されている。
【0101】ここで、図25(B)に示すように、第3
のスイッチ150が電源146の負極側に切換えられ、
電極138が負に帯電し、可動子133が電極138に
対して反発する。このとき第2のスイッチ149が正の
側にONされると、電極139が正極となり、大径部1
65に吸引力が作用する。したがって、可動子163は
電極138から離れて、電極138の側から電極139
の側(図中の左側から右側)へ浮遊しながら移動する。
【0102】図26(C)に示すように、可動子163
は浮遊したのち電極139に吸着される。この時点で第
3のスイッチ150が中立な状態にされ、電極138の
電荷が自然消滅する。ここで、第3のスイッチ150を
ア−ス147に接続して電極138の電荷を積極的に零
にしてもよい。
【0103】こののち、図26(D)に示すように、第
2のスイッチ149が電源146の負にONされ、電極
139が負に帯電する。これとともに第1のスイッチ1
48が電源145の正極にONし、電極140が正に帯
電する。可動子163の大径部165が電極139から
離れ、可動子163が電極140に向って図中の右側か
ら左側へ、浮遊しながら更に移動する。
【0104】図27(E)に示すように、可動子163
が電極140に吸着された時点で第2のスイッチ149
が中立な状態に戻され、電極139の電荷が自然消滅す
る。ここで、第2のスイッチ149をア−ス147に接
続して電極139の電荷を積極的に零にしてもよい。本
発明の第12の実施例を説明する。
【0105】図28は本発明の第12の実施例を示して
おり、図28中の符号171は多面固定子型の静電リニ
アモ−タである。この静電リニアモ−タ171において
は、多面固定子172と複数の線状の可動子173…と
が備えられている。
【0106】多面固定子172は、複数の平板状固定子
174−1〜mと同じく複数の波形な屈曲板状固定子1
75−1〜nとにより構成されている。さらに、両板状
固定子174−1〜m、175−1〜nには、例えば印
刷等の手段により、帯状の電極176…、177…が略
等間隔で形成されている。そして、各電極176…、1
77…が適宜組合わされて端子178〜181に接続さ
れている。
【0107】さらに、両板状固定子174−1〜m、1
75−1〜nは交互に積層されるとともに接合されてお
り、可動子173…が両板状固定子174−1〜m、1
75−1〜nによって囲まれて規則的に並んだ複数の空
間に一本ずつ挿入されている。また、両板状固定子17
4−1〜m、175−1〜nは必要に応じて絶縁膜によ
り覆われている。
【0108】このような静電リニアモ−タ171によれ
ば、単体の静電リニアモ−タが集積化される。さらに、
従来の印刷技術とダンボ−ル製造技術とを応用すれば、
集積化された静電リニアモ−タを容易に製造することが
できる。また、一つ電極を複数の可動子173…の駆動
に兼用できるので、配線数は可動子173…の数よりも
少ない。したがって、配線を簡略化することができる。
本発明の第13の実施例を説明する。
【0109】図29は本発明の第13の実施例を示して
おり、図29中の符号191は多面固定子型の静電リニ
アモ−タである。この静電リニアモ−タ191において
は、多面固定子192と複数の線状の可動子193…と
が備えられている。
【0110】多面固定子192はハニカム状のもので、
矩形波形な複数の屈曲板状固定子194−1〜mにより
構成されている。屈曲板状固定子194−1〜mは順次
積層されて接合されており、屈曲板状固定子194−1
〜mの間には、帯状の絶縁体195…が挟み込まれてい
る。
【0111】各屈曲板状固定子194−1〜mには、印
刷等の手段により、帯状の電極196…が略等間隔で形
成されており、絶縁体195…は各屈曲板状固定子19
4…における電極間を絶縁している。そして、可動子1
93…が各屈曲板状固定子194…によって囲まれて規
則的に並んだ複数の空間に一本ずつ挿入されている。こ
こで、各屈曲板状固定子194…の所定の位置っを絶縁
膜予め覆っておけば、絶縁体195…を省略することも
できる。
【0112】このような静電リニアモ−タ191によれ
ば、単体の静電リニアモ−タが集積化される。さらに、
従来の印刷技術とダンボ−ル製造技術とを応用すれば、
集積化された静電リニアモ−タを容易に製造することが
できる。
【0113】以上説明したように本発明は、中空に成形
され、軸方向に離間して配設される複数の固定子電極を
備える固定子及びこの固定子にギャップを介して挿入さ
れ、軸方向に離間して配設される通電可能な複数の可動
子電極を有する可動子を備える静電リニアモータにおい
て、前記可動子電極の極性は、常時正極又は負極のいず
れか一方に保ち、前記可動子電極の近傍にある前記固定
子電極が前記軸方向に対して一方の側に位置するときに
は、前記電極間の極性を異ならせ、前記可動子電極の近
傍にある前記固定子電極が前記軸方向に対して他方の側
に位置するときには、前記電極間の極性を同じくするよ
うに制御可能な構成であるとともに、前記各可動子電極
は互いに導通され、前記各固定子電極は、いずれかの極
性にスイッチング可能な構成であることを特徴とする静
電リニアモータである。
【0114】また、本発明は、中空糸状に成形され軸心
方向に沿って並んだ複数の電極を有し電極に電圧を供給
される固定子と、この固定子の中に挿入されその外周面
と固定子の内周面との間にギャップを介在させ、固定子
内での静電力の発生に伴い所定の電極中に順に吸引され
て変位する可動子とを具備した。
【0115】
【0116】したがって本発明は、静電モ−タの集積化
を可能にするとともに容易に高精度な加工を行えるよう
にし、柔軟性をも持たせることができ、さらに、摩耗の
発生を防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示しており、(a)は
軸方向に沿った断面図、(b)は径方向に沿った同じく
断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例を示しており、(c)は
軸方向に沿った断面図、(d)は径方向に沿った同じく
断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示しており、(a)は
軸方向に沿った断面図、(b)は径方向に沿った同じく
断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示しており、(c)は
軸方向に沿った断面図、(d)は径方向に沿った同じく
断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例を示しており、(a)及
び(b)は軸方向に沿った断面図である。
【図6】同じく本発明の第3の実施例を示しており、
(c)は軸方向に沿った断面図である。
【図7】同じく本発明の第3の実施例を示しており、
(a)〜(c)は径方向に沿った断面図である。
【図8】本発明の第4の実施例を示しており、(a)は
軸方向に沿った断面図、(b)は径方向に沿った同じく
断面図である。
【図9】同じく本発明の第4の実施例を示しており、
(a)は軸方向に沿った断面図、(b)は径方向に沿っ
た断面図である。
【図10】同じく本発明の第4の実施例を示しており、
(a)は軸方向に沿った断面図、(b)は径方向に沿っ
た断面図である。
【図11】本発明の第5の実施例を示しており、(a)
は軸方向に沿った断面図、(b)は径方向に沿った同じ
く断面図である。
【図12】本発明の第6の実施例を示す斜視図である。
【図13】本発明の第7の実施例を示す斜視図である。
【図14】本発明の第8の実施例を示す斜視図である。
【図15】本発明の第9の実施例を示す斜視図である。
【図16】本発明の第10の実施例を示しており、
(A)及び(B)は作用を順に示す説明図である。
【図17】同じく本発明の第10の実施例を示してお
り、(C)及び(D)は作用を[図16](A)、
(B)に続いて順に示す説明図である。
【図18】同じく本発明の第10の実施例を示してお
り、(E)は作用を[図17](C)、(D)に続いて
示す説明図である。
【図19】本発明の第10の実施例を示しており、
(A)及び(B)は作用を順に示す説明図である。
【図20】同じく本発明の第10の実施例を示してお
り、(C)及び(D)は作用を[図19](A)、
(B)に続いて順に示す説明図である。
【図21】同じく本発明の第10の実施例を示してお
り、(E)は作用を[図20](C)、(D)に続いて
示す説明図である。
【図22】本発明の第11の実施例を示しており、
(A)及び(B)は作用を順に示す説明図である。
【図23】同じく本発明の第11の実施例を示してお
り、(C)及び(D)は作用を[図22](A)、
(B)に続いて順に示す説明図である。
【図24】同じく本発明の第11の実施例を示してお
り、(E)は作用を[図23](C)、(D)に続いて
示す説明図である。
【図25】本発明の第11の実施例を示しており、
(A)及び(B)は作用を順に示す説明図である。
【図26】同じく本発明の第11の実施例を示してお
り、(C)及び(D)は作用を[図25](A)、
(B)に続いて順に示す説明図である。
【図27】同じく本発明の第11の実施例を示してお
り、(E)は作用を[図26](C)、(D)に続いて
示す説明図である。
【図28】本発明の第12の実施例を示す斜視図であ
る。
【図29】本発明の第13の実施例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…静電リニアモ−タ、2…固定子、3…可動子、5…
電極、8…ギャップ、9…電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−95865(JP,A) 特開 平3−22886(JP,A) 特開 平3−118785(JP,A) 特開 昭63−265572(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 1/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空に成形され、軸方向に離間して配設
    される複数の固定子電極を備える固定子及びこの固定子
    にギャップを介して挿入され、軸方向に離間して配設さ
    れる通電可能な複数の可動子電極を有する可動子を備え
    る静電リニアモータにおいて、 前記可動子電極の極性は、常時正極又は負極のいずれか
    一方に保ち、 前記可動子電極の近傍にある前記固定子電極が前記軸方
    向に対して一方の側に位置するときには、前記電極間の
    極性を異ならせ、 前記可動子電極の近傍にある前記固定子電極が前記軸方
    向に対して他方の側に位置するときには、前記電極間の
    極性を同じくするように制御可能な構成であるととも
    に、前記各可動子電極は互いに導通され、前記各固定子
    電極は、いずれかの極性にスイッチング可能な構成であ
    ことを特徴とする静電リニアモータ。
  2. 【請求項2】 線状で通電可能な導体線の軸方向に沿っ
    て、径方向に膨らんだ大径部を離間して複数形成させる
    ことにより複数の前記可動子電極を形成させる構成とし
    たことを特徴とする請求項1記載の静電リニアモータ。
  3. 【請求項3】 複数の固定子が軸線を平行にして束ねら
    れていることを特徴とする請求項1記載の静電リニアモ
    ータ。
  4. 【請求項4】 複数の固定子が縦方向と横方向に交差し
    て配置されていることを特徴とする請求項1記載の静電
    リニアモータ。
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