JP3385909B2 - フィルタ及び送受信器 - Google Patents

フィルタ及び送受信器

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JP3385909B2 JP12200597A JP12200597A JP3385909B2 JP 3385909 B2 JP3385909 B2 JP 3385909B2 JP 12200597 A JP12200597 A JP 12200597A JP 12200597 A JP12200597 A JP 12200597A JP 3385909 B2 JP3385909 B2 JP 3385909B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、良導体の加工に
より作りだすことができるフィルタに関するものであ
り、例えばコムラインフィルタが該当する。このコムラ
インフィルタは低損失/高Rejectionのフィルタが要求
されるレーダ、衛星通信等の分野の送受信器にて利用可
能なものである。以降、コムラインフィルタを一例とし
て、本発明に係るフィルタを説明する。
【0002】
【従来の技術】図12は、従来のコムラインフィルタの
構成図である。図において1は入出力コネクタ、31は
ケース蓋、32はフィルタケース、4は共振器、5は調
整用ネジ、7はフィルタケース32とケース蓋31を互
いに接続するネジ、8は調整用ネジ5に対応して設けら
れるナットである。さらに、図13はその他の従来のコ
ムラインフィルタの構造を示しており、図12と同一の
ものは同一符号で示している。
【0003】次に従来のコムラインフィルタの構造につ
いて説明する。図12に示す従来のコムラインフィルタ
の構造では共振器4、ケース蓋31、フィルタケース3
2は互いに別体部品になっている。そして、共振器4は
フィルタケース32にロウ付け等の手法によって接着さ
れ、ケース蓋31はネジ止め、ロウ付け等によりフィル
タケース32に互いに接続される。ケース蓋31にはネ
ジ穴が開けられており、このネジ穴に調整用ネジ5が挿
入される。
【0004】また、図13では、その構造はフィルタケ
ース2と共振器1は削り出し加工により一体成形されて
おり、この一体化されたフィルタケースの上にケース天
蓋3をネジ止めもしくはロウ付け等により接続される。
また、調整用ネジ4の穴はケース蓋3に開けられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のコ
ムラインフィルタには高周波電流が流れるが、共振器4
におけるフィルタケース32との接合部分やコネクタ心
線部分には特に電流が集中して分布することが一般的に
知られている。従って、この電流が集中する部位がフィ
ルタケース32と別体になっている場合には回路Qの劣
化による損失が増し、設計時の特性とは異なるフィルタ
が出来上がるという問題が生じていた。
【0006】また、共振器4をフィルタケース32に取
付ける際の位置精度が出し辛いという問題があり、共振
器4の位置ずれにより、フィルタの帯域特性のずれ、入
出力の反射特性の劣化等が生じていた。これらは周波数
が高くなるほど顕著に現れ、十数GHzなどにおける特
性の劣化は顕著に現れる。
【0007】さらには、図13のような従来のコムライ
ンフィルタにおいては、削りだし加工などにより共振器
4とフィルタケース32とは一体化しているため、前述
の共振器4の位置精度の問題は解決される。ここで、共
振器4と調整用ネジ5は接触してはならないが、ケース
蓋31のネジ穴を介してフィルタケース32内部に調整
用ネジ5を入れる場合、前述のような周波数帯域ではケ
ース蓋31の取付け精度、調整用ネジ5用のネジ穴開け
精度により、共振器4と調整用ネジとが接触するような
設計寸法となることが多い。このことは、図12のコム
ラインフィルタでもケース蓋31がフィルタケース32
と別体であるため同様の問題を生じていた。
【0008】また、調整用ネジ5はケース蓋31のネジ
穴に挿入されるので全体がネジを切った形状となってい
るが、このような形状によってエネルギーの損失を生
じ、フィルタとしての挿入損失を増加させていた。
【0009】また、図13においてコネクタ心線1と共
振器4の接続は直接行われており、インピーダンスの不
整合や反射特性の劣化を防止するためには別の機構をコ
ムラインフィルタ外部に設けることにより不整合を補正
する場合が生じ、構造が複雑化していた。
【0010】この発明は以上のような問題を解決するた
めになされたものであり、構造を工夫することにより、
設計値により近く精度の良いフィルタを得ることを共通
の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る
ィルタは、長手方向に配列される複数の共振器、両端の
共振器の前記長手方向における外側部に形成されるタッ
プ部及び前記共振器を被うケース蓋部をフィルタケース
素材に前記長手方向に直角な方向から放電加工及び削り
出し加工を施すことにより、前記共振器、前記タップ部
及び前記ケース蓋部を形成したフィルタケースと、この
フィルタケースの前記長手方向の両端部にそれぞれ形成
された入出力コネクタと、この入出力コネクタに接続さ
れたコネクタ芯線と、このコネクタ芯線を前記タップ部
上に接触させて固定した固定手段と、前記フィルタケー
スの長手方向に直角な方向に解放された解放部を覆う両
側板と、前記ケース蓋部に設けられ、各共振器の中心周
波数をそれぞれ調整する調整ネジとを備えたものであ
る。
【0012】請求項2の発明に係るフィルタは、前記共
振器、前記タップ部、前記ケース蓋部、前記フィルタケ
ース及び前記両側板に銀めっきを施したことを特徴とす
請求項1に記載のフィルタ。
【0013】請求項3の発明に係るフィルタは、前記タ
ップ部が方形状であるものである。
【0014】請求項4の発明に係るフィルタは、前記フ
ィルタケース素材が黄銅であるものである。
【0015】請求項5の発明に係るフィルタは、前記共
振器が角柱型であるものである。
【0016】請求項6の発明に係る送受信器は、請求項
1乃至請求項5のいずれかに記載のフィルタを備えた
のである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は、実施の形態1におけるコムライ
ンフィルタの構成図である。図1(a)は上面図、図1
(b)は平面図、図1(c)は左側面図、図1(d)は
右側面図を示している。
【0018】図において、1は入出力信号の引出線が接
続される入出力コネクタであり、2は後述の共振器4の
一部に一体的に設けられたタップであり、3は後述の共
振器4を内部に格納するフィルタケースであり、4は共
振器であり、5は共振器4の周波数を調整するための調
整用ネジである。フィルタケース3内に共振器4は複数
設けられており、各共振器4毎に調整用ネジが設けられ
ている。6は、フィルタケース3の側面を覆う側板であ
り、7は側板6を固定するための固定用ネジである。
【0019】また、図2は、図1に示すコムラインフィ
ルタの分割状態を示す図である。但し、図2では、構成
を簡単に説明するため、側板6の固定用ネジ7及びコネ
クタ1を固定する際に使用するネジ穴は省略している。
【0020】図1及び図2では、共振器が6本あるフィ
ルタを例として挙げている。そしてフィルタ構造の素材
は加工が容易でかつ、安価な材料として黄銅を用いてい
る。この実施の形態におけるコムラインフィルタは、図
2の分割状態図からわかるようにフィルタケース3に対
して側板6は取りはずしが可能であるが、フィルタケー
ス3自体、フィルタケース3と共振器4およびタップ2
とが共に一体化構造をなしている。
【0021】この一体化構造の加工は、共振器4の長さ
方向に対して直角な方向から放電加工及び削りだし加工
を行うことによって作り出される。このような放電加工
および削りだし加工を行うため、図2に示すようにフィ
ルタケース3の側面部分は、解放されている。
【0022】そして、この解放されたフィルタケース3
の両側面を2枚の側板6によって挟むようなかたちで配
置され、側板6が固定用ネジ7で止められる。このよう
に側板6を設けることによりフィルタ全体の導通を確実
なものにすることができる。この側板6の材質もフィル
タケース3の材質と同様の黄銅を用いる。コムラインフ
ィルタの機能時には、この側板6に高周波電流が流れる
ことになる。
【0023】フィルタケース3の上面にはネジ穴が開け
られており、このネジ穴を介して調整用ネジ5がフィル
タケース3内に挿入される。調整用ネジ5がネジ穴に挿
入された状態では、調整用ネジ5のネジ山とフィルタケ
ース3のネジ穴とが嵌合する。また、共振器4それぞれ
は、角柱形状をしており、この角柱は中空構造となって
いる。したがって、調整用ネジ5が挿入された状態で
は、調整用ネジ5の先端部分は、共振器4の中空に挿入
された形となる。また、この実施の形態におけるフィル
タケース3は、図12、図13に示した従来のコムライ
ンフィルタのケース蓋31とフィルタケース32とが一
体的に形成されたものである。
【0024】本実施の形態では、素材に黄銅を用いてい
るため、その導電率は低い。そのため、一体化されてい
るタップ2、フィルタケース3、共振器4及び側板6に
はフィルタ表面の導電率を改善するために銀メッキが施
されている。黄銅に銀メッキを施すにあたっての下地処
理は一般的なものである。
【0025】このような、共振器4とフィルタケース3
が一体化構造をとる利点としては、以下の2点がある。
まず、一点目は、一体化することにより共振器4とフィ
ルタケースとの接合部に流れる高周波電流を低損失で扱
うことができるため、フィルタとしての挿入損失が低減
できる点である。
【0026】二点目は、フィルタは設計値に極めて近い
形で構築することができ、特性も得やすくなる点であ
る。共振器4とフィルタケース3を別体として組み立て
る場合に比べ、寸法公差は小さくてすみ、取付位置精度
も向上するからである。特に、この実施の形態において
はタップ2もフィルタケース3および共振器4と一体化
させているため、取付時の位置ずれをより少なくするこ
とができ、設計に近い特性を得ることができるようにな
る。
【0027】また、この実施の形態に示した共振器4の
場合には、調整用ネジ5が共振器4の穴に挿入されるこ
とになるが、この場合に共振器4と調整用ネジ5とが接
触しないようにしなければならない。さらに、数十GH
zの高周波領域においては全体構造が小さくなり、寸法
条件は厳しくなる。以上のことから、フィルタの特性を
向上させるために取付位置精度が重要であり、このよう
な条件下でフィルタケース3、タップ2、共振器4すべ
てを一体化構造とすることは有効である。
【0028】さらに、この実施の形態においてはフィル
タケース3は、図12、図13に示した従来のケース蓋
3およびフィルタケース32とを一体形成して得られる
ものであるため、従来問題となっていたフィルタケース
32にケース蓋31を取り付ける場合の取り付け精度を
考慮する必要がなくなる点でも有効である。
【0029】実施の形態2.図3は、この実施の形態に
おけるコムラインフィルタの構造図である。この実施の
形態においては、図3に示すように共振器4が円柱形状
をしており、中空ではない点で先の実施の形態と異な
る。その他の構成については先の実施の形態と同様であ
り、フィルタケース3と円柱型の共振器4aは共振器の
長さ方向に対し直角な放電加工若しくは削りだし加工に
より一体成形されている。また、円柱型の共振器4aに
は、フィルタケース3の上面に開けられたネジ穴を介し
て調整用ネジ5が挿入され、その結合量を調整すること
が可能である。共振器4aと調整用ネジ5とは接触しな
いように調整用ネジ5によって調整される。
【0030】この実施の形態における円柱型の共振器4
aは、結合容量が比較的小さくてすむフィルタの設計の
場合に用いられる。また、円柱型の共振器4aは、中空
でない分構造が簡略化されるとともに、削りだし加工等
が簡単である点で有効である。また、この実施の形態に
おいても先の実施の形態と同様に、フィルタケース3自
体、フィルタケース3とタップ2および共振器4aが一
体化構造となっているため、設計値に極めて近い形で構
築することができ、特性も得やすくなる。
【0031】実施の形態3.図4は、この実施の形態に
おけるコムラインフィルタの構造を示す図である。この
実施の形態においては、図4に示すように共振器4bが
円筒型である点で先の実施の形態と異なる。
【0032】その他の構成については、先の実施の形態
と同様であり、フィルタケース3と円筒型の共振器4b
は、共振器4bの直角方向から放電加工若しくは削りだ
し加工により一体成形されている。また、円筒型の共振
器4bには、フィルタケース3の上面に開けられたネジ
穴を介して調整用ネジ5が挿入される。
【0033】この場合であっても、フィルタケース3及
び共振器4bが一体成形されていることにより、円筒型
共振器4bと調整用ネジ5とが接触せずに空間結合させ
ることが可能となり、また共振器4bと調整用ネジ5の
間の結合容量を大きくとることができる。
【0034】また、この実施の形態においても先の実施
の形態と同様に、フィルタケース3自体、フィルタケー
ス3とタップ2および共振器4bが一体化構造となって
いるため、設計値に極めて近い形で構築することがで
き、特性も得やすくなる。
【0035】実施の形態4.図5は、この実施の形態に
おけるコムラインフィルタの構造を示す図である。この
実施の形態においては、図5に示すように共振器4cが
四角柱型をしており、中空ではない点で先の実施の形態
と異なる。その他の構成については先の実施の形態と同
様であり、フィルタケース3と四角柱型の共振器4c
は、共振器4cの長さ方向に対し直角な方向から放電加
工若しくは削りだし加工により一体成形されている。ま
た、四角柱型の共振器4cには、フィルタケース3の上
面に開けれたネジ穴を介して調整用ネジ5が挿入され、
その結合量を調整することが可能である。
【0036】この実施の形態における四角柱型の共振器
4cは、結合容量が比較的小さくてすむフィルタの設計
の場合に用いられる。また、四角柱型の共振器4cは、
中空でない分構造が簡略化されるとともに、削りだし加
工等が容易である点で有効である。また、この実施の形
態においても先の実施の形態と同様に、フィルタケース
3自体、フィルタケース3とタップ2および共振器4が
一体化構造となっているため、設計値に極めて近い形で
構築することができ、特性も得やすくなる。
【0037】実施の形態5.図6はこの実施の形態にお
けるコムラインフィルタの構造を示す図である。この実
施の形態においては、図6に示すように共振器4が四角
筒型であることを特徴とするものである。
【0038】その他の構成については先の実施の形態と
同様であり、フィルタケース3と四角筒の共振器4d
は、共振器4dの長さ方向に対して直角な方向から放電
加工若しくは削りだし加工により一体成形されている。
また、四角筒の共振器4dには、フィルタケース3の上
面に開けられたネジ穴を介して調整用ネジ5を挿入さ
れ、その結合量を調整することが可能である。
【0039】また、この実施の形態においても先の実施
の形態と同様に、フィルタケース3自体、フィルタケー
ス3とタップ2および共振器4dが一体化構造となって
いるため、設計値に極めて近い形で構築することがで
き、特性も得やすくなる。その他、共振器4dは角柱の
形状であるため、フィルタケース3と一体成形するのに
際し、加工がしやすくなる。
【0040】実施の形態6.図7はこの実施の形態にお
けるコムラインフィルタを示している。入出力コネクタ
1と共振器4とを接合するためにタップ2を置いて接合
している。図7は、入出力コネクタ1と共振器4との接
合の状態を示した図であり、入出力コネクタ1と共振器
4とはコネクタ心線8およびタップ2を介して接続され
ている。ここで、入出力コネクタ1およびタップ2はフ
ィルタケース3と一体化構造となっている。このタップ
2によって結合強度やインピーダンスの調整を行うこと
ができる。
【0041】タップ2の形状としては、例えば図8
(a)及び(b)に示すように、円柱状のものや方形の
もの等が考えられ、タップ2の形状により結合の強度を
変化させることができる。
【0042】さらに、タップ2のアスペクト比や共振器
4に対するタップ2の位置を変えることによってインピ
ーダンスの整合を図ることができる。具体的には、図8
(c)に示すように、タップ2の形状が方形状の場合に
は縦横のサイズ比(アスペクト比に相当)を調整した
り、タップ2を共振器4に設ける位置を調整することに
よってインピーダンスの整合が図れる。
【0043】図9はコネクタ心線8とタップ2の接合の
させ方の一例を示す図である。図9は、簡略のためコネ
クタ心線8とタップ2を抽出して記載している。図9で
は、タップ2に溝を彫り、その部位にコネクタ心線8を
入れる場合を示している。コネクタ心線8とタップ部2
bの導通は半田付け9若しくは導電性の接着剤により行
い、溝を埋める。
【0044】この実施の形態においては、タップ2と共
振器4とを一体化しているため、共振器4に対するタッ
プ2の位置精度を確保することができる。上述したよう
に、共振器4に対するタップ2の位置は、インピーダン
スの整合に影響するため、より精度良い位置を得ること
によって、より設計値に近いインピーダンス特性を得る
ことができるようになる。
【0045】実施の形態7.図10は、この実施の形態
におけるコムラインフィルタに用いられる調整用ネジの
形状を示す図である。この調整用ネジ5aは、共振器4
の内部筒に挿入される部位のネジ山が無い形となってい
る。ネジ山がある場合に比してネジ山がない場合はその
表面を流れる電流の損失に違いがある。
【0046】ネジ山がある場合と、ネジ山がない場合の
ネジ表面を流れる電流の損失について詳述する。コムラ
インフィルタが機能している時には、調整用ネジ5aに
も高周波電流が流れることになる。この高周波電流は、
導体表面、即ち調整用ネジ5aの表面に集中して流れる
という特性を有している。
【0047】ネジ山がある調整用ネジ5aの場合には、
上述の特性によって高周波電流はネジ山の凹凸の表面を
流れることになる。そのため、同一の長さのネジ山があ
る調整用ネジと、ネジ山がない調整用ネジとを比較した
場合、高周波電流が流れる距離はネジ山がある調整用ネ
ジの方が長くなる。また、ネジ山はかなり尖っているた
め、ネジ山のエッジ部分で放射、熱発生等を起こしやす
い。以上の理由から、ネジ山がある場合に比してネジ山
がない場合はその表面を流れる高周波電流の損失が少な
くなる。
【0048】その結果、共振器4としての回路Qが高ま
る低損失なフィルタを構築することができることにな
る。また、調整用ネジ5aは、共振器4の内部筒の中に
接触することなく挿入される必要があるが、ネジ山が無
い分調整用ネジ5aが共振器4の内部筒に接触する場合
が少なくなるという効果もある。
【0049】実施の形態8.図11は、コムラインフィ
ルタに用いられる調整用ネジの形状を示す図である。こ
の調整用ネジ5bおよび5cは、共振器4に挿入される
部位の径が一般的に用いられる規格のネジであるJI
S、ISOのネジの径よりも小さくなるように構成され
ている。
【0050】このように構成することで、ネジが切られ
た部位には規格に適合したネジ山を用い、共振器の筒内
に挿入される部位は設計値に応じた径とすることができ
る。このことにより、調整用ネジ5の共振器の筒内に挿
入される部位の径は、フィルタの小型の用途等に合わせ
て自由度高く設計が可能となる。
【0051】また、調整用ネジのネジが切られた部位は
共振器4に対峙したフィルタケース3にネジ止めするこ
とにより固定されるが、このネジの切られた部位はJI
S、ISO規格に合わせた形状にしておくことにより、
調整用ネジ5のネジ山及びフィルタケース3のネジ穴は
標準的な工具を用いて作りだすことが可能である。
【0052】尚、この明細書においては複数の実施の形
態をそれぞれ別々に説明しているが、各実施の形態を適
宜組み合わせてコムラインフィルタを構成するようにし
てもよい。また、この明細書においてはコムラインフィ
ルタを例に実施の形態を説明したが、必ずしもコムライ
ンフィルタに限らずその他のフィルタに適用することも
可能である。
【0053】この発明によれば、複数の共振器、タップ
部及びケース蓋部を有するフィルタケースが一体的に形
成されるので、フィルタケースに対する共振器及びタッ
プ部の取付位置精度の向上、挿入損失の低減を図ること
ができ、設計値に近いフィルタ特性を容易に得ることが
できる。
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1におけるコムラインフィルタの
構成図である。
【図2】 実施の形態1におけるコムラインフィルタの
分割状態を示す図である。
【図3】 実施の形態2におけるコムラインフィルタの
構造図である。
【図4】 実施の形態3におけるコムラインフィルタの
構造図である。
【図5】 実施の形態4におけるコムラインフィルタの
構造図である。
【図6】 実施の形態5におけるコムラインフィルタの
構造図である。
【図7】 実施の形態6におけるコムラインフィルタの
構造図である。コネクタ心線8とタップ2の接合のさせ
方の一例を示す図である。
【図8】 タップ2の形状、及び寸法を示す図である。
【図9】コネクタ芯線10とタップ2の接合のさせ方の
一例を示す図である。
【図10】 実施の形態7における調整用ネジを示す図
である。
【図11】 実施の形態8における調整用ネジを示す図
である。
【図12】 従来のコムラインフィルタの構造図であ
る。
【図13】 他の従来のコムラインフィルタの構造図で
ある。
【符号の説明】
1 入出力コネクタ、2 タップ、3 フィルタケー
ス、4 共振器、5 調整用ネジ、6 側板、7 固定
用ネジ、8 ナット、9 接着剤、10 コネクタ芯
線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/205 H01P 11/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に配列される複数の共振器、両
    端の共振器の前記長手方向における外側部に形成される
    タップ部及び前記共振器を被うケース蓋部をフィルタケ
    ース素材に前記長手方向に直角な方向から放電加工及び
    削り出し加工を施すことにより、前記共振器、前記タッ
    プ部及び前記ケース蓋部を形成したフィルタケースと、
    このフィルタケースの前記長手方向の両端部にそれぞれ
    形成された入出力コネクタと、この入出力コネクタに接
    続されたコネクタ芯線と、このコネクタ芯線を前記タッ
    プ部上に接触させて固定した固定手段と、前記フィルタ
    ケースの長手方向に直角な方向に解放された解放部を覆
    う両側板と、前記ケース蓋部に設けられ、各共振器の中
    心周波数をそれぞれ調整する調整ネジとを備えたことを
    特徴とするフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記共振器、前記タップ部、前記ケース
    蓋部、前記フィルタケース及び前記両側板に銀めっきを
    施したことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記タップ部は、方形状であることを特
    徴とする請求項1に記載のフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記フィルタケース素材は、黄銅である
    ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。
  5. 【請求項5】 前記共振器は、角柱型であることを特徴
    とする請求項1に記載のフィルタ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    のフィルタを備えたことを特徴とする送受信器。
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