JP3385402B2 - 廃水浄化剤、液状廃水浄化剤、及びそれらの製造方法、並びに廃水浄化方法 - Google Patents
廃水浄化剤、液状廃水浄化剤、及びそれらの製造方法、並びに廃水浄化方法Info
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Description
渣等の有機素材の分解能、並びに耐熱性酵素及びシャぺ
ロニンの生産能を有する好熱性みろく種菌の発酵等によ
って製造される廃水浄化剤、液状廃水浄化剤、及びそれ
らの製造方法、並びに廃水浄化方法に関する。
としては、例えば活性汚泥法が知られている。この活性
汚泥法は、廃水と活性汚泥を加えた曝気層内に空気又は
酸素を吹き込み、好気性微生物の働きにより有機物を酸
化分解するものである。
ような活性汚泥法による従来の廃水浄化システムにおい
ては、浄化後でも糸状菌等が残ると共に、余剰汚泥も発
生するという問題点がある。即ち、従来の廃水浄化シス
テムは常温菌を利用する技術であるため、浄化槽内の微
生物叢が糸状菌等の廃水浄化に対する悪玉菌に取って代
わられることがあり、廃水を浄化するべき微生物の優先
環境を安定化することができなかった。
なされたものであり、廃水浄化後における糸状菌等の残
存や余剰汚泥の発生を防止できる廃水浄化剤、液状廃水
浄化剤、及びそれらの製造方法、並びに廃水浄化方法を
提供することを目的とする。
に、請求項1の廃水浄化剤の製造方法は、バチルス・ブ
レビスの近縁の種である好熱性C−1菌と、バチルス・
ブレビスの近縁の種である好熱性C−3菌と、バチルス
・ステアロサーモフィルスか又はその近縁の種である好
熱性C−4菌との混合菌であると共に、好気条件下で有
機素材の分解能、並びに耐熱性酵素及びシャぺロニンの
生産能を有する好熱性みろく種菌を使用する廃水浄化剤
の製造方法であって、前記好熱性みろく種菌を有機素材
に添加し、好気条件下且つ50乃至90℃で発酵させる
ものである。
項1記載の方法により製造された廃水浄化剤に有機素材
を添加し、好気条件下且つ50乃至90℃で発酵させる
ものである。
外線の照射によって50乃至90℃に昇温させるもので
ある。
は、前記有機素材が海産物残渣を含有する。
時間以上発酵させるものである。
のいずれか記載の方法により製造されたものである。
請求項6記載の廃水浄化剤を水に添加し、好気条件下且
つ30乃至70℃で培養するものである。
請求項6記載の廃水浄化剤を、この廃水浄化剤の製造の
際に採取された蒸留液に添加し、好気条件下且つ30乃
至70℃で培養するものである。
遠赤外線の照射によって30乃至70℃に昇温させるも
のである。
は、請求項6記載の廃水浄化剤を、有機物を含む廃水に
添加し、好気条件下且つ50乃至90℃で培養するもの
である。
は、遠赤外線の照射によって50乃至90℃に昇温させ
るものである。
は、所定時間以上培養するものである。
乃至12のいずれか記載の方法により製造されたもので
ある。
載の廃水浄化剤と請求項13記載の液状廃水浄化剤の少
なくともいずれか一方を、有機物を含む廃水に添加し、
好気条件下で前記有機物を分解処理するものである。
理を50乃至90℃で行うものである。
照射によって50乃至90℃に昇温させるものである。
上分解処理するものである。
て説明する。第1実施形態に係る廃水浄化剤の製造方法
は、好熱性みろく種菌を有機素材に添加し、好気条件下
且つ50〜90℃で発酵させることによって、粉体状の
廃水浄化剤を製造するものである。
ビス(Bacillus brevis )の近縁の種である好熱性C−
1菌と、バチルス・ブレビスの近縁の種である好熱性C
−3菌と、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacill
us stearothermophilus )か又はその近縁の種である好
熱性C−4菌との混合菌であると共に、好気条件下で有
機素材の分解能、並びに耐熱性酵素及びシャぺロニンの
生産能を有している。
光坊の山中の土壌と別府湾の海底エビとの混合発酵物か
ら採取、分離されたものである。その同定結果を表1に
示す。なお、この好熱性みろく種菌は、平成11年3月
9日付けで工業技術院生命工学工業技術研究所から受託
拒否の証明がなされており、本願の出願人である株式会
社三六九(代表者:宮本久、所在地:大分県杵築市三光
坊一大字岩谷706−27、電話番号:09786−3
−0514)で保管されている。
渣、昆虫類、動物類、珈琲粕、麦わら、もみ殻、稲わ
ら、茶粕、食用廃油、大豆・小豆・落花生等の豆類の種
皮等、落ち葉、樹皮、家畜・家禽等の糞尿、これら海産
物残渣等を食べた微生物類等の各種の有機物やこれらの
適当な組合せの混合物が挙げられるが、これらのうち、
海産物残渣と珈琲粕の混合物が好適である。この場合の
海産物残渣と珈琲粕の混合割合としては、重量比で7対
3程度が望ましい。
含んだ生の状態で使用すればよい。発酵は、この有機素
材に所定割合の好熱性みろく種菌を添加し、空気雰囲気
下での攪拌等による好気条件下において好熱性みろく種
菌の自家発酵熱又はヒータ等による加熱によって50〜
90℃で行えばよい。ここで、遠赤外線の照射によって
50〜90℃に昇温させる場合には、より短時間で昇温
できるという利点がある。
てくるので、含水率が20重量%程度以下になるまで発
酵を数時間〜数十時間続けて好熱性みろく種菌を固定化
すればよい。この際、蒸留液が生成するので、これを別
に採取しておくのが望ましい。この蒸留液の利用法は後
述する。
高温環境で発酵させれば、好熱性みろく種菌のみが活発
に増殖するので、この好熱性みろく種菌由来の耐熱性酵
素やシャペロニン等の安定性・持続力等に優れた抗酸化
機能性成分を多く含む粉体状の廃水浄化剤を製造できる
という利点がある。また、50〜90℃の比較的高温で
発酵させるので、混合物の含水率を20重量%程度以下
まで短時間で低減化して好熱性みろく種菌を固定化でき
るという利点がある。
好熱性みろく種菌が固定化されているので、この廃水浄
化剤の一部又は全部と既述の有機素材とを所定割合で混
合し、上記と同様にして発酵させれば、好熱性みろく種
菌を別に添加しなくても粉体状の廃水浄化剤を製造する
ことができる。この場合の廃水浄化剤と有機素材の混合
割合としては、重量比で7対3程度が好適である。ま
た、この操作を繰り返せば、好熱性みろく種菌を添加し
ないで粉体状の廃水浄化剤を連続的に製造できるという
利点がある。
残渣を用いた場合には、これに含まれる良質の抗酸化成
分やミネラル分等のために好熱性みろく種菌の活性がよ
り高くなる。そのため、自家発酵熱によって50〜90
℃に昇温すると共に、発酵が長時間持続して好熱性みろ
く種菌由来の耐熱性酵素やシャペロニン等の抗酸化機能
性成分を量産できるという利点がある。このような海産
物残渣としては、例えば、エビ類、カニ類、魚類等の海
産物から可食部を除いた不可食部や、あるいは食用には
適さない小エビ、小カニ、小魚等が挙げられる。
あるいは好熱性みろく種菌又はこの好熱性みろく種菌か
ら突然変異で発生した好熱性細菌によって、例えばダイ
オキシン等の環境ホルモン、病原菌、病原ウィルス等の
有害成分を分解できるという利点がある。なお、好熱性
みろく種菌に突然変異が起こる場合には、環境ホルモ
ン、病原菌、病原ウィルス等を餌として記憶(バイオセ
ンサー)した、これらの分解能を有する新規な好熱性細
菌を培養することができる。
既述のように、好熱性みろく種菌由来の耐熱性酵素やシ
ャペロニン等の安定性・持続力等に優れた抗酸化機能性
成分を多く含んでいる。前記耐熱性酵素の常温下におけ
る活性の持続力は、常温菌由来の酵素が1週間以内であ
るのに対し、1年程度と長い。また、この耐熱性酵素
は、廃水に含まれる例えば油脂類等の有機物の分解能を
有すると共に、エタノール等の有機溶媒等によっても失
活しない。ここで、シャペロニンとは、酵素の構造を保
持等することによって、酵素が安定な活性を示すことが
できるように手助けをする蛋白質であるが、常温菌由来
のシャペロニンではATP(アデノシン−5’−三リン
酸)のエネルギーが必要であるのに対し、好熱性みろく
種菌由来のシャペロニンではATPのエネルギーがなく
ても働く性質がある。そのため、この好熱性みろく種菌
由来のシャペロニンは、各種の環境で前記耐熱性酵素等
の変性を防止し、その働きを助けることができる。
みろく種菌が固定化された状態で長期保存が可能である
と共に、既に耐熱性酵素やシャペロニン等の抗酸化機能
性成分を多く含んでいるので、好熱性みろく種菌等の好
熱性細菌を単体で添加する場合と比べて廃水浄化に対す
る即効性があるという利点がある。
方法は、第1実施形態で製造された粉体状の廃水浄化剤
を水に添加し、好気条件下且つ30〜70℃で培養する
ものである。
Lに対して1L程度が適当である。また、この場合も第
1実施形態と同様、発酵は、水に所定割合の廃水浄化剤
を添加し、空気雰囲気下での攪拌等による好気条件下に
おいて好熱性みろく種菌の自家発酵熱又はヒータ等によ
る加熱によって30〜70℃で行えばよい。更に、遠赤
外線の照射によって30〜70℃に昇温させる場合に
は、より短時間で昇温できるという利点がある。
に含まれる好熱性みろく種菌が活発に増殖するので、こ
の好熱性みろく種菌由来の耐熱性酵素やシャペロニン等
の抗酸化機能性成分を多く含む液状の廃水浄化剤を製造
できるという利点がある。
際に採取された蒸留液を使用した場合には、この蒸留液
に好熱性みろく種菌由来の抗酸化機能性成分が含まれて
いると共に、粉体状の廃水浄化剤が溶解又はなじみ易い
ので、より効率良く培養できるという利点がある。
形態と同様、熱や、あるいは好熱性みろく種菌又はこの
好熱性みろく種菌から突然変異で発生した好熱性細菌に
よって、例えばダイオキシン等の環境ホルモン、病原
菌、病原ウィルス等の有害成分を分解できるという利点
がある。なお、好熱性みろく種菌に突然変異が起こる場
合には、環境ホルモン、病原菌、病原ウィルス等を餌と
して記憶(バイオセンサー)した、これらの分解能を有
する新規な好熱性細菌を培養することができる。
は、粉体状の廃水浄化剤と同様の効果を有すると共に、
液状であるので、廃水浄化装置における浄化剤の供給機
構を簡略化でき、その供給量の制御も容易であるという
利点がある。
を含む廃水を使用し、50〜90℃で培養する場合にも
同様に、廃水浄化剤に含まれる好熱性みろく種菌が活発
に増殖するので、この好熱性みろく種菌由来の抗酸化機
能性成分を多く含む液状の廃水浄化剤を製造することが
できる。また、この場合も遠赤外線の照射によって50
〜90℃に昇温させれば、より短時間で昇温することが
でき、所定時間以上培養する場合も上記と同様の効果が
ある。
は、上記の水又は蒸留液を使用して製造したものに比
べ、廃水に含まれる有機物の分解活性がより高いという
利点がある。これは、培養中においても好熱性みろく種
菌や耐熱性酵素等により有機物が分解処理されるが、そ
の分解処理の間に好熱性みろく種菌の突然変異によって
有機物の分解活性がより高い好熱性細菌が発生するため
であると考えられる。
実施形態で製造された粉体状の廃水浄化剤と第2実施形
態で製造された液状廃水浄化剤の少なくともいずれか一
方を、有機物を含む廃水に添加し、好気条件下で前記有
機物を分解処理するものである。
は、例えば、調整槽2、曝気槽3、消化槽4、沈殿槽
5、及び好熱性微生物槽6等からなるものが挙げられ
る。
の廃水浄化剤や液状廃水浄化剤が適当な間隔で添加され
る第1槽F1と、この第1槽F1から送水され且つ沈殿
槽5から返送汚泥7が返送される第2槽F2と、これら
第1槽F1及び第2槽F2からそれぞれ送水され且つ曝
気槽3に送水する第3槽F3とからなる。これら第1槽
F1、第2槽F2、及び第3槽F3には、必要に応じて
それぞれ曝気手段等が設けられている。
の添加割合としては、特に限定されるものではなく、有
機物の種類や濃度に応じて廃水100Lに対して数L程
度の適当な割合となるようにすればよい。分解処理は、
例えば好熱性微生物槽6での好気条件下において好熱性
みろく種菌の自家発酵熱又はヒータ等による加熱によっ
て50〜90℃で数時間〜数十時間行えばよい。この場
合も、遠赤外線の照射によって50〜90℃に昇温させ
れば、より短時間で昇温できると共に、所定時間以上分
解処理する場合にも上記と同様の効果がある。
シャペロニンが含まれているので、この処理液を曝気槽
3に送水すれば、有機物の分解能を有する常温菌の酵素
等が前記シャペロニンによって安定化され、常温菌が活
性化される。これにより、この常温菌の優先環境が安定
化されると共に、処理液には前記シャペロニンによって
変性が防止、活性化された好熱性みろく種菌由来の耐熱
性酵素等も含まれているので、常温下においても分解処
理が効率良く進行する。このように、廃水浄化剤や液状
廃水浄化剤による廃水浄化においては、有機物をより短
時間で分解処理できると共に、糸状菌等の残存や余剰汚
泥の発生も防止できるという利点がある。
℃の高温環境で分解処理する場合には、糸状菌等を殺菌
して好熱性みろく種菌等の優先環境を安定化できるの
で、好熱性みろく種菌等が活発に増殖し、糸状菌等の死
骸や有機物をより効率良く分解することができる。その
ため、糸状菌等の残存や余剰汚泥の発生をより確実に防
止できるという利点がある。なお、この実施形態におい
ては、好熱性微生物槽6を設けて高温環境でも分解処理
するようにしているが、これに限定されるものではな
く、好熱性微生物槽6を設けずに常温下の曝気槽3等の
みで分解処理するようにしてもよい。
チド、アミノ酸、油脂類等が挙げられる。このような有
機物を含む廃水としては、下水、し尿、水産加工品・缶
詰・食品工場や化学工場等から排出される廃水、家庭や
飲食店等から排出される炊事廃水等が挙げられる。
この発明は係る実施例に限定されるものではない。
しては、別府湾のエビやカニの残渣と小魚の混合物を使
用した。この有機素材をそのまま市販の高温発酵装置に
入れて好熱性みろく種菌を適当量添加した後、空気雰囲
気下で攪拌しながら12時間発酵させて粉体状の廃水浄
化剤を得た。次いで、この廃水浄化剤の30重量%を高
温発酵装置から取り出し、その代わりにこれと同量の有
機素材を再度添加して同様に12時間発酵させた。な
お、発酵中の温度は70〜90℃であった。この操作を
所定回数繰り返した後、得られた粉体状の廃水浄化剤の
成分(重量率)を測定した。その結果を表2に示す。
容器として、容積70mLの滅菌カップ(栄研器材社
製、滅菌検査用カップ)を用いた。この滅菌カップの底
面に加熱融解したラード(雪印乳業社製)0.4gを滴
下して油膜を形成した後、表3に示す組成の人工下水2
0mLと、上記で得られた廃水浄化剤を所定量添加し
た。
間、20℃)、振盪器(日本医科器械製作所社製、SR
−31)で5rpmの振盪を加え、6日間処理(インキ
ュベーション)することにより行った。油分除去効果の
評価は、n−ヘキサン抽出油分分析により行った。廃水
浄化剤未添加(コントロール)のものについても同様の
操作を行った。その結果を表4に示す。
1の処理を行った後の試料溶液200μLを添加した他
は、実施例1〜3と同様にして油分除去効果の評価試験
を行った。その結果を表4に示す。
油分処理微生物剤(明治製菓社製)を使用した他は、実
施例1〜3と同様にして油分除去効果の評価試験を行っ
た。その結果を表4に示す。
剤を、某著名ホテル(実施例5)、某大手企業社員食堂
(実施例6)、某大手企業レストラン(実施例7)、某
大手企業独身寮B(実施例8)、又は某大手企業独身寮
A(実施例9)から排出される廃水100Lに対して約
1Lの割合でそれぞれ1日1回ずつ添加し、好気条件下
で50〜60℃と常温の条件を数時間サイクルで繰り返
して17日間処理した。その後の生物化学的酸素要求量
(BOD,mg/L)とn−ヘキサンによる抽出物質
(N−hex)の量(mg/L)を測定した。その結果
をそれぞれ図2及び図3に示す。
製造方法の発明によれば、前記好熱性みろく種菌を有機
素材に添加し、好気条件下且つ50乃至90℃の一般の
微生物には過酷な高温環境で発酵させるので、好熱性み
ろく種菌のみが活発に増殖する。そのため、この好熱性
みろく種菌由来の耐熱性酵素やシャペロニン等の安定性
・持続力等に優れた抗酸化機能性成分を多く含む粉体状
の廃水浄化剤を製造できるという利点がある。また、5
0〜90℃の比較的高温で発酵させるので、混合物の含
水率を20重量%程度以下まで短時間で低減化して好熱
性みろく種菌を固定化できるという利点がある。
よれば、請求項1記載の方法により製造された廃水浄化
剤には好熱性みろく種菌が固定化されているので、この
廃水浄化剤の一部又は全部と有機素材とを所定割合で混
合し、上記と同様にして発酵させれば、好熱性みろく種
菌を別に添加しなくても粉体状の廃水浄化剤を製造する
ことができる。また、この操作を繰り返せば、好熱性み
ろく種菌を添加しないで粉体状の廃水浄化剤を連続的に
製造できるという利点がある。
求項15の発明によれば、遠赤外線の照射によって50
乃至90℃又は30乃至70に昇温させるので、より短
時間で昇温できるという利点がある。
よれば、前記有機素材が海産物残渣を含有するので、こ
の海産物残渣に含まれる良質の抗酸化成分やミネラル分
等のために好熱性みろく種菌の活性がより高くなる。そ
のため、自家発酵熱によって50〜90℃に昇温すると
共に、発酵が長時間持続して好熱性みろく種菌由来の耐
熱性酵素やシャペロニン等の抗酸化機能性成分を量産で
きるという利点がある。
発明によれば、所定時間以上発酵、培養、又は分解処理
するので、熱や、あるいは好熱性みろく種菌又はこの好
熱性みろく種菌から突然変異で発生した好熱性細菌によ
って、例えばダイオキシン等の環境ホルモン、病原菌、
病原ウィルス等の有害成分を分解できるという利点があ
る。また、好熱性みろく種菌に突然変異が起こる場合に
は、環境ホルモン、病原菌、病原ウィルス等を餌として
記憶(バイオセンサー)した、これらの分解能を有する
新規な好熱性細菌を培養することができる。
求項1乃至5のいずれか記載の方法により製造されてい
るので、好熱性みろく種菌が固定化された状態で長期保
存が可能である。また、既に耐熱性酵素やシャペロニン
等の抗酸化機能性成分を多く含んでいるので、好熱性み
ろく種菌等の好熱性細菌を単体で添加する場合と比べて
廃水浄化に対する即効性があるという利点がある。
明によれば、請求項6記載の廃水浄化剤を水に添加し、
好気条件下且つ30乃至70℃で培養するので、廃水浄
化剤に含まれる好熱性みろく種菌が活発に増殖する。そ
のため、この好熱性みろく種菌由来の耐熱性酵素やシャ
ペロニン等の抗酸化機能性成分を多く含む液状の廃水浄
化剤を製造できるという利点がある。
明によれば、前記廃水浄化剤の製造の際に採取された蒸
留液に好熱性みろく種菌由来の抗酸化機能性成分が含ま
れていると共に、粉体状の廃水浄化剤が溶解又はなじみ
易いので、より効率良く培養できるという利点がある。
発明によれば、請求項6記載の廃水浄化剤を、有機物を
含む廃水に添加し、好気条件下且つ50乃至90℃で培
養するので、廃水浄化剤に含まれる好熱性みろく種菌が
活発に増殖する。そのため、この好熱性みろく種菌由来
の抗酸化機能性成分を多く含む液状の廃水浄化剤を製造
できるという利点がある。
ば、請求項7乃至12のいずれか記載の方法により製造
されているので、粉体状の廃水浄化剤と同様の効果を有
すると共に、液状であるので、廃水浄化装置における浄
化剤の供給機構を簡略化でき、その供給量の制御も容易
であるという利点がある。また、廃水を使用して製造さ
れる液状廃水浄化剤は、上記の水又は蒸留液を使用して
製造したものに比べ、廃水に含まれる有機物の分解活性
がより高いという利点がある。
ば、廃水浄化剤や液状廃水浄化剤に好熱性みろく種菌由
来のシャペロニンや耐熱性酵素等が既に含まれているの
で、常温下においても有機物をより短時間で分解処理で
きると共に、糸状菌等の残存や余剰汚泥の発生も防止で
きるという利点がある。
ば、前記分解処理を50〜90℃の高温環境で行うの
で、糸状菌等を殺菌して好熱性みろく種菌等の優先環境
を安定化することができる。これにより、好熱性みろく
種菌等が活発に増殖し、糸状菌等の死骸や有機物をより
効率良く分解できるので、糸状菌等の残存や余剰汚泥の
発生をより確実に防止できるという利点がある。
浄化装置の一例を示す模式図。
学的酸素要求量(BOD)を示す棒グラフ。
キサンによる抽出物質の量を示す棒グラフ。
Claims (17)
- 【請求項1】 バチルス・ブレビスの近縁の種である好
熱性C−1菌と、バチルス・ブレビスの近縁の種である
好熱性C−3菌と、バチルス・ステアロサーモフィルス
か又はその近縁の種である好熱性C−4菌との混合菌で
あると共に、好気条件下で有機素材の分解能、並びに耐
熱性酵素及びシャぺロニンの生産能を有する好熱性みろ
く種菌を使用する廃水浄化剤の製造方法であって、 前記好熱性みろく種菌を有機素材に添加し、好気条件下
且つ50乃至90℃で発酵させることを特徴とする廃水
浄化剤の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の方法により製造された廃
水浄化剤に有機素材を添加し、好気条件下且つ50乃至
90℃で発酵させることを特徴とする廃水浄化剤の製造
方法。 - 【請求項3】 遠赤外線の照射によって50乃至90℃
に昇温させることを特徴とする請求項1又は2記載の廃
水浄化剤の製造方法。 - 【請求項4】 前記有機素材が海産物残渣を含有するこ
とを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の廃水浄
化剤の製造方法。 - 【請求項5】 所定時間以上発酵させることを特徴とす
る請求項1乃至4のいずれか記載の廃水浄化剤の製造方
法。 - 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか記載の方法に
より製造された廃水浄化剤。 - 【請求項7】 請求項6記載の廃水浄化剤を水に添加
し、好気条件下且つ30乃至70℃で培養することを特
徴とする液状廃水浄化剤の製造方法。 - 【請求項8】 請求項6記載の廃水浄化剤を、この廃水
浄化剤の製造の際に採取された蒸留液に添加し、好気条
件下且つ30乃至70℃で培養することを特徴とする液
状廃水浄化剤の製造方法。 - 【請求項9】 遠赤外線の照射によって30乃至70℃
に昇温させることを特徴とする請求項7又は8記載の液
状廃水浄化剤の製造方法。 - 【請求項10】 請求項6記載の廃水浄化剤を、有機物
を含む廃水に添加し、好気条件下且つ50乃至90℃で
培養することを特徴とする液状廃水浄化剤の製造方法。 - 【請求項11】 遠赤外線の照射によって50乃至90
℃に昇温させることを特徴とする請求項10記載の液状
廃水浄化剤の製造方法。 - 【請求項12】 所定時間以上培養することを特徴とす
る請求項7乃至11のいずれか記載の液状廃水浄化剤の
製造方法。 - 【請求項13】 請求項7乃至12のいずれか記載の方
法により製造された液状廃水浄化剤。 - 【請求項14】 請求項6記載の廃水浄化剤と請求項1
3記載の液状廃水浄化剤の少なくともいずれか一方を、
有機物を含む廃水に添加し、好気条件下で前記有機物を
分解処理することを特徴とする廃水浄化方法。 - 【請求項15】 前記分解処理を50乃至90℃で行う
ことを特徴とする請求項14記載の廃水浄化方法。 - 【請求項16】 遠赤外線の照射によって50乃至90
℃に昇温させることを特徴とする請求項15記載の廃水
浄化方法。 - 【請求項17】 所定時間以上分解処理することを特徴
とする請求項15又は16記載の廃水浄化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15417399A JP3385402B2 (ja) | 1999-06-01 | 1999-06-01 | 廃水浄化剤、液状廃水浄化剤、及びそれらの製造方法、並びに廃水浄化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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