JP3384499B2 - 網状繊維補強ゴム組成物およびその製造法 - Google Patents

網状繊維補強ゴム組成物およびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、網状繊維補強ゴム組成
物およびその製造法に関する。さらに詳しくは、伝動ベ
ルト、運搬ベルト、防振ゴム、制振材、タイヤ、ライニ
ング材、床材などの高弾性率、高破断強度、耐疲労性な
どの高い機械的性質が要求されるゴム製品に好適に使用
しうる網状繊維補強ゴム組成物およびその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、伝動ベルト、運搬ベルトなどの高
い機械的性質が要求されるゴム製品には、繊維補強ゴム
組成物が用いられている。
【0003】前記繊維補強ゴム組成物としては、架橋可
能なゴムにナイロン、ポリエステル、綿などの短繊維が
配合された短繊維補強ゴム組成物、加硫可能なゴムと微
細ナイロン短繊維とがグラフト結合した強化ゴム組成物
(特公平1−17494号公報)、ゴムとアラミド短繊
維とを高せん断エネルギーで混合し、アラミドがフィブ
リル化およびグラフト化されたアラミド繊維補強ゴム組
成物などが知られている。
【0004】しかしながら、前記繊維補強ゴム組成物
は、いずれも確かにある程度の機械的性質をゴム製品に
付与するものではあるが、連続相であるゴム中に繊維が
分散相として存在しており、かかるゴム組成物が歪を受
けたばあいには、ゴムが歪増幅効果を受けることから、
該ゴム組成物からなるゴム製品の機械的性質の向上には
限界があるという欠点がある。
【0005】したがって、近年、さらに高い機械的性質
が要求され、とくに動的刺激をうける、たとえば伝動ベ
ルト、制振材、タイヤ、床材などのゴム製品にも好適に
使用しうるゴム組成物の開発が待ち望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記従来技術に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定
の配合割合で架橋性ゴムおよび液晶性ポリマーを特定の
高い温度で混練したのち、特定の低い温度で混練するこ
とによってえられたゴム組成物からなるゴム製品が、高
弾性率、高破断強度などのすぐれた機械的性質を有する
ことをようやく見出し、本発明を完成するにいたった。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、架
橋性ゴム100重量部に対して液晶性ポリマー0.5〜
130重量部を該液晶性ポリマーの熱変形温度以上の温
度で混練して高温混練物をえたのち、該高温混練物を該
液晶性ポリマーの熱変形温度よりも低い温度で混練する
ことを特徴とする網状繊維補強ゴム組成物の製造法、な
らびに該製造法によってえられた網状繊維補強ゴム組成
物に関する。
【0008】
【作用および実施例】本発明の網状繊維補強ゴム組成物
は、前記したように、架橋性ゴム100部(重量部、以
下同様)に対して液晶性ポリマー0.5〜130部を該
液晶性ポリマーの熱変形温度以上の温度で混練して高温
混練物をえたのち、該高温混練物を該液晶性ポリマーの
熱変形温度よりも低い温度で混練してえられるものであ
る。
【0009】本発明の製造法によってえられたゴム組成
物がすぐれた補強効果を発現する理由は、以下のように
考えられる。
【0010】まず、架橋性ゴムおよび液晶性ポリマーを
該液晶性ポリマーの熱変形温度以上の温度で混練したと
きに、液晶性ポリマーの粘度がゴムの粘度よりも小さく
なるため、せん断力によって液晶性ポリマーが配向引延
状態となり、該液晶性ポリマーの混練量を増加させると
液晶性ポリマーが完全な液晶連続相を形成し、ゴムが分
散相を形成する。
【0011】つぎに、これを前記液晶性ポリマーの熱変
形温度よりも低い温度で混練したときに、ゴムが流動
し、ゴム連続相を形成するが、液晶連続相は、変形しに
くいため、フィブリル状に破壊され、相の逆転が生じ、
ゴム連続相中にフィブリル化した液晶性ポリマーが網状
に存在する構造を有するゴム組成物となる。この網状の
液晶性ポリマーは、ゴムの変形に追随するように変形し
うるものであることから、えられるゴム組成物がすぐれ
た補強効果を発現するのである。
【0012】本発明の網状繊維補強ゴム組成物の製造法
においては、前記したように、まず前記架橋性ゴムと液
晶性ポリマーとを該液晶性ポリマーの熱変形温度以上の
温度で混練して高温混練物とする(以下、第1段目の混
練という)。
【0013】本発明において、かかる第1段目の混練
は、架橋性ゴムおよび液晶性ポリマーの両者を均一に混
練するために行なわれるので、このときの混練温度とし
て、液晶性ポリマーの熱変形温度以上の温度が採用され
る。
【0014】前記架橋性ゴムとしては、たとえば天然ゴ
ム;ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アク
リロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなど
のジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、エチレン−
プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムな
どのエチレン−プロピレン系ゴム、クロロスルホン化ポ
リエチレンゴム、塩素化ポリエチレンゴムなどのエチレ
ン系ゴム、アクリル系ゴム、フッ素化合物系ゴム、シリ
コーンゴムなどの合成ゴムがあげられ、これらは単独で
または2種以上を混合して用いることができるが、これ
らのなかでは、液晶性ポリマーの熱変形温度以上の温度
において劣化をおこしにくいという点から、主鎖中の二
重結合数が少ないアクリロニトリル−ブタジエンゴムの
水素添加物、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エチ
レン−プロピレン系ゴムなどが好ましい。
【0015】前記液晶性ポリマーとしては、たとえばp
−ヒドロキシ安息香酸(以下、PHBという)−ビフェ
ノール−テレフタル酸を基本格骨とするポリマー(タイ
プI)、PHB−6−ヒドロキシ−2−ナフタリンカル
ボン酸−テレフタル酸を基本格骨とするポリマー(タイ
プII)、PHB−ポリエチレンテレフタレートを基本
格骨とするポリマー(タイプIII)などのPHBから
なるポリマーなどがあげられるが、本発明においては、
第1段目の混練が容易であるという点およびその過程に
おいて架橋性ゴムが分散しやすいという点から、その熱
変形温度が60〜300℃程度、なかんづく60〜25
0℃程度のものが好ましく用いられる。
【0016】前記架橋性ゴムと液晶性ポリマーとの配合
割合は、架橋性ゴム100部に対して液晶性ポリマー
0.5〜130部、好ましくは1〜120部、さらに好
ましくは5〜50部である。かかる配合割合が前記範囲
未満であるばあいには、えられるゴム組成物による補強
効果が充分に発現されなくなるようになり、また前記範
囲をこえるばあいには、ゴム組成物の弾性が失われるよ
うになる。
【0017】前記第1段目の混練の際の混練温度は、あ
まりにも高いばあいには、架橋性ゴムの劣化が生じ、え
られるゴム組成物の物性が低下するおそれがあり、その
上限値は、用いる架橋性ゴムの種類によって異なるので
一概には決定することができないが、通常の架橋性ゴム
では300℃程度以下、なかんづく250℃程度以下で
あることが好ましい。
【0018】前記第1段目の混練時間は、とくに限定が
なく、たとえばインターナルミキサーなどを用いたばあ
いには、2〜20分間程度で充分な混練が可能である。
【0019】つぎに、えられた高温混練物を前記液晶性
ポリマーの熱変形温度よりも低い温度で混練する(以
下、第2段目の混練という)ことによってフィブリル化
網状液晶性ポリマーが形成され、該フィブリル化網状液
晶性ポリマーで補強された構造を有する網状繊維補強ゴ
ム組成物がえられる。
【0020】本発明において、かかる第2段目の混練
は、前記高温混練物のうち液晶性ポリマーを熱変形させ
ずに、架橋性ゴムのみを流動させるために行なわれるの
で、このときの混練温度として、液晶性ポリマーの熱変
形温度よりも低い温度が採用される。
【0021】また、第2段目の混練時間は、とくに限定
がなく、ゴム連続相に液晶性ポリマーが充分に分散する
時間であればよいが、たとえばインターナルミキサーな
どを用いたばあいには、5〜20分間程度であることが
好ましい。
【0022】なお、本発明においては、前記第2段目の
混練でえられた混練物を、さらにたとえばロールなどを
用いて均一に混練してもよい。
【0023】本発明の網状繊維補強ゴム組成物は、前記
のごとく、架橋性ゴムおよび液晶性ポリマーを混練して
えられるものであるが、さらにゴム組成物における補強
効果を向上させ、とくに破断強度にすぐれたゴム製品を
えようとするばあいには、該ゴム組成物には、これらの
ほかにたとえばレゾルシン−ホルマリン初期縮合物また
はレゾルシン−アルキルフェノール−ホルマリン共初期
縮合物およびメチロール化メラミンなどを配合すること
ができる。
【0024】前記レゾルシン−ホルマリン初期縮合物ま
たはレゾルシン−アルキルフェノール−ホルマリン共初
期縮合物のメチロール化メラミンによる硬化物は、前記
架橋性ゴムと液晶性ポリマーとの界面に結合をもたらし
め、補強効果をさらに向上させるものである。
【0025】前記レゾルシン−ホルマリン初期縮合物ま
たはレゾルシン−アルキルフェノール−ホルマリン共初
期縮合物は、いわゆるHRH直接接着システムのメチレ
ンアクセプター成分が用いられ、軟化分散するために比
較的高温を必要とし、架橋性ゴムおよび液晶性ポリマー
の界面近傍に存在させる必要があるという点から、第1
段目の混練の際に配合することが好ましい。また、その
配合量は、あまりにも少ないばあいには、接着効果が充
分でなくなる傾向があり、またあまりにも多いばあいに
は、えられるゴム組成物の耐熱老化性が低下するととも
に、後述する過酸化物による架橋効率が低下するように
なる傾向があるので、架橋性ゴム100部に対して通常
1〜10部、なかんづく2〜8部であることが好まし
い。
【0026】前記メチロール化メラミンとしては、たと
えばヘキサメトキシメチロールメラミンなどがあげら
れ、これらはHRH直接接着システムのメチレンドナー
成分が用いられる。なお、本発明においては、前記メチ
ロール化メラミンのほかに、ヘキサメチレンテトラミン
などを同様に用いることができる。
【0027】前記メチロール化メラミンは、熱分解また
は揮散しやすいという点から、第2段目以降の混練の際
に配合することが好ましい。またその配合量は、通常、
前記メチレンアクセプター成分との組み合わせによって
接着に適切な量となるように適宜調整することが好まし
い。
【0028】また、すぐれた補強効果を発現せしめるた
めに、本発明のゴム組成物には、前記レゾルシン−ホル
マリン初期縮合物またはレゾルシン−アルキルフェノー
ル−ホルマリン共初期縮合物およびメチロール化メラミ
ンのほかに、カルボン酸金属塩ビニルモノマーを配合す
ることができる。
【0029】前記カルボン酸金属塩ビニルモノマーは、
ラジカル反応によって架橋性ゴムおよび液晶性ポリマー
にグラフト結合するとともに重合し、その結果、架橋性
ゴムと液晶性ポリマーとの界面に結合をもたらしめ、補
強効果を向上させるものである。
【0030】前記カルボン酸金属塩ビニルモノマーとし
ては、たとえば(メタ)アクリル酸などのカルボキシル
基を有するビニルモノマーのマグネシウム、亜鉛、アル
ミニウム、鉛などの金属塩があげられ、これらは単独で
または2種以上を混合して用いることができる。
【0031】前記カルボン酸金属塩ビニルモノマーの配
合は、第1段目の混練の際であっても、第2段目の混練
の際であってもよく、とくに限定がない。またその配合
量は、あまりにも少ないばあいには、界面での結合効果
が充分に発現されなくなる傾向があり、またあまりにも
多いばあいには、えられるゴム組成物の弾性率が高くな
りすぎる傾向があるので、架橋性ゴム100部に対して
通常2〜50部、なかんづく5〜20部であることが好
ましい。
【0032】なお、前記カルボン酸金属塩ビニルモノマ
ーをゴム組成物に配合するばあいには、該カルボン酸金
属塩ビニルモノマーと架橋性ゴムおよび液晶性ポリマー
とのラジカル反応の開始剤として、過酸化物を配合すれ
ばよい。
【0033】前記過酸化物としては、一般にゴム用架橋
剤として用いられているものが使用され、たとえばジク
ミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t
−ブチルパーオキシ−i−プロピル)ベンゼンなどの有
機過酸化物などがあげらる。
【0034】前記過酸化物は、混合時の分解を充分に抑
えるためには、第2段目以降の混練の際に配合すること
が好ましい。またかかる過酸化物は、ラジカル反応の開
始剤として作用すると同時に架橋剤としても作用するの
で、その配合量は、架橋性ゴムの架橋効率と過酸化物の
活性酸素量とによって適宜調整されることが好ましい。
【0035】なお、本発明のゴム組成物には、前記各成
分のほかに、たとえば酸化(劣化)防止剤、加硫助剤、
加工助剤、加硫促進剤、架橋剤、共架橋剤、ゴム用接着
剤、補強剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、粘着付与剤、活
性剤などの通常ゴム組成物に用いられる成分を、その用
途に応じて適宜選択し、配合量を調整して配合すること
ができる。
【0036】前記通常ゴム組成物に用いられる成分のな
かで、酸化防止剤は、第1段目の混練の際に配合するこ
とができ、そのほかの成分は、第2段目以降の混練の際
に配合することができる。
【0037】かくしてえられる本発明の網状繊維補強ゴ
ム組成物は、すぐれた補強効果を発現するので、かかる
ゴム組成物からえられたゴム製品は、弾性率、破断強
度、耐疲労性などの機械的性質にすぐれたものとなる。
【0038】つぎに本発明の網状繊維補強ゴム組成物お
よびその製造法を以下の実施例に基づいてさらに詳細に
説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるも
のではない。
【0039】実施例1〜9および比較例1〜3 表1に示す配合成分のうち、過酸化物を除く成分につい
て、ラボプラストミルを用いて表1に示す温度で第1段
目の混練を10分間行ない、高温混練物をえた。この高
温混練物について表1に示す温度で第2段目の混練を1
0分間行ない、混練物をえた。えられた混練物に過酸化
物を添加して約60℃のロールを用いて混練し、ゴム組
成物をえた。
【0040】なお、前記第2段目の混練によりえられた
混練物は、第1段目の混練によりえられた高温混練物と
比べて、液晶性ポリマー相がフィブリル状にほぐれて柔
かいものであった。
【0041】えられたゴム組成物をロールにて押出し、
厚さ1mmのシートにした。このシートに160℃のプ
レスを用いて30分間加圧架橋を行なって架橋シートを
えた。
【0042】えられた架橋シートの物性として、列理方
向(シート出し方向に平行な方向)および反列理方向
(シート出し方向に垂直な方向)の機械的性質を以下の
方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0043】(機械的性質)JIS K−6301に準
拠し、弾性率(以下、E´という)(MPa)、50%
引張応力(以下、M50という)(MPa)、破断強度
(以下、TBという)(MPa)および破断伸び(以
下、EBという)(%)を測定した。
【0044】
【表1】
【0045】なお、表1中の各配合成分は、以下のとお
りである。
【0046】(架橋性ゴム) R−1:水素添加ニトリルゴム(ゼットポール202
0、商品名、日本ゼオン(株)製) R−2:エチレン−プロピレンゴム(EP11、商品
名、日本合成ゴム(株)製) (液晶性ポリマー) P−1:ノバキュレートE310(商品名、三菱化成
(株)製、熱変形温度70℃、タイプIII) P−2:ロッドランLC−5000(商品名、ユニチカ
(株)製、熱変形温度170℃、タイプIII) P−3:ベクトラA950(商品名、ポリプラスチック
ス(株)製、熱変形温度180℃、タイプII) (酸化防止剤) 2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(ノク
ラック200、商品名、大内新興化学(株)製) (過酸化物) 1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−i−プロピル)
ベンゼン(ペロキシモンF40、商品名、日本油脂
(株)製) また、比較例1および3においては、各成分を約60℃
のロールを用いて混練し、ゴム組成物をえた。
【0047】表1に示された結果から、実施例1〜9で
えられた架橋シートは、いずれも比較例1および3でえ
られた液晶性ポリマーが配合されていない架橋シートと
比べて、高い破断伸びを維持しながら、弾性率および引
張応力、とくに破断強度にすぐれたものであり、また比
較例2でえられた液晶性ポリマーの配合量が多すぎる架
橋シートと比べて、とくに弾性率および破断伸びにすぐ
れたものであることがわかる。
【0048】実施例10〜14および比較例4 表2および表3に示す(A)成分について、ラボプラス
トミルを用いて180℃で第1段目の混練を5分間行な
ったのち、これに(B)成分を添加して60℃で第2段
目の混練を10分間行ない、混練物をえた。えられた混
練物に(C)成分を添加して約60℃のロールを用いて
混練し、ゴム組成物をえた。えられたゴム組成物から、
実施例1〜9と同様にして架橋シートをえた。
【0049】えられた架橋シートの物性を実施例1〜9
と同様にして調べた。その結果を表2および表3に示
す。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】なお、表2および表3中の架橋性ゴム、液
晶性ポリマー、酸化防止剤および過酸化物は、実施例1
〜9で用いられたものと同じである。また、ゴム用接着
剤および加硫促進剤は、以下のとおりである。
【0053】(ゴム用接着剤) S−1:スミカノール620(商品名、住友化学工業
(株)製) S−2:スミカノール508(商品名、住友化学工業
(株)製) (加硫促進剤) TT:テトラメチルチウラムジスルフィド CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスル
フェンアミド 表2および表3に示された結果から、実施例10〜14
でえられた架橋シートは、いずれも比較例4でえられた
液晶性ポリマーが配合されていない架橋シートと比べ
て、高い破断伸びを維持しながら、弾性率、引張応力お
よび破断強度にすぐれたものであることがわかる。ま
た、ゴム用接着剤としてレゾルシン−ホルマリン初期縮
合物およびメチロール化メラミンが配合された実施例1
0でえられた架橋シート、カルボン酸金属塩ビニルモノ
マーが配合された実施例11でえられた架橋シートなら
びに縮合物および金属塩ビニルモノマーが配合された実
施例12〜14でえられた架橋シートは、実施例4でえ
られた架橋シートよりもさらに弾性率、引張応力および
破断強度が向上したものであり、とくに反列理方向の破
断強度が向上したものであることがわかる。
【0054】
【発明の効果】本発明の製造法によってえられた網状繊
維補強ゴム組成物は、フィブリル化補強相がゴム中に網
状に形成されて伸縮性三次元網がゴム中に埋設補強され
たような補強効果を発現するので、たとえば動的刺激を
受ける伝動ベルト、運搬ベルト、防振ゴムなどのよう
に、高弾性率、高破断強度、耐疲労性などの高い機械的
性質が要求されるゴム製品に好適に使用しうるという効
果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 21/00 C08F 291/02 C08K 5/09 C08L 61/12 C08L 67/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋性ゴム100重量部に対して液晶性
    ポリマー0.5〜130重量部を該液晶性ポリマーの熱
    変形温度以上の温度で混練して高温混練物をえたのち、
    該高温混練物を該液晶性ポリマーの熱変形温度よりも低
    い温度で混練することを特徴とする網状繊維補強ゴム組
    成物の製造法。
  2. 【請求項2】 高温混練物にレゾルシン−ホルマリン初
    期縮合物またはレゾルシン−アルキルフェノール−ホル
    マリン共初期縮合物を配合したのち、該高温混練物を液
    晶性ポリマーの熱変形温度よりも低い温度で混練する際
    にメチロール化メラミンを配合する請求項1記載の製造
    法。
  3. 【請求項3】 高温混練物にカルボン酸金属塩ビニルモ
    ノマーを配合する請求項1または2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 高温混練物を液晶性ポリマーの熱変形温
    度よりも低い温度で混練する際にカルボン酸金属塩ビニ
    ルモノマーを配合する請求項1、2または3記載の製造
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の製造法
    によってえられた網状繊維補強ゴム組成物。
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