JP3382343B2 - メタノールの水蒸気改質用触媒の製造方法 - Google Patents

メタノールの水蒸気改質用触媒の製造方法

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JP3382343B2 JP08251094A JP8251094A JP3382343B2 JP 3382343 B2 JP3382343 B2 JP 3382343B2 JP 08251094 A JP08251094 A JP 08251094A JP 8251094 A JP8251094 A JP 8251094A JP 3382343 B2 JP3382343 B2 JP 3382343B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メタノールの水蒸気改
質用触媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種触媒の製造方法としては、
混練法、共沈法、Cuメッキ法、Cu溶射法等が知られ
ているが、これらの方法では触媒の最小粒径に限界があ
った。そこで、混練法等では得られない高活性な触媒を
得るために、Cuの含有量が10原子%であるAl−C
u合金組成の溶湯を調製する工程と、その溶湯に急冷凝
固処理を施して触媒素材を得る工程と、触媒素材にAl
溶出処理を施して、その触媒素材の表層を、無数のCu
超微粒子および無数のCu2 O超微粒子よりなる混在層
に形成する工程とを用いる方法が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来法に
よる触媒は、急冷凝固処理を経ていることから、当初比
較的大きな比表面積を有し、例えば300℃程度の温度
環境下では優れた初期活性を示すが、その温度環境下に
長時間保持すると、前記超微粒子相互間に焼結現象が発
生して、それら超微粒子が粗大化するため活性が著しく
低下する、という問題があった。
【0004】本発明は前記に鑑み、Al合金組成を変え
ることによって、大きな比表面積を有し、したがって高
活性であると共に、その高活性を長期に亘って維持し得
る耐久性の優れた前記触媒を得ることのできる前記製造
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、メタノールの
水蒸気改質用触媒を製造するに当り、Cuの含有量が5
原子%≦Cu≦20原子%であり、また希土類元素、F
e、Mn、Pd、Co、V、AgおよびPtから選択さ
れる少なくとも一種の合金元素AEの含有量が4原子%
≦AE≦18原子%であるAl系合金組成の溶湯を調製
する工程と、前記溶湯に急冷凝固処理を施して触媒素材
を得る工程と、前記触媒素材にAl溶出処理を施して、
表層が、無数のCu系超微粒子と無数の合金元素AE系
超微粒子とが相互に均一に混じり合って分散する混在層
である触媒を得る工程と、を用いることを特徴とする。
【0006】
【作用】前記のような手段によって得られた触媒は、そ
の表層が触媒能を有する無数のCu系超微粒子を備えて
いることから、大きな比表面積を有し、したがって高活
性である。
【0007】また高温環境下においては、Cu系超微粒
子相互間の焼結が合金元素AE系超微粒子により妨げら
れるので、触媒の高活性は長期に亘って維持され、した
がって触媒は優れた耐久性を有する。
【0008】なお、Cu含有量および合金元素AE含有
量が前記範囲を逸脱すると、前記のような特性を有する
触媒を得ることができない。
【0009】
【実施例】メタノールの水蒸気改質は、触媒の存在下、
CH3 OH+H2 O→CO2 +3H2 の化学反応に基づ
く。この場合、H2 OとCH3 OHとの比H2 O/CH
3OHは0〜3に設定される。
【0010】前記水蒸気改質用触媒の製造に当っては、
Cuの含有量が5原子%≦Cu≦20原子%であり、ま
た希土類元素、Fe、Mn、Pd、Co、V、Agおよ
びPtから選択される少なくとも一種の合金元素AEの
含有量が4原子%≦AE≦18原子%であるAl系合金
組成の溶湯を調製する工程と、その溶湯に急冷凝固処理
を施して触媒素材を得る工程と、その触媒素材にAl溶
出処理を施して、表層が、無数のCu系超微粒子と無数
の合金元素AE系超微粒子とが相互に均一に混じり合っ
て分散する混在層である触媒を得る工程と、が用いられ
る。合金元素AEとして、二種以上のものを選択した場
合には、それら合金元素AEの合計量が前記含有量とな
る。
【0011】急冷凝固処理としては単ロール法が適用さ
れ、その条理条件は、Cu製冷却ロールの直径200〜
300mm、冷却ロールの回転数2000〜4000rpm
、石英ノズルの噴出口寸法 直径0.5mm以下、また
はスリット状の場合、縦 0.5mm以下、横 500mm
以下、溶湯の噴出圧0.3〜1kgf/cm2 、チャンバ内
圧力100〜300Torrである。この単ロール法の適用
下で得られる触媒素材はリボン状をなす。
【0012】リボン状触媒素材の金属組織は、例えば、
Al過飽和固溶体単相組織、準結晶単相組織、微細Al
結晶相と準結晶相との混相組織、微細Al結晶相と微細
Al系金属間化合物相との混相組織、非晶質単相組織、
非晶質相と微細Al結晶相との混相組織、非晶質相と微
細Al結晶相と微細Al系金属間化合物相との混相組織
から選択される一種である。
【0013】Al溶出処理は、酸またはアルカリの一方
よりなる水溶液にリボン状触媒素材を浸漬することによ
って行われる。アルカリ水溶液として、例えばNaOH
を用いる場合には、NaOHの濃度は20〜30重量%
に、また液温は50〜80℃に、さらに浸漬時間は1〜
30分間にそれぞれ設定される。この場合、Na量はA
l量に対してNa:Al=5:1〜50:1に設定さ
れ、これは、例えば100mlの20〜30重量%NaO
H水溶液に、前記組成を持つリボン状触媒素材1g程度
を投入することを意味する。
【0014】このAl溶出処理により、通常、リボン状
触媒素材は粉末状に分解され、したがって触媒は粉末状
をなし、その表層がCu系超微粒子および合金元素AE
系超微粒子の混在層となる。この粉末状触媒には、イオ
ン交換水による洗浄処理を、濾液中にNaイオンが検出
されなくなるまで施し、次いで乾燥処理を施す。前記A
l溶出処理において、浸漬時間を調節することにより、
触媒をリボン状または薄片状にすることが可能である。
【0015】Cu系超微粒子および合金元素AE系超微
粒子は、組成によって形状が異なり、例えば多角形状、
針状、薄片状、球状、といった形状を有し、その最長部
分の長さは約200nm以下である。この場合、触媒素材
の金属組織が非晶質単相組織であるとき、Cu系、合金
元素AE系超微粒子は最も微細となるので、触媒の活性
を高めるためには触媒素材の金属組織を非晶質単相組織
に形成するのが望ましい。
【0016】Cu系超微粒子には、例えば、Cu単体よ
りなるCu超微粒子、酸化物であるCu2 OよりなるC
2 O超微粒子が含まれ、これらは単独か、または混じ
り合って存在する。また合金元素AE系超微粒子には、
例えば、合金元素AE単体よりなるAE超微粒子、合金
元素AEの酸化物であるAE酸化物超微粒子が含まれ、
これらは単独か、または混じり合って存在する。NaO
H水溶液を用いた場合、合金元素AE系超微粒子は水酸
化物の形態をとることもある。
【0017】図1において、粉末状触媒1はAl系合金
組成の触媒主体2と表層3とよりなり、その表層3が、
無数のCu系超微粒子4と無数の合金元素AE系超微粒
子5とが均一に混じり合っている混在層となる。したが
って粉末状触媒1は、表層3が触媒能を有する無数のC
u系超微粒子4を備えていることから、大きな比表面積
を有し、したがって高活性である。
【0018】また高温環境下においては、Cu系超微粒
子4相互間の焼結が合金元素AE系超微粒子5により妨
げられるので、粉末状触媒1の高活性は長期に亘って維
持され、したがって触媒1は優れた耐久性を有する。
【0019】〔実施例1〕 (a)触媒の製造 Cuと、Laと、Fe、Co、V、Mn、Pd、Agま
たはPtから選択される一種とを含むAl系合金組成の
各種溶湯を調製し、次いで各溶湯に単ロール法を適用し
た急冷凝固処理を施して各種リボン状触媒素材を作製し
た。
【0020】単ロール法の条理条件は、冷却ロールの直
径200mm、冷却ロールの回転数4000rpm 、石英ノ
ズルの噴出口寸法 直径0.3mm、溶湯の噴出圧 0.
4kgf/cm2 、チャンバ内圧力 100Torrである。
【0021】次いで、0.5gのリボン状触媒素材を、
60℃で50mlの20重量%NaOH水溶液に30分間
浸漬してAl溶出処理を行い、これにより各種粉末状触
媒の例1〜7を得た。
【0022】また比較のためAl90Cu10(数値は原子
%、これは、後述の各化学式において同じ)で表わされ
るAl系合金組成の溶湯を用い、前記と同一条件にて単
ロール法、それに次ぐAl溶出処理を行って、粉末状触
媒の比較例Aを得た。
【0023】表1,2は、触媒の例1〜7および比較例
Aに関する溶湯の組成、触媒素材の金属組織、Cu系、
合金元素AE系超微粒子の種類および比表面積を示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】 表1,2より、触媒の例1〜7は比較例Aと同等若しく
はそれを上回る比表面積を有することが判る。
【0026】図2は、触媒の例4表面の金属組織を示す
顕微鏡写真であり、図2より触媒主体上に最長部分の長
さが約200nm以下の無数の超微粒子が分散しているこ
とが明らかである。 (b)温度と触媒の活性 触媒の例1を0.1g秤量し、それを定圧固定床流通式
反応装置内に設置して触媒層を形成した。そして、触媒
層の温度を活性評価温度として、125、149、19
3、240、286、334、383、432、482
℃に設定すると共にその触媒層にH2 O:CH3 OH=
1:1の混合液を流通させて、メタノールの水蒸気改質
を行った。
【0027】触媒の例1の活性は、発生ガスをガスクロ
マトグラフにより分析して、水素ガス発生速度にて評価
した。水素ガス発生速度は、1kgの触媒によって1分間
に発生する水素ガス量、したがってリットル/kg・min
で表わされる。同様のテストを触媒の例2〜4および比
較例Aについて行った。
【0028】図3はテスト結果を示す。図中、点(1)
〜(4)および(A)は触媒の例1〜4および比較例A
にそれぞれ対応する。図3から明らかなように、活性評
価温度300〜400℃において、触媒の例1,2は比
較例Aに比べて高活性であり、これは水素ガスを中温用
燃料電池の燃料として用いる場合に最適である。触媒の
例3,4は、前記活性評価温度において、比較例Aと略
同等の活性を示す。 (c)触媒の耐久性 触媒の例1を0.1g秤量し、それを前記定圧固定床流
通式反応装置内に設置して触媒層を形成した。そして、
触媒層の温度を活性評価温度である300℃に設定する
と共にその触媒層にH2 O:CH3 OH=1:1の混合
液を流通させて、メタノールの水蒸気改質を行い、触媒
の例1の初期活性(図3の活性評価温度300℃におけ
る水素ガスの発生速度)、24時間経過後の活性および
48時間経過後の活性を調べた。また同様のテストを触
媒の例2〜5および比較例Aについて行った。
【0029】表3はテスト結果を示す。
【0030】
【表3】 表3から明らかなように、触媒の例1〜5は、初期活性
が高い上に、その活性が48時間経過後においても略変
化がなく、したがって高活性であると共に優れた耐久性
を有することが判る。比較例Aは高い初期活性を有する
が、その活性は経時的に極端に低下し、したがって耐久
性が極めて低いものである。
【0031】〔実施例2〕 (a)触媒の製造 CuとLaを含むAl系合金組成の各種溶湯を調製し、
次いで各溶湯に単ロール法を適用した急冷凝固処理を施
して各種リボン状触媒素材を作製した。
【0032】単ロール法の条理条件は、実施例1同様
に、冷却ロールの直径200mm、冷却ロールの回転数4
000rpm 、石英ノズルの噴出口寸法 直径0.3mm、
溶湯の噴出圧 0.4kgf/cm2 、チャンバ内圧力10
0Torrである。
【0033】次いで、実施例1同様に、0.5gのリボ
ン状触媒素材を、60℃で50mlの20重量%NaOH
水溶液に30分間浸漬してAl溶出処理を行い、これに
より各種粉末状触媒の例1〜5を得た。
【0034】表4は、触媒の例1〜5および前記比較例
Aに関する溶湯の組成、触媒素材の金属組織、Cu系、
合金元素AE系超微粒子の種類および比表面積を示す。
【0035】
【表4】 表4より、触媒の例1〜5は比較例Aを上回る比表面積
を有することが判る。 (b)温度と触媒の活性 実施例1同様に、触媒の例1を0.1g秤量し、それを
定圧固定床流通式反応装置内に設置して触媒層を形成し
た。そして、触媒層の温度を活性評価温度として、12
5、149、193、240、286、334、38
3、432、482℃に設定すると共にその触媒層にH
2 O:CH3 OH=1:1の混合液を流通させて、メタ
ノールの水蒸気改質を行った。
【0036】触媒の例1の活性は、実施例1同様に、発
生ガスをガスクロマトグラフにより分析して、水素ガス
発生速度(リットル/kg・min )にて評価した。また同
様のテストを触媒の例2,4,5について行った。
【0037】図4はテスト結果を示す。図中、点
(1),(2),(4),(5)および(A)は触媒の
例1,2,4,5および前記比較例Aにそれぞれ対応す
る。図4から明らかなように、活性評価温度300〜4
00℃において、触媒の例1,2,4,5は比較例Aに
比べて高活性であり、これは、実施例1同様に水素ガス
を中温用燃料電池の燃料として用いる場合に最適であ
る。 (c)触媒の耐久性 実施例1同様に、触媒の例4を0.1g秤量し、それを
前記定圧固定床流通式反応装置内に設置して触媒層を形
成した。そして、触媒層の温度を活性評価温度である3
00℃に設定すると共にその触媒層にH2 O:CH3
H=1:1の混合液を流通させて、メタノールの水蒸気
改質を行い、触媒の例4の初期活性(図4の活性評価温
度300℃における水素ガス発生速度)、24時間経過
後の活性および48時間経過後の活性を調べたところ、
表5の結果を得た。
【0038】
【表5】 表5から明らかなように、触媒の例4は、初期活性が高
い上に、その活性が48時間経過後においても略変化が
なく、したがって高活性であると共に優れた耐久性を有
することが判る。
【0039】〔実施例3〕 (a)触媒の製造 Cuと、Fe、Co、V、Mn、Pd、PtまたはY
(希土類元素)から選択される一種とを含むAl系合金
組成の各種溶湯を調製し、次いで各溶湯に単ロール法を
適用した急冷凝固処理を施して各種リボン状触媒素材を
作製した。
【0040】単ロール法の条理条件は、実施例1同様
に、冷却ロールの直径200mm、冷却ロールの回転数4
000rpm 、石英ノズルの噴出口寸法 直径0.3mm、
溶湯の噴出圧 0.4kgf/cm2 、チャンバ内圧力 1
00Torrである。
【0041】次いで、実施例1同様に、0.5gのリボ
ン状触媒素材を、60℃で50mlの20重量%NaOH
水溶液に30分間に浸漬してAl溶出処理を行い、これ
により各種粉末状触媒の例1〜7を得た。
【0042】表6は、触媒の例1〜7および前記比較例
Aに関する溶湯の組成、触媒素材の金属組織、Cu系、
合金元素AE系超微粒子の種類および比表面積を示す。
【0043】
【表6】 表6より、触媒の例1〜5は比較例Aを上回る比表面積
を有することが判る。触媒の例6、7は比較例Aに比べ
て比表面積が小さい。 (b)温度と触媒の活性 実施例1同様に触媒の例1を0.1g秤量し、それを定
圧固定床流通式反応装置内に設置して触媒層を形成し
た。そして、触媒層の温度を活性評価温度として、12
5、149、193、240、286、334、38
3、432、482℃に設定すると共にその触媒層にH
2 O:CH3 OH=1:1の混合液を流通させて、メタ
ノールの水蒸気改質を行った。
【0044】触媒の例1の活性は、実施例1同様に、発
生ガスをガスクロマトグラフにより分析して、水素ガス
発生速度(リットル/kg・min )にて評価した。また同
様のテストを触媒の例2〜5について行った。
【0045】図5はテスト結果を示す。図中、点(1)
〜(5)および(A)は触媒の例1〜5および前記比較
例Aにそれぞれ対応する。図5から明らかなように、活
性評価温度300〜400℃において、触媒の例1,
2,5は比較例Aに比べて高活性であり、これは、実施
例1同様に、水素ガスを中温用燃料電池の燃料として用
いる場合に最適である。触媒の例3,4は、前記活性評
価温度において、比較例Aと略同等の活性を示す。 (c)触媒の耐久性 実施例1同様に触媒の例1を0.1g秤量し、それを前
記定圧固定床流通式反応装置内に設置して触媒層を形成
した。そして、触媒層の温度を活性評価温度である30
0℃に設定すると共にその触媒層にH2 O:CH3 OH
=1:1の混合液を流通させて、メタノールの水蒸気改
質を行い、触媒の例1の初期活性(図5の活性評価温度
300℃における水素ガス発生速度)、24時間経過後
の活性および48時間経過後の活性を調べた。また同様
のテストを触媒の例2〜5について行った。
【0046】表7は、テスト結果を示す。
【0047】
【表7】 表7から明らかなように、触媒の例1〜5は、初期活性
が高い上に、その活性が48時間経過後においても略変
化がなく、したがって高活性であると共に優れた耐久性
を有することが判る。
【0048】〔実施例4〕 (a)触媒の製造 Cu、LaおよびFeを含むAl系合金組成の溶湯を調
製し、次いでその溶湯に単ロール法を適用した急冷凝固
処理を施してリボン状非晶質触媒素材を作製した。
【0049】単ロール法の条理条件は、実施例1同様
に、冷却ロールの直径200mm、冷却ロールの回転数4
000rpm 、石英ノズルの噴出口寸法 直径0.3mm、
溶湯の噴出圧 0.4kgf/cm2 、チャンバ内圧力 1
00Torrである。
【0050】次いで、実施例1同様に、0.5gのリボ
ン状非晶質触媒素材を、60℃で50mlの20重量%N
aOH水溶液に30分間浸漬してAl溶出処理を行い、
これにより粉末状触媒の例1を得た。
【0051】比較のため、前記リボン状非晶質触媒素材
に、真空中、450℃、24時間の熱処理を施してリボ
ン状結晶質触媒素材を作製し、その後結晶質触媒素材に
前記同様のAl溶出処理を施して粉末状触媒の比較例B
を得た。
【0052】また、前記Al系合金組成の溶湯を徐冷し
てインゴットを作製し、次いでそのインゴットに粉砕処
理を施して粒径50μm以下の粉末状触媒素材を作製
し、その後粉末状触媒素材に前記同様のAl溶出処理を
施して粉末状触媒の比較例Cを得た。
【0053】表8は、触媒の例1、比較例Bおよび比較
例Cに関する溶湯の組成、触媒素材の金属組織、Cu
系、合金元素AE系超微粒子の種類および比表面積を示
す。
【0054】
【表8】 表8より、触媒の例1は比較例B,Cと同等若しくはそ
れ以上の比表面積を有することが判る。 (b)温度と触媒の活性 実施例1同様に、触媒の例1を0.1g秤量し、それを
定圧固定床流通式反応装置内に設置して触媒層を形成し
た。そして、触媒層の温度を活性評価温度として、12
5、149、193、240、286、334、38
3、432、482℃に設定すると共にその触媒層にH
2 O:CH3 OH=1:1の混合液を流通させて、メタ
ノールの水蒸気改質を行った。
【0055】触媒の例1の活性は、実施例1同様に、発
生ガスをガスクロマトグラフにより分析して、水素ガス
発生速度(リットル/kg・min )にて評価した。また同
様のテストを比較例B,Cについて行った。
【0056】図6はテスト結果を示す。図中、点
(1),(B)および(C)は触媒の例1、比較例Bお
よび比較例Cにそれぞれ対応する。図5から明らかなよ
うに、活性評価温度が150℃を上回る温度領域におい
て、触媒の例1は比較例B,Cに比べて高活性であるこ
とが判る。これは、触媒の例1における触媒素材の金属
組織が非晶質単相組織であることから、Cu2 O超微粒
子およびLa(OH)3 超微粒子が極微細化されている
ことに起因する。 (c)触媒の耐久性 実施例1同様に、触媒の例1を0.1g秤量し、それを
前記定圧固定床流通式反応装置内に設置して触媒層を形
成した。そして、触媒層の温度を活性評価温度である3
00℃に設定すると共にその触媒層にH2 O:CH3
H=1:1の混合液を流通させて、メタノールの水蒸気
改質を行い、触媒の例1の初期活性(図6の活性評価温
度300℃における水素ガス発生速度)、24時間経過
後の活性および48時間経過後の活性を調べた。また同
様のテストを比較例B,Cについて行った。
【0057】表9はテスト結果を示す。
【0058】
【表9】 表9から明らかなように、触媒の例1は、初期活性が高
い上に、その活性が48時間経過後においても略変化が
なく、したがって高活性であると共に優れた耐久性を有
することが判る。比較例B,Cは初期活性が低く、また
その活性は経時的に極端に低下し、したがって活性およ
び耐久性が共に極めて低いものである。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、前記のように特定され
た手段を採用することによって、高活性であると共に優
れた耐久性を有する、メタノールの水蒸気改質用触媒を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粉末状触媒の要部概略断面図である。
【図2】触媒表面の金属組織を示す顕微鏡写真である。
【図3】活性評価温度と水素ガス発生速度との関係を示
す第1例のグラフである。
【図4】活性評価温度と水素ガス発生速度との関係を示
す第2例のグラフである。
【図5】活性評価温度と水素ガス発生速度との関係を示
す第3例のグラフである。
【図6】活性評価温度と水素ガス発生速度との関係を示
す第4例のグラフである。
【符号の説明】
1 触媒 2 触媒主体 3 表層 4 Cu系超微粒子 5 合金元素AE系超微粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野崎 勝敏 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 増本 健 宮城県仙台市青葉区上杉3丁目8−22 (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内無番地 川内住 宅11−806 (72)発明者 福井 英夫 宮城県仙台市若林区若林3−15−15 (72)発明者 鵜澤 正美 千葉県成田市本三里塚189−3−B−201 (56)参考文献 特開 平3−238049(JP,A) 特開 平2−233501(JP,A) 特開 昭61−230740(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 37/36 C01B 3/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cuの含有量が5原子%≦Cu≦20原
    子%であり、また希土類元素、Fe、Mn、Pd、C
    o、V、AgおよびPtから選択される少なくとも一種
    の合金元素AEの含有量が4原子%≦AE≦18原子%
    であるAl系合金組成の溶湯を調製する工程と、前記溶
    湯に急冷凝固処理を施して触媒素材を得る工程と、前記
    触媒素材にAl溶出処理を施して、表層が、無数のCu
    系超微粒子と無数の合金元素AE系超微粒子とが相互に
    均一に混じり合って分散する混在層である触媒を得る工
    程と、を用いることを特徴とするメタノールの水蒸気改
    質用触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記Al溶出処理は、酸またはアルカリ
    の一方よりなる水溶液に前記触媒素材を浸漬することに
    よって行われる、請求項1記載のメタノールの水蒸気改
    質用触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記触媒素材の金属組織は非晶質単相組
    織である、請求項1または2記載のメタノールの水蒸気
    改質用触媒の製造方法。
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