JP3380158B2 - スケルトンモデルのデータ表現方法 - Google Patents

スケルトンモデルのデータ表現方法

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JP3380158B2
JP3380158B2 JP09829198A JP9829198A JP3380158B2 JP 3380158 B2 JP3380158 B2 JP 3380158B2 JP 09829198 A JP09829198 A JP 09829198A JP 9829198 A JP9829198 A JP 9829198A JP 3380158 B2 JP3380158 B2 JP 3380158B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータグラ
フィックスで人や動物などのキャラクタを扱う際に用い
る多関節構造のスケルトンモデルのデータ表現方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コンピュータグラフィックス
で人や動物などのキャラクタを扱う際には多関節構造の
スケルトンモデルを用いることがあった。スケルトンモ
デルでは、キャラクタを、幾つかの骨とそれらの骨を連
結する関節点とで表す。キャラクタの1つのポーズは、
そのスケルトンモデル中で、まずルート(根)となる関
節点を1個設定し、このルートから順に隣り合う骨の間
の関節角度値を決定していき、それらの角度データで1
つのスケルトン形状(ポーズ)を表す。また、上述した
ポーズのデータを所定時間ごと(例えば、1/60秒ご
と)に定義することにより、キャラクタの一連のモーシ
ョン(アニメーション)を定義する。このようなキャラ
クタの形状のモデリングおよびアニメーションの表示技
術に関しては、例えば「人体の形状モデリングとアニメ
ーション」、福井一夫著、情報処理学会「人物のモデリ
ングと表示技術」セミナー資料、平成3年9月などに記
載されている。
【0003】図6は、人体の骨格構造を示すスケルトン
モデルの例である。白丸の点が関節位置を示し、関節か
ら伸びた線分が骨を示す。例えば、601は首横の関
節、611は左鎖骨、602は左肩の関節、612は左
腕の上腕の骨、603は左肘の関節、613は左腕の下
腕の骨、604は左手首の関節に、それぞれ相当する。
これらは人体の首から左手の手の先までの左手部に相当
する部分であるが、この左手部の形状は、関節601を
基準としてそこから先を考えるとすると、関節601の
関節角度値により左鎖骨611の位置が決定され、左鎖
骨611の端の左肩関節602の関節角度値により上腕
612の位置が決定され、上腕612の端の左肘関節6
03の関節角度値により下腕613の位置が決定され、
…というようにして、各関節点の角度データを決定して
いくことにより全体の形状を表すことができる。なお、
関節角度値は、例えばx,y,zの各軸回りの回転角で表
現する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した手
法で各関節の角度値データからスケルトン形状を再現す
る場合、ルートから順に角度値データを使って形状を構
成するため、骨格の先端に行くほど誤差が集積すること
になる。また、ルート位置からより遠く離れた先端部の
ほうが、位置の誤差がより大きくなる。この誤差がある
ため、ゲーム中で表示したキャラクタのポーズやモーシ
ョンが損なわれることがある。特に先端部の誤差が大き
くなるため、キャラクタの手の先端や足の先端がふるえ
るような挙動を示すことがある。さらに、データが圧縮
・伸張の過程を経たものである場合、圧縮の程度が大き
くなるほど伸張後のデータの誤差も大きくなるため、上
述した問題の影響が大きく出るという不都合があった。
【0005】本発明は、上述の従来形における問題点に
鑑み、多関節構造のスケルトンモデルの形状を数値デー
タで表現する際に、各関節における角度値データの誤差
が集積して、特に先端部などで誤差の影響が大きく出る
ことを防止し、データを圧縮・伸張する場合でも誤差の
影響を極力抑えたスケルトンモデルのデータ表現方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、多関節構造のスケルトンモ
デルのデータ表現方法であって、前記スケルトンモデル
が備えている、ルートに近い第1の骨、先端に近い第2
の骨、および該第1の骨と第2の骨とを接続する関節に
対し、該第1の骨および第2の骨の位置を表すデータ
を、第2の骨の先端側端点の位置座標、および第1の骨
のルート側端点と第2の骨の先端側端点とを結ぶ軸の回
りの回転角である捻り角により表現することを特徴とす
る。
【0007】請求項2に係る発明は、請求項1におい
て、捻り角0状態の向きを定める際に、あらかじめ定め
られた基準座標系の座標軸ベクトルのうちの1つから、
第1の骨のルート側端点と第2の骨の先端側端点とを結
ぶベクトルへの単純回転マトリクスを求めるステップ
と、前記基準座標系に前記単純回転マトリクスをかけて
得られる座標系の向きを捻り角0状態の向きと定めるス
テップとを備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。
【0009】上述の従来技術およびその課題の欄で述べ
た問題点は、ルートから隣り合う関節点における角度値
で次々に位置を決定していくという手法を採ったために
発生する問題点である。そこで本発明では、先端部は3
次元座標でその位置を表現し、その先端部の一つ手前の
関節点の位置は「捻り角」のデータで位置を決定するよ
うにした。なお、「先端」とは必ずしもそれ以上骨が接
続されていない点のみを表すものではない。例えば以下
では、人体の腕の上腕部と下腕部とからなる骨格に本発
明を適用した例や、人体の足の腿と脛とからなる骨格に
本発明を適用した例を説明するが、下腕部や脛より先に
手首以降の手の部分や足首以降の足の部分が接続されて
いても、下腕部や脛の先端に近い方の端部(すなわち、
着目している骨格の中で、より先端に近い端部)を先端
あるいは先端部と呼ぶものとする。
【0010】以下、本発明のデータ表現手法について説
明する。
【0011】まず、表現する対象である骨格構造につい
て説明する。ここでは、上腕と下腕、または腿と脛の、
各々2本の骨からなるスケルトンを対象とする。図1に
おいて、bone1とbone2は2本の骨を示す。bone1は根元
側(ルートに近い方)の骨を示し、例えば上腕または腿
に相当する。bone2は先端側の骨を示し、例えば下腕ま
たは脛に相当する。bone1の根元側の端点(ルート側端
点)をP0、bone1とbone2との間の関節点をP1、bone
2の先端(先端側端点)をP2とする。肘または膝に対
応する関節点P1の回転自由度は1である。したがっ
て、P0およびP2の位置が決まれば、残る形状の自由
度はP0とP2とを結ぶ軸回りの回転のみとなる。この
回転角を「捻り角」と呼ぶ。
【0012】キャラクタのポーズを決めるスケルトンの
形状はデザイナがCGツールを用いて作成するが、その
形状は各関節の角度値で表現されている。したがって、
図1の関節P0およびP1も初めは角度値で表現されて
いる。その関節P0およびP1の角度表現を、先端P2
の座標と捻り角による表現に変換する。変換後のデータ
を、ゲームのプログラムなどと共にCD-ROMに保存
する。ここで用いるコンバータ、すなわち関節P0およ
びP1の角度表現を先端P2の座標と捻り角による表現
に変換するコンバータを「コンバータA」と呼ぶ。コン
バータAについては後に詳述する。
【0013】実際にゲームをプレイしている際に当該キ
ャラクタのポーズを描画したりモーションを再現する場
合は、CD-ROMに保存されている先端座標と捻り角
のデータを読み出し(あるいはCD−ROMからRAM
上に一旦ロードしたデータを用いてもよいし、汎用パソ
コンにインストールするタイプのゲームであればインス
トールしたハードディスク上のファイルから読み出して
もよい)、その先端座標および捻り角表現のデータを各
骨の回転マトリクスに変換し、実際に描画する。ここで
用いるコンバータを「コンバータB」と呼ぶ。コンバー
タBについては後に詳述する。
【0014】なお、ルートから関節P0の位置を決定す
るまでのデータ表現は、従来と同様に各関節における角
度値で表している。また、先端P2の座標と捻り角によ
りbone1とbone2の位置が決定されるが、その先端P2以
降にさらに骨が接続されているときには、その先端P2
以降の骨の位置は従来と同様に各関節における角度値で
表すものとする。
【0015】次に、座標系と基本変数について説明す
る。一番の親となる座標系として、キャラクタの腹座標
系を用いる。腹座標系とは、キャラクタの腰骨と脊椎が
接続する位置を原点とする3次元直交座標系である。腹
座標系に対し、任意の回転マトリクスMを掛けて得られ
る座標系を「座標系M」と呼ぶ。なお、腹座標系の代わ
りに他の座標系(ワールド座標系など)を用いた場合で
も、以下の議論は全く同様に成立する。
【0016】図2に示すように、bone1の親をbone0(鎖
骨または腰骨に相当する)とする。bone0の親側の関節
点をPaとする。座標系は右手系とする。bone0〜bone2
それぞれのローカル座標系において、親側関節点から子
側関節点に向かう方向をx軸方向とする。関節P0の回
転はx,y,z軸回りの3軸回転とし、回転角をθ0x
θ0y,θ0zとする。関節P1の回転はz軸回りの回転の
みとし、回転角をθ1zとする。回転方向は、左ねじ方向
を正とする。図2の場合はθ1z≦0となる。なお、マト
リクス要素の表記は、列ベクトルに対して左からマトリ
クスを掛ける方式による。
【0017】bone0の腹座標系に対する回転マトリクス
をM0とし、その要素を次の数1の(1)式のように3
つの列ベクトルの並びで表す。同様にして、bone1およ
びbone2の腹座標系に対する回転マトリクスをそれぞれ
M1,M2とし、次の数1の(2)および(3)式のよ
うに表す。
【0018】
【数1】
【0019】u0x,u0y,u0zは、bone0のローカル座
標系のそれぞれx,y,z軸単位ベクトルを、腹座標系
で成分表示したものである。同様に、u1x,u1y,u1z
はbone1のローカル座標系のx,y,z軸単位ベクトル
を腹座標系で成分表示したもの、u2x,u2y,u2zはbo
ne2のローカル座標系のx,y,z軸単位ベクトルを腹
座標系で成分表示したものである。また、関節P1の回
転はz軸回りの回転のみなのでu1z=u2zである。
【0020】bone0,bone1,bone2の長さを、それぞれ
L0,L1,L2とする。また、関節点Pa,P0,P
1,P2の腹座標系における座標を、それぞれPa,P
0,P1,P2とする。これらの変数の間には次の数2で
示す関係が得られる。
【0021】
【数2】
【0022】関節点P0からP2に向かうベクトルをV
1とする。V1は、次の数3で表される。
【0023】
【数3】
【0024】捻り角表現を用いる際には、関節点P2が
位置することができるすべての点(特異点は除く)にお
いて捻り角が0の状態を定義しておく必要がある。捻り
角が0の状態を定義することは、ルートを中心とする球
面上に捻り角0の方向を示す矢印を定義することと同値
であるから、どのように定義しても、少なくとも1個以
上の特異点を生じることが不動点定理より導かれる。本
発明では、この特異点が1方向となるが、その特異点の
方向をキャラクタのモーション上もっとも起こりにくい
方向にする。そのために、まず図3に示すように、捻り
角0の基準となる座標系Mtを用意し、その要素を次の
数4で表す。
【0025】
【数4】
【0026】次に、スケルトンの捻り状態を表すローカ
ル座標系として、ベクトルV1の方向をx軸とし、u1z
(u2z)の方向をz軸とする座標系M3を作り、その要
素を次の数5で表す。
【0027】
【数5】
【0028】ベクトルutxからu3xへの単純回転マトリ
クスをMrとする。ただし、「単純回転」とは、始点を
共有する任意のベクトルa,bに対する、次のような回
転を表す。 a,bのなす平面に垂直な軸の回りの回転。 回転により、aはbに重なる。
【0029】utx=u3xの場合は、Mrは単位行列とす
る。また、utx=−u3xの場合は、特異点となり、Mr
は定義不能とする。これ以外の場合については、Mrは
次の数6で表される。
【0030】
【数6】
【0031】ただし、(nx,ny,nz)は回転軸を表
す単位ベクトル、φは回転角で、次の数7により得られ
る。
【0032】
【数7】
【0033】座標系Mtに対し、回転Mrを施して得ら
れる座標系を、以下の数8に示すように、M4とする。
【0034】
【数8】
【0035】座標系M4に対する、座標系M3のx軸回
転角を、スケルトンの捻り角ψとする。以上の捻り角表
現を用いれば、特異点は、u3x=−utxとなる1方向の
みとなる。すなわち、関節点P2が、捻り角0の基準と
なる座標系Mtのx軸の向きutxの逆向きにある場合が
捻り角が不定になる特異点の向きである。実用に際して
は、特異点の方向を関節P2が一番行きにくい方向に設
定すると効果的である。例えば、bone1が上腕で、bone2
が下腕の場合は、腕を真横に上げた方向の反対側に向か
う向きが一番行きにくい方向であるので、その方向に特
異点を設定する。また、bone1が腿で、bone2が脛の場合
は、平面上に自然に立っている状態の反対側に向かう向
き(足から頭に向かう方向)が一番行きにくい方向であ
るので、その方向に特異点を設定する。そのためには、
座標系Mtをbone0に対する相対的な方向として定義す
る必要がある。
【0036】そこで、以下の数9に示すように、Mtを
M0に回転マトリクスMsをかけたものとして定義す
る。
【0037】
【数9】
【0038】次に、関節P0およびP1の角度表現を先
端P2の座標と捻り角による表現に変換するコンバータ
Aの処理の詳細を説明する。コンバータAの入出力は、
次の数10のとおりである。
【0039】
【数10】
【0040】PaとM0は、あらかじめ与えられる(実
際のスケルトンモデルでは、ルートから各関節の角度値
によって次々と位置を決めていくことにより、その値が
求められる)。さらに関節P0の角度値θ0x,θ0y,θ
0zと、関節P1の角度値θ1zが入力として与えられる。
また、マトリクスMsは上述の数4〜数9で説明したよ
うに定める。L0,L1,L2は、bone0,bone1,bone
2の長さである。以上の入力データから、先端の関節P
2の位置座標と捻り角ψを求めるものである。
【0041】コンバータAは以下の手順で変換処理を行
なう。まず、bone0からbone1への回転マトリクスをM0
1、bone1からbone2への回転マトリクスをM12とす
る。M01とM12は、以下の数11のように角度値で
表せる。
【0042】
【数11】
【0043】マトリクスM1,M2を次の数12により
求める。
【0044】
【数12】
【0045】関節点座標P0,P2およびベクトルV1
を、次の数13により求める。
【0046】
【数13】
【0047】座標系M3のx軸およびy軸の単位ベクト
ルは、次の数14により得られる。
【0048】
【数14】
【0049】一方、マトリクスMtは、次の数15によ
り得られる。
【0050】
【数15】
【0051】ベクトルutxからu3xへの単純回転マトリ
クスMrを数6および数7の式(11)〜(15)によ
り求める。マトリクスMtに回転Mrをかけて、数16
のようにマトリクスM4を得る。
【0052】
【数16】
【0053】M3,M4から、次の数17により捻り角
ψを求める。ψの符号は、u3xに対して右ねじ方向を正
とする。
【0054】
【数17】
【0055】以上により、関節P2の位置座標(腹座標
系におけるベクトル表現P2)および捻り角ψが得られ
る。
【0056】次に、先端座標および捻り角表現のデータ
を各骨の回転マトリクスに変換するコンバータBの処理
の詳細を説明する。コンバータBの入出力は、次の数1
8のとおりである。
【0057】
【数18】
【0058】コンバータBは以下の手順で変換処理を行
なう。まず、関節点座標P0およびベクトルV1を次の
数19により求める。
【0059】
【数19】
【0060】座標系M3のx軸単位ベクトルは、次の数
20により得られる。
【0061】
【数20】
【0062】一方、マトリクスMtは、次の数21によ
り得られる。
【0063】
【数21】
【0064】ベクトルutxからu3xへの単純回転マトリ
クスMrを数6および数7の式(11)〜(15)によ
り求める。Mtに回転Mrをかけて、数22のようにマ
トリクスM4を得る。
【0065】
【数22】
【0066】次の数23によりM3を求める。u3xは既
に得られているので、u3y,u3zを求めるだけでよい。
【0067】
【数23】
【0068】次に、座標系M3のx,y平面内でのbone
1,bone2の向きを求める。図4に、座標系M3のx,y
平面内でのスケルトン形状を示す。以下では、4つのケ
ースに場合分けを行なって、bone1,bone2の回転マトリ
クスM1,M2を求める。
【0069】 |L1−L2|≦|V1|≦|L1+L2|の場合 関節点P2は入力座標P2に到達可能である。M1,M
2は次の数24により得られる。
【0070】
【数24】
【0071】|V1|>L1+L2の場合 M1,M2および到達可能なP2座標は、次の数25に
より得られる。
【0072】
【数25】
【0073】 |V1|≦|L1−L2|かつL1>L2の場合 M1,M2および到達可能なP2座標は、次の数26に
より得られる。
【0074】
【数26】
【0075】 |V1|≦|L1−L2|かつL1<L2の場合 M1,M2および到達可能なP2座標は、次の数27に
より得られる。
【0076】
【数27】
【0077】上記〜のいずれの場合も、P1は次の
数28により求められる。
【0078】
【数28】
【0079】以上により、各骨の回転マトリクス表現を
得ることができる。
【0080】なお、ゲームに登場する種々のキャラクタ
のポーズやモーション作成を行なう場合、デザイナは、
共通に使用するベースキャラクタを元にして、個々のキ
ャラクタのデータを作成する。その際、個々のキャラク
タと共通に使用するベースキャラクタとでは一般的には
対応する骨の長さが異なる。図5は、ベースキャラクタ
のスケルトンと個々のキャラクタのスケルトンとで骨の
長さに差異がある場合の例を示す。しかし、本発明に係
るデータ表現方法によれば、ベースキャラクタの形状の
データから個々のキャラクタの形状のデータを簡単に得
ることができる。
【0081】例えば、コンバータAに、ベースキャラク
タのデータを入力し、出力P2,ψを得ておく。個々の
キャラクタのデータが必要な場合は、コンバータBに、
このP2,ψとベースキャラクタの骨の長さを入力し、
出力を得る。得られたM1,M2はそのまま使うことが
できる。また、個々のキャラクタの関節位置P1’,P
2’は次の数29で得ることができる。ただし、L
1’,L2’は個々のキャラクタのbone1,bone2の長さ
をそれぞれ表す。
【0082】
【数29】
【0083】さらに、上述したように先端座標と捻り角
でデータを持っている骨格に対し、先端座標の位置をゲ
ームの場面に応じて変更したい場合がある。例えば、腿
と脛の骨格を上述した先端座標と捻り角で保持している
場合は、そのキャラクタが立っている地面の形状が平坦
か凹凸があるかに応じて足先の位置(脛の先端座標)が
変わってくる。また、腕の上腕と下腕の骨格を上述した
先端座標と捻り角で表し、そのキャラクタがパンチを繰
り出す動作(腕を伸ばして、その後、引く動作)もその
データ表現形式で表している場合、パンチを繰り出す相
手キャラクタの背の高さに応じて腕先の位置(下腕の先
端座標)が変わってくる。このような場合でも、上述の
本発明に係るデータ表現方法によれば、元のデータに対
し、先端座標のみ場面に応じて変更し、捻り角は同じデ
ータを使用すればよい。従来のように各関節の角度デー
タで表現する方式では、先端位置を場面に応じて変更す
る場合は複雑な計算を行なう必要があったが、本発明に
係るデータ表現方法では先端座標を変更するだけである
ので計算は簡単であり計算時間もかからない。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ルートに近い第1の骨、先端に近い第2の骨、および該
第1の骨と第2の骨とを接続する関節に対し、該第1の
骨および第2の骨の位置を表すデータを、第2の骨の先
端側端点の位置座標、および第1の骨のルート側端点と
第2の骨の先端側端点とを結ぶ軸の回りの回転角である
捻り角により表現するようにしているので、各関節にお
ける角度値データの誤差が集積して、特に先端部などで
誤差の影響が大きく出ることがない。また、データを圧
縮・伸張する場合でも誤差の影響を極力抑えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるスケルトンの捻り角を示す図
【図2】bone(骨)の座標系を示す図
【図3】捻り角基準座標系Mtを示す図
【図4】M3−xy平面内のスケルトン形状を示す図
【図5】骨の長さが異なる場合の例を示す図
【図6】人体の骨格構造の例を示す図
【符号の説明】
bone1…上腕または腿、bone2…下腕または脛、P0…関
節点(ルート側端点)、P1…bone1とbone2との間の関
節点、P2…関節点(先端側端点)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−221599(JP,A) 特開 平10−40418(JP,A) 特開 平9−153151(JP,A) 特開 平10−40419(JP,A) 特開 平9−330424(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 13/00 G06T 15/70 G01B 11/00 CSDB(日本国特許庁)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多関節構造のスケルトンモデルのデータ表
    現方法であって、 前記スケルトンモデルが備えている、ルートに近い第1
    の骨、先端に近い第2の骨、および該第1の骨と第2の
    骨とを接続する関節に対し、該第1の骨および第2の骨
    の位置を表すデータを、第2の骨の先端側端点の位置座
    標、および第1の骨のルート側端点と第2の骨の先端側
    端点とを結ぶ軸の回りの回転角である捻り角により表現
    することを特徴とするスケルトンモデルのデータ表現方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 捻り角0状態の向きを定める際に、 あらかじめ定められた基準座標系の座標軸ベクトルのう
    ちの1つから、第1の骨のルート側端点と第2の骨の先
    端側端点とを結ぶベクトルへの単純回転マトリクスを求
    めるステップと、 前記基準座標系に前記単純回転マトリクスをかけて得ら
    れる座標系の向きを捻り角0状態の向きと定めるステッ
    プとを備えたことを特徴とする、多関節構造のスケルト
    ンモデルのデータ表現方法。
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