JP3376004B2 - 無漏洩プランジャポンプ - Google Patents
無漏洩プランジャポンプInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プランジャもしくはピ
ストン(以下、プランジャと総称する)を介してポンプ
動作を行うプランジャポンプに係り、特に取扱液の外部
への漏洩を防止できるように構成した無漏洩プランジャ
ポンプに関する。
ストン(以下、プランジャと総称する)を介してポンプ
動作を行うプランジャポンプに係り、特に取扱液の外部
への漏洩を防止できるように構成した無漏洩プランジャ
ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プランジャポンプは、定量性並
びに高圧性に優れている。しかしながら、その反面、通
常の構成、すなわち代表的にはグランドパッキング方式
等においては、プランジャロッドの軸封止が完全には達
成されないので、取扱液の漏洩を免れない。
びに高圧性に優れている。しかしながら、その反面、通
常の構成、すなわち代表的にはグランドパッキング方式
等においては、プランジャロッドの軸封止が完全には達
成されないので、取扱液の漏洩を免れない。
【0003】このため、取扱液の漏洩を防止すべき、例
えば特種化学工業等における用途には、通常、油圧ダイ
アフラム方式のプランジャポンプが使用されている。こ
の方式によれば、ポンプ室は、これに隣接する油圧室の
ダイアフラムが前記油圧室の圧力変動に応じて脈動する
ことにより、ポンプ動作を行うよう構成されている。従
って、この方式によれば、軸の貫通シール部が存在しな
いので、取扱液の漏洩が発生することはない。なお、前
記方式とは別に、直動ダイアフラム方式等も知られてい
るが、この方式は、高圧用途には不適であると共に定量
性に劣る欠点を有する。
えば特種化学工業等における用途には、通常、油圧ダイ
アフラム方式のプランジャポンプが使用されている。こ
の方式によれば、ポンプ室は、これに隣接する油圧室の
ダイアフラムが前記油圧室の圧力変動に応じて脈動する
ことにより、ポンプ動作を行うよう構成されている。従
って、この方式によれば、軸の貫通シール部が存在しな
いので、取扱液の漏洩が発生することはない。なお、前
記方式とは別に、直動ダイアフラム方式等も知られてい
るが、この方式は、高圧用途には不適であると共に定量
性に劣る欠点を有する。
【0004】しかるに、前記ダイアフラム方式は、前述
したように無漏洩は達成されるものの、反面、これには
油圧室およびこれに付随するエア抜き等の設備を必要と
するため、構造が複雑且つ高価となると同時に、特にメ
ンテナンスが繁雑となる難点が存在する。
したように無漏洩は達成されるものの、反面、これには
油圧室およびこれに付随するエア抜き等の設備を必要と
するため、構造が複雑且つ高価となると同時に、特にメ
ンテナンスが繁雑となる難点が存在する。
【0005】そこで、本出願人は、先に、前記難点を解
決するために、比較的簡単な構造で無漏洩を達成できる
プランジャポンプを開発し、特許出願を行った(特開昭
63ー302186号公報)。
決するために、比較的簡単な構造で無漏洩を達成できる
プランジャポンプを開発し、特許出願を行った(特開昭
63ー302186号公報)。
【0006】次に、前記ポンプについて簡単に説明する
と、このポンプは、そのプランジャが、プランジャロッ
ドとその先端部に取付けられるピストンとから形成され
ると共に、前記プランジャロッドはその全長を可撓性シ
ール部材でシールされている。一方、ポンプ室は、前記
可撓性シール部材の部分で設定される吸込室とピストン
端面によって設定される加圧室とから形成されると共
に、吸込室は吸込口および吸込弁に連通し、そして加圧
室は吸込弁および吐出弁によって設定される吐出導管部
に連通するよう構成されている。言い換えれば、プラン
ジャポンプとシール部材とを組み合わせるよう構成され
ている。
と、このポンプは、そのプランジャが、プランジャロッ
ドとその先端部に取付けられるピストンとから形成され
ると共に、前記プランジャロッドはその全長を可撓性シ
ール部材でシールされている。一方、ポンプ室は、前記
可撓性シール部材の部分で設定される吸込室とピストン
端面によって設定される加圧室とから形成されると共
に、吸込室は吸込口および吸込弁に連通し、そして加圧
室は吸込弁および吐出弁によって設定される吐出導管部
に連通するよう構成されている。言い換えれば、プラン
ジャポンプとシール部材とを組み合わせるよう構成され
ている。
【0007】従って、この種のポンプによれば、従来の
グランドパッキング方式とは異なり、軸の貫通シール部
を有しないので、取扱液が漏洩することはない。また、
この種のポンプは、従来のダイアフラム方式とは異な
り、油圧室(およびそのエア抜き等の付属設備)を必要
としないので、構造が簡単となり、特にメンテナンスが
容易となる。
グランドパッキング方式とは異なり、軸の貫通シール部
を有しないので、取扱液が漏洩することはない。また、
この種のポンプは、従来のダイアフラム方式とは異な
り、油圧室(およびそのエア抜き等の付属設備)を必要
としないので、構造が簡単となり、特にメンテナンスが
容易となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来のポンプにおいても、なお改良すべき難点を有し
ていた。
た従来のポンプにおいても、なお改良すべき難点を有し
ていた。
【0009】すなわち、前記従来のポンプは、実際的に
は、吸込室を設定するシール部材の部分の有効直径が、
加圧室を設定するピストンの直径よりも小さいことを前
提条件とするものであり、もし前記条件が満たされない
場合には、ポンプ吸込側の脈動が大きくなり、従ってポ
ンプ動作が不安定となる欠点を有していた。
は、吸込室を設定するシール部材の部分の有効直径が、
加圧室を設定するピストンの直径よりも小さいことを前
提条件とするものであり、もし前記条件が満たされない
場合には、ポンプ吸込側の脈動が大きくなり、従ってポ
ンプ動作が不安定となる欠点を有していた。
【0010】そして、この欠点は、ポンプ室を形成する
吸込室と加圧室とがピストンを介して背中合わせに構成
されているので、吸込圧力と吐出圧力との間の圧力差が
その変動に伴い増大することである。
吸込室と加圧室とがピストンを介して背中合わせに構成
されているので、吸込圧力と吐出圧力との間の圧力差が
その変動に伴い増大することである。
【0011】そこで、本発明の目的は、構造が簡単で且
つメンテナンスが容易であり、しかも吸込脈動を抑制す
ることができる無漏洩プランジャポンプを提供すること
にある。
つメンテナンスが容易であり、しかも吸込脈動を抑制す
ることができる無漏洩プランジャポンプを提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】先の目的を達成するため
に、本発明に係る無漏洩プランジャポンプは、プランジ
ャロッドを介して往復動するプランジャの周囲のケーシ
ング内にポンプ動作を行うポンプ室を画定し、前記プラ
ンジャは、プランジャロッドに接続される大径プランジ
ャ部分とこれに連続する小径プランジャ部分とからな
り、前記ポンプ室はプランジャロッドの周面および大径
プランジャ部分の一側面および可撓性シール部材面によ
って設定される第1吸込室と大径プランジャ部分の他側
面および小径プランジャ部分の周面によって設定される
加圧室と、並びに小径プランジャ部分の端面によって設
定される第2吸込室とからなり、前記第1および第2吸
込室は互いに連通すると共に、さらに第1吸込室はポン
プ吸込口および吸込弁に連通しており、一方加圧室は吸
込弁および吐出弁によって設定される吐出導管部に連通
しており、そして前記プランジャロッドは第1吸込室の
貫通部をベローズおよび/またはベロフラムからなる可
撓性シール部材でシールするに際し、 吐出工程における
吐出配管部からの1ストローク当りの総吐出量Qd 、並
びに吐出、吸込工程における吸込配管部からの1ストロ
ーク当りの総各吸込量Qs1、Qs2および全工程における
全吸込量Qs は、それぞれ Qd=π(A 2 −B 2 )L/4 Qs1=π(A 2 −B 2 −D 2 )L/4 Qs2=πD 2 L/4 Qs=π(A 2 −B 2 )L/4 であり、ここで、A:大径プランジャ直径、B:小径プ
ランジャ、D:ベローズ有効径、L:ポンプストローク
長で表され、微小流量設定可能である ことを特徴とす
る。
に、本発明に係る無漏洩プランジャポンプは、プランジ
ャロッドを介して往復動するプランジャの周囲のケーシ
ング内にポンプ動作を行うポンプ室を画定し、前記プラ
ンジャは、プランジャロッドに接続される大径プランジ
ャ部分とこれに連続する小径プランジャ部分とからな
り、前記ポンプ室はプランジャロッドの周面および大径
プランジャ部分の一側面および可撓性シール部材面によ
って設定される第1吸込室と大径プランジャ部分の他側
面および小径プランジャ部分の周面によって設定される
加圧室と、並びに小径プランジャ部分の端面によって設
定される第2吸込室とからなり、前記第1および第2吸
込室は互いに連通すると共に、さらに第1吸込室はポン
プ吸込口および吸込弁に連通しており、一方加圧室は吸
込弁および吐出弁によって設定される吐出導管部に連通
しており、そして前記プランジャロッドは第1吸込室の
貫通部をベローズおよび/またはベロフラムからなる可
撓性シール部材でシールするに際し、 吐出工程における
吐出配管部からの1ストローク当りの総吐出量Qd 、並
びに吐出、吸込工程における吸込配管部からの1ストロ
ーク当りの総各吸込量Qs1、Qs2および全工程における
全吸込量Qs は、それぞれ Qd=π(A 2 −B 2 )L/4 Qs1=π(A 2 −B 2 −D 2 )L/4 Qs2=πD 2 L/4 Qs=π(A 2 −B 2 )L/4 であり、ここで、A:大径プランジャ直径、B:小径プ
ランジャ、D:ベローズ有効径、L:ポンプストローク
長で表され、微小流量設定可能である ことを特徴とす
る。
【0013】この場合、シール部材の有効径は、大径お
よび小径プランジャ部分のそれぞれの径の中間寸法に設
定することができる。また、吐出圧を受けないシール部
材から第1吸込室の反対側のプランジャロッド上にはシ
ール部材の有効径と同径のピストンを設けることにより
密閉室を形成させ、そしてこのピストンとシール部材と
の間には非圧縮性流体を封止するよう構成することがで
きる。
よび小径プランジャ部分のそれぞれの径の中間寸法に設
定することができる。また、吐出圧を受けないシール部
材から第1吸込室の反対側のプランジャロッド上にはシ
ール部材の有効径と同径のピストンを設けることにより
密閉室を形成させ、そしてこのピストンとシール部材と
の間には非圧縮性流体を封止するよう構成することがで
きる。
【0014】
【作用】本発明によれば、先ず、ポンプの構成は、基本
的には前記従来技術と同様に、プランジャポンプとシー
ル部材とを組み合わせるよう構成し、しかも油圧室等の
設備を必要としない。従って、無漏洩が達成されると同
時に構造が簡単となり、特にメンテナンスが容易となる
ことは明らかである。さらに、本発明によれば、ポンプ
室は、加圧室の両側にそれぞれ第1および第2吸込室を
配置するよう構成されているので、ポンプ動作が安定化
する。また、吐出量は、加圧室を構成する大径および小
径両プランジャ部分の直径を適宜の寸法に設計すること
により、適正な量に設定することが可能となり、一方吸
込量は、第1および第2吸込室を構成する前記大径およ
び小径両プランジャ部分並びにプランジャロッドシール
部材の各直径を適宜の寸法に設計することにより、好適
には2連ポンプ吸込み並みの低脈動状態に設定すること
が可能となる。
的には前記従来技術と同様に、プランジャポンプとシー
ル部材とを組み合わせるよう構成し、しかも油圧室等の
設備を必要としない。従って、無漏洩が達成されると同
時に構造が簡単となり、特にメンテナンスが容易となる
ことは明らかである。さらに、本発明によれば、ポンプ
室は、加圧室の両側にそれぞれ第1および第2吸込室を
配置するよう構成されているので、ポンプ動作が安定化
する。また、吐出量は、加圧室を構成する大径および小
径両プランジャ部分の直径を適宜の寸法に設計すること
により、適正な量に設定することが可能となり、一方吸
込量は、第1および第2吸込室を構成する前記大径およ
び小径両プランジャ部分並びにプランジャロッドシール
部材の各直径を適宜の寸法に設計することにより、好適
には2連ポンプ吸込み並みの低脈動状態に設定すること
が可能となる。
【0015】この結果、シール部材は、ほぼ一定圧力か
らなる低脈動状態の吸込圧が、吐出圧力とは無関係に反
転することなく、常に一定方向から負荷されて、シール
部材の長寿命化並びに高信頼性を達成することができ
る。また、ポンプの定量性並びにその他の特性を向上す
ることができる。
らなる低脈動状態の吸込圧が、吐出圧力とは無関係に反
転することなく、常に一定方向から負荷されて、シール
部材の長寿命化並びに高信頼性を達成することができ
る。また、ポンプの定量性並びにその他の特性を向上す
ることができる。
【0016】
【実施例】次に、本発明に係る無漏洩プランジャポンプ
の実施例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説
明する。
の実施例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説
明する。
【0017】図1は、本発明の無漏洩プランジャポンプ
の一実施例を示すものである。図1において、この無漏
洩プランジャポンプは、基本的には、プランジャロッド
10を介して往復動するプランジャ12の周囲のケーシ
ング18内に、ポンプ動作を行うポンプ室20、22、
24を画定することにより構成される。そして、プラン
ジャ12は、プランジャロッド10に接続される大径プ
ランジャ部分14と、これに連続する小径プランジャ部
分16とから形成される。また、ポンプ室は、プランジ
ャロッド10(および後述するそのシール部材26)の
周面および大径プランジャ部分14の一側面によって設
定される第1吸込室20と、大径プランジャ部分14の
他側面および小径プランジャ部分16の周面によって設
定される加圧室22と、並びに小径プランジャ部分16
の端面によって設定される第2吸込室24とから形成さ
れる。そして、前記第1および第2吸込室20、24
は、吸込連通部28を介して互いに連通すると共に、さ
らに第1吸込室20はポンプ吸込口30および吸込弁3
2に連通する。一方、加圧室22は、吸込弁32および
吐出弁34によって設定される吐出導管部36に連通す
るよう構成されている。
の一実施例を示すものである。図1において、この無漏
洩プランジャポンプは、基本的には、プランジャロッド
10を介して往復動するプランジャ12の周囲のケーシ
ング18内に、ポンプ動作を行うポンプ室20、22、
24を画定することにより構成される。そして、プラン
ジャ12は、プランジャロッド10に接続される大径プ
ランジャ部分14と、これに連続する小径プランジャ部
分16とから形成される。また、ポンプ室は、プランジ
ャロッド10(および後述するそのシール部材26)の
周面および大径プランジャ部分14の一側面によって設
定される第1吸込室20と、大径プランジャ部分14の
他側面および小径プランジャ部分16の周面によって設
定される加圧室22と、並びに小径プランジャ部分16
の端面によって設定される第2吸込室24とから形成さ
れる。そして、前記第1および第2吸込室20、24
は、吸込連通部28を介して互いに連通すると共に、さ
らに第1吸込室20はポンプ吸込口30および吸込弁3
2に連通する。一方、加圧室22は、吸込弁32および
吐出弁34によって設定される吐出導管部36に連通す
るよう構成されている。
【0018】しかるに、プランジャロッド10は、その
第1吸込室20の貫通部を、前述した可撓性シール部材
(図においては、ベローズ)26でシールするよう構成
されている。なお、ベローズ26の有効径Dは、好適に
は、大径および小径プランジャ部分14、16のそれぞ
れの直径A、Bの中間寸法に設定する。また、図中の参
照符号Cは、プランジャロッド10の直径を示す。
第1吸込室20の貫通部を、前述した可撓性シール部材
(図においては、ベローズ)26でシールするよう構成
されている。なお、ベローズ26の有効径Dは、好適に
は、大径および小径プランジャ部分14、16のそれぞ
れの直径A、Bの中間寸法に設定する。また、図中の参
照符号Cは、プランジャロッド10の直径を示す。
【0019】そこで、以下に、このような構成からなる
本発明のポンプの動作について説明する。先ず、プラン
ジャロッド10およびプランジャ12が、図示の状態か
ら実線矢印方向へ移動すると(すなわち、吐出工程にお
いて)、加圧される加圧室22内の取扱液は吐出弁34
を開いて吐出口38から外部へ吐出され、負圧状態とな
る第1吸込室20内へは、第2吸込室24および吸込口
30から取扱液が吸込まれる。
本発明のポンプの動作について説明する。先ず、プラン
ジャロッド10およびプランジャ12が、図示の状態か
ら実線矢印方向へ移動すると(すなわち、吐出工程にお
いて)、加圧される加圧室22内の取扱液は吐出弁34
を開いて吐出口38から外部へ吐出され、負圧状態とな
る第1吸込室20内へは、第2吸込室24および吸込口
30から取扱液が吸込まれる。
【0020】一方、前記状態から、プランジャロッド1
0およびプランジャ12が、反対に点線矢印方向へ移動
すると(すなわち、吸込工程において)、負圧状態とな
る加圧室22内へは、第1吸込室20から取扱液が吸込
弁32を開いて吸込まれ、同じく負圧状態となる第2吸
込室24内へは、吸込口30および/または第1吸込室
20から取扱液が吸込まれる。
0およびプランジャ12が、反対に点線矢印方向へ移動
すると(すなわち、吸込工程において)、負圧状態とな
る加圧室22内へは、第1吸込室20から取扱液が吸込
弁32を開いて吸込まれ、同じく負圧状態となる第2吸
込室24内へは、吸込口30および/または第1吸込室
20から取扱液が吸込まれる。
【0021】このようにして、本発明においては、吐出
および吸込みの全工程において取扱液の吸込みが行なわ
れる。そこで、この吸込量並びに吐出量の量的関係につ
いて説明すると、ある時点における第1吸込室20、加
圧室22および第2吸込室24の各容積q20,q22およ
びq24は、それぞれ次式、
および吸込みの全工程において取扱液の吸込みが行なわ
れる。そこで、この吸込量並びに吐出量の量的関係につ
いて説明すると、ある時点における第1吸込室20、加
圧室22および第2吸込室24の各容積q20,q22およ
びq24は、それぞれ次式、
【0022】
【数1】
【0023】ここで、 L:ポンプストローク長
θ:ポンプ位相角
で表わされる。
【0024】従って、吐出工程における吐出量qd 、並
びに吐出、吸込工程における各吸込量qs1、qs2および
全工程における全吸込量qs は、それぞれ次式、
びに吐出、吸込工程における各吸込量qs1、qs2および
全工程における全吸込量qs は、それぞれ次式、
【0025】
【数2】
【0026】で表わされる。
【0027】従って、本発明においては、吐出量q
d は、式(1)から分かるように、加圧室22を構成す
る大径および小径両プランジャ部分14、16の直径
A、Bの差を所定値に設計することにより、適宜の大き
さ、すなわち、例えば前記差を小さくすることにより極
く微量の吐出量に、設定することが可能となる。一方、
吸込量qs1、qs2(およびqs )は、式(2)乃至
(4)から分かるように、第1および第2吸込室20、
24を構成する大径および小径両プランジャ部分14、
16並びにプランジャロッドシール部材26の各直径
A、B、Dを所定値、好適には、D={(A2 +B2 )
/2}1/2 に、設計することにより、前記両吸込量
qs1、qs2を同一量に設定して、ポンプ吸込みを2連ポ
ンプ吸込み並みの低脈動状態に設定することが可能とな
る。図2には、このような状態における吐出量qdおよ
び両吸込量qs1、qs2を示している。
d は、式(1)から分かるように、加圧室22を構成す
る大径および小径両プランジャ部分14、16の直径
A、Bの差を所定値に設計することにより、適宜の大き
さ、すなわち、例えば前記差を小さくすることにより極
く微量の吐出量に、設定することが可能となる。一方、
吸込量qs1、qs2(およびqs )は、式(2)乃至
(4)から分かるように、第1および第2吸込室20、
24を構成する大径および小径両プランジャ部分14、
16並びにプランジャロッドシール部材26の各直径
A、B、Dを所定値、好適には、D={(A2 +B2 )
/2}1/2 に、設計することにより、前記両吸込量
qs1、qs2を同一量に設定して、ポンプ吸込みを2連ポ
ンプ吸込み並みの低脈動状態に設定することが可能とな
る。図2には、このような状態における吐出量qdおよ
び両吸込量qs1、qs2を示している。
【0028】このように、本発明によれば、ポンプ室
は、加圧室22の両側にそれぞれ第1および第2吸込室
20、24が配置されるよう構成すると共に、プランジ
ャロッド10をシールするベローズ26には、低脈動状
態(ほぼ一定圧力)の吸込圧が常に一定方向から(吐出
圧力とは無関係に反転することなく)負荷されるよう構
成しているので、ポンプ動作が安定し、その定量性並び
にその他の特性が向上すると共に、ベローズ26の耐用
寿命並びに信頼性を向上することができる。
は、加圧室22の両側にそれぞれ第1および第2吸込室
20、24が配置されるよう構成すると共に、プランジ
ャロッド10をシールするベローズ26には、低脈動状
態(ほぼ一定圧力)の吸込圧が常に一定方向から(吐出
圧力とは無関係に反転することなく)負荷されるよう構
成しているので、ポンプ動作が安定し、その定量性並び
にその他の特性が向上すると共に、ベローズ26の耐用
寿命並びに信頼性を向上することができる。
【0029】なお、吸込配管(図示せず)が細くて済む
こと、或いは大径プランジャ部分14のシール性は外部
漏洩にはかかわらないことは、容易に理解されるところ
である。またここで、本発明においては、従来のグラン
ドパッキング方式とは異なり、軸貫通シール部を有しな
いので、取扱液の漏洩が発生することはない。また、従
来のダイアフラム方式とは異なり、油圧室(およびその
エア抜き等の付属設備)を必要としないので、構造が簡
単となり、特にそのメンテナンスが容易となることは、
改めて説明を要しないことである。
こと、或いは大径プランジャ部分14のシール性は外部
漏洩にはかかわらないことは、容易に理解されるところ
である。またここで、本発明においては、従来のグラン
ドパッキング方式とは異なり、軸貫通シール部を有しな
いので、取扱液の漏洩が発生することはない。また、従
来のダイアフラム方式とは異なり、油圧室(およびその
エア抜き等の付属設備)を必要としないので、構造が簡
単となり、特にそのメンテナンスが容易となることは、
改めて説明を要しないことである。
【0030】次に、図3および図4に、本発明の別の実
施例を示す。本実施例は、先の実施例に対して、ベロー
ズ26から第1吸込室20とは反対側のプランジャロッ
ド10上に、ベローズ26の有効径Dと同径Eのピスト
ン40を設け、このピストン40とベローズ26との間
に非圧縮性流体を封止したものである。なお、参照符号
42は、第1および第2吸込室20、24の間を連通す
る吸込み連通部を示す。
施例を示す。本実施例は、先の実施例に対して、ベロー
ズ26から第1吸込室20とは反対側のプランジャロッ
ド10上に、ベローズ26の有効径Dと同径Eのピスト
ン40を設け、このピストン40とベローズ26との間
に非圧縮性流体を封止したものである。なお、参照符号
42は、第1および第2吸込室20、24の間を連通す
る吸込み連通部を示す。
【0031】このように構成することにより、吸込口3
0のライン圧が高い場合でも、ベローズ26の異常変形
が発生することがないので、ベローズ26の耐用寿命並
びに信頼性が保証される。なお、その他の動作および特
性は、前記実施例の場合と同様であるので説明を省略す
る。
0のライン圧が高い場合でも、ベローズ26の異常変形
が発生することがないので、ベローズ26の耐用寿命並
びに信頼性が保証される。なお、その他の動作および特
性は、前記実施例の場合と同様であるので説明を省略す
る。
【0032】次に、図5に、本発明のさらに別の実施例
を示す。本実施例は、図3に示す実施例において、シー
ル部材を構成するベローズ26をベロフラム44に変更
したものである。従って、本実施例の動作および特性
は、図3の実施例の場合と実質的に同一であるので説明
を省略する。
を示す。本実施例は、図3に示す実施例において、シー
ル部材を構成するベローズ26をベロフラム44に変更
したものである。従って、本実施例の動作および特性
は、図3の実施例の場合と実質的に同一であるので説明
を省略する。
【0033】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、そ
の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更が可
能である。
したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、そ
の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更が可
能である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る無漏
洩プランジャポンプは、プランジャロッドを介して往復
動するプランジャの周囲のケーシング内に、ポンプ動作
を行うポンプ室を画定したプランジャポンプにおいて、
前記プランジャは、プランジャロッドに接続される大径
プランジャ部分とこれに連続する小径プランジャ部分と
から形成し、前記ポンプ室はプランジャロッドの周面お
よび大径プランジャ部分の一側面によって設定される第
1吸込室と大径プランジャ部分の他側面および小径プラ
ンジャ部分の周面によって設定される加圧室と並びに小
径プランジャ部分の端面によって設定される第2吸込室
とから形成し、そして前記第1および第2吸込室は互い
に連通すると共に、さらに第1吸込室はポンプ吸込口お
よび吸込弁に連通し、一方加圧室は吸込弁および吐出弁
によって設定される吐出導管部に連通し、前記プランジ
ャロッドは第1吸込室の貫通部をベローズおよび/また
はベロフラムからなる可撓性シール部材でシールするよ
う構成したことにより、言い換えれば、本発明の無漏洩
プランジャポンプは、プランジャポンプとシール部材と
を組み合わせ、しかもシール部材に対する油圧室等の設
備を不要とするよう構成したことにより、従来のグラン
ドパッキング方式とは異なり、軸貫通シール部を有しな
いことから、取扱液の漏洩を発生することのないプラン
ジャポンプを得ることができる。
洩プランジャポンプは、プランジャロッドを介して往復
動するプランジャの周囲のケーシング内に、ポンプ動作
を行うポンプ室を画定したプランジャポンプにおいて、
前記プランジャは、プランジャロッドに接続される大径
プランジャ部分とこれに連続する小径プランジャ部分と
から形成し、前記ポンプ室はプランジャロッドの周面お
よび大径プランジャ部分の一側面によって設定される第
1吸込室と大径プランジャ部分の他側面および小径プラ
ンジャ部分の周面によって設定される加圧室と並びに小
径プランジャ部分の端面によって設定される第2吸込室
とから形成し、そして前記第1および第2吸込室は互い
に連通すると共に、さらに第1吸込室はポンプ吸込口お
よび吸込弁に連通し、一方加圧室は吸込弁および吐出弁
によって設定される吐出導管部に連通し、前記プランジ
ャロッドは第1吸込室の貫通部をベローズおよび/また
はベロフラムからなる可撓性シール部材でシールするよ
う構成したことにより、言い換えれば、本発明の無漏洩
プランジャポンプは、プランジャポンプとシール部材と
を組み合わせ、しかもシール部材に対する油圧室等の設
備を不要とするよう構成したことにより、従来のグラン
ドパッキング方式とは異なり、軸貫通シール部を有しな
いことから、取扱液の漏洩を発生することのないプラン
ジャポンプを得ることができる。
【0035】また、本発明に係る無漏洩プランジャポン
プは、従来のダイアフラム方式とは異なり、前記油圧室
およびそのエア抜き等の付属設備を必要としないことか
ら、構造が簡単となり、特にそのメンテナンスが容易と
なる。
プは、従来のダイアフラム方式とは異なり、前記油圧室
およびそのエア抜き等の付属設備を必要としないことか
ら、構造が簡単となり、特にそのメンテナンスが容易と
なる。
【0036】しかも、本発明の無漏洩プランジャポンプ
は、そのポンプ室が、加圧室の両側に第1および第2の
吸込室をそれぞれ配置するよう構成すると共に、そのプ
ランジャロッドをシールするシール部材には、ほぼ一定
圧力の低脈動状態からなる吸込圧が、吐出圧力とは無関
係に反転することなく常に一定方向から負荷されるよう
構成されているので、ポンプ動作が安定し、その定量性
並びにその他の特性を向上し得ると共に、シール部材の
耐用寿命並びに信頼性を向上することができる利点を有
する。
は、そのポンプ室が、加圧室の両側に第1および第2の
吸込室をそれぞれ配置するよう構成すると共に、そのプ
ランジャロッドをシールするシール部材には、ほぼ一定
圧力の低脈動状態からなる吸込圧が、吐出圧力とは無関
係に反転することなく常に一定方向から負荷されるよう
構成されているので、ポンプ動作が安定し、その定量性
並びにその他の特性を向上し得ると共に、シール部材の
耐用寿命並びに信頼性を向上することができる利点を有
する。
【図1】本発明に係る無漏洩プランジャポンプの一実施
例を示す断面図である。
例を示す断面図である。
【図2】図1に示す無漏洩プランジャポンプの吐出およ
び吸込み特性を示す波形図である。
び吸込み特性を示す波形図である。
【図3】本発明に係る無漏洩プランジャポンプの別の実
施例を示す断面図である。
施例を示す断面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】本発明に係る無漏洩プランジャポンプのさらに
別の実施例を示す断面図である。
別の実施例を示す断面図である。
10 プランジャロッド
12 プランジャ
14 大径プランジャ部分
16 小径プランジャ部分
18 ケーシング
20 第1吸込室
22 加圧室
24 第2吸込室
26 ベローズ
28 吸込連通部
30 吸込口
32 吸込弁
34 吐出弁
36 吐出導管部
38 吐出口
40 ピストン
42 吸込連通部
44 ベロフラム
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F04B 5/00
F04B 11/00
Claims (3)
- 【請求項1】 プランジャロッドを介して往復動するプ
ランジャの周囲のケーシング内にポンプ動作を行うポン
プ室を画定し、前記プランジャは、プランジャロッドに
接続される大径プランジャ部分とこれに連続する小径プ
ランジャ部分とからなり、前記ポンプ室はプランジャロ
ッドの周面および大径プランジャ部分の一側面および可
撓性シール部材面によって設定される第1吸込室と大径
プランジャ部分の他側面および小径プランジャ部分の周
面によって設定される加圧室と、並びに小径プランジャ
部分の端面によって設定される第2吸込室とからなり、
前記第1および第2吸込室は互いに連通すると共に、さ
らに第1吸込室はポンプ吸込口および吸込弁に連通して
おり、一方加圧室は吸込弁および吐出弁によって設定さ
れる吐出導管部に連通しており、そして前記プランジャ
ロッドは第1吸込室の貫通部をベローズおよび/または
ベロフラムからなる可撓性シール部材でシールする無漏
洩プランジャポンプにおいて、 吐出工程における吐出配管部からの1ストローク当りの
総吐出量Qd 、並びに吐出、吸込工程における吸込配管
部からの1ストローク当りの総各吸込量Qs1、Qs2およ
び全工程における全吸込量Qs は、それぞれ Qd=π(A 2 −B 2 )L/4 Qs1=π(A 2 −B 2 −D 2 )L/4 Qs2=πD 2 L/4 Qs=π(A 2 −B 2 )L/4 であり、ここで、A:大径プランジャ直径、B:小径プ
ランジャ、D:ベローズ有効径、L:ポンプストローク
長で表される微小流量可能な無漏洩プランジャポンプ 。 - 【請求項2】 シール部材の有効径は、大径および小径
プランジャ部分のそれぞれの径の中間寸法である請求項
1記載の無漏洩プランジャポンプ。 - 【請求項3】 吐出圧を受けないシール部材から第1吸
込室の反対側のプランジャロッド上に、シール部材の有
効径と同径のピストンを設けることにより密閉室を形成
させ、このピストンとシール部材との間に非圧縮性流体
を封止してなる請求項1または2記載の無漏洩プランジ
ャポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06801393A JP3376004B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | 無漏洩プランジャポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06801393A JP3376004B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | 無漏洩プランジャポンプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06280741A JPH06280741A (ja) | 1994-10-04 |
JP3376004B2 true JP3376004B2 (ja) | 2003-02-10 |
Family
ID=13361533
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06801393A Expired - Fee Related JP3376004B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | 無漏洩プランジャポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3376004B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4919548B2 (ja) * | 2001-07-17 | 2012-04-18 | 株式会社ナカリキッドコントロール | プランジャポンプ |
JP7051412B2 (ja) * | 2017-12-13 | 2022-04-11 | Nittoku株式会社 | プランジャポンプ |
-
1993
- 1993-03-26 JP JP06801393A patent/JP3376004B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06280741A (ja) | 1994-10-04 |
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