JP3370274B2 - 熱的制限値監視装置 - Google Patents

熱的制限値監視装置

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JP3370274B2
JP3370274B2 JP14104398A JP14104398A JP3370274B2 JP 3370274 B2 JP3370274 B2 JP 3370274B2 JP 14104398 A JP14104398 A JP 14104398A JP 14104398 A JP14104398 A JP 14104398A JP 3370274 B2 JP3370274 B2 JP 3370274B2
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    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、沸騰水型原子炉
(BWR)プラントにおいて、燃料の熱的制限値をオン
ラインで監視する熱的制限値監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉内に装荷される燃料は、通常の運
転時、および故障や誤操作による異常時にも、健全性が
維持されなければならない。そこで、燃料を破損させず
安全に運転するための運転制限範囲が決められており、
これを逸脱しないように炉心流量や制御棒操作によって
出力を制御している。運転制限範囲は、発熱により燃料
破損が発生しない上限値である熱的制限値によって決め
られる。熱的制限値には、最小限界出力比(MCPR)
と、最大線出力密度(MLHGR)がある。MCPR
は、燃料破損の原因となる冷却水の沸騰遷移を発生させ
る燃料集合体の出力(限界出力)と、実際の燃料集合体
の出力の比である限界出力比(CPR)の最小値を示
す。MLHGRは、燃料棒の単位長さ当たりの発生出力
(LHGR)の炉心内における最大値であり、燃料集合
体自らの発熱によって燃料被覆管が歪まないか否かを把
握するために用いる。原子力プラントの運転にあたって
は、これらの熱的制限値を超えないようにしなければな
らない。
【0003】近年、運転を開始した改良型BWR(AB
WR)プラントにおいては、複数の制御棒を同時に駆動
するなど複雑な制御棒操作が要求される。具体的には、
制御棒引抜き操作時に、引抜き対象の制御棒周りの出力
が局所的に短時間で大きくなることを防止するためロッ
ドブロックモニタが機能する。ロッドブロックモニタで
は、引抜きによる出力上昇に対して制限レベルが3段階
で設定され、従来のBWRプラントでは出力が制限レベ
ルに達する度に運転員が炉内状況を確認してセットアッ
プと呼ばれる制限レベルの引き上げ操作が必要となる。
【0004】このように制御棒操作が煩雑となるため、
ABWRプラントでは制御棒操作および炉心流量制御を
自動化して自動出力調整運転を可能にし、運転員の手動
でのセットアップ操作を不要としている。ただし、この
自動出力調整運転は、上記の熱的制限値が安全な範囲に
あることが前提となっている。このため、自動出力調整
運転時には、熱的制限値を常に監視しなくてはならな
い。そこで、炉心を複数の領域に分割し、各領域ごとに
限界出力比(CPR)、線出力密度(LHGR)をオン
ラインで監視する熱的制限値監視装置が設けられてい
る。熱的制限値監視装置は、熱的制限値が許容範囲内で
ある時に、ロッドブロックモニタに対してセットアップ
を許可するセットアップ信号を出力し続け、熱的制限値
が許容範囲を逸脱した時には、ロッドブロックモニタへ
のセットアップ信号の出力を停止し、制御棒制御手段へ
は自動出力調整運転の解除信号を出力する。
【0005】熱的制限値監視装置の例としては、特開平
05−134080があげられ、プロセスコンピュータ
の炉心性能計算とリンクさせて、熱的制限値に対する運
転余裕度が小さい時には、熱的制限値の監視演算を短周
期で行い、運転余裕度が大きい時には、監視演算を長周
期で行うようにしている。上記公知例では熱的制限値監
視装置の演算内容については詳述されていないが、次の
ようなものであることがわかっている。熱的制限値監視
装置においては、炉心内各所に設けられた局所領域中性
子モニタ(LPRM)検出器の出力信号と、炉心流量、
すべての制御棒位置、およびプロセスコンピュータの炉
心性能計算結果を取り込んで、これらのデータから熱的
制限値を概算し、熱的制限値を逸脱したか否かを判定す
る。具体的には、プロセスコンピュータの炉心性能計算
結果から精度良く算出された熱的制限値を初期値として
入力し、各領域ごとに領域内に設置されているLPRM
検出器出力の平均値を求め、プロセスコンピュータの炉
心性能計算時のLPRM検出器の出力値との比をとり、
これに炉心流量、制御棒位置の要素からなる係数を掛け
合わせCPR、およびLHGRを求め、これが初期値に
よって定められた設定値を超えた時に熱的制限値を超え
たと判定する。即ち、各領域ごとに炉心性能計算時のC
PRとLHGRに対して、最新時刻のCPRとLHGR
の時間的な変化量をLPRM検出器の出力変化から算
出、この変化量をもとに熱的制限値を超えたか否かを判
断している。
【0006】近年、ウラン資源の有効利用とエネルギー
セキュリティ確保の観点から、軽水炉でのプルトニュウ
ム利用(プルサーマル)計画が進められている。今後、
稼働中のBWRプラント、およびABWRプラントで
は、取替燃料の1/3程度までをウランとプルトニュウ
ムの混合酸化物(MOX)燃料とし、更には炉心内のす
べてをMOX燃料にすることも考えられている。MOX
燃料は、ウラン燃料と比べてプルトニュウム量が多く、
プルトニュウムの核特性の違いが炉心特性に影響を及ぼ
す。プルトニュウムはウランに比べて遅発中性子の割合
が小さく、中性子吸収断面積が大きい。つまり、冷却水
のボイド量変化時の出力変化量が大きくなる。これは、
ボイド係数が大きいことを意味しており、高出力時の中
性子のゆらぎ量、即ちLPRM検出器出力の変動が大き
くなる。このゆらぎ量をシミュレーションで評価する
と、炉心内すべてをMOX燃料としたフルMOX炉心の
場合、定格出力(100%出力)時に、±5%以上にな
ることが明らかになった。このゆらぎは、実際の炉出力
に対しては一種のノイズとして考えることができ、ゆら
ぎで105%となっても、核的には100%出力と全く
同等な状態であり、熱的にも問題無い。
【0007】また、ウラン燃料を用いた既存のBWRプ
ラントやABWRプラントにおいて、近年、運転サイク
ル前半で炉心流量を制御してボイド量を増やし、プルト
ニュウムを積極的に燃料に蓄積させ、運転サイクル後半
でボイド量を減らしてプルトニュウムを燃焼させて、燃
料の利用率を高めるスペクトルシフト運転が行われてい
る。このような場合、現状では、中性子のゆらぎ量は運
転サイクル前半より後半の方が大きくなり、フルMOX
炉心と同様のことがいえる。
【0008】尚、中性子束のゆらぎの抑制のために、低
周波フィルタをかける従来例には、特開昭58−229
95号、特開昭54−34882号がある。しかし、中
性子束の平均との関係の記載はない。更に、監視結果か
ら制御棒引抜き許容値の再設定に関する記載もない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】今後、ABWRプラン
トがフルMOX炉心となった場合、あるいはスペクトル
シフト運転時には、熱的制限値監視装置は、上述のよう
に定格出力時に±5%以上ゆらぎのあるLPRM検出器
の出力信号をもとにCPRとLHRGを算出する。前述
のように熱的制限値監視装置が算出するCPRとLHG
Rは、LPRM検出器の出力信号の変化に大きく影響さ
れる。従って、プロセスコンピュータによる炉心性能計
算時のLPRM検出器の出力値と、熱的制限値監視装置
によるCPR、LHGR算出時のLPRM検出器の出力
値との変化量が、ゆらぎによって大きくなる場合には、
実際のCPR、LHGRよりも過大な値として得られ、
熱的制限値を逸脱したものという誤った判断がなされ
る。
【0010】また、フルMOX炉心においては、運転サ
イクル末期にはMCPRを十数パーセント高い値に設定
し、運転制限範囲を狭くする。このため、熱的制限値監
視装置が熱的制限値を逸脱したと誤判断する可能性は一
層高まる。熱的制限値監視装置は、上記の如く逸脱と判
定した場合には、ロッドブロックモニタに対するセット
アップ信号の出力を停止し、かつ制御棒制御手段に対し
て自動出力調整運転の解除信号を出力するため、制御棒
操作は完全に手動で行わなければならず、運転員の負担
が大きくなってしまう。また、運転サイクル末期には、
燃料の燃焼を促進させるため、制御棒のパターン変更に
伴う制御棒操作を行う機会が増え、運転員の負担は更に
大きくなるという問題がある。
【0011】本発明は以上の点に鑑みてなされたもの
で、本発明の課題とするところは、フルMOX炉心にお
ける中性子ゆらぎ量の増加に伴うLPRM検出器の出力
信号の変動に影響されない熱的制限値監視装置を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、制御棒操作と
再循環流量制御によって出力制御を行うMOX燃料が装
荷された沸騰水型原子力発電プラントに用いられる熱的
制限値監視装置において、原子炉炉心部の中性子を検出
する複数の中性子検出手段と、該中性子検出手段の出力
信号の低周波信号を通過させる低域通過フィルタと、該
低域通過フィルタの出力信号を入力して複数の領域に分
割した原子炉の各領域ごとに平均中性子束を求める領域
別中性子平均手段と、前記複数の中性子検出手段の出力
信号と炉心の冷却水流量の計測値と制御棒の位置情報を
取り込んで炉心の各領域での燃料の熱的制限値を求める
熱的制限値演算手段と、該熱的制限値演算手段が求めた
演算結果と燃料の燃焼度に応じて予め決められた運転制
限範囲とを比較し、演算結果がこの運転制限範囲内であ
れば制御棒引き抜き監視装置に対して制御棒引き抜き許
容値の再設定を許可するセットアップ信号を出力し、演
算結果が運転制限範囲を超えたときには制御棒引抜き監
視装置に対して制御棒引抜き許容値の再設定を許可する
セットアップ信号の出力を停止する比較手段と、を具備
することを特徴とする熱的制限値監視装置を開示する。
また本発明は、制御棒操作と再循環流量制御によって出
力制御を行うMOX燃料が装荷された沸騰水型原子力発
電プラントに用いられる熱的制限値監視装置において、
原子炉炉心部の中性子を検出する複数の中性子検出手段
と、該中性子検出手段の出力信号の低周波信号を通過さ
せる低域通過フィルタと、該低域通過フィルタの出力信
号を入力して複数の領域に分割した原子炉の各領域ごと
に平均中性子束を求める領域別中性子平均手段と、前記
複数の中性子検出手段の出力信号と炉心の冷却水流量の
計測値と制御棒の位置情報を取り込んで炉心の各領域で
の燃料の熱的制限値を求める熱的制限値演算手段と、該
熱的制限値演算手段が求めた演算結果と燃料の燃焼度に
応じて予め決められた運転制限範囲とを比較し、演算結
果がこの運転制限範囲内であれば制御棒引き抜き監視装
置に対して制御棒引き抜き許容値の再設定を許可するセ
ットアップ信号を出力し、演算結果が運転制限範囲を超
えたときには制御棒引抜き監視装置に対して制御棒引抜
き許容値の再設定を許可するセットアップ信号の出力を
停止する比較手段と、を具備することを特徴とする熱的
制限値監視装置を開示する。また、更に本発明は、制御
棒操作と再循環流量制御によって出力制御を行うMOX
燃料が装荷された沸騰水型原子力発電プラントに用いら
れる熱的制限値監視装置において、原子炉炉心部の中性
子を検出する複数の中性子検出手段と、該中性子検出手
段の出力信号を標本化して取り込むサンプリング手段
と、該サンプリング手段の取り込んだ前記中性子検出手
段の標本化信号の複数個のものを相互に比較し中間値を
選択し出力する中間標本値選択手段と、該中間標本値選
択手段の出力信号を入力して複数の領域に分割した原子
炉の各領域ごとに平均中性子束を求める領域別中性子平
均手段と、前記複数の中性子検出手段の出力信号と炉心
の冷却水流量の計測値と制御棒の位置情報を取り込んで
炉心の各領域での燃料の熱的制限値を求める熱的制限値
演算手段と、該熱的制限値演算手段が求めた演算結果と
燃料の燃焼度に応じて予め決められた運転制限範囲とを
比較し、演算結果がこの運転制限範囲内であれば制御棒
引き抜き監視装置に対して制御棒引き抜き許容値の再設
定を許可するセットアップ信号を出力し、演算結果が運
転制限範囲を超えたときには制御棒引抜き監視装置に対
して制御棒引抜き許容値の再設定を許可するセットアッ
プ信号の出力を停止する比較手段と、を具備することを
特徴とする熱的制限値監視装置を開示する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。各図の番号の等しい部分は相当
部を示す。図1に本発明の一実施例である熱的制限値監
視装置とその関連システムの全体構成を示す。
【0014】図1では、原子炉圧力容器7に覆われた炉
心8の内部に燃料集合体10と、燃料の燃焼度を制御す
る制御棒11、および炉心8内の各所に複数個設置した
LPRM検出器9−1〜9−nからなる原子炉の熱的制
限値を監視するシステムの構成を表している。制御棒1
1は制御棒駆動手段6によって、炉心8の垂直方向に駆
動され、駆動手段6は制御棒制御手段5からの駆動指令
によって制御される。炉心8を構成している燃料集合体
10、および制御棒11は、図1では一つずつしか示し
ていないが、それぞれ複数個あり、その個数は原子炉の
トータル出力によって様々である。
【0015】燃料集合体10と制御棒11、およびLP
RM検出器9−1〜9−nの位置関係は図2のようにな
っている。4体の燃料集合体10の間に制御棒11が入
り、1体の燃料集合体のコーナー部分にLPRMストリ
ング90(図1では省略)があり、LPRMストリング
90の内側にLPRM検出器9−1−A〜9−1−Dが
垂直方向に4つ設置され、LPRM検出器ケーブル91
によってこれら4つのLPRM検出器の出力信号を外部
の制御装置に伝える。
【0016】炉心の水平方向の燃料集合体と制御棒、L
PRMストリングの位置関係は図3のようになり、複数
の燃料集合体、制御棒、LPRMストリングが組み合わ
されている。すべてのLPRMストリングでも、垂直方
向に4つのLPRM検出器を設置しており、それらの設
置間隔は同じである。すべてのLPRMストリングで、
LPRM検出器9−1−Aと同じ高さに設置したLPR
M検出器をAレベル、LPRM検出器9−1−Bと同じ
高さに設置したLPRM検出器をBレベル、LPRM検
出器9−1−Cと同じ高さに設置したLPRM検出器を
Cレベル、LPRM検出器9−1−Dと同じ高さに設置
したLPRM検出器をDレベルの検出器グループとし
て、炉心の垂直方向の出力分布と熱的制限値を把握す
る。また、炉心の水平方向に対しては、図3でハッチン
グした太線で囲んだ監視領域に分割して熱的制限値を監
視する。即ち、熱的制限値は、垂直方向にはAレベル、
Bレベル、Cレベル、Dレベルの4分割で、水平方向に
は図3の領域で分割して、この垂直方向と水平方向の分
割の境界線で囲まれた部分を別々に局部的に監視する。
また、それぞれの領域は、幾つかのLPRM検出器が局
部の出力を検出するように割り当てられている。
【0017】図1に示したシステムの構成では、各LP
RM検出器9−1−A〜9−n−Dの出力信号を出力領
域中性子モニタ2に入力し図示していない平均演算機能
で平均演算して平均出力を求め、これを原子炉出力とし
て監視する。ここで得た原子炉出力は、原子炉トリップ
の判定に用いられ、規定のトリップ値(出力領域では1
18%)に達したらトリップ信号を原子炉保護系に出力
する。このため、原子炉出力を算出する平均演算とトリ
ップ判定を高速(既存ABWRプラントの仕様では90
ms以内)に行う必要があり、この処理系統に他の演算
処理を付加すると応答速度が仕様を満足できなくなるた
め、以下に説明する熱的制限値監視やロッドブロックモ
ニタの機能とは独立させた処理系統にしなければならな
い。
【0018】出力領域中性子モニタ2で求めた平均出力
は、上記の如くトリップ判定の処理系統とは別に、ロッ
ドブロックモニタ3とプロセスコンピュータ4に入力さ
れる。出力領域中性子モニタ2からは平均出力の他に各
LPRM検出器9−1−A〜9−n−Dの出力信号と炉
心8内の冷却水の総流量値を示す炉心流量信号が、制御
棒制御手段5からは全制御棒の位置を示す制御棒位置情
報が、ロッドブロックモニタ3とプロセスコンピュータ
4、および熱的制限値監視装置1に出力される。
【0019】上記の各入力信号・情報をもとに、ロッド
ブロックモニタ3では制御棒引抜きの可否を判断し、プ
ロセスコンピュータ4では炉心性能計算を行う。ロッド
ブロックモニタ3の制御棒引抜き可否は、図4の制限レ
ベルに従う。制限レベルは、RBM値とも呼ばれ、運転
員が引抜き対象として選択した制御棒周りの複数のLP
RM検出器出力(局部出力)と炉心流量の関係で、低位
置、中間位置、正位置の3段階に設定される。
【0020】手動で制御棒操作する場合、選択した制御
棒を引抜いていくと局部出力レベルが徐々に上昇し、ま
ず低位置より2%低いレベルに達すると制御棒は一旦停
止する。運転員は、この時の炉心状態を確認して、危険
がないと判断した場合にセットアップ操作を行う。この
セットアップ操作によって、制限レベルは中間位置に再
設定され、更なる制御棒引抜きが可能となり、運転員が
制御棒引き抜きを継続して行うと、また局部出力レベル
が上昇し中間位置の2%手前で再度、制御棒が停止す
る。この時も運転員は炉心状態の安全を確認して、セッ
トアップ操作を行い、これによって制限レベルが正位置
に再々設定され、更なる制御棒引抜きが可能となる。
【0021】このような制御棒引抜き操作を自動で行う
場合、熱的制限値監視装置1によるCPRとLHGRの
監視結果から、運転制限範囲を逸脱しなければ、熱的制
限値監視装置1からロッドブロックモニタ3に対してセ
ットアップ操作に相当するセットアップ信号を連続的に
出力する。この場合、制御棒は制限レベルの2%手前で
停止することなく、正位置まで連続的に引抜かれ、運転
員の手動操作は必要としない。ここで、熱的制限値監視
装置1によるCPRとLHGRの監視結果から、運転制
限範囲を逸脱したと判定された場合は、セットアップ信
号の出力を停止し、かつ制御棒制御手段5に対して自動
出力調整運転を禁止する自動モード解除信号を出力する
ことによって、すべての制御棒操作を手動にする。
【0022】熱的制限値監視装置1は、図1のように各
LPRM検出器の出力信号を入力している。この各LP
RM検出器の出力信号は、前述の監視領域ごとの出力レ
ベルを平均演算する領域中性子束平均演算手段12に入
力され、領域中性子束平均演算手段12の出力は、ロー
パスフィルタ13に入力される。ローパスフィルタ13
は、領域中性子束平均値の低周波成分のみを通過させ
る。ローパスフィルタ13の出力信号は、CPR演算器
14とLHGR演算器15によって熱的制限値が算出さ
れる。CPR演算器14とLHGR演算器15のそれぞ
れの演算結果は、判定器16、判定器17で運転制限範
囲を逸脱しているか否かを判定され、それぞれの判定結
果20a、20bとしてORゲート18に入力される。
判定結果20a、20bのいずれかが「逸脱」であれ
ば、監視結果20cが「逸脱」になり、これが制御棒制
御手段5に対しては自動モード解除信号を意味し、ロッ
ドブロックモニタ3に対しては、NOTゲートでセット
アップ信号がネゲートされ、非セットアップとなりセッ
トアップ信号の出力が停止状態となる。
【0023】熱的制限値監視装置1をより詳細に示すと
図5のようになる。熱的制限値監視装置1では、出力領
域中性子モニタ2から各LPRM検出器出力9−1−A
〜9−n−Dと炉心流量信号を取り込んでいる。前述の
ように熱的制限値は、炉心を水平方向を複数の領域に分
割して、更にそれぞれの領域で垂直方向にLPRM検出
器出の設置レベル(Aレベル〜Dレベル)ごとに監視す
る。このため、炉心の水平方向の領域の中性子束平均値
を求める領域中性子束平均演算手段12では、中性子束
平均演算器12−A〜12−Dを用いてAレベル、Bレ
ベル、Cレベル、Dレベルごとに別々に中性子束平均値
を求める。
【0024】中性子束平均演算器12−A〜12−Dの
出力は、それぞれのレベルごとにローパスフィルタ13
−A〜13−Dで低周波成分のみを通過させる。ここ
で、ローパスフィルタ13−B〜13−Dの出力はCP
R演算器14に、ローパスフィルタ13−A〜13−D
の出力はLHGR演算器15に入力する。CPR演算器
14では、水平方向の領域ごとにCPRを求めるため、
ローパスフィルタ13−B〜13−Dの出力をすべて加
算する。ここで、中性子束の変化が小さい炉心最下部の
Aレベルの中性子束平均値は、CPR値の変化への影響
も少ないため、演算処理の高速化のためCPR演算の対
象から除外している。一方、LHGR演算器15では、
燃料の単位長さ当たりの出力を求めるため、ローパスフ
ィルタ13−A〜13−Dの出力を取り込んで垂直方向
すべてのレベルについて別々に演算する。以下に、CP
R演算器14とLHGR演算器15の演算内容を示す。
以下の説明では、各ローパスフィルタの出力を単にLP
RM出力と呼ぶことにする。
【0025】CPR演算器14では、上記の如く水平方
向の監視領域ごとに演算する。まず、監視領域を囲むL
PRM出力の平均値を求める。この平均値をLPAV0
とし、LPAV0算出のためにLPRM出力を取り込ん
だ時刻をt0とする。次に、時刻t1に取り込んだLP
RM出力を用いて平均値LPAVを求める。ここで、算
出したLPAV0とLPAVにより(数1)の計算を行
う。
【数1】 CPRat=(LPAV0/LPAV)・Af・MCPR (数1)において、CPRatはCPR演算器が算出した
CPRを示し、Afは炉心の出力分布、クォリティ変化
による影響を補正するため時刻t0、t1での制御棒位
置、炉心流量から導き出す係数、MCPRはプロセスコ
ンピュータ4が炉心性能計算で求めた値を入力したもの
である。
【0026】次に、運転制限値(OLMCPR)に対す
るCPRatを相対値で表したFLCPRを(数2)によ
って求める。
【数2】FLCPR=OLMCPR/CPRat OLMCPRは、図6のように炉心流量に応じてCPR
演算器14で決定される。FLCPRは、判定器16に
送出され、FLCPR≧1.0の条件が成立するか否か
を判定、各領域のいづれかでこの条件が成立した場合に
は運転制限範囲を逸脱したとする。
【0027】次に、LHGR演算器15の演算内容につ
いて説明する。LHGR演算器15では、水平方向の監
視領域を垂直方向の各レベルごとに次のような演算を実
施する。まず、時刻t0′におけるLPRM出力の平均
値LPAP0を求め、これを初期値とする。次に、時刻
t1′におけるLPRM出力の平均値LPAPを求め、
(数3)の計算を行う。
【数3】LHGRat=(LPAP/LPAP0)・Bf
・MLHGR Bfは、制御棒動作による局所的出力変化を補正するた
め、時刻t0′、t1′の制御棒位置から導き出す係数
である。(数3)のLHGRatを燃料の燃焼度によって
決められたMCPR(プロセスコンピュータ4から入
力)と比較するため、(数4)で相対値FLPDを求め
る。
【数4】FLPD=LHGRat/MCPR この結果は判定器17に出力され、各領域のいづれかで
FLPD≧1.0が成立していれば、運転制限範囲を逸
脱したと判定される。
【0028】上述したように、CPR、LHGRの演算
においては、(数1)、(数3)からわかるように、L
PRM出力平均の初期値LPAV0、LPAP0に対す
る時間的なLPRM出力平均の変化量を評価して、運転
制限範囲の逸脱の判定がなされている。このため、LP
RM出力の変化量が大きいと運転制限範囲を逸脱する可
能性が非常に高くなる。従って、MOX燃料を用いるこ
とによって中性子束のゆらぎ量が大きくなると、各LP
RM検出器の出力信号の変化量も大きくなるため運転制
限範囲を逸脱しやすくなり、ロッドブロックモニタ3の
セットアップ、自動出力調整運転が解除される頻度が増
加する。MOX燃料によるゆらぎは、各LPRM検出器
が個々に検出するが、炉心特性から、ゆらぎの位相はほ
ぼ同相であることがわかっており、領域中性子束平均演
算手段12で平均処理してもゆらぎ成分はほとんど除去
できない。そこで、MOX燃料によるゆらぎの周波数成
分が、本来の中性子束信号の周波数成分(出力領域で
は、ほとんど直流に等しい低周波)より高いことから、
ローパスフィルタ13−A〜13−Dの遮断周波数を1
〜10Hzのいずれかに設定して、ゆらぎ成分を除去す
る。熱的制限値の演算におけるローパスフィルタ13−
A〜13−Dの効果を具体的に説明する。
【0029】図7に、ローパスフィルタが有る場合と無
い場合のLPRM検出器の出力信号を示す。CPR演算
器14で、時刻t0におけるLPRM検出器の出力を取
り込んでLPAV0を、時刻t1におけるLPRM検出
器の出力を取り込んでLPAVを、それぞれ求めたとす
る。ローパスフィルタがない場合、LPAV0は95
%、LPAVは105%である。これを(数1)に代入
すると、CPRatは0.9Af・MCPRとなり、(数
2)のFLCPRは、ゆらぎのレベル変化量が0%であ
る時(LPAV0=LPAV)に比べて1/0.9倍と
なる。解析によればフルMOX炉心では、運転サイクル
末期のOLMCPRを1.36程度とし、CPRが約
1.44になると予想されている。これらの数値と上記
LPAV0とLPAVの比を用いて(数2)でFLCP
Rを求めると、1.05となり、運転制限範囲逸脱の判
定条件FLCPR≧1.0が成立し、自動での制御棒の
セットアップ操作をはじめとする自動出力調整運転がで
きなくなる。
【0030】ローパスフィルタが有る場合、LPAV0
は99%、LPAVは101%となるため、FLCPR
はLPAV0とLPAVが等しい場合と比べて1/0.
98倍となる。そこで、ローパスフィルタが無い場合と
同様に(数2)にフルMOX炉心のサイクル末期のOL
MCPRとCPR、LPAV0とLPAVの比を代入し
てFLCPRを求めると0.96となり、FLCPR≧
1.0は成立せず、運転制限範囲を逸脱していないと判
定される。このため、セットアップ操作をはじめとする
自動出力調整運転を継続できる。
【0031】LHGR演算器15でも同様である。LP
RM検出器出力が最大である時に初期値LPAP0を求
め、LPRM検出器出力が最小である時にLPAPを求
めたとする。その結果、ローパスフィルタが無い場合
は、LPAP0は105%、LPAPは95%となる。
これを(数3)に代入すると、LHGRatはLPAP0
とLPAPが等しい場合に比べ、1.11倍となる。解
析により、フルMOX炉心のLHGRは約12.5kw
/ft、MLHGRは約13.4kw/ftであると予
想される。これらの数値を用いれば(数4)のFLPD
は1.04となり、運転制限範囲逸脱の条件であるFL
PD≧1.0が成立する。
【0032】ローパスフィルタが有る場合、LPAP0
は101%、LPAPは99%となる。(数3)より、
LHGRatはLPAP0とLPAPが等しい場合に比
べ、1.02倍となる。これより(数4)のFLPDを
求めると、0.95となり運転制限範囲逸脱の条件であ
るFLPD≧1.0が成立しない。以上のことから、熱
的制限値監視装置1に、ローパスフィルタを設けること
によってLPRM検出器の出力のゆらぎで熱的制限値を
逸脱したと判定することを防止可能なことが確認でき
る。このため、MOX燃料での中性子束ゆらぎによっ
て、ロッドブロックモニタのセットアップ操作をはじめ
とする自動出力調整運転が解除されることはない。
【0033】図8は本発明の他の実施例を示したもので
あり、図1と異なる部分はローパスフィルタの設定位置
が異なっている点である。図8においては、各LPRM
検出器の出力信号を領域で中性子束平均演算を行う前に
ローパスフィルタ131に入力するものである。この構
成によれば、各LPRM検出器の出力信号に存在するゆ
らぎを個々にフィルタ処理するため、LPRM検出器の
出力信号の僅かな位相差に起因して生じる中性子束平均
演算器12−A〜12−Dの出力の極僅かなゆらぎをも
除去できる。このため厳密な熱的制限値の管理が可能に
なるという特徴がある。
【0034】図9は本発明の他の実施例を示したもので
あり、図1と異なる部分はローパスフィルタに代えて、
データサンプリング手段132と信号選択手段133を
用いた点である。図9においては、領域中性子束平均演
算手段12の出力信号をデータサンプリング手段132
で取り込む。取り込み周期は、中性子束ゆらぎの周期と
同期しないように設定する。例えば、ゆらぎの周期が
0.1秒であるとしたら、取り込み周期を0.03秒と
する。データサンプリング手段132では、このような
取り込み周期で領域中性子束平均演算手段12の出力信
号を3回以上の複数回取り込み、取り込んだデータを記
憶し、記憶した複数回分のデータを信号選択手段133
に出力する。信号選択手段133では、上記複数回分の
データの大小関係を比較し、その中間値のデータを選択
してCPR演算器14、LHGR演算器15に出力す
る。CPR演算器14、LHGR演算器15では、信号
選択手段133が選択したデータを用いて熱的制限値を
算出する。
【0035】これによって、熱的制限値の算出に用いる
データが、ゆらぎの最大値と最小値となることを防止で
き、CPR演算器14においてはLPAV0とLPAV
の比、LHGR演算器15においてはLPAP0とLP
APの比が最大となることを回避できる。即ち、LPA
V0とLPAVの変化量、LPAP0とLPAPの変化
量を少なくでき、(数2)のFLCPR、(数4)のF
LPDの値が1.0を越える可能性が減少する。換言す
れば、熱的制限値が運転制限値範囲を逸脱することを確
率的に減少させることができ、制御棒のセットアップ操
作をはじめとする自動出力調整運転が可能になる。この
実施例では、データ取り込みと信号選択による比較的単
純な処理で中性子束ゆらぎの影響を抑制できるため、熱
的制限値監視装置1のトータル演算処理をも簡素化でき
るという特徴がある。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、中性子束ゆらぎ量の増
大によって熱的制限値が運転制御範囲を逸脱するような
値になっても制御棒のセットアップ操作をはじめとする
自動出力調整運転が解除されることを防止できる。この
結果、運転サイクル末期での制御棒パターン調整などの
制御棒操作を定格出力のまま自動で行え、運転員の負担
を軽減できる。特に、ウランとプルトニュームの混合酸
化物(MOX)燃料の沸騰水型原子力プラント、あるい
はウラン燃料であってもスペクトルシフト運転を行う沸
騰水型原子力プラントに効果がある。
【0037】また、他の発明によれば、複数の中性子検
出器間でゆらぎの位相差が生じた場合にもゆらぎを制御
し、より厳密な熱的制限値の管理が可能になる。また、
他の発明によれば、低域通過フィルタの処理を行わずゆ
らぎによにる影響を抑制するため、熱的制限値監視装置
の演算を簡素化でき、さらには高速な演算処理が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の熱的制限値監視装置と
関連システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】LPRM検出器と燃料集合体及び制御棒の位置
関係を示す図である。
【図3】熱的制限値の監視領域とLPRMストリングの
水平配置を示す図である。
【図4】ロッドブロックモニタの制限レベルを示す図で
ある。
【図5】熱的制限値監視装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図6】炉心流量に対するOLMCPRを示す図であ
る。
【図7】LPRM検出器の出力信号にローパスフィルタ
を設けた場合の特性を示す図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の熱的制限値監視装置
と関連システムの全体構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の更に他の実施の形態の熱的制限値監視
装置と関連システムの全体構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 熱的制限値監視装置 2 出力領域中性子モニタ 3 ロッドブロックモニタ 4 プロセスコンピュータ 9−1−A〜9−n−D LPRM検出器 12 領域中性子束平均演算手段 13 ローパスフィルタ 14 CPR演算器 15 LHGR演算器 16、17 判定器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−155293(JP,A) 特開 平4−335197(JP,A) 特開 平5−45490(JP,A) 特開 昭62−228199(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 17/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御棒操作と再循環流量制御によって出
    力制御を行うMOX燃料が装荷された沸騰水型原子力発
    電プラントに用いられる熱的制限値監視装置において、 原子炉炉心部の中性子を検出する複数の中性子検出手段
    と、 該中性子検出手段の出力信号を入力して複数の領域に分
    割した原子炉の各領域ごとに平均中性子束を求める領域
    別中性子平均手段と、 該領域別中性子平均手段の出力信号の低周波信号を通過
    させる低域通過フィルタと、 該低域通過フィルタの出力信号と炉心の冷却水流量の計
    測値と制御棒の位置情報を取り込んで、燃料の燃焼度に
    応じて定まる炉心の各領域での燃料の熱的制限値を求め
    る熱的制限値演算手段と、 該熱的制限値演算手段で求めた演算結果が運転制限範囲
    を逸脱しているか否かを判定し、演算結果がこの運転制
    限範囲内であれば制御棒引き抜き監視装置に対して制御
    棒引き抜き許容値の再設定を許可するセットアップ信号
    を出力し、演算結果が運転制限範囲を超えたときには制
    御棒引抜き監視装置に対して制御棒引抜き許容値の再設
    定を許可するセットアップ信号の出力を停止する比較手
    段と、を具備することを特徴とする熱的制限値監視装
    置。
  2. 【請求項2】 制御棒操作と再循環流量制御によって出
    力制御を行うMOX燃料が装荷された沸騰水型原子力発
    電プラントに用いられる熱的制限値監視装置において、 原子炉炉心部の中性子を検出する複数の中性子検出手段
    と、 該中性子検出手段の出力信号の低周波信号を通過させる
    低域通過フィルタと、 該低域通過フィルタの出力信号を入力して複数の領域に
    分割した原子炉の各領域ごとに平均中性子束を求める領
    域別中性子平均手段と、 前記複数の中性子検出手段の出力信号と炉心の冷却水流
    量の計測値と制御棒の位置情報を取り込んで、燃料の燃
    焼度に応じて定まる炉心の各領域での燃料の熱的制限値
    を求める熱的制限値演算手段と、 該熱的制限値演算手段が求めた演算結果が運転制限範囲
    を逸脱しているか否かを判定し、演算結果がこの運転制
    限範囲内であれば制御棒引き抜き監視装置に対して制御
    棒引き抜き許容値の再設定を許可するセットアップ信号
    を出力し、演算結果が運転制限範囲を超えたときには制
    御棒引抜き監視装置に対して制御棒引抜き許容値の再設
    定を許可するセットアップ信号の出力を停止する比較手
    段と、を具備することを特徴とする熱的制限値監視装
    置。
  3. 【請求項3】 前記低域通過フィルタの遮断周波数が1
    0Hz以下であることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の熱的制限値監視装置。
  4. 【請求項4】 制御棒操作と再循環流量制御によって出
    力制御を行うMOX燃料が装荷された沸騰水型原子力発
    電プラントに用いられる熱的制限値監視装置において、 原子炉炉心部の中性子を検出する複数の中性子検出手段
    と、 該中性子検出手段の出力信号を標本化して取り込むサン
    プリング手段と、 該サンプリング手段の取り込んだ前記中性子検出手段の
    標本化信号の複数個のものを相互に比較し中間値を選択
    し出力する中間標本値選択手段と、 該中間標本値選択手段の出力信号を入力して複数の領域
    に分割した原子炉の各領域ごとに平均中性子束を求める
    領域別中性子平均手段と、 前記複数の中性子検出手段の出力信号と炉心の冷却水流
    量の計測値と制御棒の位置情報を取り込んで、燃料の燃
    焼度に応じて定まる炉心の各領域での燃料の熱的制限値
    を求める熱的制限値演算手段と、 該熱的制限値演算手段で求めた演算結果が運転制限範囲
    を逸脱しているか否かを判定し、演算結果がこの運転制
    限範囲内であれば制御棒引き抜き監視装置に対して制御
    棒引き抜き許容値の再設定を許可するセットアップ信号
    を出力し、演算結果が運転制限範囲を超えたときには制
    御棒引抜き監視装置に対して制御棒引抜き許容値の再設
    定を許可するセットアップ信号の出力を停止する比較手
    段と、を具備することを特徴とする熱的制限値監視装
    置。
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