JP3369485B2 - 一酸化炭素検知用シート - Google Patents

一酸化炭素検知用シート

Info

Publication number
JP3369485B2
JP3369485B2 JP25697398A JP25697398A JP3369485B2 JP 3369485 B2 JP3369485 B2 JP 3369485B2 JP 25697398 A JP25697398 A JP 25697398A JP 25697398 A JP25697398 A JP 25697398A JP 3369485 B2 JP3369485 B2 JP 3369485B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon monoxide
monoxide detection
palladium
sulfite
sheet material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25697398A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000088757A (ja
Inventor
信夫 中野
哲也 川辺
明弘 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riken Keiki KK
Original Assignee
Riken Keiki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riken Keiki KK filed Critical Riken Keiki KK
Priority to JP25697398A priority Critical patent/JP3369485B2/ja
Publication of JP2000088757A publication Critical patent/JP2000088757A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3369485B2 publication Critical patent/JP3369485B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、大気などの気体
中に存在する一酸化炭素を呈色反応により検出するガス
検知用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体製造工程などで使用されて
いる一酸化炭素は、反応処理塔で反応や吸収により無害
なガスとされてから大気に放出される。このような反応
処理塔に収容されている処理剤は、一酸化炭素の処理量
により処理能力が低下するため、反応処理塔から排出さ
れる一酸化炭素ガスの濃度を検出して、処理剤の交換時
期が決定されている。このような濃度に低い一酸化炭素
の検出には通常、電気化学式ガスセンサーが使用されて
いるが、一酸化炭素以外のガスに対しても或程度の感度
を有するため、処理剤の交換時期を誤る等の問題があ
る。一方、高い選択性で一酸化炭素を検出するために
は、たとえば亜硫酸パラジウムカリウムを検知剤とした
一酸化炭素専用の検知管を用いることも考えられるが、
測定の度に検知管の交換が必要となり、測定の自動化が
困難であるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解消
するため、亜硫酸亜硫酸パラジウムカリウムをろ紙等の
担持体に展開して検知用シートとして構成し、反応色を
比色計等により検出することも考えられるが、検知管と
は異なって常時大気に開放されている関係上、酸素と反
応して変色するため、測定結果に誤差を生じたり、感度
に経時的変化を来す等の新たな問題が生じる。本発明は
このような問題に鑑みてなされたものであって、検出誤
差が少なく、かつ検出感度が安定な自動測定装置による
測定が可能な一酸化炭素検知用シートを提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、亜硫酸パラジウム、亜硫酸
水溶液、及びアルコール系保湿剤を担持用シート材に展
開した。
【0005】
【作用】保湿剤に保持された亜硫酸水が、空気中の酸素
と亜硫酸パラジウムとの反応を抑制してパラジウムの析
出を阻止し、もって検出誤差や検出感度の経時的変化を
防止する。
【0006】
【発明の実施の形態】そこで以下に本発明の詳細を実施
例に基づいて説明する。硫酸パラジウム(PdSO4)
0.5乃至3.0wt%、試薬級、通常亜硫酸ガスを3
5wt%以上溶解した亜硫酸水溶液を適量、この実施例
では15乃至30vol%、アルコール系保湿剤、例え
ばグリセリン10乃至30vol%を、易揮発性溶媒、
たとえばメタノールに溶解して発色液を調製する。
【0007】なお、硫酸パラジウムとしては、結晶水を
保持したPdSO4・2H2Oを使用することにより、硫
酸パラジウムをメタノールに必要十分な濃度まで溶解さ
せるに要する時間を短縮できて、発色液の調製作業の能
率が向上する。
【0008】この発色液を、担持用シート材、たとえば
セルロースを素材とするろ紙に含浸させ、必要に応じて
加温しながらエタノールを揮散させる。この担持用のシ
ート材としては、反応を促進させるために予めシリカゲ
ルやアルミナ等の微粉末が混入されたものを用いるか、
シリカゲルやアルミナ等の微粉末を発色液に混入してシ
ート材に担持させるのが望ましい。
【0009】メタノールが揮散した後においては、担持
用のシート材に亜硫酸パラジウムが0.38乃至2.2
7g/m2、またグリセリンが9.2乃至27.6g/
2が展開され、また、保湿剤として機能するグリセリ
ンの水分に亜硫酸が溶解してシート材に保持されてい
る。
【0010】このようにして構成した検知用シートに、
一酸化炭素を含むサンプリングガスを一定時間晒したと
ころ、 PdSO3+CO→Pd+CO2+SO2 なる反応により、金属パラジウムPdがシート材の表面
に析出され、一酸化炭素の濃度に比例してシート材の相
対的光学濃度が変化した。
【0011】硫酸パラジウム1wt%、亜硫酸水溶液2
0vol%、グリセリン20vol%をメタノールに溶
解した発色液を用いて製作した本発明の検知用シート、
つまり亜硫酸パラジウム0.76g/m2、グリセリン
18.4g/m2、及び亜硫酸水を展開した検知用シー
トをサンプルとし、一酸化炭素の濃度を変化させて相対
光学濃度の変化、つまりバックグランド濃度(シート材
等の地膚濃度)と一酸化炭素による濃度との差を求めた
ところ、図1に示したように、サンプリング時間5分で
10ppm程度の極めて低い一酸化炭素から100pp
mの高い濃度まで高い直線性で検出することができた。
【0012】ところで、発色液の硫酸パラジウムの濃度
が、0.5wt%(担持シート材上で0.38g/
2)よりも低い場合には一酸化炭素に対する感度が低
く、また3.0wt%(担持シート材上で2.72g/
2)以上の場合には、シート材に担持されている量の
亜硫酸では大気中の酸素と反応して生じる光学的濃度の
変化を長時間に亙って抑制することができない。
【0013】これらのことを勘案すると、発色液の硫酸
パラジウムの濃度は、0.75乃至2.75wt%、よ
り好ましくは0.9乃至1.1wt%、つまりシート材
での硫酸パラジウムとして0.38乃至2.27g/m
2、より好ましくは0.8乃至1.0g/m2の範囲とな
るように調整するのが望ましい。
【0014】比較のために、硫酸パラジウムを1wt
%、グリセリンを20vol%で一定とし、亜硫酸水溶
液の量を10、15、30、40vol%に変化させて
発色液を調製した。
【0015】この発色液により上述の検知用シート(硫
酸パラジウム0.76g/m2、グリセリン18.4g
/m2)を作成し、これを室温に維持して大気中に放置
して時間の経過と一酸化炭素に対する応答値との関係を
調査したところ、発色液における亜硫酸水溶液の濃度が
10vol%より低い場合には、溶媒であるメタノール
の揮散後には短時間の間に応答値が10%程度の変化を
生じ、しかも図2に示すように大気中の酸素等による応
答値の時間的変化、つまり検出感度の経時的変化が大き
い。
【0016】これに対して亜硫酸水溶液15vol以上
含む場合には、溶媒揮散後におけるシート材に変色がな
く、また一酸化炭素に対する応答値の経時的変化もほと
んど生じず、したがって保存性の向上を図るには、発色
液の調製の段階で亜硫酸水溶液を15vol%以上混入
しておくのが望ましい。
【0017】表1は、製造後1ヵ月間、室温で保存した
シート材のバックグランド値の変化、つまり変色の度合
を示すもので、長期間の保存には、発色液に亜硫酸水溶
液を20乃至30vol%程度含有させるのが好まし
い。このように亜硫酸水溶液を適量混入して酸素による
パラジウムの析出を可及的に防止することにより、一酸
化炭素を安定、かつ高い感度で検出することができる。
【0018】
【表1】
【0019】このように構成されたシート材は、テープ
に裁断されて自動測定装置の検知テープや、また紙片に
裁断されて検知バッジの素材として使用することができ
る。
【0020】特にテープに加工すると、図3(イ)に示
したようにテープ1をカセット2に収容して、テープ搬
送機構3により発光素子4と受光素子5を備えたサンプ
リングヘッド6に一定時間毎に搬送することが可能で、
一酸化炭素を自動的に測定することができる。このサン
プリングヘッド6は、サンプリングパイプ7を介して被
測定環境に連通されていて、パイプ8を介して吸引ポン
プに接続された吸引ヘッド9と共同してテープ1を封止
するように構成されている。
【0021】このような構成により、吸引ポンプを一定
時間作動させることにより、所定量の空気がテープ1を
通過し、一酸化炭素の濃度に比例した反応痕がテープ1
に形成される。発光素子4と受光素子5により反応痕の
相対的光学濃度を検出することにより一酸化炭素の濃度
を測定することができる。
【0022】なお、上述の実施例においては被測定流体
を、シート材を通過させて反応させているが、同図
(ロ)に示したようにシート材の一方の面を封止するキ
ャップ体10に、一側に流入口11を、他端に流出口1
2を形成し、かつ前述の発光素子と受光素子とを設けて
構成されたサンプリングヘッドを用いて、シート材の一
方の面を被測定流体が流れるようにしても同様に測定す
ることができる。
【0023】また、シート材を構成する材料としてセル
ロースを原材料とするろ紙を使用しているが、親溶媒性
を有し、かつグリセリン等の保湿剤を保持できるシート
材、たとえば多孔質化処理をされた高分子シート材を用
いても同様の作用を奏する。
【0024】さらに、易揮発性溶媒には、硫酸パラジウ
ムや亜硫酸水溶液と反応しないエタノール等も使用する
ことができ、また保湿剤には、エチレングリコール等の
多価アルコール系の材料を使用することができる。
【0025】
【発明の効果】以上、説明したように本発明において
は、亜硫酸パラジウム、亜硫酸水溶液、及びアルコール
系保湿剤を担持用シート材に展開したので、酸素による
金属パラジウムの析出を防止して、長期間にわたって変
色を防止でき、一酸化炭素を安定、かつ高い感度で検出
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一酸化炭素検知用シートの一酸化炭素
の濃度と応答値との関係を示す線図である。
【図2】同上一酸化炭素検出シート材に含有されている
発色液状態での亜硫酸水溶液の濃度をパラメータとし
た、応答値の時間的変化を示す線図である。
【図3】図(イ)、(ロ)は、それぞれ同上一酸化炭素
検出シート材をテープに整形して使用する測定装置の一
実施例を示す図と、サンプリングヘッドの他の実施例を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−79141(JP,A) 特開 昭63−206651(JP,A) 実公 昭59−29749(JP,Y1) 特表 平5−508474(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/78 G01N 31/00 G01N 31/22

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜硫酸パラジウム、亜硫酸水溶液、及び
    アルコール系保湿剤を担持用シート材に展開した一酸化
    炭素検知用シート。
  2. 【請求項2】 前記亜硫酸パラジウムが、0.38乃至
    2.27g/m2である請求項1に記載の一酸化炭素検
    知用シート。
  3. 【請求項3】 前記亜硫酸パラジウムが、0.8乃至
    1.0g/m2ある請求項1に記載の一酸化炭素検知用
    シート。
  4. 【請求項4】 硫酸パラジウム0.5乃至3.0wt
    %、亜硫酸水溶液15wt%以上、保湿剤を易揮発性溶
    媒に溶解した発色液を担持用シート材に含浸させ、前記
    溶媒を揮散させて前記担持用シート材に亜硫酸パラジウ
    ム、亜硫酸水、及び保湿剤を展開した一酸化炭素検知用
    シート。
  5. 【請求項5】 発色液が、結晶水を含有の硫酸パラジウ
    ムを0.9乃至1.1wt%含有する請求項4に記載の
    一酸化炭素検知用シート。
  6. 【請求項6】 前記硫酸パラジウムが、結晶水を保持し
    ている請求項4に記載の一酸化炭素検知用シート。
  7. 【請求項7】 前記易揮発性溶媒が、アルコール系溶媒
    である請求項4に記載の一酸化炭素検知用シート。
  8. 【請求項8】 前記保湿剤が、多価アルコールである請
    求項4に記載の一酸化炭素検知用シート。
  9. 【請求項9】 前記多価アルコールが、グリセリンであ
    る請求項4に記載の一酸化炭素検知用シート。
  10. 【請求項10】 前記シート材に反応促進用の微粉末シ
    リカゲル、またはアルミナが担持されている請求項1ま
    たは請求項4に記載の一酸化炭素検知用シート。
JP25697398A 1998-09-10 1998-09-10 一酸化炭素検知用シート Expired - Fee Related JP3369485B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25697398A JP3369485B2 (ja) 1998-09-10 1998-09-10 一酸化炭素検知用シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25697398A JP3369485B2 (ja) 1998-09-10 1998-09-10 一酸化炭素検知用シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000088757A JP2000088757A (ja) 2000-03-31
JP3369485B2 true JP3369485B2 (ja) 2003-01-20

Family

ID=17299957

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25697398A Expired - Fee Related JP3369485B2 (ja) 1998-09-10 1998-09-10 一酸化炭素検知用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3369485B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5022788B2 (ja) * 2007-06-27 2012-09-12 佐々木 洋 Co検知装置、複合検知装置及び火災警報装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000088757A (ja) 2000-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Reiszner et al. Collection and determination of sulfur dioxide incorporating permeation and West-Gaeke procedure
Natusch et al. Determination of hydrogen sulfide in air. Assessment of impregnated paper tape methods
Saltzman Preparation and Analysis of Calibrated Low Concentrations of Sixteen Toxic Gases. Ammonia, arsine, bromine, carbon dioxide, carbon monoxide, chlorine, chlorine dioxide, ethylene oxide, hydrogen chloride, hydrogen cyanide, hydrogen fluoride, monoethanolamine, nitric oxide, nitrogen dioxide, phosgene, and stibine
WO2003091724A1 (fr) Procede de mesure de la concentration en formaldehyde d'un gaz et instrument de mesure
Ertekin et al. Characterization of a reservoir-type capillary optical microsensor for pCO2 measurements
Zhou et al. Measurement of ozone concentrations in ambient air using a badge-type passive monitor
JP3485246B2 (ja) 酸化性ガス検知シート
JP3369485B2 (ja) 一酸化炭素検知用シート
Marshall et al. Potentiometric determination of sulphite by use of mercury (I) chloride-mercury (II) sulphide electrodes in flow injection analysis and in air-gap electrodes
KR20150120249A (ko) 가스 중의 포름알데히드 농도의 측정방법 및 측정장치
JP3257622B2 (ja) オゾン検知紙
JP3889989B2 (ja) ガス中のホルムアルデヒド濃度の測定方法および測定装置
Maruo et al. Development and evaluation of ozone detection paper
US5171536A (en) Colorimetric testing and measuring device for gases
Costa-Fernández et al. A critical comparison of different solid supports to develop room-temperature phosphorescence sensing phases of air moisture
Axelrod et al. Filter sampling method for atmospheric sulfur dioxide at background concentrations
Cadoff et al. Passive sampler for ambient levels of nitrogen dioxide
JP3016407B2 (ja) ガス検出器用妨害ガス除去フィルター
JP4133640B2 (ja) 硫化水素ガス検知材
JP3187235B2 (ja) ホルムアルデヒド検知紙
US7101716B2 (en) Formaldehyde detecting material
JP2000088756A (ja) 二酸化窒素検知用シート
JP4420280B2 (ja) 一酸化炭素検知用シート
JP4187159B2 (ja) ガス検知材
JPH0755792A (ja) ホルマリン検知テープ

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20021030

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111115

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111115

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111115

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141115

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees