JP3369485B2 - 一酸化炭素検知用シート - Google Patents
一酸化炭素検知用シートInfo
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Description
中に存在する一酸化炭素を呈色反応により検出するガス
検知用シートに関する。
いる一酸化炭素は、反応処理塔で反応や吸収により無害
なガスとされてから大気に放出される。このような反応
処理塔に収容されている処理剤は、一酸化炭素の処理量
により処理能力が低下するため、反応処理塔から排出さ
れる一酸化炭素ガスの濃度を検出して、処理剤の交換時
期が決定されている。このような濃度に低い一酸化炭素
の検出には通常、電気化学式ガスセンサーが使用されて
いるが、一酸化炭素以外のガスに対しても或程度の感度
を有するため、処理剤の交換時期を誤る等の問題があ
る。一方、高い選択性で一酸化炭素を検出するために
は、たとえば亜硫酸パラジウムカリウムを検知剤とした
一酸化炭素専用の検知管を用いることも考えられるが、
測定の度に検知管の交換が必要となり、測定の自動化が
困難であるという問題がある。
するため、亜硫酸亜硫酸パラジウムカリウムをろ紙等の
担持体に展開して検知用シートとして構成し、反応色を
比色計等により検出することも考えられるが、検知管と
は異なって常時大気に開放されている関係上、酸素と反
応して変色するため、測定結果に誤差を生じたり、感度
に経時的変化を来す等の新たな問題が生じる。本発明は
このような問題に鑑みてなされたものであって、検出誤
差が少なく、かつ検出感度が安定な自動測定装置による
測定が可能な一酸化炭素検知用シートを提供することに
ある。
るために本発明においては、亜硫酸パラジウム、亜硫酸
水溶液、及びアルコール系保湿剤を担持用シート材に展
開した。
と亜硫酸パラジウムとの反応を抑制してパラジウムの析
出を阻止し、もって検出誤差や検出感度の経時的変化を
防止する。
例に基づいて説明する。硫酸パラジウム(PdSO4)
0.5乃至3.0wt%、試薬級、通常亜硫酸ガスを3
5wt%以上溶解した亜硫酸水溶液を適量、この実施例
では15乃至30vol%、アルコール系保湿剤、例え
ばグリセリン10乃至30vol%を、易揮発性溶媒、
たとえばメタノールに溶解して発色液を調製する。
保持したPdSO4・2H2Oを使用することにより、硫
酸パラジウムをメタノールに必要十分な濃度まで溶解さ
せるに要する時間を短縮できて、発色液の調製作業の能
率が向上する。
セルロースを素材とするろ紙に含浸させ、必要に応じて
加温しながらエタノールを揮散させる。この担持用のシ
ート材としては、反応を促進させるために予めシリカゲ
ルやアルミナ等の微粉末が混入されたものを用いるか、
シリカゲルやアルミナ等の微粉末を発色液に混入してシ
ート材に担持させるのが望ましい。
用のシート材に亜硫酸パラジウムが0.38乃至2.2
7g/m2、またグリセリンが9.2乃至27.6g/
m2が展開され、また、保湿剤として機能するグリセリ
ンの水分に亜硫酸が溶解してシート材に保持されてい
る。
一酸化炭素を含むサンプリングガスを一定時間晒したと
ころ、 PdSO3+CO→Pd+CO2+SO2 なる反応により、金属パラジウムPdがシート材の表面
に析出され、一酸化炭素の濃度に比例してシート材の相
対的光学濃度が変化した。
0vol%、グリセリン20vol%をメタノールに溶
解した発色液を用いて製作した本発明の検知用シート、
つまり亜硫酸パラジウム0.76g/m2、グリセリン
18.4g/m2、及び亜硫酸水を展開した検知用シー
トをサンプルとし、一酸化炭素の濃度を変化させて相対
光学濃度の変化、つまりバックグランド濃度(シート材
等の地膚濃度)と一酸化炭素による濃度との差を求めた
ところ、図1に示したように、サンプリング時間5分で
10ppm程度の極めて低い一酸化炭素から100pp
mの高い濃度まで高い直線性で検出することができた。
が、0.5wt%(担持シート材上で0.38g/
m2)よりも低い場合には一酸化炭素に対する感度が低
く、また3.0wt%(担持シート材上で2.72g/
m2)以上の場合には、シート材に担持されている量の
亜硫酸では大気中の酸素と反応して生じる光学的濃度の
変化を長時間に亙って抑制することができない。
パラジウムの濃度は、0.75乃至2.75wt%、よ
り好ましくは0.9乃至1.1wt%、つまりシート材
での硫酸パラジウムとして0.38乃至2.27g/m
2、より好ましくは0.8乃至1.0g/m2の範囲とな
るように調整するのが望ましい。
%、グリセリンを20vol%で一定とし、亜硫酸水溶
液の量を10、15、30、40vol%に変化させて
発色液を調製した。
酸パラジウム0.76g/m2、グリセリン18.4g
/m2)を作成し、これを室温に維持して大気中に放置
して時間の経過と一酸化炭素に対する応答値との関係を
調査したところ、発色液における亜硫酸水溶液の濃度が
10vol%より低い場合には、溶媒であるメタノール
の揮散後には短時間の間に応答値が10%程度の変化を
生じ、しかも図2に示すように大気中の酸素等による応
答値の時間的変化、つまり検出感度の経時的変化が大き
い。
含む場合には、溶媒揮散後におけるシート材に変色がな
く、また一酸化炭素に対する応答値の経時的変化もほと
んど生じず、したがって保存性の向上を図るには、発色
液の調製の段階で亜硫酸水溶液を15vol%以上混入
しておくのが望ましい。
シート材のバックグランド値の変化、つまり変色の度合
を示すもので、長期間の保存には、発色液に亜硫酸水溶
液を20乃至30vol%程度含有させるのが好まし
い。このように亜硫酸水溶液を適量混入して酸素による
パラジウムの析出を可及的に防止することにより、一酸
化炭素を安定、かつ高い感度で検出することができる。
に裁断されて自動測定装置の検知テープや、また紙片に
裁断されて検知バッジの素材として使用することができ
る。
したようにテープ1をカセット2に収容して、テープ搬
送機構3により発光素子4と受光素子5を備えたサンプ
リングヘッド6に一定時間毎に搬送することが可能で、
一酸化炭素を自動的に測定することができる。このサン
プリングヘッド6は、サンプリングパイプ7を介して被
測定環境に連通されていて、パイプ8を介して吸引ポン
プに接続された吸引ヘッド9と共同してテープ1を封止
するように構成されている。
時間作動させることにより、所定量の空気がテープ1を
通過し、一酸化炭素の濃度に比例した反応痕がテープ1
に形成される。発光素子4と受光素子5により反応痕の
相対的光学濃度を検出することにより一酸化炭素の濃度
を測定することができる。
を、シート材を通過させて反応させているが、同図
(ロ)に示したようにシート材の一方の面を封止するキ
ャップ体10に、一側に流入口11を、他端に流出口1
2を形成し、かつ前述の発光素子と受光素子とを設けて
構成されたサンプリングヘッドを用いて、シート材の一
方の面を被測定流体が流れるようにしても同様に測定す
ることができる。
ロースを原材料とするろ紙を使用しているが、親溶媒性
を有し、かつグリセリン等の保湿剤を保持できるシート
材、たとえば多孔質化処理をされた高分子シート材を用
いても同様の作用を奏する。
ムや亜硫酸水溶液と反応しないエタノール等も使用する
ことができ、また保湿剤には、エチレングリコール等の
多価アルコール系の材料を使用することができる。
は、亜硫酸パラジウム、亜硫酸水溶液、及びアルコール
系保湿剤を担持用シート材に展開したので、酸素による
金属パラジウムの析出を防止して、長期間にわたって変
色を防止でき、一酸化炭素を安定、かつ高い感度で検出
することができる。
の濃度と応答値との関係を示す線図である。
発色液状態での亜硫酸水溶液の濃度をパラメータとし
た、応答値の時間的変化を示す線図である。
検出シート材をテープに整形して使用する測定装置の一
実施例を示す図と、サンプリングヘッドの他の実施例を
示す図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 亜硫酸パラジウム、亜硫酸水溶液、及び
アルコール系保湿剤を担持用シート材に展開した一酸化
炭素検知用シート。 - 【請求項2】 前記亜硫酸パラジウムが、0.38乃至
2.27g/m2である請求項1に記載の一酸化炭素検
知用シート。 - 【請求項3】 前記亜硫酸パラジウムが、0.8乃至
1.0g/m2ある請求項1に記載の一酸化炭素検知用
シート。 - 【請求項4】 硫酸パラジウム0.5乃至3.0wt
%、亜硫酸水溶液15wt%以上、保湿剤を易揮発性溶
媒に溶解した発色液を担持用シート材に含浸させ、前記
溶媒を揮散させて前記担持用シート材に亜硫酸パラジウ
ム、亜硫酸水、及び保湿剤を展開した一酸化炭素検知用
シート。 - 【請求項5】 発色液が、結晶水を含有の硫酸パラジウ
ムを0.9乃至1.1wt%含有する請求項4に記載の
一酸化炭素検知用シート。 - 【請求項6】 前記硫酸パラジウムが、結晶水を保持し
ている請求項4に記載の一酸化炭素検知用シート。 - 【請求項7】 前記易揮発性溶媒が、アルコール系溶媒
である請求項4に記載の一酸化炭素検知用シート。 - 【請求項8】 前記保湿剤が、多価アルコールである請
求項4に記載の一酸化炭素検知用シート。 - 【請求項9】 前記多価アルコールが、グリセリンであ
る請求項4に記載の一酸化炭素検知用シート。 - 【請求項10】 前記シート材に反応促進用の微粉末シ
リカゲル、またはアルミナが担持されている請求項1ま
たは請求項4に記載の一酸化炭素検知用シート。
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JP25697398A JP3369485B2 (ja) | 1998-09-10 | 1998-09-10 | 一酸化炭素検知用シート |
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- 1998-09-10 JP JP25697398A patent/JP3369485B2/ja not_active Expired - Fee Related
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