JP3369479B2 - パン生地処理装置及び方法 - Google Patents

パン生地処理装置及び方法

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JP3369479B2 JP21746098A JP21746098A JP3369479B2 JP 3369479 B2 JP3369479 B2 JP 3369479B2 JP 21746098 A JP21746098 A JP 21746098A JP 21746098 A JP21746098 A JP 21746098A JP 3369479 B2 JP3369479 B2 JP 3369479B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パン生地処理装置
に関するもので、特に、パン生地を処理するための処理
室と、処理室から流出した空気を加熱するための空気加
熱部とを有し、空気加熱部の動作を制御することができ
るように構成したパン生地処理装置に関する。更に、本
発明は、パン生地処理方法に関するもので、特に、パン
生地を処理するための処理室と、処理室から流出した空
気を加熱するための空気加熱部とを有するパン生地処理
装置を用い、処理室内の温度の状態を演算し、流路内の
温度の状態を演算して、これらの演算結果により空気加
熱部の動作を制御するパン生地処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のパン生地を解凍し、蘇生する方法
及び装置においては、ヒータ等により解凍蘇生庫の温度
を40乃至150°Cとし、パイプ状のスチーム供給管
に穿設した複数個の小孔からスチームを庫内に導入して
庫内湿度を80乃至100%に保持し、ファン等により
庫内の空気を攪拌して、庫内温度及び湿度を均一化して
いた。例えば、特公昭63−24654号公報に従来の
パン生地を解凍し、蘇生する方法及び装置が開示されて
いる。また、収納庫本体の内部を、扉を介して個々に開
閉される複数の部屋に分割し、各部屋に冷却手段と加熱
手段を設け、凍結食品生地の冷凍保存から発酵までを、
同一の収納状態のまま、電気的制御の下で自動的に連続
して行う収納庫が知られている。例えば、特開平2−2
49446号公報に従来の凍結食品生地の収納庫が開示
されている。
【0003】更に、従来の冷凍パン生地の解凍と発酵方
法及び解凍・発酵装置においては、冷凍パン生地を温度
−5〜+10°C、湿度90〜100%、風速0.2m
/s以下で、10分〜72時間かけて解凍し、湿度90
〜100%、風速0.2m/s以下で、温度15〜+2
0°Cで1時間20分〜2時間10分かけて予熱し、温
度22〜+38°C、湿度65〜100%、風速0.2
m/s以下の状態を20分〜3時間保持していた。例え
ば、特開平5−64539号公報に従来の冷凍パン生地
の解凍と発酵方法及び解凍・発酵装置が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のパン生
地の蘇生(発酵)装置及び方法では、蘇生(発酵)装置
内の温度をパン生地の処理に適した温度範囲内に保持す
るのがむずかしく、パン生地を均一に処理するのがむず
かしいという課題があった。
【0005】
【発明の目的】本発明の目的は、従来のこのような課題
を解決するため、処理室内に配置した載置台に載置した
パン生地を均一に処理することができるパン生地処理装
置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、
パン生地を処理室内に配置し、このパン生地を均一に処
理することができるパン生地処理方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のパン生地処理装
置は、パン生地を載置した載置部を配置してパン生地を
処理するための処理室を備える。処理室内の空気を流出
させるための空気流出部が載置部の一方の側に設けられ
る。空気流出部から流出した空気を加熱するための空気
加熱部が設けられる。空気加熱部により加熱された空気
を処理室の中へ流入させるための空気流入部が、載置部
の他方の側に設けられる。図1を参照すると、本発明の
パン生地処理装置は、処理室内の温度を検出するための
処理室内温度検出器102と、処理室内温度検出器が出
力する処理室内における温度に関する信号を入力して、
処理室内の温度の状態を演算する処理室内温度演算手段
104と、空気加熱部と空気流入部との間に配置されて
おり、かつ、空気流路内の温度を検出するための流路内
温度検出器106と、流路内温度検出器が出力する流路
内における温度に関する信号と、処理室内温度演算手段
104が出力する処理室内の温度の状態の演算結果に関
する信号とを入力して、流路内の温度の状態を演算する
流路内温度演算手段108と、流路内温度演算手段10
8が出力する流路内の温度の状態の演算結果に関する信
号に基づいて、空気加熱部112の動作を制御する空気
加熱部制御手段110とを備えている。この構成によ
り、パン生地を均一に発酵させることができる。
【0007】また、本発明のパン生地処理方法では、パ
ン生地を載置した載置部を配置してパン生地を処理する
ための処理室と、載置部の一方の側で処理室内の空気を
流出させるための空気流出部と、空気流出部から流出し
た空気を加熱するための空気加熱部と、空気加熱部によ
り加熱された空気を載置部の他方の側で処理室の中へ流
入させるための空気流入部とを有するパン生地処理装置
を用いる。そして、本発明のパン生地処理方法では、処
理室内の温度を検出し、処理室内における温度の検出結
果に基づいて、処理室内の温度の状態を演算する。ま
た、本発明のパン生地処理方法では、空気加熱部と前記
空気流入部との間の位置において、空気流路内の温度を
検出する空気流路内の温度を検出し、処理室内の温度の
状態の演算結果と、流路内における温度の検出結果に基
づいて、流路内の温度の状態を演算する。次に、流路内
の温度の状態の演算結果に基づいて、空気加熱部の動作
を制御する。このようなパン生地処理方法を用いること
により、処理室内の温度をパン生地の処理に適した温度
範囲内に保持することができるので、パン生地を均一に
発酵させることができる。
【0008】さらに、本発明のパン生地処理装置は、空
気加熱部の出口と空気流入部との間に設けられた中間加
熱空気流通室を備えるように構成することもできる。こ
のような本発明のパン生地処理装置では、空気流路内の
温度を検出するための流路内温度検出器は、中間加熱空
気流通室内に配置されている。さらに、本発明のパン生
地処理方法では、空気流路内の温度を検出する段階は、
空気加熱部の出口と前記空気流入部との間に設けられた
中間加熱空気流通室内において行うこともできる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。本発明のパン生地処理装置がパ
ン生地解凍装置又はパン生地発酵装置を構成する。以下
に、本発明のパン生地処理装置がパン生地発酵装置を構
成する場合の実施の形態について説明する。このような
パン生地発酵装置は、いわゆる「焙炉(ほいろ)」を構
成する。図2を参照すると、本発明のパン生地発酵装置
300は、ほぼ長方形の平面形状を有している。パン生
地発酵装置300の前側に位置する前面を300aと
し、この前面300aと向かい合ってパン生地発酵装置
300の後ろに位置する後面を300bとする。発酵室
302がパン生地発酵装置300の内部に設けられてい
る。
【0010】差圧ケージ304が、後面300bに沿っ
て発酵室302の中に配置されている。差圧ケージパン
チングメタル308が、発酵室302の中心に面するよ
うに、差圧ケージ304に設けられている。差圧ケージ
ファン312が、差圧ケージ304の上方に設けられて
いる。差圧ケージファン312は1個以上設けられる。
吹き出し口320が発酵室302の下方の一部分に設け
られている。吹き出し口320は1個以上設けられる。
2つの吹き出し口320が互いにほぼ向かい合って配置
され、差圧ケージパンチングメタル308の面とほぼ平
行な方向に両側からほぼ同時に、発酵室302の下方部
分に空気を排出させるのが好ましい。ダンパー330
が、差圧ケージ304の上側に設けられる。ダンパー3
30は、1個以上設けられる。軸流ファン328がダン
パー330の上方に設けられる。加熱加湿ダクト322
が軸流ファン328に隣接して設けられる。加熱コイル
332が、軸流ファン328に隣接して加熱加湿ダクト
322内に設けられる。加熱コイル332の動作を制御
するための空気加熱部制御手段110を構成する加熱用
モータバルブ326が加熱コイル332に連結される。
加湿器336が加熱コイル332に隣接して加熱加湿ダ
クト322内に設けられる。加湿用モータバルブ324
が加湿器336に連結される。
【0011】冷却除湿器340が、後面300bの外側
上部に設けられる。前方空気流通室342が、前面30
0aの内側に設けられる。中間加熱空気流通室344が
加熱加湿ダクト322の出口と前方空気流通室342と
の間に設けられる。台車360が発酵室302内に配置
される。台車360は差圧ケージ304に隣接して、差
圧ケージパンチングメタル308と間隔を隔てて配置さ
れる。従って、吹き出し口320から発酵室302の中
へ送出された空気は台車360を通って差圧ケージパン
チングメタル308に流れる。台車の数は1台であって
もよいし、或いは、複数であってもよい。台車の大きさ
は、例えば、差圧ケージパンチングメタル308に面し
て配置される面の横幅が約770mmであり、差圧ケー
ジパンチングメタル308と直角方向に配置される部分
の厚さが約615mmであり、台車の高さは約1600
mmである。
【0012】差圧ケージパンチングメタル308は、例
えば、開口率が約5%のパンチング領域を有する。種々
のパン生地が、台車360に配置される。本発明のパン
生地発酵装置300においては、空気は、図2に矢印で
示すように、発酵室302から差圧ケージ304を通
り、差圧ケージファン312、ダンパー330及び冷却
除湿器340を介して軸流ファン328の作動により加
熱加湿ダクト322内に入り、加熱コイル332及び加
湿器336を通って、中間加熱空気流通室344を通
り、前方空気流通室342を介して吹き出し口320か
ら発酵室302の中へ送出される。処理室内温度検出器
102を構成する室内温度センサ370が発酵室302
内に配置される。室内温度センサ370は、発酵室30
2内において、台車360の中を通った空気が流れない
位置に配置するのがよい。特に、室内温度センサ370
を、吹き出し口320と台車360との間に配置するの
がよい。
【0013】処理室内温度演算手段104を設けた室内
温度調節計372が設けられ、室内温度センサ370が
検出した発酵室302内の温度に関する情報は処理室内
温度演算手段104に入力される。室内温度センサ37
0を、例えば、白金測温抵抗体で構成するのがよい。流
路内温度検出器106を構成する流路温度センサ376
が中間加熱空気流通室344内に配置される。流路温度
センサ376は空気流路内の任意の位置に配置すること
ができる。好ましくは、流路温度センサ376を中間加
熱空気流通室344内に配置し、或いは、流路温度セン
サ376を前方空気流通室342に配置する。しかしな
がら、流路温度センサ376を冷却除湿器340の吹き
出し口に配置するのは好ましくなく、また、流路温度セ
ンサ376を加熱加湿ダクト322の吹き出し口に配置
するのは好ましくない。
【0014】流路内温度演算手段108を設けた流路温
度調節計378が設けられ、室内温度調節計372の出
力する処理室内の温度に関する信号と、流路温度センサ
376が検出した中間加熱空気流通室344内の温度に
関する情報は流路内温度演算手段108に入力される。
流路温度センサ376を、例えば、白金測温抵抗体で構
成するのがよい。室内温度調節計372の出力部及び流
路温度調節計378の出力部は加熱コイル制御器334
に接続される。加熱用モータバルブ326は流路温度調
節計378の出力する流路内の温度に関する信号に基づ
いて、加熱コイル332の動作を制御する。発酵室30
2即ち処理室内の湿度を検出するための室内湿度センサ
380が発酵室302内に配置される。室内湿度調節計
382は、室内湿度センサ380が検出した発酵室30
2内の湿度に関する信号を入力して、この信号に基づい
て加湿用モータバルブ324の動作を制御する。
【0015】図2を参照すると、本発明のパン生地発酵
装置300の実施の形態の大きさは、例えば、発酵室3
02の幅W1は1900mmであり、発酵室302の奥
行き(入口から出口までの幅)は9000mmであり、
発酵室302の高さH1は2500mmであり、中間加
熱空気流通室344の高さH2は1500mmであり、
差圧ケージ304の幅W2は550mmであり、前方空
気流通室342の厚さW3は250mmである。次に、
発酵に先立つ解凍の対象となる冷凍生地の仕様の一例に
ついて説明する。コッペパンは、寸法(長さ×幅×高
さ)が180〜220×20〜40×15〜30mmで
あり、重さは70〜100グラムである。コッペパンの
パン生地は、細長い棒のようなパン生地である。コッペ
パンのパン生地の標準解凍時間は2時間〜3時間であ
る。
【0016】あんぱんは、寸法(長さ×幅×高さ)が5
5〜90×55〜90×25〜35mmであり、重さは
80〜130グラムである。あんぱんのパン生地は、あ
んこが入ったほぼ丸いパン生地である。あんぱんのパン
生地の標準解凍時間は2時間〜4時間である。フランク
ロールは、寸法(長さ×幅×高さ)が120〜170×
25〜50×10〜30mmであり、重さは50〜10
0グラムである。フランクロールのパン生地は、中央に
切れ目が入っている細長いパン生地である。フランクロ
ールのパン生地の標準解凍時間は1時間30分〜3時間
である。次に、本発明のパン生地発酵装置300の作用
について説明する。本発明のパン生地発酵装置300の
起動スイッチ(図示せず)を作動させる。いったん、パ
ン生地発酵装置300が起動すると、あらかじめ定めら
れたサンプリング周期毎に室内温度等の入力値をサンプ
リングするようにパン生地発酵装置300が作動する。
【0017】図3を参照すると、本発明のパン生地発酵
装置300の作動においては、最初に、発酵室302の
温度の設定値TSPを設定する。例えば、発酵室302の
温度の設定値TSPを35°Cに設定する(段階20
1)。次に、室内温度センサ370が発酵室302の温
度TROOMを検出する(段階202)。室内温度調節計3
72は、あらかじめ定められたサンプリング周期、例え
ば、200ms毎に室内温度センサ370の現在値を入
力する。この入力値は、フルスケール(0〜100°
C)に対して割当てられる。例えば、発酵室302の現
在の温度TROOMは34°Cであるのが入力される。次
に、処理室内温度演算手段104が、発酵室302の温
度TROOMを、発酵室302の温度の設定値TSPと比較し
てPID演算を行う(段階203)。PID演算は、発
酵室302の温度TROOMと発酵室302の温度の設定値
SPとの偏差を用いて行われる。
【0018】そして、PID演算の結果により、0%か
ら100%の制御出力XC を出力する(段階204)。
例えば、制御出力XC は50%が出力される。次に、図
4を参照すると、流路内温度演算手段108が、制御出
力XC を、あらかじめ決められた「カスケード幅」に対
応させて変換し、空気流路内の温度の設定値SSPを設定
する(段階205)。ここで、「カスケード幅」とは、
空気流路内の温度の設定値の幅を意味する。例えば、あ
らかじめ決められた「カスケード幅」を33°C〜39
°Cとした場合には、制御出力XC が50%のときに
は、空気流路内の温度の設定値SSPは、以下のようにし
て計算される。 SSP=33+(39−33)×0.5=36°C 従って、空気流路内の温度の設定値SSPは、36°Cに
設定される。
【0019】次に、流路温度センサ376が中間加熱空
気流通室344内の温度TPATHを検出する(段階20
6)。次に、流路内温度演算手段108が中間加熱空気
流路室344内の温度TPATHを空気流路内の温度の設定
値SSPと比較して、PID演算を行う(段階207)。
PID演算は、中間加熱空気流路室344内の温度T
PATHと空気流路内の温度の設定値SSPとの偏差を用いて
行われる。尚、PID演算とは、比例制御(P)と、積
分動作(I)と、微分動作(D)とを含む。このような
PID演算の具体的な処理内容は、例えば、「自動制
御」(著者:柏木 濶、出版社:朝倉書店)に記載され
ている。図5を参照すると、PID演算の結果により、
0%から100%の制御出力X OUT を出力する。例え
ば、制御出力XOUT は70%が出力される(段階20
8)。
【0020】次に、流路内温度演算手段108が、制御
出力XOUT と、段階211からフィードバックされる加
熱用モータバルブ326の現在の開度とを比較して、両
者の偏差に応じて加熱用モータバルブ326の開度を指
示するための信号を出力する(段階209)。それによ
って、加熱用モータバルブ326が開閉される(段階2
10)。その結果、加熱コイル332への蒸気流量が調
整されて、加熱の動作が制御される(段階212)。例
えば、制御出力XOUT が70%であって、加熱用モータ
バルブ326の現在の開度が50%である場合には、加
熱用モータバルブ326の現在の開度を更に20%開く
ための信号が出力される。それによって、加熱用モータ
バルブ326の開度が70%に変更され、加熱コイル3
32への蒸気流量が増え、空気流路内の温度と発酵室3
02内の温度が上昇する。
【0021】上述した加熱の制御の動作は、処理室内温
度演算手段104及び流路内温度演算手段108が、あ
らかじめ定められた周期(例えば、200ms)毎に入
力信号を捕捉して、図3〜図5に示すフローチャートに
したがって繰り返し行われる。従って、本発明のパン生
地発酵装置300においては、発酵室302内に配置さ
れた台車360の中を通って中間加熱空気流通室344
内に流入した空気は、冷却、除湿、加熱及び加湿のすべ
ての作用を受けて、望まれる雰囲気(例えば、35°
C、70%RH)に調整される。本発明のパン生地発酵
装置300においては、除湿冷却部は冷却機を常時10
0%の状態で作動させて、それによって、除湿冷却空気
の加熱及び加湿を正確に制御するように構成されてい
る。
【0022】
【実施例】次に、本発明のパン生地発酵装置の実施の形
態を用いて実施した実施例について、比較例と比較して
説明する。図6を参照すると、本発明のパン生地処理装
置の実施例において、発酵室302の温度の設定値を3
5°Cとして、カスケード幅(流路の温度の設定値の
幅)を31°C〜39°Cとしたときの発酵室302の
室内温度TROOMと流路温度T PATHの関係がわかる。発酵
室302の室内温度TROOMは、大部分が35°Cプラス
マイナス1°Cの範囲内にあるように調節されており、
流路温度TPATHは大部分が31°C〜39°Cの範囲内
に調節されている。
【0023】本発明のパン生地処理装置の実施例では、
発酵室に隣接し、ドアによって区画して設けられてい
る、室内温度が約20°Cの解凍室で、冷凍コッペパン
生地(長さ×幅×高さ:180〜205×25〜30×
21〜25mm)の解凍処理を終えた台車10台を、約
2分おきにドアを開けて、約20分かけて発酵室に搬入
した。この際、発酵室内には、解凍室から比較的冷たい
空気が流入するとともに、コッペパン生地及び台車自体
が比較的低温であるため、発酵室内の温度は下がろうと
するが、図7を参照すると、このときの発酵室の室内温
度は、大部分が35°Cプラスマイナス1°Cの範囲内
にあるように調節されていることがわかる。これに対し
て、流路温度TPATHを検出する手段を持たない比較例で
は、発酵室の室内温度が34°C以下に下がっているこ
とがわかる。
【0024】図8を参照すると、本発明のパン生地処理
装置の実施例を用いてパン生地を処理(60分間)した
場合における、90個のパン生地の解凍後生地幅と発酵
(ホイロ)後生地幅との関係では、パン生地の解凍後生
地幅と発酵(ホイロ)後生地幅の回帰直線を求めると、 y=1.2024x+10.673 である。そして、パン生地の解凍後生地幅と発酵(ホイ
ロ)後生地幅の相関係数は0.92であり、回帰直線か
らのばらつきは0.91である。すなわち、本発明のパ
ン生地処理装置の実施例を用いてパン生地を処理した場
合には、90個のパン生地は、発酵処理後の生地幅が発
酵処理前の生地幅にほぼ比例して大きくなっていること
がわかる。これは、90個のパン生地が均一な条件で発
酵処理されたためである。
【0025】これに対して、図9を参照すると、流路温
度TPATHを検出する手段を持たない比較例を用いてパン
生地を処理した場合における、90個のパン生地の解凍
後生地幅と発酵(ホイロ)後生地幅との関係では、パン
生地の解凍後生地幅と発酵(ホイロ)後生地幅の回帰直
線を求めると、 y=0.885x+22.586 である。そして、比較例のパン生地の解凍後生地幅と発
酵(ホイロ)後生地幅の相関係数は0.73であり、回
帰直線からのばらつきは1.74である。従って、本発
明のパン生地処理装置の実施例では、パン生地の解凍後
生地幅と発酵(ホイロ)後生地幅の相関係数は比較例よ
りも1に近く、回帰直線からのばらつきは比較例よりも
小さいことがわかる。
【0026】すなわち、流路温度TPATHを検出する手段
を持たない比較例を用いてパン生地を処理した場合に
は、90個のパン生地は、発酵処理後の生地幅が発酵処
理前の生地幅に対して不規則に大きくなっていることが
わかる。これは、90個のパン生地が不均一な条件で発
酵処理されたためである。
【0027】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、パン生
地処理装置において、上記のような構成としたので、パ
ン生地を均一に発酵させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパン生地処理装置の代表的な構成を示
すブロック図である。
【図2】本発明のパン生地処理装置の概略構造を示す部
分断面ブロック図である。
【図3】本発明のパン生地処理装置の作動を示すフロー
チャート(その1)である。
【図4】本発明のパン生地処理装置の作動を示すフロー
チャート(その2)である。
【図5】本発明のパン生地処理装置の作動を示すフロー
チャート(その3)である。
【図6】本発明のパン生地処理装置の実施例における発
酵室の室内温度TROOMと流路温度TPATHの関係を示すグ
ラフである。
【図7】本発明のパン生地処理装置の実施例と比較例に
おける発酵室の室内温度の変化を示すグラフである。
【図8】本発明のパン生地処理装置の実施例を用いてパ
ン生地を処理した場合における、パン生地の解凍後の生
地幅と発酵(ホイロ)後の生地幅の関係を示すグラフで
ある。
【図9】パン生地処理装置の比較例を用いてパン生地を
処理した場合における、パン生地の解凍後の生地幅と発
酵(ホイロ)後の生地幅の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
102 処理室内温度検出器 104 処理室内温度演算手段 106 流路内温度検出器 110 流路内温度演算手段 112 空気加熱部制御手段 300 パン生地発酵装置 302 発酵室 304 差圧ケージ 308 差圧ケージパンチングメタル 312 差圧ケージファン 320 吹き出し口 322 加熱加湿ダクト 324 加湿用モータバルブ 326 加熱用モータバルブ 328 軸流ファン 330 ダンパー 332 加熱コイル 336 加湿器 340 冷却除湿器 342 前方空気流通室 344 中間加熱空気流通室 360 台車 370 室内温度センサ 372 室内温度調節計 376 流路温度センサ 378 流路温度調節計 380 室内湿度センサ
フロントページの続き (72)発明者 赤城 由香 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品株式会社内 (72)発明者 重里 峰男 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品株式会社内 (72)発明者 西川 朝廣 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品株式会社内 (72)発明者 石野 義明 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品株式会社内 (72)発明者 益山 進 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品株式会社内 (72)発明者 池本 幸信 東京都大田区南馬込2丁目29番17号 菱 熱工業株式会社内 (72)発明者 青柳 昭治 東京都大田区南馬込2丁目29番17号 菱 熱工業株式会社内 (72)発明者 森岡 淳郎 東京都大田区南馬込2丁目29番17号 菱 熱工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−22677(JP,A) 特開 平6−141752(JP,A) 特開 平5−49381(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A21C 13/00 A21D 8/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パン生地を載置した載置部を配置してパ
    ン生地を処理するための処理室と、前記載置部の一方の
    側で前記処理室内の空気を流出させるための空気流出部
    と、該空気流出部から流出した空気を加熱するための空
    気加熱部と、該空気加熱部により加熱された空気を前記
    載置部の他方の側で前記処理室の中へ流入させるための
    空気流入部とを有するパン生地処理装置において、 前記処理室内の温度を検出するための処理室内温度検出
    器と、 前記処理室内温度検出器が出力する前記処理室内におけ
    る温度に関する信号を入力して、前記処理室内の温度の
    状態を演算する処理室内温度演算手段と、 前記空気加熱部と前記空気流入部との間に配置されてお
    り、かつ、空気流路内の温度を検出するための流路内温
    度検出器と、 前記処理室内温度演算手段が出力する前記処理室内の温
    度の状態の演算結果に関する信号と、前記流路内温度検
    出器が出力する前記流路内における温度に関する信号と
    に基づいて、前記流路内の温度の状態を演算する流路内
    温度演算手段と、 前記流路内温度演算手段が出力する前記流路内の温度の
    状態の演算結果に関する信号に基づいて、前記空気加熱
    部の動作を制御する空気加熱部制御手段と、 を備えていることを特徴とするパン生地処理装置。
  2. 【請求項2】 パン生地を載置した載置部を配置してパ
    ン生地を処理するための処理室と、前記載置部の一方の
    側で前記処理室内の空気を流出させるための空気流出部
    と、該空気流出部から流出した空気を加熱するための空
    気加熱部と、該空気加熱部により加熱された空気を前記
    載置部の他方の側で前記処理室の中へ流入させるための
    空気流入部とを有するパン生地処理装置を用いてパン生
    地を処理するパン生地処理方法であって、 パン生地を載置した載置部を処理室内に配置する段階
    と、 前記処理室内の温度を検出する段階と、 前記処理室内における温度の検出結果に基づいて、前記
    処理室内の温度の状態を演算する段階と、 前記空気加熱部と前記空気流入部との間の位置におい
    て、空気流路内の温度を検出する段階と、 前記処理室内の温度の状態の演算結果と、前記流路内に
    おける温度の検出結果とに基づいて、前記流路内の温度
    の状態を演算する段階と、 前記流路内の温度の状態の演算結果に基づいて、前記空
    気加熱部の動作を制御する段階と、 を含むことを特徴とするパン生地処理方法。
  3. 【請求項3】 パン生地を載置した載置部を配置してパ
    ン生地を処理するための処理室と、前記載置部の一方の
    側で前記処理室内の空気を流出させるための空気流出部
    と、該空気流出部から流出した空気を加熱するための空
    気加熱部と、該空気加熱部により加熱された空気を前記
    載置部の他方の側で前記処理室の中へ流入させるための
    空気流入部とを有するパン生地処理装置において、 前記処理室内の温度を検出するための処理室内温度検出
    器と、 前記処理室内温度検出器が出力する前記処理室内におけ
    る温度に関する信号を入力して、前記処理室内の温度の
    状態を演算する処理室内温度演算手段と、 前記空気加熱部の出口と前記空気流入部との間に設けら
    れた中間加熱空気流通室と、 該中間加熱空気流通室内に配置されており、かつ、空気
    流路内の温度を検出するための流路内温度検出器と、 前記処理室内温度演算手段が出力する前記処理室内の温
    度の状態の演算結果に関する信号と、前記流路内温度検
    出器が出力する前記流路内における温度に関する信号と
    に基づいて、前記流路内の温度の状態を演算する流路内
    温度演算手段と、 前記流路内温度演算手段が出力する前記流路内の温度の
    状態の演算結果に関する信号に基づいて、前記空気加熱
    部の動作を制御する空気加熱部制御手段と、 を備えていることを特徴とするパン生地処理装置。
  4. 【請求項4】 パン生地を載置した載置部を配置してパ
    ン生地を処理するための処理室と、前記載置部の一方の
    側で前記処理室内の空気を流出させるための空気流出部
    と、該空気流出部から流出した空気を加熱するための空
    気加熱部と、該空気加熱部により加熱された空気を前記
    載置部の他方の側で前記処理室の中へ流入させるための
    空気流入部とを有するパン生地処理装置を用いてパン生
    地を処理するパン生地処理方法であって、 パン生地を載置した載置部を処理室内に配置する段階
    と、 前記処理室内の温度を検出する段階と、 前記処理室内における温度の検出結果に基づいて、前記
    処理室内の温度の状態を演算する段階と、 前記空気加熱部の出口と前記空気流入部との間に設けら
    れた中間加熱空気流通室内において空気流路内の温度を
    検出する段階と、 前記処理室内の温度の状態の演算結果と、前記流路内に
    おける温度の検出結果とに基づいて、前記流路内の温度
    の状態を演算する段階と、 前記流路内の温度の状態の演算結果に基づいて、前記空
    気加熱部の動作を制御する段階と、 を含むことを特徴とするパン生地処理方法。
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