JP3368552B2 - 棚付き折り畳みテーブル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、折り畳みテーブ
ル、特に、水平の使用状態とほぼ垂直の折り畳み状態と
の間を回動可能に脚柱に取り付けられた天板と、この天
板の下方に設けられた棚とを有する棚付き折り畳みテー
ブルに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の折り畳みテーブルとして
は、各種のものが公知となっており、例えば、金属製の
パイプ材や板材を、天板の下面に固定可能な支持部材に
溶接等により固着したものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の棚付き
折り畳みテーブルのように、金属製のパイプ材や板材を
溶接により組付けたものでは、棚の製造に時間が掛か
り、かつ、棚が高価なものとなる。また、棚は溶接後、
塗装などの表面処理を施してから部品としてストックさ
れるため、部品としての大きさが大きくなり、保管場所
や組立作業において広いスペースが必要になるという欠
点もある。さらに、不使用時に、天板をほぼ垂直状態と
して、テーブル同士を前後方向に重ねて格納する際に、
脚柱と隣接するテーブルの天板とが直接当接して天板が
傷つくのを防止するために、脚柱に合成樹脂などの緩衝
材を取り付ける必要があり、それに要する工数及び部品
点数が増加する問題があった。

【０００４】本発明は、このような種々の問題点を解決
するため、棚を構成する部品を、加工工程が少なく、か
つストックし易い形状として、製造や組立作業を容易と
するとともに、脚柱に緩衝材を取付けることなく、天板
に傷付くのを防止しうるようにした棚付き折り畳みテー
ブルを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は、次のようにして解決される。 (１) 水平の使用状態とほぼ垂直の折り畳み状態との間
を回動可能に脚柱に取り付けられた天板と、この天板の
下方に設けられた棚とを有する棚付き折り畳みテーブル
において、前記天板への取付部を上部に有する左右１対
の棚受材の互いに対向する面に、前後方向に並ぶ複数本
の棚パイプの左右方向を向く各端部がそれぞれ嵌合可能
な受け部を設け、かつ、前記各棚受材の下面の一部に、
下向きの突出部を、天板の折り畳み状態において前記脚
柱より前方に突出するようにして設ける。

【０００６】(２) 上記(１)項において、棚受材を、合
成樹脂材により一体成形することにより、突出部を棚受
材と一体的に形成する。

【０００７】(３) 上記(２)項において、突出部を、実
質的に中空状とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の一実施例である
棚付き折り畳みテーブル(Ａ)を示すもので、キャスター
付きの脚(１)に立設した金属製の脚柱(２)を左右に配
し、これら左右１対の脚柱(２)の間に、天板(３)を、図
１に示す水平の使用状態から、図３に示す垂直の不使用
格納状態に折り畳み可能に取り付けてある。

【０００９】棚(５)は、左右１対の棚受材(６)と複数の
棚パイプ(７)とからなっている。

【００１０】左右１対の棚受材(６)は、合成樹脂材料に
より一体的に成形され、全体形は、内側面が開口する箱
状をなすとともに、前半部(以下方向は図１の右方を前
方として説明する)が欠けた形状を呈している。各棚受
材(６)の後端部には、後向突出部(９)が、上端よりも若
干下方に形成されている。棚受材(６)の上端の水平板
が、取付部(11)を形成している。後向突出部(９)と取付
部(11)の適所には、取付孔(８)(10)が穿設されている。

【００１１】棚受材(６)の下部内面には、各棚パイプ
(７)の端部が嵌合される管状の５個の受け部(12)(13)
が、前部から後部にかけて等間隔おきに一体的に連設さ
れている。最後部の受け部(13)は、他の４個の受け部(1
2)よりも若干高い位置に形成されている。

【００１２】棚受材(６)の後部の下部には、突出部(14)
が下方に突出して形成されている。突出部(14)は、その
中間に隔壁(15)を有するものの、その殆んどが実質的に
中空状となっており、図３に示すように、天板(３)を折
り畳んだ際、天板(３)の衝撃に対する緩衝材的作用をな
している。

【００１３】図２は、右側の棚受材(６)と棚パイプ(７)
の右端部を示しているが、このような構成の左右１対の
棚受材(６)を、それらの受け部(12)(13)を互いに向き合
うように対向させ、その間に棚パイプ(７)の両端部を嵌
合させうるようになっている。

【００１４】天板(３)の下面に棚(５)を組付けるには、
まず一方の棚受材(６)の後面上部と、後向突出部(９)の
下面とを、図３に示すように、天板(３)の下面に固着し
た左右方向を向く断面四角形の補強杆(４)に当接させた
状態で、後向突出部(９)及び取付部(11)の取付孔(８)
(９)より挿し込んだ木ねじを補強杆(４)と天板(３)に螺
入することにより、固定する。

【００１５】ついで、この一方の棚受材(６)における各
受け部(12)(13)に、棚パイプ(７)の一方の端部を嵌合さ
せたのち、棚パイプ(７)の他方の端部に、他方の棚受材
(６)の受け部(12)(13)を嵌合し、この他方の棚受材(６)
を、上記と同様にして補強杆(４)と天板(３)に固定す
る。

【００１６】このようにして組み立てられた棚付き折り
畳みテーブル（Ａ）は、使用時には天板(３)を図１に示
す水平状態とするが、不使用格納時には、図３に示すよ
うに、天板(３)をほぼ垂直状態に折り畳むことができ
る。この折り畳み状態においては、棚受材(５)の突出部
(14)は、脚柱(２)よりも前方に突出するので、隣接して
格納されるテーブル(Ａ)の天板(３)の上面は、緩衝作用
を有する下部突出部(15)に当接することとなり、従って
天板(３)が直接金属製の脚柱(２)に当たって傷つけられ
ることがない。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、棚は、左右の棚受材と
複数本の棚パイプという加工工程の少ない簡単な部品に
より構成され、かつこれらを単に組立てるだけで天板の
下方に容易に棚が形成されるので、棚の製造工数が短縮
され、安価な棚となる。また、使用する各部品がストッ
クし易い形状となるため、保管場所や組立作業に要する
スペースを最小限とすることができる。

【００１８】また、天板をほぼ垂直状態に折り畳んで、
テーブル同士を前後方向に重ねて格納する際に、脚柱よ
り前方に突出した突出部が、隣接するテーブルの天板の
表面と当接するので、天板が脚柱に当たって傷付けられ
ることがなくなる。

【００１９】請求項２記載の発明によると、突出部を別
途設ける必要はなく、しかも合成樹脂材であるため、天
板を傷つけることがより小さくなる。

【００２０】請求項３記載の発明によると、緩衝作用が
大となるので、天板の傷付き防止効果がより高まる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した棚付き折り畳みテーブルにお
ける使用状態を示す側面図である。

【図２】棚の右端を示す拡大分解斜視図である。

【図３】重ね合わせた２つの棚付き折り畳みテーブルの
上部のみを格納状態において示す拡大縦断面図である。

【符号の説明】

(Ａ)棚付き折り畳みテーブル (１)脚 (２)脚柱 (３)天板 (４)補強杆 (５)棚 (６)棚受材 (７)棚パイプ (８)取付孔 (９)後向突出部 (10)取付孔 (11)取付部 (12)(13)受け部 (14)突出部 (15)隔壁

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平の使用状態とほぼ垂直の折り畳み状
   態との間を回動可能に脚柱に取り付けられた天板と、こ
   の天板の下方に設けられた棚とを有する棚付き折り畳み
   テーブルにおいて、 前記天板への取付部を上部に有する左右１対の棚受材の
   互いに対向する面に、前後方向に並ぶ複数本の棚パイプ
   の左右方向を向く各端部がそれぞれ嵌合可能な受け部を
   設け、かつ、前記各棚受材の下面の一部に、下向きの突
   出部を、天板の折り畳み状態において前記脚柱より前方
   に突出するようにして設けたことを特徴とする棚付き折
   り畳みテーブル。
2. 【請求項２】 棚受材を、合成樹脂材により一体成形す
   ることにより、突出部を棚受材と一体的に形成した請求
   項１記載の棚付き折り畳みテーブル。
3. 【請求項３】 突出部を、実質的に中空状とした請求項
   ２記載の棚付き折り畳みテーブル。