JP3368287B2 - 磁気測定装置 - Google Patents

磁気測定装置

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JP3368287B2
JP3368287B2 JP12845996A JP12845996A JP3368287B2 JP 3368287 B2 JP3368287 B2 JP 3368287B2 JP 12845996 A JP12845996 A JP 12845996A JP 12845996 A JP12845996 A JP 12845996A JP 3368287 B2 JP3368287 B2 JP 3368287B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気測定装置に関
し、さらに詳しくは、頭部(脳),胸部(心臓,胃),
腹部(肝臓),胎児などの周囲空間の磁気分布を測定す
るのに好適な磁気測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図33は、頭部の周囲空間の磁気分布を
測定する従来の磁気測定装置の一例の説明図である。こ
の磁気測定装置500は、人の頭部を収容しうるドーム
状の底部Dを有する内容器CRI’および外容器CRO
からなる極低温容器CR’と、その極低温容器CR’の
上部の開口OP’を塞ぐ蓋LD’と、その蓋LD’から
パイプPPで吊り下げられ前記底部Dの上面に接するよ
うに配設された多数の磁気センサユニット50と、それ
ら磁気センサユニット50からの出力信号を導出する信
号線4と、それら信号線4に接続されたインタフェース
装置20と、前記多数の磁気センサユニット50からの
出力信号を解析して頭部の周囲空間の磁気分布を求めて
その磁気分布から脳Bの活動に関する情報を算出する情
報処理装置30と、前記算出した情報を表示する表示装
置40とを具備して構成されている。前記内容器CR
I’と外容器CROの間には断熱材Dnが充填され、さ
らに、真空引されている。PAは、パッキングであり、
例えばゴム製である。STは、冷媒を極低温容器CR’
に供給/排気するための冷媒供給排気用二重管である。
前記冷媒は、例えば液体ヘリウム(4.2K)である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図33に示した磁気測
定装置500では、多数の磁気センサユニット50を吊
り下げる構造のため、前記開口OP’は、頭部の断面積
と同じくらいの面積になっている。しかし、このように
開口OP’が大きい(直径10cm以上)と、開口O
P’からの熱の侵入が多く、冷媒の蒸発量が多くなり、
多額の運転コストがかかる問題点がある。また、この構
造では、磁気センサユニット50を配設できないため、
アンダーカットになる部分を作れない(アンダーカット
になる部分を作っても磁気センサユニット50を配設で
きない)問題点がある。さらに、従来の磁気測定装置5
00では、ドーム状の底部Dに1人の被検体の頭部しか
収容できなかったため、スループットが悪い問題点があ
る。
【0004】そこで、本発明の第1の目的は、冷媒の蒸
発量が少なく、且つ、アンダーカットになる部分を作る
ことが出来る(アンダーカットになる部分にも磁気セン
サを配設できる)磁気測定装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、複数の被検体を同時に収
容でき、スループットの高い磁気測定装置を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の観点では、本発明
は、極低温容器の内部に多数の磁気センサを設置し、そ
れら磁気センサの信号線を前記極低温容器の上部の開口
から導出し、前記極低温容器に冷媒を充填し、前記開口
に蓋を被せた構造の磁気測定装置において、前記極低温
容器の底部または側部に磁気センサ保持部がそれぞれ設
けられると共に、それら磁気センサ保持部またはその近
傍にガイドラインの第1端が接続されており、前記ガイ
ドラインの第2端を前記開口から引き出して、そのガイ
ドラインにより案内されて前記磁気センサが前記開口か
ら前記磁気センサ保持部まで押し入れられたことを特徴
とする磁気測定装置を提供する。なお、前記底部または
側部は、平坦でもよいが、被検体の形状に合せて湾曲さ
せるのが好ましい。すなわち、人体の頭部に合せたヘル
メット形状や,人体の腹部に合せた湾曲形状にするのが
好ましい。上記第1の観点による磁気測定装置では、ガ
イドラインにより案内しながら磁気センサを開口から磁
気センサ保持部まで押し入れ、極低温容器の底部または
側部に磁気センサを設置する。このため、1個の磁気セ
ンサが入ると共に磁気センサの信号線が出うるサイズ
(直径5cm以下)の開口を極低温容器上部に設ければ
足り、冷媒の蒸発量を少なくすることが出来る。また、
アンダーカットになる部分を作ることが出来る(アンダ
ーカットになる部分にも磁気センサを容易に配設でき
る)。
【0006】第2の観点では、本発明は、極低温容器の
内部に多数の磁気センサを設置し、それら磁気センサの
信号線を前記極低温容器の上部の開口から導出し、前記
極低温容器に冷媒を充填し、前記開口に蓋を被せた構造
の磁気測定装置において、前記極低温容器の底部または
側部に磁気センサ保持部をそれぞれ設けると共に、それ
ら磁気センサ保持部またはその近傍にガイドラインの第
1端を接続し且つ第2端を前記開口から引き出すか又は
引出可能に保持しておき、そのガイドラインにより案内
しながら前記磁気センサを前記開口から前記磁気センサ
保持部まで押し入れ可能であると共に、そのガイドライ
ンにより案内しながら前記磁気センサを前記磁気センサ
保持部から前記開口まで引き出し可能であることを特徴
とする磁気測定装置を提供する。上記第2の観点による
磁気測定装置では、ガイドラインにより案内しながら磁
気センサを開口から磁気センサ保持部まで押し入れ、極
低温容器の底部または側部に磁気センサを設置する。こ
のため、1個の磁気センサが入ると共に磁気センサの信
号線が出うるサイズ(直径5cm以下)の開口を極低温
容器上部に設ければ足り、冷媒の蒸発量を少なくするこ
とが出来る。また、アンダーカットになる部分を作るこ
とが出来る(アンダーカットになる部分にも磁気センサ
を容易に配設できる)。また、ガイドラインの第2端を
開口から引き出し、そのガイドラインにより案内しなが
ら磁気センサを引き出すことが出来る。このため、磁気
センサの交換/修理を容易に行うことが出来る。
【0007】第3の観点では、本発明は、上記構成の磁
気測定装置において、前記磁気センサをパイプ状部材に
一体化し、そのパイプ状部材の貫通孔に前記ガイドライ
ンを挿通したことを特徴とする磁気測定装置を提供す
る。上記第3の観点による磁気測定装置では、磁気セン
サと一体化したパイプ状部材の貫通孔にガイドラインを
挿通するから、ガイドラインに沿ってスライドさせて磁
気センサを開口から磁気センサ保持部まで押し入れるこ
とが出来る。このため、極低温容器の湾曲部分に磁気セ
ンサを容易に設置することが出来る。また、アンダーカ
ットになる部分にも磁気センサを容易に設置できる。
【0008】第4の観点では、本発明は、上記構成の磁
気測定装置において、前記磁気センサ保持部は、前記底
部または側部に立設され且つ前記パイプ状部材の貫通孔
に嵌まって前記パイプ状部材を支持する支持部と、その
支持部から突出された柔軟性をもつガイド部とからなる
ことを特徴とする磁気測定装置を提供する。上記第4の
観点による磁気測定装置では、柔軟性をもつガイド部に
より案内されるため、パイプ状部材が滑らかに支持部に
嵌まり、途中で引っ掛かることがなくなる。また、支持
部に嵌まることにより、パイプ状部材が安定に立設され
る。このため、極低温容器の底部または側部に磁気セン
サを正確に設置できる。また、アンダーカットになる部
分にも磁気センサを容易に設置できる。
【0009】第5の観点では、本発明は、上記構成の磁
気測定装置において、前記支持部は、前記底部または側
部に立設される第1支持部と、その第1支持部により回
動可能に支持される第2支持部とからなることを特徴と
する磁気測定装置を提供する。上記第5の観点による磁
気測定装置では、前記支持部が第1支持部と第2支持部
に分れており、第2支持部が回動するため、パイプ状部
材が滑らかに支持部に嵌まり、途中で引っ掛かることが
なくなる。
【0010】第6の観点では、本発明は、上記構成の磁
気測定装置において、前記ガイドラインは、直径が伸縮
しうる柔軟なチューブ状物であり、そのチューブ状物の
第1管口が前記ガイド部に被せられていることを特徴と
する磁気測定装置を提供する。上記第6の観点による磁
気測定装置では、ガイドラインとして直径が伸縮しうる
柔軟なチューブ状物を用い、その第1管口をガイド部に
被せて固定する。このため、好適に磁気センサ保持部に
ガイドラインの第1端を接続でき、作業性を向上するこ
とが出来る。
【0011】第7の観点では、本発明は、上記構成の磁
気測定装置において、前記磁気センサを前記磁気センサ
保持部から引き出すためのプルアップラインを具備し、
前記プルアップラインの第1端が前記磁気センサに取り
付けられ、前記プルアップラインが前記極低温容器の内
部を通り、前記プルアップラインの第2端が前記開口か
ら引き出されるか又は引出可能に前記極低温容器の内部
に保持されたことを特徴とする磁気測定装置を提供す
る。上記第7の観点による磁気測定装置では、プルアッ
プラインの第2端を開口から引き出し、その第2端を引
っ張ることにより、磁気センサを引き出すことが出来
る。このため、磁気センサの交換/修理を容易に行うこ
とが出来る。
【0012】第8の観点では、本発明は、上記構成の磁
気測定装置において、前記磁気センサをパイプ状部材に
一体化し、そのパイプ状部材の貫通孔に前記ガイドライ
ンを挿通すると共に、そのパイプ状部材に前記プルアッ
プラインの第1端を取り付けたことを特徴とする磁気測
定装置を提供する。上記第8の観点による磁気測定装置
では、磁気センサと一体化したパイプ状部材の貫通孔に
ガイドラインを挿通するから、ガイドラインに沿ってス
ライドさせて磁気センサを開口から磁気センサ保持部ま
で押し入れることが出来る。このため、容易に極低温容
器の底部または側部に磁気センサを設置することが出来
る。また、プルアップラインの第2端を引っ張ることに
より、磁気センサを引き出すことが出来る。このため、
磁気センサの交換/修理を容易に行うことが出来るよう
になる。
【0013】第9の観点では、本発明は、上記構成の磁
気測定装置において、前記プルアップラインを引っ張っ
たとき前記パイプ状部材が割れて、前記磁気センサ保持
部から外れることを特徴とする磁気測定装置を提供す
る。上記第9の観点による磁気測定装置では、プルアッ
プラインを引っ張った時にパイプ状部材が割れて外れる
から、磁気センサを磁気センサ保持部から容易に取り出
すことが出来る。
【0014】第10の観点では、本発明は、上記構成の
磁気測定装置において、前記極低温容器の底部または側
部に2グループ以上の磁気センサ保持部を形成し、それ
ら各グループの磁気センサ保持部の外側空間に被検体を
それぞれ同時に収容可能としたことを特徴とする磁気測
定装置を提供する。上記第10の観点による磁気測定装
置では、各グループの磁気センサ保持部の外側空間に同
時に複数の被検体をそれぞれ収容できるから、スループ
ットを向上することが出来る。なお、極低温容器の側部
に湾曲部分を形成する場合は、アンダーカットになる部
分が必ず生じるが、このようなアンダーカットになる部
分にも磁気センサを支障なく設置できる。
【0015】
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図に示す実施形態により本
発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の説明では、
人の頭部の周囲空間の磁気分布を測定する場合を想定す
るが、人の胸部,腹部,胎児などの周囲空間の磁気分布
を測定する場合も同様である。
【0017】−第1の実施形態− 図1は、本発明の第1の実施形態にかかる磁気測定装置
の構成図である。この磁気測定装置100は、人の頭部
を収容しうるドーム状の底部Dを有する内容器CRIお
よび外容器CROからなる極低温容器CRと、その極低
温容器CRの底部Dの内面に立設した多数の磁気センサ
ユニット10と、それら磁気センサユニット10からの
出力信号を信号線4を介して受け入れるインタフェース
装置20と、前記多数の磁気センサユニット10からの
出力信号を解析して頭部周囲の空間の磁気分布を求めて
その磁気分布から脳Bの活動に関する情報を算出する情
報処理装置30と、前記算出した情報を表示する表示装
置40とを具備している。前記内容器CRIと外容器C
ROの間には断熱材Dnが充填され、さらに、真空引さ
れている。Gはガイドライン、Pはプルアップライン、
R1はガイドラインGとプルアップラインPとを束ねる
リング、Mはマスタライン、R2はマスタラインMの一
端に取り付けられたリングである。前記極低温容器CR
の上部には、比較的小さな開口OPがある。この開口O
Pを通じて、内容器CRIの底部Dの内面に多数の磁気
センサユニット10を立設する作業を行う。また、この
開口OPから各磁気センサユニット10の信号線4とマ
スタラインMとを外部に導出する。そして、蓋LDとパ
ッキングPAとにより開口OPを塞ぎ、冷媒供給排気用
二重管STを通じて冷媒を極低温容器CRに充填する。
さらに、磁気センサユニット10を交換・修理する作業
は、前記開口OPを通じて行う。前記パッキングPA
は、例えばゴムである。また、前記冷媒は、例えば液体
ヘリウム(4.2K)である。
【0018】次に、図2〜図12を参照して、前記磁気
測定装置100の製造行程を説明する。まず、図2に示
すように、内容器CRIの底部Dのみを製作し、その底
部Dの湾曲部分の多数の箇所(例えば16〜150ヵ
所)に、磁気センサ保持部Hを設ける。磁気センサ保持
部Hは、底部Dに立設した支持部SBと、その支持部S
Bから突出した柔軟性をもつガイド部GBとからなって
いる。図3に示すように、前記支持部SBは、例えばナ
イロン製の長さ95mm,直径8mmの円柱状である。
支持部SBの基端近傍には、膨出部BBが形成されてい
る。この膨出部BBの直径は、例えば10.5mmであ
る。前記ガイド部GBは、例えばナイロン製の長さ50
mm,直径3mmのひげ状であり、先端が上方を向くよ
うに湾曲している。
【0019】次に、図4に示すように、磁気センサ保持
部Hに、ガイドラインGの第1端を接続する。ガイドラ
インGは、例えばナイロン製の糸を編んだ柔軟なチュー
ブ状物であり、直径が15mm〜1mmくらいの範囲で
伸縮しうる。このチューブ状物の第1管口を前記ガイド
部GBから前記支持部SBの先端まで被せて接合してお
く。次に、図5に示すように、内容器CRIの側部Qを
製作し、比較的小さな開口OPをもつ内容器CRIを完
成すると共に、前記各磁気センサ保持部Hにそれぞれ第
1端を接続したガイドラインGの第2端を前記開口OP
から引き出しておく。比較的小さな開口OPの内径は、
例えば3cm〜5cmである。また、開口OPと同じ内
径のネック部NKの高さは、例えば30cm〜50cm
である。
【0020】次に、図6に示すように、断熱材Dnを配
置すると共に外容器CROを作製し、比較的小さな開口
OPをもつ恒久的な極低温容器CRを完成する。
【0021】次に、図7に示すような磁気センサユニッ
ト10を用意する。この磁気センサユニット10は、貫
通孔2をもつパイプ部材1に、超伝導量子干渉デバイス
の如き磁気センサ(図示省略)と電子回路3とを保持
し、その電子回路3から信号線4を引き出すと共に、前
記パイプ部材1にプルアップラインPの第1端を取り付
けた構成である。前記パイプ部材1は、例えばエポキシ
樹脂製の長さ100mm,外径20mm,内径10mm
の円筒状である。前記プルアップラインPは、例えばナ
イロン製の紐である。
【0022】次に、図8および図9に示すように、前記
磁気センサユニット10の貫通孔2に、ガイドラインG
を通す。次に、図10に示すように、例えばコイルスプ
リングのような押し治具Rにより、磁気センサユニット
10を押し込み、図11に示すように、磁気センサユニ
ット10を、磁気センサ保持部Hの支持部SBに嵌め
る。このとき、磁気センサユニット10の貫通孔2の径
が10mmであり、支持部SBの膨出部BBの直径が1
0.5mmであるから、磁気センサユニット10が支持
部SBにしっかりと保持される。その後、図12に示す
ように、押し治具Rを取り出す。
【0023】この後、図1に示すように、全てのガイド
ラインGとプルアップラインPをリングR1に取り付
け、そのリングR1にマスタラインMの第1端を取り付
け、リングR1を開口OPから極低温容器CRの内部に
落し込み、前記マスタラインMの第2端にリングR2を
取り付け、そのリングR2を極低温容器CRの外部に保
持しておく。最後に、蓋LDとパッキングPAとにより
開口OPを塞ぎ、冷媒供給排気用二重管STを通じて冷
媒を極低温容器CRに充填する。
【0024】磁気センサユニット10を交換・修理する
ときは、リングR2を引っ張ってマスタラインMの第1
端に取り付けられているリングR1を外部に引き出す。
そして、交換・修理の対象の磁気センサユニット10に
対応するガイドラインGとプルアップラインPを選び出
し、そのプルアップラインPを引っ張って、磁気センサ
ユニット10を開口OPから引き出す。
【0025】以上の磁気測定装置100によれば、比較
的小さな開口OPにできるので、開口OPからの熱の侵
入が少なくなり、極低温容器CRから冷媒が蒸発する割
合を小さくでき、運転コストを大幅に低減することが出
来る。
【0026】−第2の実施形態− 上記磁気センサユニット10の代りに、図13に示す磁
気センサユニット10aを用いてもよい。この磁気セン
サユニット10aでは、パイプ部材1aが四角筒状に形
成されている。
【0027】−第3の実施形態− 上記磁気センサユニット10の代りに、図14に示す磁
気センサユニット10bを用いてもよい。この磁気セン
サユニット10bでは、ブロック部材1bにパイプ6を
取り付け、このパイプ6にガイドラインGを通すように
なっている。
【0028】−第4の実施形態− 図15は、本発明の第4の実施形態に係る磁気測定装置
の構成図である。この磁気測定装置200では、極低温
容器CRの内容器CRIの底部D’および外容器CRO
の底部が、人の後頭部まで収容しうるような形状になっ
ている。これ以外の構成は前記第1の実施形態の磁気測
定装置100と同様である。人の後頭部に対応する部分
はアンダーカットになるため、磁気センサユニット1
0’は水平より下を向くことになるが、ガイドラインG
により案内できるため、磁気センサユニット10’を容
易に設置できる。また、交換・修理のために磁気センサ
ユニット10’を容易に引き出すことが出来る。
【0029】−第5の実施形態− 図16は、本発明の第5の実施形態に係る磁気測定装置
の構成図である。この磁気測定装置300は、人の頭部
を収容しうるドーム状の側部S1,S2を有する内容器
CRIおよび外容器CROからなる極低温容器CRを具
備している。それら側部S1,S2の内面には、それぞ
れのグループの多数の磁気センサユニット10,10’
が立設されている。これ以外の構成は前記第1の実施形
態の磁気測定装置100と同様である。磁気センサユニ
ット10’は略完全に下を向いているが、ガイドライン
Gにより案内できるため、容易に設置できると共に交換
・修理のために引き出すことも容易である。情報処理装
置30は、側部S1のグループの磁気センサユニット1
0からの出力信号と側部S2のグループの磁気センサユ
ニット10からの出力信号とを並行に処理する。従っ
て、同時に二人の被検体の頭部の磁気分布を測定でき
る。なお、人の頭部を収容しうるドーム状の側部を3以
上設けてもよい。
【0030】−第6の実施形態− 上記磁気センサ保持部Hの代りに、図17に示す磁気セ
ンサ保持部H1を用いてもよい。図17の(a)に示す
ように、この磁気センサ保持部H1は、底部Dに立設さ
れ且つボール保持孔BHを有する第1支持部SB1と、
そのボール保持孔BHに保持されるボール部BLを有す
る第2支持部SB2と、その第2支持部SB2から突出
した柔軟性をもつガイド部GBとからなっている。図1
7の(b)に示すように、前記第2支持部SB2は、ボ
ール部BLにより回動可能である。図18に示すよう
に、上記磁気センサ保持部H1に、ガイドラインGの第
1端を接続する。この際、ガイドラインGの第1管口を
前記ガイド部GBから前記第1支持部SB1の先端まで
被せて接合しておく。
【0031】上記磁気センサ保持部H1を用いれば、第
2支持部SB2が回動するため、磁気センサユニット1
0,10’が滑らかに磁気センサ保持部H1に収り、途
中で引っ掛かることがなくなる。
【0032】−第7の実施形態− 上記磁気センサユニット10の代りに、図19に示す磁
気センサユニット10cを用いてもよい。図19の
(a)に示すように、この磁気センサユニット10c
は、パイプ部材1cに切れ込みCKを刻設し、その切れ
込みCKの両側にプルアップラインPを取り付けてい
る。図19の(b)に示すように、プルアップラインP
を矢印aの方向に引っ張った時、前記パイプ部材1cが
切れ込みCKに沿って2つの半パイプ状部材1d,1e
に割れるので、磁気センサユニット10cを磁気センサ
保持部Hから容易に外すことが出来る。
【0033】−第8の実施形態− 図20は、本発明の第8の実施形態に係る磁気測定装置
の構成図である。この磁気測定装置400では、内容器
CRIの底部Dに立設した磁気センサユニット10のそ
れぞれの近傍にガイドライン取付部GTが設けられ、そ
れらガイドライン取付部GTにガイドラインGの第1端
が接続されている。また、磁気センサユニット10に
は、プルアップラインが付けられていない。これ以外の
構成は前記第1の実施形態の磁気測定装置100と同様
である。
【0034】次に、図21〜図32を参照して、前記磁
気測定装置400の製造行程を説明する。まず、図21
に示すように、内容器CRIの底部Dのみを製作し、そ
の湾曲部分の多数の箇所に磁気センサ保持部H2を設け
る。また、各磁気センサ保持部H2の近傍にガイドライ
ン取付部GTを設ける。図22に示すように、前記磁気
センサ保持部H2は、例えばナイロン製の長さ95m
m,直径8mmの円柱状である。その磁気センサ保持部
H2の基端近傍には、膨出部BBが形成されている。こ
の膨出部BBの直径は、例えば10.5mmである。前
記ガイドライン取付部GTは、例えばナイロン製の長さ
25mm,直径4mmの円柱状である。
【0035】次に、図23に示すように、ガイドライン
取付部GTに、ガイドラインGの第1端を接続する。ガ
イドラインGは、例えばナイロン製の糸を編んだ柔軟な
チューブ状物であり、直径が15mm〜1mmくらいの
範囲で伸縮しうる。このチューブ状物の第1管口を前記
ガイドライン取付部GTに被せて接合しておく。
【0036】次に、図24に示すように、内容器CRI
の側部Qを製作し、比較的小さな開口OPをもつ内容器
CRIを完成すると共に、前記各磁気センサ保持部H2
にそれぞれ第1端を接続したガイドラインGの第2端を
前記開口OPから引き出しておく。比較的小さな開口O
Pの内径は、例えば3cm〜5cmである。また、開口
OPと同じ内径のネック部NKの高さは、例えば30c
m〜50cmである。次に、図25に示すように、断熱
材Dnを配置すると共に外容器CROを製作し、比較的
小さな開口OPをもつ恒久的な極低温容器CRを完成す
る。
【0037】次に、図26に示すようなセンサ取付取外
治具60を用意する。このセンサ取付取外治具60は、
貫通孔61aをもち且つ第1端にチューブ保持ハンドル
62を有するチューブ61と、そのチューブ61の外面
に取り付けられた多数のリング63と、前記チューブ6
1の貫通孔61aに挿入され且つ第1端にハンドル66
を有するワイヤ64と、そのワイヤ64の第2端に取り
付けられたグリッパ65とを具備した構成である。前記
ハンドル66を持ち、前記チューブ保持ハンドル62を
手元に引くと、前記グリッパ65が貫通孔61aから出
るため、グリッパ65が開く。一方、図27に示すよう
に、前記ハンドル66を持ち、前記チューブ保持ハンド
ル62を矢印bの方向に押すと、前記グリッパ65の一
部が貫通孔61aに入り込むため、グリッパ65が閉じ
る。このようにグリッパ65を開閉することで、磁気セ
ンサユニット10をグリッパ65で掴んだり,放したり
できる。
【0038】次に、図28に示すように、ガイドライン
Gを前記センサ取付取外治具60のリング63に通し、
前記センサ取付取外治具60のグリッパ65で磁気セン
サユニット10を掴む。
【0039】次に、図29に示すように、グリッパ65
で磁気センサユニット10を掴んだまま、前記チューブ
保持ハンドル62およびハンドル66を押し込むと、ガ
イドラインGに案内されて、磁気センサユニット10が
磁気センサ保持部H2に導かれる。さらに、図30に示
すように、グリッパ65で磁気センサユニット10を掴
んだまま、前記チューブ保持ハンドル62およびハンド
ル66を押し込むと、磁気センサユニット10が磁気セ
ンサ保持部H2に嵌まる。このとき、磁気センサユニッ
ト10の貫通孔2の径が10mmであり、磁気センサ保
持部H2の膨出部BBの直径が10.5mmであるか
ら、磁気センサユニット10が磁気センサ保持部H2に
しっかりと保持される。なお、ファイバスコープを用い
て覗きながら上記作業を行うのが好ましい。
【0040】次に、図31に示すように、磁気センサユ
ニット10をグリッパ65から放す。さらに、図32に
示すように、前記チューブ保持ハンドル62およびハン
ドル66を引き出し、ガイドラインGからセンサ取付取
外治具60を外す。
【0041】同様にして、他の磁気センサ保持部H2に
も磁気センサユニット10を取り付ける。この後、図2
0に示すように、全てのガイドラインGをリングR1に
取り付け、そのリングR1にマスタラインMの第1端を
取り付け、リングR1を開口OPから極低温容器CRの
内部に落し込み、前記マスタラインMの第2端にリング
R2を取り付け、そのリングR2を極低温容器CRの外
部に保持しておく。最後に、蓋LDとパッキングPAと
により開口OPを塞ぎ、冷媒供給排気用二重管STを通
じて冷媒を極低温容器CRに充填する。
【0042】磁気センサユニット10を交換・修理する
ときは、リングR2を引っ張ってマスタラインMの第1
端に取り付けられているリングR1を外部に引き出し
て、交換・修理の対象の磁気センサユニット10に対応
するガイドラインGを選び出す。そして、そのガイドラ
インGを、前記センサ取付取外治具60のリング63に
通し、センサ取付取外治具60を押し込んで、グリッパ
65で磁気センサユニット10を掴んで取り出す。
【0043】以上の磁気測定装置400によれば、比較
的小さな開口OPにできるので、開口OPからの熱の侵
入が少なくなり、極低温容器CRから冷媒が蒸発する割
合を小さくでき、運転コストを大幅に低減することが出
来る。
【0044】
【発明の効果】本発明の磁気測定装置によれば、極低温
容器の開口を小さくしても、極低温容器の内部に磁気セ
ンサを容易に設置できると共に交換・修理のために磁気
センサを容易に取り出すことが出来る。従って、小さな
開口からの熱の侵入が少なくなり、極極低温容器から冷
媒が蒸発する割合を小さくでき、運転コストを低減する
ことが出来る。また、アンダーカットになる部分にも磁
気センサを配設できるので、被検体の形状に合せてアン
ダーカットになる部分を作ることが出来る。さらに、複
数の被検体を同時に収容でき、スループットを向上する
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる磁気測定装置
を示す構成図である。
【図2】磁気センサ保持部の配置の説明図である。
【図3】磁気センサ保持部の斜視図である。
【図4】磁気センサ保持部にガイドラインを接続した状
態を示す説明図である。
【図5】ガイドラインの引き出し作業の説明図である。
【図6】小さな開口の形成作業の説明図である。
【図7】磁気センサユニットの斜視図である。
【図8】磁気センサユニットにガイドラインを通した状
態を示す説明図である。
【図9】磁気センサユニットにガイドラインを通した状
態を示す別の説明図である。
【図10】押し治具で磁気センサユニットを押し込む作
業の説明図である。
【図11】磁気センサユニットが支持部に嵌まった状態
の説明図である。
【図12】極低温容器の底部に設置された磁気センサユ
ニットの説明図である。
【図13】第2の実施形態にかかる磁気センサユニット
の斜視図である。
【図14】第3の実施形態にかかる磁気センサユニット
の斜視図である。
【図15】第4の実施形態にかかる磁気測定装置の構成
図である。
【図16】第5の実施形態にかかる磁気測定装置の構成
図である。
【図17】第6の実施形態にかかる磁気センサ保持部の
斜視図である。
【図18】図17の磁気センサ保持部にガイドラインを
接続した状態の説明図である。
【図19】第7の実施形態にかかる磁気センサユニット
の斜視図である。
【図20】第8の実施形態にかかる磁気測定装置を示す
構成図である。
【図21】磁気センサ保持部とガイドライン取付部の配
置の説明図である。
【図22】磁気センサ保持部とガイドライン取付部の斜
視図である。
【図23】ガイドライン取付部にガイドラインを接続し
た状態を示す説明図である。
【図24】ガイドラインの引き出し作業の説明図であ
る。
【図25】小さな開口の形成作業の説明図である。
【図26】センサ取付取外治具の斜視図である。
【図27】図26のセンサ取付取外治具のグリッパを閉
じた状態を示す説明図である。
【図28】磁気センサユニットを掴んだセンサ取付取外
治具のリングにガイドラインを通した状態を示す説明図
である。
【図29】磁気センサユニットを掴んだセンサ取付取外
治具のリングにガイドラインを通した状態を示す別の説
明図である。
【図30】センサ取付取外治具で磁気センサユニットを
押し込む作業の説明図である。
【図31】磁気センサユニットが磁気センサ保持部に嵌
まった状態の説明図である。
【図32】極低温容器の底部に設置された磁気センサユ
ニットの説明図である。
【図33】従来の磁気測定装置の一例を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
100,200,300,400 磁気測定装置 10 磁気センサユニット 20 インタフェース装置 30 情報処理装置 40 表示装置 60 センサ取付取外治具 CR,CR’ 極低温容器 D,D’ 底部 S1,S2 側部 H,H1 磁気センサ保持部 SB 支持部 SG ガイド部 G ガイドライン GT ガイドライン取付部 P プルアップライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/05 G01R 33/02 G01R 33/035

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極低温容器の内部に多数の磁気センサを
    設置し、それら磁気センサの信号線を前記極低温容器の
    上部の開口から導出し、前記極低温容器に冷媒を充填
    し、前記開口に蓋を被せた構造の磁気測定装置におい
    て、 前記極低温容器の底部または側部に磁気センサ保持部が
    それぞれ設けられると共に、それら磁気センサ保持部ま
    たはその近傍にガイドラインの第1端が接続されてお
    り、前記ガイドラインの第2端を前記開口から引き出し
    て、そのガイドラインにより案内されて前記磁気センサ
    が前記開口から前記磁気センサ保持部まで押し入れられ
    たことを特徴とする磁気測定装置。
  2. 【請求項2】 極低温容器の内部に多数の磁気センサを
    設置し、それら磁気センサの信号線を前記極低温容器の
    上部の開口から導出し、前記極低温容器に冷媒を充填
    し、前記開口に蓋を被せた構造の磁気測定装置におい
    て、 前記極低温容器の底部または側部に磁気センサ保持部を
    それぞれ設けると共に、それら磁気センサ保持部または
    その近傍にガイドラインの第1端を接続し且つ第2端を
    前記開口から引き出すか又は引出可能に保持しておき、
    そのガイドラインにより案内しながら前記磁気センサを
    前記開口から前記磁気センサ保持部まで押し入れ可能で
    あると共に、そのガイドラインにより案内しながら前記
    磁気センサを前記磁気センサ保持部から前記開口まで引
    き出し可能であることを特徴とする磁気測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の磁気測
    定装置において、前記磁気センサをパイプ状部材に一体
    化し、そのパイプ状部材の貫通孔に前記ガイドラインを
    挿通したことを特徴とする磁気測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の磁気測定装置におい
    て、前記磁気センサ保持部は、前記底部または側部に立
    設され且つ前記パイプ状部材の貫通孔に嵌まって前記パ
    イプ状部材を支持する支持部と、その支持部から突出さ
    れた柔軟性をもつガイド部とからなることを特徴とする
    磁気測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の磁気測定装置におい
    て、前記支持部は、前記底部または側部に立設される第
    1支持部と、その第1支持部により回動可能に支持され
    る第2支持部とからなることを特徴とする磁気測定装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5に記載の磁気測
    定装置において、前記ガイドラインは、直径が伸縮しう
    る柔軟なチューブ状物であり、そのチューブ状物の第1
    管口が前記ガイド部に被せられていることを特徴とする
    磁気測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれかに記載
    の磁気測定装置において、前記磁気センサを前記磁気セ
    ンサ保持部から引き出すためのプルアップラインを具備
    し、前記プルアップラインの第1端が前記磁気センサに
    取り付けられ、前記プルアップラインが前記極低温容器
    の内部を通り、前記プルアップラインの第2端が前記開
    口から引き出されるか又は引出可能に前記極低温容器の
    内部に保持されたことを特徴とする磁気測定装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の磁気測定装置におい
    て、前記磁気センサをパイプ状部材に一体化し、そのパ
    イプ状部材の貫通孔に前記ガイドラインを挿通すると共
    に、そのパイプ状部材に前記プルアップラインの第1端
    を取り付けたことを特徴とする磁気測定装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または請求項8に記載の磁気測
    定装置において、前記プルアップラインを引っ張ったと
    き前記パイプ状部材が割れて、前記磁気センサ保持部か
    ら外れることを特徴とする磁気測定装置。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項9のいずれかに記
    載の磁気測定装置において、 前記極低温容器の底部または側部に2グループ以上の磁
    気センサ保持部を形成し、それら各グループの磁気セン
    サ保持部の外側空間に被検体をそれぞれ同時に収容可能
    としたことを特徴とする磁気測定装置。
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