JP3366931B2 - 減衰力可変型緩衝器およびこれに適する磁性流体流動制御機構 - Google Patents

減衰力可変型緩衝器およびこれに適する磁性流体流動制御機構

Info

Publication number
JP3366931B2
JP3366931B2 JP12385794A JP12385794A JP3366931B2 JP 3366931 B2 JP3366931 B2 JP 3366931B2 JP 12385794 A JP12385794 A JP 12385794A JP 12385794 A JP12385794 A JP 12385794A JP 3366931 B2 JP3366931 B2 JP 3366931B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic fluid
magnetic
magnetic field
fluid
damping force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP12385794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07332427A (ja
Inventor
谷 功 中
橋 務 高
田 宗 勝 島
山 龍 男 杉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute for Materials Science
Original Assignee
National Institute for Materials Science
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute for Materials Science filed Critical National Institute for Materials Science
Priority to JP12385794A priority Critical patent/JP3366931B2/ja
Publication of JPH07332427A publication Critical patent/JPH07332427A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3366931B2 publication Critical patent/JP3366931B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性流体を用いて減衰
力を変化させるのに利用される伸縮式や回転式などの減
衰力可変型緩衝器に関し、特に、電磁コイルへの通電量
を変えることによって磁性流体の流路を通過する前記磁
性流体の流動特性を変えることで発生減衰力を調整する
ことができるようにした磁性流体利用の伸縮式や回転式
などの減衰力可変型緩衝器ならびにこの減衰力可変型緩
衝器およびその他の機器における流体流動制御に適する
磁性流体流動制御機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電磁コイルへの通電量を変えることによ
って磁性流体の流路を通過する前記磁性流体の粘性を変
化させることで発生減衰力を調整することができるよう
にした磁性流体利用の伸縮式減衰力可変型緩衝器として
は、例えば、実開昭62−151448号公報に開示さ
れたものがあり、また、回転式減衰力可変型緩衝器とし
ては、例えば、特開昭62−251220号公報に開示
されたものがあったが、本発明者らは、すでに、前記し
た従来の減衰力可変型緩衝器では、電磁コイルへの通電
量を変化させても、より好ましい発生減衰力の変更調整
をなし難い不都合のあることを明らかにし、所望の大き
さの減衰力を発生することができるようにした磁性流体
利用の減衰力可変型緩衝器を新たに開発して特許出願
(特願平5−57522号明細書および図面)してい
る。
【0003】すなわち、磁性流体の粘性の磁場による増
加代には、流体の流速、つまり、せん断速度依存性があ
るため、流速の大きなところでは、粘性にもとづく大き
な調整幅の減衰力発生は期待することができ難いこと、
また、磁性流体の磁場による粘性力の増加分だけでは、
たとえ流速が小さいときであっても、所望の大きさの調
整幅の減衰力発生は期待でき難いこと、等が明らかにな
った。
【0004】そこで、磁性流体の磁場による粘性の増加
を利用するとともに、前記磁場の磁性流体に及ぼす磁気
力の作用を複数段で有効に利用するようにして、流体の
流速の広い範囲で所望の大きさの減衰力を発生すること
ができるようにした減衰力可変型緩衝器を開発した。
【0005】また、さらに、既出願の伸縮式や回転式な
どの減衰力可変型緩衝器においては、電磁コイルへ流す
電流値が比較的大きな値とならざるを得ないという課題
が残されていたが、磁場を印加する部位における電磁石
のコアの極が直接ないしはほとんどギャップのない状態
で磁性流体に接している構成とすることにより、その課
題を解決し、特許出願(特願平5−255952号明細
書および図面)している。
【0006】図12および図13は、上記既出願におけ
る伸縮式減衰力可変型緩衝器を示すものである。
【0007】この伸縮式減衰力可変型緩衝器1は、シリ
ンダ2内に挿通したピストンロッド3の下端に設けたピ
ストン4によって、シリンダ2の内部をロッド側室2a
とピストン側室2bとに区画している。そして、ロッド
側室2aとピストン側室2bは、シリンダ2の外側に形
成した磁性流体の流路5と、シリンダ外筒6とアブソー
バ外筒7との間で形成されたスペース8と、シリンダ2
の底部蓋9に設けたオリフィス11を介して連通してい
る。
【0008】そして、各室2a,2bと、磁性流体の流
路5と、スペース8の一部は磁性流体10で満たされて
いる。また、スペース8の上部空間には、窒素ガスが封
入されており、スペース8はいわゆるリザーバの機能を
もっている。
【0009】そして、伸びるときには、ピストン4に設
けたオリフィス12は閉となり、シリンダ2の底部蓋9
に設けたオリフィス11は開となる。このため、ロッド
側室2aの磁性流体10は流路5を通って下向きに流
れ、スペース8、オリフィス11を通ってロッド側室2
bに還流する。
【0010】また、縮むときには、シリンダ2の底部蓋
9に設けたオリフィス11は閉となり、ピストン4に設
けたオリフィス12は開となって、シリンダ2内の各室
2a,2bにある磁性流体10は、押し込まれるピスト
ンロッド3の体積分だけ押し出され、流路5を通って下
向きに流れ、スペース(リザーバ)8へと流れ込んで貯
留される。
【0011】したがって、この場合には、伸びるときも
縮むときも、流路5における磁性流体10の流れは同じ
方向になる。また、流路5の入口と出口との間に発生す
る圧力差によって減衰力が発生する。
【0012】次に、この伸縮式減衰力可変型緩衝器1で
は、磁性流体10の流路5に、磁性流体流動制御機構1
5をそなえており、流路5における構造を説明する。
【0013】この流路5は、シリンダ外筒6の内側に設
けられた円筒部材16とシリンダ内筒2の外側に設けら
れた電磁石17との間の環状すき間によって形成されて
いる。そして、電磁石17のコア18は、図示の縦断面
コの字形をなした環状のものであり、シリンダ内筒2の
外側に多数配設されている。また、電磁石17のコア1
8には、電磁コイル19が設けられている。そして、円
筒部材16および電磁石17のコア18は、高透磁率材
料で作製されている。
【0014】図13に、この部分の拡大断面を示すが、
電磁石17のコア18の極部18a,18bが磁性流体
10に直接ないしはほとんどギャップのない状態で接し
ており、図13に示すように、コア18と、流路5内の
磁性流体10と、円筒部材16とで磁気回路が形成され
ている。
【0015】したがって、電磁コイル19に通電する
と、小さな電流で大きな磁場が流路5内の磁性流体10
に印加され、このとき、磁性流体10の流れの方向に対
して直交する方向に磁場が印加される。
【0016】また、電流量を変えることにより、印加磁
場の大きさを変えることができる。
【0017】そして、21は環状のスペーサであり、非
磁性材料で作製されていると共に、22は環状のおさえ
であり、これも非磁性材料で作製されていて、電磁石1
7は図12に示す如くシリンダ内筒2の外側に多数並べ
られている。
【0018】このような磁場印加を行うための構成とす
ることによって、磁性流体10の流れに対し、ほぼ垂直
に、しかも多数個所で、磁場が印加できることとなる。
【0019】したがって、電磁コイル19に対する通電
量を変えることによって、磁性流体10の粘性、および
磁性流体10に働く磁気力を変化させて、磁性流体10
の流動が制御できるので、流路5の入口と出口との間に
発生する圧力差を変えることができ、比較的小さな電流
で減衰力を変えることができるようになる。
【0020】この場合、スペーサ21およびおさえ22
の材料としては、銅,オーステナイト系ステンレス鋼等
の非磁性金属や、ポリ4フッ化エチレン(商品名:テフ
ロン)等の樹脂を用いることができ、磁気回路を形成す
る円筒部材16およびコア18には、軟鉄,Fe−Si
合金,Fe−Al合金,パーマロイ,ミューメタル等の
高透磁率材料であれば何でも使用することができる。そ
して、コア18には、フェライトコアを用いることもで
き、これらに限らず、高周波用磁性材料を用いると、応
答性のより優れた電磁石17とすることができる。
【0021】そして、具体的な寸法例としては、ピスト
ン4の直径を35mmとし、ピストンロッド3の直径を
20mmとすることができる。したがって、受圧面積
は、伸びのときに6.48cm、縮みのときに3.1
4cmとなる。
【0022】また、流路5のすき間bは、ピストンスピ
ード0.6m/secにおいても流体を制御しないとき
の圧力差があまり大きくならないようにb=1mmとす
ることができ、この場合、ピストンスピード0.6m/
secにおいても十分に層流域である。
【0023】さらに、円筒部材16は、肉厚2mmの軟
鉄製のものとすることができ、環状コア18は、図13
において、Lc=6mm,g=6mm,a=6mm,h
=3mmとし、軟鉄で作製し、5kOeの磁場が十分可
能な電磁石17とすることができる。
【0024】また、環状のスペーサ21は厚さ2mmと
し、ポリ4フッ化エチレン(商品名:テフロン)で作製
することができる。そして、電磁石17は、図12に示
すように、上下方向に10個並べたものとすることがで
き、この場合は、磁場の印加される個所は合計20個所
である。
【0025】さらに、スペース8の上部空間には、大気
圧のNガスを入れたものとし、このような構成のもの
とすることにより、磁性流体10の磁場による粘性力と
ともに、磁気力を有効に利用した(後者の効果の方が
大)伸縮式減衰力可変型緩衝器1とすることができる。
【0026】図14,図15および図16は、上記既出
願における回転式減衰力可変型緩衝器を示すものであ
る。
【0027】この回転式減衰力可変型緩衝器31は、ハ
ウジング32の一方側で突出している回転軸32aを一
体でそなえていると共に側板32bをそなえており、ハ
ウジング32が回転軸32aとともに一体で回転する。
また、ハウジング32の他方側の側板32b側には、固
定軸33が設けてあり、ハウジング32内には、図15
に示すように、このハウジング32に設けた内部壁32
cがある。
【0028】一方、固定軸33に連結されている円筒体
34には、ベーン34aが設けてあり、ハウジング32
内において内部壁32cで形成された空間は、ベーン3
4aによって二つの部屋35a,35bに仕切られてい
る。
【0029】また、円筒体34の内側には、二つの環状
をなす内側空間41および外側空間51が設けられてい
る。そして、それぞれの円筒状をなす空間41,51に
は、以下で詳しく説明する磁性流体流動制御機構45,
55が設けてある。
【0030】そして、環状をなす内側の空間41と部屋
35aとは流路37(図15参照)で連通しており、内
側の空間41と外側の空間51とは流路38(図14参
照)で連通しており、外側の空間51と部屋35bとは
流路39(図15参照)で連通している。
【0031】そして、これらの空間41,51,部屋3
5a,35bおよび流路37,38,39は磁性流体4
0で満たされている。
【0032】そこで、回転軸32aが反時計回りに回転
すると、図15に示すように、部屋35aの磁性流体4
0は流路37を通って内側の空間41に至り、内側の空
間41で環状すき間42を図14の左から右方向へと流
れ、次いで、流路38を通って外側の空間51に至り、
外側の空間51で環状すき間52を図14の右から左方
向へと流れ、次いで流路39を通ったのち部屋35bへ
と流れる。
【0033】また、回転軸32aが時計回りに回転する
ときには、磁性流体40は上記とは逆向きに流れる。
【0034】次に、この回転式減衰力可変型緩衝器31
では、環状すき間42,52よりなる磁性流体40の流
路に、磁性流体流動制御機構45,55をそなえている
ので、この流路における構造をさらに説明する。
【0035】この磁性流体の流路は、円筒部材46,5
6と、電磁石47,57との間の環状すき間42,52
で形成されている。そして、電磁石47,57のコア4
8,58は、図示の断面コの字形をなした環状のもので
ある。この電磁石47,57のコア48,58には、そ
れぞれ電磁コイル49,59が設けられている。この場
合、円筒部材46,56および電磁石47,57のコア
48,58は、高透磁率材料で作製されている。
【0036】図16に、この部分を拡大して示すが、電
磁石47,57のコア48,58の極部48a,48
b,58a,58bが磁性流体40に直接接しており、
図16に示すように、コア48,58と、環状すき間
(流体流路)42,52内の磁性流体40と、円筒部材
46,56とで磁気回路が形成される。
【0037】したがって、電磁コイル49,59に通電
すると、小さな電流で大きな磁場が環状すき間42,5
2内の磁性流体40に印加され、このとき、磁性流体4
0の流れの方向に対して直交する方向に磁場が印加され
る。また、電流量を変えることにより、印加磁場の大き
さを変えることができる。
【0038】そして、44,54は環状のスペーサであ
り、非磁性材料で作製されている。また、電磁石47,
57は、図15に示す如く内側の空間41および外側の
空間51においてそれぞれ複数並べられている。
【0039】このような磁場印加を行うための構成とす
ることによって、磁性流体40の流れに対し、ほぼ垂直
に、しかも多数個所で、磁場が印加できることとなる
(電磁石1個で2個所)。
【0040】したがって、電磁コイル49,59に対す
る通電量を変えることによって、磁性流体40の粘性、
および磁性流体40に働く磁気力を変化させて、磁性流
体40の流動が制御できるので、流路の入口と出口との
間に発生する圧力差を変えることができ、比較的小さな
電流で減衰力を変えることができるようになる。
【0041】この場合、環状のスペーサ44,54の材
料としては、銅,オーステナイト系ステンレス鋼等の非
磁性金属、ポリ4フッ化エチレン(商品名:テフロン)
等の材料を用いることができ、磁気回路を形成する円筒
部材46,56およびコア48,58には、軟鉄,Fe
−Si合金,Fe−Al合金,パーマロイ,ミューメタ
ル等の高透磁率材料であれば何でも使用することができ
る。そして、コア48,58にはフェライトコアを用い
ることができ、さらに、それらに限らず、高周波用磁性
材料を用いると応答性のより優れた電磁石47,57と
することができる。
【0042】そして、具体的な寸法例としては、ハウジ
ング32の内径を120mmとし、円筒体34の外径を
52mmとし、ベーン34aの幅を80mmとすること
ができ、また、流路を形成する環状すき間42,52の
図16に示す幅bについては、回転速度100°/se
cにおいても流体を制御しないときの圧力差があまり大
きくならないようにb=1mmとすることができ、この
場合、回転速度100°/secにおいても十分に層流
域である。
【0043】さらに、円筒部材46,56は、肉厚2m
mの軟鉄製のものとすることができ、環状コア48,5
8は、図16において、Lc=6mm,g=6mm,a
=5mm,h=3mmとし、軟鉄で作製し、5kOeの
磁場が十分発生可能な電磁石47,57とすることがで
きる。
【0044】また、環状のスペーサ44,54は、厚さ
2mmとし、ポリ4フッ化エチレン(商品名:テフロ
ン)で作製することができる。そして、電磁石47,5
7は、図14に示すように、それぞれ3個並べたものと
することができ、この場合は、磁場の印加される個所は
合計12個所であって、このような構成のものとするこ
とにより、磁性流体40の磁場による粘性力とともに、
磁気力を有効に利用した(後者の効果の方が大)回転式
減衰力可変型緩衝器31とすることができる。
【0045】図17は、緩衝器本体とは別体構造のもの
となっている別置式磁性流体流動制御機構75を示して
いる。
【0046】この別置式磁性流体流動制御機構75にお
いて、ハウジング85の内側には、図に示すような二つ
の環状をなす内側空間81および外側空間91が設けて
ある。そして、環状をなす内側空間81は流路71(7
1a)に接続され、環状をなす外側空間91は流路71
(71b)に接続され、これらの空間81,91および
流路71は磁性流体70で満たされる。
【0047】磁性流体流動制御機構75内での磁性流体
の流路は、円筒部材86,96と、電磁石87,97と
の間の環状すき間82,92で形成されている。そし
て、電磁石87,97のコア88,98は、図示の断面
コの字形をなした環状のものである。この電磁石87,
97のコア88,98には、それぞれ電磁コイル89,
99が設けられている。この場合、円筒部材86,96
および電磁石87,97のコア88,98は、高透磁率
材料で作製されている。
【0048】磁性流体70は、例えば、流路71aから
入ってきて内側の環状すき間82を通り、流路84を通
過したのち外側の環状すき間92を通り、流路71bへ
と流動する。
【0049】図18に、環状すき間82,92の一部を
拡大して示すが、電磁石87,97のコア88,98の
極部88a,88b,98a,98bが磁性流体70に
直接ないしはほとんどギャップのない状態で接してお
り、図18に示すように、コア88,98と、環状すき
間(流体流路)82,92内の磁性流体70と、円筒部
材86,96とで磁気回路が形成される。
【0050】したがって、電磁コイル89,99に通電
すると、小さな電流で大きな磁場が環状すき間82,9
2内の磁性流体70に印加され、このとき、磁性流体7
0の流れの方向に対して直交する方向に磁場が印加され
る。また、電流量を変えることにより、印加磁場の大き
さを変えることができる。
【0051】そして、84,94は環状のスペーサであ
り、非磁性材料で作製されている。また、電磁石87,
97は、図17に示すごとく内側の空間81および外側
の空間91においてそれぞれ複数並べられている。
【0052】このような磁場印加を行うための構成とす
ることによって、磁性流体70の流れに対し、ほぼ垂直
に、しかも多数個所で磁場が印加できることとなる(電
磁石1個で2個所)。
【0053】したがって、電磁コイル89,99に対す
る通電量を変えることによって、磁性流体70の粘性、
および磁性流体70に働く磁気力を変化させて、磁性流
体70の流動が制御できるので、流路の入口と出口との
間に発生する圧力差を変えることができ、比較的小さな
電流で減衰力を変えることができるようになる。
【0054】この場合、環状のスペーサ84,94の材
料としては、銅,オーステナイト系ステンレス鋼等の非
磁性金属、ポリ4フッ化エチレン(商品名;テフロン)
等の樹脂を用いることができ、また、磁気回路を形成す
る円筒部材86,96およびコア88,98には、軟
鉄,Fe−Si合金,Fe−Al合金,パーマロイ,ミ
ューメタル等の高透磁率材料であれば何でも使用するこ
とができる。そして、コア88,98には、フェライト
コアを用いることもでき、高周波用磁性材料を用いると
応答性のより優れた電磁石87,97とすることができ
る。そして、このような磁気回路では、コア88,98
の極部88a,88b,98a,98bは直接磁性流体
70と接しているので、小さな電流である程度以上の大
きさの磁場を磁性流体70に印加できることとなる。
【0055】また、円筒部材86,96とコア88,9
8との間のすき間がせいまいこともより好都合なものと
なっている。したがって、さらに小さな電流で十分なわ
けである。
【0056】また、防錆や絶縁等のために、コア88,
98にコーティングを施すことが必要な場合もでてくる
が、その際のコーティング層の厚さはせいぜい10μm
程度以下であるので、ほとんど電流値には差が生じてこ
ない。
【0057】そして、具体的な寸法例としては、流路を
形成する環状すき間82,92の図18に示す幅bをb
=1mmとし、円筒部材86,96は、肉厚2mmの軟
鉄製のものとし、環状コア88,98は、図18におい
て、Lc=6mm,g=6mm,a=5mm,h=3m
mとし、軟鉄で作製し、5kOeの磁場が十分可能な電
磁石87,97とすることができる。
【0058】また、環状のスペーサ84,94は厚さ2
mmとし、ポリ4フッ化エチレン(商品名:テフロン)
で作製し、電磁石87,97は、図17に示すようにそ
れぞれ3個並べたものとすることができ、このとき、磁
場の印加される個所は合計12個所であって、このよう
な構成とすることにより、磁性流体70の磁場による粘
性力とともに、磁気力を有効に利用した(後者の効果の
方が大)磁性流体流動制御機構75とすることができ
る。
【0059】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来における減衰力可変型緩衝器等に使用される磁性
流体流動制御機構においては、現実には、円筒部材と電
磁石との間のすき間におけるギャップを比較的大きくと
らざるを得ない状況にあったため、電磁石の電磁コイル
へ流す電流値も比較的大きな値とならざるを得ないとい
う問題点が残されており、このような問題点を解決する
ことが課題であった。
【0060】
【発明の目的】本発明は、このような従来技術がもつ問
題点にかんがみてなされたものであって、比較的小さな
電流値で、所望の大きさの減衰力を発生させることがで
きるようにした減衰力可変型緩衝器ならびにこの減衰力
可変型緩衝器およびその他の機器における流体流動制御
に適する磁性流体流動制御機構を新たに提供することを
目的としている。
【0061】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる減衰力可
変型緩衝器に適する磁性流体流動制御機構は、作動油と
して磁性流体を用い、磁性流体の磁場による粘性の増加
を利用するとともに、前記磁場の磁性流体に及ぼす磁気
力の作用を複数段以上で有効に利用するようにしたもの
であり、磁性流体に印加される磁場を比較的小さな電流
値で達成するための手段を鋭意検討した結果なされたも
のである。
【0062】すなわち、本発明に係わる減衰力可変型緩
衝器は、作動油として磁性流体を用い、前記磁性流体の
流路に、前記磁性流体の流れの方向に対して直交ないし
はほぼ直交する方向の磁場を印加し且つ前記磁場を印加
する部位を前記磁性流体の流れの方向において複数個所
以上形成し、前記磁場を印加する部位における電磁石の
コアの極部が直接磁性流体に接していて、前記磁性流体
の磁場による粘性増加を利用するとともに前記磁場の磁
性流体に及ぼす磁気力の作用を複数段以上で利用するこ
とにより、前記磁性流体の流路に圧力差を生じさせる磁
性流体流動制御機構をそなえた減衰力可変型緩衝器にお
いて、前記磁場を印加する部位における電磁石のコアの
極部が前記磁性流体の流路に突出している構成としたこ
とを特徴としている。
【0063】そして、本発明に係わる減衰力可変型緩衝
器の実施態様においては、作動油として磁性流体を用
い、ピストンをそなえたピストンロッドが摺動するシリ
ンダ内のロッド側室とピストン側室とを連通する磁性流
体の流路をそなえ、前記磁性流体の流路に、前記磁性流
体の流れの方向に対して直交ないしはほぼ直交する方向
の磁場を印加し且つ前記磁場を印加する部位を前記磁性
流体の流れの方向において多数個所形成し、前記磁場を
印加する部位における電磁石のコアの極部が直接磁性
体に接していて、前記磁性流体の磁場による粘性増加を
利用するとともに前記磁場の磁性流体に及ぼす磁気力の
作用を多段で利用することにより、前記磁性流体の流路
に圧力差を生じさせる磁性流体流動制御機構をそなえた
伸縮式減衰力可変型緩衝器において、前記磁場を印加す
る部位における電磁石のコアの極部が前記磁性流体の流
路に突出している構成のものとすることができる。
【0064】また、同じく、本発明に係わる減衰力可変
型緩衝器の実施態様においては、作動油として磁性流体
を用い、ハウジング内に、前記ハウジングに設けた固定
壁と、回転軸に設けた移動可能なベーンとで仕切られた
部屋を設け、部屋間を連通する磁性流体の流路をそな
え、前記磁性流体の流路に、前記磁性流路の流れの方向
に対して直交ないしはほぼ直交する方向の磁場を印加し
且つ前記磁場を印加する部位を前記磁性流体の流れの方
向において多数個所形成し、前記磁場を印加する部位に
おける電磁石のコアの極部が直接磁性流体に接してい
て、前記磁性流体の磁場による粘性増加を利用するとと
もに前記磁場の磁性流体に及ぼす磁気力の作用を多段で
利用することにより、前記磁性流体の流路に圧力差を生
じさせる磁性流体流動制御機構をそなえた回転式減衰力
可変型緩衝器において、前記磁場を印加する部位におけ
る電磁石のコアの極部が前記磁性流体の流路に突出して
いる構成のものとすることができる。
【0065】そして、同じく実施態様においては、磁性
流体の流れが、環状すき間流れであるようにしたり、ま
た、磁性流体として、比初透磁率が10以上で且つ飽和
磁化(飽和磁束密度)が300G以上であるものを用い
るようにしたり、さらにまた、磁性流体流動制御機構が
一体で組み込まれているものとしたり、別体のものとし
たりすることができる。
【0066】また、本発明に係わる減衰力可変型緩衝器
およびその他の機器の流体流動制御に使用される磁性流
体流動制御機構は、作動油として磁性流体を用い、前記
磁性流体の流路に、前記磁性流体の流れの方向に対して
直交ないしはほぼ直交する方向の磁場を印加し且つ前記
磁場を印加する部位を前記磁性流体の流れの方向におい
て複数個所以上形成し、前記磁場を印加する部位におけ
る電磁石のコアの極部が直接磁性流体に接していて、前
記磁性流体の磁場による粘性増加を利用するとともに前
記磁場の磁性流体に及ぼす磁気力の作用を複数段以上で
利用することにより、前記磁性流体の流路に圧力差を生
じさせる磁性流体流動制御機構において、前記磁場を印
加する部位における電磁石のコアの極部が前記磁性流体
の流路に突出している構成としたことを特徴としてい
る。
【0067】そして、本発明に係わる磁性流体流動制御
機構の実施態様においては、磁性流体の流れが、環状す
き間流れであるようにしたり、磁性流体として、比初透
磁率が10以上で且つ飽和磁化(飽和磁束密度)が30
G以上であるものを用いるようにしたりすることがで
きる。
【0068】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0069】図1および図2は、本発明の一実施例にお
ける伸縮式ないしは回転式減衰力可変型緩衝器に適する
磁性流体流動制御機構の要部の構成を示しており、ここ
では、図14および図15に示した回転式減衰力可変型
緩衝器31の磁性流体40の流路にそなえた磁性流体流
動制御機構45,55を改良した場合を示している。
【0070】この磁性流体の流路は、図1に示すよう
に、円筒部材46,56と、電磁石47,57との間の
環状すき間42,52で形成されている。そして、電磁
石47,57のコア48,58は、図示の断面コの字形
をなした環状のものである。この電磁石47,57のコ
ア48,58には、それぞれ電磁コイル49,59が設
けられている。この場合、円筒部材46,56および電
磁石47,57のコア48,58は、高透磁率材料で作
製されている。
【0071】図2に、この部分を拡大して示すが、電磁
石47,57のコア48,58の極部48a,48b,
58a,58bが磁性流体40の流路(環状すき間4
2,52)に突出しており、コア48,58の極部48
a,48b,58a,58bは磁性流体40に十分接触
したものになっていて、コア48,58と、環状すき間
(流体流路)42,52内の磁性流体40と、円筒部材
46,56とで磁気回路が形成される。
【0072】したがって、電磁コイル49,59に通電
すると、小さな電流で大きな磁場が環状すき間42,5
2内の磁性流体40に印加され、このとき、磁性流体4
0の流れの方向に対して直交する方向に磁場が印加され
る。また、電流量を変えることにより、印加磁場の大き
さを変えることができる。
【0073】図1および図2において、44,54は環
状のスペーサであり、非磁性材料で作製されている。ま
た、電磁石47,57は、図15に示したと同様に内側
の空間41および外側の空間51においてそれぞれ複数
並べられている。
【0074】このような磁場印加を行うための構成とし
て、コア48,58の極部48a,48b,58a,5
8bが磁性流体40の流路(環状すき間42,52)に
突出したものとすることによって、磁性流体40の流れ
に対し、ほぼ垂直に、しかも多数個所で、十分な磁場が
印加できることとなる(電磁石1個で2個所)。
【0075】したがって、電磁コイル49,59に対す
る比較的小さな電流による通電量を変えることによっ
て、磁性流体40の粘性、および磁性流体40に働く磁
気力を変化させて、磁性流体40の流動が制御できるの
で、流路の入口と出口との間に発生する圧力差を変える
ことができ、比較的小さな電流で減衰力を変えることが
できるようになる。
【0076】この場合、環状のスペーサ44,54の材
料としては、銅,オーステナイト系ステンレス鋼等の非
磁性金属、ポリ4フッ化エチレン(商品名:テフロン)
等の材料を用いることができるが、もちろん、その他、
非磁性材料であれば何であってもよい。
【0077】また、磁気回路を形成する円筒部材46,
56およびコア48,58には、軟鉄,Fe−Si合
金,Fe−Al合金,パーマロイ,ミューメタル等の高
透磁率材料であれば何でも使用することができる。そし
て、コア48,58にはフェライトコアを用いることが
でき、さらに、それらに限らず、高周波用磁性材料を用
いると応答性のより優れた電磁石47,57とすること
ができる。
【0078】そして、本発明における磁気回路では、コ
ア48,58の極部48a,48b,58a,58bが
磁性流体40の流路(環状すき間42,52)に突出し
ていることによって磁性流体40と直接に接しているの
で、より小さな電流である程度以上の大きさの磁場を磁
性流体40に印加できることとなる。
【0079】また、円筒部材46,56とコア48,5
8との間のすき間がせまいことも、好都合なものとなっ
ている。
【0080】そして、防錆や絶縁等のために、コア4
8,58にコーティングを施すことが必要な場合もでて
くるが、その際のコーティング層の厚さはせいぜい10
μm程度以下であるので、ほとんど電流値には差が生じ
てこない。
【0081】したがって、本発明において、コア48,
58の極部48a,48b,58a,58bは、磁性流
体40の流路に突出していることにより磁性流体40と
直接に接していることとなり、小さな電流である程度以
上の大きさの磁場を磁性流体40に印加できることとな
る。
【0082】ところで、本発明におけるような流体の流
動下において、磁性流体40の流動を磁場によってどの
ように制御しうるかについては文献等から知ることがで
きなかったので、ここでは、さらに以下に述べる新たな
基礎的な検討を実験により試みた。
【0083】図3に示すように、半径R,環状すきまb
のとき、粘度ηの流体を流量Qだけ流すときに、長さを
Lとすると、両端に発生する圧力差Δpは次の数式1で
与えられる。
【0084】
【数式1】 ただし、D=2R。
【0085】この式は、流体の流れが環状すきま流れの
場合であり、例えば、佐藤俊雄著『油圧装置設計の実
際』 大河出版 (1970),第47頁に述べられて
いる。
【0086】この式により、流体の粘性に基づく圧力差
が生じていると考えることができる。
【0087】一方、磁気力による圧力上昇は、
【0088】
【数式2】 で与えられる。例えば、武富,近角著 『磁性流体 基
礎と応用』 日刊工業新聞社 (1988) 第25頁
参照。
【0089】ここで、Hは磁性流体に採用している磁場
の大きさであり、Mは磁性流体の磁化である。そして、
数式2の右辺は、後出の図8に示す磁化曲線の下の面積
に相当する。
【0090】ここで、磁気力による圧力差Δpの大きさ
を評価してみる。5kOeの磁場で磁性流体の磁化(磁
束密度)が300G(ガウス)であったとすると、 0.03[T]×5×10×79.6[A/m] =11.9×10TA/m=11.9kPa=0.1
2気圧 と概算される。すなわち、約0.1気圧の圧力上昇が期
待できることになる。
【0091】この圧力上昇は、流れに対する抵抗とな
る。したがって、磁気力による圧力の発生が期待できる
ことになる。磁場を印加する個所を多数設けると、多段
効果が期待できることになり、大きな圧力を発生させる
ことが可能となる。
【0092】図4(a)に示すように、内側向きの環状
コア48が3個並んだものとすることによって円筒部材
46との間で環状すき間42を形成し、流動特性を実験
により把握した。
【0093】流量Q、すなわち、環状すき間42におけ
る流速をパラメータとして、両端の圧力を測定すること
により、圧力差を求めた。このとき、図3におけるR,
b,Lの値は、それぞれ、R=10mm,b=0.45
mm,L=61mmとした。
【0094】そして、環状コア48は、PBパーマロイ
で作製したものとし、図2の記号で寸法を示すと、Lc
=4mm,g=7m,h=6mm,a=10mm,s=
4mmである。
【0095】スペーサ44はポリ4フッ化エチレン(テ
フロン)で作製した。また、両側にも同じくスペーサ4
4を配置した。内側の円筒部材46には、中実のFe−
13重量%Al製のシャフト(直径19.2mm)を用
いた。
【0096】電磁コイル49には、線径が0.5mmの
エナメル線を用い、巻数は50ターンのものとした。
【0097】実験は、主に、タイホー工業(株)製の水
ベースマグネタイト磁性流体W40を用いて行なった。
また、窒化鉄磁性流体A(ただし、Aは試料を識別する
ための記号)についても調べた。なお、窒化鉄磁性流体
Aは、新たに合成して作製した。
【0098】図5の線(a)に、水ベースマグネタイト
磁性流体W40を用い、電磁コイル49に通電をしない
とき、つまり、磁場印加のないときの結果を示す。ここ
で、温度25℃における水ベースマグネタイト磁性流体
W40の粘度は25.0cPであった。この結果は、理
論値(数式1)と一致しており、一本の直線に乗ってい
るものとなっていた。
【0099】一方、窒化鉄磁性流体Aでも、同様の結果
が得られた。ただし、調べた流速の範囲は、約46cm
/secまでである。
【0100】次に、磁場を印加した際の圧力の増加分に
ついて調べた。
【0101】図4(a)に示す3つの電磁石47のうち
中央の電磁石47の電磁コイル49のみに電流を流した
ときの圧力差ΔPの測定結果の一例を図6に示す。この
場合、流体として水ベースマグネタイト磁性流体W40
を用い、流速が32.1cm/secであるときの測定
結果である。
【0102】圧力の増加分は、電流に比例して増加して
いる。なお、電流が8Aであってもまだ電磁石47のコ
ア48等は磁気飽和には達していない。
【0103】その圧力の増加分は、流速にはあまり依存
しなかった。したがって、その圧力の増加分は、主に磁
気力で決っており、粘性力の分は小さいものと解釈され
る。
【0104】また、電磁石47が2個ないしは3個に増
えるときには、約2倍ないしは約3倍の圧力増加となっ
ていた。換言すれば、多段の効果も確認できた。
【0105】図7は、環状すき間42に磁性流体が入っ
ていないとき、すなわち、空隙のままの状態で測定した
ときのギャップにおける磁界の測定結果を示すものであ
る。この図7より、電流が約3.3Aのときに、5kO
eの磁界が発生していることがわかる。
【0106】また、電流が3.3Aのときにおける圧力
の増加分すなわち圧力差ΔPは、図6より約0.1kg
f/cmである。この場合は2段であるので、1段あ
たりでは約0.05kgf/cmである。すなわち、
水ベースマグネタイト磁性流体W40では、b=0.4
5mm,Lc=4mmのときに、磁場約5kOeにおい
て約0.05kgf/cmの圧力の増加が得られるこ
とになる。
【0107】一方、窒化鉄磁性流体Aでは、同じ条件下
での実験において、約0.1kgf/cmの圧力の増
加となっていた。この窒化鉄磁性流体Aの飽和磁化(飽
和磁束密度)は約320G(ガウス)であった。すなわ
ち、窒化鉄磁性流体では、上記したほぼ予想通りの圧力
の増加となっているわけである。
【0108】さて、次に、磁性流体の磁気特性について
述べる。
【0109】図8は、窒化鉄磁性流体Bと水ベースマグ
ネタイト磁性流体W40の室温での直流磁気特性の測定
結果を示すものである。この図8は、振動型磁力計(V
SM)にて測定した結果を示すものであって、横軸を有
効磁界(Heff)に、縦軸を4πIに直してプロット
してある。
【0110】また、磁化の立ち上がりを比較するため
に、約10kOeでの磁化を飽和磁化とみなし、その飽
和磁化で規格化したのが図9である。
【0111】図8および図9に示すように、窒化鉄磁性
流体では、磁化曲線の立ち上がりが急峻であることがわ
かる。そして、窒化鉄磁性流体では、600 Oeの有
効磁界(Heff)で90%磁化するのに対して、水ベ
ースマグネタイト磁性流体W40では、90%磁化させ
るのに4.4kOeの磁界が必要であることが図9より
わかる。
【0112】窒化鉄微粒子の粒子磁化がマグネタイト微
粒子の粒子磁化に比べて大きいこと、および粒径がよく
そろっていることが、窒化鉄磁性流体の磁化曲線の立ち
上がりが急峻であることの理由であると解釈される。
【0113】磁性流体の磁気特性について上記とは別の
観点から述べる。
【0114】図10は、振動型磁力計(VSM)にて測
定した窒化鉄磁性流体A´と水ベースマグネタイト磁性
流体W40のそれぞれ室温での直流磁気特性を示すもの
である。この図10において、横軸は外部磁場(He
x)であり、縦軸は磁化の立ち上がりを比較するために
5kOeでの磁化で規格化して示してある。この場合、
5kOeでの磁化を飽和磁化であるとみなすことにす
る。
【0115】図10に示すように、窒化鉄磁性流体で
は、磁化曲線の立ち上がりが急峻であることがわかる。
そして、窒化鉄磁性流体では、280 Oeの外部磁界
(Hex)で90%磁化するのに対して、水ベースマグ
ネタイト磁性流体W40では、90%磁化させるのに
2.5kOeの磁界が必要なことがわかる。
【0116】前述したように、窒化鉄微粒子の粒子磁化
がマグネタイト微粒子の粒子磁化に比べて大きいこと、
および粒径がよくそろっていることが、窒化鉄磁性流体
の磁化曲線の立ち上がりが急峻であることの理由である
と解釈される。
【0117】このような磁化曲線の立ち上がりの急峻さ
は、初透磁率の違いで代表させることができる。
【0118】トロイダルコア状の容器に磁性流体を満し
て測定したB−H曲線から求めた比初透磁率は、窒化鉄
磁性流体Bでは17、水ベースマグネタイト磁性流体W
40では4であった。以下、比初透磁率のことを単に透
磁率と呼ぶことにする。
【0119】ところで、減衰力可変型緩衝器において
は、ゼロベース(すなわち、磁場を印加しないとき)に
おける減衰力は小さいことが望まれる。
【0120】一般的に、磁性流体の飽和磁化が大きいも
のは粘性が高くなってくる。
【0121】例えば、回転式減衰力可変型緩衝器におい
て性能を評価した際に用いた窒化鉄磁性流体を例にとり
説明する。
【0122】飽和磁化が320Gのものでは粘度が約1
0cPなのに対して、飽和磁化が960G程度になると
粘度は40cP程度となる。
【0123】したがって、ゼロベースを下げるために、
ギャップbを大きくとらなければならなくなる。そのた
め、所定の磁場を発生するには電磁石に流す電流値を増
大させなくてはならなくなる。
【0124】このような背景により本発明が生まれたわ
けである。
【0125】すなわち、図1および図2に示したよう
に、コア48,58の極部48a,48b,58a,5
8bのみを磁性流体40の流路に突出させることを考え
たわけである。
【0126】数式1よりわかるように、圧力差ΔPは環
状すき間42,52の寸法bの3乗に反比例し、長さL
に比例している。そして、極部48a,48b,58
a,58bのみを突出させたときには、圧力差ΔPはほ
とんど突出部で決まると考えられる。そして、その突出
部の長さの合計で長さLが決まると考えられる。
【0127】このことについて、まず、予備実験で確認
してみることとした。
【0128】図4(b)に示すように、電磁コイル49
とスペーサ44の部分のみを1mm引っ込め、相対的に
コア48の極部48a,48bを突出させた。
【0129】この場合の長さLは、4mm×2×3=2
4mmであることになる。
【0130】電磁コイル49に電流を流さないときの両
端の圧力差ΔPを水ベースマグネタイト磁性流体W40
を用いて調べた。
【0131】その結果は、図5(b)に示したとおりで
あって、予想通りの結果となっており、理論値とも一致
していた。なお、その際の図5の横軸における流速は、
電磁石47の極部48a,48b直下での流速である。
【0132】また、電磁石47の電磁コイル49に電流
を流したときに発生する圧力差ΔPも図4(a)に示す
場合、つまり、極部48a,48bを突出させないフラ
ットな場合と同程度の大きさであることが確認できた
(図6参照)。
【0133】ところで、本発明は、もう一つの大きな効
果を提供している。それを以下において図4をもとに述
べる。
【0134】図4(a)では、数式1の長さLは、環状
すき間42の長さである。したがって、スペーサ44の
厚さを大きくすると、全長Lが大きくなって、ゼロベー
スでの圧力が増大してしまう。
【0135】これに対して、図4(b)では、長さLは
電磁石47の極部48a,48bの長さの総和であるた
め、スペーサ44の厚さは、全長Lに関係がないことと
なるので、自由にとることができる。
【0136】複数の電磁石47は近づけると相互に干渉
するため、ある程度離して設けた方が効率がよいことに
なる。本発明によれば、スペーサ44の厚さは自由にと
ることができ、余裕をもたせることができるため設計上
の自由度が増すという優れた効果ももたらされる。
【0137】以上の基礎検討をもとに設計したのが、図
1および図2に示した構造を有する伸縮式ないしは回転
式減衰力可変型緩衝器に適する磁性流体流動制御機構で
ある。そしてこれを図14ないし図16に示した回転式
減衰力可変型緩衝器に組み込んだ。
【0138】この場合、ハウジング32の内径を140
mmとし、円筒体34の外径を72mmとし、ベーン3
4aの幅を122mmとした。
【0139】また、円筒部材46,56は、肉厚2mm
の軟鉄製のものとした。さらに、環状コア48,58
は、図2において、Lc=8mm,g=10mm,a=
5mm,h=3mmとし、軟鉄で作製し、5kOeの磁
場が十分発生可能な電磁石47,57とした。また、コ
ア48の極部48a,48bの突出量はC=1mmと
し、相対的に、電磁コイル49は1mm引っこめた。
【0140】また、環状スペーサ44,54は厚さをs
=8mmとし、また、環状スペーサ44,54からの極
部48a,48b,58a,58bの突出量はC=2
mmとして、環状スペーサ44,54は極部48a,4
8b,58a,58bから2mm引っこめることとし
て、ポリ4フッ化エチレン(商品名:テフロン)で作製
した。さらに、電磁石47,57は、図1に示すよう
に、それぞれ3個並べたものとした。このとき、磁場の
印加される個所は、合計12個所である。
【0141】また、環状すき間42,52の寸法はb=
1mmとした。この場合、回転速度が100°/sec
においても十分に層流域である。
【0142】以上の構成とすることにより、磁性流体4
0の磁場による粘性力とともに磁気力を有効に利用した
(後者の効果が大)回転式減衰力可変型緩衝器31とす
ることができる。
【0143】図1および図2ならびに図14および図1
5に示した回転式減衰力可変型緩衝器31において、磁
性流体40として、窒化鉄磁性流体Aを用いたときの性
能を図11に△印で示す。このとき、窒化鉄磁性流体A
の粘度ηは10cPであった。また、前述したように、
飽和磁化(飽和磁化密度)は約320Gであった。
【0144】図11において、横軸が回転軸32aの回
転速度[deg/sec]であり、縦軸が減衰力、すな
わちトルク[kgf・m]である。そして、磁場を印加
しないときがH=0であり、約5kOeの磁場を印加し
たときがH=5で示してある。
【0145】図11より明らかなように、窒化鉄磁性流
体Aを用いたときに、約2.8kgf・mの可変幅とな
っている。そして、電流量を調節することにより、この
幅内の減衰力が得られることはいうまでもない。
【0146】次に、飽和磁化が窒化鉄磁性流体Aの約3
倍である窒化鉄磁性流体Cを磁性流体40として用いて
性能を調べた。この窒化鉄磁性流体Cの粘度ηは40c
Pであった。その結果も同じく図11に○印で示す。こ
の場合も、磁場を印加しないときがH=0であり、約5
kOeの磁場を印加したときがH=5である。
【0147】図11より明らかなように、ゼロベースで
の減衰力は4倍に増加している。一方、可変幅は約8.
5kgf・mとなっており、さらに大幅な減衰力の調整
ができるものとなっていることが認められた。
【0148】以上の性能試験結果からわかるように、窒
化鉄磁性流体では、飽和磁化の大きな磁性流体が容易に
合成できるため、磁気力の利用が極めて有効にできるわ
けである(数式2参照)。
【0149】また、図8,図9,図10の磁化曲線から
わかるように、透磁率が大きいので、小さな磁場で容易
に磁化するため、このことも磁気力の利用を極めて有効
にしている。
【0150】そして、磁性流体40の飽和磁化(磁束密
度)が300G(ガウス)程度以上、透磁率が10程度
以上あれば、窒化鉄磁性流体に限定されず、他の磁性流
体であっても同様の効果が得られることはいうまでもな
い。
【0151】上記実施例等において用いた窒化鉄磁性流
体は、気相液相反応法により合成したものである。すな
わち、鉄カルボニルFe(CO)およびポリブテニル
コハク酸イミドをノルマルパラフィン系溶媒中に溶解さ
せた後、アンモニアガスを吹き込みながら、80〜12
0℃程度に加熱して反応させ、鉄アンミンカルボニル化
合物を生成させる。これをさらに120℃以上の高温で
加熱することにより、鉄アンミンカルボニル化合物を分
解させて、窒化鉄磁性流体を得た。
【0152】なお、また図1に示した実施例において、
並んだ隣り同士の電磁石47,57の発生する磁束の向
きは、互いに逆向きとなるようにした場合の方が、同じ
向きとなるようにした場合よりも、より一層の効果があ
った。
【0153】さらに、上記した実施例では、図14およ
び図15に示した回転式減衰力可変型緩衝器に適用した
場合について説明したが、図12および図13に示した
伸縮式減衰力可変型緩衝器にも適用できることはいうま
でもない。
【0154】さらにまた、本発明による磁性流体流動制
御機構は、減衰力可変型緩衝器に適用されるものとして
説明したが、他の機器における流体流動制御に適用する
ことも可能である。
【0155】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、作動油として磁性流体を用い、前記磁性流体の流路
に、前記磁性流体の流れの方向に対して直交ないしはほ
ぼ直交する方向の磁場を印加し且つ前記磁場を印加する
部位を前記磁性流体の流れの方向において複数個所以上
形成し、前記磁場を印加する部位における電磁石のコア
の極部が直接磁性流体に接していて、前記磁性流体の磁
場による粘性増加を利用するとともに前記磁性流体に及
ぼす磁気力の作用を複数段以上で利用することにより、
前記磁性流体の流路に圧力差を生じさせる磁性流体流動
制御機構において、前記磁場を印加する部位における電
磁石のコアの極部が前記磁性流体の流路に突出している
構成としたから、減衰力可変型緩衝器に適用した場合
に、より小さな電流値で比較的大きな所望の減衰力を発
生することができると共に、電流値を変えることによっ
て減衰力を大きく変えることが可能であるという著しく
優れた効果がもたらされ、また、磁性流体の流れを環状
すき間流れとすることができ、環状すき間流れ部の長さ
を自由に設定することができるため、設計の自由度が増
すという著しく優れた効果がもたらされ、さらにまた、
磁性流体として透磁率が10以上、飽和磁化が300
以上の磁性流体を用いることによって、所望の減衰力の
可変幅が容易に実現できるという著しく優れた効果がも
たらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による磁性流体流動制御機構
の断面説明図である。
【図2】図1に示した磁性流体流動制御機構の磁場印加
部分の拡大説明図である。
【図3】環状すき間の説明図である。
【図4】環状すき間の具体的な構成を示す従来例(図の
(a))および本発明例(図4の(b))の基本的説明
図である。
【図5】図4における環状すき間において、液体として
水ベースマグネタイト磁性流体W40を用い、磁場を印
加していないときに、両端に発生する圧力差ΔPを流速
に対してプロットした実験結果を示すグラフである。
【図6】図4(a)において、中央の電磁石の電磁コイ
ルのみに電流を流したときに発生する圧力の増加分(圧
力差ΔP)を電流に対してプロットした実験結果を示す
グラフである。
【図7】図4における電磁石の発生する空隙ギャップ部
における磁場(磁界の強さ)を測定した結果を示すグラ
フである。
【図8】窒化鉄磁性流体Bと水ベースマグネタイト磁性
流体W40のそれぞれ室温での直流磁気特性の測定結果
を示すグラフである。
【図9】図8の縦軸を飽和磁化で規格化した磁化曲線を
示すグラフである。
【図10】窒化鉄磁性流体A´と水ベースマグネタイト
磁性流体W40のそれぞれ室温での直流磁気特性の測定
結果を示すグラフである。
【図11】図1に示した磁性流体流動制御機構を図14
および図15に示した回転式減衰力可変型緩衝器に組み
込んだときの減衰力特性を示すグラフである。
【図12】既出願における伸縮式減衰力可変型緩衝器の
縦断面説明図である。
【図13】図12に示した伸縮式減衰力可変型緩衝器の
磁場印加部分の拡大説明図である。
【図14】既出願における回転式減衰力可変型緩衝器の
縦断面説明図である。
【図15】図14に示した回転式減衰力可変型緩衝器の
A−A線断面説明図である。
【図16】図14に示した回転式減衰力可変型緩衝器の
磁場印加部分の拡大説明図である。
【図17】減衰力可変型緩衝器とは別置式の磁性流体流
動制御機構の縦断面説明図である。
【図18】図17に示した磁性流体流動制御機構の磁場
印加部分の拡大説明図である。
【符号の説明】
1 伸縮式減衰力可変型緩衝器 2 シリンダ 2a ロッド側室 2b ピストン側室 3 ピストンロッド 4 ピストン 5 磁性流体の流路 10 磁性流体(作動油) 15 磁性流体流動制御機構 16 高透磁率部材(円筒部材) 17 電磁石 18 コア 18a,18b コアの極部 19 電磁コイル 31 回転式減衰力可変型緩衝器 32 ハウジング 32a 回転軸 32c 内部壁 33 固定軸 34a ベーン 35a,35b 部屋 37,38,39 磁性流体の流路 40 磁性流体(作動油) 42,52 環状すき間(磁性流体の流路) 45,55 磁性流体流動制御機構 46,56 高透磁率部材(円筒部材) 47,57 電磁石 48,58 コア 48a,48b,58a,58b コアの極部 49,59 電磁コイル 70 磁性流体 71 磁性流体の流路 75 磁性流体流動制御機構 76 高透磁率部材(円筒部材) 77 電磁石 78 コア 78a,78b コアの極部 79 電磁コイル 82,92 環状すき間(磁性流体の流路) 86,96 高透磁率部材(円筒部材) 87,97 電磁石 88,98 コア 88a,88b,98a,98b コアの極 89,99 電磁コイル
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−272732(JP,A) 実開 昭62−163344(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 9/00 - 9/58

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動油として磁性流体を用い、前記磁性
    流体の流路に、前記磁性流体の流れの方向に対して直交
    ないしはほぼ直交する方向の磁場を印加し且つ前記磁場
    を印加する部位を前記磁性流体の流れの方向において複
    数個所以上形成し、前記磁場を印加する部位における電
    磁石のコアの極部が直接磁性流体に接していて、前記磁
    性流体の磁場による粘性増加を利用するとともに前記磁
    場の磁性流体に及ぼす磁気力の作用を複数段以上で利用
    することにより、前記磁性流体の流路に圧力差を生じさ
    せる磁性流体流動制御機構をそなえた減衰力可変型緩衝
    器において、前記磁場を印加する部位における電磁石の
    コアの極部が前記磁性流体の流路に突出していることを
    特徴とする減衰力可変型緩衝器。
  2. 【請求項2】 作動油として磁性流体を用い、ピストン
    をそなえたピストンロッドが摺動するシリンダ内のロッ
    ド側室とピストン側室とを連通する磁性流体の流路をそ
    なえ、前記磁性流体の流路に、前記磁性流体の流れの方
    向に対して直交ないしはほぼ直交する方向の磁場を印加
    し且つ前記磁場を印加する部位を前記磁性流体の流れの
    方向において多数個所形成し、前記磁場を印加する部位
    における電磁石のコアの極部が直接磁性流体に接してい
    て、前記磁性流体の磁場による粘性増加を利用するとと
    もに前記磁場の磁性流体に及ぼす磁気力の作用を多段で
    利用することにより、前記磁性流体の流路に圧力差を生
    じさせる磁性流体流動制御機構をそなえた伸縮式減衰力
    可変型緩衝器において、前記磁場を印加する部位におけ
    る電磁石のコアの極部が前記磁性流体の流路に突出して
    いることを特徴とする請求項1に記載の減衰力可変型緩
    衝器。
  3. 【請求項3】 作動油として磁性流体を用い、ハウジン
    グ内に、前記ハウジングに設けた固定壁と、回転軸に設
    けた移動可能なベーンとで仕切られた部屋を設け、部屋
    間を連通する磁性流体の流路をそなえ、前記磁性流体の
    流路に、前記磁性流路の流れの方向に対して直交ないし
    はほぼ直交する方向の磁場を印加し且つ前記磁場を印加
    する部位を前記磁性流体の流れの方向において多数個所
    形成し、前記磁場を印加する部位における電磁石のコア
    の極部が直接磁性流体に接していて、前記磁性流体の磁
    場による粘性増加を利用するとともに前記磁場の磁性流
    体に及ぼす磁気力の作用を多段で利用することにより、
    前記磁性流体の流路に圧力差を生じさせる磁性流体流動
    制御機構をそなえた回転式減衰力可変型緩衝器におい
    て、前記磁場を印加する部位における電磁石のコアの極
    部が前記磁性流体の流路に突出していることを特徴とす
    る請求項1に記載の減衰力可変型緩衝器。
  4. 【請求項4】 磁性流体の流れが、環状すき間流れであ
    ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
    の減衰力可変型緩衝器。
  5. 【請求項5】 磁性流体として、比初透磁率が10以上
    で且つ飽和磁化(飽和磁束密度)が300G以上である
    ものを用いることを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れかに記載の減衰力可変型緩衝器。
  6. 【請求項6】 磁性流体流動制御機構が一体で組み込ま
    れていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか
    に記載の減衰力可変型緩衝器。
  7. 【請求項7】 作動油として磁性流体を用い、前記磁性
    流体の流路に、前記磁性流体の流れの方向に対して直交
    ないしはほぼ直交する方向の磁場を印加し且つ前記磁場
    を印加する部位を前記磁性流体の流れの方向において複
    数個所以上形成し、前記磁場を印加する部位における電
    磁石のコアの極部が直接磁性流体に接していて、前記磁
    性流体の磁場による粘性増加を利用するとともに前記磁
    場の磁性流体に及ぼす磁気力の作用を複数段以上で利用
    することにより、前記磁性流体の流路に圧力差を生じさ
    せる磁性流体流動制御機構において、前記磁場を印加す
    る部位における電磁石のコアの極部が前記磁性流体の流
    路に突出していることを特徴とする磁性流体流動制御機
    構。
  8. 【請求項8】 磁性流体の流れが、環状すき間流れであ
    ることを特徴とする請求項7に記載の磁性流体流動制御
    機構。
  9. 【請求項9】 磁性流体として、比初透磁率が10以上
    で且つ飽和磁化(飽和磁束密度)が300G以上である
    ものを用いることを特徴とする請求項7または8に記載
    の磁性流体流動制御機構。
  10. 【請求項10】 減衰力可変型緩衝器の流体流動制御に
    使用される請求項7ないし9のいずれかに記載の磁性流
    体流動制御機構。
JP12385794A 1994-06-06 1994-06-06 減衰力可変型緩衝器およびこれに適する磁性流体流動制御機構 Expired - Lifetime JP3366931B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12385794A JP3366931B2 (ja) 1994-06-06 1994-06-06 減衰力可変型緩衝器およびこれに適する磁性流体流動制御機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12385794A JP3366931B2 (ja) 1994-06-06 1994-06-06 減衰力可変型緩衝器およびこれに適する磁性流体流動制御機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07332427A JPH07332427A (ja) 1995-12-22
JP3366931B2 true JP3366931B2 (ja) 2003-01-14

Family

ID=14871118

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12385794A Expired - Lifetime JP3366931B2 (ja) 1994-06-06 1994-06-06 減衰力可変型緩衝器およびこれに適する磁性流体流動制御機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3366931B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4744405B2 (ja) * 2006-09-19 2011-08-10 本田技研工業株式会社 ダンパ装置
JP4754456B2 (ja) * 2006-10-17 2011-08-24 本田技研工業株式会社 液圧ダンパ
CN100424793C (zh) * 2006-11-10 2008-10-08 南京航空航天大学 嵌入式磁流变液智能材料夹层结构
CN104791410B (zh) * 2015-04-29 2016-09-07 柳州孔辉汽车科技有限公司 一种磁流变液减振器
CN114576301B (zh) * 2022-03-25 2024-01-30 哈尔滨工业大学 一种具有大可调范围的双通道磁流变阻尼器
CN115143224B (zh) * 2022-08-10 2024-01-05 哈尔滨工业大学 一种具有低零场阻尼力与宽阻尼可调范围的磁流变阻尼器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07332427A (ja) 1995-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7364022B2 (en) Controllable magneto-rheological fluid devices for motion-damping
Yoo et al. Design of a high-efficiency magnetorheological valve
US6982501B1 (en) Magnetic fluid power generator device and method for generating power
US5353839A (en) Magnetorheological valve and devices incorporating magnetorheological elements
Guo et al. Finite element analysis and simulation evaluation of a magnetorheological valve
CA2637511C (en) Fluid damper
JP3366931B2 (ja) 減衰力可変型緩衝器およびこれに適する磁性流体流動制御機構
US6318520B1 (en) Magnetorheological fluid damper tunable for smooth transitions
US7191652B2 (en) Magnetofluidic accelerometer with partial filling of cavity with magnetic fluid
EP1016805A3 (en) Magnetorheological fluid devices
US6318519B1 (en) Magnetorheological fluid damper tunable for smooth transitions
CN103644238A (zh) 具有增大的开启屈服强度的磁流变流体阻尼器
US6481546B2 (en) Magneto-rheological damping valve using laminated construction
JP4893459B2 (ja) 磁性流体用金属粉末
US6637560B2 (en) Vehicle damper assembly and method of modulating fluid flow
JP2004270719A (ja) 減衰力可変式ダンパ
JP3441211B2 (ja) 減衰力可変型緩衝器およびこれに適する磁性流体流動制御機構
JPH07110047A (ja) 減衰力可変型緩衝器およびその磁性流体流動制御機構
JP3423343B2 (ja) 電気機械式の複動プランジャ形磁石
US5357232A (en) Magnetostrictive element
JPH06272732A (ja) 減衰力可変型緩衝器
EP1270989B1 (en) Magnetorheological fluid damper with multiple annular flow gaps
JPH0835536A (ja) 減衰力可変型緩衝器およびこれに適する磁性流体流動制御機構
Golinelli et al. Design of a novel magnetorheological damper with internal pressure control
JP5360126B2 (ja) 磁性流体およびダンパー

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term