JP3363996B2 - 判断手続き生成方法及び判断手続き生成装置 - Google Patents

判断手続き生成方法及び判断手続き生成装置

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JP3363996B2
JP3363996B2 JP10297694A JP10297694A JP3363996B2 JP 3363996 B2 JP3363996 B2 JP 3363996B2 JP 10297694 A JP10297694 A JP 10297694A JP 10297694 A JP10297694 A JP 10297694A JP 3363996 B2 JP3363996 B2 JP 3363996B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、医療や設備などの分
野での診断等、分類的あるいは選択的な判断を行うため
に必要とされる判断手続きを生成する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】分類的問題解決を行うための判断手続き
は、多くの場合は判断を行う当事者あるいは、当事者を
含む関係者が知識を整理してそれをプログラム等に形式
で手続き化することにより実現されてきた。
【0003】「Aのとき、どのように判断するか」とい
う判断の対象があるとする。この判断の結論として{C
1,C2,…}(各々を判断クラスと呼ぶ)の中から選択
・判断する場合、その判断対象を特徴付ける属性{A
1,A2,…}と、各々の属性の取り得る値(例えばA1
はa1,b1,…の値を取り、属性値と呼ぶ)を設定し、
特定の属性値を有する属性の組み合わせ(属性群と呼
ぶ)とそれに与えられる判断クラスとから事例を設定
し、この事例をいくつか設定して一つの事例集合を形成
する。例えば、「A1がa1を取り,A2がa2を取り,…
のとき判断クラスC1である。」という具体的な事例
を、判断を行う当事者等の知識より形成する。これらの
具体的事例に基づいて推論し、「A1,A2,…が各々ど
の属性値をとるとき、C1,C2,…のうちどの判断クラ
スを選択するか」のように一般的な事象を判断するため
の判断手続きを生成する。これをいわゆる帰納的推論を
用いた判断手続き生成と呼ぶ。
【0004】例えば図16は、Journal of Machine Lea
rning 誌の第1巻第1号1986年発行、第81〜10
6頁に掲載された事例集合の説明図である。図におい
て、判断対象の特徴を示す属性(Attributes)として O
utlook(空模様)、Temprature(気温)、Humidity(湿
度)、Windy(風)を設定し、さらに各々の属性の属性
値を以下のように表わす。属性「Outlook」に対して属
性値(sunny,overcast,rain)、属性「Temprature」に
対して属性値(cool,mild,hot)、属性「Humidity」に
対して属性値(high,normal)、属性「Windy」に対して
属性値(true,false)。また、判断クラスを「N」と
「P」の2種類とする。例えば「N」は「ある日の朝、
家の外に出ない」を、一方「P」は「ある日の朝、家の
外に出る」を表わす。図16のNo.1は、Outlook=s
unny,Temprature=hot,Humidity=high,Windy=fals
eのとき、判断クラス「N」に分類され、次にNo.2
「Outlook=sunny,Temprature=hot,Humidity=hig
h,Windy=true」は判断クラス「N」に分類され、以下
同様にNo.3〜14で各属性の属性値に対して判断ク
ラス「N」又は「P」に分類された。この各No.の横
一列で一つの事例を表し、合計14個の事例からなる事
例集合が形成された。
【0005】この14個の事例からなる事例集合に基づ
いて、「Outlook」,「Temprature」,「Humidity」,
「Windy」の任意の場合(図16に記載されていない属
性値の組み合わせの場合を含めて)、「N」か「P」の
どちらに属するかの判断手続きが生成される。
【0006】判断手続きを生成する場合、上記の例に限
らず医療診断や設備診断をはじめとするあらゆる分野の
判断対象において、各具体的事例の判断クラスへの分類
は、いわゆる人間の経験則や診断現場での取り決めなど
断片的で体系化されていない知識により形成される場合
が多く、実際そのような知識に基づいてプログラムによ
り判断手続き化する作業は容易ではない。このため、そ
の困難さを支援あるいは自動化する方法が従来から報告
されている。その1つとして前述の文献では帰納学習の
方法を用いて、事例から分類知識を生成する方法が記載
されている。
【0007】上記の文献に記載された帰納的な推論方法
を用いた判断手続き生成法について説明する。図17は
この文献に掲載されたもので、図16の事例集合に基づ
いて生成された判断手続きを示した説明図である。特に
これは判断手続きを決定木(decision tree)と呼ばれ
る形式で表現されたものである。図17において、5は
図16の属性から、選択された第一の属性で、例えば
「Outlook」が選択された。5a〜5cは属性5の属性
値で、それぞれsunny,overcast,rain である。6A,
6Cは、それぞれ属性値5a,5cのそれぞれについ
て、次に選択された第二の属性で、それぞれ「Humidit
y」「Windy」が選ばれた。6a,6bは属性2Aの属性
値でそれぞれhigh,normal、一方6d,6eは属性6C
の属性値でそれぞれtrue,falseを示す。8A〜8Eは
判断クラスで、第一の属性5からの各分枝に従って判断
された結果を示し、各ルートの最下段に表われる。
【0008】図の決定木の生成方法について図18のフ
ローチャートを用いて説明する。 (ST1):図16の14個の事例からなる事例集合O
のエントロピを次式で定義し計算する。
【0009】
【数1】
【0010】ここで、Eは事例集合のエントロピ、Nは
全事例数、Ncは判断クラスcの事例数、Cは判断クラ
スの数である。図16では全事例数N=14、判断クラ
スの数は「P」と「N」の2個、すなわちC=2、N1
を「P」の判断クラスに分類された事例数としてN1=
9、N2を「N」の判断クラスに分類された事例数とし
てN2=5である。
【0011】(ST2):各属性(A1=「Outlook」、
A2=「Temprature」、A3=「Humidity」、A4=「Win
dy」とする)のそれぞれについて、事例集合Oを分割す
る。例えばA1の場合、属性値「sunny」を取るとき{N
o.1,2,8,9,11}の部分事例集合、「overca
st」を取るとき{No.3,7,12,13}の部分事
例集合、「rain」を取るとき{No.4,5,6,1
0,14}の部分事例集合である。
【0012】(ST3):ST2で、それぞれの属性に
ついて、その属性の属性値に基づいて事例を分割した場
合における、全分割事例集合の平均エントロピを次の
(2)式で定義し、計算する。
【0013】
【数2】
【0014】ここで、E(A)は属性Aとその属性値を用
いて事例を分割した場合の事例集合の平均エントロピ、
Iは属性Aの属性値の個数、niは属性Aのi番目の属
性値を有する事例数、nicは属性Aのi番目の属性値を
有する事例のうち、c番目の判断クラスに分割された事
例数である。例えば図16の属性A1=「Outlook」とそ
の属性値(sunny,overcast,rain)を用いた場合、属
性値の個数Iは3個、n1は「sunny」値をとる事例数を
表わし、n1=5。そのうち、判断クラス「P」に分類
された事例数はn11=2、「N」に分類された個数はn
12=3である。n2は「overcast」値を取る事例数を表
わし、n2=4。そのうち「P」に分類された個数はn2
1=4、「N」に分類された個数はn22=0である。n3
は「rain」値を取る事例数を表わし、n3=5。そのう
ち「P」に分類された個数はn31=3、「N」に分類さ
れた個数はn32=2である。これらの値を使ってE(A
1)を計算する。同様にしてE(A2=Temprature)、E
(A3=Humidity)、E(A4=Windy)が得られる。
【0015】(ST4):これらの属性を使って14個
の事例を判断クラスに分類した結果、分類後のエントロ
ピを最も減少させることのできる属性を選ぶ。すなわち
情報利得;EーE(Ai)(i=1,2,3,4)の値が最も大き
な属性AiをAmとして選択する、ここでは計算により属
性「Outlook」が選ばれる。これが図17の第一の属性
5となる。
【0016】(ST5):第一の属性5の属性値5a,
5b,5cのそれぞれに従って事例集合を分割する。属
性値1a「sunny」を有する部分事例集合O1={No.
1,2,8,9,11}、属性値1b「overcast」を有
する部分事例集合O2={No.3,7,12,1
3}、属性値1c「rain」を有する部分事例集合O3=
{No.4,5,6,10,14}の3つ部分事例集合
が形成される。ここで、それぞれの部分事例集合に属す
る事例がすべて単一の判断クラスに分類されている場合
には、その判断クラスが判断の結論として決定される。
図16で、部分事例集合O2の事例{No.3,7,1
2,13}はすべて判断クラス「P」に分類されたの
で、図17の属性値5bの下位には最終的な判断クラス
「P」を決定する。一方、事例がすべて単一の判断クラ
スに分類されていない部分事例集合がある場合は、ここ
では部分事例集合O1、O3がこれに該当する。このO
1、O3のそれぞれを(ST1)、(ST2)の事例集合
Oとし、さらに(ST2)では、先に選択された第一の
属性5を除いた属性A1、A3を用いて、それぞれO1、
O3について(ST1)〜(ST5)を順次行う。(S
T6)の判断クラスが決定するまで、再帰的に続ける。
その結果、O1からは第二の属性6Aとして「Humidit
y」、O3からは第二の属性6Cとして「Windy」が選択
され、属性6Aの属性値6a、6bに基づいて、O1が
分割され、同様に属性6Cの属性値6d、6eに基づい
て、O3が分割される。このO1、O3のさらに分割され
た部分事例集合はすべて単一の判断クラスに分類されて
おり、属性値6a、6b、6d、6eの下位にはそれぞ
れ「N」、「P」、「N」、「P」の判断クラスが決定
される。
【0017】この図16に示した事例集合から最終的に
図17のような判断手続きとして表現した決定木が生成
された。すなわち、14個の具体的事例に基づいて推論
した結果、以下の一般的判断が推論された。 (1)「Outlook」がsunny、「Humidity」がhighのとき
は「N」である。 (2)「Outlook」がsunny、「Humidity」がnormalのと
きは「P」である。 (3)「Outlook」がovercastのときは「P」である。 (4)「Outlook」がrain、「Windy」がtrueのとき
「N」である。 (5)「Outlook」がrain、「Windy」がfalseのとき
「P」である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術は、上記の
ように構成されているため、以下の問題点を有する。あ
る判断対象について、いくつかの具体的事例に基づいて
帰納的推論により生成される判断手続きで、ごく少数の
事例数しか存在しない場合、その事例から一般的な事象
についての判断結果を推論することは、その推論のロジ
ック性に欠け、精度の良い判断手続きであるとは言えな
い。従って、この判断手続き生成は信頼性に欠けたもの
となる。その具体的事例数を増加させることにより推論
の精度を向上させることができるが、実際には事例数を
増やすことは容易ではない場合が多く、判断手続きの生
成が困難であった。
【0019】この発明は上記の問題点を解決するために
なされたもので、属性とその属性値、さらに判断クラス
より事例を設定しなくても判断手続きを生成する方法を
提供するものである。また、事例の数が少ない場合で
も、その事例を用いて信頼性のある判断手続きを生成す
る方法を提供するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明による判断手続
き生成方法は、判断対象を特徴付ける属性Ai(i=1
〜N、Nは自然数)、前記属性Aiが取り得る複数の
性値、前記判断対象の結論となりうる判断クラスCj
(j=1〜M、Mは自然数)より推論することにより、
前記判断クラスCjのいづれかを前記判断対象に割り当
てる判断手続き生成方法において、相関表編集器に、前
記判断クラスCjのおのおのに対する生起頻度Pの割合
と、前記属性Aiのそれぞれごとに前記判断クラスCj
のおのおのに対する前記属性値の起こりえる割合とを入
力する過程、判断手続き編集器により、前記生起頻度P
の割合と前記属性値の起こりえる割合とにもとづいて、
前記生起頻度PのエントロピETを求め、前記入力され
た割合にもとづいて前記判断クラスCjの生起頻度Pを
前記各属性値ごとに分割して求めた上で、各属性毎に集
計し、前記求めた属性ごとの生起頻度にもとづき、前記
属性毎にそのエントロピET(Ai)を演算し、関数f
i=[ET−ET(Ai)]が最大となる属性Aiを選
択して、選択された属性について前記判断クラスのいず
れかを選択する過程、判断手続き変換器を用いて、前記
各過程をプログラムに変換する過程とを含む過程により
判断手続きを生成するものである。
【0021】また、事例編集器により、前記属性Aiの
内、前記属性値が特定の属性値をとった属性とこの属性
に対して選択された前記判断クラスとを含む事例を構成
し、前記属性又は前記判断クラスが互いに異なる複数の
前記事例を含む事例集合を設定する過程、前記判断手続
き編集器により、前記事例集合のエントロピEOと、前
記属性Aiの各属性値ごとに前記事例集合のエントロピ
E(Ai)とを算出し関数G0i=[EO−E(A
i)]を求めるとともに、Wを任意の重み係数としてG
i=G0i・W+fi(1−W)を求め、Giを最大と
する属性Aiを選択する過程、前記判断手続き変換器を
用いて、前記各過程をプログラムに変換する過程とを含
むものである。
【0022】また、制約ルール編集器により、前記属性
Aiが特定の属性値を取ったとき、特定の判断クラスC
jを選択するまたは選択を禁止する判断手続き生成上の
制約ルールを設定し、前記判断手続き編集器により前記
制約ルールを前記判断クラスを選択する過程に優先して
実行するものである。
【0023】また、制約ルール編集器により、前記属性
Aiが特定の属性値を取ったとき、特定の属性を選択す
るまたは選択を禁止する判断手続き生成上の制約ルール
を設定し、前記判断手続き編集器により前記制約ルール
を前記属性を選択する過程に優先して実行するものであ
る。また、制約ルール編集器により、前記属性Aiが特
定の属性値を取ったとき、特定の判断クラスCjを選択
するまたは選択を禁止する判断手続き生成上の制約ルー
ルと、特定の属性を選択するまたは選択を禁止する判断
手続き生成上の制約ルールとを設定し、前記判断手続き
編集器により属性Amを選択する過程および前記判断ク
ラスのいずれかを選択する過程のいづれか一方、もしく
は双方において、前記属性を選択する過程又は前記判断
クラスを選択する過程に優先して前記制約ルールを実行
するものである。
【0024】この発明による判断手続き生成装置は、判
断対象を特徴付ける属性Ai(i=1〜N、Nは自然
数)、前記属性Aiが取り得る複数の属性値、前記判断
対象の結論となりうる判断クラスCj(j=1〜M、M
は自然数)より推論することにより、前記判断クラスC
jのいづれかを前記判断対象に割り当てる判断手続き生
成装置であって、前記判断クラスCjのおのおのに対す
る生起頻度Pの割合と、前記属性Aiのそれぞれごと
に、前記判断クラスCjのおのおのに対する前記属性値
の起こりえる割合とを入力する相関表編集器、前記生起
頻度Pの割合と前記属性値の起こりえる割合とにもとづ
いて前記生起頻度PのエントロピETを求め、前記入力
された割合にもとづいて前記判断クラスCjの生起頻度
Pを前記各属性値ごとに分割して求めた上で、各属性毎
に集計し、前記求めた属性ごとの生起頻度にもとづき、
前記属性毎にそのエントロピET(Ai)を演算し、関
数fi=[ET−ET(Ai)]が最大となる属性Ai
を選択する演算を行う判断手続き生成器を備えたもので
ある。
【0025】また、前記属性値が特定の属性値をとった
属性Aiと、この属性に対して与えられる前記判断クラ
スとにより事例を構成し、前記属性又は前記判断クラス
が互いに異なる複数の前記事例を含む事例集合を設定す
る事例編集器を備えるとともに、前記判断手続き生成器
は、前記事例集合のエントロピE0を算出するととも
に、前記属性Aiの各属性値ごとに前記事例集合のエン
トロピE(Ai)を算出し、関数G0i=[E0−E
(Ai)]を求めるとともに、Wを任意の重み係数とし
てGi=G0i・W+fi(1−W)を求め、前記Gi
を最大とする属性Aiを選択するものである。
【0026】
【作用】この発明の請求項1、2の判断手続き生成方法
によると、判断対象の結論となる判断クラスCjの各々
生起する頻度の相関関係とともに、判断対象を特徴付け
る属性Aiについて,判断クラスCjと属性Aiが取り
得る属性値との相関関係を設定し、これらの相関関係と
により帰納的推論するので、属性Aiとその属性値、判
断クラスCjより具体的事例を形成しなくても判断手続
きを生成する。
【0027】この発明の請求項3、4の判断手続き生成
方法によると、特定の属性値を取った属性Aiからなる
属性群と、判断クラスCjのうち、その属性群に対して
与えられる判断クラスとにより事例を形成し、この事例
のいくつかによって構成された事例集合と上記の相関関
係とを互いに反映させながら、両者から帰納的推論する
ので、二つの情報を統合しながら、論理性に優れ、信頼
性のある判断手続きの生成が可能である。
【0028】この発明の請求項5、6の判断手続き生成
方法によると、制約ルールを課しながら帰納的推論する
ので、柔軟で確実な判断手続きの生成が可能である。
【0029】
【実施例】
実施例1.以下、本発明の一実施例を示す。図1は本実
施例に示す判断手続き生成装置の構成図である。図にお
いて、1は判断対象を示す属性、その属性の度合を示す
値である属性値、さらに判断の結論を示す判断クラスの
各情報を設定する問題設定器、2は問題設定器1で設定
された各情報において、判断クラスに対する属性の取る
属性値の間の相関関係を形成し、その関係を相関表で表
わす相関表編集器、3は相関表編集器により生成された
相関表に基づき、判断手続きを生成する判断手続き生成
器、4は判断手続き生成器で生成された判断手続きを例
えばプログラム文に変換する判断手続き変換器である。
【0030】また、図2は本実施例の装置の判断手続き
生成器4により生成される判断手続きを決定木の形で示
したもので、5は最初に選択された第一の属性、5a〜
5cは第一の属性の取る属性値、6は属性値5aを取っ
た場合に、第一の属性5の次に選択された第二の属性、
6a、6bは第二の属性の取る属性値、7はさらに各属
性値6aを取った場合に、第二の属性6の次に選択され
た第三の属性、8a〜8cはこの決定木の分枝の最端に
くる判断クラス、10、11a〜c、12a、b、13
a、bは相関関係から導入した判断クラスX,Yに分類
された生起頻度を示すものである。
【0031】次にこの判断手続き生成装置の動作につい
て説明する。ある判断対象について判断手続きを生成す
る場合、始めに判断対象の特徴を示すいくつかの属性
と、それぞれの属性値の有する属性値と、そして判断ク
ラスを問題設定器1に入力して設定する。ここでは3つ
の属性A,B,Cを考え、属性Aに対して属性値a1、
a2,属性Bに対し属性値b1,b2,b3、属性Cに対し
て属性値c1,c2を設定し、さらに判断対象が分類され
る判断クラスをX,Yと設定する。
【0032】相関表編集器2には、上記のように設定さ
れた属性A(属性値:a1,a2),B(b1,b2,b
3),C(c1,c2)と判断クラスX,Yは問題設定器
1より入力される。また図のように、判断クラスと、属
性の取り得る属性値との相関関係が相関表編集器2に入
力されて、この関係を示した相関表を作成する。図3に
この相関表の一例を示す。
【0033】図3において生起頻度とは、行われるべき
判断の結果として判断クラスXと判断クラスYとのどち
らが起こり得るかの割合を表わし、図の例では、XとY
は4:6の比率で起こることを示す。次に、図の属性A
の欄の横一列は、判断の結論が判断クラスXであるとき
属性Aが属性値a1になるか、属性値a2になるかの割合
を表し、判断クラスYであるとき、属性Aが属性値a1
になるか、属性値a2になるかの割合を表わす。すなわ
ち、判断クラスがXであるとき、属性Aがa1になるこ
とと、a2になる比率は7:3であり、Yであるとき、
属性Aがa1になることと、a2になる比率は2:8であ
ることを示している。属性B、Cについても同様であ
る。なお、相関表編集器2は、これらの比率を任意に設
定できるように構成されている。なお、この発明は、発
明が解決しようとする課題の欄に記載したように具体的
事例数が足りない場合の解決策を得ようとするものであ
るから、相関表編集器2に設定する上記割合、あるいは
上記起こりうる割合は事例の集合を解析して得られた相
関関係や起こった割合を言うのではないことはいうまで
もない。
【0034】次に、相関表編集器2で形成された図3の
相関表に基づいて、判断手続き生成器3で判断手続きを
生成する。その生成方法を図4のフローチャートを用い
て説明する。
【0035】(ST1):生起頻度より判断クラスX,
Yに分類される判断対象の事例を仮定してやる。例えば
X,Yの初期の事例は4.0個、6.0個であるものと
考える。特にこの個数は4:6の割合のものならば何で
もよい。これを生起頻度Pとし、この生起頻度Pのエン
トロピETを算出する。この仮定した事例数X=4.0
個、Y=6.0個を式(1)に代入して計算する。式
(1)よりET=0.971(bits)である。
【0036】(ST2):各事例Ai={A,B,C}
の属性値に割り当てた割合に応じて生起頻度Pを各事例
毎に分割する。クラスXの事例数4.0個のうち、属性
Aの値が属性値a1であるものの個数を4.0個×0.
7=2.8個とし、一方属性値a2であるものの個数を
4.0個×0.3=1.2個とする。これを事例Aによ
り分割された生起頻度としてPAと表す。事例B,Cも
同様にして各属性についてその属性値に属する事例数を
計算し、生起頻度PB、PCとする。図5はPA、PB、P
Cを示した表図である。
【0037】(ST3):生起頻度PA、PB、PCのそ
れぞれの平均エントロピET(A)、ET(B)、ET
(C)を算出する。式(2)を用いて計算し、例えば属
性Aのとき、I=2、N=4.0+6.0=10.0
個、n1(属性値a1で分割された事例数)=2.8+
1.2=4.0個、n2=1.2+4.8=6.0個、
N=10.0個、n11(n1のうちXに分類された事例
数)=2.8個、n12(n1のうちYに分類された事例
数)=1.2個、n21(n2のうちXに分類された事例
数)=1.2個、n22(n2のうちYに分類された事例
数)=4.8個である。計算より、E(A)=0.88
6(bits)、E(B)=0.843(bits)、E(C)
=0.942(bits)が得られる。
【0038】(ST4):各属性A、B、Cの生起頻度
のうち、属性の評価尺度の関数f(ET,ET(Ai))
により分類的判断手続き生成に有効な属性Amを選ぶ。
ここでは情報利得;ETーET(Ai)が最大の属性を選
ぶ。ここでは、属性BがAmとして記憶され、図2にお
いては従来例の図17と同様に第一の属性5として選択
される。属性Bの属性値b1(5a)、b2(5b)、b
3(5c)毎に、その生起割合に応じて初期に設定され
た生起頻度Pを分割する。図2で、初めに設定された生
起頻度P(事例数:X=4.0個、Y=6.0個)のう
ち、属性値b1に属する事例数11aはX=0.4個、
Y=1.8個、(2)属性値b2に属する事例数11b
はX=1.2個、Y=3.0個、(3)属性値b3に属
する事例数11cはX=2.4個、Y=1.2個とな
る。
【0039】(ST5):生起頻度Pが上記のように分
割された場合、その属性値5a、5b、5cのそれぞれ
に対して判断クラスX、Yが分類されるかどうかの決定
条件を課す。決定条件として、(条件1)分割の利用属
性がなくなったとき、(条件2)分割された後の事例が
なくなったとき、(条件3)分割後のあいまい性がなく
なったときに判断クラスの決定を行う。なお(条件2)
および(条件3)の制限をゆるめ、それぞれ未利用属
性、事例、あいまい性がある一定の設定値を満たしたと
きにこれらの決定条件が満たされたと考えても良い。以
下では(条件2)として事例数が初期の事例数の1/5
0になったときに判断クラスの決定を行うこととする。
【0040】さらにこの決定条件を満たさない場合は、
属性値5a、5b,5c毎に(ST1)〜(ST5)を
繰り返す。例えば、属性Bが属性値b1を取ったとき
は、上記の(条件1)〜(条件3)とも満たさない。判
断クラスX,Yに割り当てられた各事例数X=0.4
個、Y=1.8個を新たに生起頻度Pとして、(ST
1)のエントロピETを算出する。(ST2)のよう
に、この生起頻度Pを図3の属性A、Cの生起割合に基
づいて、属性A、Cの生起頻度PA,PCを新たに求め
る。図6はこれらの生起頻度を示し、例えば、属性A=
a1の場合、事例数X=0.4個×0.7=0.28
個、事例数Y=1.8個×0.2=0.36個に分割さ
れ、同様にA=a2のときX=0.12個、Y=1.4
4個であり、これを生起頻度PAとする。C=c1、c2
も同様である。(ST3)のように、この分割された生
起頻度PA,PCよりそれぞれの平均エントロピET
(A)、ET(C)を算出する。(ST4)で情報利得
が最大の属性が選ばれ、このとき属性Aが図2の第二の
属性6として選ばれる。図2の12aは、初期の事例数
X=4.0個、Y=6.0個のうち、属性Bがb1を取
り、かつ属性Aがa1を取った場合の事例数がX=0.
28個、Y=0.36個存在することを示す。12bも
同様である。さらに属性値6a、6bについて(ST
5)の決定条件が課せられる。
【0041】属性Aが属性値6a(A=a1)を取った
ときはこの条件を満たさないので、再度(ST1)〜
(ST5)を繰り返す。しかし、利用される残りの属性
はCのみで、図2の第三の属性7とし属性Cが選択され
る。一方、属性値6b(A=a2)を取った場合は、判
断クラスXの事例数0.12個が初期の事例数4.0個
より1/50より小さくなったので、図4の(ST1)
〜(ST5)を繰り返さず、ここで判断クラスX,Yの
どちらに分類されるかの決定を行う。この場合はY=
1.44個がX=0.12個より十分大きいので判断ク
ラス8aとしてYが選ばれ、分類される。すなわち、
「属性Bがb1、属性Aがa2を取るとき、Yである。」
という判断が推論された。
【0042】第三の属性7として選択されたCについ
て、さらに生起頻度12aを属性値c1、c2毎に、上記
と同様図3の生起割合に応じて分割する。属性値c1の
ときX=0.14個、Y=0.252個(生起頻度13
a)、一方属性値c2のときX=0.14個、Y=0.
108個(生起頻度13b)である。(ST5)の(条
件1)により、ここで判断クラスが決定される。例えば
生起頻度13a、13bで判断クラスX,Yのそれぞれ
の事例数の大きい方をその判断クラスとして決定する。
属性値7aのときは「Y」を選び、ここで「属性Bがb
1、属性Aがa1、属性Cがc1を取ったときはYであ
る。」という判断が推論された。一方属性値7bのとき
は「X」を選び、「属性Bがb1、属性Aがa1、属性C
がc2を取ったときはXである。」と推論された。特
に、XとYの事例数の値がほぼ同じ値で、どちらを選ぶ
か困難な場合は「不定」、または「XまたはY]として
もよい。
【0043】以上は第一の属性5が属性値5aを取った
場合を述べたが、他の属性値5b、5cについても同様
に行う(図示せず)。このようにして属性A(属性値:
a1,a2),B(b1,b2,b3),C(c1,c2)
と、判断クラスX、Yにおいて、判断クラスX,Yの生
起する割合と、各判断クラスが生じた場合の属性の各属
性値が取り得る割合より、判断手続きが生成された。上
記に限らず、さらに多くの属性と属性値、判断クラスが
設定される場合についても、初めに第一の属性を設定し
てその属性値に分けて、判断クラスの決定ができない場
合は、第二の属性、さらに下位の方向に各属性値枝分か
れして第三の属性、第四の属性……と逐次、再帰的に
(ST1)〜(ST5)を行う。
【0044】上記のように図1の判断手続き生成器3に
より推論して生成された判断手続き(図2の決定木)
は、判断手続き変換器4でプログラム形式に変換され
る。すなわち判断手続き変換器4では、属性とその各属
性値、さらに判断クラス、また図3のような相関関係を
入力し、判断手続き生成器3で推論して生成された判断
手続き(図2の決定木)に従ってその判断結果を出力す
ることのできるプログラム文が生成される。
【0045】このように判断結果となる判断クラスの生
起割合と、この判断クラスに対して属性の取り得る属性
値の相関関係(すなわち、判断対象の特徴と判断対象の
結論との相関)を記述することは、比較的容易であるた
め、具体的な事例数が少なくてもこの相関関係を記述す
るだけで、論理性がありかつ正確な判断手続きが容易に
生成できる。
【0046】実施例2.実施例1による判断手続き生成
装置の適用例についてモータの故障診断の問題例を例に
とって説明する。ここでは、属性とその属性値を以下の
ように設定する。 (1)軸受温度(属性値:正常、少し増加、大きく増
加) (2)駆動電流(属性値:安定、増減、ゆらぎ) (3)異 音(属性値:なし、あり) (4)基礎振動(属性値:なし、あり) (5)電圧振幅(属性値:正常、少し増加、大きく増
加) (6)電圧周波数(属性値:正常、高周波、低周波) これらの属性に対して以下の5つの判断クラスを設定す
る。 (1)軸バランス不良、(2)電源不良(3)軸受不良
(4)軸剛性劣化(5)過負荷
【0047】図7は、図1の問題設定器1の一例を示
す。特にその表示画面を示した図で、20は上記のよう
に設定された判断クラスの一群、21は同じく上記の属
性の一群、22の斜線は選択された属性に対し、23に
はその選ばれた属性の属性値を示す。又、24の欄でそ
れぞれの各項目新規追加ができ、25は削除選択ボタン
で、画像上で選択された各項目を削除できる。
【0048】図8は、図1の相関表編集器5の一例を示
す。特にその表示画面を示したもので、符号は図7と同
一で、さらに31は各判断クラスに対する各属性の取り
得る属性値の生起確率(割合)を示すもので、例えば符
号31の示すの箇所では、判断クラス「軸バランス不
良」が生じた時に、属性「軸受温度」が”「正常」であ
ることが8割程度”、”「少し増加」があることが2割
程度”、”「大きく増加」であることはゼロ”とそれぞ
れ起こり得ることを示す。これを各判断クラスと各属性
の組み合わせ毎にそれぞれ設定する。又、32はその割
合を設定、変更するためのスライダで、画面上でスライ
ダ32の移動により任意に設定できる。
【0049】図8の各相関に基づいて、実施例1に示し
た判断手続き生成器3の推論動作により判断手続きの生
成を行う。この生成された判断手続きによって、例えば
「軸受温度が正常、駆動電流が安定、異音がなし、基礎
振動があり、……のときは、軸バランス不良である」等
の一般的判断が行われる。
【0050】実施例3.実施例1では図3のような、属
性A,B,Cと判断クラスX,Y間の相関関係を基に判
断手続きを生成した。一方でこの属性A,B,Cと、そ
の属性値判断クラスX,Yからのいくつかの具体的事例
が設定された場合は、従来例の図18のフローチャート
により判断手続きが生成される。本実施例は、この相関
関係と具体的事例の両者を併用した場合の判断手続き生
成方法を示す。
【0051】図9は、本実施例の判断手続き生成装置の
構成図を示す。符号1〜4は図1と同一のもので、30
は問題設定器1で設定された属性とその属性値、判断ク
ラスに基づいて事例を設定する事例編集器である。
【0052】例えば相関表編集器2で相関関係を設定す
るとともに、事例編集器30で「属性Aがa1、属性B
がb1、属性Cがc1のときXである」等、のいくつかの
事例により事例集合Oが設定されたとする。ここで設定
した事例集合とは、事例編集器30で編集して得た事例
の集合を含むのであって、過去に発生した実例の集合だ
けではない。判断手続き生成器3では、(1)相関関係
に基づいて、図4の(ST1)〜(ST3)を経て、
(ST4)で情報利得GT i=ET−ET(Ai)を各属性
A,B,Cの各々について求める。一方(2)具体的事
例からなる事例集合Oに基づいて図18の(ST1)〜
(ST3)を経て、(ST4)で情報利得GOi=E−E
(Ai)を各属性A,B,Cの各々について求め、この
双方の情報利得は並行して行われる。ここで次式のよう
に両者の平均情報利得Giを求める。
【0053】
【数3】
【0054】ここでwは重みで0≦w≦1である。この
w値は任意に設定でき、相関表と事例集合とで推論を行
う際の反映バランスを決定するものである。
【0055】属性A,B,Cのうち、この平均情報利得
Giを最大とする属性をAmとして選択し記憶する。さら
に図4、図18と同様に属性Amの各属性値に対して判
断クラスを決定する条件を満たすかどうかの判定を行
う。もし満たさない場合は、相関関係については図4の
(ST1)〜(ST3)、事例については図18の(S
T1)〜(ST3)をそれぞれ並行して繰り返し、式
(3)により次の属性を選択し、再度この決定条件を課
す(ここで重みwははじめの値と異なったものに設定し
てもよい)。一方、満たす場合はこれ以上属性による分
類を止め、判断クラスの決定を行う。なお、この決定条
件は図3の決定条件(ST5)と同一のものと、図18
の決定条件(ST5)のいずれか一方を採用し、又はそ
の両方を併用したもので、判断手続き生成器3に入力さ
れる。以上により、判断手続き生成器3で形成された判
断手続きはさらに判断手続き変換器4により、プログラ
ム形式(例えばC言語によるプログラム)に変換され
る。
【0056】このように、各属性と判断クラスとの関係
を表して判断対象の全体の特徴を記述する相関関係と、
属性を具体的に判断クラスに分類して必ず満たすべき判
断対象の個々の状況を記述する具体的事例より、それぞ
れの有効性を反映させながら推論し、その判断手続きを
生成することができた。始めに判断手続き生成のための
情報として用意される相関関係と事例集合の情報量の大
小に応じて、上記の重みwを変化させて柔軟に推論する
ことができ、より確実な判断手続きが生成できる。
【0057】実施例4.実施例2のモータの故障診断の
問題で、図8の相関表に加えて事例編集器30により具
体的事例が設定された場合を考える。属性とその属性
値、判断クラスは実施例2と同一で、以下の事例を含め
10個の事例が設定されたとする。 (1)軸受温度が「少し増加」、駆動電流が「増減」、
異音が「あり」、基礎振動が「あり」、電圧振幅が「少
し増加」、電圧周波数が「低周波」のときは、判断クラ
スは「軸バランス不良」である。 (2)軸受温度が「少し増加」、駆動電流が「安定」、
異音が「あり」、基礎振動が「あり」、電圧振幅が「正
常」、電圧周波数が「正常」のときは判断クラスは「軸
バランス不良」である。 (3)軸受温度が「正常」、駆動電流が「増減」、異音
が「なし」、基礎振動が「なし」、電圧振幅が「大きく
増加」、電圧周波数が「高周波」のとき、判断クラスは
「電源不良」である。等。
【0058】図10は図9の事例編集器30の一例で、
特にその表示画面を示した図である。20aは判断クラ
スを示すボタン、21aは属性を示すボタン、23aは
属性値を示すボタンを示し、それぞれのボタンを押すこ
とによりそれぞれの項目の変更のためのメニューが表示
される。24は新規事例を追加するためのボタンであ
る。又、各判断クラスに対して縦一列が一事例を示す。
例えば25は上記の(1)の事例を表わす。なお、図1
0では上記の(1)〜(3)の事例を含め、5個の事例
しか表示されていないが、図示しない他のボタン操作に
より残りの5個の事例が表示されるようになっている。
【0059】図11は図9の判断手続き生成器3の一例
を示したもので、特にその表示画面を示した図である。
26は相関関係と事例集合の反映バランスを設定するた
めのスライダで、実施例3での重みwに対応し、この場
合w=0.3である。27は判断手続き生成器3で生成
される決定木形成での段数を判断するための生成条件、
28は事例集合に課せられる判断手続きの詳細度を設定
する生成条件、29は相関関係に課せられる判断手続き
の詳細度を設定する生成条件である。設定条件28、2
9はともに図4、図18の(ST5)の決定条件を設定
するもので、条件28は、分割された事例がなくなった
場合として(1)分割された事例集合の事例数が3より
小さい時、分割後のあいまい性がなくなった場合として
(2)情報利得E−E(Am)が0.05bitsより小さ
い時と(3)エントロピE(Am)が0.05bitsより
小さい時に(ST6)の判断クラスの決定を行う。条件
29は同様に(1)生起確率(割合)が0.1より小さ
い時、(2)情報利得ET−ET(Am)が0.03bits
より小さい時、(3)エントロピET(Am)が0.03
bitsより小さい時に(ST6)の判断クラスの決定を行
う。それぞれ設定されたしきい値は画面上のスライダに
より任意に設定できる。
【0060】実施例5.図12は本実施例による判断手
続き生成装置の一例で、1〜4、30は図9と同一で、
40はある属性条件が成立したときに、それ以後利用し
てはならない属性、直後に利用すべき属性、判断結果に
現れる可能性のない判断クラス、参照すべき相関表等を
指定する制約ルールを設定し、編集する制約ルール編集
器である。
【0061】図13は実施例2、4のモータの故障診断
で設定した属性とその属性値、判断クラスに制約を与え
る制約ルールの編集器40の一例で、特にその表示画面
を示した図である。41は制約に用いる属性を指定する
ボタン、42はその属性値を指定するボタンで、それぞ
れの項目を追加、削除、選択をすることができる。43
は制約の種別を選択するボタンで、「属性禁止」、「ク
ラス指定」等の項目を有する。44は制約を詳細化する
ボタンで、制約の種別43に応じた指定が可能である。
45は制約ルールを示す。
【0062】例えば、制約1、2、3のそれぞれの横一
列で一つの制約ルールを示し、制約1は「電圧振幅が
「正常」あるいは「少し増加」であるなら、属性「電圧
周波数は使用してはならない。」、制約2は「電圧振幅
が「正常」あるいは「少し増加」で、かつ電圧周波数
が”正常”であるなら、属性「異音」と「駆動電流」を
使用してはならない」ことを示し、制約3は「駆動電流
が「増減」もしくは「ゆらぎ」のときは判断クラスは必
ず「電源不良」が指定される」ことを示す。これらは4
1〜44のボタンにより任意に設定でき、図13の3個
の制約ルールよりさらに多くの制約も設定できる。これ
を図8、図10の相関関係表や事例集合より推論する際
に制限を与える。
【0063】このように設定された制約ルールは、判断
手続き生成器3に入力される。この制約ルールは、相関
関係や事例から逐次選択される属性や最終的の決定され
る判断クラスに優先させて反映させ、用いることのでき
る事例や判断クラスを絞り込み、制約する。図4の判断
手続きを生成する過程においては、(ST4)の情報利
得を最大にする属性Amを選択したが、ここで制約ルー
ルにより上記の制約(1)や(2)のようにこの属性A
mが禁止属性である場合はこの属性Amは選択できず、
他の属性が選ばれる。また(ST5)の決定条件を満た
さない場合でも制約(3)のようにクラス指定がされて
いる場合は、その判断クラスが決定される。
【0064】以上のように、判断対象について明らかに
知られている理論的制約や判断手続きを制約ルールとし
て記述し、それを判断手続き生成に反映させることによ
り柔軟な判断手続き生成が可能で、かつ論理的で確実な
判断手続きが得られる。
【0065】なお、図8の相関関係表に制約を加えるた
めの別の相関表を形成してもよい。軸バランス不良が生
じた時に、軸受温度は(正常:少し増加:大きく増加=
8:2:0)、駆動電流は(安定:増加:ゆらぎ=1
0:0:0)、……等に、例えば「軸受温度が正常であ
ることが8割以下である場合は、駆動電流がゆらぎであ
ることが1割生じる」等の属性間に相関を与えてもよ
い。
【0066】図12で、事例編集器30、相関表編集器
2、制約ルール編集器40でそれぞれ編集された事例集
合、相関表、制約ルールは、判断手続き生成器3に入力
され、判断手続きが生成される。図14は図11の生成
条件27、28、29を設定し、図13の3個の制約ル
ールに基づき、図8の相関表、図10の事例集合より実
施例3の推論方法により生成された判断手続きで、決定
木形式で表現されたものである。図は決定木の段数を5
段に制限し、50は各段の下段に記述された属性、51
は各段の上段に記述された属性値、52は決定木の最下
段にくる判断クラスである。例えば図の点線で囲まれた
部分により、「電流周波数が低周波振動を起こし、駆動
電流がゆらいでいるときには電流不良である」という判
断手続きを表している。さらに図15にはこの判断手続
きをC言語のプログラム文に変換した例を示す。例えば
「電流周波数が低周波振動」、「駆動電流がゆらぎ」と
入力した場合に「電流不良」と出力するプログラムであ
る。
【0067】
【発明の効果】以上のように、この発明の判断手続き生
成方法によると、判断対象の結論となる判断クラスCj
の各々生起する頻度の相関関係とともに、判断対象を
特徴付ける属性Aiについて、判断クラスCjと属性A
iが取り得る属性値との生起頻度の割合を入力し、この
割合にもとづいて帰納的に推論するので、得られた事例
数が少なくても、論理的な矛盾や漏れのない判断手続き
を生成することが出来る。
【0068】また、こような相関関係とともに、特定
の属性値を取った属性Aiからなる属性群と、判断クラ
スCjのうち、その属性群に対して与えられる判断クラ
スとにより事例を形成し、この事例のいくつかによって
構成された事例集合と上記の相関関係とを互いに反映さ
せながら、両者から帰納的に推論するので、事例を集め
なくても、具体的な事例集合を得ることが出来るととも
に、こうして得た事例集合及び上記相関関係の両者から
それぞれの有効性に応じた配分にもとづいて判断手続き
を生成することが出来る。
【0069】また、属性Aiが特定の属性値を取ったと
きに満たすべき制約ルールを設定し、上記制約ルールを
課しながら帰納的推論するので、満たすべき制約ルール
に従って、確実な判断手続きを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1に示す判断手続き生成装
置の構成図である。
【図2】 実施例1において生成された判断手続きを示
す説明図である。
【図3】 実施例1における判断クラスと各属性との相
関関係を示す表図である。
【図4】 実施例1における判断手続きを生成する過程
を示すフローチャート図である。
【図5】 実施例1における判断クラスの生起頻度と、
各属性の生起頻度を示す表図である。
【図6】 実施例1における判断クラスの生起頻度と、
各属性の生起頻度を示す表図である。
【図7】 実施例2に示す問題設定器の構成図である。
【図8】 実施例2に示す相関表編集器の構成図であ
る。
【図9】 この発明の実施例3に示す判断手続き生成装
置の構成図である。
【図10】 実施例4に示す事例編集器の構成図であ
る。
【図11】 実施例4に示す判断手続き生成器の構成図
である。
【図12】 この発明の実施例5に示す判断手続き生成
装置の構成図である。
【図13】 実施例5に示す制約ルール編集器の構成図
である。
【図14】 実施例5に示す判断手続き生成器により生
成された判断手続きの説明図である。
【図15】 実施例5に示す判断手続き変換器により生
成されたプログラム文の例図である。
【図16】 事例集合を示す説明図である。
【図17】 従来技術によって、図16の事例集合に基
づいて形成された判断手続きを示す説明図である。
【図18】 従来技術において判断手続きを生成する過
程を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1…問題設定器、2…相関表編集器、3…判断手続き生
成器、4…判断手続き変換器、5…第一の属性、6…第
二の属性、7…第三の属性、8a、8b、8c…判断ク
ラス、20…判断クラス、21…属性、23…属性値、
30…事例編集器、40…制約ルール編集器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 23/00 - 23/02 G05B 11/00 - 13/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 判断対象を特徴付ける属性Ai(i=1
    〜N、Nは自然数)、前記属性Aiが取り得る複数の
    性値、前記判断対象の結論となりうる判断クラスCj
    (j=1〜M、Mは自然数)より推論することにより、
    前記判断クラスCjのいづれかを前記判断対象に割り当
    てる判断手続き生成方法において、相関表編集器に、前記判断クラスCjのおのおのに対す
    る生起頻度Pの割合と、前記属性Aiのそれぞれごとに
    前記判断クラスCjのおのおのに対する前記属性値の起
    こりえる割合とを入力する過程、 判断手続き編集器により、前記生起頻度Pの割合と前記
    属性値の起こりえる割合とにもとづいて、前記生起頻度
    PのエントロピETを求め、前記入力された割合にもと
    づいて前記判断クラスCjの生起頻度Pを前記各属性値
    ごとに分割して求めた上で、各属性毎に集計し、前記求
    めた属性ごとの生起頻度にもとづき、前記属性毎にその
    エントロピET(Ai)を演算し、関数fi=[ET−
    ET(Ai)]が最大となる属性Aiを選択して、選択
    された属性について前記判断クラスのいずれかを選択す
    る過程、 判断手続き変換器を用いて、前記各過程をプログラムに
    変換する過程とを含む過程により判断手続きを生成する
    ことを 特徴とする判断手続き生成方法。
  2. 【請求項2】 事例編集器により、前記属性Aiの内、
    前記属性値が特定の属性値をとった属性とこの属性に対
    して選択された前記判断クラスとを含む事例を構成し、
    前記属性又は前記判断クラスが互いに異なる複数の前記
    事例を含む事例集合を設定する過程、 前記判断手続き編集器により、前記事例集合のエントロ
    ピE0と、前記属性Aiの各属性値ごとに前記事例集合
    のエントロピE(Ai)とを算出し、関数G0i=[E
    0−E(Ai)]を求めるとともに、Wを任意の重み係
    数としてGi=G0i・W+fi(1−W)を求め、G
    iを最大とする属性Aiを選択する過程、 前記判断手続き変換器を用いて、前記各過程をプログラ
    ムに変換する過程とを含むことを特徴とする請求項1に
    記載の判断手続き生成方法。
  3. 【請求項3】 制約ルール編集器により、前記属性Ai
    が特定の属性値を取ったとき、特定の判断クラスCjを
    選択するまたは選択を禁止する判断手続き生成上の制約
    ルールを設定し、前記判断手続き編集器により前記制約
    ルールを前記判断クラスを選択する過程に優先して実行
    することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    判断手続き生成方法。
  4. 【請求項4】 制約ルール編集器により、前記属性Ai
    が特定の属性値を取ったとき、特定の属性を選択するま
    たは選択を禁止する判断手続き生成上の制約ルールを設
    定し、前記判断手続き編集器により前記制約ルールを前
    記属性を選択する過程に優先して実行することを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の判断手続き生成方
    法。
  5. 【請求項5】 制約ルール編集器により、前記属性Ai
    が特定の属性値を取ったとき、特定の判断クラスCjを
    選択するまたは選択を禁止する判断手続き生成上の制約
    ルールと、特定の属性を選択するまたは選択を禁止する
    判断手続き生成上の制約ルールとを設定し、前記判断手
    続き編集器により属性Amを選択する過程および前記
    断クラスのいずれかを選択する過程のいづれか一方、も
    しくは双方において、前記属性を選択する過程又は前記
    判断クラスを選択する過程に優先して前記制約ルールを
    実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の判断
    手続き生成方法。
  6. 【請求項6】 判断対象を特徴付ける属性Ai(i=1
    〜N、Nは自然数)、前記属性Aiが取り得る複数の属
    性値、前記判断対象の結論となりうる判断クラスCj
    (j=1〜M、Mは自然数)より推論することにより、
    前記判断クラスCjのいづれかを前記判断対象に割り当
    てる判断手続き生成装置であって、 前記判断クラスCjのおのおのに対する生起頻度Pの割
    合と、前記属性Aiのそれぞれごとに前記判断クラスC
    jのおのおのに対する前記属性値の起こりえる割合とを
    入力する相関表編集器、 前記生起頻度Pの割合と前記属性値の起こりえる割合と
    にもとづいて前記生起頻度PのエントロピETを求め、
    前記入力された割合にもとづいて前記判断クラスCjの
    生起頻度Pを前記各属性値ごとに分割して求めた上で、
    各属性毎に集計し、前記求めた属性ごとの生起頻度にも
    とづき、前記属性毎にそのエントロピET(Ai)を演
    算し、関数fi=[ET−ET(Ai)]が最大となる
    属性Ai を選択する演算を行う判断手続き生成器を備え
    たことを特徴とする判断手続き生成装置。
  7. 【請求項7】 前記属性値が特定の属性値をとった属性
    Aiと、この属性に対して与えられる前記判断クラスと
    により事例を構成し、前記属性又は前記判断クラスが互
    いに異なる複数の前記事例を含む事例集合を設定する事
    例編集器を備えるとともに、 前記判断手続き生成器は、前記事例集合のエントロピE
    0を算出するとともに、前記属性Aiの各属性値ごとに
    前記事例集合のエントロピE(Ai)を算出し、関数G
    0i=[E0−E(Ai)]を求めるとともに、Wを任
    意の重み係数としてGi=G0i・W+fi(1−W)
    を求め、前記Giを最大とする属性Aiを選択すること
    を特徴とする請求項6に記載の判断手続き生成装置
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