JP3361706B2 - 陰極線管の製造方法および製造装置 - Google Patents

陰極線管の製造方法および製造装置

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JP3361706B2
JP3361706B2 JP33253596A JP33253596A JP3361706B2 JP 3361706 B2 JP3361706 B2 JP 3361706B2 JP 33253596 A JP33253596 A JP 33253596A JP 33253596 A JP33253596 A JP 33253596A JP 3361706 B2 JP3361706 B2 JP 3361706B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー陰極線管の
シャドウマスクおよびその組立体の加工歪みを除去する
方法およびその方法のための製造装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】以下、図面を用いて従来のカラー陰極線
管について説明する。図8は一般的なカラー陰極線管の
構造を示すものである。パネル70はガラスからなり、
その内面には光吸収性膜、蛍光体膜およびアルミ蒸着膜
からなる蛍光面75が形成されてる。また、ファンネル
71内部には、黒鉛等による内部導電膜81が塗布形成
されている。マスクフレーム77に取り付けられたシャ
ドウマスク76およびシールドケース78はパネル70
内面に付設したパネルピン79およびマスクフレーム7
7に設けられたマスクスプリング80を介してパネル7
0に装着されている。パネルピン79は、あらかじめパ
ネル70に固定されている。パネル70とファンネル7
1とは、フリットガラス72を加熱炉内で溶融すること
により接合され、ガラスバルブを形成する。
【0003】以下、従来のカラー陰極線管の製造方法に
ついて図8、9および10を用いて、工程順に説明す
る。図9は、カラー陰極線管の従来の製造方法における
シャドウマスク組立体の製造工程図の一例を示してい
る。図10は、シャドウマスク組立体を炉内で加熱する
際のシャドウマスク組立体の加熱炉の温度Tと時間tと
の関係の一例を示している。
【0004】(シャドウマスク組立体の組立工程)ま
ず、シャドウマスク組立体の組立工程について、図8、
9を用いて説明する。シャドウマスク76単体の製造に
は、有孔平板であるフラットマスクを用いる。フラット
マスクの孔は、所定の寸法、形状および孔間隔にあらか
じめ加工しておく。これら加工は、通常エッチングによ
り行う。このフラットマスクを炉内で焼なましを行う。
これは、材料の加工歪みの除去および軟化のためであ
る。次に、その有孔部が所定の曲率になるように金型に
より成型する。さらに、洗浄し黒化処理を行いシャドウ
マスク76が完成する。
【0005】マスクスプリング80とマスクフレーム7
7は所定の位置に溶接にて接合される。接合されたこれ
ら2部品には黒化処理を行う。さらにマスクフレーム7
7にシャドウマスク76をパネルピン79に対して所定
の位置関係になるように組み合わせ、溶接により接合す
る。このようにしてシャドウマスクの組立体(以下、
「組立マスク」と呼ぶ)が一応の完成となる。
【0006】(組立マスク焼なまし工程)次に、組立マ
スクの焼なましを行う。この焼なましは、組立マスクを
パネル70またはパネル70と同等のピン位置および形
状を備えた治具に、マスクスプリング80を介して取り
つけた状態で加熱炉内にて行う。加熱炉内では、図10
に示した温度勾配で時間tが、t0からt1までの間加熱
する。t1における加熱炉内温度Tは約450℃であ
る。この温度のままt1からt2までの間保持する。保持
時間は約50分である。t2からt3までの間では徐冷す
る。徐冷後は炉から取り出す。このような焼なましによ
って、組立や溶接により生成したと考えられる残留応力
および加工歪みを除去する。炉から取り出した組立マス
クは、パネルまたは治具から取り外し、検査を行う。こ
のようにして、組立マスクが最終的な完成となる。
【0007】前記組立マスクの焼なまし工程において残
留応力および加工歪みを除去するのは、後記する露光に
よって形成する光吸収性膜の中の各色の蛍光体用の各ド
ット位置と、その形成に関与したシャドウマスクの孔位
置の関係が重要であるため、この位置関係の精度を上げ
るためである。すなわち、この位置関係が変わると電子
銃から放出される電子ビームが所定の蛍光体ドットに正
しく当たらず、その結果所定の色調が出なかったり、明
るさが不十分になる現象が生じ、陰極線管としての性能
を満足できなくなるからである。
【0008】なお、組立マスクの焼なましにおいては、
パネル等に取り付けずに組立マスク単体のまま加熱冷却
する場合もある。
【0009】(露光、現像工程)次に、図8に示すパネ
ル70の内面を洗浄後、感光剤を塗布し、前記組立マス
クをマスクスプリング80をパネル70に埋め込まれた
パネルピン79に係合する形で固定する。
【0010】図11に示すようにシャドウマスク76の
孔を通して蛍光面R(赤色)、G(緑色)、B(青色)
を形成するドットの位置にそれぞれ光を当て露光、現像
し、未露光部を洗い流す。図11において、R1、R2
蛍光面Rを形成するドットの一部、G1、G2は蛍光面G
を形成するドットの一部、B1、B2は蛍光面Bを形成す
るドットの一部を示している。未露光部に光吸収性材料
を塗布、乾燥した後、先程露光したドット位置に残って
いる感光剤を除去する。以上にようにしてR、G、Bの
蛍光体を形成するドットのパターンを有する光吸収性膜
が形成される。
【0011】(蛍光面形成工程)次に、再度組立マスク
のマスクスプリング80を前記光吸収性膜が形成された
パネル70に埋め込まれたパネルピン79に係合する形
で固定する。パネル内面にシャドウマスク76の孔を通
してR(赤色)用の光R0を露光した後、前記組立マス
クを取り外し、露光により光の当たったパネル面部分に
Rの蛍光体膜を形成する。G(緑色)用の光G0、B
(青色)用の光B0を用いて、前記工程を順次繰り返し
てG(緑色)、B(青色)の蛍光体膜も形成する。この
蛍光体膜の上からラッカーを塗布した後、アルミを蒸着
して蛍光面75を形成する。
【0012】(組立マスク固定、導電膜等塗布工程)次
に組立マスクのマスクスプリング80をパネル70に埋
め込まれたパネルピン79に係合することにより、シャ
ドウマスク76を固定したマスクフレーム77をパネル
70に装着する。さらにマスクフレーム77にシールド
ケース78を固定する。一方、その後端部(狭いほうの
端部)にネック管73が溶着されたファンネル71の内
面に、黒鉛を主成分とする内部導電膜81を塗布乾燥し
た後、ファンネル71の前端部(広いほうの端部)縁
に、結晶性の低融点ガラスを主成分とするフリットガラ
ス72を塗布する。
【0013】(フリット工程)次に、フリット工程につ
いて説明する。フリット工程とは、ファンネル71の端
縁とパネル70の端縁とを突き合わせてフリット炉を通
過させてフリットガラス72を溶解させることにより、
ガラスバルブを形成する工程のことである。この工程で
はパネル70の内面に塗布された有機物も合わせて燃焼
する。このフリット工程ではガラスバルブの温度を44
0℃程度で30〜40分間保持させた後、所定の温度勾
配で徐冷する。そしてガラスバルブの温度が約100℃
になった時点でフリット炉からガラスバルブが取り出
し、次の封止工程へと進む。
【0014】(封止、排気工程)封止工程では電子銃7
4をネック管73の内部に封止する。この半製品を大気
中で約50℃まで自然冷却させた後、排気工程へ進む。
【0015】排気工程では、排気炉内で半製品を所定の
温度上昇速度でガラスバルブの温度を例えば380℃ま
で昇温させる。この工程でバルブ内面、内部導電膜およ
びシャドウマスク76等の金属部品に吸着したガスを放
出させながら、管内のガスを排気し続け、一定時間例え
ば5分間維持した後に徐冷を始める。ガラスバルブが所
定の温度および真空度になった時点で電子銃内のカソー
ドを活性化させ、その後排気管を閉じる。その後も徐冷
を続け、ガラスバルブの温度が約100℃に低下した時
点で、内部が真空となった陰極線管を排気炉から取り出
す。
【0016】以上のような工程を経て、陰極線管が完成
する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記のよ
うな陰極線管の製造方法では、組立マスクの焼なましを
行うためには、長い加熱時間を必要とし、そのために大
量の加熱エネルギーが必要であるという問題があった。
【0018】また設備の面でも、加熱炉が必要であるた
め、その設置のためには広いスペースが必要であるとい
う問題があった。
【0019】また陰極線管の製造においては作業時間を
短縮でき、作業スペースが狭くて済み、かつ熱エネルギ
ー使用量の小さい製造方法が求められているが、前記問
題があるため従来の製造方法では、これら要望の達成に
は一定の限界があった。
【0020】本発明は、前記従来の問題を解決するもの
であり、誘導加熱を行うことにより、作業時間を短縮で
き、作業スペースが狭くて済み、かつ熱エネルギー使用
量の小さい陰極線管の製造方法および製造装置を提供す
ることを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の陰極線管の製造方法は、カラー陰極線管に
用いるシャドウマスクの焼なまし工程と、前記焼なまし
工程の後の露光工程と、前記露光工程の後のフリット工
程とを備えた陰極線管の製造方法であって、前記焼なま
し工程において、前記フリット工程の状態とほぼ同一の
応力を加えた状態にした前記シャドウマスクと、マスク
フレームを含むその付属部品とを組み立てて形成したシ
ャドウマスク組立体を、パネル又はパネル治具に保持し
た状態で、誘導加熱用コイルによる電磁場に置くことに
より、誘導加熱させ、前記誘導加熱は、前記シャドウマ
スクが変形せず、かつ残留応力および加工歪みを除去す
ることのできる周波数および供給電力の程度およびタイ
ミングで高周波電流を前記誘導加熱用コイルに供給して
ない、 前記電磁場の発生を、前記誘導加熱用コイルに
高周波電流を供給する高周波発生装置と、前記高周波電
流の周波数を制御する周波数制御装置と、前記誘導加熱
用コイルへの供給電力を制御する供給電力制御装置とを
備えた高周波電源装置により行ない、 前記高周波電源装
置を複数用いることにより、前記シャドウマスク組立体
のうち、前記シャドウマスクの誘導加熱と、前記マスク
フレームの誘導加熱とを、それぞれ別の前記高周波電源
装置により行うことを特徴とする。
【0022】
【0023】前記の陰極線管の製造方法によれば、シャ
ドウマスク組立体を焼なましする工程において加熱炉を
使用せずに、シャドウマスク組立体の残留応力および加
工歪みを除去することができるため、加熱冷却に要する
作業時間を短縮でき、設備およびその作業スペースが少
なくて済み、さらに熱エネルギー使用量を少なくするこ
とができる。また、シャドウマスク組立体の金属部品が
異なる材質、形状、板厚で構成されていることに起因す
る温度上昇の不均一さを減少させることができる。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】次に、本発明の第2の陰極線管の製造方法
は、カラー陰極線管に用いるシャドウマスクの焼なまし
工程と、前記焼なまし工程の後の露光工程と、前記露光
工程の後のフリット工程とを備えた陰極線管の製造方法
であって、 前記焼なまし工程において、 前記フリット工
程の状態とほぼ同一の応力を加えた状態にした前記シャ
ドウマスクとその付属部品とを組み立てて形成したシャ
ドウマスク組立体を、誘導加熱用コイルによる電磁場に
置くことにより、誘導加熱させ、前記シャドウマスクの
近傍に磁性体部品を設置し、前記誘導加熱により加熱さ
れた前記磁性体部品の放熱により前記シャドウマスクを
間接的に加熱することを特徴とする
【0029】前記の陰極線管の製造方法によれば、微小
有孔薄板金属材料からなるシャドウマスクのように高周
波加熱されにくい被加熱物に対しても、ほぼ均一な加熱
をすることができるため、誘導加熱の効率を高めること
ができる。
【0030】また、本発明の第3の陰極線管の製造方法
は、カラー陰極線管に用いるシャドウマスクの焼なまし
工程と、前記焼なまし工程の後の露光工程と、前記露光
工程の後のフリット工程とを備えた陰極線管の製造方法
であって、 前記焼なまし工程において、 前記フリット工
程の状態とほぼ同一の応力を加えた状態にした前記シャ
ドウマスクとその付属部品とを組み立てて形成したシャ
ドウマスク組立体を、誘導加熱用コイルによる電磁場に
置くことにより、誘導加熱させ、前記シャドウマスク組
立体を、内壁と外壁との間に断熱材と前記誘導加熱用コ
イルとを備えた加熱炉内に設置することを特徴とする
【0031】また、前記の加熱炉内にシャドウマスク組
立体を設置する陰極線管の製造方法においては、前記誘
導加熱用コイルが金属パイプで形成され、前記金属パイ
プの中空部に冷却水を循環させることにより前記誘導加
熱用コイルを冷却させながら誘導加熱を行うことが好ま
しい。
【0032】前記の陰極線管の製造方法によれば、熱容
量の小さいシャドウマスクを誘導加熱する際の昇温を援
助できるとともに冷却時の急冷を防止することができる
ため、シャドウマスク組立体の温度均一化を図ることが
できる。さらに、誘導加熱用コイルの中空部に冷却水を
循環させて使用し、大電流を流す場合においても、誘導
加熱用コイルを断熱することができるため、パネルおよ
びパネル治具が誘導加熱用コイルと被加熱物との温度差
を受けて破損するのを防止することができる。
【0033】また、本発明の第4の陰極線管の製造方法
は、カラー陰極線管に用いるシャドウマスクの焼なまし
工程と、前記焼なまし工程の後の露光工程と、前記露光
工程の後のフリット工程とを備えた陰極線管の製造方法
であって、 前記焼なまし工程において、 前記フリット工
程の状態とほぼ同一の応力を加えた状態にした前記シャ
ドウマスクとその付属部品とを組み立てて形成したシャ
ドウマスク組立体を、誘導加熱用コイルによる電磁場に
置くことにより、誘導加熱させ、 前記シャドウマスク組
立体がパネルピンとマスクスプリングを介して保持され
パネルの設置を、前記パネルの端部を支持治具によっ
て支え、かつ前記パネルの外周部の平面部を、位置決め
ピンに当接させることにより行うことを特徴とする
【0034】前記の陰極線管の製造方法によれば、誘導
加熱用コイルと被加熱物との位置関係が繰り返し同一の
精度で出せるので、加熱の再現性を保ち品質を安定させ
ることができる。
【0035】次に、本発明の陰極線管の製造装置は、カ
ラー陰極線管に用いるシャドウマスクと、マスクフレー
ムを含むその付属部品とを組み立てたシャドウマスク組
立体の焼なまし工程に用いる陰極線管の製造装置であっ
て、誘導加熱用コイルと高周波電源装置とを備え、前記
高周波電源装置が前記誘導加熱用コイルに高周波電流を
供給する高周波発生装置と、前記高周波電流の周波数を
制御する周波数制御装置と、前記誘導加熱用コイルへの
供給電力を制御する供給電力制御装置とを備え、さらに
前記シャドウマスク組立体を、パネル又はパネル治具に
保持した状態で支える支持治具を備え、前記高周波電源
装置は、前記シャドウマスクが変形せず、かつ残留応力
および加工歪みを除去することのできる周波数および供
給電力の程度およびタイミングで高周波電流を前記誘導
加熱用コイルに供給し、 前記シャドウマスクの加熱に用
いる前記誘導加熱用コイルと前記高周波電源装置と、前
記マスクフレームの加熱に用いる前記誘導加熱用コイル
と前記高周波電源装置とを別々に備え、前記各誘導加熱
用コイルへ供給する電流、電力の制御を、それぞれ別の
前記高周波電源装置により行うことを特徴とする。
【0036】前記の陰極線管の製造装置によれば、シャ
ドウマスク組立体を焼なましする工程において加熱炉を
使用せずに、シャドウマスク組立体の残留応力および加
工歪みを除去することができるため、加熱冷却に要する
作業時間を短縮でき、設備およびその作業スペースが少
なくて済み、さらに熱エネルギー使用量を少なくするこ
とができる。また、シャドウマスク組立体の金属部品が
異なる材質、形状、板厚で構成されていることに起因す
る温度上昇の不均一さを減少させることができる。
【0037】
【0038】
【0039】次に、本発明の第2の陰極線管の製造装置
は、カラー陰極線管に用いるシャドウマスクとその付属
部品とを組み立てたシャドウマスク組立体の焼なまし工
程に用いる陰極線管の製造装置であって、誘導加熱用コ
イルと高周波電源装置とを備え、前記高周波電源装置が
前記誘導加熱用コイルに高周波電流を供給する高周波発
生装置と、前記高周波電流の周波数を制御する周波数制
御装置と、前記誘導加熱用コイルへの供給電力を制御す
る供給電力制御装置とを備え、さらに内壁と外壁との間
に断熱材と前記誘導加熱用コイルとを備えた加熱炉を備
えたことを特徴とする
【0040】また、前記加熱炉を備えた陰極線管の製造
装置においては、前記誘導加熱用コイルが金属パイプで
形成され、前記金属パイプの中空部に冷却水を循環させ
ることができることが好ましい。
【0041】前記の陰極線管の製造装置によれば、熱容
量の小さいシャドウマスクを誘導加熱する際の昇温を援
助できるとともに冷却時の急冷を防止することができる
ため、シャドウマスク組立体の温度均一化を図ることが
できる。さらに、誘導加熱用コイルの中空部に冷却水を
循環させて使用し、大電流を流す場合においても、誘導
加熱用コイルを断熱することができるため、パネルおよ
びパネル治具が誘導加熱用コイルと被加熱物との温度差
を受けて破損するのを防止することができる。
【0042】また、本発明の第3の陰極線管の製造装置
は、カラー陰極線管に用いるシャドウマスクとその付属
部品とを組み立てたシャドウマスク組立体の焼なまし工
程に用いる陰極線管の製造装置であって、誘導加熱用コ
イルと高周波電源装置とを備え、前記高周波電源装置が
前記誘導加熱用コイルに高周波電流を供給する高周波発
生装置と、前記高周波電流の周波数を制御する周波数制
御装置と、前記誘導加熱用コイルへの供給電力を制御す
る供給電力制御装置とを備え、 さらに前記シャドウマス
ク組立体がパネルピンとマスクスプリングを介して保持
されたパネルの端部を支える支持治具と、前記パネルの
位置決めを行う位置決めピンとを備えたことを特徴とす
【0043】前記の陰極線管の製造装置によれば、誘導
加熱用コイルと被加熱物との位置関係が繰り返し同一の
精度で出せるので、加熱の再現性を保ち品質を安定させ
ることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を用いて説明する。なお、これら実施形態の組立マ
スクの焼なまし工程以外の工程については、従来例と同
様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0045】(実施の形態1)図1に本発明の実施形態
1に係る高周波加熱装置を示す。この高周波加熱装置
は、誘導加熱用コイル3、高周波電源装置7および治具
部を備えている。これらを以下、順に説明する。
【0046】誘導加熱用コイル3の内側には、被加熱物
である組立マスク1を保持したパネル2が設置される。
このパネル2と誘導加熱用コイル3との位置関係は、パ
ネル2の外周部と誘導加熱用コイル3との間隔が、ほぼ
同一となることが好ましい。このことによって、被加熱
物をほぼ均一な温度および昇温速度で加熱することがで
きるため、誘導加熱を効率的に行うことができるからで
ある。
【0047】高周波電源装置7は、誘導加熱用コイル3
に流す高周波電流を発生させるための高周波発生装置4
と、この高周波発生装置4で発生した高周波電流の周波
数を制御するための周波数制御装置5と、誘導加熱用コ
イル3へ供給する電力が最適となるよう高周波発生装置
4を制御するための供給電力制御装置6とを備えてい
る。
【0048】治具部について、図1、6を用いて説明す
る。図6は、パネル2を治具ベース12へ取り付けた状
態を示す平面図である。本図では、パネル2を位置決め
ピン61、62、63により位置決めされた状態のみを
示し、その他の部分については、図示を省略している。
【0049】図1に示したように、パネル2の端部は治
具ベース12の上に設置された支持治具13によって3
ヵ所以上で支えられる。また、図6に示したようにパネ
ル2の外周部に設けられた基準となる平面部3箇所を治
具ベース12に設置された位置決めピン61、62、6
3に押し当てるように取り付け、さらに別の位置決めピ
ン81、82によって、少なくとも一つの方向からパネ
ル外周部をこの位置決めピンに押し付けることによっ
て、パネル2は水平方向に固定される。
【0050】組立マスク1は、図1に示すように、シャ
ドウマスク11、マスクフレーム8、マスクスプリング
9で構成され、マスクフレーム8に固定されたマスクス
プリング9をパネル内面に埋め込まれたパネルピン10
に係合することによって保持されている。
【0051】なお、パネル2に代えて、パネル2と同様
な位置にパネルピンを設置したパネル治具を用いてもよ
い。また、パネルおよびパネル治具を用いなくてもよ
い。
【0052】以下、被加熱物である組立マスク1を保持
したパネル2の加熱方法について説明する。図7に本実
施形態1における時間tと被加熱物の温度Tとの関係を
示す。これは、あらかじめ誘導加熱用コイル3に高周波
電流を供給し、組立マスク各箇所の温度を計測すること
によって、シャドウマスクが変形せず、かつ残留応力お
よび加工歪みを除去することのできる適切な周波数およ
び供給電力の程度およびタイミングを設定したものであ
る。すなわち、加熱温度と高周波電源との相対関係が取
れているので加熱温度カーブにマッチした電気条件を設
定することができる。
【0053】前記のように、誘導加熱コイル3内に治具
で固定された組立マスク1を保持したパネル2を通常の
作業環境の中に置き、前記高周波電源7により事前に設
定した温度カーブに従って高周波電流を供給しt0から
1まで加熱し、t1からt2まで保持し、t2からt3
で徐冷する。t1とt2との間における温度Tは、約45
0℃である。組立マスクの温度が約100℃以下になっ
たところで、治具ベースから取外し次の露光工程へ供給
する。
【0054】従来例と、本実施形態1とが同一作業環境
であるとすると、従来例ではt0からt3までの間が約1
20分であったのに対して、本実施形態1では、約10
0分であり、焼なまし時間が短縮されたことが分かる。
【0055】なお、図示はしていないが、治具ベース1
2をコンベア上に設置して移動させながら誘導加熱用コ
イル3へ高周波電流を連続的に供給して使用してもよ
い。
【0056】また、図2に示したように誘導加熱用コイ
ル3を組立マスク1の内側に設置してもよい。
【0057】本発明の陰極線管の製造方法によれば、加
熱炉を使用せずに組立マスクの焼なましを行うことがで
きるので、焼なまし時間の短縮により作業時間が短縮で
きる。さらに加熱炉が不要であるため、加熱設備および
作業スペースを大幅に削減することができる。
【0058】(実施の形態2)図3に本発明の実施形態
2に係る高周波加熱装置を示す。この高周波加熱装置
は、2つの高周波電源装置31、32を備えている。高
周波電源装置31は、誘導加熱用コイル21に高周波電
流を流すためのものであり、高周波発生装置22と周波
数制御装置23と供給電力制御装置24とを備えてい
る。
【0059】高周波電源装置32は、誘導加熱用コイル
25に高周波電流を流すためのものであり、高周波発生
装置26と周波数制御装置27と供給電力制御装置28
とを備えている。すなわち、本実施形態2の高周波加熱
装置は、高周波電源装置、周波数制御装置、供給電力制
御装置をそれぞれ2つ備えている。各装置の機能は、実
施形態1のものと同じである。ただし、高周波電源装置
31はマスクフレーム8の加熱に用い、高周波電源装置
32はシャドウマスク11の加熱に用いる。
【0060】組立マスクは本実施形態1と同様に治具ベ
ース12上にコイル21、25と一定の位置関係を保っ
て保持されている。
【0061】本実施形態2で、高周波電源装置を複数備
えているのは、以下の理由による。シャドウマスク11
は板厚が0.1mm〜0.25mmと薄い金属材料で作
られており、強度的に弱い。また微小な孔を非常に多く
有する薄板ということもあって高周波加熱による温度上
昇特性がマスクフレーム8とは大きく異なっている。さ
らにマスクフレーム8とは溶接にて強固に接合されてい
ることから、マスクフレーム8との温度差や変形の影響
をそのまま受けてしまい、シャドウマスク11が致命的
な変形を生じる可能性がある。
【0062】以上のことから、高周波加熱装置を複数用
いてシャドウマスク11とマスクフレーム8とをそれぞ
れ別に均一な温度カーブで加熱することにより、シャド
ウマスク11の変形を防止することとしている。また、
加熱条件を最適化することにより温度上昇および下降の
速度を速くできるため、作業時間の短縮にもなる。
【0063】以下、具体的に説明する。本実施形態2に
係る21型のカラーモニター用陰極線管は、厚み0.1
3mmの有孔成型品であるシャドウマスク11と板厚
1.6mmのマスクフレーム8および誘導加熱されない
材質のマスクスプリング9を備えている。
【0064】本発明の実施形態2の製造方法では、高周
波電源装置31によりマスクフレーム8部に対して高周
波の周波数を25kHz、供給電力3〜8kWの高周波
電流を用いて加熱した。合わせて高周波電源装置32に
よりシャドウマスク11部に対しては、350kHzの
周波数で供給電力2〜5kWで加熱した。マスクスプリ
ング9はこの焼なまし工程では必ずしも加熱する必要が
ないのでマスクフレーム8からの熱伝導による加熱で兼
用した。
【0065】加熱温度カーブを図7に示す。温度カーブ
の設定は実施形態1で説明したように事前に温度測定し
ながら求めたのは言うまでもない。パネル2を通常の作
業環境の中に置き、前記高周波電源31、32により事
前に設定した温度カーブに従って高周波電流を供給しt
0からt1まで加熱し、t1からt2まで保持し、t2から
3まで徐冷する。t1とt2との間における温度Tは、
約450℃である。組立マスクの温度が約100℃以下
になったところで、治具ベースから取外し次の露光工程
へ供給する。従来例と、本実施形態とが同一作業環境で
あるとすると、従来例ではt0からt3までの間が約12
0分であったのに対して、本実施形態2では約90分で
あり、焼なまし時間が短縮されたことが分かる。
【0066】このように、本発明の陰極線管の製造方法
によれば、シャドウマスク11とマスクフレーム8の加
熱に別々の高周波加熱装置を用いるので、それぞれを均
一な温度カーブで加熱できるのでシャドウマスク11の
変形を防止できると共に、加熱条件を最適化することに
より温度上昇および下降の速度を速くできるため、作業
時間を短縮することができる。
【0067】(実施の形態3)図4に本発明の実施形態
3に係る高周波加熱装置を示す。この加熱装置は本実施
形態1の組立マスク1のシャドウマスク11の近傍に磁
性体部品41を設けたものである。組立マスク1は本実
施形態1と同じく治具ベース12で支えられ誘導加熱用
コイル46と位置決めされたパネル2のパネルピン10
とマスクフレーム8に接合されたマスクスプリング9で
支えられた構成になっている。誘導加熱用コイル46は
マスクフレーム8および磁性体部品41とほぼ同一の間
隔で設置されている。以下本発明の実施形態1との相違
点について説明する。
【0068】微小有孔薄板金属材料からなるシャドウマ
スク11は、マスクフレーム8に比べて高周波加熱され
にくい性質を有している。そこで、マスクフレーム8と
類似した材質、板厚でありシャドウマスク11と近似し
た曲率を有する磁性体部品41をシャドウマスク11の
近傍に設けており、高周波加熱装置45により誘導加熱
用コイル46に高周波電流を供給することによって、主
としてマスクフレーム8と磁性体部品41とを加熱す
る。シャドウマスク11は加熱された磁性体部品41の
放熱によって、間接的に加熱される。コイル形状、コイ
ル巻き数、被加熱物との間隔および高周波加熱条件は、
シャドウマスク11およびマスクフレーム8のそれぞれ
の温度カーブがほぼ均一になるように事前に設定して置
くことは言うまでもない。
【0069】なお、図示はしていないが誘導加熱用コイ
ルがパネル2の外周部にあっても、同様な効果がある。
【0070】このように、本実施形態3の陰極線管の製
造方法によれば、高周波加熱されにくいシャドウマスク
の近傍に磁性体部品を設置し、磁性体部品の加熱により
間接的にシャドウマスクを加熱することができる。
【0071】(実施の形態4)図5に、本発明の実施形
態4に係る高周波加熱装置を示す。この加熱装置は、内
壁と外壁との間に断熱材52と誘導加熱用コイル51と
を備えた加熱炉を備えている。内外壁間の断熱材52に
よって、加熱炉内は保温されることになる。
【0072】また、誘導加熱用コイル51は、例えば銅
材を用いた金属パイプで製作されている。したがって、
この金属パイプの中空部に冷却水を循環させることがで
きるため、誘導加熱用コイルを冷却しながら加熱を行う
ことができる。
【0073】このように加熱炉内を保温し、かつ被加熱
物の加熱を徐々に行うのは、パネルはガラスで出来てお
り、温度勾配が急であると破損してしまう可能性がある
からである。
【0074】なお、断熱材のみでは加熱炉内外の断熱が
不十分の場合には、断熱材52とパネル2との間等にヒ
ーターを設置してパネル内外の温度差をさらに小さくし
てもよい。
【0075】
【発明の効果】以上のように本発明の陰極線管の製造方
法によれば、カラー陰極線管のシャドウマスクの焼なま
し工程において、マスク組立体を、誘導加熱用コイルに
よる電磁場に置いて、誘導加熱させることにより、加熱
冷却に要する作業時間を短縮でき、設備およびその作業
スペースが少なくて済み、さらに熱エネルギー使用量を
少なくすることができる。
【0076】また、高周波電源装置を複数用いて誘導加
熱を行うことにより、シャドウマスク組立体の温度上昇
の不均一さを減少させることができる。
【0077】また、マスク組立体と誘導加熱用コイルと
の間隙が、ほぼ同一にすることにより、誘導加熱の効率
を高めることができる。
【0078】また、シャドウマスクの近傍に磁性体部品
を設置することにより、高周波加熱されにくいシャドウ
マスクに対しても、ほぼ均一な加熱をすることができる
ため、誘導加熱の効率を高めることができる。
【0079】また、マスク組立体を、内壁と外壁との間
に断熱材と前記誘導加熱用コイルとを備えた加熱炉内に
設置することにより、シャドウマスク組立体の温度均一
化を図ることができる。
【0080】また、パネルの保持されたマスク組立体の
設置を、支持治具と位置決めピンによって、行うことに
より、加熱の再現性を保ち品質を安定させることができ
る。
【0081】次に、本発明の陰極線管の製造装置によれ
ば、高周波電源装置を用いることにより、加熱冷却に要
する作業時間を短縮でき、設備およびその作業スペース
が少なくて済み、さらに熱エネルギー使用量を少なくす
ることができる。
【0082】また、高周波電源装置を複数備えることに
より、マスク組立体の温度上昇の不均一さを減少させる
ことができる。
【0083】また、内壁と外壁との間に断熱材と前記誘
導加熱用コイルとを備えた加熱炉を備えることにより、
マスク組立体の温度均一化を図ることができる。
【0084】また、支持治具と位置決めピンとを備える
ことにより、加熱の再現性を保ち品質を安定させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る高周波加熱装置の一
例を示す構成図
【図2】本発明の実施形態1に係る高周波加熱装置の一
例を示す構成図
【図3】本発明の実施形態2に係る高周波加熱装置の一
例を示す構成図
【図4】本発明の実施形態3に係る高周波加熱装置の一
例を示す構成図
【図5】本発明の実施形態4に係る高周波加熱装置の一
例を示す構成図
【図6】本発明の高周波加熱装置の一実施形態における
パネルの治具ベースへの取付状態の一例を示す平面図
【図7】本発明の一実施形態に係るマスク組立体の加熱
温度Tと時間tとの関係
【図8】従来のカラー陰極線管の一例の構造図
【図9】従来のマスク組立体の製造工程の一例を示す製
造工程図
【図10】従来の製造方法の一例によるマスク組立体の
加熱温度Tと時間tとの関係
【図11】蛍光面の露光の一例を説明する図
【符号の説明】
1 組立マスク 2,70 パネル 3,21,25,46,51 誘導加熱用コイル 4,22,26,42,53 高周波発生装置 5,23,27,43,54 周波数制御装置 6,24,28,44,55 供給電力制御装置 7,31,32,45,56 高周波電源装置 8,77 マスクフレーム 9,80 マスクスプリング 10,79 パネルピン 11,76 シャドウマスク 12 治具ベース 13 支持治具 41 磁性体部品 52 断熱材 61,62,63,81,82 位置決めピン 71 ファンネル 72 フリットガラス 73 ネック管 74 電子銃 75 蛍光面 78 シールドケース 81 内部導電膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−23143(JP,A) 特開 昭54−109755(JP,A) 特開 昭54−71555(JP,A) 特開 平3−253581(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/14 H01J 29/07

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー陰極線管に用いるシャドウマスク
    の焼なまし工程と、前記焼なまし工程の後の露光工程
    と、前記露光工程の後のフリット工程とを備えた陰極線
    管の製造方法であって、 前記焼なまし工程において、 前記フリット工程の状態とほぼ同一の応力を加えた状態
    にした前記シャドウマスクと、マスクフレームを含むそ
    の付属部品とを組み立てて形成したシャドウマスク組立
    体を、パネル又はパネル治具に保持した状態で、誘導加
    熱用コイルによる電磁場に置くことにより、誘導加熱さ
    せ、 前記誘導加熱は、前記シャドウマスクが変形せず、かつ
    残留応力および加工歪みを除去することのできる周波数
    および供給電力の程度およびタイミングで高周波電流を
    前記誘導加熱用コイルに供給して行ない、 前記電磁場の発生を、前記誘導加熱用コイルに高周波電
    流を供給する高周波発生装置と、前記高周波電流の周波
    数を制御する周波数制御装置と、前記誘導加熱用コイル
    への供給電力を制御する供給電力制御装置とを備えた高
    周波電源装置により行ない、 前記高周波電源装置を複数用いることにより、前記シャ
    ドウマスク組立体のうち、前記シャドウマスクの誘導加
    熱と、前記マスクフレームの誘導加熱とを、それぞれ別
    の前記高周波電源装置により行うことを特徴とする陰極
    線管の製造方法。
  2. 【請求項2】 カラー陰極線管に用いるシャドウマスク
    の焼なまし工程と、前記焼なまし工程の後の露光工程
    と、前記露光工程の後のフリット工程とを備えた陰極線
    管の製造方法であって、 前記焼なまし工程において、 前記フリット工程の状態とほぼ同一の応力を加えた状態
    にした前記シャドウマスクとその付属部品とを組み立て
    て形成したシャドウマスク組立体を、誘導加熱用コイル
    による電磁場に置くことにより、誘導加熱させ、 前記シャドウマスクの近傍に磁性体部品を設置し、前記
    誘導加熱により加熱された前記磁性体部品の放熱により
    前記シャドウマスクを間接的に加熱することを特徴とす
    る陰極線管の製造方法。
  3. 【請求項3】 カラー陰極線管に用いるシャドウマスク
    の焼なまし工程と、前記焼なまし工程の後の露光工程
    と、前記露光工程の後のフリット工程とを備えた陰極線
    管の製造方法であって、 前記焼なまし工程において、 前記フリット工程の状態とほぼ同一の応力を加えた状態
    にした前記シャドウマスクとその付属部品とを組み立て
    て形成したシャドウマスク組立体を、誘導加熱用コイル
    による電磁場に置くことにより、誘導加熱させ、 前記シャドウマスク組立体を、内壁と外壁との間に断熱
    材と前記誘導加熱用コイルとを備えた加熱炉内に設置す
    ることを特徴とする陰極線管の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記誘導加熱用コイルが金属パイプで形
    成され、前記金属パイプの中空部に冷却水を循環させる
    ことにより前記誘導加熱用コイルを冷却させながら誘導
    加熱を行う請求項記載の陰極線管の製造方法。
  5. 【請求項5】 カラー陰極線管に用いるシャドウマスク
    の焼なまし工程と、前記焼なまし工程の後の露光工程
    と、前記露光工程の後のフリット工程とを備えた陰極線
    管の製造方法であって、 前記焼なまし工程において、 前記フリット工程の状態とほぼ同一の応力を加えた状態
    にした前記シャドウマスクとその付属部品とを組み立て
    て形成したシャドウマスク組立体を、誘導加熱用コイル
    による電磁場に置くことにより、誘導加熱させ、 前記シャドウマスク組立体がパネルピンとマスクスプリ
    ングを介して保持されたパネルの設置を、前記パネルの
    端部を支持治具によって支え、かつ前記パネルの外周部
    の平面部を、位置決めピンに当接させることにより行う
    ことを特徴とする陰極線管の製造方法。
  6. 【請求項6】 カラー陰極線管に用いるシャドウマスク
    と、マスクフレームを含むその付属部品とを組み立てた
    シャドウマスク組立体の焼なまし工程に用いる陰極線管
    の製造装置であって、誘導加熱用コイルと高周波電源装
    置とを備え、前記高周波電源装置が前記誘導加熱用コイ
    ルに高周波電流を供給する高周波発生装置と、前記高周
    波電流の周波数を制御する周波数制御装置と、前記誘導
    加熱用コ イルへの供給電力を制御する供給電力制御装置
    とを備え、 さらに前記シャドウマスク組立体を、パネル又はパネル
    治具に保持した状態で支える支持治具を備え、 前記高周波電源装置は、前記シャドウマスクが変形せ
    ず、かつ残留応力および加工歪みを除去することのでき
    る周波数および供給電力の程度およびタイミングで高周
    波電流を前記誘導加熱用コイルに供給し、 前記シャドウマスクの加熱に用いる前記誘導加熱用コイ
    ルと前記高周波電源装置と、前記マスクフレームの加熱
    に用いる前記誘導加熱用コイルと前記高周波電源装置と
    を別々に備え、前記各誘導加熱用コイルへ供給する電
    流、電力の制御を、それぞれ別の前記高周波電源装置に
    より行うことを特徴とする陰極線管の製造装置。
  7. 【請求項7】 カラー陰極線管に用いるシャドウマスク
    とその付属部品とを組み立てたシャドウマスク組立体の
    焼なまし工程に用いる陰極線管の製造装置であって、誘
    導加熱用コイルと高周波電源装置とを備え、前記高周波
    電源装置が前記誘導加熱用コイルに高周波電流を供給す
    る高周波発生装置と、前記高周波電流の周波数を制御す
    る周波数制御装置と、前記誘導加熱用コイルへの供給電
    力を制御する供給電力制御装置とを備え、さらに内壁と
    外壁との間に断熱材と前記誘導加熱用コイルとを備えた
    加熱炉を備えたことを特徴とする陰極線管の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記誘導加熱用コイルが金属パイプで形
    成され、前記金属パイプの中空部に冷却水を循環させる
    ことができる請求項記載の陰極線管の製造装置。
  9. 【請求項9】 カラー陰極線管に用いるシャドウマスク
    とその付属部品とを組み立てたシャドウマスク組立体の
    焼なまし工程に用いる陰極線管の製造装置であって、誘
    導加熱用コイルと高周波電源装置とを備え、前記高周波
    電源装置が前記誘導加熱用コイルに高周波電流を供給す
    る高周波発生装置と、前記高周波電流の周波数を制御す
    る周波数制御装置と、前記誘導加熱用コイルへの供給電
    力を制御する供給電力制御装置とを備え、 さらに前記シャドウマスク組立体がパネルピンとマスク
    スプリングを介して保持されたパネルの端部を支える支
    持治具と、前記パネルの位置決めを行う位置決めピンと
    を備えたことを特徴とする陰極線管の製造装置。
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