JP3361275B2 - 構内自走式トレーラダンプ - Google Patents

構内自走式トレーラダンプ

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自走能力,ダンプ
能力を有するように形成したトレーラと、このトレーラ
を、一般公道では牽引し、構内や作業場などの公道でな
い場所では、自走してダンプ作業をするようにした自走
式トレーラダンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダンプトラックは、各種の土木工事など
において土砂等の土木資材を運搬するための手段とし
て、各方面で広く利用されているが、許容された積載重
量を超えた重量の土砂等を運搬することがあったため、
道路や橋梁等を傷めるばかりではなく、安全上も問題が
あると指摘さて、現状では、過積載は厳しく規制されて
いる。
【0003】しかし、例えば、土砂採掘において、ダン
プトラックの適正な積載量による運搬を行えば、その分
だけ1回の運搬における積載量が少なくなるため運搬効
率が低下する、具体的には、過積載できない分の土砂を
運搬回数を数増やすか、ダンプトラックの稼動台数を増
やして運搬しなければならないこととなり、これが経済
面ではマイナスの作用をするという問題になる。また、
稼働させるダンプトラックの台数が多くなれば、燃料
代,通行料をその分必要とするのみならず、ダンプトラ
ックやオペレータも別途確保しなければならないので、
経済性に欠け、また、環境面でもマイナス要因を助長す
ることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題点に鑑み、1回の運搬作業で、過積載をすることな
く概ねダンプトラック2台分の土砂等の運搬を可能と
し、これにより経済面並びに環境面で優れた効果が得ら
れるようにした自走式トレーラダンプトラックを提供す
ることを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的としてなされた本発明自走式トレーラダンプの構
成は、自走するための原動機関,操舵系等の機構と、積
載した荷を卸すためのダンプ機構と、該ダンプ機構に連
結された荷箱を具備し、該荷箱の前方にオープンな運転
席を設けたトレーラを、ダンプトラックに切離し可能に
牽引接続したことを特徴とするものである。
【0006】トレーラが自走するための原動機関や操作
系,操舵系の機構は、このトレラーの前部、又は、後部
に設ける。また、トレーラの制動システム,保安灯シス
テムは、牽引時にはダンプトラック側のシステムと連動
するように形成する一方、自走時にはこのトレーラの操
作系,操舵系の機構操作によって作動するように形成す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、上記構成の本発明ダンプト
ラックの実施の形態例について、図に拠り説明する。図
1は本発明ダンプトラックの一例の平面図、図2は図1
のダンプトラックの側面図、図3は牽引機構の一例の拡
大側面図、図4は牽引機構の別例の拡大側面図、図5は
自走式トレーラの作業状態一例の側面図、図6は牽引機
構の他の例の側面図、図7は図6の機構の要部を右側か
らみた側面図、図8はダンプトラックとトレーラの制動
系,電気系の構成、並びに、接続状態の一例を示す回路
ブロック図である。
【0008】図1,図2において、DTは公知のダンプ
トラックと同等の機構を具備したダンプトラックで、シ
ャーシ1にエンジン等の原動機関(図に表れず)、前後
の車輪2,3、操作系,操舵系を具備した運転席キャビ
ン4、荷箱5を架装して形成されている。そして荷箱5
の前方が油圧シリンダ(図示せず)等の昇降機構により
この荷箱5の後方を中心に昇降自在である点は、公知ダ
ンプトラックと同様の構成である。
【0009】荷箱5の容積は、このダンプトラックDT
に許容された最大積載量に見合うように形成されてお
り、あおり板5aを嵩上げして積載量を増大させること
は、許されていないため、あおり板5aの高さは小さい。
図示したダンプトラックDTは、積載量などにもよる
が、10トン積の場合、全長が概ね8m程度である。
【0010】本発明は、上記の公知のダンプトラックD
Tに、操舵可能な自走機能と荷箱のダンプ機能を付与し
たトレーラTRを牽引可能に接続するようにしたもので
あるので、以下、この点について説明する。
【0011】トレーラTRは、ここでは荷箱6の全長を
大略5m程度に形成し、シャーシ7の上に油圧下シリン
ダを主体とするダンプ機構(図示せず)を介して架装
し、この例では積載量が6トン乃至は10トン程度となる
ようにあおり板6aを少し深く(高く)形成している。荷
箱6の全幅はトラック側の荷箱5と同等である。シャー
シ7の前方には、ハンドル,ブレーキ,クラッチ,アク
セルの各ペダルなどの操作系、操舵系を具備したオープ
ンな運転席8を設け、この席の脇にエンジン等による原
動機関9を配置している。10,11はシャーシ7の前後に
配置されたトレーラの車輪で、前輪10は操舵輪、後輪11
は駆動輪である。
【0012】トレーラTRの荷箱6には、シャーシ7の
後方に中心を持って荷箱の前方側を昇降させる油圧シリ
ンダOSを主体にしたダンプ機構が設けられており、こ
のダンプ機構の操作部も図示しないが前記運転席8に付
設されている。
【0013】上記トレーラTRは、図3に例示するよう
に、そのシャーシ7の前端部中央にバー状部材により形
成したの牽引部材12が前方へ突出して設けられており、
この牽引部材12の先端部12aが、ダンプトラックDTの
シャーシ1の後端部のクロスビーム1aに後付けにより設
けたピントルフック13に、離接自在に接続されるように
形成されている。
【0014】上記トレーラTRに設けられた牽引部材12
は、一例として、その基部(シャーシ7との取付側)
が、シャーシ7に対して軸12bを中心に起伏できるよう
に水平な軸12bと油圧シリンダ12cを介在させてこのシャ
ーシ7の先端部に取付けられている。なお、牽引部材12
を起伏させるシリンダ12cの配設態様は、図3に示した
態様に限られるものではない。牽引部材12の起伏機能に
よって、先端部12aのピストンフック13への接続,離脱
を、運転席8から行うと共に、自走時には牽引部材12を
立てて走行の邪魔にならないように形成されている(図
5参照)。
【0015】上記の牽引部材12の長さは任意であるが、
上記例の10トン積の場合、ダンプトラックDTの荷箱5
の後端面と、トレーラTRのシャーシ7の前面とが、1
〜1.5m程度の距離を確保できる牽引部材12の有効長さ
としている。これにより本発明トレーラダンプの全長は
一例として、14〜14.5m程度となるが、全長の大きさ
は、トレーラTR側のシャーシ7の長さ,荷箱6の長さ
により、自由に設定することができる。
【0016】本発明において、牽引部は図4の平面図に
概要を示す構造とする場合もある。即ち、図4におい
て、ダンプトラックDTのシャーシ1の後部に付加した
クロスビーム1aに、平断面がほぼラッパ管状をなすガイ
ド部材14を具備したピン受け部材15を設け、牽引部材12
の先端部12aの穴とピン受け部材15の穴に、ピンPを挿
してトレーラTRを連結するようにしてもよい。図4に
示した例の場合、牽引部材12は、中間部に平面内で多少
の旋回自由度を持つ連結構造12dとすることが望まし
い。これにより、トレーラTRをダンプトラックDTに
連結する場合、トレーラTRの進入角がダンプトラック
DTに対して多少傾いても、ピン受け部材15と牽引部材
12の先端部12aとの穴が前記ガイド部材14と連結構造12b
の作用で正確に一致するので、穴にピンPを挿入する連
結操作が容易になる。
【0017】図4の例におけるラッパ管状のガイド部材
14を具備したダンプトラック側の牽引部の構造は、図
6,図7に示すような構造とすることもあるので、この
点について説明する。図6,図7において、図1〜図5
までの符号と同一符号は同一部材,同一部位を示す。
【0018】図6において、フック13には、背面に前記
フック13に係合する係合環15aを具備し、後方をラッパ
状に拡開したラッパ管状の結合部材15が、ここでは3本
の支持バネ15bにより支持されて着脱可能に取付けられ
ている。ラッパ管状の結合部材15には、垂直向きのピン
穴15cが上,下で貫設されている。なお、15dは牽引部材
結合用の中心穴、15eはラッパ状の拡開部である。
【0019】一方、トレーラTRのシャーシ7に軸12b
を介して油圧シリンダ12cにより起伏自在に設けられた
牽引部材12は、先端側12aを丸棒状に形成して、前記ラ
ッパ管状の結合部材15の中心穴15dにゆるく嵌合できる
形状にしている。また、この牽引部材15の先端側12aに
は、前記ピン穴15cと一致するピン穴12dを設け、両穴15
c,12dにピンPを貫通させて挿入することにより、牽引
部材12とフック13とが、ラッパ管状の結合部材15を介し
て結合されるようになっている。
【0020】図6において、16はピンPを穴15c,12dか
ら抜去するための手巻きウインチで、ワイヤ16aが滑車1
6bを介してピンPに接続されている。なお、このウイン
チ16は必要に応じて設ければよく、必ず設けなければな
らない訳ではない。
【0021】牽引機構の結合部分を、図6,図7に例示
するように構成すると、牽引部材12の先端側12aと、結
合部材15の中心穴15dの軸が多少傾いたり、多少位置ず
れしていても、前記先端部12aが結合部材15におけるラ
ッパ状の拡開部15eに入れば、牽引部材12に作用する力
によってバネ15bに吊り支持されているラッパ状の結合
部材15が牽引部材12の先端側12aに合った向きに変位す
るので、必らず牽引部材12とラッパ管状の結合部材15と
の結合を実現することができる。
【0022】上述したトレーラTRは、原動機関9に中
型の内燃機関を搭載し、最高速度を一例として構内作業
に適した10km/n程度に抑えて設定することにより、この
トレーラTR自体において、制動系,保安灯などの電気
系が、運転席8から単独に操作できる。つまり、このト
レーラTRは牽引されないときは、運転して自走できる
ように形成されている。なお、図示しないが、トレーラ
TR側の前部には、悪路脱出用のウィンチを付設するこ
ともできる。
【0023】一方、牽引時、即ち、一般公道走行時に
は、にはトレーラの制動系のブレーキや電気系の保安灯
が、ダンプトラックDTにおけるそれらの操作,動作と
連動するように、ダンプトラック側の制動系,保安灯等
の電気系がダンプトラックDT側から分岐されて、トレ
ーラ側の制動系,電気系と離,接自在に接続できるよう
に形成されている。その一例を図8に示す。図8の例で
は、ダンプトラックDT、トレーラTRのいずれの側に
も、同じコンプレッサ17,エアータンク18,ブレーキ用
マスターシリンダ19,ブレーキペダル20,ブレーキ20か
ら成る制動系と、バッテリ22,ブレーキペダル20に連動
するウインカーリレー23,ウインカー24,主灯スイッチ
25,主灯26を具備した保安灯等の電気系が設けられてい
る。これら両車両の制動系と電気系は、図8に波線と破
線で示す、牽引時の専用回路が、カプラー27,28,29を
介してダンプトラックDTからトレーラTR側に接続さ
れ、ダンプトラックDT側の作動に同調して作動される
ように形成されている。
【0024】上記のように形成される本発明ダンプトラ
ックは、一般公道ではトレーラTRを牽引して走行する
こととなるが、この場合には、牽引されるトレーラTR
側の原動機関,制動系,電気系はオフ状態にし、トレー
ラTRの制動系,電気系をダンプトラックDT側の制動
系,電気系に接続してトレーラTRの制動系,電気系が
同調して作動されるようにし、ダンプトラックDTに牽
引されるトレーラとしてのみ機能する状態で使用する。
従って、ダンプトラックDT側の制動系,電気系は分岐
されてトレーラTR側のそれらに接続されている。
【0025】一方、本発明トレーラダンプは、作業場や
構内など、一般公道ではない荷の積載現場、或は、荷卸
し現場にあるときは、ダンプトラックTD側と制動系,
電気系を切離し、トレーラTRの原動機関を起動して牽
引部材12をフック13から離脱させ、運転席8に掛員が着
いて、このトレーラTRを一般のダンプトラックのよう
に、作業場や構内を操舵して自走させ、かつ、荷箱6の
ダンプ操作をする。
【0026】
【発明の効果】本発明トレーラダンプは上述の通りであ
って、ダンプトラックに牽引されるトレーラを、作業場
や構内等の一般公道以外の場所ではダンプトラックから
切離してトレーラ自体が独立したダンプトラックと同等
に動作,機能するように形成したから、単なる牽引トレ
ーラと異なり、前記トレーラに操舵される自走機能とダ
ンプ機能を発揮させることにより、荷積み、荷卸し時
に、それらの作業をきわめて合理的になし得るという、
従来のトレーラにはない利点がある。
【0027】また、荷積み、荷卸し現場を離れて一般公
道を走行するときは、従来の牽引トレーラと全く同様で
あるから、燃料や通行料が全く不要になることは勿論、
オペレータも不要であり、従って、このトレーラに搭載
する原動機は比較的小容量のもので十分であり、また運
転席もキャビン等を設けない簡易タイプに形成できるの
で、通常ダンプトラックの製造コストに比べ著しく低コ
ストかつ容易に製造することができる。
【0028】しかも、1回の運搬走行でダンプトラック
2台が稼働する場合とほぼ同じ量の荷を、1台の本発明
トレーラダンプによって過積載状態になることなく運搬
ができるから、(イ)先の荷積み,荷卸し時の作業の合理
性、(ロ)牽引走行時にはトレーラ側に燃料や通行料並び
にオペレータを要しないという経済性、更に、(ハ)牽引
走行時にはトレーラの原動機が停止していることによる
環境保全性を発揮する上に、(ニ)一度の走行でダンプト
ラックほぼ2台分の荷を運べるという運搬効率の良さな
ど、従来のダンプトラックにはない、顕著で固有の効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ダンプトラックの一例の平面図。
【図2】図1のダンプトラックの側面図。
【図3】牽引部の一例の要部を示す拡大側面図。
【図4】牽引部の他の例の要部を示す拡大平断面図。
【図5】本発明トレーラダンプにおけるトレーラの作業
状態を示す断面図。
【図6】牽引機構の他の例の側面図。
【図7】図6の機構の要部を右側からみた側面図。
【図8】ダンプトラックとトレーラの制動系,電気系の
構成、並びに、接続状態の一例を示す回路ブロック図。
【符号の説明】
DT ダンプトラック 1 シャーシ 2,3 車輪 4 運転席キャビン 5 ダンプトラックの荷箱 TR トレーラ 6 トレーラの荷箱 7 トレーラのシャーシ 8 運転席 9 原動機関 10 前輪 11 後輪 12 牽引部材 13 ピントルフック

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自走するための原動機関,操舵系等の機
    構と、積載した荷を卸すためのダンプ機構と、該ダンプ
    機構に連結された荷箱を具備し、該荷箱の前方にオープ
    ンな運転席を設けたトレーラを、ダンプトラックに切離
    し可能に牽引接続したことを特徴とする構内自走式トレ
    ーラダンプ。
  2. 【請求項2】 トレーラが自走するための原動機関やそ
    の操作系,操舵系の機構は、このトレラーの前部、又
    は、後部に設けた請求項1の構内自走式トレーラダン
    プ。
  3. 【請求項3】 トレーラの制動システム,保安灯システ
    ムは、牽引時にはダンプトラック側のシステムと連動す
    るように形成する一方、自走時にはこのトレーラの操作
    系,操舵系の機構操作によって作動するように形成した
    請求項1又は2の構内自走式トレーラダンプ。
  4. 【請求項4】 自走するための原動機関,操舵系等の機
    構と、積載した荷を卸すためのダンプ機構と、該ダンプ
    機構に連結された荷箱を具備したトレーラであって、オ
    ープンな運転席を前記荷箱の前方に位置付けると共に、
    シャーシの前端側に設けた牽引部材を起伏自在に設け、
    自走時に前記牽引部材を起立させるように形成したこと
    を特徴とする構内自走式トレーラ。
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