JP3359918B2 - ホログラムを感知する装置 - Google Patents

ホログラムを感知する装置

Info

Publication number
JP3359918B2
JP3359918B2 JP09326490A JP9326490A JP3359918B2 JP 3359918 B2 JP3359918 B2 JP 3359918B2 JP 09326490 A JP09326490 A JP 09326490A JP 9326490 A JP9326490 A JP 9326490A JP 3359918 B2 JP3359918 B2 JP 3359918B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
field
spectral
output
term
complex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09326490A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02294680A (ja
Inventor
ジョセフ・ローレンス・チョバン
ウィリアム・アーサー・ペン
ジェロム・ジョンソン・ティーマン
ウィリアム・アーネスト・エンジラー
Original Assignee
ロックヒード マーティン コーポレイション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ロックヒード マーティン コーポレイション filed Critical ロックヒード マーティン コーポレイション
Publication of JPH02294680A publication Critical patent/JPH02294680A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3359918B2 publication Critical patent/JP3359918B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 この発明はホログラフィー、更に具体的に云えば、そ
の電気出力が、3次元物体から反射されたコヒーレント
光の大きさ及び位相を表わしていて、装置の開口にわた
って分布している様な電子式ホログラフ装置に関する。
こう云う情報を一旦感知して適当に処理すれば、光学的
な波頭を再生し、従って作像、干渉計測、整合フィルタ
作用又は相関の様な目的の為に、その波頭を発生した物
体の場を再生することが出来る。
従来技術 ホログラフィーは十分基礎の確立された技術であっ
て、幾つかの分野に用いられている。ホログラムは、あ
る受取り開口内の位置の関数として、1種類の波長を持
つ光の振幅及び位相を収めた記録であると云うことが出
来る。観測者にとって、3次元物体のホログラムは、適
当に表示する時、物体の奥行の感じを持たせるものであ
る。これは、従来の写真によって得られた3次元物体の
平坦な2次元の再生とは対照的である。
3次元再生の研究から、20世紀初期にステレオプティ
コン・スライドが生まれた。この場合、2つのカメラを
横に並べて置き(又は1台のカメラに2つのレンズ及び
2つの別々のフィルムを用いて)、それを同時に露出す
ることによって、2枚の写真が得られる。露出済みフィ
ルムを処理して、1対のプリントを求め、それを手で持
つ観察装置で観察する様に設定すると、片目で一方の写
真が見え、他方の目で相手側が見え、観察する人は3次
元の印象を受ける。ステレオプティコン・スライドで
は、別々の2つの視点に対応して、目には若干異なる像
が与えられることは明らかである。
初期のステレオプティコンに用いる照明は広帯域の白
色光であるが、カラー・フィルムが登場しても、この過
程は実用的であり、3次元の印象を作り出す為に、2つ
の全色画像が使われた。
次に3次元の知覚が登場したが、2つの全色像を発生
せず、別々の目に対して赤を強調する像と青−緑を強調
する像とを発生した。この過程が映画で使われ、見る人
には1対の眼鏡がわたされ、各々の対は一方のレンズが
赤を強調する像を通し、他方のレンズは青−緑を強調す
る像を通す様になっている。これによって、見る人は1
つのスクリーンに重畳された2つの像を観察することが
出来た。幾つかの方式により、奥行を知覚する様に目の
トリックを加えることが出来ることは明らかであった。
然し、科学者は、光が波である性質を認識して、常
に、開口に達する3次元物体からの1つの波長を持つ光
の大きさと位相を捕捉し、その光の大きさと位相の情報
を使って、もとの3次元物体と同一であるものに近付く
様な形で、もとの波頭を再生したいと思っていた。こう
云うことが可能であれば、見る人は、両目を開けたま
ゝ、フィルタも又はその他の装置を使わず、自分の頭を
若干片側から反対側へ動かしながら、再生を見て、動か
す時に若干異なる像を見ることが出来、そのトリックに
より、自分の目の前にあるのは3次元物体だと思い込む
様になる。実際には、これは、1種類の波長を持つ光を
使ったホログラフィーによる像を、平坦な波頭を記録し
たものから、見る人の前にある空間内に投影して、3次
元の物体を再生し、見る人は、そこから光が透過する又
は自分の目に反射して来る平坦なシートが、3次元の物
体を収めた窓であると思い込む様にすることが出来るこ
とを意味する。2つの目でホログラムを3次元に知覚す
る試験は、ホログラムを正しく構成する為の近似的な手
段である。
然し、干渉計及びその他の目的にこの情報を使うこと
から、開口にわたって大きさ及び位相を再生することに
よって、もとの波頭を復元することが実際に可能であっ
て、光の波長に対する極めて小さい分数の精度で行なう
ことが出来ることは明らかである。原理的には、所望の
場面を1種類の波長の光、即ち、コヒーレント光を用い
て照射することによって、ホログラムが得られる。物体
の場から散乱された光は特定の大きさ及び位相の分布
(受取り開口にわたって)を有する。この分布は物体の
場の光学的な細部に一意的な関係を持つ。ホログラム
は、受取り開口に於ける位置の関数として、この大きさ
及び位相の情報を適当に符号化して記録したものであ
る。ホログラムは、受取り開口の中から見た、物体の場
から散乱された光の波頭を再生することが出来る様にす
る。その時、正しく再生された波頭は、物体の場から散
乱されたもとのコヒーレント光と合同状態に近付く。
現在の技術を用いる時、ホログラムは典型的には写真
フィルム又は同等の記憶媒質に記録される。像を再生す
る為のこの後の処理は、2番目の別個の工程として、レ
ーザの照射、回折が制限された高価なレンズ等を用いて
光学的に行なわなければならない。この2つの工程から
なる過程を1950年もの早期に実施したのは、1968年にD.
ヴァン・ノスランド・カンパニイ・インコーポレットか
ら出版された英国のデニス・ゲーバ教授の著書「ヴァン
・ノスランドの科学百科辞典」である。
普通に実施されるこの過程は、フィルムを露出、現像
し、その後光学的な再生装置に取付けることを必要とす
る。例えば干渉形の運動の研究に使われる様なこの他の
ホログラフ装置も提案されており、その場合、能動形テ
レビジョン・カメラ装置で振動膜を観察し、縞パターン
を連続的な過程で検査して、小さな変位を決定する。
現在、直接的に表示又は処理することが出来る様な、
物体の場の電子式ホログラフィ像を形成する汎用装置を
利用することが出来ない。この装置の電気出力がホログ
ラムの電気表示となること、その電気表示を記録、
波、表示し、並びに/又は連続的な過程で静止又は動く
物体の場を感知するのに適当な速度で更新することが出
来ることが好ましい。
実時間で物体の場を感知する点でのこの様な電子式装
置の予想される利点としては、コヒーレント光の波頭と
ディジタル・データ処理装置との間のインターフェース
になることである。こう云う装置では、ソフトウエア処
理を使って、作像、干渉計測、整合フィルタ作用、相関
等の作用を行なうことが出来る。従って、高価な回折が
制限された光学ハードウエアは大部分が不必要になり、
それがソフトウエアに置換えられる。更に、この過程は
直接的で連続的になる。
発明の要約 従って、この発明の目的は、ホログラフィー・データ
を感知する新規な汎用電子式装置を提供することであ
る。
この発明の別の目的は、作像、干渉計測、整合フィル
タ作用又は相関に使う為の、ホログラフィー・データを
感知する汎用電子式ホログラフ装置を提供することであ
る。
この発明の別の目的は、コヒーレント光を用いて照射
された詳しい3次元物体を記述するホログラフィー・デ
ータを感知し、その光信号をホログラフィー・データの
複素数の大きさ及び位相情報を表わす電気信号に変換し
て、作像に適する様にした新規なホログラフ装置を提供
することである。
この発明の別の目的は、静止している又は動く物体の
場を感知する新規な電子式ホログラフ装置を提供するこ
とである。
この発明の別の目的は、データを直接的に且つ連続的
に処理することが出来る様な電気形式で、ホログラフィ
ー・データを求める新規な電子式ホログラフ装置を提供
することである。
この発明の上記並びにその他の目的が、互いにコヒー
レントな照射光ビーム及び参照光ビームを発生する手段
とカメラとで構成された新規な電子式ホログラフ装置に
よって達成される。
照射ビームが物体の場を照射して、物体の場から反射
された光をカメラの開口に入る様にして、斑点パターン
を形成する。こう云う斑点は、コヒーレント照射によ
り、拡散性の物体から散乱された光の本質的な特徴であ
る。即ち、「斑点」はコヒーレントな波頭の分解可能な
特徴である。参照ビームが物体の場の片側に変位した仮
想位置から開口を照射し、この為、斑点パターンに対し
て正弦状縞の線形重畳が生ずる。この配置により、実質
的に平行であって独立の位相及び振幅を持つ縞が出来
る。更に、参照源位置及び物体の場の中心は、カメラの
開口で測定して角度方向に隔たる様に設定され、平均し
て斑点当たり少なくとも1つの暗領域及び1つの明領域
を生ずる様にする。これが、斑点の位相及び大きさを決
定するのに不可欠の条件である。
カメラの開口は十分広くとって物体の場の別々の素子
を分解することが出来る様にし、行及び列に分けて配置
した光検出器の配列を設ける。行は縞に対して垂直であ
り、列は縞に対して平行である。検出器の出力を周期的
に標本化し、2つの源から入射した時の相互積の項を発
生する様に入射光に対して自乗則装置として応答する様
にする。
斑点を十分な倍率で作像して、平均して、縞の大きさ
及び空間的な位相を曖昧でなく決定するのに適切な数の
検出器に、斑点の全波(暗領域と明領域)が入射する様
にする。典型的には、この為には4個の検出器を必要と
する。
従って、検出器の標本化出力には、平均して各々の斑
点の空間的な位相と振幅を表わす電気信号が得られる。
この電気信号を処理して外来の項を除去すると、もとの
波頭、即ちホログラムを復元することが出来、適正な波
頭処理を行なった場合、レンズを必要とせずに、レンズ
によって行なわれフレネル/フーリエ変換操作と近似す
る形で場面を再生することが出来る。
この方法では、照射された物体の場及び参照が、カメ
ラの開口にわたって空間的なスペクトルを発生し、検出
器の標本化出力に現れる空間的に重畳された4つの項を
生ずる。これらの項は、参照ビームの照射による一様な
値を持つスペクトル項と、照射された物体の場による斑
点パターンを表わすスペクトル項と、照射された物体の
場及び参照からの光による相互積の共役項に対応する望
ましくない負の空間周波数を持つスペクトル項と、照射
された物体の場と参照とからの光による直接的な相互積
の項に対応する所望の正の空間周波数を持つスペクトル
項とを含む。
この発明では、仮想参照点の位置が、カメラの所で測
定して、物体の場が見込む角度より大きい角度だけ、物
体の場の中心から変位している。この様な物理的な配置
により、4つの項は、開口にわたって空間的に重畳され
ているが、互いに分離した位置で、空間周波数のスペク
トル領域で分布する様になる。簡単に云えば、それら
は、その空間周波数によって各項を分離することが出来
る様な適切な有限インパルス応答(FIR)フィルタによ
って分離することが出来る様な状態にある。
この発明の別の一面として、参照は仮想点源であり、
物体の場の中心及び仮想参照点はセンサ平面から略同じ
距離の所に配置して、全ての斑点の縞が略同じ空間周波
数を持つ様にする。検出器を行に沿って等間隔に設け
て、位相及び振幅の測定が効率よく行なわれる様にす
る。
この発明の別の一面として、各々の行にあるn個の相
次ぐ検出器の標本化出力を減算によって組合せて、(n
−1)重の1組の出力差を求める。差を求める効果とし
て、カメラの出力からの一様な値を持つスペクトル項
と、斑点パターン自体のスペクトル項の実質的な部分と
が除去される。物体の場から区画された平面状領域へ反
射される照射の強度に較べて、参照ビームの強度を高く
設定することにより、斑点パターンのスペクトル項が更
に減少する。
上に述べた2つの手段は、ホログラフィー情報を含む
所望の相互積の項を隔離する作用と云う点で、FIRフィ
ルタの一部分として、又は最終的なFIRフィルタの最終
的な仕事を簡単にする手段として見なすことが出来る。
このフィルタの残りの仕事は、相互積の2項を分離し
て、相互積の所望の項を分離することである。
最後に、普通の有限入力応答(FIR)フィルタを設
け、検出器の標本化出力中の一連の出力差をこれに結合
して、相互積の望ましくない負の周波数を持つスペクト
ル項を除去し、相互積の所望の正の周波数を持つスペク
トル項を取出す。
この発明自体並びにその目立った特徴は特許請求の範
囲に記載してあるが、この発明自体とその他の目的及び
利点は、以下図面について説明する所から最もよく理解
されよう。
好ましい実施例の説明 第1A図には、物体の場のホログラムを記録する装置の
斜視図が示されている。この装置が、物体の場の個々の
要素を分解するのに十分な寸法を持つ開口を通して、物
体の場のホログラフィー情報を記録する。このホログラ
フィー記録は、図示の様に、変位の感知又は物体の場の
再生を含む幾つかの目的に使うことが出来る。
装置は、互いにコヒーレントな照射光ビーム及び参照
ビームを発生する手段と、物体の場の方に向けられた開
口を持っていて、参照ビームを受取ると共に、ビーム及
び物体の場と、ホログラフィー・データを記録する様
に、適当に整合した電荷転送装置(CTD)カメラとを有
する。カメラは、普通の集束レンズを使わずに作用し
て、センサ平面に配置された光検出器に入射する照射を
標本化する。センサ平面に入射する照射は、照射された
物体から反射された光のフレネル/フーリエ変換と特徴
づけることが出来る。
光検出器から取出された電気信号がA/D変換器24でデ
ィジタル形式に変換され、その後有限インパルス応答
(FIR)フィルタ25にかけられて、照射の不所望の項を
除くと共に、ホログラムを特徴づけるのに必要な所望の
位相及び振幅情報を分離する。この装置の重要な特徴
は、隣合った光検出器の出力の間の差を求めることであ
る。物理的には、これはセンサ平面にある回路の一部分
であってよいが、数学的にはFIRフィルタの一部分と見
なすことが出来る。データを1/2又は1/4に減らすこと
(即ち、フィルタにかけられたデータの2つ目又は4つ
目毎のサンプルを求めること)は、通常、最終的なデー
タ処理を簡単にし、これをブロック26で示してある。フ
ィルタにかけられたデータの別のマトリクス処理をフレ
ネル/フーリエ変換器27で行なって、表示装置28の為の
物体の場を再生することが出来る。
第1A図に示す様に、照射ビーム及び参照ビームは1個
のレーザ10から出て来る。レーザからのビームがビーム
分割器11に入射し、これがレーザ・エネルギの一部分を
参照ビームの為の別個の通路に方向転換する。レーザ・
ビームの内、方向転換しなかった部分が照射ビーム光学
系12に供給され、そこでレーザ・ビームを拡大して物体
の場13を照射する。こうして、物体の場から反射された
コヒーレント光がCTDカメラ15の開口14に入りカメラの
センサ平面16に斑点パターンをつくる。レーザ・エネル
ギの内、ビーム分割器11で方向転換された部分が時間遅
延光学系17、鏡18、参照ビーム整形光学系19及び鏡20を
通る。鏡20が参照ビームを開口14からカメラのセンサ平
面16に投射する。照射ビーム整形光学系の作用は、物体
の場の内、カメラによって観察される部分を照射するこ
とである。参照ビーム整形光学系19の作用は、ホログラ
フの為の位相情報を求める手段となるセンサ平面を照射
することである。後で説明するが、光学系19は参照ビー
ムの仮想源を、物体の場の中心と、センサ平面から同じ
距離(Z座標)の所に配置する様に設計される。
第1A図に示す場合、照射ビーム及び参照ビームの両方
の光路はレーザ10から発し、共にカメラのセンサ平面で
終わる。2つのビームの通路長を十分等しくすれば、両
方のビームは平均して同時にセンサ平面に達し、レーザ
に不安定性があっても、それが最小限に抑えられ、こう
してセンサ平面で読出されるホログラフィー情報に光波
長の端数の精度が保たれる。時間遅延光学系17が、2つ
のビームの通路長を等しくする手段になる。レーザ10か
らセンサ平面16までの2つのビームの通路長の差は、物
体の場に広い奥行(Z軸方向)がある場合、常に存在す
る。然し、レーザのコヒーレンスの長さが長くなるにつ
れて、2つの通路長の間の一層大きな差を許すことが出
来る。その為、レーザが安定であればある程、測定値の
不安定性が問題になるまでの、通路長の許容し得る差が
大きくなると共に、場の奥行が一層大きくなる。
参照ビームはホログラムの為の位相情報を求める手段
になる。参照ビームが、カメラのセンサ平面に、照射ビ
ームの為に既に出来ている斑点パターンに入射すると、
「格子形斑点パターン」と呼ぶことの出来る様な空間的
に周期性を持つ干渉パターンが出来る。相次ぐ明領域及
び暗領域を持つこの干渉パターンは、光の強度だけを感
知する適当に配置されたセンサにより、その振幅と位相
の両方を決定することが出来る様にする。勿論、位相は
参照ビームの位相に対して測定される。解析により、平
均して各々の斑点を適当に空間的に標本化すれば、(平
均して)各々の斑点の振幅及び位相情報が得られ、一般
的に、後で物体の場を再生する為のホログラムを記録す
るのに適切な量の、センサに於ける複素数波頭の情報が
得られることが判った。
CTDカメラは幾つかの形式を取り得るが、カメラが共
通の行に沿った相次ぐ光検出器の間の信号の差を求める
手段となることが、効率のよい信号の予備増幅並びに光
検出器の出力のFIRフィルタ作用の両方にとって不可欠
である。
この用途にとって適切なカメラは、第8A図、第8B図及
び第8C図に示す様な行の読出しを行なう、典型的には25
6×256個の光検出器の場所からなる配列を有する電荷注
入装置(CID)である。カメラ並びに差を求める手段の
詳細は、後で説明する。
第1A図に示す空間関係を保つ場合、ホログラフィー情
報の記録は、振幅及び位相の測定値の精度の点でも、全
体的な感度の点でも著しくよくなる。照射、参照ビーム
の源、及び物体の場の場所が3座標系を設定し、位相及
び振幅の最適の忠実度並びに最大の感度を得る為には、
カメラの角度方向の開口並びにセンサ平面はこの座標系
と整合させなければならない。基準源、物体の場及びカ
メラの正しい配置により、縞の位置、向き及び空間周波
数が定まり、好ましい配置では、縞の空間周波数がカメ
ラの開口にわたって略一定になる。縞に対するカメラの
センサ平面の正しい向き、並びにセンサ平面上のセンサ
の間の間隔に対する縞の正しい倍率により、ホログラフ
ィー情報を記録する時の精度が得られ易くなる。こう云
う点を次に詳しく説明する。
再び第1A図について説明すると、カメラは、その開口
の中心22からセンサ平面に対して垂直に直立する線上
に、物体の中心21を置く様に配置するのが理想的であ
る。この為、3軸座標系の原点が、センサ平面の中心で
あり、Z軸は物体の中心21を通ってセンサ平面に垂直な
線である。X及びY軸はセンサ平面内にあるが、参照ビ
ームの位置が固定されるまで、それらの向きは定まらな
い。
参照ビーム整形光学系19は、参照ビームの仮想源の位
置を点23に置く様に調節する。参照ビームの仮想源23は
物体の場に較べて小さく、点源として扱うことが出来
る。参照照射及び照射された物体の場によって発生され
た干渉縞は、点21,22,23によって定められた平面に対し
て平均して垂直である。他方、物体の場と平面21,22,23
の交わる線に沿って発する光だけが、正確にこの平面に
対して垂直に縞を発生する。ある程度の視野にわたって
正確な結果を達成するのに、精度は要求されない。この
為、物体の場の全ての点から発生される縞の空間周波数
を標本化するには、光検出器は平面(21,22,23)に対し
て平行な行に分けて配置すべきである。従って、この平
面(21,22,23)とセンサ平面との交わりにより、X軸が
定められ、それから、X軸に対して垂直と定義するY軸
の位置が決まる。センサの列はY軸と平行である。こう
して、縞の空間的な位相を決定するのに使われるセンサ
の行が、X軸と平行である。
更にこの発明では、仮想参照源は、原点から、物体の
場の中心と略同じZ座標の距離の所に配置する。これ
は、物体の同じ点に対して受取り開口内にある異なる視
点からの視差を減少する利点があり、縞の問隔を一層に
一様にする傾向がある。縞の間隔が一様になると、空間
的な標本化速度の不変性が一層よくなる。
説明を続けると、空間的な角度スペクトルは、参照ビ
ームの原点(23)と物体の場にある分解点の間の角度
(θ)に関係する。物体の場が受取り開口の遠視野にあ
る時、物体の場の中の所定の点と受取り開口の平面に対
する法線(即ちZ軸)の間の角度は、受取り開口内にあ
る全ての視点に対して同じである。こう云う条件のもと
では、遠視野から来る様に見えるコリメートされた参照
ビームが望ましい。然し、物体の場が受取り開口の近視
野にある時、これが普通の場合であるが、物体の場の中
の定点は、開口内の相異なる点から見た時、異なる角度
の所に現れる。こう云う条件のもとでは、一定の角度の
コリメートされた参照ビームの重畳にあり、その結果出
来る干渉パターンの縞の問隔は、開口内の位置と共に大
幅に変化する。縞の問隔が大幅に変化すると、パターン
の標本化の効率がよくない。この条件は、参照ビームの
点23を、物体の場の中心と公称同じZ座標の距離の所に
配置することによって軽減することが出来る。この状態
の時、物体の場の中の点と参照点の間に視差がない。こ
の結果、参照点と物体の場の中の任意の固定点の間の角
度は、受取り開口内の全ての視点にとって、公称同じで
あり、縞の間隔が一様になり、一定の空間標本化速度で
そういう縞を標本化する効率がよくなる。
第1B図は、カメラ15のセンサ平面に現れる斑点パター
ンの一部分の見取図である。斑点パターンが、第1C図に
示すセンサ・パターンと同じ尺度及び向きで示されてい
る。
第1B図では、格子形斑点パターン全体の小さな一部分
が示されており、白黒で示したのは、実際に起る明暗の
更に漸進的な刻みを大まかに近似したものである。カメ
ラを普通に使う場合を仮定すると、この図は、役に立つ
斑点パターン並びにセンサ平面の約0.2%を示すに過ぎ
ない。斑点が縞状又は格子状になるのは、物体の場から
の単色光と基準源からの単色光との干渉に帰因する。前
に述べた様に、2つの源は互いにコヒーレントであり、
従って、物体の場にある要素が不動である限り、パター
ンも実質的に不動のまゝであり、ビームが動いている空
気の中を通過することにより、又は光学系の要素の小さ
な振動により、幾分かの擾乱が起る。
縞の向き及び間隔は、点21,22,23の位置によって定ま
る。即ち、各々の縞はY軸と平行であり、サンプル斑点
の相次ぐ縞はX軸に沿って隔たっている。暗領域及び明
領域が、斑点の空間周波数の全波(2πラジアン)であ
り、平均寸法を持つ斑点は、斑点の空間的な位相を検出
することが出来る様に、縞の少なくとも1つの全波を持
つ様に選ばれる。斑点当たりの縞の数が、Z軸からの仮
想参照源の角度変位(θ)よって制御される。
斑点からのホログラフィー情報の輝度並びに瞬時の空
間的な位相が捕捉される。第1B図に示す様に、各々の斑
点の空間的な位相は隣りの位相とは異なり、その様子は
全く不規則の様に見える。
センサ・パターンは、典型的な場合、縞パターンの4
倍の細かさであるが、(平均して)各々の斑点の位相と
振幅の両方を復元し、こうしてホログラムを構成するの
に必要な情報を捕捉する様な形で、格子状斑点を標本化
する手段になる。
照射によってセンサが応答する所望の項及び望ましく
ない項の両方が生じ、標本化過程によってもそれ自身の
人為効果が生ずる。所望の項及び望ましくない項、並び
に標本化過程によって導入される人為効果の一部分を第
3図、第4図及び第6図で取上げている。
第5図は、所望のスペクトル項を選択すると共に望ま
しくないスペクトル項を排除するのに必要なフィルタ性
能を複素数Z平面で示す図である。役に立つ項の選択
は、物体の場の強度に較べて参照ビームの強度を調節す
ると共に、FIRフィルタ作用により、光検出器の出力で
差をとることによって達成されるが、これは後で詳しく
説明する。
第3図には、受取り開口に於ける強度分布(光の振幅
の大きさを自乗したもの)のX方向に測定した空間周波
数スペクトルが示されている。横軸の測定単位は単位長
当たりのラジアンである。パラメータkは2πを光の波
長で除したものに等しい。角度θは、原点22(第1A
図)で、物体の場の中の選ばれた1個の点27とビーム参
照点23の間で計った中心角度である。(従って、物体の
場の中の1個の点の角度位置が、対応する1個の空間周
波数成分に直接的に写像されることが判る。) 第1A図の受取り開口に於ける強度分布のX方向に於け
る空間周波数スペクトルが第3図に示されている。空間
周波数スペクトルは、開口にわたる要素毎のセンサ区域
に入射する光エネルギ分布の空間的なフーリエ/フレネ
ル積分を表わす。
このスペクトルを解析する最初の工程として、受取り
開口の平面内の位置pに於ける単位面積当たりの光エネ
ルギI(p)を考える。これは次の様に表わすことが出
来る。
I(p)=IR+(|S(p)|)+In(p)+IP(p) (1) こゝでIRは参照ビームによる、開口平面にわたって略
一定の強度は、 (|S(p)|)は、照射された物体の場全体による受
取り開口内の点pに於ける正味の物体による光の大き
さ、 In(p)は、物体の場からの光の共役に対応する正味
の強度分布の望ましくない(負の周波数を持つ)成分、
即ち、照射された物体の場からの光の複素数振幅の共役
と参照源からの光の複素数振幅との積、 IP(p)は、物体の場からの光に対応する正味の強度
分布の所望の(正の周波数を持つ)成分、即ち、照射さ
れた物体の場からの光の複素数振幅と参照源からの光の
複素数振幅の共役との積である。
式(1)の4つの項は、開口にわたって空間的なフー
リエ/フレネル変換器によって積分した時、対応する4
つの空間的なスペクトル項を形成する。カメラ、照射の
形状及び物体の場を適当に配置した時、その結果生ずる
スペクトル項は、第3図に示す空間周波数スペクトルに
わたって、互いに分離した位置に分布する。
式(1)の各項の数学的な根拠は、第2図に示した2
つの点の寸法を持つ光源と云う基本的な例を用いて、セ
ンサ平面の開口にわたる強度分布の解析について説明す
るのが最もよい。この場合、参照ビームは、任意に選ば
れた基準点から光を放射するものとして存在すると仮定
し、その近くにある物体の場は、反射光を放射する1個
の点で構成されるものとして存在する。その結果、カメ
ラの受取り開口内にある離れたセンサ平面にわたって生
ずる干渉パターンを数学的に記述することが、以下の説
明の目的である。
第2図に示した2つの点源の例は、前に述べたデカル
ト座標系に基づいている。関心のある3つの点は、点源
(参照点源及び物体の場の点源と呼ぶ)の場所と、受取
り開口内の観測点とである。図面に示す様に、これらの
点を結ぶベクトルを定義する。次の定義を用いる。
[XR,YR,ZR]は参照ビーム源である点源の座標、 [XS,YS,ZS]は物体の場の点源の座標、 (x,y,0)は受取り開口内の観測点の座標、 は参照点から観測点までの距離ベクトル、 は物体の場の点から観測点までの距離ベクトル、 VR,VSは夫々の距離ベクトルの大きさとする。
各々の点から放射される球面波を考える。これらの波
は次の様に説明することが出来る。センサ上の観測点か
ら距離rの所にある参照点からの波の複素数振幅は次の
様になる。
こゝでAR/rは、センサ上の観測点から距離rにある参
照点からの波の複素数振幅の大きさ(この大きさを自乗
したものが、参照点から距離rに於ける単位面積当たり
の光エネルギに等しい)である。φは源の点(即ち、
r=0)に於ける参照の位相である。センサ上の観測点
から距離rにある物体の場の点からの波の複素数振幅は
次の通りである。
こゝでAS/rは、センサ上の観測点から距離rにある物
体の場の点からの波の複素数振幅の大きさ(この大きさ
を自乗したものが参照点から距離rに於ける単位面積当
たりの光エネルギに等しい)である。φはその源に於
ける(即ちr=0に於ける)物体の点の位相である。
選ばれた観測点に於ける正味の複素数の大きさはこれ
らの2つの成分の重畳であり、必要に応じて、rに対し
ベクトルの大きさに対する適当な値を用いる。
この2つの点源の例の時の強度Iは、受取り開口内で
の観測点の位置(x,y)と共に変化する。強度Iの式
は、単純化の為のある仮定(例えば、2つの源の点の間
の距離が、観測点に対するそれらの距離に較べて小さい
と云う仮定)を用いて取出すことが出来るが、次の形を
取り得る。
こゝで 従って、受取り開口に於ける強度は、バイアス値を中
心として位置と共に正弦状に変化することが判る。この
変化のX及びY方向に於ける空間周波数が、受取り開口
内にある観測点から見た、参照点及び物体点の間の角度
に関係することが判る。参照点を物体点と同じ距離の所
に置くことにより、これら点の間の視差がなくなり、そ
の結果、この角度及びそれに対応する空間周波数が受取
り開口にわたって一定になる。
この正弦状の変化の空間的な位相が、物体点及び参照
点の位置と共にそれらの間の位相差に関係することが判
る。これが夫々、VS,VRとφSとによって示されて
いる。
式(2a)のバイアス項(IR+IS)は役に立つ情報を持
たず、これから説明する様に、カメラの中で差を求める
ことによって除去すべきである。
参照点に対する物体点の位置は、式(2d)乃至(2e)
を使うことによって、空間周波数から一意的に決定する
ことが出来る。
正弦状パターンの位置はセンサ・データから測定する
ことが出来、それを使って、参照点に対する物体点の位
相を決定することが出来る。これは、式(2a)でφ
φ+k(VS−VR)と記した量に対応する。
物体点の振幅ASは、強度IS及び距離VSが判れば、式
(2c)から決定することが出来る。距離は物体の再生か
ら判る。強度は、式(2a)に見られる様に、正弦状の変
化の振幅から決定される。基準強度ARが判っていると仮
定する。
要約すれば、参照ビーム点の位置、振幅及び位相が判
っていれば、式(2a)乃至(2e)の関係を使うことによ
り、参照点並びに未知の物体点からの光が受取り開口で
重畳されることによって生ずる強度パターンの細部か
ら、近くにある物体点の未知の位置、振幅及び位相を決
定することが出来る。以上の解析は2点の例の場合であ
る。
然し、物体の場は、今述べた様に1個の点ではなく、
空間内で有限ではあるが拡大した容積を占めている。参
照点は、物体の場の境界の外側にあることにより、物体
の場の中にある点と区別され、その理由は後で判るが、
物体の場より明るくされる。即ち、受取り開口の中にあ
って、参照ビームによる任意の点の強度は、物体の場全
体からの光によるその点に於ける強度よりも大きい。
下記の式(3)は、拡大した物体の場全体による受取
り開口に於ける点pに於ける複素数振幅S(p)を示
す。この開口内の任意の点に於ける正味の電界ベクトル
は、物体の場にある源の集合による電界の重畳であり、
その複素数振幅は次の様に表わされる。
こゝでpは受取り開口内の点、 pSは(そう云う多くの点を含む)物体の場内にあって
光を放射する点、 S(p)は受取り開口内の点pに於けるEベクトルの
正味の複素数(振幅及び位相)振幅、 |A(pS)|、φ(pS)は物体の場の点pSにある光源の
振幅と位相、 rS(p,pS)は物体の場内にある点pSから受取り開口内
にある点pまでの距離の大きさ、 dvは物体の場の源となる点を含む容積の増分である。
現在関心が持たれる全ての場合に於て、受取り開口に
於ける測定に利用し得るのは複素数分布(p)であ
る。大きさA(pS)及び位相φ(pS)によって記述され
る物体に於ける対応する源の分布は、「等価物体」と定
義する。
実際の物体は典型的には、コヒーレント・レーザ放射
によって照射される物理的な小さい反射面で構成され
る。こう云う小さい面は、霧又はエーロゾル内にある様
な個別の分散粒子であることもあるし、或いは連続的な
反射面内にある大きな物体であることもある。
等価物体を知覚出来る様なものを再生する為には、受
取り開口にわたる複素数光分布を適当に処理しなければ
ならない。光学的には、これは典型的にはレンズによっ
て行なわれる。今の用途では、この目的の為にビーム形
成技術が使われる。
式(3)から複素数振幅S(p)を求め、参照ビーム
光を加えて、その和に複素数共役を乗ずると、次に示す
様の正味の強度I(p)が得られる。
こゝでI(p)は受取り開口内の点pに於ける合計の
光強度、 IRは受取り開口内の位置に対して一様な、参照ビーム
による強度、 |S(p)|は物体の場全体による受取り開口内の点p
に於ける正味の光の振幅信号の大きさ、 φSp(p)は物体の場全体による受取り開口内の点p
に於ける光の正味の位相(即ち、φSp(p)=φ−kr
S(p,pS))、 φRp(p)は参照ビームによる受取り開口内の点pに
於ける光の位相(即ち、φRp(p)=φ−krR(p,
pR))、こゝでrR(p,pR)は観察開口内の点pに於ける
参照点からの距離の大きさである。
式(4)で表わされる強度パターンがどう云う性質の
ものであるかは、式(2a)乃至(2e)で表わされる2点
分布を考えれば理解することが出来る。全ての場合に、
正味の複素数振幅は、参照点を含めて各々の点による複
素数振幅の線形重畳である。強度を求める為に複素数共
役を乗ずる時、点の対の考えられる全ての組合せが生ず
る。各々の点の対は式(2a)乃至(2e)に従って記述す
ることが出来る。考えられる全ての点の対の組合せの効
果の和が、正味の結果であり、それが式(4)によって
表わされる。
点の対の組合せは、式(4)の3項に対応して、3種
類の内の1つと考えることが出来る。即ち、これらは、 −参照点と参照点 −物体点と物体点 −参照点と物体点 参照点にこの複素数共役を乗ずると、項IRを生ずる
が、これは式(2a)及び(4)の両方に存在する大きな
一様なバイアス項である。
物体点に(それ自身を含む)任意の他の物体点の共役
を乗じたものが、S(p)の大きさを自乗したものに寄
与する。これが式(4)の第2項である。この様な各々
の対の組合せの形式は、式(2a)乃至(2e)で夫々参照
点及び物体点を表わすのに使った添字R及びSを、物体
の場に於ける点m及びnを表わすm及びnに置換えるこ
とを別とすると、式(2a)乃至(2e)で述べたものと同
様である。
こう云う形式の項に対して存在し得る最高の空間周波
数kx及びkyは、X及びY方向に於ける場合の最大の角度
方向の範囲によって制限されることが判る(即ち、式
(2d)及び(2e)参照)。
この最高周波数が、この第2項の為に受取り開口内に
存在し得る特徴の最小の空間的な寸法を定める。これが
実質的に存在し得る最小斑点寸法である。この斑点分布
がS(p)の大きさを自乗したものによって定められ
る。これが、参照ビームが存在しない場合に受取り開口
内に存在する強度分布である。この項には位相情報が存
在しないから、これは関心のないものであり、これから
説明する様に、カメラ内で抑圧される。
その一方が関心のあるものであるが、最後の2項は、
物体の場からの光と参照点からの光の共役との積にこの
積の共役を加えたものから生ずる。これらの和が式(2
a)の余弦項によって直接的に記述される。物体の場の
中にある各々の点に対するこの様な全ての余弦項の和に
より、式(4)の余弦項が生ずる。
参照点は物体の場の中心と同じY座標を持つものであ
り、X座標は、物体の場の境界の外側に来るのに十分な
分だけ、物体の場の中心から変位している。
こう云う条件のもとでは、Y方向の空間周波数スペク
トルは、S(p)の大きさを自乗したものによって表わ
される斑点パターンの場合のように、式(4)の余弦項
と同じである。
然し、X方向では、スペクトルの中心周波数は参照点
と物体の場の中心との間の角度(厳密に云うと、式(2
d)及び(2e)に従って、参照及び物体角度の正弦の間
の差)によって定まる。このスペクトルが、X方向に於
ける物体の場の角度方向の寸法によって定められる帯域
幅にわたって拡がる。これは、X方向の斑点スペクトル
と同じ帯域幅である。
式(4)で表わされる正味の強度パターンは実数関数
である。従って、その空間周波数スペクトルは、互いに
共役複素数である正及び負の周波数成分を持っている。
第3図はX方向に於けるこの空間周波数スペクトルを
図式的に示している。この図で陰影線を施して示した成
分が関心のある成分である。図面に示した他の成分は、
振幅を強度に変換する為に行なわれた非線形自乗操作の
結果である。
式(4)の所望の成分は、余弦関数を2つの複素数指
数関数の和として表わし、正の指数関数だけをとること
によって求められる。
こゝでIP(p)は物体の場に対応する正味の強度の所
望の(正の周波数を持つ)成分であり、 In(p)は物体の場の共役に対応する正味の強度の望
ましくない(負の周波数を持つ)成分である。
式(5)及び(6)の定義を式(4)と組合せると、
式(1)によって表わされる正味の強度分布が得られ
る。
そこで、これらの4項が、カメラの開口に入射する光
強度を記述する強度関数に対する相加的な寄与を表わす
ことは明らかである。これらの4つの寄与は互いに空間
的に重畳されており、その各々がカメラの開口全体を覆
う。これらの項は空間フィルタ作用によって分離するこ
とが出来るが、これはフーリエ/フレネル空間変換操作
を施すことに相当する。
フーリエ操作は線形であり、従って関数全体のフーリ
エ変換は項目毎に実施することが出来、その結果4つの
フーリエ変換された項が得られ、もとの4項と1対1に
対応する。変換後、これらの項はもはや重畳されておら
ず、第3図に見られる様に、物体領域又は空間スペクト
ル領域で異なる位置に出て来る。
従って、関心のある項をフーリエ/フレネル変換し
て、「等価の物体」(第3図の陰影線を施した領域)の
数学的な記述を作ることが出来る。こう云うことを行な
う数学的なアルゴリズムを次に式で表わす。
こゝで、rS=pとpSの間の点の距離の大きさ <VS>=VSの平均値 式(5)を代入すると これは本質的には、カメラのデータから物体を再生す
るアルゴリズムを数学的に記述するものである。これ
は、物体からの光の波頭のコヒーレントな記述が、前に
説明した所に従ってカメラによって直接的に感知された
強度の4項の内の適当な1つ(IP)を(空間フィルタ作
用によって)隔離し、その後この波頭の輪郭から参照ビ
ームの既知の形状を除去することによって正確に復元す
ることが出来ることを仮定している。この結果、カメラ
の平面内に於ける物体からの光を記述する波頭関数が得
られる。適当なフレネル変換により、物体の局部的な領
域で、任意の平面内でこれから等価の物体を復元するこ
とが出来る。
高度に最適にしたFIRフィルタ作用が、所望の項を隔
離する最も効率のよい方法になると共に、同時に高い位
相の精度をもたらすと云うことが、この考えの核心であ
る。こう云う設計により、カメラの配列で行なわれる隣
合った差を表わすデータを使って、光学的なバイアスを
除去し、参照ビームが物体からの光よりもずっと強い時
でも、良好な感知が出来る。更に、この結果、所望の項
だけを表わすI及びQサンプルをカメラからFIRフィル
タに通すことが出来、こうして所定のフレーム時間に要
求されるデータ速度を下げると云う点で、カメラからの
データ伝送が一層効率よくなる。
1個の物体点の場合、その点は、完全なフレネル変換
の複雑さの手間をかけずに、単純な式によって局在化す
ることが出来る。1個の点物体の場合、所望の項IPに関
連する光の位相は次の様に表わすことが出来る。
φ=k・[VS−VR]+φ−φ (9) VS,VRは観測点p=x,yから夫々物体点及び仮想参照点
までの斜めの距離であり、 φSは夫々物体点及び参照点の光の反射位相であ
る。
多くの用途では、φは、介在する媒質中の光の屈折率
の変調により、又は目標点の動きにより、(例えば振動
する目標によって正弦状に)時間的に変調されている。
上に示した式をx及びyで適当に微分することによ
り、物体−参照形式の形状と相次ぐ微分との間に次に示
す様な関係があることを証明することが出来る。
微分dφ/dx、d2φ/dx2及びyに対する対応する微分
は、FIRフィルタから出て来る位相データから見付ける
ことが出来る。こう云う微分は、大域補間アルゴリズム
を使って計算される。このアルゴリズムは、カメラの開
口にわたる殆んど或いは全てのデータを使い、この為、
空間的な積分利得が大きく、S/N比を改善する。即ち、
式(10)の右辺の全ての要素が判っており、VSを計算す
ることが出来る。そうすると、式(11)及び(12)の右
辺の全ての要素が判り、XS,YSを計算することが出来、
物体点を完全に局在化することが出来る。
式(10)乃至(12)から、カメラの開口内の観測点か
らの物体の(X及びY方向に於ける)角度位置が、x又
はyの空間周波数である、位相の第1次微分に比例する
ことが判る。斜めの距離VSは、位相の第2次微分の逆数
に大体比例する。
式(5)に戻ると、所望の項IP(p)の振幅の倍率
は、参照ビームの強度の平方根に等しい。従って、参照
ビームの強度を高くすると、所望の項の振幅が回路の電
子雑音であっても、それより高くなる。
更に、式(5)から、信号位相から減算されるφRp
別の位相が存在することが判る。この位相は、参照ビー
ムによるものであり、次の形である。
φRp(p)=φ−krR(p,pR) (13) こゝでr(p,pR)は(前に定義した様に)参照点から
受取り開口内の点pまでの半径方向の距離、 φは(前に定義した様に)参照点に於ける参照ビー
ムの位相である。
式(5)の意味する所は、何等ホログラフィー測定を
しないで、物体の場だけによって存在するものと同一の
結果を得る為に、krR(p,pR)と云う追加の移相を減算
することにより、所望の信号の位相を補正しなければな
らないことである。後で説明するが、この位相の補正は
この後のソフトウエア処理によって達成することが出来
る。
式(1)は、受取り開口の平面内の位置pに於ける単
位面積当たりの光エネルギを表わす。この開口は、第1C
図に示す様に、別々の感知区域を含んでおり、それが所
定の区域にわたる合計エネルギを積分して、1つの実数
を求める。これがその位置に対して測定されたサンプル
の値である。
センサの形状を定義する為に、第1C図に示した下記の
パラメータを使う。
wは各々のセンサ区域のX方向の幅、 hは各々のセンサ区域のY方向の高さ、 dXはセンサの中心の間のX方向の距離、 dYはセンサの中心の間のY方向の距離、 m,nはX方向のセンサm及びY方向のセンサnに対応
する整数の指数、 (mdX,ndY)はセンサ素子m,nの中心の夫々X,Y座標で
ある。
こう云う定義を用いると、カメラの素子m,nによって
感知される合計エネルギは次の式で表わされる。
こゝでP(m,n)はカメラの配列内の素子m,nによって
感知された合計の光エネルギ、 I(x,y)は式(1)で表わされる受取り開口内のx,y
(即ち、点p)に於ける強度I(p)である。
式(3)を式(5)及び(6)に代入し、式(1)と
組合せると、受取り開口の点x,yに於ける強度が、物体
の振幅分布A(pS)によって表わされる。この組合せ
は、式(3)から、物体にわたる容積積分を含んでい
る。
こうして得られた強度パターンを式(14)に代入する
と、カメラの配列内のセンサm,nの正味の出力が得られ
る。これは、物体にわたる容積積分と共に、センサ面積
にわたるx,yの面積積分を含む。
積分の順序を逆にし、面積積分を最初に行なう。
この面積積分を行なう時、1個のセンサの面積にわた
る光分布の大きさ|S(p)|は一定で、センサの中心に
於ける値に等しいと仮定する。感知面積の中心間間隔x,
yは、そこに於ける空間的な標本化を充たす為に十分小
さくなければならないから(即ち、斑点当たり少なくと
も2つの空間サンプル)、この近似は正当化される。こ
れが、第1B図に示した格子形斑点パターンと第1C図に示
したセンサの寸法の相対的な寸法によって例示されてい
る。
この近似の限界内で、次の結果が得られる。
P(m,n)=P0+PS(m,n)+Pn(m,n)+PP(m,n) (15a) P0=h・w・IR (15b) PS(m,n)=h・w・[|S[m・dx,n・dy]|] (15c) Pn(m,n)=[PP(m,n)] =PP(m,n)の複素数共役 (15f) こゝでA(PS)は物体の場に於ける点PSの複素数振
幅、 φ(m,n,PS)は物体の場にある点PSから検出器m,nま
で伝搬する時の光の移相、 φ(m,n)は仮想参照点から検出器m,nまで伝搬する
時の光の移相、 kx,kyは式(2)に示す様に物体点と参照点の間の角
度に関係する空間周波数座標である。
式(15)は各々の検出器の有限の面積の影響をまとめ
ている。測定されたエネルギに、各々の検出器の面積w,
hを重みとしてかける。2つの方向の有限の寸法w及び
hにより、第4図に示す様な角度の2つのsinc関数によ
って表わされる角度方向アンテナ・パターンが得られ
る。残りの位相の項は、所定の検出器m,nの中心に於け
る正味の位相に過ぎない。
第4図は物体の場に対する角度方向回折パターンの影
響を示す。この図から、物体の場及び参照点の角度範囲
は、sinc関数が図示の様に関心のある場面を十分にその
主ローブ内に収める位に小さくしなければならないこと
は明らかである。この条件のもとでは、有限面積センサ
並びにそれに対応するアンテナ・パターンの影響は小さ
く、一般的に無視することが出来る。
こう云う有限面積サンプルを、各々の監視セルの中心
に於ける面積ゼロの点に於けるサンプルの近似として求
める。これらのサンプルをこう云うものとして解釈する
と、X方向でもY方向でも、スペクトルが標本化速度で
無限に繰返される。この効果が第6図に見取図で示され
ている。点サンプルのスペクトルが、検出器の有限面積
を考慮する前述のsinc関数の回折パターンによって修正
される。
実際には、感知区域を実質的に隣接する様にして、幅
w及びhが中心間の隔たりdX及びdYと夫々略等しくなる
様にすることが出来る。
dX=w (16a) dY=h (16b) こう云う状態では、k sinθ=2π/w及びk sinθ
=2π/hに於けるsincパターンの最初の零は、零次が夫
々2π/dX及び2π/dYで繰返される標本化周波数に対応
する。これが公称第4図及び第6図に示す場合である。
要約すると、各々の感知セルの面積は斑点の寸法に較
べて小さくなければならない。即ち、1/4未満でなけれ
ばならない。この状態では、感知面積がゼロでない有限
の寸法を持つ1次的な影響として、物体の場に若干の振
幅の加重をかけることになる。その結果各々の感知場所
で行なわれた測定は、空間点サンプルに対する近似と考
えられ、これは第6図に示した周期的な標本化による古
典的な繰返しスペクトルに通ずる。
カメラ内の各々の監視セルによって検出される合計光
エネルギが式(15)によって表わされる。前に述べた様
に、この式の有力な項はP0であり、関心があるずっと小
さい項がPPである。
カメラの出力の役に立つダイナミック・レンジが望ま
しくない大きいバイアス項によって使われるのを防ぐ
為、X方向の隣合うセルの間の差を求め、この差を出力
することによって、この項を除去する。
C(m,n)=P(m+1,n)−P(m,n) (17) こゝでC(m,n)はX方向のm及びY方向のnのカメ
ラの出力サンプルである。
式(15)の記号の合せて、下記の定義を用い、(15)
及び(17)と組合せる。
CS(m,n)=PS(m+1,n)−P2(m,n) (18a) Cn(m,n)=Pn(m+1,n)−Pn(m,n) (18b) CP(m,n)=PP(m+1,n)−PP(m,n) (18c) C(m,n)=CS(m,n)+Cn(m,n)+CP(m,n) (18d) 大きい直流バイアス項P0は、カメラの出力を表わす上
掲の式には現れない。従って、ダイナミック・レンジが
有意データによって利用される。
第3図、第4図及び第6図に示す空間周波数領域で
は、この差を求める過程により、原点に於ける直流の零
次インパルスが実効的に除かれる。関心のある情報は、
これらの図面の陰影を施した区域に限られる。これが式
(15)のPPに対応する。
任意の所望のPP(m,n)は種々のC(m,n)出力の適当
な線形の組合せから、mが一定の項(即ち、X方向)内
で求めることが出来ることは明らかである。従って、こ
の差を求める操作では、関心のある重要な情報が何等失
われることがない。
第8A図、第8B図及び第8C図はカメラ内で「差を求め
る」装置を示す。これは、標本化されたデータに対して
作用する有限インパルス応答(FIRフィルタ)の第1段
と見なすことが出来る。
CTDカメラは幾つかの形式をとることが出来るが、カ
メラが、Piを光検出器の出力とし、添字iがその行内で
の位置を表わすものとして、(N+1)個の光検出器の
行内にある相次ぐ光検出器の間の(N)個の信号の差
(即ちP1−P0,P2−P1,P3−P2,……PN−PN-1)を求める
手段になることが、効率のよい信号の予備増幅及びFIR
フィルタ作用の両方にとって不可欠である。
この用途に適切なカメラは、第8A図、第8B図及び第8C
図に示す様に行の読出しを行なう典型的には256×256個
の光検出器の場所からなる配列を持つ電荷注入装置(CI
D)である。
第8A図は配列の全体を示し、第8B図は垂直選択走査器
の下側の2つの出力ポートR2,R4に於ける内部ゲートの
詳細を示している。第8B図を(左右)移すと、垂直選択
走査器の下側の2つの出力ポートR2,R4の内部ゲートの
細部を表わすものになる。第8C図は水平走査器の左の端
にある最初の3つのポートの細部を示す。この構成は、
普通の行読出CIDを示すものであるが、詳しくは米国特
許第4,011,441号、同第4,084,257号及び同第4,241,421
号に記載されている。これらの米国特許には、行読出動
作と、この発明の実施例に適する形で差を求めるやり方
が記載されている。第9A図及び第9B図は読出しの間の配
列の3つの画素を示しており、第9B図は後の時点に於け
る読出しを示している。CIDの各々の「画素」は2つの
記憶井戸を持っており、1つが行線に関連し、他方が列
線に関連している。読出しは行線に沿って行なわれる。
行線がポートVEE及びVEOに接続され、それが奇数及び偶
数行増幅器(図面に示してない)に通じている。行及び
列の記憶井戸の間の電荷の転送は、第8A図に示した水平
走査器によって適当に走査される列に対し、井戸を崩壊
させる電位が印加される時に行なわれる。配列の走査の
間、前に読出された電荷を基板に注入した後、新しい電
荷が蓄積し、列井戸に記憶される。
差を作る読出しは実質的に3つの工程からなる過程と
して行なわれるが、これは第9A図及び第第9B図を見れば
一番判り易い。列井戸は行井戸の記憶容量の2倍の容量
を持つ様に設計されていて、列井戸が最初に一杯にな
り、行井戸が空にとゞまる様に保証する。これが読出し
前の状態「0」である。第9A図では、(i+1)番目及
び(i+2)番目の画素が状態「0」であるが、第9B図
では、(i+2)番目の画素だけが状態「0」である。
行の読出しは2つの工程からなる繰返される過程で行な
われる。状態1では、i番目の列母線に電位が印加さ
れ、それがi番目の列井戸を崩壊させ、光によって誘起
された電荷を第9A図に示す様に、i番目の画素の行井戸
に転送する。この瞬間に、i番目の画素が行の中の最初
の素子である場合、その列の光によって誘起された電荷
だけの為に、行増幅器に変位電流が感知されることがあ
る。この出力は、差を求めていないので、カメラの出力
から廃棄することが出来る。
第9B図はi番目の画素が2番目の状態に入る次の瞬間
を示す。この2番目の状態では、(i+1)番目の列井
戸が崩壊し、i番目の列井戸が再び設定される。これに
よってi番目の画素の光によって誘起された電荷が行井
戸から列井戸に戻り、(i+1)番目の画素の光によっ
て誘起された電荷が列井戸から行井戸へ移る。行増幅器
の入力に於ける正味の変位電荷は、2番目の画素の光に
よって誘起された電荷から1番目の画素の光によって誘
起された電荷を差引いたもの、即ち(Pi−Pi+1)であ
る。第9B図に示すより後の時点では、(i+2)番目の
列井戸が崩壊し、(i+1)番目列井戸が再び設定さ
れ、行増幅器の正味の変位電流は、(i+2)番目の画
素の光によって誘起された電荷から(i+1)番目の画
素の光によって誘起された電荷を差引いたものであり、
以下行線に沿ってこの過程が同じ様に繰返される。
カメラの出力は、原点の直流インパルスが除かれてい
る他は、第6図に示すのと同様なスペクトルが得られる
様に処理することが出来る。関心のある信号スペクトル
は、下記の様に、その空間中心周波数及び帯域幅によっ
て記述することが出来る。
k0X=k・sin[α] (19a) こゝでk0Xは信号帯の中心に於けるX方向の空間搬送
波周波数、 αは参照点から目標の場面の中心までのX方向の角
度、 Bxは場面のX方向に於ける空間周波数帯域幅、 βは関心のある目標の場面から見込むX方向の角度
である。
Y方向にも同様な状態が存在するが、今度はオフセッ
ト搬送波がない点が違う。
Byは場面のY方向に於ける空間周波数帯域幅、 βは関心のある目標の場面から見込んだY方向の角
度である。
第4図及び第6図に見られる様に、関心のある基本的
なスペクトルは、上側帯域の所望の成分と、望ましくな
いベースバンド・スペクトルと、下側帯域にある望まし
くない共役スペクトルで構成される。この基本的なスペ
クトルが、図示の様に空間標本化周波数の速度で無限に
繰返される。中心周波数、帯域幅及び標本化周波数の間
の関係から、このスペクトルの所望の部分及び望ましく
ない部分が分離する。
カメラの受取り開口に於ける参照ビーム及び信号物体
光の相対的な大きさに応じて、こう云う関係を選ぶのに
2つの別々の判断基準がある。
典型的な場合、参照ビームの光は、物体からの光に較
べて任意に大きくすることが出来る。この状態では、式
(15)の項PS(m,n)は他の2項に較べて無視し得る様
にすることが出来る。これはスペクトルのベースバンド
部分に於ける零次項が無視し得る場合に対応する。
この場合、所望のスペクトルと望ましくないその共役
とは、中心周波数を標本化速度の1/4の所に置くことに
より、最大限に離すことが出来る。
k0X=π/2dX (21) 式(21)で定めるこの拘束により、所望のスペクトル
と望ましくないその共役との中心が、標本化されるスペ
クトル全体にわたって一様にπ/2dXだけ離れる。これに
よって、所望のスペクトルを隔離しなければならないこ
の後のフィルタの条件が最小限になる。
零次項は所望のスペクトルのそれ自身との畳込み積分
から得られる。従って、信号の帯域幅の2倍に等しい両
側を持つ合計幅を有する。従って、所望の信号の帯域を
標本化周波数の1/4を越えない様に制限することによ
り、所望のスペクトルとこの望ましくない零次項との実
際の重なりを避けることが出来る。
Bx<π/2dX (22) この条件のもとでは、信号スペクトルと望ましくない
その共役との間には、少なくとも信号帯域に等しいガー
ド帯域が存在する。望ましくないベースバンド・スペク
トルとの重なりは存在しないが、それと信号との間のガ
ード帯域には余裕がない。
これとは別の、可能性としてはずっと小さくなるが、
別の動作状態は、カメラの検出器を飽和せずに、参照ビ
ームを支配的にすることが出来ない程、物体からの光レ
ベルが非常に強い場合がある。こう云う状態では、ベー
スバンド項は無視することが出来ず、その時、中心周波
数は、フィルタ作用を容易にする為に、所望のスペクト
ルを2つの望ましくないスペクトルの縁の中間に隔てる
様に選ぶべきである。この方式は詳しく説明しない。
Y方向にはフィルタ作用が要求されないから、この方
向で繰返される所望のスペクトルの間には、重要なガー
ド帯域が要求されない。唯一の重要な拘束は、重なりが
起らないことである。この為次の制限が生まれる。
By<2π/dY (23) 従って、空間的な標本化速度から、カメラの出力に存
在する望ましくない外来の項からの重なりを持たずに収
容することが出来る場面の最大角度範囲が要求される。
然し、適当な拡大光学系を使って、カメラの面上に存
在する空間的な標本化速度を、物理的な場面から見込ん
だ実際の角度を収容するのに必要な任意の所要の標本化
速度に倍率を変えることが出来る。
場合の角度範囲が垂直(Y)及び水平(X)方向で同
じであって、許容最大値にある時、水平方向に要求され
る標本化速度は、垂直方向の4倍高い。
Bx=By (24a) dY=4dX (24b) カメラの出力に対するこの後の処理は、最初にFIRフ
ィルタに通したり、或いは場面の整合フィルタ作用を使
わずに、直接的に実施することが出来る。然し、この様
に実施するのは、カメラからの全ての空間サンプルに対
して働かなければならない。場面はX方向には、利用し
得る帯域幅の1/4の空間的な帯域幅しか持たないから、
場面を記述するのに必要な標本化速度は、カメラの出力
に利用し得るものゝ1/4に過ぎない。
所望の場面が複素数であるから、要求されるサンプル
も複素数である。然し、カメラの出力は実数サンプルで
構成されており、この場合、標本化速度は、複素数の値
が関係なければ、もとの速度の1/4に下げることが出来
る。複素数の値を用いる時、カメラからの実際の正味の
データ速度は、1/2にしか下げることが出来ない。デー
タ速度がこの様に下がることが、FIRフィルタを用いる
主な理由であり、作像、相関等の様なこの後のデータ処
理のソフトウエアを低下したデータ速度で行なうことが
出来る様にする。
カメラからのデータ速度を下げる最初の工程は、上側
帯域の所望のスペクトルだけが通過し、下側帯域及び中
間帯域が抑圧される様に、その出力のフィルタ作用をす
ることである。従って、理想的なフィルタの伝達関数
は、この上側帯域にわたって1であって他の所では全て
0であるものである。(Y方向にはフィルタ作用を必要
としない) フィルタ作用の後、カメラからのデータ速度を下げる
最後の工程は、1/4にすることである。考えとしては、
これはフィルタの出力をもとの速度の1/4の速度で再び
標本化することである。実際には、FIRフィルタの4番
目毎の出力だけが評価されることを意味する。この様に
減少する効果は、スペクトルを低くした標本化速度で繰
返すことであり、その結果生ずるエイリアシングによ
り、(−π/4dXから+π/4dYまでの範囲の)ベースバン
ドを中心とする所望の信号スペクトルの複製が生ずる。
理想のフィルタを近似する為の現実のFIRフィルタを次
に説明する。
出来るだけ厳密に合成すべき理想的なフィルタの応答
は、第6図に示した関心のある基本スペクトルの、ある
倍率の1つの区域を選択すべきである。入力データは2
次元であるが、所望のフィルタは1次元である。これは
X方向でカメラの相次ぐ各々の走査線に独立に作用す
る。
この図の横軸は角度空間周波数であり、単位は単位長
当たりのラジアンである。
連続的な入力関数に対しては、線形フィルタは従来は
複素数s変数の助けを借りて合成されている。この複素
数s平面に於けるフィルタ伝達関数の極及び零の場所
が、フィルタの構成の細部とは無関係に、一意的にフィ
ルタの応答を決める。このs平面の実数軸及び虚数軸
は、前に述べた角度空間周波数に対して次の様に表わさ
れる。
s=σ+j・k・sin[θ] (25) 連続的な入力ではなく、離散的な標本化データを扱う
時、要求される応答はs平面の虚数周波数軸に沿って循
環的になり、無限に伸びる。この場合に対処する為、従
来の様、s平面から複素数z平面への変換を用いる。
z=esx (26a) 従って、(σ=0に対応する)s平面の虚数軸がz平
面の単位円に写像される(これはセンサ平面までの距離
である空間座標Zと混同してはならない)。s平面の原
点並びに標本化周波数の倍数に於ける全ての繰返しが、
z平面の点z=1に写像される。s平面の左側部分全体
(σ<0)がz平面の単位円の内側の区域に写像され、
s平面の右側部分全体(σ>0)がz平面の単位円の外
側の区域に写像される。
従って、第6図の横軸に示した種々の空間周波数区域
が、第5図のz平面の単位円の円弧セグメントに示され
ている。この方式を用いるフィルタ合成は、応答が信号
の所望の円弧の出来るだけ多くにわたって1に近く且つ
残りの円弧にわたって出来るだけ0に近くなる様に、極
及び零をこのz平面内に位置ぎめすることである。
標本化データ線形フィルタは本質的に多数の加重サン
プルを加算して1個の出力を形成することである。一般
的に重みは複素数であり、複素数の入力及び出力になる
ことが考えられる。希望によっては帰還を用いて、種々
の形式で構成することが出来る。
カメラの1本の水平走査線上の感知点の数は比較的小
さくすることが出来る。これによって、1個の出力を求
める為に使われるサンプルの数が多すぎる場合、走査線
の初め及び終りに於ける縁効果が目立つことがある。従
って、各々の出力に対して処理するサンプルの数を最小
限に抑えることが望ましい。
この用途には有限インパルス応答(FIR)フィルタが
理想的である。これは単に第7B図に示す様に、有限の数
の隣接するサンプルの加重した和で構成される。この図
に示す様に、P(m)からP(m−M)までの範囲の合
計(M+1)項のフィルタ入力サンプルがある。サンプ
ルは空間的に図示の様に標本化間隔dXだけ離れている。
図面に示した定義から判る様に、このフィルタは下記
の出力を持っている。
こゝでF(m)は位置指数mに対するフィルタ出力で
ある。
シフトしたパラメータのz変換は、次に示す様に、シ
フトしないパラメータに関係づけることが出来ることを
証明することが出来る。
PZ(z)が順序p(m)のz変換を表わすとする。こ
の時z-uPZ(z)がシフトした順序P(m−u)のz変
換になる。
これを使って式(27)のz変換を求めると、次の様に
なる。
フィルタ伝達関数は次に示す様に、入力に対する出力
の比と定義される。
式(28)及び(29)を組合せて係数を外に出すと、次
の様になる。
和はM次多項式になり、その係数が複素数の重みwu
ある。一般的に、この多項式はM個の根を持ち、こう云
う根を持つ形に因数分解することが出来、次の様にな
る。
こゝでZuはフィルタの多項式の根である。
Hパラメータ伝達関数で述べた所望の周波数応答は次
の通りである。
Ω=dX・k・sin[θ] (32b) 式(30)が第7Bに示し且つ式(27)で定義したFIRフ
ィルタの周波数応答である。これはフィルタの多項式の
零で表わされる。
原点に多数の極がある効果は、単に線形の移相であ
り、これはフィルタを一杯にするのに必要な一定のパイ
プライン遅延に対応する。遅延はフィルタの大きさの特
性又は周波数分散の形を変更するものではない。
前に述べた様に、もとのセンサの形式では、原点に大
きな直流インパルスがある。前の部分で述べた標本化デ
ータFIRフィルタで云うと、これはz=1の所の零によ
って除去することが出来る。このフィルタ及びその周波
数応答は、式(30)及び(32)から直接的に次に示す様
に求められる。
H0(z)=1−z-1 (33a) H0(Ω)=e−j・Ω・[ej・Ω−1] (33b) こゝでH0はz=1に於ける1個の零を持つフィルタの
周波数応答である。
式(33a)は、このフィルタを構成することは、単に
隣合ったサンプルの差を求めることであり、これはまさ
に前に説明したカメラで構成されている方式である。式
(33c)は、関心のある信号スペクトルの所望の領域に
著しい減衰を加えずに、この応答がスペクトルの望まし
くないベースバンド領域を著しく減衰させる傾向を持つ
ことを示している。
従って、センサ出力にフィルタ作用をする時の最初の
工程は、第10A図に示す様に、z=1にある1個の零で
ある。このフィルタがカメラ上に構成される。
カメラで起るフィルタの別の効果は、感知する場所が
有限の面積であることによるものである。式(15d)及
び(15e)から、X方向のこのフィルタは引数(wk sin
θ)/(2π)を持つsinc単数であることが判る。式
(32b)を使うと、この引数は(Ωw)/(dX2π)で表
わされる。このsinc関数は、wが可能なだけ大きくなる
につれて、最も劇的な効果を持つ。(即ち、w=0の
時、sinc関数は全てのΩに対して1であり、何の影響も
ない。)限界的な場合、wが実現し得る最大のセンサの
幅はdX、即ち中心間間隔である(第1C図参照)。即ち、
この限界的な場合、有限のセンサ面積によるsinc関数の
フィルタは引数Ω/(2π)を有する。
有限面積を持つことによるこのsinc関数応答をカメラ
が差をとることによる式(33c)で表わされる応答と組
合せると、カメラ全体のフィルタ作用として、下記の正
味の応答が得られる。
こゝでHC(Ω)は、有限面積のセンサの影響と、セン
サの隣合った出力の差を求めることによって直流バイア
スを除去したことを含めて、カメラに於けるフィルタ作
用の正味の応答である。
この応答の大きさが第10B図にグラフで示されてい
る。
全体的なフィルタの伝達関数は式(31)及び(32)で
表わされる。dbで表わした応答の大きさが、これから次
の様に得られる。
外部フィルタの主の役割は、第5図の複素数z平面に
示した様に、望ましくない共役スペクトルを減衰するこ
とである。最も簡単なこう云うフィルタは、z=−jの
スペクトルの中心に1個の零を持っている。こう云うフ
ィルタは関心のある物体にわたって非対称の応答を持
ち、物体の内、参照点に近い方の縁を、場合の反対側の
縁を減衰させるよりも一層強く減衰させる。
z=+1にある零に釣合わせる為、z=−1に別の零
を配置することにより、この影響を軽減することが出来
る。この結果、関心のある場の物体を含むより対称的な
通過帯になる。
次にフィルタの設計を説明するが、この説明では、関
心のある物体が、第5図及び第6図に示す様に曖昧でな
く標本化される、利用し得る角度空間の1/4に制限され
ていること、並びにこの装置の所期のどんな用途でも、
ベースバンドの光の影響が十分に無視し得るくらいに、
参照ビームの光が物体全体からの光に勝ることを仮定す
る。
こう云う条件のもとでは、−πから−3π/4まで、−
π/4から+π/4まで及び3π/4からπまでの範囲のΩの
空間周波数帯は何等エネルギを持っていない。従って、
こう云う帯域のフィルタの応答は問題外である。従っ
て、零の場所は、Ωが−π/4から−3π/4の範囲にわた
る関心のある停止帯域内に置かれた場合に一層よい結果
になる。
これを指針として、z=−jに多数の零を構成すると
云う簡単な設計が、非常に効果的である。第11図及び第
12図はこう云う設計を示しており、スペクトルのエイリ
アシングは1/2に減らしたことによって生ずる。
中心帯域又は縁の帯域に有意なエネルギがないと云う
仮定をそのまゝとすると、第13図に示す応答は、関心の
ある領域にわたっては、第12図の応答と同等である。こ
のフィルタを1/2にすると(もとの標本化周波数から合
計して1/4にすると)、第13図の応答では所望の帯域が
中心ベースバンド領域にエイリアシングによって入り、
所望の最終的な結果が得られる。これが第14図に示され
ている。
第14図の横軸の目盛は第13図より拡大してあり、角度
座標は図示の様に、目盛を変えてある。新しい縦軸は場
面の中心でゼロである。
もとの標本化周波数は、関心のある場面の角度範囲に
よって要求される周波数の4倍に選ぶ。参照点は、関心
のある目標場面に対する距離と同じ距離の所に公称的に
置くと共に、場面の中心からは、場面の角度範囲と等し
い角度の所に置く。参照ビームの強度は、受取り開口内
のどの点でも、場面全体からの正味の強度に較べて何桁
も勝る様にする。こう云う条件のもとでは、外部FIRフ
ィルタは、z=−1に1個の零を持ち、z=−jに多数
の零を持つ様に設計する。
カメラで差を求める効果並びにセンサの有限面積を含
めたこの装置の正味の応答が、第14図に示されている。
これは2つの成分で構成される。所望の成分は関心のあ
る帯域にわたって比較的平坦であり、帯域の両方の縁で
の減衰が10db未満であって、単調な陰影である。抑圧さ
れた共役スペクトルのエイリアシングによる望ましくな
い成分は、帯域の中心にゼロ応答を持ち、帯域の縁に向
って単調に増加する。
第14図は、装置の出力に於ける最大の大きさの誤差の
グラフと共に、装置の大きさの応答を示すグラフであ
る。第15図は装置の出力に於ける最大の位相誤差の大き
さを示すグラフである。これらのグラフは、前に述べた
動作状態に於ける装置の性能を要約するものである。
この発明の目的にとって好ましい性能を持つFIRフィ
ルタは、第11図に示す零パターンを有する。前に述べた
様に、z=1にある零は、カメラの内部の処理によるも
のであり、外部フィルタがz=−1の零及びz=−jの
多数の零を作る。
下記の重みにより、装置の正味の応答は第14図に示す
様になる。これらの重みは、第7B図に示したFIRフィル
タの外部部分に対応する。z平面に同じ極−零パターン
を作る多数の異なる重みの組合せがあるから、こう云う
重みは一意的ではない。これらの重みに任意の複素数定
数(A+jB)を乗ずると、問題ではない振幅の変化及び
移相を別として、同じフィルタ関数になる。
式(13)について述べた様に、FIRフィルタは、kr
R(p,pR)の値を持つ追加の移相を減算することによっ
て、その位相を補正するまで、物体の場の再生を不完全
にすることがある。
然しこの様な位相の補正は、まさに受取り開口の所に
負のレンズを配置し、焦点距離を参照点から開口までの
距離に等しくしたことによって得られるものである。コ
ンピュータ・ソフトウエアで作像を行なう時、この別の
レンズに相当するものが、作像を実施するのに必要であ
る。作像レンズ及び位相補正レンズに相当する1個のレ
ンズを使って、1個の形式として両方の作用を行なうこ
とが出来る。
別の見方をすれば、式(13)によって表わされる望ま
しくない位相成分は、受取り開口にある正のレンズによ
るものに相当すると見なすことが出来る。この仮想の正
のレンズの焦点距離は、参照点から受取り開口までの距
離に等しい。その為、場面がレンズの焦点平面にあり、
従って場面の虚像が無限遠に形成される。参照点も無限
遠にある様に見えるので、全ての波頭は公称的にコリメ
ートされ、一様な直線の縞が作られることになる。
この観点から、補正されていないホログラムはこの同
等の場面を適当な正のレンズを介して観察することに対
応することは明らかである。この仮想の正のレンズの効
果は、受取り開口の所に適当な負のレンズを設けること
に相当するソフトウエアによって除去することが出来
る。この代りに、負のレンズを省略し、もとの場面が正
のレンズを介して見たものであると仮定することによっ
て、作像レンズに相当するこの後のソフトウエアを設計
することが出来る。
要約すれば、カメラの後のFIRフィルタによるこの後
のフィルタ作用が、望ましくない成分を抑圧して、所望
の項を発生するのに必要である。この所望の項が、受取
り開口にある仮想の正のレンズを介して場面を観察する
ことによって生ずる複素数振幅分布である。この仮想の
レンズの焦点距離は、参照点の虚像が無限遠に現れる様
になっている。実際には、こう云うレンズは存在しな
い。その見かけの効果は、物体までの距離と受取り開口
から公称同じ距離の所に、参照点を配置した結果と同じ
である。この様に参照点の位置を選択することは、光セ
ンサによって行なわれる標本化効率を改善すると云う前
に概略的に述べた重要な利点を有する、この利点は、例
えば参照ビームを無限遠に配置すると云う様な別の選択
に十分勝るのが特徴である。
第1C図に示したセンサの好ましい形式は、個々の感知
領域がY次元では4単位であってX次元では1単位であ
るものであり、センサはX次元に沿って斑点縞の空間周
波数で、大体λ/4間隔の所にある。この縦横比は、X及
びY次元の両方に同じ空間的な分解能が得られ、1個の
斑点を標本化するのに使われる4つのセンサの共通の領
域が四角となって便利であると云う点で、効率がよい。
大きさ及び位相を決定する時の精度を高める為に、前に
述べた様に一層多くのセンサ(例えば5個又は7個)を
使うことが出来るが、その場合、個々の感知領域に対し
て同じ縦横比を保つことが一般的に便利である。
FIRフィルタは、装置の条件に大いに左右されるが、
非常にいろいろな形で実現することが出来る。負の虚数
軸上のz=−jにn次零(こゝで「n」は1乃至4)を
作る様に割当てた複素数の重みを使う方式は、この為例
と考えられたい。望ましくない項を除去する為に「零」
の更に均一なこの他の分布を用いることも出来る。
電子式ホログラフ装置のブロック図は第1A図に示す形
式にすることが出来る。この時最終的な出力が像であ
る。必要な装置は(普通はA/D変換器24)、FIRフィルタ
25及び減数ブロック26と、その後のフレネル/フーリエ
変換器27を含む。この変換器が表示装置28に直接的に印
加するのに適した像を再生する。F/F変換器27に要求さ
れる処理容量は大きく、素子の数が大きい配列では特に
そうである。多くの用途では、作像が要求されないこと
があり、プロセッサの出力はFIRフィルタ−減数ブロッ
ク(25−26)の出力から直接的に取出すことが出来る。
こゝでは外来の項が除去されており、所望の正の空間周
波数を持つ項だけが存在する。作像以外のある用途で
は、ディジタル形式に変換せずに、そして「FIR」フィ
ルタ作用を用いずに、カメラの出力を取出すことが出来
る。例えば干渉計測、整合フィルタ作用又は相関の用途
では、好ましくはセンサ平面で差をとることが、一様な
値を持つ大きなスペクトル項を少なくし又は除去する為
に依然として必要である。
【図面の簡単な説明】
第1A図は電荷転送装置(CTD)を用いて物体の場のホロ
グラムを記録する装置の斜視図、 第1B図はコヒーレントに照射された物体の場からの光及
び同じコヒーレント源からの、2番目の場所からの光が
CTDのセンサ平面を照射して干渉する時に形成される格
子形斑点パターンの見取図、 第1C図は格子形斑点パターンがその上に形成されるセン
サ平面を構成するセンサのパターンを示す図、 第2図はセンサ平面の開口にわたる強度分布を示すと共
に、解析の為に、物体の場からの1個の点及び1個の点
参照源がセンサ平面にある観測点を照射する基本的な配
置を示す図である。 第3図は第1A図に示した照射条件のもとで、物体の場に
ある全ての点によるセンサ平面内の強度分布の空間スペ
クトルを示す図であり、特にこの分布のX方向に於ける
空間周波数スペクトルを示す。 第4図はセンサが有限面積であることにより、X及びY
軸の両方に沿った空間周波数スペクトルのX及びY分布
に加えられる角度方向アンテナ加重パターンを示すグラ
フ、 第5図はX方向の標本化データ空間周波数スペクトルを
複素数「z平面」で表示した図であり、センサの場の所
望の複素数スペクトルを選択すると共に望ましくないス
ペクトルを排除する為のフィルタの条件を説明するのに
役立つ。 第6図は相次ぐセンサからの出力の標本化による反復的
な2次元角度スペクトルを示す図であって、フィルタの
条件を説明するのに役立つ。 第7A図はセンサ平面にある個々のセンサの出力で行なわ
れる「差をとる」ことに相当する回路を示す図であり、
これは有限インパルス応答(FIR)フィルタの一部分と
数学的に云うことが出来る。 第7B図は所望の複素数スペクトルを選択すると共に望ま
しくないスペクトルを排除するのに要求されるFIRフィ
ルタを等価回路で示した図であり、更にこの図はセンサ
平面に於て差を求めることゝ外部FIRフィルタの両方を
も示すし、あるいは外部FIRフィルタだけをも示す。 第8A図はカメラにCTDとして使うのに適したCIDセンサの
回路図であり、これは特にX次元の相次ぐセンサの間の
差をとる様に設計されている。 第8B図は垂直選択走査器及び垂直クランプ走査器の具体
的な回路を示す回路図、 第8C図は水平走査器の回路の詳細を示す回路図、 第9A図及び第9B図は第8A図、第8図、第8C図のCIDセン
サで差を取ることが行なわれる時の読出し過程の2つの
段階を示す略図、 第10A図及び第10B図は差をとることが持つフィルタ作用
を示す図であり、第10A図は単位円上のz平面の零の位
置並びに正の実数軸上での差をとる手順を示し、第10B
図は有限面積センサのフィルタ作用と組合せて、直流及
び低い空間周波数に於けるカメラの周波数応答をノッチ
形の差をとる作用によって発生することを示す。 第11図は1実施例で追加した外部FIRフィルタのz平面
の零の位置を示す図であり、負の虚数軸上で単位円に1
個乃至4個の相次ぐ零が追加されており、それと共に負
の実数軸上で単位円に1個の零が設けられている。 第12図は第11図に示したz平面の零の位置を持ち、1/2
に減数する追加の外部FIRフィルタを含む装置全体の所
望の信号スペクトル及び望ましくない信号スペクトルに
対する正味の周波数応答を示すグラフ、 第13図は中心ベースバンドに於けるエネルギを無視し得
ると仮定した同じ実施例の正味の周波数応答を示すグラ
フ、 第14図は第11図に示すz平面の零の位置を持ち、更に1/
2(合計で1/4)に減数する実施例の正味の周波数応答を
示すグラフ、 第15図はそのシステム応答が第14図に示される様な実施
例の、角度空間周波数に対する最大位相誤差を示すグラ
フである。 主な符号の説明 10:レーザ 11:ビーム分割器 13:物体 14:受取り開口 15:カメラ 16:センサ平面 21:物体の場の中心 22:開口の中心 23:仮想参照源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウィリアム・アーサー・ペン アメリカ合衆国、ニューヨーク州、バル ドウィンスビレ、ドイル・ロード、3630 番 (72)発明者 ジェロム・ジョンソン・ティーマン アメリカ合衆国、ニューヨーク州、スケ ネクタデイ、ユニオン・ストリート、 234番 (72)発明者 ウィリアム・アーネスト・エンジラー アメリカ合衆国、ニューヨーク州、ウエ スト・スコティア、セイント・ステファ ンズ・レーン、88番 (56)参考文献 特開 昭59−101960(JP,A) 特開 昭58−68084(JP,A) 特開 平2−32386(JP,A) 国際公開89/3067(WO,A1) 米国特許4376950(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03H 1/00 - 5/00

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3次元物体の場のホログラムを感知する装
    置であって、 互いにコヒーレントな光ビームである照射ビーム及び参
    照ビームを発生する手段と、 カメラとを有し、 前記照射ビームは物体の場を照射して、前記物体の場か
    ら反射された光を区画された平面状の感知領域に入射さ
    せて斑点パターンを形成し、 X,Y,Z座標系の原点が前記感知領域の中心にあり、Z軸
    が前記物体の場の中心を通り、X軸及びY軸が前記原点
    を通るとともに前記感知領域内にあり、 前記参照ビームが、前記物体の場の片側に変位した仮想
    的な参照源の位置から前記感知領域を照射し、 前記原点、前記物体の場の中心及び前記参照源の位置
    が、X軸を構成する直線上で前記感知領域と交差する平
    面を限定し、該X軸に対して垂直な線がY軸を構成し、 その構成により、前記感知領域に入射する斑点パターン
    に正弦状の縞を線形に重畳し、全ての斑点の縞がY軸に
    対して略平行であるとともに独立の位相及び振幅を有
    し、 前記参照源の位置及び前記物体の場の中心は、前記原点
    で測定して角度方向に隔たっていて、斑点当たり少なく
    とも1つの暗領域及び1つの明領域からなる、前記コヒ
    ーレントな光ビームの少なくとも1つの全波を生成し、 前記カメラは、 カメラにおける物体の場の別々の要素を分解することが
    できるように、前記感知領域の境界を形成する開口と、 前記感知領域内に行及び列に分けて配置されていて、前
    記行がX軸と平行であり、前記列がY軸に対して平行で
    あるように配置され、周期的な時間間隔でその出力が標
    本化され、入射光に対して自乗則装置として応答して、
    多数の源からの入射があった時、相互積項を発生する光
    検出器の配列と、 平均して縞状の斑点の1つの全波(暗領域と明領域)
    が、1つの行にある複数個の検出器と1つの列にある少
    なくとも1つの検出器とに入射するような、十分な倍率
    で前記斑点を前記検出器に作像する手段とを有し、 前記複数個の検出器の個数は、前記縞の振幅並びに空間
    的な位相を曖昧でなく決定するのに十分な数であり、 さらに前記カメラが、前記検出器の標本化出力を処理し
    て、ホログラムを感知するために、前記斑点の空間的な
    位相及び振幅を表わす電気信号を取得する手段を有し、
    前記照射される物体の場及び前記参照ビームが前記区画
    された平面状の領域内にわたって空間スペクトルを発生
    して、前記検出器の標本化出力中に空間的に重畳された
    4つの項を生じ、該項は、 前記参照ビームによる照射による一様な値を持つスペク
    トル項、 前記照射された物体の場による斑点パターンのスペクト
    ル項、 照射された物体の場からの光及び参照ビームによる相互
    積の共役項に対応する望ましくない負の空間周波数を持
    つスペクトル項、及び 照射された物体の場からの光及び参照ビームによる相互
    積の直接項に対応する所望の正の空間周波数を持つスペ
    クトル項を含んでおり、 前記仮想的な参照源は、前記原点で前記物体の場から見
    込む角度より大きな角度(θ)で前記Z軸から変位し
    ていて、前記4つの項が、前記開口にわたって空間的に
    重畳されているが、互いに分離された位置で空間周波数
    のスペクトル領域内に分布するようにされており、 更に、前記装置に、 前記検出器の標本化出力中の他の項から前記相互積の所
    望の正の空間周波数を持つスペクトル項を隔離する手段
    が設けられ、 前記相互積の所望の正の空間周波数を持つスペクトル項
    を隔離する手段が、各々の行にある相次ぐ検出器の標本
    化出力を減算によって組合せて、Pを光検出器からの信
    号、添字をn+1個の光検出器からなる1行内の位置を
    表わすものとして、n重の1組の出力差(P1−P0;P2−P
    1;P3−P2;……Pn−Pn-1)を求める手段を含む、 ホログラムを感知する装置。
  2. 【請求項2】前記仮想的な参照源及び物体の場の中心が
    前記Z軸に沿って略同じZ方向距離の点である略同じZ
    軸座標に配置されていて、全ての斑点の縞を実質的に同
    じ空間周波数にし、 前記検出器は前記行に沿って同じ間隔で隔たっていて、
    位相及び振幅を効率よく測定できるようにした請求項1
    記載の装置。
  3. 【請求項3】前記減算による組合せが、前記検出器の標
    本化出力から、一様な値を持つスペクトル項、並びに前
    記斑点パターンのスペクトル項の実質的な部分を除去す
    るための空間選択性の第1の有限インパルス応答(FI
    R)フィルタを構成する請求項1記載の装置。
  4. 【請求項4】前記検出器の標本化出力の減算による組合
    せが、前記感知領域の平面上で前記光検出器にモノリシ
    ックに集積された相互接続部によって行なわれる請求項
    3記載の装置。
  5. 【請求項5】前記相互積の所望の正の空間周波数を持つ
    スペクトル項を隔離する手段が、感知領域にわたって、
    前記物体の場から反射された照明の強度に対して参照ビ
    ームの強度を高く設定して、相互積の所望の正の周波数
    を持つスペクトル項に較べて、前記斑点パターンのスペ
    クトル項を無視し得る位に小さくする手段を含む、請求
    項4記載の装置。
  6. 【請求項6】さらに、前記検出器の標本化出力中の一連
    の出力差が与えられて、前記相互積の望ましくない負の
    周波数を持つスペクトル項を除去する第2の有限入力応
    答(FIR)フィルタを有する請求項5記載の装置。
  7. 【請求項7】各々の光検出器が前記縞の空間周波数のπ
    /2ラジアンずつ行(すなわちX座標)に沿って隔たって
    おり、同じ行内の夫々4つの隣接する光検出器からなる
    組が、前記配列内の略四角の区域を占める請求項6記載
    の装置。
  8. 【請求項8】前記第2のFIRフィルタが、 Mを3乃至6の値を持つ数とし、前記検出器の標本化出
    力中のM個ずつの出力差の相次ぐ組をそれに対して逐次
    的に供給するような、M重の複数個の直列接続した節を
    持つ回路と、 夫々節に接続されていて、該節に存在する出力差に一定
    の複素数乗算の重みを乗算し、該重みは、前記相互積の
    所望の正の空間周波数を持つスペクトル項を選択すると
    ともに前記相互積の望ましくない負の空間周波数を持つ
    スペクトル項を排除するように選ばれているM個の複素
    数乗算器と、 該乗算器の出力に接続されていて、M個の出力差からな
    る各々の組に対して1個の出力サンプルを形成する加算
    器と、を有する請求項6記載の装置。
  9. 【請求項9】前記第2のFIRフィルタに印加される検出
    器の標本化出力をディジタル形式に変換するディジタル
    ・アナログ変換手段が設けられている請求項8記載の装
    置。
  10. 【請求項10】前記第2のFIRフィルタが3つの節を持
    ち、該節に対し、隣接する4つの検出器からなる組から
    相次いで選ばれた組及び3つの複素数乗算器から、前記
    出力サンプル差が供給される請求項9記載の装置。
  11. 【請求項11】前記第2のFIRフィルタの複素数Z平面
    表示で、複素数の重みは、n=1乃至4として、負の虚
    数軸上のZ=−jの所にn次の零を作り、Z=−1に零
    を作るように割当て、正の実数軸上のZ=+1の零が前
    記減算による組合せによって達成される請求項10記載の
    装置。
  12. 【請求項12】前記第2のFIRフィルタの出力を1/4に間
    引きして、データ速度を下げる請求項11記載の装置。
  13. 【請求項13】前記第2のFIRフィルタの複素数Z平面
    表示で、負の虚数軸における1次零に対する複素数の重
    みが、 W1=0.177−0.177j W2=0.354 W3=0.177+0.177j に比例する請求項12記載の装置。
  14. 【請求項14】前記第2のFIRフィルタが4つの節を持
    ち、隣接する5つの検出器及び4つの複素数乗算器から
    前記第2のFIRフィルタに対して差が供給される請求項
    9記載の装置。
  15. 【請求項15】前記第2のFIRフィルタの複素数Z平面
    表示において、正の実数軸上のz=+1に零を発生し、
    負の実数軸上のZ=−1に零を発生し、負の虚数軸上の
    Z=−jに2次零を発生するように複素数の重みが割当
    てられる請求項14記載の装置。
  16. 【請求項16】前記第2のFIRフィルタの複素数Z平面
    表示で、負の虚数軸上の2次零に対する複素数の重みが W1=−0.125j W2=0.25−0.125j W3=0.25+0.125j W4=0.125j に比例する請求項15記載の装置。
  17. 【請求項17】前記第2のFIRフィルタが5つの節を持
    ち、隣接する6つの検出器及び5つの複素数乗算器から
    前記第2のFIRフィルタに対して差が供給される請求項
    9記載の装置。
  18. 【請求項18】前記第2のFIRフィルタの複素数Z平面
    表示で、正の実数軸上のZ=+1に零、負の実数軸上の
    Z=−1に零、負の虚数軸上のZ=−jに3次零を発生
    するように複素数の重みが割当てられている請求項17記
    載の装置。
  19. 【請求項19】前記第2のFIRフィルタの複素数Z平面
    表示で、負の虚数軸上の3次零に対する複素数の重みが W1=−0.044−0.044j W2=0.088−0.177j W3=0.265 W4=0.088+0.177j W5=−0.044+0.044j に比例する請求項18記載の装置。
  20. 【請求項20】前記第2のFIRフィルタが6つの節を持
    ち、隣接する7つの検出器及び6つの複素数乗算器から
    前記第2のFIRフィルタに対して差が供給される請求項
    9記載の装置。
  21. 【請求項21】前記第2のFIRフィルタの複素数Z平面
    表示で、正の実数軸上のZ=+1に零、負の実数軸上の
    Z=−1に零、負の虚数軸上のZ=−jに4次零を発生
    するように複素数の重みが割当てられている請求項20記
    載の装置。
  22. 【請求項22】前記第2のFIRフィルタの複素数Z平面
    表示で、負の虚数軸上の4次零に対する複素数の重みが W1=−0.031 W2=−0.031−0.125j W3=0.188−0.125j W4=0.188+0.125j W5=−0.031+0.125j W6=−0.031 に比例する請求項21記載の装置。
  23. 【請求項23】互いにコヒーレントな光ビームである照
    射ビーム及び参照ビームを発生する手段と、 カメラとを有し、 前記照射ビームは物体の場を照射して、前記物体の場か
    ら反射された光を区画された平面状の感知領域に入射さ
    せて斑点パターンを形成し、 前記参照ビームが、前記物体の場の片側に変位した仮想
    的な参照源の位置から前記感知領域を照射し、 その構成により、前記感知領域に入射する斑点パターン
    に正弦状の縞を線形に重畳し、全ての斑点にある縞が相
    互に略平行であって独立の位相及び振幅を有し、 前記参照源の位置及び前記物体の場の中心は、前記感知
    領域の中心で測定して角度方向に隔たっていて、斑点当
    たり少なくとも1つの暗領域及び1つの明領域からな
    る、前記コヒーレントな光ビームの少なくとも1つの全
    波を生成し、 前記カメラは、 該カメラにおける物体の場の別々の要素を分解すること
    ができるように、前記感知領域の境界を形成する開口
    と、 前記感知領域内に行及び列に分けて配置されていて、前
    記行が前記縞に対して垂直であり、前記列が前記縞に対
    して平行であり、周期的な時間間隔でその出力が標本化
    され、入射光に対して自乗則装置として応答して、多数
    の源からの入射があった時、相互積項を発生する光検出
    器の配列と、 平均して縞状の斑点の1つの全波(暗領域と明領域)
    が、1つの行にある複数個の検出器に入射するような十
    分な倍率で、前記斑点を前記検出器に作像する手段とを
    有し、該複数個の検出器の個数は、縞の振幅及び空間位
    相を曖昧でなく決定するのに十分な数であり、 さらに前記カメラが、前記検出器の標本化出力を処理し
    て、前記物体の場のホログラムを表わす斑点の空間位相
    及び振幅を表わす電気信号を取得する手段を有し、 前記照射される物体の場及び前記参照ビームが前記感知
    領域にわたって空間スペクトルを発生して、検出器の標
    本化出力に空間的に重畳された4つの項を生じ、該項
    は、 前記参照ビームによる照射による一様な値を持つスペク
    トル項、 照射された物体の場による斑点パターンのスペクトル
    項、 照射された物体の場からの光及び参照ビームによる相互
    積の共役項に対応する望ましくない負の空間周波数を持
    つスペクトル項、及び 照射された物体の場からの光及び参照ビームによる相互
    積の直接項に対応する所望の正の空間周波数を持つスペ
    クトル項を含み、 前記参照ビーム源の仮想的な位置は、前記感知領域の中
    心で前記物体の場から見込む角度より大きな角度
    (θ)だけ、前記物体の場の中心から変位していて、
    前記4つの項が、前記開口にわたって空間的に重畳され
    ているが、互いに離れた位置で前記空間周波数のスペク
    トル領域内に分布するようにされており、 前記仮想的な参照源が仮想的な点光源であり、前記物体
    の場の中心及び前記仮想的な参照源は前記区画された平
    面状の領域の面から略同じ距離の所に配置されて、全て
    の斑点の縞を実質的に同じ空間周波数にし、 前記検出器は前記行に沿って等間隔で隔たっていて、位
    相及び振幅の測定が効率よく行なわれるようにし、 更に、前記装置に、 前記検出器の標本化出力中の他の項から、前記相互積の
    所望の正の空間周波数を持つスペクトル項を隔離する手
    段が設けられ、 前記相互積の所望の正の空間周波数を持つスペクトル項
    を隔離する手段が、各々の行にある相次ぐ検出器の標本
    化出力を減算によって組合せて、Pを光検出器からの信
    号、添字をn+1個の光検出器からなる1行の内でのそ
    の位置として、n重の1組の出力差(P1−P0;P2−P1;P3
    −P2;……Pn−Pn-1)を求める手段を含む、 電子式ホログラフ装置。
  24. 【請求項24】該減算による組合せは、カメラの出力か
    ら、一様な値を持つスペクトル項及び斑点パターンのス
    ペクトル項の実質的な部分を除去するための空間選択性
    有限インパルス応答(FIR)フィルタとして作用する、
    請求項23記載の電子式ホログラフ装置。
  25. 【請求項25】前記相互積の所望の正の空間周波数を持
    つスペクトル項を隔離する手段が、感知領域にわたっ
    て、前記物体の場から反射された照明の強度に較べて、
    参照ビームの強度を強く設定して、相互積の所望の正の
    周波数を持つスペクトル項に較べて、斑点パターンのス
    ペクトル項を無視し得る位に小さくする手段を含む、請
    求項23記載の電子式ホログラフ装置。
  26. 【請求項26】さらに、前記検出器の標本化出力中の一
    連の出力差が与えられて、前記相互積の望ましくない負
    の周波数を持つスペクトル項を除去する有限入力応答
    (FIR)フィルタを有する請求項25記載の電子式ホログ
    ラフ装置。
JP09326490A 1989-04-17 1990-04-10 ホログラムを感知する装置 Expired - Fee Related JP3359918B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/338,881 US4974920A (en) 1989-04-17 1989-04-17 Electronic holographic apparatus
US338,881 1989-04-17

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02294680A JPH02294680A (ja) 1990-12-05
JP3359918B2 true JP3359918B2 (ja) 2002-12-24

Family

ID=23326543

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09326490A Expired - Fee Related JP3359918B2 (ja) 1989-04-17 1990-04-10 ホログラムを感知する装置

Country Status (6)

Country Link
US (1) US4974920A (ja)
JP (1) JP3359918B2 (ja)
CA (1) CA2012242A1 (ja)
DE (1) DE4011465A1 (ja)
FR (1) FR2645976B1 (ja)
GB (1) GB2232845B (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5381249A (en) * 1985-10-17 1995-01-10 Burney; Michael Holographic display transmitting device
US5047845A (en) * 1990-10-09 1991-09-10 General Electric Company Charge-transfer-device planar array for detecting coherent-light phase
DE4224352A1 (de) * 1992-07-23 1994-01-27 Forschungsgesellschaft Fuer Dr Verfahren zur Ansteuerung eines Aufzeichnungsgerätes mit Bilddaten eines Halbtonbildes
US5337180A (en) * 1992-07-29 1994-08-09 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Air Force Optical signal dependent noise reduction by variable spatial thresholding of the fourier transform
EP0928433A1 (fr) * 1996-09-27 1999-07-14 Vincent Lauer Microscope generant une representation tridimensionnelle d'un objet
US6918538B2 (en) * 2002-12-18 2005-07-19 Symbol Technologies, Inc. Image scanning device having a system for determining distance to a target
BR112014013350A2 (pt) * 2011-12-02 2017-06-13 Csir sistema e método de processamento de holograma
KR102577707B1 (ko) * 2018-04-30 2023-09-14 한국전자통신연구원 진폭 변조 홀로그램을 위한 홀로그램 인코딩 및 홀로그램 화질 평가 장치 및 그 방법
CN110163198B (zh) * 2018-09-27 2022-03-08 腾讯科技(深圳)有限公司 一种表格识别重建方法、装置和存储介质
CN112504165A (zh) * 2020-12-30 2021-03-16 南京理工大学智能计算成像研究院有限公司 一种基于双边滤波优化的复合立体相位展开方法

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3529083A (en) * 1967-02-14 1970-09-15 Holotron Corp System for producing holographic information
US3548093A (en) * 1967-12-19 1970-12-15 Winston E Kock Hologram television system and method
US3649754A (en) * 1970-04-20 1972-03-14 Stanford Research Inst Real time interferometry utilizing a television system
US3735036A (en) * 1970-10-26 1973-05-22 Express I M Co Real time interferometry contour mapping system
US3828126A (en) * 1973-04-13 1974-08-06 American Express Invest Real time interferometry
DE2441377A1 (de) * 1973-09-04 1975-03-13 Hauser Raimund Einrichtung zur durchfuehrung eines holographisch-interferometrischen oder moiremetrischen verfahrens
US4011442A (en) * 1975-12-22 1977-03-08 General Electric Company Apparatus for sensing optical signals
US4097749A (en) * 1977-01-06 1978-06-27 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Fourier power spectra of optical images using CCD's
US4084257A (en) * 1977-05-19 1978-04-11 General Electric Company Signal processing apparatus
US4359758A (en) * 1979-04-05 1982-11-16 George Teacherson Holographic television
US4241421A (en) * 1979-07-26 1980-12-23 General Electric Company Solid state imaging apparatus
US4376950A (en) * 1980-09-29 1983-03-15 Ampex Corporation Three-dimensional television system using holographic techniques
US4484219A (en) * 1982-06-16 1984-11-20 The Holotronics Corporation Electronically generated holography
DE3541891A1 (de) * 1985-11-27 1987-06-04 Kambiz Kachanian Verfahren zur erfassung, speicherung und wiedergabe von geometrischen daten von objekten, insbesondere von kiefermodellen und eine vorrichtung zur durchfuehrung des verfahrens
FR2593288B1 (fr) * 1986-01-20 1989-09-01 Aerospatiale Dispositif de controle non-destructif d'une piece par holographie optique

Also Published As

Publication number Publication date
GB2232845B (en) 1993-09-22
GB2232845A (en) 1990-12-19
DE4011465A1 (de) 1990-10-18
FR2645976B1 (fr) 1994-05-20
JPH02294680A (ja) 1990-12-05
GB9008446D0 (en) 1990-06-13
CA2012242A1 (en) 1990-10-17
US4974920A (en) 1990-12-04
FR2645976A1 (fr) 1990-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8405890B2 (en) System, apparatus and method for extracting image cross-sections of an object from received electromagnetic radiation
JP3471556B2 (ja) 位相シフトディジタルホログラフィ装置
JP5611588B2 (ja) 受信電磁放射線から物体の3次元情報を抽出するシステム、装置および方法
JP5352763B2 (ja) 複素振幅インラインホログラムの生成方法および該方法を用いる画像記録装置
US20120116703A1 (en) Method and apparatus for enhanced spatial bandwidth wavefronts reconstructed from digital interferograms or holograms
JP2002508854A (ja) ダイレクト−デジタルホログラフィー、ホログラフィー干渉法、及びホロビジョン
US20120044320A1 (en) High resolution 3-D holographic camera
US20070279731A1 (en) Light wave front construction
CN107885070B (zh) 一种基于slm的非相干数字全息单次曝光成像方法与系统
JP3359918B2 (ja) ホログラムを感知する装置
KR20180036921A (ko) 개선된 홀로그래픽 복원 장치 및 방법
WO2004025568A2 (en) System and method for detecting differences between complex images
CN107255525B (zh) 测量部分相干光空间关联结构的方法及系统
JP4069204B2 (ja) デジタルホログラフィを利用した変位分布計測方法
US20200319592A1 (en) Differential holography
JP4025878B2 (ja) 物体の再生像を得る装置、位相シフトデジタルホログラフィ変位分布計測装置及びパラメータを同定する方法
KR100717414B1 (ko) 사입사 조명 다이렉트 투 디지탈 홀로그래피
CN110262206B (zh) 一种菲涅尔非相干数字全息单次曝光成像方法和系统
KR101233350B1 (ko) 홀로그램 트랜스코딩 장치 및 방법
JP2007071589A (ja) デジタルホログラフィを利用した変位分布計測方法及び物体像再生方法
KR20230039251A (ko) 디지털 홀로그램 현미경 화질 개선 방법
Kukoowicz et al. Wide-Angle Digital Holography with large multi-object and aliasing-free
Schilling Holographic Laser Radar
CN116560202A (zh) 一种获得仅水平视差全息图的扫描全息装置
Oh et al. Digital hologram data representation method

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees