JP3359511B2 - 自動変速機のシフトロック機構 - Google Patents

自動変速機のシフトロック機構

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JP3359511B2
JP3359511B2 JP28147396A JP28147396A JP3359511B2 JP 3359511 B2 JP3359511 B2 JP 3359511B2 JP 28147396 A JP28147396 A JP 28147396A JP 28147396 A JP28147396 A JP 28147396A JP 3359511 B2 JP3359511 B2 JP 3359511B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動変速機のシフト
ロック機構、特にシフトロックケーブルのブレーキペダ
ル側の取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機には、パーキング位置
でシフトレバーを拘束し、パーキング位置でブレーキペ
ダルを制動操作することによってシフトレバーの拘束を
解除するシフトロック機構が設けられている。シフトロ
ック機構には、ブレーキペダルが制動操作されたことを
電気的に検出し、アクチュエータを電気的に作動させて
シフトレバーの拘束を解除する電気式と、ブレーキペダ
ルの制動操作をケーブルを介して機械的に伝達し、シフ
トレバーの拘束を解除する機械式(ケーブル式)とがあ
る。
【0003】機械式のシフトロック機構として、ブレー
キペダルを軸支するペダルブラケットに取付片を延設
し、シフトロックケーブルのアウタケーブルの端部に設
けたハウジングを取付片に調整可能に取り付けたものが
提案されている(特開平1−122731号公報)。こ
のシフトロック機構は、取付片に設けた穴にハウジング
のネジ部を挿通し、このネジ部を取付片の一面に溶着さ
れたナットに螺合してハウジングの突出量を調整すると
ともに、取付片の他面側からロックナットをネジ部に螺
合させることにより、取付片を両面から挟み込む形でハ
ウジングを固定している。シフトロックケーブルのイン
ナケーブルの端部にはシフトロックピンが連結され、こ
のシフトロックピンはハウジングから突出付勢されてい
る。一方、ブレーキペダルには、ブレーキペダルの非制
動操作時にシフトロックピンを押圧するストッパブラケ
ットが固定されており、ブレーキペダルを制動操作する
ことにより、シフトロックピンを突出させ、シフトロッ
クを解除できるようになっている。なお、上記のように
ハウジングの突出量を調整するのは、ペダル側ストッパ
とハウジング(シフトロックケーブル)との位置関係が
部品バラツキによって変動するので、この変動を吸収す
るためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような取付構造
の場合、ハウジングを取付片に取り付けるに際し、まず
ハウジングの六角部をレンチで把持し、ネジ部を取付片
に溶着されたナットに螺合して突出量を調整する。次
に、六角部をレンチで保持しながら、別のレンチでロッ
クナットを締め付けることにより、ハウジングの取付を
行っている。このような煩雑な作業をブレーキペダルの
ヒンジ部近傍の狭い空間で行うのは、非常に作業性が悪
いという欠点があった。
【0005】そこで、本発明の目的は、簡単な作業でシ
フトロックケーブルをブレーキペダル装置側へ取り付け
ることができる自動変速機のシフトロック機構を提供す
ることにある。他の目的は、取付精度に優れ、部品点数
の少ない自動変速機のシフトロック機構を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、シフトレバー装置とブレーキペダル装置
とを接続するシフトロックケーブルを有し、パーキング
位置でシフトレバーを拘束し、パーキング位置でブレー
キペダルを制動操作することによってシフトレバーの拘
束を解除する自動変速機のシフトロック機構において、
車体側に固定され、ブレーキペダルを揺動可能に軸支す
るペダルブラケットと、ペダルブラケットに設けられ、
前後方向に延びるガイド片と締結用ナットとを備えたシ
フトロックプレートと、シフトロックケーブルのアウタ
ケーブルのブレーキペダル装置側端部に固定され、上記
ガイド片によって前後方向にスライド自在にガイドされ
るスライド面と、前後方向の長孔とを有する取付部材
と、上記長孔を介して上記締結用ナットに螺合され、上
記取付部材をシフトロックプレートに対して締結する単
一のボルトと、シフトロックケーブルのインナケーブル
の先端に設けられ、取付部材から突出付勢されたシフト
ロックピンと、上記ブレーキペダルに設けられ、ブレー
キペダルの非制動操作時にシフトロックピンを押圧する
ストッパブラケットと、を備えたものである。
【0007】シフトロックケーブルの端部に設けられた
取付部材を、ペダルブラケットのシフトロックプレート
に取り付けるには、まずスライド面をガイド片に対して
前後方向にスライド自在に係合させ、ボルトを長孔を介
してシフトロックプレートのナットに緩く螺合させた状
態で、取付部材の前後方向の位置を調整する。位置調整
の後、ボルトを締め付けることにより、取付部材はシフ
トロックプレートに対して安定に取り付けられる。
【0008】なお、シフトロックプレートの後方にステ
アリング装置が配置されている場合、シフトロックプレ
ートをペダルブラケットの前面側にスポット溶接するの
が望ましい。すなわち、前面衝突が発生すると、ステア
リング装置が前方移動し、ステアリング装置とシフトロ
ックプレートとが干渉する場合があるが、この場合には
シフトロックプレートとペダルブラケットのスポット点
が剥離し、ステアリング装置の突き上げを防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1〜図4は本発明にかかるシフ
トロック機構Aを備えた自動車の一例を示す。ダッシュ
パネル1の室内側側面にはペダルブラケット2が固定さ
れている。すなわち、ペダルブラケット2は、ダッシュ
パネル1への取付台座部2aと、この台座部2aに溶接
固定され、斜め後方へ延びる略コ字形断面の柱部2b
と、柱部2bの後端部を閉じるように溶接された上板部
2cとを備えている。柱部2bには、ヒンジ軸4を介し
てブレーキペダル3が前後に揺動可能に軸支されてい
る。上記ペダルブラケット2、ブレーキペダル3、ヒン
ジ軸4などにより、ブレーキペダル装置5が構成されて
いる。
【0010】上板部2cの前面側には、シフトロックプ
レート6の一端部6aがスポット溶接7で固定されてい
る。シフトロックプレート6の他端部6bはペダルブラ
ケット2の側方へ突出しており、他端部6bの上面に
は、図3に示すように、ナット8が溶着されている。他
端部6bの先端部には、前後方向に延びるガイド片9が
一体に形成されている。上記ガイド片9の一方の側縁9
aは長く、他方の側縁9bは短い。
【0011】ブレーキペダル装置5と後述するシフトレ
バー装置30との間には、ブレーキペダル3の動きをシ
フトレバー装置30へ伝達するためのシフトロックケー
ブル10が配索されている。シフトロックケーブル10
は、アウタケーブル11とインナケーブル12とからな
り、アウタケーブル11のブレーキペダル装置側の端部
には金属製の取付部材13が固定されている。取付部材
13の側部には平板状の取付片13aが一体に形成され
ており、取付片13aには、ガイド片9の長い側縁9a
と前後スライド自在に係合するスライド壁13bと、ガ
イド片9の短い側縁9bと前後スライド自在に係合する
スライド突起13cとが対面して形成されている。これ
らスライド壁13bとスライド突起13cとによってス
ライド面を構成している。また、スライド突起13cよ
り後部側の取付片13aには、前後方向に延びる長孔1
3dが形成されている。さらに、取付片13aの前端に
は基準突起13eが一体に形成されている。取付部材1
3にはシフトロックピン14が進退自在に挿通されてお
り、このシフトロックピン14はインナケーブル12と
連結され、かつ図示しない付勢手段によって取付部材1
3より前方へ突出付勢されている。上記シフトロックピ
ン14と対向するブレーキペダル3の側面には、ブレー
キペダル3の非制動操作時にシフトロックピン14を押
圧するストッパブラケット15が固定されている。上記
取付部材13の下方から、1本のボルト16が長孔13
dを介してシフトロックプレート6のナット8に締結さ
れ、取付部材13はシフトロックプレート6に固定され
ている。
【0012】上記取付部材13のシフトロックプレート
6への取付方法は次の通りである。まず、取付片13a
の上面をガイド片9の下面に当接させ、スライド壁13
bとスライド突起13cをガイド片9の両側縁9a,9
bに係合させるとともに、ボルト16を下方から長孔1
3dを介してシフトロックプレート6のナット8に緩く
螺合させる。この状態で、取付部材13をシフトロック
プレート6に対して前後にスライドさせ、ブレーキペダ
ル3を非操作位置まで後退させた状態で、ストッパブラ
ケット15に取付部材13の基準突起13eを当てて位
置を調整する。調整後、ボルト16を強く締め付けれ
ば、取付を完了する。このように締結箇所が1か所であ
り、しかも下方から締め付けるようになっているので、
取付作業が非常に簡単となり、ブレーキペダル3のヒン
ジ部近傍の狭い空間でも容易に作業を行うことができ
る。
【0013】上記実施例では、取付部材13のスライド
壁13bがガイド片9の長い側縁9aと係合することに
よって、取付部材13のスライド方向の動きを安定化さ
せるとともに、スライド突起13cがガイド片9の短い
側縁9bと係合することにより、回り止め機能を持たせ
てある。そして、長孔13dに挿通されたボルト16を
ナット8に螺着し、スライド方向への傾きやガタの発生
を防止しているので、取付部材13をシフトロックプレ
ート6に対して安定かつ精度よく取り付けることができ
る。
【0014】上記ブレーキペダル3の側部近傍にはステ
アリング装置20が配置されている。このステアリング
装置20は、車体にブラケット21を介して固定された
ステアリングコラム22、ステアリングコラム22の中
を貫通し、前端部が図示しない操舵機構と連結されたス
テアリングシャフト23、ステアリングシャフト23の
後端部に取り付けられたステアリングホイール24等を
備えている。そして、ステアリングコラム22の後端部
(上端部)近傍にコラムシフト型のシフトレバー装置3
0が設けられている。
【0015】シフトレバー装置30は、P,R,N,
D,Lなどの各シフト位置へ操作可能なシフトレバー3
1、シフトレバー31の動きを自動変速機(図示せず)
へ伝達するシフトケーブル32等を備えている。ブレー
キペダル3の非操作時には、ストッパブラケット15が
基準突起13eに当たってシフトロックピン14を押し
込んだ位置にあるため、シフトロックケーブル10を介
してシフトレバー装置30内部のロック機構(図示せ
ず)が操作され、シフトレバー31はパーキング(P)
位置で拘束される。また、パーキング位置でブレーキペ
ダル3を踏み込むと、ストッパブラケット15がシフト
ロックピン14から離れるので、シフトロックピン14
が前方へ突出する。そのため、シフトロックケーブル1
0を介してシフトレバー装置30内部のロック機構が解
除操作され、シフトレバー31の拘束が解除される。し
たがって、シフトレバー31をRやDレンジへ切り換え
ることが可能となる。なお、ロック機構の構造は、例え
ば特開平1−122731号公報などにより公知である
ため、詳しい説明は省略する。また、ブレーキペダル3
の非操作時におけるストッパ位置は、上記ストッパブラ
ケット15および取付部材13の突起13eとは別に設
けられたストッパ手段によって規定されている。
【0016】上記構造のシフトロック機構を有する自動
車において、シフトロックプレート6はペダルブラケッ
ト2の側方へ突出しており、ステアリング装置20の前
方に位置している。そのため、もし前面衝突を起こす
と、乗員がステアリングホイール24に二次衝突し、ス
テアリングコラム22が前方へ押され、ステアリングコ
ラム22に付属した部品などがシフトロックプレート6
と干渉する可能性がある。ところが、シフトロックプレ
ート6に前方への荷重が作用すると、シフトロックプレ
ート6はペダルブラケット2の前面側にスポット溶接7
されているので、スポット溶接7部分が剥離し、ステア
リングコラム22の突き上げを防止することができる。
【0017】上記実施例では、取付部材13にスライド
壁13bとスライド突起13cとを設けたが、これに限
るものではなく、ガイド片9によって前後方向にスライ
ド自在にガイドされるものであれば形状は問わない。し
たがって、ガイド片も平板形状に限らず、例えば一側縁
を上方または下方へ直角に折曲し、その折曲端をガイド
するガイド溝を取付部材に設けることにより、前後方向
にガイドしてもよい。
【0018】また、本発明における長孔とは、両端が閉
じられたもののみを意味するものではなく、一端側が開
口した切欠状長孔でもよい。この場合には、予めナット
にボルトを螺合した状態で、取付部材13をシフトロッ
クプレート6に取り付けることができる。
【0019】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、ペダルブラケットに設けられシフトロックプレ
ートにガイド片とナットとを設け、シフトロックケーブ
ルのアウタケーブルに、ガイド片によって前後方向にガ
イドされるスライド面と前後方向の長孔とを有する取付
部材を固定し、ボルトを長孔を介してナットに締結する
ことにより、取付部材をシフトロックプレートに対して
取り付けるようにしたので、シフトロックケーブルの取
付作業が簡単となり、また位置調整も簡単である。ま
た、取付部材はスライド面と長孔とによってスライド自
在にガイドされ、かつボルトで締結されるので、スライ
ド方向の傾きやガタがなく、取付精度が優れるととも
に、ボルトは一本で済むので、部品点数も少なく、構造
が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるシフトロック機構の側面図であ
る。
【図2】図1に示されたシフトロック機構の平面図であ
る。
【図3】シフトロックケーブルの取付構造を示す斜視図
である。
【図4】シフトロックケーブルの取付構造を示す平面図
である。
【符号の説明】
2 ペダルブラケット 3 ブレーキペダル 5 ブレーキペダル装置 6 シフトロックプレート 7 スポット溶接 8 ナット 9 ガイド片 10 シフトロックケーブル 11 アウタケーブル 12 インナケーブル 13 取付部材 13b スライド壁 13c スライド突起 13d 長孔 14 シフトロックピン 15 ストッパブラケット 16 ボルト 20 ステアリング装置 30 シフトレバー装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 20/00 - 20/08 F16H 59/00 - 59/12 G05G 1/00 - 25/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シフトレバー装置とブレーキペダル装置と
    を接続するシフトロックケーブルを有し、パーキング位
    置でシフトレバーを拘束し、パーキング位置でブレーキ
    ペダルを制動操作することによってシフトレバーの拘束
    を解除する自動変速機のシフトロック機構において、 車体側に固定され、ブレーキペダルを揺動可能に軸支す
    るペダルブラケットと、 ペダルブラケットに設けられ、前後方向に延びるガイド
    片と締結用ナットとを備えたシフトロックプレートと、 シフトロックケーブルのアウタケーブルのブレーキペダ
    ル装置側端部に固定され、上記ガイド片によって前後方
    向にスライド自在にガイドされるスライド面と、前後方
    向の長孔とを有する取付部材と、 上記長孔を介して上記締結用ナットに螺合され、上記取
    付部材をシフトロックプレートに対して締結する単一の
    ボルトと、 シフトロックケーブルのインナケーブルの先端に設けら
    れ、取付部材から突出付勢されたシフトロックピンと、 上記ブレーキペダルに設けられ、ブレーキペダルの非制
    動操作時にシフトロックピンを押圧するストッパブラケ
    ットと、を備えたことを特徴とするシフトロック機構。
  2. 【請求項2】上記シフトロックプレートはペダルブラケ
    ットの前面側にスポット溶接されており、シフトロック
    プレートの後方にステアリング装置が配置されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のシフトロック機構。
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