JP3357906B2 - タンパク質結晶成長装置 - Google Patents
タンパク質結晶成長装置Info
- Publication number
- JP3357906B2 JP3357906B2 JP33701692A JP33701692A JP3357906B2 JP 3357906 B2 JP3357906 B2 JP 3357906B2 JP 33701692 A JP33701692 A JP 33701692A JP 33701692 A JP33701692 A JP 33701692A JP 3357906 B2 JP3357906 B2 JP 3357906B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- protein
- solution
- crystal growth
- crystal
- precipitant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はタンパク質結晶成長装置
に関し、特に無重力空間で利用可能な同装置に関する。
に関し、特に無重力空間で利用可能な同装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のタンパク質結晶成長装置を図3に
よって説明する。図3において、01はタンパク質溶液
容器、02は析出剤溶液容器、03はバルブである。タ
ンパク質溶液容器01、析出剤溶液容器02は共に内径
10mm程度のものであり、中央のバルブ03を反時計
方向に90°回転させることにより左側の析出剤溶液容
器02の析出剤溶液と右側のタンパク質溶液容器01の
タンパク質溶液が接触し、タンパク質結晶が成長する方
式のものである。なお、図3中、Bはタンパク質溶液と
析出剤溶液との接触界面を示す。
よって説明する。図3において、01はタンパク質溶液
容器、02は析出剤溶液容器、03はバルブである。タ
ンパク質溶液容器01、析出剤溶液容器02は共に内径
10mm程度のものであり、中央のバルブ03を反時計
方向に90°回転させることにより左側の析出剤溶液容
器02の析出剤溶液と右側のタンパク質溶液容器01の
タンパク質溶液が接触し、タンパク質結晶が成長する方
式のものである。なお、図3中、Bはタンパク質溶液と
析出剤溶液との接触界面を示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のタンパク質結晶
成長装置では図3に示す左側の析出剤溶液と、右側のタ
ンパク質溶液との間で、液々界面での拡散を利用するも
のであるが、容器の容積が大きいためタンパク質試料を
大量に準備する必要があり、また形成される結晶の固定
が困難であり、しかもX線照射による構造解析のために
X線回折用キャピラリ(均一薄肉ガラスの内径1mm程
度の毛細管)に移し変える作業を要する等問題点があ
る。
成長装置では図3に示す左側の析出剤溶液と、右側のタ
ンパク質溶液との間で、液々界面での拡散を利用するも
のであるが、容器の容積が大きいためタンパク質試料を
大量に準備する必要があり、また形成される結晶の固定
が困難であり、しかもX線照射による構造解析のために
X線回折用キャピラリ(均一薄肉ガラスの内径1mm程
度の毛細管)に移し変える作業を要する等問題点があ
る。
【0004】このうち、結晶の固定が不充分であると、
結晶がタンパク質溶液の中を移動して、相互に接触する
可能性が増大する。結晶の接触は、単結晶性を損ねた
り、甚だしい場合には一旦成長した結晶を損傷する結果
を産むが、これらの悪い結果は、ことに無重力空間で成
長させたタンパク質結晶を地上に回収する際に問題とな
る。また、キャピラリに移し変える作業も、同様に、結
晶に歪みを与えて単結晶性を損ねたり、結晶を損傷した
りする危険を伴うという問題をもつ。本発明は上記技術
水準に鑑み、従来のタンパク質結晶成長装置の有する上
述したような問題点のないタンパク質結晶成長装置を提
供しようとするものである。
結晶がタンパク質溶液の中を移動して、相互に接触する
可能性が増大する。結晶の接触は、単結晶性を損ねた
り、甚だしい場合には一旦成長した結晶を損傷する結果
を産むが、これらの悪い結果は、ことに無重力空間で成
長させたタンパク質結晶を地上に回収する際に問題とな
る。また、キャピラリに移し変える作業も、同様に、結
晶に歪みを与えて単結晶性を損ねたり、結晶を損傷した
りする危険を伴うという問題をもつ。本発明は上記技術
水準に鑑み、従来のタンパク質結晶成長装置の有する上
述したような問題点のないタンパク質結晶成長装置を提
供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はタンパク質溶液
と析出剤溶液とを接触させ、その界面での析出剤の拡散
によりタンパク質結晶を成長させる装置において、タン
パク質溶液を複数の均一薄肉なガラス毛細管より構成し
てなることを特徴とするタンパク質結晶成長装置であ
る。
と析出剤溶液とを接触させ、その界面での析出剤の拡散
によりタンパク質結晶を成長させる装置において、タン
パク質溶液を複数の均一薄肉なガラス毛細管より構成し
てなることを特徴とするタンパク質結晶成長装置であ
る。
【0006】
【作用】タンパク質結晶成長装置のタンパク溶液容器と
して、内径1mm程度の均一薄肉ガラス毛細管を採用す
ることにより、結晶形成後、結晶が大きな距離を移動す
る可能性がなくなり、更に、該容器を取り出すのみで、
そのままX線照射による構造解析が可能となる。また、
タンパク溶液容器を内径1mm程度の複数の均一薄肉ガ
ラス毛細管にしたため、必要なタンパク質溶液液量が少
くてよく、貴重なタンパク質試料に対応できる。更に、
この種の装置の原理である液々界面での拡散は均一薄肉
ガラス毛細管の小さな断面積ではなく、バルブ内の広い
断面積で行なわれるため、拡散の界面面積は減少するこ
とはないが、一方で結晶成長が実際に起こる部分の断面
積ははるかに減少するために、内部で熱対流が抑えら
れ、拡散律速の条件下で良質の結晶が成長し、かつ温度
制御に対する応答性がよい。なお、本発明で使用する析
出剤溶液としては塩溶液、水溶性高分子溶液、水溶性有
機溶媒溶液が一般的に使用される。
して、内径1mm程度の均一薄肉ガラス毛細管を採用す
ることにより、結晶形成後、結晶が大きな距離を移動す
る可能性がなくなり、更に、該容器を取り出すのみで、
そのままX線照射による構造解析が可能となる。また、
タンパク溶液容器を内径1mm程度の複数の均一薄肉ガ
ラス毛細管にしたため、必要なタンパク質溶液液量が少
くてよく、貴重なタンパク質試料に対応できる。更に、
この種の装置の原理である液々界面での拡散は均一薄肉
ガラス毛細管の小さな断面積ではなく、バルブ内の広い
断面積で行なわれるため、拡散の界面面積は減少するこ
とはないが、一方で結晶成長が実際に起こる部分の断面
積ははるかに減少するために、内部で熱対流が抑えら
れ、拡散律速の条件下で良質の結晶が成長し、かつ温度
制御に対する応答性がよい。なお、本発明で使用する析
出剤溶液としては塩溶液、水溶性高分子溶液、水溶性有
機溶媒溶液が一般的に使用される。
【0007】
【実施例】以下、本発明のタンパク質結晶成長装置の一
実施例を図1、図2によって説明する。図1はその縦断
側面図、図2は図1の一部拡大図である。図1、図2に
おいて、1はタンパク質溶液容器、2は析出剤溶液容
器、3はバルブ、4は各容器保持部を示す。
実施例を図1、図2によって説明する。図1はその縦断
側面図、図2は図1の一部拡大図である。図1、図2に
おいて、1はタンパク質溶液容器、2は析出剤溶液容
器、3はバルブ、4は各容器保持部を示す。
【0008】本発明の実施例装置により拡散した析出剤
溶液の析出剤分子は拡散とタンパク質溶液容器1の毛細
管力によりタンパク質溶液容器1に導入され、該容器1
内でタンパク質結晶を析出する。かくして、本発明実施
例装置によればタンパク質溶液容器1を取出すことによ
り、直ちにX線照射によるタンパク質結晶の構造解析を
行なうことができる。
溶液の析出剤分子は拡散とタンパク質溶液容器1の毛細
管力によりタンパク質溶液容器1に導入され、該容器1
内でタンパク質結晶を析出する。かくして、本発明実施
例装置によればタンパク質溶液容器1を取出すことによ
り、直ちにX線照射によるタンパク質結晶の構造解析を
行なうことができる。
【0009】更に本発明の実施例装置においては、バル
ブ3を図1に示すように設置しておくと、タンパク質溶
液はバルブ3内に充填されているので、バルブ3を90
°回転させると析出剤溶液とタンパク質溶液とはバルブ
3内のAで接触し界面を生ずる。これに対し、図3に示
した従来の装置のバルブ03の位置ではバルブ03の回
転により両溶液の接触界面は図3のバルブ03のBの位
置である。勿論、本発明の実施例装置においても、バル
ブ3の向きを180°反対にしておけばバルブ3に析出
剤溶液が充填され、接触界面は図3と同様にBになり、
タンパク質試料が貴重で多量に準備できない事態にも対
応することができる。
ブ3を図1に示すように設置しておくと、タンパク質溶
液はバルブ3内に充填されているので、バルブ3を90
°回転させると析出剤溶液とタンパク質溶液とはバルブ
3内のAで接触し界面を生ずる。これに対し、図3に示
した従来の装置のバルブ03の位置ではバルブ03の回
転により両溶液の接触界面は図3のバルブ03のBの位
置である。勿論、本発明の実施例装置においても、バル
ブ3の向きを180°反対にしておけばバルブ3に析出
剤溶液が充填され、接触界面は図3と同様にBになり、
タンパク質試料が貴重で多量に準備できない事態にも対
応することができる。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、タンパク質溶液が少量
でよく、タンパク質溶液容器が毛細管であるため、析出
したタンパク質結晶の固定が可能である。また、タンパ
ク質溶液容器を均一の薄肉ガラス毛細管としたので、タ
ンパク質溶液容器を保持部より取出すだけで、そのまま
X線回折用キャピラリとして流用することができる効果
も奏する。
でよく、タンパク質溶液容器が毛細管であるため、析出
したタンパク質結晶の固定が可能である。また、タンパ
ク質溶液容器を均一の薄肉ガラス毛細管としたので、タ
ンパク質溶液容器を保持部より取出すだけで、そのまま
X線回折用キャピラリとして流用することができる効果
も奏する。
【図1】本発明の一実施例のタンパク質結晶成長装置の
縦断側面図。
縦断側面図。
【図2】図1の一部拡大図。
【図3】従来のタンパク質結晶成長装置の一態様の縦断
側面図。
側面図。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−24098(JP,A) 特開 平2−208300(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B64G 1/66,7/00 C30B 29/58,30/08
Claims (1)
- 【請求項1】 タンパク質溶液と析出剤溶液とを回転自
在のバルブを介して接触させ、その界面での析出剤の拡
散によりタンパク質結晶を成長させる装置において、タ
ンパク質溶液容器を複数の均一薄肉なガラス毛細管より
構成してなることを特徴とするタンパク質結晶成長装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33701692A JP3357906B2 (ja) | 1992-12-17 | 1992-12-17 | タンパク質結晶成長装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33701692A JP3357906B2 (ja) | 1992-12-17 | 1992-12-17 | タンパク質結晶成長装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06183400A JPH06183400A (ja) | 1994-07-05 |
JP3357906B2 true JP3357906B2 (ja) | 2002-12-16 |
Family
ID=18304676
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33701692A Expired - Lifetime JP3357906B2 (ja) | 1992-12-17 | 1992-12-17 | タンパク質結晶成長装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3357906B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5234654B2 (ja) * | 2009-07-02 | 2013-07-10 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 | 生体分子の大型結晶育成のための方法および装置 |
-
1992
- 1992-12-17 JP JP33701692A patent/JP3357906B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06183400A (ja) | 1994-07-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7263162B2 (en) | Sample mounts for microcrystal crystallography | |
Weber | [2] Overview of protein crystallization methods | |
CA1322449C (en) | Crystallization apparatus | |
JP3357906B2 (ja) | タンパク質結晶成長装置 | |
Newman | Expanding screening space through the use of alternative reservoirs in vapor-diffusion experiments | |
McPherson | Useful principles for the crystallization of proteins | |
JP3905399B2 (ja) | 生体高分子の結晶生成装置 | |
EP1500723B1 (en) | Biopolymer crystal mounting device and manufacturing method thereof | |
US20020183487A1 (en) | Protein crystallization apparatus and protein crystallization method | |
Littlechild | Protein crystallization: magical or logical: can we establish some general rules? | |
McPherson | In situ X-ray crystallography | |
DE102017129761B3 (de) | Probenhalter | |
US7118626B2 (en) | Crystallization cassette for the growth and analysis of macromolecular crystals and an associated method | |
JPH06321700A (ja) | 結晶成長方法および装置 | |
Flock et al. | Immunofluorescence localization of proteins in semithin 0.2–1 μm frozen sections of the ear: A report of improved techniques including gelatin encapsulation and cryoultramicrotomy | |
Moreno et al. | Growth of shaped single crystals of proteins | |
US20060261269A1 (en) | Method for high-resolution 3d reconstruction | |
Eisenberg et al. | Structural studies of ribulose 1, 5-bisphosphate carboxylase/oxygenase | |
Han et al. | A microcrystal selection technique in protein crystallization | |
Przybylska | A novel method of mounting a protein crystal on a surface perpendicular to the X-ray capillary | |
Lee et al. | Evaporation Rate in Protein Crystallization Via Vapor Diffusion can be Controlled through a Simple Multistep-concentration Setting in Capillaries | |
JP2006517667A (ja) | 高解像度三次元再構成方法 | |
Åkervall et al. | X-ray diffraction studies of the satellite tobacco necrosis virus: III. A new crystal mounting method allowing photographic recording of 3 Å diffraction data | |
JP2712427B2 (ja) | 生体高分子の結晶成長停止方法 | |
Andeejani et al. | Rapid assay of iopanoic acid in dog plasma using a Hisep column |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |