JP3353906B2 - 防黴性硬化物 - Google Patents

防黴性硬化物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防黴性硬化物に関す
る。特に、各種光学機器のレンズ表面における黴の発生
を防止することを目的として使用される防黴性硬化物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の光学レンズを有する精密機
器、例えば、光学顕微鏡、電子カメラ、ビデオカメラ、
高級カメラ等においては、これらのレンズに黴が発生し
た場合に、黴を除去するために分解洗浄など多くの労力
を必要とした。しかも、黴がさらに成長するとレンズが
侵食されて修復不可能となる。
【0003】これに対して、黴がレンズに発生すること
がないように、無菌状態で密封することが第一の対策と
して考えられる。しかし、この方法で対応できる部分
は、多くの光学レンズの極一部でしかない。また、この
方法は、レンズ保持構造の改変が必要なため多くの費用
がかかってしまうという不利がある。
【0004】このような不利を解消するため、上述の精
密機器の保存において、微量でも十分な防黴効果を示す
気化性の化合物α−ブロモシンナミルアルデヒド(以
下、BCAと記す)を密閉された容器内に封入する方法
が試みられている。かかる方法の一例として、BCA粉
末を入れた布袋またはこの布袋を貼着した容器を、精密
機器のレンズの近辺に装着することが行われている。ま
た、BCAを、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂等に混合することも検討されている。さらに、
BCAを脱アルコールタイプの室温硬化型シリコーンゴ
ムに混合し硬化させる方法が試みられている(特開昭6
2−104867号)。
【0005】
【発明が解決しようとする手段】しかしながら、上述の
布袋に収容したBCAを使用した防黴方法では、BCA
の揮散が激しくいため、布袋等の交換頻度が多くなり、
長期の防黴には不適当であった。
【0006】また、樹脂にBCAを混合する方法では、
BCAが樹脂の硬化に悪影響を及ぼしたり、樹脂の硬化
時の発熱によりBCAの蒸発、揮散が促進されて、防黴
成分が減少するなどの不利があった。
【0007】一方、特開昭62−104867号の方法
によれば、BCAの存在による硬化への悪影響を被るこ
ともなく、硬化時に発熱することもない。更に、シリコ
ーンゴムの適度の気体透過性に基づき、適度なBCAの
揮散が認められ、長期に亘って防黴効果が持続するとい
う利点が得られる。
【0008】しかしながら、脱アルコール型シリコーン
ゴム等の縮合型シリコーンゴムに単にBCAを添加する
場合には、やはり初期にBCAの揮散が多く、レンズ表
面にBCAによる曇が生じる。このシリコーンゴムに適
度の比表面積を有する無機充填剤を充填することによっ
て、BCAの揮散を曇が発生しない程度に低減できるも
のの、なおレンズ表面には縮合硬化型のシリコーンゴム
の触媒成分に起因すると考えられる脂肪酸の付着が認め
られた。更に、これらのBCA含有シリコーンゴム硬化
物を製造する場合に、シリコーンゴムを内部まで完全に
硬化させるのに数日かかるという経済的不利が生じる等
の問題があった。
【0009】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、精密機器の内部において、レンズなどの表面に
黴が発生するのを長期間にわたって防止できると共に、
防黴成分等がレンズ等の表面に付着するのを防止できる
防黴性硬化物を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、付加硬化型オルガノ
ポリシロキサン組成物にBCAを含有させた組成物を、
80℃未満で硬化させることにより、速やかに内部まで
硬化し得ると共に、BCAの蒸散量を適度に抑制するこ
とにより、長期に亘って防黴性能を維持し、更に精密機
器のレンズ表面に揮散したBCAや触媒成分による曇を
生成しないシリコーンゴム硬化物を見出した。しかも、
この硬化物は、耐熱性及び耐候性が良好であり、密閉下
で放置しても、縮合型シリコーンゴムと異なり、シロキ
サン鎖の開裂を起こさない等の種々の優れた特性を有
し、各種精密機器の防黴用部材として有用であることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、 A)一分子中に珪素原子に結合したアルケニル基を少な
くとも二個以上含有するオルガノポリシロキサン 10
0重量部と、 B)一分子中に珪素原子に結合した水素原子を少なくと
も二個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキ
サン 前記構成成分A中のアルケニル基一個当たりの珪
素原子に直接結合した水素原子が0.5〜5.0となる
量と、 C)平均粒子径が0.1〜50μmである無機充填剤
10〜200重量部と、 D)下記構造式(I)で表される防黴剤α−ブロモシン
ナミルアルデヒド全構成成分に対して5〜50重量%と
なる量と、 C−CH=C(Br)CH=O (I) E)触媒量の白金又は白金族化合物と からなる付加硬化型組成物を80℃未満の温度で所望の
形状に硬化させたことと、光学機器のレンズ等の表面に
おける黴の発生を防止するために当該光学機器に用いら
れることとを特徴とする防黴性硬化物を提供する。以
下、本発明の防黴性硬化物を更に詳細に説明する。
【0012】本発明における構成成分Aのオルガノポリ
シロキサンは、珪素原子に結合したアルケニル基を少な
くとも二個有する化合物であって、直鎖状であっても一
部分岐していても良い。珪素原子に結合したアルケニル
基としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1
−ペンテニル基、シクリヘキセニル基等が例示される
が、合成上、コスト等の点からビニル基が最も望まし
い。
【0013】アルケニル基以外の珪素原子に結合した有
機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のア
ルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;シク
ロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル
基;またはこれらの有機基の水素原子の一部または全部
がハロゲン原子又はシアノ基等で置換されたクロロメチ
ル基、クロロプロピル基、シアノエチル基、トリフルオ
ロプロピル基等が例示される。これらのうち、特に、ア
ルケニル基以外の基がメチル基又はフェニル基であるこ
とが好ましい。
【0014】構成成分Aは、25℃における粘度が50
〜500,000Cst のものが使用できる。粘度が、5
0Cst 未満だと、防黴性硬化物が物理的な強度が保持で
きなくなる。一方、500,000Cst を越える粘度に
なると、流動性に乏しく、防黴性硬化物を製造する場合
に作業上の難点を生じる。構成成分Aの化合物の粘度
は、100〜100000Cst の範囲が好ましい。
【0015】構成成分Bのオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンは、上記構成成分Aと反応し、架橋剤として
作用する化合物である。構成成分Bは、一分子中に珪素
原子に直接結合した水素原子を少なくとも二個以上含有
することが必要であるが、その分子構造に特に制限はな
く、直鎖状、環状、分岐状のいずれであっても良い。水
素原子以外の珪素に結合した有機基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル
基、トリル基等のアリール基;シクロヘキシル基、シク
ロヘプチル基等のシクロアルキル基;またはこれらの有
機基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子或いは
シアノ基等で置換されたクロロメチル基、クロロプロピ
ル基、シアノエチル基、トリフルオロプロピル基等が例
示される。これらのうち、特には水素原子以外の基が、
メチル基又はフェニル基であることが好ましい。
【0016】構成成分Bの使用量は、構成成分Aに含有
されるアルケニル基一個に対して珪素原子に直接結合し
た水素原子の数が0.5〜5.0当量となる量であり、
好ましくは0.8〜4.0となる量である。0.5未満
では、硬化物の物理的強度が劣り、5を越えると硬化時
に発泡し易くなり更に硬化物が硬くて脆くなる恐れがあ
る。
【0017】次に、構成成分Cである無機充填剤は、構
成成分A及びBとから得られる硬化物の物理的強度を改
善するのみでなく、後述する構成成分Dである防黴成分
の気化速度を制御して、完成した防黴性硬化物が長期間
防黴性能を保持し、且つ、精密機器のレンズ等の表面に
曇を生じさせないための必須成分である。かかる無機充
填剤としては、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、溶融シリ
カ、石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム、珪酸カルシウ
ム、酸化鉄、酸化チタン、カーボンブラック等が例示さ
れる。これらの無機物を単独又は二種以上併用しても良
いが、本発明の防黴性硬化物の特性を維持するために、
それらの無機物の粒子径に配慮が必要である。すなわ
ち、無機充填剤は、平均粒子径が0.01〜100μm
のものが良好である。0.01μm未満では、防黴成分
の蒸散が著しく遅くなってしまう。一方、100μmを
越えると防黴剤の保持性が弱くなり、防黴成分であるB
CAの初期の大量蒸散によりレンズ等の表面に曇を生じ
てしまう。最も好ましい無機充填剤の平均粒子径は、
0.1〜50μmの範囲である。
【0018】無機充填剤の充填量としては、構成成分A
100重量部に対して、10〜200重量部の範囲が好
ましい。添加量が少ないとBCAの蒸散速度が大きす
ぎ、多すぎると蒸散速度が低すぎるため、十分な防黴性
能が得られず、粘性が高くなり、本発明の防黴性硬化物
の製造作業にも支障をきたす。
【0019】構成成分Dのα−ブロモシンナミルアルデ
ヒド(BCA)は、防黴成分として公知の化合物であ
り、本発明のシリコーンゴム硬化物に防黴性を付与する
点で、必要欠くべからざる成分である。この化合物は、
僅かに気化性を有し、蒸気圧も低い物であるが、少量の
存在で優れた防黴性を発揮する。
【0020】BCAの添加量は、本発明の防黴性化合物
の全成分に対して、5〜50重量%である。5重量%未
満では、長期の防黴性が維持できず、50重量%を越え
ると、本発明の硬化システムである付加硬化反応に対し
て硬化阻害を起こし、完成した防黴性硬化物が脆くなる
という問題を生じる。
【0021】構成成分Eの白金及び白金族化合物は、本
質的に、構成成分A及びBを付加硬化反応を起こさせる
ための触媒として作用する。この化合物は、一般にハイ
ドロサイレーション反応に用いられるものであれば良い
が、白金ブラック、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコー
ル変成物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニ
ルシロキサン又はアセチレンアルコール類との錯体など
を例示できる。しかし、本発明の防黴性化合物では、B
CAのような有機化合物を充填するため、酸性度の強い
触媒は避けた方が良い。好ましくは、塩化白金酸のビニ
ルシロキサン錯体が用いられる。
【0022】構成成分Eの添加量は、希望する硬化速度
に応じて適宣増減すれば良いが、通常は、構成成分Aに
対して、白金量で0.1〜1000PPM が好ましく、1
〜500PPM の範囲が特に好ましい。
【0023】本発明において、上述の各構成成分からな
る組成物を硬化させる温度として、80℃を上限として
規定しているが、これは80℃を越えるとBCAの揮散
量が多くなって有効成分が初期の段階で低減すると共
に、製造現場にBCAの蒸気が充満し、排気等の設備を
用いても作業環境が非常に悪くなるからである。
【0024】本発明の防黴性硬化物には、本発明の目的
を損なわない範囲において、無機顔料、有機染料等の着
色剤、酸化セリウム、炭酸亜鉛、炭酸マンガン等の耐熱
性並びに難燃性向上剤、ジメチルポリシロキサン等の粘
度調節剤も添加可能である。
【0025】本発明の防黴性硬化物は、一般的に、構成
成分A〜Eを良く混合し、キャスティング、ポッティン
グ、プレス成型などにより成形することにより製造でき
る。例えば、製造すべき防黴性硬化物の形状を有する母
型を予め作成しておき、この母型に、上記構成成分A〜
Eの混合物をポッティングし、80℃以下の温度で硬化
させることによって、所望の防黴性硬化物を製造でき
る。構成成分A〜Eを混合する際に、一般に、構成成分
A、B及びEが混合されるとすぐに硬化反応を起こすた
め、構成成分B又はEを最後に混合するなどの処置を講
じる必要がある。
【0026】また、成形の際に母型となる型は、何のよ
うな材質を用いても良く、金属、ガラス、プラスチック
ス等のような各種の材料が選択できる。しかし、構成成
分Eの白金及び白金系化合物の触媒毒となる材料は避け
る必要がある。このような材料としては、例えば、アミ
ン硬化型のエポキシ樹脂、軟質の塩化ビニル樹脂などが
挙げられる。
【0027】
【作用】本発明の防黴性硬化物によれば、オルガノポリ
シロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンと
の反応により、比較的低い温度で80℃未満で硬化させ
る。これにより、速やかに内部まで硬化し得ると共に、
硬化時にBCAが揮散してしまうのを防止できる。ま
た、硬化後には、シリコーンゴムが有する気体透過性及
び無機充填剤により、BCAの蒸散量を適度に抑制でき
る。この結果、長期に亘って防黴性能を維持し、更に、
例えば精密機器のレンズの表面に、揮散したBCAや触
媒成分による曇が生成するのを防止できる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれによって限定されるものではない。 実施例1
【0029】25℃における粘度が600Cst である分
子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されたジメ
チルポリシロキサン100重量部に、25℃における粘
度が100Cst である分子鎖両末端がトリメチルシリル
基で封鎖されたメチルハイドロジェンポリシロキ
9.8重量部、テトラメチルテトラビニルシクロテトラ
シロキサン0.6重量部、白金として2重量%含有する
塩化白金酸のビニルシロキサン錯体0.2重量部、平均
粒子径5μmの石英粉末60重量部、トリメチルシリル
基で処理された比表面積200m/gの煙霧質シリカ
2.0重量部及び BCA55重量部を添加し、ダルト
ン社製万能攪はん機を用いて均一に混合した。得られた
ペースト状組成物を、内径30mm深さ12mmのガラスシ
ャーレに底から10mmの高さになるまで注入した。この
ガラスシャーレを、予め30℃に設定した恒温槽内で3
時間放置して、内部まで均一に硬化した防黴性シリコー
ンゴム硬化物を得た。 実施例1
【0030】25℃における粘度が600Cstである分
子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されたジメ
チルポリシロキサン100重量部に25℃における粘度
が100Cstである分子鎖両末端がトリメチルシリル基
で封鎖されたメチルハイドロジェンポリシロキン9.
8重量部、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロ
キサン0.6重量部、白金として2重量%含有する塩化
白金酸のビニルシロキサン錯体0.2重量部、平均粒子
径5μmの石英粉末60重量部及びトリメチルシリル基
で処理された比表面積200m/gの煙霧質シリカ
2.0重量部を添加し、ダルトン社製万能攪はん機を用
いて均一に混合した。得られたペースト状組成物を、内
径30mm深さ12mmのガラスシャーレに底から10mmの
高さになるまで注入した。このガラスシャーレを予め3
0℃に設定した恒温槽内で3時間放置して、内部まで均
一に硬化した、BCAを含有しない比較例1のシリコー
ンゴム硬化物を得た。
【0031】次いで、本発明の防黴性硬化物の防黴性を
確認すべく、実施例1及び比較例1の硬化物について、
促進培養実験と実際の製品でのフィールドテストを実施
した。 (1)促進培養試験
【0032】水分活性率をやや低めにしたポテトデキス
トロース(PDS)平板培地上でレンズ周辺に最もよく
見られる黴を培養し、その硬化を確認した。この結果を
表1に示す。 培養菌:アスペルギルス・ニガー、ユーロチウム・トノ
フィラムの二種 菌塗布方法:平板塗布方法による。 培養試験手順:
【0033】図1に示す如く、シャーレ11の中に無菌
状態の平板PDS培地12を凝固させる。この後、平板
PDS培地12の全面に、アスペルギルス・ニガー又は
ユーロチウム・トノフィラムをエーゼを使って塗布す
る。
【0034】この平板PDS培地12の中央に、実施例
1の防黴性シリコーンゴム硬化物13を載置する。一
方、同様の平板PDS培地12の中央に、比較例1のシ
リコーンゴム硬化物13を載置する。これらのシャーレ
11を下記培養条件で培養した。また、菌体の発生確認
のために、菌体だけを塗布したもの、及び、平板PDS
培地12の状態を確認するための菌体を塗布しないブラ
ンクも同時に用意し培養した。 培養条件:30℃、80%RH環境下で、1カ月培養を
進める。 効果判定基準:3段階(A,B,C) A:図2(a)に示す如く、シリコーンゴム硬化物21
及びその周辺部22に黴の繁殖し得ない部分がある。 B:図2(b)に示す如く、シリコーンゴム硬化物21
自体には黴の繁殖はないが、周辺部23には黴が繁殖し
ている。 C:図2(b)に示す如く、シリコーンゴム硬化物21
自体にも黴の繁殖がみられ、周辺部24にも黴が繁殖し
ている。 表 1 培養結果: 個別 判定結果 備 考 実施例1 10 A 効果を確認 比較例1 10 C ブランク 10 A シャーレの状態を確認 <フィールドテスト>
【0035】実施例1及び比較例1のシリコーンゴム硬
化物を、実際の光学機器に投入し、その効果を確認し
た。比較的高温多湿(25〜30℃,80%RH)の環
境下、実施例1及び比較例1のシリコーンゴム硬化物を
夫々投入した光学機器と、何等投入していない従来の光
学機器を、同じ条件下で3年間通常使用を続けた。この
結果、実施例1の防黴性シリコーンゴム硬化物を投入し
た光学機器には、レンズに全く黴の発生は見られなかっ
た。しかし、比較例1のシリコーンゴム硬化物を投入し
た光学機器及び何等投入しなかった光学機器では、多く
の部分でレンズの表面に黴の発生が見られた。
【0036】次に、実施例1の防黴性シリコーンゴム硬
化物と、下記の通り試作した比較例2の防黴性シリコー
ンゴム硬化物について、揮発成分による曇の発生の有無
について試験を行った。この結果を表2に示す。 比較例2
【0037】25℃における粘度が700Cst である分
子鎖両末端がジメチルヒドロキシル基で封鎖されたジメ
チルポリシロキサン100重量部に、n−プロピルシリ
ケート3.5重量部、平均粒子径5μm の石英粉末60
重量部、トリメチルシリル基で処理された比表面積20
0m2 /gの煙霧質シリカ2.0重量部、及びBCA5
5重量部、ジブチル錫ジラウレート1.5重量部を添加
し、ダルトン社製万能攪はん機を用いて均一に混合し
た。得られたペースト状組成物を、内径30mm深さ12
mmのガラスシャーレに底から10mmの高さになるまで注
入した。このガラスシャーレを、予め25℃に設定した
恒温槽内で24時間放置して、内部まで均一に硬化し
た、比較例2の防黴性シリコーンゴム硬化物を得た。 操作手順:
【0038】まず、図3に示す如く、ガラスシャーレの
上蓋31の内側上面に、ガラスプレート32を張り付け
る。次に、ガラスシャーレの受け部33の中央に、実施
例1防黴性シリコーンゴム硬化物34を配置する。この
後、受け部33に上蓋31を被せて、下記に示す環境条
件で放置した。
【0039】一方、比較例2の防黴性シリコーンゴム硬
化物を同様に配置したガラスシャーレ、及び、何も配置
しないブランクのガラスシャーレを、同様の条件で放置
した。 環境条件:40℃ 85%、15日間。
【0040】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の防黴性硬化
物によれば、揮発性防黴成分の気化速度が制御されてお
り、かつ、防黴成分を大量に蒸散させることなく、所望
の形状に成形できる。これにより、長期に亘って防黴性
能を維持すると共に、例えば、精密機器のレンズの表面
に、揮散したBCAや触媒成分による曇が生成するのを
防止できる。また、装着する精密機器に合わせた形状に
成型できるので、必要とされる箇所に適切に配置でき
る。この結果、長期間に亘って容易にかつ精密機器の性
能に悪影響を及ぼすことなく、精密機器の内部等に黴が
発生するのを防止することができる等顕著な効果を奏す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防黴性硬化物の効果を確認する試験に
おいて、防黴性硬化物を培地上に載置した状態を示す説
明図。
【図2】(a)〜(C)は、同試験において夫々防黴性
の評価基準を示す説明図。
【図3】本発明の防黴性硬化物の効果を確認する他の試
験において、防黴性硬化物をシャーレ内に配置した状態
を示す説明図。
【符号の説明】
11…シャーレ、12…平板PDS培地、13…防黴性
シリコーンゴム硬化物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白井 道雄 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−131657(JP,A) 特開 昭62−104867(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/07 C08K 5/07 C08L 83/05 C09D 183/04 G02B 1/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A)一分子中に珪素原子に結合したアル
    ケニル基を少なくとも二個以上含有するオルガノポリシ
    ロキサン 100重量部と、 B)一分子中に珪素原子に結合した水素原子を少なくと
    も二個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキ
    サン 前記構成成分A中のアルケニル基一個当たりの珪
    素原子に直接結合した水素原子が0.5〜5.0となる
    量と、 C)平均粒子径が0.1〜50μmである無機充填剤
    10〜200重量部と、 D)下記構造式(I)で表される防黴剤α−ブロモシン
    ナミルアルデヒド全構成成分に対して5〜50重量%と
    なる量と、 C−CH=C(Br)CH=O (I) E)触媒量の白金又は白金族化合物と からなる付加硬化型組成物を80℃未満の温度で所望の
    形状に硬化させたことと、光学機器のレンズ等の表面に
    おける黴の発生を防止するために当該光学機器に用いら
    れることとを特徴とする防黴性硬化物。
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