JP3353845B2 - 紙製ボードとその製造方法 - Google Patents

紙製ボードとその製造方法

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JP3353845B2 JP09247893A JP9247893A JP3353845B2 JP 3353845 B2 JP3353845 B2 JP 3353845B2 JP 09247893 A JP09247893 A JP 09247893A JP 9247893 A JP9247893 A JP 9247893A JP 3353845 B2 JP3353845 B2 JP 3353845B2
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潤 佐藤
亮 竹仲
章弘 中山
和明 吉本
勧 佐々木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、床や壁材用として、
或いは容器として等、種々の分野で利用し得る紙製のボ
ード及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日リサイクル運動が盛んとなり、古紙
の利用に関しても、種々の試みがなされている。この古
紙の再利用としては、再生紙が最も代表的であるが、再
生紙の場合、古紙を叩解する等して、パルプの状態にま
で戻した後、製紙を行うと言ったように、大掛かりな製
紙設備を必要とする。又、紙から紙を作ると言ったよう
に紙という同種の製品を再生するに止まり、紙を利用し
た新たな製品を世に送り出すものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本願の第1の発
明は、古紙等の紙材を利用するものであって、床や壁等
に用いることのできたり、或いは容器等、原料の紙材と
は別異の機能を持った製品となり得る紙製のボードの提
供を目的とする。又、本願の第2の発明は、古紙等の紙
材をパルプ状にまで戻すことなく、製紙設備と言った大
掛かりな設備を必要とすることなく、紙材を利用した新
たな製品を製造し得る方法の提供を図るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、次
の構成を特徴とする紙製ボードを提供することにより、
上記の課題を解決する。本願の第1の発明の紙製ボード
は、古紙等からなる多数の微小紙材とこれらの微小紙材
同志を接合する接着剤とを圧縮形成してなる圧縮紙層が
多数積層されてなる。そして、この圧縮紙層がボードの
厚み方向と交わる方向に積層されてなるものである。
【0005】さらに本願の第2の発明は、次の構成を特
徴とする紙製ボードの製造方法を提供することにより、
上記の課題を解決する。本願の第2の発明の製造方法に
おいては、古紙等からなる多数の微小紙材とこれらの微
小紙材同志を接合する接着剤とを含む構成材料を少なく
とも一方向に押圧することにより形成された圧縮紙層に
対して、同種の構成材料を押圧することにより、既に形
成された圧縮紙層に積層する状態で新たな圧縮紙層を形
成することを複数回行い、これにより、圧縮紙層がボー
ドの厚み方向と交わる方向に多数積層された紙製ボード
を形成することを特徴とするものである。
【0006】尚、本願発明において、微小紙材とは、紙
(古紙、新紙の別は問わない)を、粉砕したり、数ミリ
から数センチメートル角の小片としたり、或いは、細幅
のテープ状としておく等、適宜形状の微小な状態にした
ものを言う。
【0007】
【作用】本願発明においては、古紙をパルプの状態にま
で戻すことなく微小な状態にし、これを接着剤と共に利
用して、積層することよにより圧縮紙層を多層に形成す
ることができる。これにより得られたボードは、多数の
圧縮紙層がボードの厚み方向と交わる方向に積層された
ものである。この圧縮紙層は、各層における材料の変化
や偏り等の条件の微妙な変化により、あたかも、木目の
様な、曲線として表面に表れる。さらに、このボード
は、長さ方向に沿う曲げに対してはさほどの強度を示さ
ないが、幅方向に沿う曲げに対しては、極めて大きな強
度を示す。さらに、紙を主たる材料としているため、吸
音性、断熱性に優れる他、他の素材に対する接着性も良
好である。
【0008】
【実施例】以下、図面に基づき本願発明の一実施例を説
明する。図1乃至図4は、本願発明を実施するための装
置の説明図であり、図5はこの装置により製造されたボ
ード101の斜視図である。この装置は、矩形のボード
101を製造するための装置であり、矩形のボード10
1を成形する型1を有する。この型1は、両端が解放さ
れた筒状をなし、筒状の長さ方向(X方向)と直行する
断面において、ボード101の厚みと幅にひとしい高さ
と幅とを有する。型1長さは、適宜の長さとすることが
できる。
【0009】この型1の始端(図1の右端)寄りの上面
は開口しており、この開口2の上部にはホッパー3が設
けられている。この開口2を挟んで、2つの押圧部材
4,5が、型1内に摺動可能に配位されている。ここ
で、説明の都合上、始端側の押圧部材を第1押圧部材4
とし、後端側の押圧部材を第2押圧部材5とする。これ
らの押圧部材は、適宜駆動装置にて、前後動させればよ
いが、この実施例では油圧シリンダ6,7を採用した。
さらに、この型1の開口より後端側の外面には、型1を
加熱するためのヒータ8が配位されている。
【0010】尚、ホッパー3からは後述のボードの原材
料が開口2へ自然落下により供給さされるが、押出機等
により強制的に押し出すようにしてもよい。ホッパー以
外の適当な供給装置を用いることも勿論可能であり、ま
た、原材料を混練等しておく場合には、混練機から押出
機を介して開口2へ原材料を供給するようにして、ホッ
パーの利用を省略してもよい。
【0011】次に、この装置を用いたボードの製造方法
を説明する。まず、ボードの原材料から説明する。この
材料には、紙材と、この紙材を接着するための熱硬化性
或いは熱可塑性の接着剤とをブレンドしたものを用い
る。この紙材と接着材とは、適宜の攪拌、混練装置によ
って予め攪拌、混練しておいてもよく、或いは、接着材
を紙材に対して噴霧しておいてもよい。紙材は、適宜形
状の古紙や新紙を用いることができるが、粉砕機により
粉砕したり、数ミリから数センチメートル角の小片とし
たり、或いは、細幅のテープ状としておく等、微小な状
態にしたものを用いる。尚、古紙の場合には、着色され
た紙や、紙にアルミニウム等の金属箔や合成樹脂フィル
ムを積層したラミネート紙等の各種の紙を用いることが
可能であり、また、意図的に、適当な色に着色した紙を
用いたり、或いは、金属箔や合成樹脂フィルムやシート
を小片状等にして紙材と共に用いてもよい。
【0012】次に、この材料aを、ホーパーから投入す
る。このとき、第1押圧部材4を駆動するシリンダ6の
ピストンロッドは収縮しており、第2押圧部材5を駆動
するシリンダ7のピストンロッドは伸長している。そし
て、両者4,5間に、ホッパーから投入された材料が落
下する。尚、図示は省略するが、ホッパーの出口には、
シャッターやさらには計量装置を配しておき、所定重量
の材料aを切り出して排出するようにしてもよい。
【0013】材料aの落下後、第1押圧部材4が前進し
て、第2押圧部材2との間で、材料aを圧縮することに
より圧縮紙層a1を形成する(図2参照)。この図2の
状態では、第1押圧部材4によって開口2が閉じられ、
原材料の供給は停止される。尚、上記のように押出機に
よって材料を供給する場合には、その運転を一時停止す
るようにしておく方が好ましい。
【0014】圧縮後、第1押圧部材4は、初期位置まで
戻る。他方、第2押圧部材5は、圧縮紙層a1の厚みと
ひとしい長さだけ、後端方向に移動し、ホーパーから材
料aが、第1押圧部材4と、圧縮紙層a1との間に投入
される(図3参照)。
【0015】次に、第1押圧部材4が前進して、両者
4,a1との間にて、新たに投入された材料aを圧縮し
て、圧縮紙層a2を形成する(図4参照)。
【0016】上記の作動が繰り返し行われることによ
り、圧縮紙層a1,a2,a3…anが形成されつつ、
型1の後端方向に送られる。そして、この型1内の移動
中に、ヒーター8による加熱が行われ、材料の熱硬化性
樹脂が硬化し、紙材同志を接着してボード101が完成
する。熱可塑性樹脂の場合には、加熱により樹脂が溶融
状態となり、冷却によりボード101が完成する。この
冷却は型1内で行ってもよく、或いは、型1から取り出
した後に行ってもよい。
【0017】完成後は、第2押圧部材5を最後方まで後
退させ、第1押圧部材4を前進させることにより、ボー
ド101を型1から押し出すようにして、取り出せばよ
いが、型1の底部等を開閉可能にして、開いた底部等か
ら取り出すようにする等、取り出し方法は適宜変更する
ことができる。
【0018】このボード101は、上記の製法により製
造されることによって、多数の圧縮紙層a1…anがボ
ード101の長さ方向(矢印X方向)に積層されたもの
となる(図5参照)。しかも、この圧縮紙層は、各層に
おける微小紙材等の材料の変化や偏り等の条件の微妙な
変化により、あたかも、木目の様な、曲線として表面に
表れるもであり、表面を研削、研磨することにより、よ
り一層、表面の模様を明瞭なものとすることができる。
さらに、この変化は、ホッパー毎に異なる色彩の紙材を
投入した数種類のホッパーを用意しておき、圧縮紙層毎
に各種のホッパーを選択して用いることにより、各層の
色の変化を意図的にもたらすことができる。又、ホッパ
ーを左右両側に配位して、この両側から押圧を行うこと
により、左右方向から同時に積層を行うこともでき、さ
らに前後左右の4方向から積層を行うようにしてもよ
い。
【0019】このボードは、多数の圧縮紙層a1…an
がボード101の長さ方向(矢印X方向)に積層された
ものであるため、長さ方向に沿う曲げに対してはさほど
の強度を示さないが、幅方向に沿う曲げに対しては、極
めて大きな強度を示す。さらに、紙を主たる材料として
いるため、吸音性、断熱性に優れる他、他の素材に対す
る接着性も良好であり、ボード101同士或いは、ボー
ド101を合板や他の板状部材等に接着して用いること
もできる。この場合、ボード101を適当な厚みにスラ
イスして、スライスしたボード同士或いは他の素材に接
着することも可能であり、例えば新たな表面の模様及び
質感を有する化粧合板を得ることもできる。
【0020】
【発明の効果】以上、本願の第1の発明は、古紙等から
なる微小な紙材を利用するものであって、床や壁等に用
いることのできたり、容器等、原料の紙材とは別異の機
能を持った製品となり得ると共に、独特な模様を有する
紙製のボードの提供し得たものである。又、本願の第2
の発明は、古紙等の紙材をパルプ状にまで戻すことな
く、製紙設備と言った大掛かりな設備を必要とすること
なく、紙材を微小状態にして利用した新たな製品を製造
し得る方法の提供を実現したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の製造方法に用いる装置の説明図であ
る。
【図2】同装置の使用状態の説明図である。
【図3】同装置の使用状態の説明図である。
【図4】同装置の使用状態の説明図である。
【図5】本願発明の一実施例の紙製ボードの斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 型 2 開口 3 ホッパー 4 第1押圧部材 5 第2押圧部材 101 紙製ボード a 紙材と接着剤とからなる材料 a1 圧縮紙層 a2 圧縮紙層 a3 圧縮紙層 an 圧縮紙層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉本 和明 大阪府大阪市中央区竜造寺町8番14号 株式会社昭和丸筒内 (72)発明者 佐々木 勧 大阪府大阪市中央区竜造寺町8番14号 株式会社昭和丸筒内 (56)参考文献 特開 昭50−151286(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B27N 1/00 - 9/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】古紙等からなる多数の微小紙材とこれらの
    微小紙材同志を接合する接着剤とを圧縮形成してなる圧
    縮紙層が多数積層されてなり、この圧縮紙層がボードの
    厚み方向と交わる方向に積層されてなることを特徴とす
    る紙製ボード。
  2. 【請求項2】古紙等からなる多数の微小紙材とこれらの
    微小紙材同志を接合する接着剤とを含む構成材料を少な
    くとも一方向に押圧することにより形成された圧縮紙層
    に対して、同種の構成材料を押圧することにより、既に
    形成された圧縮紙層に積層する状態で新たな圧縮紙層を
    形成することを複数回行い、 これにより、圧縮紙層がボードの厚み方向と交わる方向
    多数積層された紙製ボードを形成することを特徴とす
    る紙製ボードの製造方法。
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