JP3353026B2 - ビーム偏向装置 - Google Patents

ビーム偏向装置

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JP3353026B2
JP3353026B2 JP15388097A JP15388097A JP3353026B2 JP 3353026 B2 JP3353026 B2 JP 3353026B2 JP 15388097 A JP15388097 A JP 15388097A JP 15388097 A JP15388097 A JP 15388097A JP 3353026 B2 JP3353026 B2 JP 3353026B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、荷電粒子ビーム
を輸送するビーム輸送系に用いられ、荷電粒子ビームを
偏向するビーム偏向装置であり、特に運動量の異なる荷
電粒子ビームを無分散で偏向することができるビーム偏
向装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は例えば“三菱電機技報 Vol69,N
o.2”の15ページ“HIMAC用高エネルギービーム輸送シ
ステム(HEBTシステム)”に示された従来のビーム偏向
装置を示す説明図である。図において、21a,21b
は荷電粒子ビームを偏向する偏向電磁石、22aは2個
の偏向電磁石21a,21bの間に配置された四極電磁
石、22b,22cは各々偏向電磁石21aの入射側お
よび偏向電磁石21bの出射側に配置された四極電磁石
である。このような構成のビーム偏向装置は、荷電粒子
ビームを輸送するビーム輸送系に用いられ、荷電粒子ビ
ームを所定の角度に偏向する。
【0003】すなわち、四極電磁石22bを通過した荷
電粒子ビームは、偏向電磁石21aに入射され、偏向電
磁石21aで所定の角度偏向され、四極電磁石22aを
通過し、さらに偏向電磁石21bに入射され、偏向電磁
石21bで所定の角度偏向される。尚、図6において、
2個の偏向電磁石21a,21bの間に配置され、荷電
粒子ビームを通過させる真空ダクト等の真空輸送手段に
ついては省略されている。
【0004】このように構成された従来のビーム偏向装
置において、荷電粒子ビームが偏向電磁石21a,21
bで偏向される場合、荷電粒子ビームの運動量が設計値
と異なると、荷電粒子ビームは設計値と異なる角度の偏
向を受ける。この偏向角度の誤差は、両偏向電磁石21
a,21bの間に配置された四極電磁石22aによって
補正される。すなわち、荷電粒子ビームの運動量が設計
値と異なるために発生する偏向角度の誤差は、ビーム偏
向装置全体としての偏向角が設計値と等しくなるように
四極電磁石22aによって補正される。また、ビーム偏
向装置を入出する荷電粒子ビームの断面形状は、ビーム
偏向装置の出入口に配置された四極電磁石系22b,2
2cと四極電磁石22aによって制御される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のビーム偏向装置
は以上のように構成され、荷電粒子ビームの運動量が設
計値と異なるために発生する偏向角度の誤差は、四極電
磁石22aにより補正される。しかし、荷電粒子ビーム
の運動量の誤差がたとえば数%以上と大きくなると、偏
向電磁石21a,21bや四極電磁石22a,22b,
22cの色収差の影響が大きくなり荷電粒子ビームを無
分散で偏向することが困難となる。その場合、偏向電磁
石21a,21bの励磁レベルが変更されて、偏向角が
設計値と等しくなるようにされる。
【0006】しかし、偏向電磁石21a,21bは、高
度な磁場精度を有する必要があるため、偏向電磁石21
a,21bの励磁レベルが変更される際には、鉄芯材質
の磁場初期化作業が必要である。この磁場初期化作業を
するためには、一時的にビーム輸送系の運転が停止され
るので運転効率が低下するといった問題があった。ま
た、磁場初期化作業を可能とする励磁電源は、磁場初期
化作業が出来ないものより構造が複雑になり価格が高く
なるなどの問題点があった。
【0007】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、偏向電磁石の磁場の変更や初
期化を行うこと無しに広範囲な運動量の荷電粒子ビーム
を設計値通りの偏向角で偏向することができ、運転効率
を向上できるとともに、安価な励磁電源とすることがで
きるビーム偏向装置を得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1のビーム偏向装
置においては、対向して配置されて荷電粒子ビームを偏
向する第1および第2の偏向電磁石と、第1および第2
の偏向電磁石間に配置されて、第1の偏向電磁石で偏向
された荷電粒子ビームを第2の偏向電磁石に輸送する真
空輸送手段とを有するビーム偏向装置であって、第1お
よび第2の偏向電磁石は、それぞれ同一の偏向角αを有
し、かつ、第1の偏向電磁石の出射側の磁極端における
磁極端法線方向とビーム出射方向とのなす角度と第2の
偏向電磁石の入射側の磁極端における磁極端法線方向と
ビーム入射方向とのなす角度とが同一の角度θを有し、
偏向角αと角度θとの関係が、θ=(180−α)/2
を成り立つように構成され、第1の偏向電磁石の出射側
の磁極端において、特定の運動量を有する荷電粒子ビー
ムが通過する部分が、磁極端法線方向とビーム出射方向
のなす角度が概略0度となるように部分的に階段状とさ
れ、該階段状の部分を通過した荷電粒子ビームが入射す
る部分の第2の偏向電磁石の磁極端が、磁極端法線方向
とビーム入射方向のなす角度が概略0度となるように部
分的に階段状にされている。
【0009】
【0010】請求項のビーム偏向装置においては、荷
電粒子ビームの断面形状を制御する第1の四極電磁石が
第1の偏向電磁石の入射側と第2の偏向電磁石の出射側
にそれぞれ配設され、真空輸送手段が第1の偏向電磁石
で偏向された異なる運動量の荷電粒子ビームに対して輸
送可能な真空容器からなる。
【0011】請求項のビーム偏向装置においては、真
空輸送手段は、第1の偏向電磁石で偏向された特定の運
動量の荷電粒子ビームを個別に輸送する少なくとも1つ
の真空ダクトをさらに有し、第2の四極電磁石が真空ダ
クトの周囲に配設され、第1の四極電磁石と共動して真
空ダクトにより輸送される荷電粒子ビームの断面形状を
制御する。
【0012】請求項のビーム偏向装置においては、運
動量分析スリットが真空輸送手段により輸送される荷電
粒子ビームのビーム進行方向に対して直角方向に移動可
能に配設されている。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は本発明のビーム偏向装置を示す説
明図である。図1において,1a,1bは対向して配置
された一対の偏向電磁石である。3a,3b,3cはそ
れぞれ運動量の異なる荷電粒子ビームの軌道である。3
つの荷電粒子ビーム3a,3b,3cは、荷電粒子ビー
ム3aの運動量が一番小さく、荷電粒子ビーム3cの運
動量が一番大きい。第1の偏向電磁石1aは、荷電粒子
ビームを入射して、荷電粒子ビームを偏向角αで偏向す
る。そして、荷電粒子ビームの出射側の磁極端におい
て、磁極端法線方向と荷電粒子ビームのビーム出射方向
とが角度θをなし、偏向角αと角度θとの関係が、 θ=(180−α)/2 である。
【0014】このような特性を有する第1の偏向電磁石
1aによって偏向される荷電粒子ビームは、図1の矢印
によって示されるように、図1の左方向から第1の偏向
電磁石1aに入射され、偏向角αで偏向されて図1の右
上方向に向かって出射される。この際、出射側の磁極端
を出射する荷電粒子ビームの出射位置は、運動量の違い
によってそれぞれ異なるが、荷電粒子ビームのビーム出
射方向は、運動量の違いによらず常に磁極端法線方向と
なす角度が角度θとなる。
【0015】また、第2の偏向電磁石1bは、第1の偏
向電磁石1aが偏向した荷電粒子ビームを入射して第1
の偏向電磁石1aの偏向角αと同じ角度で荷電粒子ビー
ムをさらに偏向する。そして、荷電粒子ビームの入射側
の磁極端において、磁極端法線方向と荷電粒子ビームの
ビーム入射方向とが角度θをなし、偏向角αと角度θと
の関係が、上記と同じ θ=(180−α)/2 である。すなわち、第1の偏向電磁石1aと第2の偏向
電磁石1bの偏向角はそちらも偏向角αで等しく、また
各々出射側、入射側の磁極端において、磁極端法線方向
と荷電粒子ビームのビーム進行方向が角度θであり、偏
向角αと角度θとの関係が上記式の関係をなしている。
【0016】第2の偏向電磁石1bに入射する荷電粒子
ビームの入射位置は、運動量の違いによってそれぞれ異
なるが、第2の偏向電磁石1bの出射側の磁極端におい
て、運動量の違いによらず常に同一の位置および方向に
出射される。尚、図1において、2個の偏向電磁石1
a,1bの間に配置され、荷電粒子ビームを通過させる
真空ダクト等の真空輸送手段については省略されてい
る。
【0017】このような特性を有する2個の偏向電磁石
1a,1bを、第1の偏向電磁石1aを角度θをもって
出射した荷電粒子ビームが、第2の偏向電磁石1bに角
度θをもって出射するように配置すると、第2の偏向電
磁石1bを出射する荷電粒子ビームは、第2の偏向電磁
石1bの出射側の磁極端において、運動量の違いによら
ず常に同一の位置および方向に出射される。そのため、
2個の偏向電磁石1a,1bの磁場の変更や初期化を行
うこと無しに広範囲な運動量の荷電粒子ビームを設計値
通りの偏向角度で偏向することができ、運転効率を向上
できるとともに、安価な励磁電源とすることができる。
【0018】実施の形態2.図2は本発明のビーム偏向
装置の他の例を示す説明図である。図2において、4は
第1,第2の偏向電磁石1a,1bの間に配置され、異
なる運動量の荷電粒子ビームが通過可能な真空輸送手段
である真空容器である。2b,2cは、ビーム偏向装置
の荷電粒子ビームの出入口に配置され荷電粒子ビームの
断面形状を制御する四極電磁石である。その他の構成は
実施の形態1と同様である。
【0019】実施の形態1のような特性の第1,第2の
偏向電磁石1a,1bを用いる場合、偏向角αが小さな
偏向電磁石が用いられると、偏向電磁石1a,1bの対
向する磁極端の角度が大きくなるため、磁極端部分にお
けるビーム収束作用が強くなる。しかし、このビーム収
束作用によって発生する荷電粒子ビームの断面形状の乱
れは、四極電磁石2b,2cによって制御が可能であ
る。そして、本実施の形態においては、荷電粒子ビーム
の断面形状は、ビーム偏向装置の出入口に配置された四
極電磁石2b,2cのみによって制御されている。そし
て、荷電粒子ビームの断面形状は、四極電磁石2b,2
cによって制御され、ビーム偏向装置の上流側および下
流側のビーム輸送系と整合されている。
【0020】このような構成のビーム偏向装置において
は、荷電粒子ビームの断面形状は、四極電磁石2b,2
cによって制御され、偏向角αが小さな偏向電磁石でも
用いられる。また、荷電粒子ビームの偏向角を設計値と
等しくなるように補正するための四極電磁石を設ける必
要がないので、2個の偏向電磁石1a,1bの間には四
極電磁石が存在しない。そのため、第1,第2の偏向電
磁石1a,1bの間に、異なる運動量のすべての荷電粒
子ビームが通過することのできる幅の広い1個の真空容
器4を設けることができる。その結果、各々の運動量の
荷電粒子ビームに対して、真空ダクトを設ける必要がな
いので装置を安価に作製することができる。
【0021】実施の形態3.図3は本発明のビーム偏向
装置の他の例を示す説明図である。実施の形態1では、
異なる運動量の荷電粒子ビームに対して磁極端角度が常
に同一となる磁極端を有する偏向電磁石1a,1bが用
いられた。しかし、本実施の形態の第1の偏向電磁石1
1aにおいては、第1の偏向電磁石11aの出射側の磁
極端において、低運動量の荷電粒子ビーム3aが通過す
る部分に、磁極端法線方向と荷電粒子ビームのビーム出
射方向のなす角度が0度となるように部分的に階段状に
された階段状部5aが形成されている。
【0022】また、第2の偏向電磁石11bにおいて
は、上記階段状部5aを通過した荷電粒子ビームが入射
する部分の磁極端が、磁極端法線方向と荷電粒子ビーム
のビーム入射方向のなす角度が0度となるように部分的
に階段状にされ階段状部5bが形成されている。その他
の部分の偏向電磁石11a,11bにおいては、実施の
形態1の第1,第2の偏向電磁石1a,1bと同様であ
る。
【0023】このような構成のビーム偏向装置において
は、特に強い磁極端収束作用を受ける低運動量の荷電粒
子ビームが通過する部分において、磁極端法線方向と荷
電粒子ビームのビーム進行方向のなす角度が0度となる
ように部分的に階段状にされている。そのため、特に強
い磁極端収束作用を受ける低運動量の荷電粒子ビームに
おいてもビーム断面形状の制御を容易にすることがで
き、良好に使用できる運動量の範囲を広げることができ
る。
【0024】尚、磁極端法線方向と荷電粒子ビームのビ
ーム進行方向のなす角度はビーム断面形状の制御をする
上では0度が望ましいが、小さな角度を有しても、ビー
ム断面形状の制御を容易にすることにおいては、それな
りの効果を得ることができる。また、本実施の形態で
は、低運動量の荷電粒子ビームが通過する部分が階段状
に形成されたが、階段状にされる部分は低運動量の荷電
粒子ビームに限らず、特定の運動量の荷電粒子ビームが
通過する部分であっても良い。
【0025】実施の形態4.図4は本発明のビーム偏向
装置の他の例を示す説明図である。図4において、4は
第1,第2の偏向電磁石1a,1bの間に配置され、特
定の範囲の運動量の荷電粒子ビームが通過する真空容器
である。6は低運動量の荷電粒子ビームのみが通過する
真空輸送手段である真空ダクトである。ビーム偏向装置
の荷電粒子ビームの出入口には、荷電粒子ビームの断面
形状を制御する第1の四極電磁石2b,2cが配置され
ている。2aは真空ダクトの周囲に設けられ、第1の四
極電磁石2b,2cと協同して荷電粒子ビームの断面形
状を制御する第2の四極電磁石2aが配置されている。
その他の構成は実施の形態2と同様である。
【0026】このような構成のビーム偏向装置において
は、真空容器4は、特定の範囲の運動量の荷電粒子ビー
ムが通過可能とされ、また真空容器4とは別に低運動量
の荷電粒子ビームのみが通過する真空ダクト6が設けら
れ、真空ダクト6には、必要に応じて第1の四極電磁石
2b,2cと協同して荷電粒子ビームの断面形状を制御
する第2の四極電磁石2aが配置されている。そのた
め、特に強い磁極端収束作用を受ける低運動量の荷電粒
子ビームについて、ビーム断面形状の制御の自由度を高
めることができ、ビーム調整の効率化を図ることができ
る。そのため、良好に使用できる運動量の範囲を広げる
ことができる。
【0027】尚、真空ダクト6が設けられる位置は、低
運動量の荷電粒子ビームが通過する位置に限らず、特定
の運動量の荷電粒子ビームが通過する位置であっても良
い。また、真空ダクト6は、1本に限らず、運動量の違
いにより複数本が設けられ、それぞれの真空ダクト6
に、異なる四極電磁石2aが配置されるようにされても
良い。
【0028】実施の形態5.図5は本発明のビーム偏向
装置の他の例を示す説明図である。本実施の形態におい
ては、真空容器4と真空ダクト6に荷電粒子ビームのビ
ーム進行方向に対して直角方向に移動可能な、運動量分
析スリット7が設けられている。真空容器4と真空ダク
ト6は、運動量分析スリット7が設けられた部分で、互
いに真空を保ちながら部分的に連通されている。運動量
分析スリット7は、この連通された部分の側壁に配置さ
れている。運動量分析スリット7は、2枚の板状の部材
7a,7bからなり、部材7a,7bは各々連通部分の
側壁に、密閉状態を保ったまま出没可能に設けられてい
る。そして例えば、部材7aを図5の左方向に移動さ
せ、次に部材7bを左方向に移動させることによって、
両者の間に形成されたスリット部7cを左方向に移動さ
せる。運動量分析スリット7は、真空容器4および真空
ダクト6内を通過する荷電粒子ビームにおいて、特定の
運動量の荷電粒子ビームのみを下流に通過させる。
【0029】このような構成のビーム偏向装置において
は、真空容器4および真空ダクト6内に運動量分析スリ
ット7を設けたので、真空容器4および真空ダクト6内
を通過する荷電粒子ビームを選別できるようになり、装
置の下流側に正しい運動量の荷電粒子ビームのみを供給
することができ、安全性に優れたビーム偏向装置を得る
ことができる。また、運動量分析スリット7の貫通スリ
ット部7cを完全に閉状態とすれば、ビーム遮断装置と
して機能させることもできる。
【0030】
【発明の効果】請求項1のビーム偏向装置においては、
対向して配置されて荷電粒子ビームを偏向する第1およ
び第2の偏向電磁石と、第1および第2の偏向電磁石間
に配置されて、第1の偏向電磁石で偏向された荷電粒子
ビームを第2の偏向電磁石に輸送する真空輸送手段とを
有するビーム偏向装置であって、第1および第2の偏向
電磁石は、それぞれ同一の偏向角αを有し、かつ、第1
の偏向電磁石の出射側の磁極端における磁極端法線方向
とビーム出射方向とのなす角度と第2の偏向電磁石の入
射側の磁極端における磁極端法線方向とビーム入射方向
とのなす角度とが同一の角度θを有し、偏向角αと角度
θとの関係が、θ=(180−α)/2を成り立つよう
に構成され、第1の偏向電磁石の出射側の磁極端におい
て、特定の運動量を有する荷電粒子ビームが通過する部
分が、磁極端法線方向とビーム出射方向のなす角度が概
略0度となるように部分的に階段状とされ、該階段状の
部分を通過した荷電粒子ビームが入射する部分の第2の
偏向電磁石の磁極端が、磁極端法線方向とビーム入射方
向のなす角度が概略0度となるように部分的に階段状に
されている。そのため、第1および第2の偏向電磁石の
磁場の変更や初期化を行うこと無しに所定の範囲の運動
量の荷電粒子ビームを設計値通りの偏向角度で偏向する
ことができ、運転効率を向上できるとともに、使用する
励磁電源を安価とすることができる。また、特定の運動
量を有する荷電粒子ビームに対してビーム断面形状の制
御を容易にすることができ、さらに広い範囲の運動量の
荷電粒子ビームを良好に偏向することができる。
【0031】
【0032】請求項のビーム偏向装置においては、荷
電粒子ビームの断面形状を制御する第1の四極電磁石が
第1の偏向電磁石の入射側と第2の偏向電磁石の出射側
にそれぞれ配設され、真空輸送手段が第1の偏向電磁石
で偏向された異なる運動量の荷電粒子ビームに対して輸
送可能な真空容器からなる。そのため、各々の運動量の
荷電粒子ビームに対して、真空輸送手段を設ける必要が
ないので装置を安価に作製することができる。
【0033】請求項のビーム偏向装置においては、真
空輸送手段は、第1の偏向電磁石で偏向された特定の運
動量の荷電粒子ビームを個別に輸送する少なくとも1つ
の真空ダクトをさらに有し、第2の四極電磁石が真空ダ
クトの周囲に配設され、第1の四極電磁石と共動して真
空ダクトにより輸送される荷電粒子ビームの断面形状を
制御する。そのため、特定な運動量の荷電粒子ビームに
ついて、ビーム断面形状の制御の自由度を高めることが
でき、ビーム調整の効率化を図ることができる。その結
果、さらに広い範囲の運動量の荷電粒子ビームを良好に
偏向することがでる。
【0034】請求項のビーム偏向装置においては、運
動量分析スリットが真空輸送手段により輸送される荷電
粒子ビームのビーム進行方向に対して直角方向に移動可
能に配設されている。そのため、装置の下流側に正しい
運動量の荷電粒子ビームのみを供給することができ、安
全性に優れたビーム偏向装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のビーム偏向装置を示す説明図であ
る。
【図2】 本発明のビーム偏向装置の他の例を示す説明
図である。
【図3】 本発明のビーム偏向装置の他の例を示す説明
図である。
【図4】 本発明のビーム偏向装置の他の例を示す説明
図である。
【図5】 本発明のビーム偏向装置の他の例を示す説明
図である。
【図6】 従来のビーム偏向装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1a,11a 第1の偏向電磁石、1b,11b 第2
の偏向電磁石、2a第2の四極電磁石、2b,2c 四
極電磁石(第1の四極電磁石)、4 真空容器(真空輸
送手段)、6 真空ダクト(真空輸送手段)、7 運動
量分析スリット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21K 1/093 H01F 7/06 H01J 37/147

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して配置されて荷電粒子ビームを偏
    向する第1および第2の偏向電磁石と、該第1および第
    2の偏向電磁石間に配置されて、該第1の偏向電磁石で
    偏向された荷電粒子ビームを該第2の偏向電磁石に輸送
    する真空輸送手段とを有するビーム偏向装置であって、 上記第1および第2の偏向電磁石は、それぞれ同一の偏
    向角αを有し、かつ、上記第1の偏向電磁石の出射側の
    磁極端における磁極端法線方向とビーム出射方向とのな
    す角度と上記第2の偏向電磁石の入射側の磁極端におけ
    る磁極端法線方向とビーム入射方向とのなす角度とが同
    一の角度θを有し、 上記偏向角αと上記角度θとの関係が、 θ=(180−α)/2 を成り立つように構成され 上記第1の偏向電磁石の出射側の磁極端において、特定
    の運動量を有する荷電粒子ビームが通過する部分が、磁
    極端法線方向とビーム出射方向のなす角度が概略0度と
    なるように部分的に階段状とされ、該階段状の部分を通
    過した荷電粒子ビームが入射する部分の上記第2の偏向
    電磁石の磁極端が、磁極端法線方向とビーム入射方向の
    なす角度が概略0度となるように部分的に階段状にされ
    ている ことを特徴とするビーム偏向装置。
  2. 【請求項2】 荷電粒子ビームの断面形状を制御する第
    1の四極電磁石が上記第1の偏向電磁石の入射側と上記
    第2の偏向電磁石の出射側にそれぞれ配設され、 上記真空輸送手段が上記第1の偏向電磁石で偏向された
    異なる運動量の荷電粒子ビームに対して輸送可能な真空
    容器からなることを特徴とする請求項に記載のビーム
    偏向装置。
  3. 【請求項3】 上記真空輸送手段は、上記第1の偏向電
    磁石で偏向された特定の運動量の荷電粒子ビームを個別
    に輸送する少なくとも1つの真空ダクトをさらに有し、 第2の四極電磁石が上記真空ダクトの周囲に配設され、
    上記第1の四極電磁石と共動して真空ダクトにより輸送
    される荷電粒子ビームの断面形状を制御するようにした
    請求項に記載のビーム偏向装置。
  4. 【請求項4】 運動量分析スリットが上記真空輸送手段
    により輸送される荷電粒子ビームのビーム進行方向に対
    して直角方向に移動可能に配設されていることを特徴と
    する請求項に記載のビーム偏向装置。
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