JP3352585B2 - 過電流通過表示装置 - Google Patents

過電流通過表示装置

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JP3352585B2
JP3352585B2 JP06871596A JP6871596A JP3352585B2 JP 3352585 B2 JP3352585 B2 JP 3352585B2 JP 06871596 A JP06871596 A JP 06871596A JP 6871596 A JP6871596 A JP 6871596A JP 3352585 B2 JP3352585 B2 JP 3352585B2
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覚 中村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は配電線路に地絡や
短絡等の事故に伴う過電流が流れたとき、それを速やか
に表示するために配電線路に吊り下げ支持する過電流通
過表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 一般に過電流通過表示装置の表示部分
には特開昭58−203915号にあるように表示筒内
の油等の粘性の有色流体中とそれより重い無色の透明流
体とを封入し2層に分離した同流体中に表示弁を配設し
たものがある。表示弁は正常電流値においては無色流体
側に位置し、過電流発生時に上昇して有色流体側に移動
する。その結果、正常時においては表示筒の透明な底面
から表示弁が視認可能となるが、過電流が通過した状態
では有色流体に遮られ表示弁が視認されなくなるもので
ある。
【0003】また、特開平1−287479号にあるよ
うに表示体が円筒形状の内筒とされ表示筒としての外筒
に対して回動可能とされたものがある。内筒は2色に塗
り分けられており、外筒の側面及び底面の開口窓から内
筒の外表面が一部露出するようになっている。そして、
過電流発生時には内筒が回動してこの開口窓から異常状
態を示す表示色を露出するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかし、前者におい
ては表示弁は表示筒の底面に現れるため過電流通過表示
装置のほぼ直下にこなければ視認することができない。
また、後者においては外筒の底面のみならず側面の開口
窓からも視認できるため視認範囲が拡大されるものの、
視認する位置によっては開口窓が見えない場合もあり、
また底面についてはかえって開口窓を形成したため視認
部の面積が減り視認しにくいものとなる。
【0005】本発明は上記課題を解決するためのもので
ある。その目的は、全方位にわたって確実に異常状態を
視認できる過電流通過表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】 上記の課題を解決する
ために、請求項1の発明では、電線に吊り下げ支持され
電線に流れる過電流を検出し、本体ケース下部の開口
部を包囲するように組付けられる箱体形状の透明カバー
内に設置した表示体に正常或いは異常状態のいずれかの
電流状態を表示させる過電流通過表示装置において、前
記表示体を球体形状とし、ほぼ水平方向に延出され前記
本体ケースに支持された回転軸を中心に反転可能とする
とともに、通常送電時の通常位置又は過電流発生時の反
転位置において前記本体ケース下部の開口部には同表示
体の前記透明カバー側に露出する露出部を上下半球毎に
それぞれ異なる表示色で色分けし、且つ前記表示体の回
転軸は電線軸に対して直交するようにしたことを要旨と
する。また、請求項2の発明では請求項1の発明の構成
に加え、前記表示体は合成樹脂製の中空球体であり前記
回転軸は同球体の中心を通過することを要旨とする。ま
た、請求項3の発明では請求項1又は請求項2の発明の
構成に加え、前記表示体は同表示体の両側に配設された
回転付与手段により回転を付与されることを要旨とす
る。
【0007】従ってこのように構成すると、請求項1の
発明では通常送電時において球体形状の表示体は通常送
電状態である表示色で表示された表示面を箱体形状の透
カバー側に露出する。一方、過電流発生時においては
表示体は本体ケースに支持された回転軸を中心に回転し
て異常時の表示色で塗られた表示面を箱体形状の透明
バー側に露出する。また、過電流通過表示装置が風にあ
おられて電線の軸線方向を中心として揺動しても、表示
体の回転軸が電線軸に対して直交しているため揺動運動
が伝達されずに表示体が一緒に揺動してしまうことがな
い。また、請求項2の発明では請求項1の発明の作用に
加え、いずれの方角からみても同じように視認でき、か
つ回転軸が同球体の中心を通過するため表示体が回転し
ても重量のバラツキがないため装置が揺動しにくくな
る。また、請求項3の発明では請求項1又は2の発明の
作用に加え、表示体の両側に配設された回転付与手段に
より表示体に加わる駆動力が偏り難くなる。
【0008】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の過電流通過表示
装置を具体化した実施の形態について図面に基づいて説
明する。 (実施の形態1)実施の形態1について図1〜図4に
づいて説明する。図1及び図2に示すように、過電流通
過表示装置は本体ケース10と本体ケース10の下方に
装着されたカバーたる透明カバー11とにより外形が構
成されている。本体ケース10は下方が開放された合成
樹脂製の箱体であり、過電流通過表示装置の機構部が配
設されている。透明カバー11は全面透明の合成樹脂製
の箱体であり、本体ケース10下部の開口部10aを包
囲するように本体ケース10に組付けられている。本体
ケース10内の上部寄り中央には電線Lが挿通されてい
る。電線Lの外周には同電線Lを取り囲むように環状に
コア12が配設されている。コア12にはコイル13が
巻回され、同コア12とコイル13とにより過電流を検
出する検出部14とされている。
【0009】図1及び図2において、本体ケース10内
の下方開口部10a左方には極性保持型の電磁石15が
配設されている。同電磁石15は鉄心16とコイル17
とより構成されている。鉄心16は磁性保持型の鉄心と
され、一旦コイル17に電流が流れると電流が切れた後
でも鉄心16の上下方向に発生した磁極をその向きで保
持することが可能となっている。本実施の形態では通常
送電時においては鉄心16は上側がN極、下側がS極と
なるように配設されている。本体ケース10内の下方開
口部10a右方にはリードスイッチ18が配設されてい
る。
【0010】本体ケース10内の中央下方開口部10a
には透明カバー11側に露出するように表示体20が配
設されている。表示体20は合成樹脂製の軽い中空球体
とされ、図1で示すように上下半球毎に塗り分けられて
いる。本実施の形態では通常送電時においては赤色(図
上斜線で表した箇所)の表示色Rが上半球側となり、白
色の表示色Wが下半球側となる。表示体20の左右には
水平方向に延出される回転軸21が形成されている。両
回転軸21はその先端において本体ケース10に固着さ
れた左右一対の軸受22によって支持されており、その
結果表示体20は同回転軸21を中心として回転可能と
されている。また、前記電線Lに対して同回転軸21は
直交状態とされている。
【0011】図1及び図2上、左方の回転軸21の先端
寄りには円盤形状の磁石23が固着されている。磁石2
3にはN又はSのいずれかの極性があり、本実施の形態
では通常送電時においては磁石23は上方側がN極とな
るように配設されている。同磁石23の上端部は前記電
磁石15の鉄心16の下端部に近接させられおり、図1
の状態で同磁石23のN極側と電磁石15の鉄心16の
S極側とが引きつけあっている。そのため、表示体20
は白色の表示色Wの下半球側を透明カバー11側に露出
したまま(図1の状態)で保持されている。
【0012】右方の回転軸21の先端寄りには円盤形状
の回転体24が固着されている。図4に示すように回転
体24の外周半面には磁石層24aが形成されている。
通常送電状態においてこの磁石層24aは下方側に位置
するようになっている。前記リードスイッチ18は回転
体24が反転しこの磁石層24aが上方側に位置するこ
とによってオン状態となる。
【0013】次に図3に基づいて本実施の形態の過電流
通過表示装置の電気的構成について説明する。過電流通
過表示装置の電気的構成は大別すると検出部14、コイ
ル17、リードスイッチ18、電源回路25、診断回路
26及びタイマー28とにより構成される。
【0014】電源回路25は本過電流通過表示装置を駆
動させるための電源を供給する回路であり、配電線Lよ
り給電された交流を直流成分に整流している。電源回路
25の第1の出力端子(マイナス端子)は電磁石15の
コイル17の中央の共通端子に接続されている。第2の
出力端子(プラス端子)はゲート1を介して電磁石15
のコイル17の始端に接続されて回路Aを構成し、ま
た、ゲート2を介して電磁石15のコイル17の終端に
接続されて回路Bを構成している。両回路A,Bは並列
回路とされている。第1及び第2の出力端子間にはコン
デンサCが接続されており、所定電圧をチャージする。
【0015】電源回路25の引込電線LSには検出部1
4が配設されている。検出部14は前記ゲート1及び診
断回路26に接続されている。検出部14は配電線Lに
流れる過電流のレベル検出を行い、その過電流が所定レ
ベル以上であると検出信号を前記ゲート1及び診断回路
26に出力する。
【0016】診断回路26には検出部14、リードスイ
ッチ18、タイマ28及び公知の磁気反転表示装置30
が接続されている。検出部14は所定値以上の過電流を
検出するとゲート1に出力しコイル17を励磁させ表示
体20を反転させる。しかし、所定値以上の過電流を検
出したにも係わらずリードスイッチ18がオフ状態、す
なわち表示体20が反転せず通常送電状態が維持されて
いる場合にはオフ信号が診断回路26に出力される。そ
して、診断回路26は検出部14からの過電流検出信号
及びリードスイッチ18からのオフ信号に基づいて磁気
反転表示装置30に駆動信号を出力する。磁気反転表示
装置30はこの駆動信号に基づいて異常表示を行い表示
体20が正常に表示していない、すなわち所定値以上の
過電流が生じたのに表示体20がその表示をしていない
旨の表示をする。
【0017】また、検出部14からの過電流検出信号が
診断回路26に出力されると同診断回路26はタイマ2
8に駆動信号を出力しタイマ28をスタートさせる。タ
イマ28は前記ゲート2に接続されており、所定時間
(本実施の形態では5時間)をカウントし、カウントア
ップした場合にゲート2にカウントアップ信号を出力す
る。また、タイマ28はカウントアップ時に診断回路2
6にもカウントアップ信号を出力する。診断回路26は
このカウントアップ信号とリードスイッチ18からのオ
フ信号がない場合、すなわち表示体20が復帰せず異常
送電状態のままである場合には磁気反転表示装置30へ
駆動信号を出力し、異常表示を行い表示体20が正常に
表示していない、すなわち通常送電状態に復帰したはず
なのに表示体20が異常状態を示したままである旨の表
示をさせる。
【0018】次に、本実施の形態の過電流通過表示装置
の作用について説明する。通常送電時においては図1に
示すように表示体20の回転軸21の磁石23のN極側
と電磁石15の鉄心16のS極側とが引きつけあってい
る。従って、表示体20は白色の表示色Wの下半球側が
透明カバー11側に露出されている(図1の状態)。
【0019】ここに、配電線Lに所定値以上の過電流が
流れると検出部14(コア12、コイル13)により検
出され、その検出信号はゲート1及び診断回路26に出
力される。するとゲート1は閉じられ回路Aは閉回路と
なる。そして、コンデンサCが放電され、その放電電流
がゲート1を通ってコイル17が励磁される。この励磁
により電磁石15の鉄心16の極性が転換される。すな
わち、通常送電時においては鉄心16は上側がN極、下
側がS極となっている。しかし、この放電により鉄心1
6の磁極は反転して上側がS極、下側がN極とされる。
鉄心16は磁性保持型の鉄心であるので、反転した磁極
は保持される。磁極が反転すると表示体20の回転軸2
1の磁石23と反発するようになるため、磁石23は鉄
心16から離間しようとし、その結果、表示体20は回
転軸21を中心に反転する。
【0020】すると、表示体20は赤色の表示色Rが下
半球側となり、透明カバー11側に赤色の表示色Rが露
出される(図2の状態)。この状態で、透明カバー11
を透して表示体20の赤色の表示色Rが装置直下のみな
らず同カバー11側面方向からも視認することができる
こととなる。同時に表示体20が反転すると、回転体2
4も反転し、磁石層24aが上方側に移行するためリー
ドスイッチ18はオン状態となる。また、診断回路26
からの駆動信号の出力によりタイマ28がスタートされ
る。
【0021】一方、作業者はこのタイマ28の作動期間
中においてどのポイントで過電流が発生したかを表示体
20の赤色の表示色Rで確認する。そして、赤色の表示
色Rが下半球側となってから5時間経過した段階におい
てタイマ28はカウントアップする。すると、タイマ2
8からのカウントアップ信号の出力に基づいてゲート2
は閉じられ回路Bは閉回路となる。そして、ゲート1側
から放電された後、再びコンデンサCにチャージされた
電流が同ゲート2を通ってコイル17に放電される。す
なわち、前記ゲート1とは逆方向から電流が流れる。す
ると、鉄心16の磁極は再び反転して上側がN極、下側
がS極とされる。磁極が反転すると再び磁石23は鉄心
16から離間しようとし、表示体20は回転軸21を中
心に反転する。そして、表示体20は白色の表示色Wが
下半球側となり、透明カバー11側に白色の表示色Wが
露出される(図1の状態)。
【0022】そして、表示体20が再度の反転(通常送
電位置へ復帰)をすると、回転体24も反転し、磁石層
24aが上方側に移行するためリードスイッチ18は再
びオフ状態となる。
【0023】ここに、検出部14が過電流を検出して検
出信号を診断回路26に出力している場合、表示体20
の回転機構にトラブルがなければ回転体24が反転して
リードスイッチ18はオン状態となるはずである。とこ
ろが、なんらかの原因で表示体20が回転しなかった場
合にはリードスイッチ18はオフ状態を維持することと
なる。この場合には過電流検出信号とリードスイッチ1
8のオフ信号に基づいて診断回路26は磁気反転表示装
置30に駆動信号を出力し、異常状態である旨の表示を
させる。
【0024】一方、タイマ28がタイムアップした場合
には表示体20の回転機構にトラブルがなければ回転体
24が反転して復帰し、リードスイッチ18はオフ状態
となるはずである。ところが、なんらかの原因で表示体
20が復帰しなかった場合にはリードスイッチ18はオ
ン状態を維持することとなる。この場合には過電流検出
信号とリードスイッチ18のオン状態に基づいて診断回
路26は磁気反転表示装置30に駆動信号を出力し、異
常状態である旨の表示をさせる。
【0025】以上のように構成することで次のような効
果を奏する。 (1)作業員が過電流通過表示装置を点検する場合には
透明カバー11を透して表示体20を下方からだけでな
く側方からも視認することができるため、装置直下にい
かずともよく過電流の発生をより迅速にチェックするこ
とができる。
【0026】(2)透明カバー11を透して視認するた
めに窓が設けられておらず、全方位から表示体20を視
認できるため側方から視認する場合に死角がなくなる。 (3)回転軸21と配電線Lとが直交状態であるため、
過電流通過表示装置が風にあおられて配電線Lの軸線方
向を中心に揺動しても、表示体20が揺動運動が伝達さ
れず表示体20が一緒に揺動してしまうことがない。
【0027】(4)球体の表示体20は球体であり丁度
中央で上下半球毎に塗り分けられている。そして、回転
軸21はこの球体の表示体20中心を通過し、かつ塗り
分けた境界を含む面上にある。従って、表示体20は回
転むらなくスムーズに回転し装置に揺れを引き起こす可
能性が少ない。また、いずれの方位からも同じように視
認でき視認場所によって見にくくなることがない。
【0028】(5)一瞬の放電だけで電磁石15の鉄心
16を励磁させて磁極の向きを反転させることができる
ため、反転状態を維持するために電流を流し続けたり、
機械的な保持機構を設ける必要がなく構成が極めて簡単
になり、その結果故障が少なくかつコストダウンにつな
がる。
【0029】(6)5時間経過するとタイマ28がカウ
ントアップして回路Bにより電磁石15の鉄心16が励
磁され表示体20が反転する。そして、自動的に表示体
20の下半球側が再び通常送電時である白色の表示色W
となるため作業者がわざわざ復帰させる必要がない。
【0030】(7)過電流が発生したにもかかわらず表
示体20が反転しなかった場合にはリードスイッチ18
が診断回路26にオフ信号を出力し、診断回路26が同
出力信号と過電流検出信号とに基づいて磁気反転表示装
置30に異常である旨を表示させるため表示体20の異
常が確実に視認できる。また通常送電状態に復帰したに
もかかわらず表示体20が反転しなかった場合には、診
断回路26はリードスイッチ18からのオフ信号を検出
せず、一方、タイマ28からカウントアップ信号を入力
される。これにより同様に磁気反転表示装置30に異常
である旨を表示させることができる。
【0031】(実施の形態2)実施の形態2について図
5及び図6に基づいて説明する。実施の形態2において
は、実施の形態1のリードスイッチ18の代わりに電磁
15が配設され、回転体24の代わりに磁石23が配
設される。すなわち、表示体20の両側には回転付与手
段を構成する電磁石15と磁石23が配設されることと
なる。その他の構造的構成は実施の形態1と同じであ
る。
【0032】次に図6に基づいて本実施の形態の過電流
通過表示装置の電気的構成について説明する。過電流通
過表示装置の電気的構成は大別すると検出部14、コイ
ル17、電源回路25、診断回路26及びタイマー28
とにより構成される。
【0033】電源回路25は本過電流通過表示装置を駆
動させるための電源を供給する回路であり、配電線Lよ
り給電され交流を直流成分に整流している。電源回路2
5の第1の出力端子(マイナス端子)は両電磁石15の
コイル17の中央の共通端子に接続されている。第2の
出力端子(プラス端子)はゲート1を介して電磁石15
のコイル17の始端に接続されて回路Aを構成し、ま
た、ゲート2を介して電磁石15のコイル17の終端に
接続されて回路Bを構成している。両回路A,Bは並列
回路とされている。第1及び第2の出力端子間にはコン
デンサCが接続されており、所定電圧をチャージする。
【0034】電源回路25の引込電線LSには検出部1
4が配設されている。検出部14は前記ゲート1及び診
断回路26に接続されている。検出部14は配電線Lに
流れる過電流のレベル検出を行い、その過電流が所定レ
ベル以上であると検出信号を前記ゲート1及び診断回路
26に出力する。
【0035】診断回路26には検出部14及びタイマ2
8が接続されている。検出部14は所定値以上の過電流
を検出するとゲート1に出力しコイル17を励磁させ表
示体20を反転させる。また、検出部14からの過電流
検出信号が診断回路26に出力されると同診断回路26
はタイマ28に駆動信号を出力しタイマ28をスタート
させる。タイマ28は前記ゲート2に接続されており、
所定時間(本実施の形態では5時間)をカウントし、カ
ウントアップした場合にゲート2にカウントアップ信号
を出力する。
【0036】次に、本実施の形態の過電流通過表示装置
の作用について説明する。通常送電時においては図5に
示すように表示体20の回転軸21の図上左右の磁石2
3のN極側と電磁石15の鉄心16のS極側とが引きつ
けあっている。従って、表示体20は白色の表示色Wの
下半球側が透明カバー11側に露出されている(図1の
状態)。
【0037】ここに、配電線Lに所定値以上の過電流が
流れると検出部14(コア12、コイル13)により検
出され、その検出信号はゲート1及び診断回路26に出
力される。するとゲート1は閉じられ回路Aは閉回路と
なる。そして、コンデンサCが放電され、その放電電流
がゲート1を通ってコイル17が励磁される。この励磁
により電磁石15の鉄心16の極性が転換される。すな
わち、通常送電時においては鉄心16は上側がN極、下
側がS極となっている。しかし、この放電により鉄心1
6の磁極は反転して上側がS極、下側がN極とされる。
鉄心16は磁性保持型の鉄心であるので、反転した磁極
は保持される。磁極が反転すると表示体20の回転軸2
1の磁石23と反発するようになるため、磁石23は鉄
心16から離間しようとし、その結果、表示体20は回
転軸21を中心に反転する。
【0038】すると、表示体20は赤色の表示色Rが下
半球側となり、透明カバー11側に赤色の表示色Rが露
出される。この状態で、透明カバー11を透して表示体
20の赤色の表示色Rが装置直下のみならず同カバー1
1側面方向からも視認することができることとなる。同
時に表示体20が反転すると、回転体24も反転し、磁
石層24aが上方側に移行するためリードスイッチ18
はオン状態となる。また、診断回路26からの駆動信号
の出力によりタイマ28がスタートされる。
【0039】一方、作業者はこのタイマ28の作動期間
中においてどのポイントで過電流が発生したかを表示体
20の赤色の表示色Rで確認する。そして、赤色の表示
色Rが下半球側となってから5時間経過した段階におい
てタイマ28はカウントアップする。すると、タイマ2
8からのカウントアップ信号の出力に基づいてゲート2
は閉じられ回路Bは閉回路となる。そして、ゲート1側
から放電された後、再びコンデンサCにチャージされた
電流が同ゲート2を通ってコイル17に放電される。す
なわち、前記ゲート1とは逆方向から電流が流れる。す
ると、鉄心16の磁極は再び反転して上側がN極、下側
がS極とされる。磁極が反転すると再び磁石23は鉄心
16から離間しようとし、表示体20は回転軸21を中
心に反転する。そして、表示体20は白色の表示色Wが
下半球側となり、透明カバー11側に白色の表示色Wが
露出される(図1の状態)。
【0040】以上のように構成することで実施の形態1
の(1)〜(6)の効果に加え、次のような効果を奏す
る。 (1)表示体20は両側に配設された電磁石15及び磁
石23によって均等に左右から駆動を付与される。従っ
て、駆動力に偏りが生じ難くバランスよく表示体20を
回転させることができる。
【0041】また、本発明は次のように変更して実施す
ることも可能である。 1)実施の形態1又は2において表示体20の形状を球
体ではなく図7(a)のように2枚の円盤を直交させた
ような形状に変更することも可能である。このように構
成しても、反転させれば赤白面を交互に透明カバー11
側に露出させることができ、上記実施の形態1及び実施
の形態2の効果を奏する。
【0042】2)更に,図7(a)の表示体20におい
て直交した2枚の円盤に対して3枚めの円盤を直交させ
た図7(b)ような形状とすることも可能である。この
場合も他の構成は上記実施の形態1,2と同様であり
と同様の効果を奏する。また上記実施の形態のように完
全に二色に塗り分けなくともよい。例えば、視認しにく
い回転軸21付近は必ずしも塗る必要はないからであ
る。その他、本実施の形態はその趣旨を逸脱しない態様
で変更して実施の形態することは自由である。
【0043】また、以上の実施の形態によって把握され
るその他の技術的思想について、その効果とともに以下
に記載する。 (1)過電流により表示体が異常状態を示した場合に、
その異常状態を検出する検出手段(上記実施の形態1で
はリードスイッチ18)と、同検出手段からの検出信号
と過電流検出手段(上記実施の形態1では検出部14)
からの検出信号に基づいて表示体の異常状態を異常表示
手段(上記実施の形態1では磁気反転表示装置30)に
より表示させるようにした。このようにすれば、表示体
が異常状態となっても確実に異常表示手段の表示を見て
表示体の正常或いは異常状態を確認できる。
【0044】(2)過電流検出手段(上記実施の形態で
は検出部14)からの検出信号に基づいて表示体を駆動
する駆動手段(上記実施の形態では電磁石15、鉄心1
6及びコイル17)と、同過電流検出手段からの検出信
号に基づいてタイマをスタートさせるタイマ駆動手段
(上記実施の形態では診断回路26)とを有し、同タイ
マはカウントアップすると復帰手段(上記実施の形態で
は復帰回路27内のゲート2)に出力して表示体を復帰
させるようにした。このようにすれば、表示体を自動的
に通常送電状態の表示に復帰させることができる。
【0045】
【発明の効果】 以上詳述したように、請求項1乃至3
の発明の過電流通過表示装置によれば、箱体形状の透明
カバーを透して表示体を下方からだけでなく側方からも
視認することができるため、装置直下にいかずともよく
過電流の発生をより迅速にチェックすることができる。
また箱体形状の透明カバーを透して視認するために窓が
設けられておらず、全方位から表示体を視認できるため
側方から視認する場合に死角がなくなることとなる。さ
らに、過電流通過表示装置が風にあおられて電線の軸線
方向を中心に揺動しても、表示体が揺動運動が伝達され
ず表示体が一緒に揺動してしまうことがない。
【0046】また請求項2の発明では加えていずれの方
角からみても同じように視認でき、かつ回転軸が同球体
の中心を通過するため表示体が回転しても重量のバラツ
キがないため装置が揺動しにくくなる。請求項の発明
では加えて表示体のバランスのよい回転を付与すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る過電流通過表示装置の一部切欠正
断面図である。
【図2】同じ実施の形態1の一部切欠正断面図である。
【図3】同じ実施の形態1における回路図である。
【図4】同じ実施の形態1の回転体の斜視図である。
【図5】他の実施の形態2の一部切欠正断面図である。
【図6】同じ実施の形態2における回路図である。
【図7】(a)は他の実施の形態の表示体の斜視図であ
り2枚の円盤が直交したもの、(b)は更にもう1枚の
円盤を直交させた表示体の斜視図である。
【符号の説明】
10…本体ケース、10a…開口部、11…カバーたる
透明カバー、15…回転付与手段たる電磁石、21…回
転軸、20…表示体、21…回転軸、23…回転付与手
段たる磁石、L…電線たる配電線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊田 靖臣 愛知県犬山市字上小針1番地 エナジー サポート 株式会社内 (72)発明者 佐藤 隆幸 愛知県犬山市字上小針1番地 エナジー サポート 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−200179(JP,A) 特開 平6−118882(JP,A) 特開 平5−188872(JP,A) 特開 平1−287479(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 19/165 G01R 15/18 H02H 3/08 G01R 31/08 G01R 31/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電線に吊り下げ支持されて電線に流れる
    過電流を検出し、本体ケース下部の開口部を包囲するよ
    うに組付けられる箱体形状の透明カバー内に設置した表
    示体に正常或いは異常状態のいずれかの電流状態を表示
    させる過電流通過表示装置において、 前記表示体を球体形状とし、ほぼ水平方向に延出され前
    記本体ケースに支持された回転軸を中心に反転可能とす
    るとともに、通常送電時の通常位置又は過電流発生時の
    反転位置において前記本体ケース下部の開口部には同表
    示体の前記透明カバー側に露出する露出部を上下半球毎
    それぞれ異なる表示色で色分けし、且つ前記表示体の
    回転軸は電線軸に対して直交するようにした過電流通過
    表示装置。
  2. 【請求項2】 前記表示体は合成樹脂製の中空球体であ
    り前記回転軸は同球体の中心を通過する請求項1記載の
    過電流通過表示装置。
  3. 【請求項3】 前記表示体は同表示体の両側に配設され
    た回転付与手段により回転を付与される請求項1又は2
    記載の過電流通過表示装置。
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