JP3352098B2 - 超音波エコーグラフによる物体検査装置 - Google Patents

超音波エコーグラフによる物体検査装置

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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、m個の超音波トランス
ジューサ素子のアレイから超音波信号を検査すべき物体
に送信させる送信工程と、検査される前記物体によって
前記トランスジューサ素子に戻されるエコーグラフ信号
を受信すると共に処理する受信兼処理工程とを具え、超
音波開口を構成するn個のトランスジューサ素子に関連
づけられるn個の送信チャネル及びn個の受信チャネル
に適切な遅延ルールを与えて前記信号をそれぞれ集束さ
せるフォーカシング工程を含み、前記受信兼処理工程
が: (a)受信モードでのフォーカシング後に入手し得るn
個の信号について2つずつの相関をとって、(n−1)
個のフォーカシング遅延補正値を求める相関工程と; (b)次の超音波信号の駆動中、又は同じ超音波信号の
駆動中のフォーカシング遅延を、前記求めた(n−1)
個の遅延補正値の関数として補正する補正工程とを含ん
でいる超音波エコーグラフによる物体の検査方法に関す
るものである。
【0002】さらに本発明は斯かる方法を実施するため
の装置、即ち、検査すべき物体に超音波トランスジュー
サ素子により超音波信号を送信させる送信段及び検査さ
れる前記物体により前記トランスジューサ素子に戻され
るエコーグラフ信号を受信すると共に処理する受信兼処
理段に関連づけられるm個の超音波トランスジューサ素
子のアレイと、該トランスジューサ素子のアレイを横切
って超音波開口をシフトさせる走査制御段とを具え、前
記送信段及び前記受信兼処理段が、前記超音波開口を構
成するn個のトランスジューサ素子に関連づけられるn
個の送信チャネル及びn個の受信チャネルに適切な遅延
を与えることにより前記信号を集束させるそれぞれのフ
ォーカシング手段を具え、前記受信兼処理段が: (a)前記n個の受信チャネルに並列に接続され、これ
らn個のチャネルに関連づけられるn個の集束信号の2
つずつの相関をとって、(n-1) 個のフォーカシング遅延
補正値を求める相関手段と; (b)次の超音波信号の駆動中、又は同じ超音波信号の
駆動中のフォーカシング遅延を、前記求めた (n-1)個の
遅延補正値の関数として補正する補正手段;も具えてい
る超音波エコーグラフによる物体検査装置にも関するも
のである。
【0003】斯様な方法及び装置は特に医療分野、又は
任意タイプの物質の非破壊試験用に用いることができる
が、本発明はこのような用途に限定されるものではな
い。
【0004】
【従来の技術】エコーグラフ装置は情報源として超音波
放射を利用する物体検査用の装置である。斯種の装置の
作動には、検査すべき物体に超音波信号を周期的に与え
るようにする送信工程並びに検査される物体中にて遭遇
される障害物により戻されるエコー信号に対する受信兼
処理工程が含まれる。これら2つの工程は物体に接触さ
せる同じ超音波プローブにより実行される。このプロー
ブは、一般に超音波トランスジューサのアレイで構成さ
れるものである。
【0005】超音波の送信工程中、物体は1つのライン
に沿って選択的に走査される。受信工程中には、物体中
の超音波走行時間及び前記走査ラインに沿って遭遇され
る種々の障害物から生じるエコーの振幅を考慮して、前
記走査ラインの像を形成する。或るスライスの像は斯様
なラインを走査することによって形成される。適切な解
像度を得るために、超音波を集束させて駆動させること
により物体を極めて選択的に走査し、且つ受信時にはフ
ォーカシング開口を用いることにより同じラインから生
じているエコーを選択し得るようにする試みが成されて
いる。
【0006】当今のフォーカシング技術は、線形アレイ
のトランスジューサを用い、且つ超音波信号の送信時に
トランスジューサ励振パルスに課した遅延ルール(規
則)により集束入射ビームを規定することにある。受信
時には、アレイの各トランスジューサにより受信された
信号を加算し、且つさらに処理する前に、これらの信号
を適当に遅延させることにより送信時と同様な方法でフ
ォーカシングを行なうようにする。集束点(この点は走
査されるライン上に位置する)から生じるエコーに対す
る信号の振幅は高くなり、他の全てのエコーに対する信
号振幅値は弱くなるように、受信モードにて信号を処理
することを通常「チャネリング」と称している。
【0007】超音波ビームを完全なラインに適切に集束
させるために、当今のエコーグラフ装置は、受信モード
にフォーカシングルールを利用し、このルールが、任意
瞬時に受け取られるエコーに適合されるように時間の関
数として迅速に変わるようにしている。これは、エコー
グラフの時間と深度との間に、遠方の障害物により戻さ
れたエコーが遅れて到達するような、一義的な関係があ
るから可能である。実際には簡単にするために、一般に
受信フォーカシングを連続的に変えないで、走査される
領域内で変えるようにしている。フォーカシング遅延ル
ールは、種々の幾何学的に考慮すべき事柄を適用し、特
に走査される物体中の音の伝搬速度は一定であるとする
ことにより決定している。有効なフォーカシングにとっ
ては、適用する遅延精度を1/8波長とする必要もあり、
例えば中心周波数が5MHzのプローブの場合、遅延は 25
ns(=200ns/8)のステップで可変としなければならな
い。
【0008】線形アレイのトランスジューサ素子を用い
ることによりフォーカシングを行なえるだけでなく、二
次元像を形成するのに必要な走査をすることもできる。
この走査は図1につき説明する少なくとも3つの異なる
方法で行なうことができる。図1は、それぞれ使用する
音響開口がAで、形成されるビームの軸線がBで、被検
査領域の境界がDであるそれぞれ異なる3つのタイプの
プローブを示している。
【0009】最初の最も簡単な方法(図1a参照)は、
100個 (又はそれ以上)のトランスジューサのアレイ(現
在では 128個のトランスジューサが用いられている) を
用いるやり方である。従って、所定の幅 (代表的には16
〜64個の素子) を有し、且つ送信モード並びに受信モー
ドにてアレイに垂直に延在する軸線に沿って集束する送
/受信開口が規定される。走査はアナログ多重すること
により開口を変位させることによって行われる。斯くし
て規定される2つの連続する開口は、1つ又は数個のト
ランスジューサ素子を除く開口全体を構成する共通部分
を有する。この動作モードによればプローブの陰影を付
した個所内に位置する物体の領域の像を得ることができ
る。
【0010】他の2つの走査技法によれば、像の全ての
ラインに対してプローブの全素子を用いるようにする。
これらのプローブは現在64又は 128個の素子で構成して
いる。これら2つのモードの一方 (図1b参照)では、
アレイに対して垂直のラインを形成するようにフォーカ
シングルールを算定する。この場合にも、走査される物
体の領域はプローブの陰影を付した個所内に位置する。
このモードの重要性は全ての素子を使用し、即ち大きな
開口を用いることにより解像度を高くし得ることにあ
る。
【0011】他のモード(図1c参照)は特に物体上の
プローブの大きさよりも大きい領域の像を得るのに用い
られる。送信及び受信用の遅延ルールは、超音波ビーム
がプローブの軸線に対して任意の角度を取り囲むことが
できるように算定する。像は扇形角度(通常−45゜〜+
45゜) を走査することにより得られる。斯種のシステム
はフェーズドアレイと称され、特に医療用途にて両端間
の1つのインターバルにより形成される音響ウィンドウ
を経て心臓の像を形成することができる。
【0012】他の種類のプローブもあり、これは例えば
湾曲線形アレイ(図1d参照)を用いるもので、このア
レイは接線方向に対して垂直の方向に超音波ビームを放
射させることができるため、このプローブの大きさより
も大きな領域内の物体像を得ることができる。エコーグ
ラフ装置の目的は像を形成することにあり、チャネリン
グ後に得られる信号を処理する必要がある。この処理操
作は次の2の主工程にて行われる。即ちその1つは、得
られた信号から振幅情報を抽出するエンベロープ検出工
程であり、他の1つは、信号のエンベロープ内に含まれ
る時間情報と、プローブに対する各ラインの位置とに基
づいて像を再構成する走査変換工程である。
【0013】従来のエコーグラフ装置に対する上述した
ような一般的な動作は図2に示したような構成のもので
行なうことができる。図2に示すエコーグラフ装置は先
ずm個の超音波トランスジューサ10a〜10mのアレイを
具えており、これらのトランスジューサは開口を規定し
得るアナログポインタ15に接続される。このアナログポ
インタ15は送信段20及び受信兼処理段30に接続されてい
る。
【0014】一般に、送信段20は次のような素子を具え
ている。即ち、 (a)超音波の駆動リズムを例えば3〜5kHz 程度の反
復周波数に規定する回路で、本来発振器及び必要な種々
のクロック信号を供給する分周器を具えているシーケン
サ回路21; (b)シーケンサ回路21の出力端子に接続され、トラン
スジューサを励振させる電気信号を送信する働きをする
回路22であって、斯かるトランスジューサの励振を時間
ルールに従って制御して超音波信号を適切に集束させる
ことのできるようにするか、又は位相制御して、回路22
の出力端子に接続される(図2がこの場合である)か、
又は送信用に用いられるn個のトランスジューサに関連
づけられるn個の送信チャネル(nはmよりも小さい)
におけるn個の遅延線23a〜23nにより種々のフォーカ
シング遅延が得られるようする制御回路22; (c)フォーカシングを上記(b)で示したような 回路22
により行わない場合には、n個の遅延線23a〜23nが電
子フォーカシング回路23を構成するようにする; (d)高電圧駆動し、トランスジューサにより超音波信
号を送信させる高圧パルス発生用の回路24。
【0015】シーケンサ回路21は超音波駆動用の同期パ
ルスだけでなく、送信モードでのフォーカシングを制御
するための回路25に対する制御信号も供給する。この回
路25はメモリを具えており、このメモリは各トランスジ
ューサに対する送信モードにおける遅延ルールのシーケ
ンスを含んでおり、このシーケンスは各超音波駆動に対
して所定のルールに従ってフォーカシング回路23の遅延
線23a〜23nを編成する働きをする。
【0016】受信兼処理段30は先ずn個の受信兼処理チ
ャネルから成り、これらのチャネルは図2の例では次の
ような素子を具えている。即ち、 (a)トランスジューサアレイの開口に対応するn個の
エコーグラフ信号を受信するn個の前置増幅器31a〜31
nから成る前置増幅器回路31; (b)利得を時間の関数として補償する利得補償回路3
2; (c)受信モードでのフォーカシングを行なう遅延線33
a〜33nから成る遅延回路33。
【0017】利得補償回路32は利得が時間の関数として
変化し得るn個の増幅器32a〜32nを具え、これらの増
幅器はシーケンサ回路21から同期パルスを受信する制御
回路35によって制御される。受信モードでのフォーカシ
ング用の回路33はメモリ34に接続され、このメモリは各
チャネルに対し各フォーカシング領域及び像の各ライン
に対する遅延ルールのセットを記憶する。メモリ34自体
もシーケンサ回路21によって制御される。
【0018】従って、加算装置41は斯様にして形成され
るn個の受信兼処理チャネルの出力信号(実際には回路
33の出力信号)を受信し、これには走査した物体のスラ
イスの像を得ることができる既知の回路が後続する。こ
の回路の群を一括して“処理兼表示サブ−アセンブリ4
2”と総称し、これは図3に示すように、- 加算装置4
1の出力信号を受信するエンベロープ検出器43及びこれ
に後続するアナログ−ディジタル変換器44と;- このア
ナログ−ディジタル変換器44の出力信号を受信すると共
にプローブに対し走査されるラインの位置を規定するメ
モリ46の出力信号を受信し、且つシーケンサ回路21によ
り供給される同期信号も受信する走査変換器45と;- こ
の走査変換器45の出力信号に対するバッファメモリとし
て作用し、その出力信号自体をメモリの読取り後に表示
スクリーン48に表示する像メモリ47とを具えている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】従来のエコーグラフ装
置の構成についての斯様な概要は一般的なものであり、
時間の関数としての利得補償回路32の出力側に例えばア
ナログ−ディジタル変換器を挿入することによって受信
モードでの信号のデジタル処理(又はチャネルの形成)
に関し種々の変更を行うこともできる。所定のハイ‐エ
ンドエコーグラフ装置における改良は、図4に示す例か
ら明らかなように、2つの個別の利得補償回路321 及び
322 で時間の関数としての利得補償を分けて行なうよう
にする。即ち、これら回路のうちの一方の回路は、回路
31の出力側で、受信モードにおけるフォーカシング及び
加算をする回路の前、即ち上流に配列して、大部分の雑
音を予め除去する最初の利得補償を行い、他方の回路は
前記サブ‐アセンブリ42の直前で、前記フォーカシング
及び加算をする回路の下流に位置させて、微細な利得相
補補償を行い得るようにする。
【0020】しかし、上記フォーカシング及び加算機能
は、図4に示すようにポインタ36及び単一遅延線37を用
いることにより上述した以外の手段で行うこともでき
る。上記ポインタ36は、上述したように回路21の出力側
に接続されたメモリ34によって制御され、このポインタ
は、開口におけるトランスジューサと同一の多数の入力
端子及び可能な遅延を行い得る数の多数の出力端子を具
えている。これら出力端子は遅延線37の種々の入力端子
に接続される。ポインタ36は利得補償回路321 の出力信
号を受信して、これら信号を電流に変換し、次いで斯様
にして形成した各信号を所望遅延量に対応する出力端子
に供給する。加算は遅延線37に入る電流の自然加法によ
って行われる。
【0021】当今のエコーグラフ装置の作動原理は一般
に、走査される組織内における超音波の速度が一定であ
るとする仮説に基づくもので、特に超音波ビームの種々
のフォーカシング遅延及び任意の角度を計算し得ると共
にエコーの走行時間に関する情報を深度情報に変換し得
るとしていることにある。しかし、この仮説が正しいと
実証されること希である:超音波の伝搬速度は、例え
ば、肝臓では平均値で1540 m/sであるが、脂質組織
ではほぼ1300m/sである。従って、送信及び受信中超
音波ビームのデフォーカシングが生じ、像の精細度及び
コントラストが損なわれ、この傾向はフォーカシング開
口が大きくなるにつれて、また、使用するプローブの周
波数が高くなるにつれて大きくなる。このように観察さ
れる像の劣化に及ぼす周波数の影響は、周波数が高くな
るにつれて良好となる精度に対応する波長のほぼ1/8
の遅延精度を保持する必要性を考察することにより理解
でき、また、開口の幅による影響は、開口が大きくなる
につれて、音速が異なる領域に遭遇する確率が大きくな
ると云うことを認識することによって説明することがで
きる。
【0022】斯様なデフォーカシングをまねく妨害を低
減する1つの解決策は、種々のトランスジューサにより
受信されたエコーグラフ信号の相関をとり、次いでこれ
らの各信号を合成する前に遅延することによる比較処理
及びエンベロープ検出、フィルタ処理及び表示に関する
作動の実行にある。従って、このような作動は、受信チ
ェーンにおける単一の補正処理と、最初の駆動後に、受
信したエコーグラフ信号の各々に施す遅延処理とにあ
る。ヨーロッパ特許出願EP256、481号明細書に
は、斯様な方法を用いる適応(アダプティブ)フォーカ
シング装置を具える超音波エコーグラフ装置が記載され
ている。このヨーロッパ特許出願には上述した方法を如
何様にして実施し得るかについても記載されている。本
発明の目的は超音波速度の不均一性の影響を補正する方
法を実施する装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、m個の
超音波トランスジューサ素子のアレイから超音波信号を
検査すべき物体に送信し、検査される前記物体によって
前記トランスジューサ素子に戻されたエコーグラフ信号
を受信すると共に処理し、超音波開口を構成するn個の
トランスジューサ素子に関連づけられるn個の送信チャ
ネル及びn個の受信チャネルに適切な遅延ルールを与え
て前記信号をそれぞれ集束させ、前記エコーグラフ信号
の受信兼処理が: (a)受信モードでのフォーカシング後に入手し得るn
個の信号について2つずつの相関をとって、(n−1)
個のフォーカシング遅延補正値を求める相関処理と; (b)次の超音波信号の駆動中、又は同じ超音波信号の
駆動中のフォーカシング遅延を、前記求めた(n−1)
個の遅延補正値の関数として補正する処理とを含んでい
る超音波エコーグラフによる物体の検査に当り、前記エ
コーグラフ信号の受信兼処理が、送信モードでのフォー
カシング遅延補正をする前に、1個か又は前記数nに対
して少ないp個のトランスジューサ素子の分だけ開口を
シフトさせる処理を含み、送信モードにおける前記フォ
ーカシング遅延補正が2つの連続する開口に共通の(n
−p)個のトランスジューサ素子だけに適用されるよう
にする。
【0024】このようにすれば、かかる補正を超音波エ
コーグラフ装置においてリアルタイムで実行することが
でき、また、検査すべき各物体の像に必要とされる遅延
が必ずしも同じではないため、超音波開口を斯様にシフ
トさせて、フォーカシング遅延補正を2つの連続する開
口に共通のトランスジューサ素子だけに適用することに
よって、超音波速度の不均一性の影響を良好に補正する
ことができると云う利点がある。
【0025】数n=mの場合には、即ち、m個のトラン
スジューサ素子の全部を常時使用する場合には、n個の
所定数のトランスジューサ素子の選択数を変更するので
はなくて、m個のトランスジューサ素子に適用する遅延
ルールを修正することによって開口のシフトを行うので
あって、この場合の補正処理はこれらm個のトランスジ
ューサ素子の全部に関連する。従って、次のラインの補
正に対し1ラインの駆動中に推測された遅延を用いて、
像ラインの各々に対し単一の駆動を必要とし、これは像
速度に対し有利である。従って、同一ラインで反復補正
を行う必要がない。その理由は、これらの補正が1ライ
ンから他のラインに補正伝搬されることにより自動的に
実施されるからである。しかし、この方法によれば、第
1ラインが補正されなくなる。これは、例えば、各像に
対し追加の駆動を行うことによって救済することがで
き、この駆動は上記第1ラインの補正に対してのみ行わ
れるものである。各開口における1つのトランスジュー
サが補正を受けない線形走査の場合には、隣接するトラ
ンスジューサ素子に対して補正を行うようにする。その
理由は超音波の速度変動は斯様な短い距離に対してはゆ
っくり進展するに過ぎないからである。
【0026】全走査深度に対して最大の解像度が所望さ
れる場合には、像速度の減少を犠牲にするが、像ライン
当たり数回の駆動を行うのが有利である。超音波速度の
変動を補正する必要がある場合にも、各駆動に対し種々
の遅延を求めることができる。従って、この方法により
各送信フォーカスに対して2回(又はそれ以上)の駆動
を行うか、又は1つの深度から他の深度まで、次いで1
ラインから他のラインまで縦続補正を行うか、或いはま
た、同一深度で前のラインに対して求めた遅延を各深度
に対して行うことができる。
【0027】さらに本発明によれば、前記エコーグラフ
信号の受信兼処理が、フォーカシング遅延補正の前に、
走査される物体(又は媒質中)の無エコー領域の検出及
び/又はフォーカシング遅延における線形成分の検出も
行なうようにする。実際上あらゆる超音波検査技法で
は、比較的均一であると思われる媒質、即ち、検査すべ
き媒質の残部よりも明るいターゲットのない媒質、或は
これに対し無エコー領域のない媒質から発生する信号を
基にして収差を補正する。しかし、検査する組織が極め
て不均質なことがよくあり、従ってこれらの不規則性を
検出することは極めて有効である。検査したラインの軸
線からずれて位置する明るいターゲットが相関すべき信
号と干渉するエコーを出す場合には、補正遅延の計算は
誤りとなるが、これらの遅延における線形成分の存在に
よって斯かる位置を検出することができる。無エコー領
域の検出は、例えば、受信した信号の振幅と像全体の平
均値とを比較することによって及び斯かる場合における
補正遅延の修正をやめることによって検出することがで
きる。
【0028】本発明は、検査すべき物体に超音波トラン
スジューサ素子により超音波信号を送信させる送信段及
び検査される前記物体により前記トランスジューサ素子
に戻されるエコーグラフ信号を受信すると共に処理する
受信兼処理段に関連づけられるm個の超音波トランスジ
ューサ素子のアレイと、該トランスジューサ素子のアレ
イを横切って超音波開口をシフトさせる走査制御段とを
具え、前記送信段及び前記受信兼処理段が、前記超音波
開口を構成するn個のトランスジューサ素子に関連づけ
られるn個の送信チャネル及びn個の受信チャネルに適
切な遅延を与えることにより前記信号を集束させるそれ
ぞれのフォーカシング手段を具え、前記受信兼処理段
が: (a)前記n個の受信チャネルに並列に接続され、これ
らn個のチャネルに関連づけられるn個の集束信号の2
つずつの相関をとって、(n-1) 個のフォーカシング遅延
補正値を求める相関手段と; (b)次の超音波信号の駆動中、又は同じ超音波信号の
駆動中のフォーカシング遅延を、前記求めた (n-1)個の
遅延補正値の関数として補正する補正手段;も具えてい
る超音波エコーグラフによる物体検査装置において、前
記走査制御段が、前記開口を1個か又は前記数nに対し
て少ないp個のトランスジューサ素子の分だけ前記開口
をシフトさせる手段を具え、送信モードにおける各フォ
ーカシング遅延補正が前記シフト後で、しかも2つの連
続する開口に共通の (n-p)個のトランスジューサ素子だ
けに適用されるようにしたことを特徴とする。
【0029】本発明による装置の好適例では、n=mの
場合に、走査制御段が、トランスジューサ素子に適用し
た遅延ルールを修正することにより前記開口をシフトさ
せる手段を具えるようにする。最後に、本発明によれ
ば、前記フォーカシング遅延補正を所定基準の関数とし
て中断させる手段も具えるようにする。
【0030】
【実施例】以下図面につき本発明の実施例を説明する。
従来の超音波エコーグラフによる物体の検査は、m個の
トランスジューサ素子(超音波開口を構成するために、
このうちのn個のトランスジューサが選択される)の回
路網による周期的駆動を伴なう送信工程を含むものであ
る(nは一般にmより小、n<m)。n個の超音波信号
を走査すべき物体に送信するこの工程に続いて、物体内
で遭遇した障害物により前記n個のトランスジューサに
反射されるエコーグラフ信号を受信して処理する受信兼
処理工程が実行される。送信モード及び受信モードにお
けるフォーカシングは、超音波開口を構成するn個のト
ランスジューサ素子に関連づけられるn個の送信チャネ
ル及びn個の受信チャネルに適切な遅延ルールを適用す
ることによって行われる。
【0031】斯かる受信兼処理工程自体は次のような工
程を含む: (a)相関工程:この工程によれば、トランスジューサ
からの集束信号の受信時に、これらの受信信号を相関装
置によって2つずつ比較する(これらの信号のうちで、
この場合に求められる最大相関に相当する遅延が適用す
べき遅延補正値を構成する)。 (b)補正工程:次の超音波信号の駆動中、又は同じ超
音波信号の駆動中のフォーカシング遅延を、前記求めた
(n−1)個の遅延補正値の関数として補正する。
【0032】本発明による方法によれば、送信モードに
おけるフォーカシング遅延補正工程の前に開口をシフト
させるようにする。この開口シフトをp個のトランスジ
ューサ素子(pは1に等しいか又は数nよりも小さい、
例えばnの1/10以下)に亘ってシフトさせることによ
って行う場合に、前記補正が2つの連続開口に共通の
(n−p)個のトランスジューサ素子に対してのみ適用
されるようにする。数nがmに等しい場合には、m個の
トランスジューサ素子に適用される遅延ルールを修正す
ることによって開口を変位させることができ、個の場
合、補正はm個のトランスジューサ素子に適用される。
本発明方法の他の変形例では、前述したように、送信モ
ードか、又は送信モードと受信モードにおいて反復補正
を行う前記受信兼処理工程が、所定の基準に従って前記
補正が有効かつ充分であることが推定されると直ちに反
復補正処理を中断させる時間遅延のタイミングをとる工
程も含むようにする。中断基準は、例えば所定数の超音
波駆動の実行をチェックすることとするか、又はエコー
グラフラインのエネルギーの算定に基づくものとする。
更に他の変形例では、走査される媒質中の無エコー領域
の検出及び/又はフォーカシング遅延における線形成分
の検出用の工程をフォーカシング遅延の補正前に含める
ようにする。
【0033】図5は本発明方法を実施する超音波エコー
グラフ装置の例を示す。この装置は前述したように、超
音波信号を送受信するm個の超音波トランスジューサ10
a〜10mの回路網及びアナログポインタ15を具えてい
る。本例では、トランスジューサ回路網は線形とする
が、本発明はこれに限定されるものではない。このトラ
ンスジューサ回路網は2次元とするか、又は、例えばフ
ランス国特許第2,592,720号明細書に記載されているタ
イプのものとすることができるが、これらの例に限定さ
れるものでもない。
【0034】超音波送信は検査すべき物体(図示せず)
に向けて周期的な駆動で行なわれ、送信信号は、各トラ
ンスジューサに異なる遅延を課する所定の時間ルールに
従ってトランスジューサを励振させることにより予め電
子的に集束されるようにする。斯かる超音波送信は次の
ような素子を具えている送信段20により行なわれる。 (a)超音波駆動のリズムを規定するシーケンサ回路2
1; (b)トランスジューサ用の電気励振信号送信用回路2
2; (c)フォーカシングが回路22により実現されなかった
場合の電子フォーカシング回路23; (d)トランスジューサによる送信を実行させるための
高圧駆動回路24; (e)送信モードにおけるフォーカシングを制御する回
路25;
【0035】走査される物体内の障害物によりトランス
ジューサへ戻されたエコーグラフ信号は受信兼処理段30
0 により受信される。この受信兼処理段300 はn個の受
信兼処理チャネルから成り、本例では次のような素子を
具えている。 (a)前置増幅回路31を構成するn個の前置増幅器31a
〜31nのグループ; (b)時間の関数としての利得補償を行なう回路32; (c)受信モードにおけるフォーカシング回路34を構成
する遅延線33a〜33nのグループ(この回路はシーケン
サ34で制御される);
【0036】加算装置41はこのように形成されたn個の
受信兼処理チャネルの出力信号を受信し、この装置の後
段には処理兼表示サブ−アセンブリ42が接続される。n
個の受信兼処理チャネルに並列の相関段54はシーケンサ
21から測定時間窓を規定する信号を受信する。この相関
段54を図6aに詳細に示してあり、本例のこの相関段は
各々2つの入力端子を有するn−1個の相関装置(本例
では1−ビット相関装置)を具えており、これら相関装
置を54a〜54n−1で示してある。これら相関装置につ
いてはそのうちの1つ、例えば相関装置54iを示す図6
bを参照して以下に詳細に説明する。
【0037】現在では集積回路の相関装置が市販されて
おり、例えば、米国カリフォルニア州92038,ラジ
ェラ所在のTRW社から市販されている相関装置TDC 10
23がある。本例では、図6bに示すように、相関装置54
iは、n−2個の他の相関装置も同様に、先ず2個の1
−ビットアナログ−ディジタル変換器541 及び542 を具
え、一方の変換器はi番の遅延線33iの出力信号を受信
し、他方の変換器は(i+1)番の遅延線33i+1の出
力信号を受信する。これら変換器541 及び542はトラン
スジューサ回路網の中心周波数の約8〜10倍のクロック
周波数 (例えば40MHz のクロック周波数)で制御され、
その後段にはシフトレジスタ543 及び544が後続し、シ
フトレジスタ543は変換器541 の出力端子と直列に接続
されると共に、シフトレジスタ542は変換器542 の出力
端子と直列に接続される。各レジスタの入力と、これら
レジスタの各出力が2つずつ11個の排他的NOR回路55
0 〜560の2つの入力端子へ供給されて、次の11通りの
比較が行われるようにする。即ち、 ・回路550において非遅延出力信号iとi+1との比
較; ・回路551,553,555,557及び559において出力信号i+1
とレジスタ543の1〜5のシフト周期ずつ順次遅延され
た出力信号iとの比較; ・回路552,554,556,558及び560において出力信号iとレ
ジスタ544の1〜5のシフト周期ずつ順次遅延された出
力信号i+1との比較; が行われるようにする。
【0038】排他的NOR回路550〜560のそれぞれの出
力端子に対応して11個の1−カウンタ570〜580が設けら
れており、その後段にこれらカウンタの出力信号のうち
の最大のものを選択する回路581が設けられおり、関連
する2つのエコーグラフ信号間の最大相関に対応する遅
延を推定し得るようにする。レジスタのシフト数(本例
では5)、従ってカウンタの数 (本例では11) はクロッ
ク周波数及びトランスジューサ回路網の中心周波数に依
存する。これらの周波数が8〜10の比で関連する場合に
は、実際上5つのシフトが必要充分である。この比が例
えばもっと大きい場合には、精度を補正遅延の波長の1/
8 程度に維持するためにもっと多数のシフトが必要にな
る。
【0039】このようにして各相関装置により最初の駆
動中にダイナミックに集束された2つのエコーグラフ信
号間の遅延を推定し、フォーカシングをあたかも被走査
物体内に超音波速度の不均一が存在しなかったかのよう
に実行させることができる。次いで、(n-1) 個の相関装
置により供給される (n-1)個の遅延値のグループを図6
aに示すように再調整回路154 内で処理し、これら遅延
値を共通の基準値に対して(例えば第1チャネルに対し
て(これは他の任意のチャネルとすることもできる))再
調整する。本例ではこの再調整回路154の後段に(n-1)個
の再調整値に対する線形回帰回路155を接続して(フォ
ーカシング軸外に存在し得るターゲットによる)線形傾
向を抑圧する。前記再調整及び前記線形傾向の抑圧を実
行するこの順序は単なる一例であって逆にすることもで
きる。これら回路の構造に関しては、シフトレジスタが
相関装置の導関数である場合には動作原理に影響を与え
ることなくレジスタの数を半分とすることができる点に
も注意されたい。
【0040】上述の実施例では回路155の(n-1)個の出力
信号が相関段54の出力信号を構成する。従って、当面の
n個の受信兼処理チャネルに対しては、最高精度を得る
ために隣接トランスジューサにより受信された信号間で
測定するのが好ましい(n-1)個の遅延ある。補正すべき
超音波速度の不均一による遅延は比較的小さいため、半
波長程度の大きさのシフトに対し相関を実施するだけで
よく、このことはクロック周波数の値とトランスジュー
サ回路網の中心周波数の値を考慮すると、相関装置に対
し、5つのセルを具えるレジスタを用いるだけでよいこ
とを意味する。
【0041】このようにして推定した遅延値をメモリ回
路55に記憶し、斯る後に次の駆動の初期設定前にこれら
遅延値を送信モードにおける補正用の回路56を成す遅延
線56a 〜56n を介して送信チャネル内に導入する。この
回路56は例えば電子フォーカシング回路23のすぐ上流に
配置する。次いで送信モードにおけるフォーカシングに
対しこのようにして得られた各送信チャネルの遅延に関
する補正を考慮した新たな送信を行なうことができる。
この新たな駆動に対応するエコーグラフ信号の受信時
に、これら信号間の遅延が前と同様に相関により推定さ
れ、斯る後にこれらの遅延値が次の駆動の直前に各送信
チャネルに再び導入され、以下同様である。従って、こ
れらの順次の相関により、被走査物体内の超音波速度の
不均一性が反復補正される。
【0042】メモリ回路55内に記憶された推定遅延値は
次の駆動中に送信チャネル内のみならず受信兼処理チャ
ネル内も再導入することができる点に注意されたい。こ
れを図5内に回路55とシーケンサ34との間に追加の接続
線を破線で示すことにより示してあり、この場合にはシ
ーケンサ34が各チャネルに対する遅延を記憶遅延値の関
数として修正して受信モードにおけるダイナミックフォ
ーカシングを可能にする。
【0043】受信モードにおけるダイナミックフォーカ
シング遅延の修正は、既に述べたようにシーケンサ34
(各フォーカシング領域及び各イメージラインに対する
遅延ルールのセットをそのメモリ内に記憶する)により
制御されるプログラマブルフォーカシング回路33内で直
接実行することができる。この修正は異なる方法(図示
せず)、例えば回路33のすぐ上流又は下流に、n個の受
信兼処理チャネルに対応するn個の遅延線から成るプロ
グラム可能なフォーカシング補正回路と称する補助回路
を設けることにより実行することもできる。この場合に
は、メモリ回路55により制御されるこのフォーカシング
補正回路は回路33の上流に配置し、回路32の出力信号を
受信させ、回路33の出力信号が前と同様に、加算装置41
に供給されるn個の受信兼処理チャネルの出力信号を構
成するようにする。或は又、この補正回路を回路33の下
流に配置して回路33の出力信号を受信させ、そのn個の
出力信号が加算装置41に供給されるn個の受信兼処理チ
ャネルの出力信号を構成するようにする。
【0044】本発明によれば、上述したように、メモリ
回路55に記憶された推定遅延値の受信兼処理チャネルへ
の再導入は次の駆動中に行なうのではなくて、直ちに、
即ち現在の駆動がまだ終っていない期間中に行なうよう
にする。このために、受信兼処理段300 は受信モードに
おける補正用の回路57を具え、この回路はそれぞれの受
信兼処理チャネルに直列に接続される遅延線57a 〜57n
から成り、回路55とこの回路57との間に追加の接続線が
設けられている。本発明の変形例では、この反復補正処
理を前記補正が有効で十分であると思われるときに容易
に中断させることができる。この中断は、例えば所定数
の駆動後に、又は中断基準を与えることにより生じさせ
ることができる。例えばエコーグラフラインのエネルギ
ーが所定のしきい値に到達するときに中断を生じさせる
ことができる。このために、このエネルギーはフォーカ
シングが送信モード及び受信モードにおいて正しいとき
に最大になるものとみなすことができる。この場合に
は、この中断を実現するために中断制御回路(図示して
ないが、例えば相関段54の上流に接続する)を設け、こ
の回路は、この目的のために、加算装置41の出力端子に
接続した入力端子を有し、エコーグラフラインのエネル
ギーを計算する回路と、この加算装置41のn個の入力端
子に存在するn個の信号をn個の接続線を経て取り出し
個々の信号のエネルギーを計算してこのエネルギーの正
規化値を得る回路とを具える。Si(t) を加算装置41のi
番の入力端子に存在するi番の信号のエネルギーとする
と、エコーグラフラインの正規化エネルギーCは実際
上、このラインのエネルギーと個々の信号のエネルギー
Sa(t) 〜Sn(t) の和のn倍との比に等しい(0と1との
間の値になる)。実際上、散乱性の物体を検査する場
合、Cの値はフォーカシングに依存し、トランスジュー
サマトリクスがリニアマトリクスである場合には最大で
2/3 であり、円形アレイの場合には 0.5程度であること
が実験により確かめられた。反復プロセスの中断は値C
が所定のしきい値に到達するとき生じさせる。除算器及
び比較器(図示せず)により前記2つの計算回路の出力
の比を計算し、しきい値と比較する演算を実行させる。
【0045】本発明は上述した実施例にのみ限定される
ものでなく、他の種々の変形が可能である。例えば、受
信兼処理段からの情報を送信段に又は受信兼処理段自体
に順次レトロ結合することによる本発明の反復補正は送
信及び/又は受信チャネルがディジタルであってもアナ
ログであっても達成し得る。実際上、図5では受信兼処
理チャネルはアナログであるが、これらチャネルは前述
したようにディジタルによることもでき、この場合には
アナログ−ディジタル変換器を各チャネル内に直列に、
例えば、時間の関数としての利得補償を行なう回路32の
出力端子に挿入する。この例は図示してないが図5から
容易に推察することができる。しかし、図7に受信兼処
理チャネルの他の変形例を示してある。実際上、n個の
遅延信号の各々を個別にアクセスすることは不可欠の要
件でないため、上述した以外のアーキテクチャも実現可
能である。図7から明らかなように、この場合にはチャ
ネルの一部分をディジタル化し、アナログ−ディジタル
変換回路71、受信モードにおけるフォーカシング回路72
(これら回路71及び72は本例では1-ビット回路、回路71
は例えば8ビット信号を符号ビットのみを保持する1ビ
ット信号に変換する)及び補正のために記憶し使用する
遅延値の決定を前述のように実行する相関回路73を順に
設け、受信兼処理チャネルの残部はアナログのままに
し、電圧−電流変換器74、クロスチイッチ回路75及び受
信電流を直接加算するアナログラインから成る加算回路
76を順に具える。シーケンサ34はフォーカシング回路72
を制御すると共にクロススイッチ回路75を制御する。回
路76の出力をサブアセングリ42の入力端子に接続する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)〜(d) は超音波エコーグラフに用いるに
好適な種々の型の超音波プローブ構造を示す側面図であ
る。
【図2】 従来のエコーグラフ装置の1例の構成を示す
回路図である。
【図3】 従来のエコーグラフ装置の処理兼表示サブ−
アセンブリの例を示す回路図である。
【図4】 従来のエコーグラフ装置の他の例の構成を示
す回路図である。
【図5】 本発明エコーグラフ装置の1例の構成を示す
回路図である。
【図6】(a) は関連する相関装置の1つを具える図5の
エコーグラフ装置の相関段の1例を示すブロック回路図
である。(b) は関連する相関装置の1つを具える図5の
エコーグラフ装置の相関段の1例を示すブロック回路図
である。
【図7】 図5の変形例の受信兼処理チャネルを示すブ
ロック回路図である。
【符号の説明】
10a〜10m 超音波トランスジューサ 15 アナログポインタ 20 送信段 21 シーケンサ回路 22 トランスジューサ励振制御回路 23 フォーカシング回路 23a〜23b 遅延線 24 高圧パルス発生用回路 25 フォーカシング制御回路 30 受信兼処理段 31 前置増幅器回路 31a〜31n 前置増幅器 32 利得補償回路 321 利得補償回路 322 利得補償回路 32a〜32n 増幅器 33 フォーカシング回路 34 シーケンサ回路 35 制御回路 36 ポインタ 37 単一遅延線 41 加算回路 42 処理兼表示サブーアセンブリ 43 エンベロープ検出器 44 アナログ−デジタル変換器 45 走査トランスジューサ 46 メモリ 47 像メモリ 48 表示スクリーン 300 受信兼処理段 54 相関段 54a〜54n-1 相関装置 154 再調整回路 155 線形回帰回路 541, 542 アナログ−ディジタル変換器 543, 544 シフトレジスタ 500 〜560 排他的NOR 回路 570 〜580 カウンタ 581 最大値選択回路 55 メモリ 56, 57 補正回路 71 アナログ−ディジタル変換器 72 フォーカシング回路 73 相関回路 74 電圧−電流変換器 75 クロックスイッチ 76 加算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラオル マラー フランス国 75020 パリ リュ ド バニョレ71 (56)参考文献 特開 平1−135333(JP,A) 特開 平4−64350(JP,A) 特開 平1−207042(JP,A) 特開 平2−246939(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 8/00 - 8/15

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査すべき物体に超音波トランスジュー
    サ素子によってn個の超音波信号を送信する送信段及び
    検査される前記物体によって前記トランスジューサ素子
    に戻されるn個の超音波エコーグラフ信号を受信して処
    理する受信兼処理段に関連づけられるm個の超音波トラ
    ンスジューサ素子のアレイを具え、前記送信段及び前記
    受信兼処理段が、前記アレイのm個のトランスジューサ
    のうちの超音波開口を構成するn個のトランスジューサ
    素子に関連づけられるn個の送信チャネル及びn個の受
    信チャネルに適切なフォーカシング遅延を与えることに
    よって前記信号を集束させるそれぞれのフォーカシング
    手段を具えて、前記受信兼処理段が: (a)前記n個の受信チャネルに並列に接続され、これ
    らn個のチャネルに関連づけられるn個の集束させた受
    信信号の2つずつの相関をとって、(n-1)個のフォーカ
    シング遅延補正値を求める相関手段、及び、 (b)次の超音波信号の送信または受信中、あるいは同
    じ超音波信号の受信中におけるフォーカシング遅延を、
    前記求めた(n-1)個の遅延補正値の関数として補正する
    補正手段も具えている超音波エコーグラフによる物体検
    査装置において、 この装置が、前記トランスジューサ素子のアレイを横切
    って前記超音波開口をシフトさせる走査制御段も具え、
    該走査制御段が、1個または前記数nよりも少ないp個
    のトランスジューサ素子の分だけ前記開口をシフトさせ
    る手段を具えて、送信モードにおける各フォーカシング
    遅延補正を、前記シフト後に、前記シフト前後で連続す
    る2つの開口に共通の(n-p)個のトランスジューサ素子
    のみに適用することを特徴とする超音波エコーグラフに
    よる物体検査装置。
  2. 【請求項2】 所定基準に従って前記フォーカシング遅
    延補正が有効かつ充分になった際に、前記フォーカシン
    グ遅延補正を中断する手段を具えていることを特徴とす
    る請求項1に記載の装置。
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