JP3350252B2 - 排気浄化装置 - Google Patents

排気浄化装置

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JP3350252B2 JP27018494A JP27018494A JP3350252B2 JP 3350252 B2 JP3350252 B2 JP 3350252B2 JP 27018494 A JP27018494 A JP 27018494A JP 27018494 A JP27018494 A JP 27018494A JP 3350252 B2 JP3350252 B2 JP 3350252B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の排気通路中
に薄肉触媒と排気制御弁とが介装され、低負荷運転域に
おいても該薄肉触媒により排気ガス中の有害成分を充分
に除去できる排気浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】内燃機関の排気ポートに接続された排気管
の内周面に沿い空隙を存して多数の通気孔を有するパン
チング管を配設し、該パンチング管に触媒を担持させた
排気浄化装置(特開平3− 85318号公報参照)があっ
た。
【0003】排気管内に生ずる脈動波を利用して出力の
向上を図るための排気制御弁を前記排気浄化装置に設け
たものとして、図5に図示されるような排気浄化装置が
ある。
【0004】図5に図示の排気浄化装置では、排気管01
内のバタフライ型排気制御弁02の弁体03に連通孔04が形
成され、該排気制御弁02の上流側と下流側とにおいて、
触媒を担持させたパンチング管05, 06とが排気管01の内
周面に空隙を存して配設されている。
【0005】
【解決しようとする課題】不整燃焼を起し易く未燃HC
排出量の割合高い低負荷運転域では、前記排気制御弁02
は全閉または著しく絞られた状態であるため、排気の大
部分は排気管01の中心部を流れ、排気管01の内周面より
離れた連通孔04を通過するとともに、排気管01と排気制
御弁02との間隙を通過した排気は排気管01の中心に向か
って流れ、しかも排気流速が低い結果、排気管01の内周
面に近い触媒05, 06に触れにくく、充分な浄化効果が得
られにくかった。
【0006】また排気制御弁02が絞られた状態では、該
排気制御弁02の周縁と排気管01の内周面との狭い間隙を
未燃HCが通過するので、この間隙にハイドロカーボン
が付着してしまい、この付着ハイドロカーボンにより排
気制御弁02の円滑な開閉動作が阻害されることがある。
【0007】
【課題を解決するための手段および効果】本発明は、こ
のような難点を克服した排気浄化装置の改良に係り、薄
肉触媒が排気管内に配設されるとともに、該排気管内の
排気通路の開度を調整するバタフライ弁型排気制御弁が
設けられた排気系において、前記薄肉触媒は、多数の孔
を設けた薄肉鋼板の表面に触媒が担持されて構成され、
前記バタフライ弁型排気制御弁の開度が最も絞られた状
態における該バタフライ弁型排気制御弁の円板状弁体の
外周縁と該バタフライ弁型排気制御弁を囲む排気通路面
との間隙δで連通路が形成され、該連通路の下流側開口
部に、前記排気通路に対し間隙dを介して前記薄肉触媒
が臨んで配置され、前記連通路の間隙δは、排気通路面
に対する薄肉触媒の間隙dと略等しく、あるいはやや大
きく設定されたことを特徴とするものである。
【0008】本発明では、多数の孔付き薄肉鋼板の表面
に触媒が担持されて薄肉触媒が形成され、該薄肉触媒が
排気管内に配設されているため、該排気管および薄肉触
媒間の空間と、該薄肉触媒で囲まれた空間とは、前記薄
肉触媒の孔を介して連通し、該両空間の内の一方の空間
内の排気は他方の空間内へ流入しうるとともに、該他方
の空間内の排気は前記一方の空間内へ流入して、充分に
触媒に接触して浄化される結果、高水準の排気浄化性能
が得られる。
【0009】また、本発明では、前記孔付き薄肉触媒は
多数の孔を有しているため、排気と充分に浄化反応を起
すことができ、該薄肉触媒は必要最小限の利用に留ま
り、排気抵抗増加による出力低下や、重量増大や、コス
トアップが回避される。
【0010】さらに、本発明では、バタフライ弁型排気
制御弁の開度が最も絞られた状態における該バタフライ
弁型排気制御弁の円板状弁体の外周縁と該バタフライ弁
型排気制御弁を囲む排気通路面との間隙δで連通路が形
成され、該連通路の下流側開口部に、前記排気通路に対
し間隙dを介して前記薄肉触媒が臨んで配置され、前記
連通路の間隙δは、排気通路面に対する薄肉触媒の間隙
dと略等しく、あるいはやや大きく設定されたため、前
記バタフライ弁型排気制御弁が最も絞られた状態では、
該バタフライ弁型排気制御弁の近くに形成された連通路
を高速で流れた排気が、該薄肉触媒を境にその内周面と
外周面とに振分けられて、該薄肉触媒に充分に触れるこ
とができ、その上、該薄肉触媒は前記排気管に対し間隙
dを存して配設される結果、該薄肉触媒は適正な温度に
保持されて高い浄化性能を維持することができる。
【0011】しかも、本発明では、前記バタフライ弁型
排気制御弁が前記薄肉触媒の上流側に配設されているた
め、前記薄肉触媒が排気中の未燃HCと酸化反応を起し
て、該薄肉触媒が高温に加熱されても、前記バタフライ
弁型排気制御弁は、該高温薄肉触媒の影響を受けずに適
切な温度に保持され、該バタフライ弁型排気制御弁の耐
久性は高い。
【0012】
【実施例】以下図1ないし図4に図示された本発明の一
実施例について説明する。
【0013】本発明の一実施例の排気浄化装置1を付設
した2サイクル内燃機関2は、図示されない自動二輪車
に搭載され、該2サイクル内燃機関2のクランクケース
3内のクランク室に吸気系5が連通され、該吸気系5に
気化器6が介装されている。
【0014】またシリンダ4の図示されない排気ポート
に排気系7の排気管8が接続され、該排気管8と排気管
9とに排気制御弁10が介装されており、該排気制御弁10
により、低負荷運転領域にて、前記2サイクル内燃機関
2は異常燃焼を起すことなく、2サイクル内燃機関2の
運転に好ましい着火時期に燃焼室内の新気を自己着火さ
せることができるようになっている。
【0015】さらに排気管8の下流端に排気制御弁10の
弁ケース11が一体に固着されるとともに、該弁ケース11
の下流端にフランジ12が形成され、該弁ケース11には、
直径方向に貫通した弁軸13に円板状の弁体14が一体に固
定され、該弁体14に連通孔14aが形成されている(なお
連通孔14aは必ずしも必要でない)。
【0016】さらにまた排気管9内には、薄肉触媒15が
弾性保持部材17を介して同心状に嵌装され、該薄肉触媒
15では、多数の孔16を有する薄肉鋼板(パンチングプレ
ート)を曲げ加工して半円筒状に形成し、この両側縁部
を相互に重合せて筒状の担体に形成し、該担体の表面
(孔16の表面を含む)に水溶性シリカ製アンダーコート
層を形成し、該アンダーコート層上に、活性アルミナ基
材とセリア系添加剤とシリカ系バインダーとを混合した
ウォッシュコート層を形成し、プラチナとロジウムとが
重量比で20:1の比率で混合された貴金属製触媒を該ウ
ォッシュコート層上に担持させている。
【0017】しかも排気管9の上流端にフランジ18が一
体に固着され、該フランジ18と弁ケース11のフンラジ12
とは、これらを貫通するボルト19と該ボルト19の先端に
螺着されるナット20とでもって一体に結合されている。
【0018】また排気制御弁10が最も絞られた状態にお
ける弁軸13から最も離れた部分の弁体14の外周縁14bと
排気管9の内周面との間隙14cの寸法δは、排気管9の
内周面と薄肉触媒15の外周面との間隔dと略等しく、あ
るいは該間隔dよりやや大きく設定されており、排気制
御弁10が最も閉じられた場合でも、排気連通孔14aのみ
ならず連通路の役を果す間隙14cをも通過しうるように
なっている。
【0019】さらに排気制御弁10の弁ケース11の外方に
おいて、弁軸13にプーリ21が一体に固着され、弁ケース
11と一体のブラケット22と気化器6とにケーブル23が架
渡され、該ケーブル23内のワイヤ24の一端は気化器6の
絞り弁(図示されず)に連結されるとともに、該ワイヤ
24の他端はプーリ21に巻装されて連結されている(排気
制御弁10は絞り弁に連動せず、2サイクル内燃機関2の
運転状態に応じて最適の開度を設定するコンピュータに
より制御される制御モータに連結されていてもよい)。
【0020】さらにまた排気管9の下流端に膨張管25,
接続管26およびサイレンサ27が直列に順次接続され、必
要に応じて膨張管25内に触媒コンバータが設けられ、前
記排気系7の上流側にフランジ28を介して2次空気供給
管29が接続され、該2次空気供給管29の上流端にリード
弁30が設けられており、排気管8内の圧力が負圧になっ
た時に、リード弁30が開放されて、外部の空気が2次空
気として2次空気供給管29を介して排気管8内に導入さ
れるようになっている。
【0021】図1ないし図4に図示の実施例は前記した
ように構成されているので、比較的異常燃焼状態を起し
易い低負荷運転域でも、排気制御弁10により正常な燃焼
状態で2サイクル内燃機関2は運転することができ、未
燃HCの排出量が抑制される。
【0022】また排気制御弁10が最も閉じられて、排気
流量が減少しても、関隙14cの流速が高速であって、該
関隙14cを通過した排気の大部分がその下流側の薄肉触
媒15に充分に接触することができ、薄肉触媒15の浄化性
能が高水準に維持される。
【0023】さらに排気制御弁10は薄肉触媒15よりも上
流側に位置し、かつこれに接触していないため、排気中
の未燃HCが酸化反応を起して薄肉触媒15が高温に加熱
されることがあっても、排気制御弁10はこの酸化反応熱
を受けず、保護され、耐久性が高い。
【0024】さらにまた薄肉触媒15の付近に排気が集中
して流れて、薄肉触媒15の浄化性能が高いため、薄肉触
媒15を広範囲に設ける必要性がなくなって、排気管9内
の薄肉触媒15による排気抵抗の増大が阻止され、出力低
下が避けられるとともに、軽量化が可能となる。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る排気浄化装置を備えた
2サイクル内燃機関の概略側面図である。
【図2】図1の要部拡大一部縦断側面図である。
【図3】図2の要部をさらに拡大した縦断側面図であ
る。
【図4】図3のIV−IV線に沿って截断した横断面図であ
る。
【図5】 従来の排気浄化装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1…排気浄化装置、2…2サイクル内燃機関、3…クラ
ンクケース、4…シリンダ、5…吸気系、6…気化器、
7…排気系、8,9…排気管、10…排気制御弁、11…弁
ケース、12…フランジ、13…弁軸、14…弁体、15…薄肉
触媒、16…孔、17…弾性保持部材、18…フランジ、19…
ボルト、20…ナット、21…プーリ、22…ブラケット、23
…ケーブル、24…ワイヤ、25…膨張管、26…接続管、27
…サイレンサ、28…フランジ、29…2次空気供給管、30
…リード弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01N 3/20 - 3/28 B01D 53/86 F01N 7/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉触媒が排気管内に配設されるととも
    に、該排気管内の排気通路の開度を調整するバタフライ
    弁型排気制御弁が設けられた排気系において、前記薄肉触媒は、多数の孔を設けた薄肉鋼板の表面に触
    媒が担持されて構成され、 前記バタフライ弁型排気制御弁の開度が最も絞られた状
    における該バタフライ弁型排気制御弁の円板状弁体の
    外周縁と該バタフライ弁型排気制御弁を囲む排気通路面
    との間隙δで連通路が形成され、 該連通路の下流側開口部に、前記排気通路に対し間隙d
    を介して前記薄肉触媒が臨んで配置され、前記連通路の間隙δは、排気通路面に対する薄肉触媒の
    間隙dと略等しく、あるいはやや大きく設定された こと
    を特徴とする排気浄化装置。
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