JP3348235B2 - 油圧緩衝器のアッパマウント - Google Patents
油圧緩衝器のアッパマウントInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両の懸架
装置において、油圧緩衝器を弾性部材を介して車体に連
結させる油圧緩衝器のアッパマウントに関するものであ
る。
装置において、油圧緩衝器を弾性部材を介して車体に連
結させる油圧緩衝器のアッパマウントに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両の懸架装置では、油圧緩
衝器のロッドの車体への支持部にゴムばね等の弾性部材
を介装することにより、油圧緩衝器では吸収できない高
周波の振動を弾性部材によって吸収するようにしてい
る。また、サスペンションアームの回動にともなう油圧
緩衝器の取付角度の変化を弾性部材の撓みによって吸収
するようにしている。
衝器のロッドの車体への支持部にゴムばね等の弾性部材
を介装することにより、油圧緩衝器では吸収できない高
周波の振動を弾性部材によって吸収するようにしてい
る。また、サスペンションアームの回動にともなう油圧
緩衝器の取付角度の変化を弾性部材の撓みによって吸収
するようにしている。
【0003】従来の油圧緩衝器のロッドの車体への支持
部について、図5および図6を用いて説明する。
部について、図5および図6を用いて説明する。
【0004】図5に示すアッパマウント1は、ストラッ
ト形式の前輪懸架装置の油圧緩衝器のロッドを車体に連
結するためのものであり、弾性部材である環状のゴム部
材2の内側に円筒状のインナサポート3および環状のス
プリングシート4が接合され、外側に環状のアウタサポ
ート5が接合されている。
ト形式の前輪懸架装置の油圧緩衝器のロッドを車体に連
結するためのものであり、弾性部材である環状のゴム部
材2の内側に円筒状のインナサポート3および環状のス
プリングシート4が接合され、外側に環状のアウタサポ
ート5が接合されている。
【0005】インナサポート3には、一端部の内側にボ
ールベアリング6が取付けられ、外側に環状のスプリン
グシート4が取付けられている。そして、他端部がゴム
部材2に挿通されてスプリングシート4とともにゴム部
材2に接着されている。
ールベアリング6が取付けられ、外側に環状のスプリン
グシート4が取付けられている。そして、他端部がゴム
部材2に挿通されてスプリングシート4とともにゴム部
材2に接着されている。
【0006】アウタサポート5は、一端部にフランジ部
7a,8aが形成された環状のアッパサポート7とロワサー
ポート8とをフランジ部7a,8aで互いに接合させて構成
されており、ゴム部材2に外嵌されて接着されている。
また、フランジ部7a,8aには、車体(図示せず)に結合
するための複数のスタッドボルト9(1つのみ図示す
る)が取付けられている。
7a,8aが形成された環状のアッパサポート7とロワサー
ポート8とをフランジ部7a,8aで互いに接合させて構成
されており、ゴム部材2に外嵌されて接着されている。
また、フランジ部7a,8aには、車体(図示せず)に結合
するための複数のスタッドボルト9(1つのみ図示す
る)が取付けられている。
【0007】そして、ストラットを構成する油圧緩衝器
のロッド(図示せず)の先端部をボールベアリング6に
挿通させてインナサポート3に結合させ、アウタサポー
ト5のアッパサポート7を車体のストラットタワー部に
設けられた取付穴(図示せず)に挿通させてスタッドボ
ルト9を車体側に挿通させナット(図示せず)を螺着す
ることにより油圧緩衝器のロッドをゴム部材2を介して
車体に連結する。
のロッド(図示せず)の先端部をボールベアリング6に
挿通させてインナサポート3に結合させ、アウタサポー
ト5のアッパサポート7を車体のストラットタワー部に
設けられた取付穴(図示せず)に挿通させてスタッドボ
ルト9を車体側に挿通させナット(図示せず)を螺着す
ることにより油圧緩衝器のロッドをゴム部材2を介して
車体に連結する。
【0008】これにより、油圧緩衝器では吸収できない
高周波の振動をゴム部材2によって吸収して乗り心地を
向上させることができる。なお、ゴム部材2は、振動の
吸収性能(乗り心地)と操縦安定性の両立を図るため
に、ばね特性が非線形となるように設計されている。ア
ッパサポート1のばね特性(ゴム部材の上下方向の撓み
とばね力との関係)を図7に示す。
高周波の振動をゴム部材2によって吸収して乗り心地を
向上させることができる。なお、ゴム部材2は、振動の
吸収性能(乗り心地)と操縦安定性の両立を図るため
に、ばね特性が非線形となるように設計されている。ア
ッパサポート1のばね特性(ゴム部材の上下方向の撓み
とばね力との関係)を図7に示す。
【0009】また、ステアリング操作によるストラット
の回動をボールベアリング6によって許容し、サスペン
ションアーム(図示せず)の回動にともなうストラット
の取付角度の変化をゴム部材2の撓みによって吸収する
ことができる。
の回動をボールベアリング6によって許容し、サスペン
ションアーム(図示せず)の回動にともなうストラット
の取付角度の変化をゴム部材2の撓みによって吸収する
ことができる。
【0010】図6に示すアッパマウント10は、懸架装置
の油圧緩衝器のロッド11を車体に連結させるものであ
り、弾性部材である円筒状のゴム部材12の中間部外側に
マウントブラケット13が接合され、内側に円筒状のブッ
シュ14が挿通されている。マウントブラケット13は、そ
の取付穴13a の縁部がゴム部材12の外周部に埋め込まれ
てゴム部材12に接合されている。また、ゴム部材12の両
端部には、ブッシュ14が挿通される穴15a ,16a を有す
るサポートワッシャ15,16が当接されている。
の油圧緩衝器のロッド11を車体に連結させるものであ
り、弾性部材である円筒状のゴム部材12の中間部外側に
マウントブラケット13が接合され、内側に円筒状のブッ
シュ14が挿通されている。マウントブラケット13は、そ
の取付穴13a の縁部がゴム部材12の外周部に埋め込まれ
てゴム部材12に接合されている。また、ゴム部材12の両
端部には、ブッシュ14が挿通される穴15a ,16a を有す
るサポートワッシャ15,16が当接されている。
【0011】そして、ブッシュ14にロッド11の小径部11
a を挿通させ、ワッシャ17,18を装着して小径部11a の
先端部にナット19を螺着することにより、ロッド11の段
部11b をブッシュ14の一端部およびサポートワッシャ15
に当接させ、ワッシャ17をブッシュ14の他端部およびサ
ポートワッシャ16に当接させて、これらでゴム部材12を
挾持してロッド11をゴム部材12に結合させる。さらに、
マウントブラケット13を車体側に結合させることによっ
てロッド11をゴム部材12を介して車体に連結させる。
a を挿通させ、ワッシャ17,18を装着して小径部11a の
先端部にナット19を螺着することにより、ロッド11の段
部11b をブッシュ14の一端部およびサポートワッシャ15
に当接させ、ワッシャ17をブッシュ14の他端部およびサ
ポートワッシャ16に当接させて、これらでゴム部材12を
挾持してロッド11をゴム部材12に結合させる。さらに、
マウントブラケット13を車体側に結合させることによっ
てロッド11をゴム部材12を介して車体に連結させる。
【0012】これにより、油圧緩衝器では吸収できない
高周波の振動をゴム部材12によって吸収して乗り心地を
向上させることができる。また、サスペンションアーム
(図示せず)の回動にともなう油圧緩衝器の取付角度の
変化をゴム部材12の撓みによって吸収することができ
る。なお、図5に示すアッパマウント1と同様に、ゴム
部材12のばね特性が非線形となるようにして振動の吸収
性能と操縦安定性の両立を図っている。
高周波の振動をゴム部材12によって吸収して乗り心地を
向上させることができる。また、サスペンションアーム
(図示せず)の回動にともなう油圧緩衝器の取付角度の
変化をゴム部材12の撓みによって吸収することができ
る。なお、図5に示すアッパマウント1と同様に、ゴム
部材12のばね特性が非線形となるようにして振動の吸収
性能と操縦安定性の両立を図っている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のアッパマウントでは次のような問題がある。
来のアッパマウントでは次のような問題がある。
【0014】一般に、ゴム部材2,12のばね特性は、図
7に示すように、所定の基準位置から上方へ撓む場合と
下方に撓む場合とでほぼ同様の特性となるように設定さ
れている。また、懸架装置の油圧緩衝器の減衰力特性
は、ロッドの伸び側に対して縮み側の減衰力が小さくな
るように設定されており、ピストン速度(ロッドの伸縮
速度)に比例して減衰力が大きくなるようになってい
る。
7に示すように、所定の基準位置から上方へ撓む場合と
下方に撓む場合とでほぼ同様の特性となるように設定さ
れている。また、懸架装置の油圧緩衝器の減衰力特性
は、ロッドの伸び側に対して縮み側の減衰力が小さくな
るように設定されており、ピストン速度(ロッドの伸縮
速度)に比例して減衰力が大きくなるようになってい
る。
【0015】アッパマウント1によって車体に連結され
た油圧緩衝器のロッドは、そのストロークにともないゴ
ム部材2が撓んで上下方向に変位する。油圧緩衝器のロ
ッドのストローク波形を図8に示し、ロッドの上下方向
の振動波形(ゴム部材2の撓みの波形)を図9に示す。
た油圧緩衝器のロッドは、そのストロークにともないゴ
ム部材2が撓んで上下方向に変位する。油圧緩衝器のロ
ッドのストローク波形を図8に示し、ロッドの上下方向
の振動波形(ゴム部材2の撓みの波形)を図9に示す。
【0016】図5に示すアッパマウント1では、油圧緩
衝器の伸び側のストローク速度が最大のとき、ロッドに
作用する減衰力が最大となるのでロッドの下方への変位
も最大になる(図中のA点参照)。その後、ピストン速
度がゼロに近づくとともにロッドは上方に変位し、スト
ロークが伸び側から縮み側に切り換わる時(図中のB点
参照)、油圧緩衝器の縮み側の減衰力が小さいため、ロ
ッドの上方への変位に対してゴム部材2の弾性力により
ロッドは急激に減速されて(図中のC点参照)衝撃を発
生する。このときのロッドの加速度が振動として車体に
伝わり、異音(コトコト音)を発生させ乗り心地を悪化
させる。
衝器の伸び側のストローク速度が最大のとき、ロッドに
作用する減衰力が最大となるのでロッドの下方への変位
も最大になる(図中のA点参照)。その後、ピストン速
度がゼロに近づくとともにロッドは上方に変位し、スト
ロークが伸び側から縮み側に切り換わる時(図中のB点
参照)、油圧緩衝器の縮み側の減衰力が小さいため、ロ
ッドの上方への変位に対してゴム部材2の弾性力により
ロッドは急激に減速されて(図中のC点参照)衝撃を発
生する。このときのロッドの加速度が振動として車体に
伝わり、異音(コトコト音)を発生させ乗り心地を悪化
させる。
【0017】このとき、伸び側と縮み側の減衰力特性が
同様の場合はロッドの加速度が大きくならないが、上記
の場合のように、低ピストン速度域の伸び側の減衰力が
大きく、縮み側の減衰力が小さいと、ロッドの加速度が
大きくなり大きな衝撃が発生する。特に、路面状況、走
行状況等に応じてリアルタイムで油圧緩衝器の減衰力を
自動切換えするようにしたサスペンション制御装置にお
いて、伸び側と縮み側とで大小異なる種類の減衰力特性
を設定可能な減衰力調整式油圧緩衝器を用いて伸び側が
ハード(減衰力大)、縮み側がソフト(減衰力小)の減
衰力特性が設定された状態で衝撃および異音の発生が問
題となる。
同様の場合はロッドの加速度が大きくならないが、上記
の場合のように、低ピストン速度域の伸び側の減衰力が
大きく、縮み側の減衰力が小さいと、ロッドの加速度が
大きくなり大きな衝撃が発生する。特に、路面状況、走
行状況等に応じてリアルタイムで油圧緩衝器の減衰力を
自動切換えするようにしたサスペンション制御装置にお
いて、伸び側と縮み側とで大小異なる種類の減衰力特性
を設定可能な減衰力調整式油圧緩衝器を用いて伸び側が
ハード(減衰力大)、縮み側がソフト(減衰力小)の減
衰力特性が設定された状態で衝撃および異音の発生が問
題となる。
【0018】また、図6に示すアッパマウント10では、
図4中に実線で示すような波形で油圧緩衝器をストロー
クさせた場合、ロッド11の振動波形は図3中に実線で示
すようになり、上記と同様にロッド11の急激な減速によ
る衝撃および異音の発生という問題を生じる。
図4中に実線で示すような波形で油圧緩衝器をストロー
クさせた場合、ロッド11の振動波形は図3中に実線で示
すようになり、上記と同様にロッド11の急激な減速によ
る衝撃および異音の発生という問題を生じる。
【0019】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、油圧緩衝器のストロークが伸び側から縮み側へ
切り換わる際の衝撃および異音の発生を防止するように
した油圧緩衝器のアッパマウントを提供することを目的
とする。
であり、油圧緩衝器のストロークが伸び側から縮み側へ
切り換わる際の衝撃および異音の発生を防止するように
した油圧緩衝器のアッパマウントを提供することを目的
とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、油圧緩衝器を弾性部材を介して車体に
連結させる油圧緩衝器のアッパマウントにおいて、前記
弾性部材の内部に上下に配置される第1の室と第2の室
と、該第1の室と第2の室とを連通させる連通路と、前
記油圧緩衝器の連結部が所定の基準位置から上方へ変位
するとき前記連通路の通路面積を開き、下方へ変位する
とき前記連通路の通路面積を当該変位に対して一定の変
化率で絞る減衰弁とを設けたことを特徴とする。
めに、本発明は、油圧緩衝器を弾性部材を介して車体に
連結させる油圧緩衝器のアッパマウントにおいて、前記
弾性部材の内部に上下に配置される第1の室と第2の室
と、該第1の室と第2の室とを連通させる連通路と、前
記油圧緩衝器の連結部が所定の基準位置から上方へ変位
するとき前記連通路の通路面積を開き、下方へ変位する
とき前記連通路の通路面積を当該変位に対して一定の変
化率で絞る減衰弁とを設けたことを特徴とする。
【0021】
【作用】このように構成したことにより、本発明によれ
ば、油圧緩衝器の連結部が基準位置から下方に変位する
場合には、連通路の減衰弁が絞られ弾性部材の撓みにと
もなって第2の室から第1の室への油液の流通抵抗が大
きくなるため、弾性部材は撓みにくくなり、また、撓み
に対する減衰力が大きくなり、油圧緩衝器の連結部が基
準位置から上方に変位する場合には、連通路の減衰弁が
開かれ弾性部材の撓みにともなって第1の室から第2の
室への油液の流通通抵抗が小さくなるため、弾性部材は
撓みやすくなり、また、撓みに対する減衰力が小さくな
るので、油圧緩衝器の伸び行程時に弾性部材を撓ませて
基準位置から下方に移動する油圧緩衝器の連結部の変位
が小さくなり、その後、縮み行程に切り換わり、基準位
置から上方に変位する油圧緩衝器の連結部に対して作用
する弾性部材の弾性力が小さいので、油圧緩衝器の連結
部が急激に減速されることがなく衝撃および異音の発生
が防止される。
ば、油圧緩衝器の連結部が基準位置から下方に変位する
場合には、連通路の減衰弁が絞られ弾性部材の撓みにと
もなって第2の室から第1の室への油液の流通抵抗が大
きくなるため、弾性部材は撓みにくくなり、また、撓み
に対する減衰力が大きくなり、油圧緩衝器の連結部が基
準位置から上方に変位する場合には、連通路の減衰弁が
開かれ弾性部材の撓みにともなって第1の室から第2の
室への油液の流通通抵抗が小さくなるため、弾性部材は
撓みやすくなり、また、撓みに対する減衰力が小さくな
るので、油圧緩衝器の伸び行程時に弾性部材を撓ませて
基準位置から下方に移動する油圧緩衝器の連結部の変位
が小さくなり、その後、縮み行程に切り換わり、基準位
置から上方に変位する油圧緩衝器の連結部に対して作用
する弾性部材の弾性力が小さいので、油圧緩衝器の連結
部が急激に減速されることがなく衝撃および異音の発生
が防止される。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図4に基
づいて詳細に説明する。
づいて詳細に説明する。
【0023】本実施例のアッパマウント26は、図6に示
す従来例と同様に油圧緩衝器のロッドを車体に連結させ
るためのものであるから、以下、図6に示す従来例と同
様の部材には同一の番号を付し異なる部分についてのみ
詳細に説明する。
す従来例と同様に油圧緩衝器のロッドを車体に連結させ
るためのものであるから、以下、図6に示す従来例と同
様の部材には同一の番号を付し異なる部分についてのみ
詳細に説明する。
【0024】図1に示すように、アッパマウント26は、
弾性部材である円筒状のゴム部材27の中間部外周にマウ
ントブラケット28が接合され、内周側に円筒状のブッシ
ュ29が挿通されている。マウントブラケット28は、その
取付穴28a の縁部がゴム部材27の外周部に埋め込まれて
ゴム部材27に接合されている。
弾性部材である円筒状のゴム部材27の中間部外周にマウ
ントブラケット28が接合され、内周側に円筒状のブッシ
ュ29が挿通されている。マウントブラケット28は、その
取付穴28a の縁部がゴム部材27の外周部に埋め込まれて
ゴム部材27に接合されている。
【0025】ゴム部材27の内部には、マウントブラケッ
ト29に対して上方に位置する環状の第1の室30と下方に
位置する環状の第2の室31とが形成されている。また、
第1の室30と第2の室31とを連通させる連通路32が設け
られている。連通路32は、ゴム部材27の中心に対して互
いに対称な位置に複数配置されている。そして、第1の
室30、第2の室31および連通路32には、油液が封入され
ている。
ト29に対して上方に位置する環状の第1の室30と下方に
位置する環状の第2の室31とが形成されている。また、
第1の室30と第2の室31とを連通させる連通路32が設け
られている。連通路32は、ゴム部材27の中心に対して互
いに対称な位置に複数配置されている。そして、第1の
室30、第2の室31および連通路32には、油液が封入され
ている。
【0026】連通路32内には、ゴム部材27の外周側に弁
部材33が突出され、内周側に弁部材33に対向させて弁部
材34が突出されている。そして、弁部材33と弁部材34と
で減衰弁を構成しており、これらの間に連通路32の通路
面積を調整する可変オリフィス35が形成されている。弁
部材33は、上部を面取りして傾斜部33a が形成されてお
り、弁部材33に対して弁部材34が所定の基準位置から上
方に移動すると可変オリフィス35の面積が大きくなり、
下方に移動すると可変オリフィス35の面積が弁部材34の
変位に対して一定の変化率で小さくなるようになってい
る。弁部材33はマウントブラケット28の取付穴28a の縁
部に連結されており、弁部材34はブッシュ29に連結され
ている。よって、ゴム部材27が撓んでマウントブラケッ
ト28に対してブッシュ29が所定の基準位置から上方に移
動すると連通路32の通路面積が大きくなり、下方に移動
すると連通路32の通路面積が小さくなる。ブッシュ29の
変位と可変オリフィス35によって生じる減衰力との関係
を図2に示す。
部材33が突出され、内周側に弁部材33に対向させて弁部
材34が突出されている。そして、弁部材33と弁部材34と
で減衰弁を構成しており、これらの間に連通路32の通路
面積を調整する可変オリフィス35が形成されている。弁
部材33は、上部を面取りして傾斜部33a が形成されてお
り、弁部材33に対して弁部材34が所定の基準位置から上
方に移動すると可変オリフィス35の面積が大きくなり、
下方に移動すると可変オリフィス35の面積が弁部材34の
変位に対して一定の変化率で小さくなるようになってい
る。弁部材33はマウントブラケット28の取付穴28a の縁
部に連結されており、弁部材34はブッシュ29に連結され
ている。よって、ゴム部材27が撓んでマウントブラケッ
ト28に対してブッシュ29が所定の基準位置から上方に移
動すると連通路32の通路面積が大きくなり、下方に移動
すると連通路32の通路面積が小さくなる。ブッシュ29の
変位と可変オリフィス35によって生じる減衰力との関係
を図2に示す。
【0027】ゴム部材27の両端部には、ブッシュ29が挿
通される穴15a ,16a を有するサポートワッシャ15,16
が当接されている。そして、ブッシュ29に、ロッド11の
小径部11a を挿通し、ワッシャ17,18を装着して小径部
11a の先端部にナット19を螺着して、ロッド11の段部11
b をブッシュ29の一端部およびサポートワッシャ15に当
接させ、ワッシャ17をブッシュ14の他端部およびサポー
トワッシャ16に当接させ、これらでゴム部材27を挾持す
ることにより、ロッド11がゴム部材27に結合されるよう
になっている。さらに、マウントブラケット28を車体側
に結合させることによってロッド11はゴム部材27を介し
て車体に連結される。
通される穴15a ,16a を有するサポートワッシャ15,16
が当接されている。そして、ブッシュ29に、ロッド11の
小径部11a を挿通し、ワッシャ17,18を装着して小径部
11a の先端部にナット19を螺着して、ロッド11の段部11
b をブッシュ29の一端部およびサポートワッシャ15に当
接させ、ワッシャ17をブッシュ14の他端部およびサポー
トワッシャ16に当接させ、これらでゴム部材27を挾持す
ることにより、ロッド11がゴム部材27に結合されるよう
になっている。さらに、マウントブラケット28を車体側
に結合させることによってロッド11はゴム部材27を介し
て車体に連結される。
【0028】以上のように構成した本実施例の作用につ
いて次に説明する。
いて次に説明する。
【0029】油圧緩衝器では吸収できない高周波の振動
をゴム部材27によって吸収することにより乗り心地を向
上させることができる。サスペンションアーム(図示せ
ず)の回動にともなう油圧緩衝器の取付け角度の変化を
ゴム部材27の撓みによって吸収することができる。
をゴム部材27によって吸収することにより乗り心地を向
上させることができる。サスペンションアーム(図示せ
ず)の回動にともなう油圧緩衝器の取付け角度の変化を
ゴム部材27の撓みによって吸収することができる。
【0030】ロッド11が連結されたブッシュ29が基準位
置から下方に移動する場合には、ゴム部材27が撓んで上
部の第1の室30が圧縮され、第1の室30の油液が連通路
32を通って下部の第2の室31へ流れる。このとき、弁部
材34の下方への移動により可変オリフィス35の面積が小
さくなり連通路32の流通抵抗が大きくなるので、ゴム部
材27の撓みに対して大きな減衰力が作用してゴム部材27
が撓みにくくなる。一方、ブッシュ29が上方に移動する
場合には、ゴム部材27が撓んで下部の第2の室31が圧縮
され、第2の室31の油液が連通路32を通って上部の第1
の室30へ流れる。このとき、弁部材34の上方への移動に
より可変オリフィス35の面積が大きくなり連通路32の流
通抵抗が小さくなるので、ゴム部材27の撓みに対する減
衰力が小さくなりゴム部材27が撓みやすくなる。
置から下方に移動する場合には、ゴム部材27が撓んで上
部の第1の室30が圧縮され、第1の室30の油液が連通路
32を通って下部の第2の室31へ流れる。このとき、弁部
材34の下方への移動により可変オリフィス35の面積が小
さくなり連通路32の流通抵抗が大きくなるので、ゴム部
材27の撓みに対して大きな減衰力が作用してゴム部材27
が撓みにくくなる。一方、ブッシュ29が上方に移動する
場合には、ゴム部材27が撓んで下部の第2の室31が圧縮
され、第2の室31の油液が連通路32を通って上部の第1
の室30へ流れる。このとき、弁部材34の上方への移動に
より可変オリフィス35の面積が大きくなり連通路32の流
通抵抗が小さくなるので、ゴム部材27の撓みに対する減
衰力が小さくなりゴム部材27が撓みやすくなる。
【0031】よって、ゴム部材27のマウントブラケット
28に対するブッシュ29の所定の基準位置から上下方向へ
の変位と減衰力との関係は、図2に示すようになる。す
なわち、ゴム部材27は、ロッド11の基準位置Oから下方
への変位に対しては大きな減衰力を発生させて撓みにく
くなり、上方への変位に対しては小さな減衰力を発生さ
せて撓みやすくなる。なお、連通路32は、ゴム部材27の
中心に対して対称な位置に複数設けられているので、ロ
ッド11の取付角度の変化による可変オリフィス35の面積
のばらつきを吸収して安定した減衰力を得ることができ
る。
28に対するブッシュ29の所定の基準位置から上下方向へ
の変位と減衰力との関係は、図2に示すようになる。す
なわち、ゴム部材27は、ロッド11の基準位置Oから下方
への変位に対しては大きな減衰力を発生させて撓みにく
くなり、上方への変位に対しては小さな減衰力を発生さ
せて撓みやすくなる。なお、連通路32は、ゴム部材27の
中心に対して対称な位置に複数設けられているので、ロ
ッド11の取付角度の変化による可変オリフィス35の面積
のばらつきを吸収して安定した減衰力を得ることができ
る。
【0032】油圧緩衝器の伸縮ストロークとロッド11の
振動との関係を図3および図4を用いて説明する。図中
に破線で示すように、油圧緩衝器の伸び側のストローク
速度が最大のとき、油圧緩衝器の減衰力が最大となりロ
ッドの下方への変位が最大となるが、このとき、ロッド
11の下方への変位に対して作用するゴム部材27の減衰力
が大きいのでロッド11の下方への変位が小さくなる(図
中のA点参照)。その後、油圧緩衝器のピストン速度が
ゼロに近づくとともにロッド11は上方に変位し、ストロ
ークが伸び側から縮み側に切り換わる時(図中のB点参
照)、ロッド11の上方への変位に対してゴム部材27の減
衰力が作用する。このとき、油圧緩衝器の縮み側の減衰
力は小さく設定されているが、ロッドの上方への移動に
対してゴム部材27の減衰力が小さくなるためロッド11は
徐々に減速されるので(図のC参照)、ロッド11の加速
度は小さくなり、衝撃および異音が発生することがな
い。
振動との関係を図3および図4を用いて説明する。図中
に破線で示すように、油圧緩衝器の伸び側のストローク
速度が最大のとき、油圧緩衝器の減衰力が最大となりロ
ッドの下方への変位が最大となるが、このとき、ロッド
11の下方への変位に対して作用するゴム部材27の減衰力
が大きいのでロッド11の下方への変位が小さくなる(図
中のA点参照)。その後、油圧緩衝器のピストン速度が
ゼロに近づくとともにロッド11は上方に変位し、ストロ
ークが伸び側から縮み側に切り換わる時(図中のB点参
照)、ロッド11の上方への変位に対してゴム部材27の減
衰力が作用する。このとき、油圧緩衝器の縮み側の減衰
力は小さく設定されているが、ロッドの上方への移動に
対してゴム部材27の減衰力が小さくなるためロッド11は
徐々に減速されるので(図のC参照)、ロッド11の加速
度は小さくなり、衝撃および異音が発生することがな
い。
【0033】したがって、ロッド11の下方への移動に対
して大きな減衰力を作用させて変位を小さくすることで
移動速度を低く抑え、また、ロッドの上方への移動に対
して小さな減衰力を作用させて徐々に減速させることに
より、伸び側から縮み側へストロークが切り換わる際の
ロッドの加速度を小さくして衝撃および異音の発生を防
止することができる。
して大きな減衰力を作用させて変位を小さくすることで
移動速度を低く抑え、また、ロッドの上方への移動に対
して小さな減衰力を作用させて徐々に減速させることに
より、伸び側から縮み側へストロークが切り換わる際の
ロッドの加速度を小さくして衝撃および異音の発生を防
止することができる。
【0034】なお、上記本実施例では、第1の室30また
は第2の室31が圧縮されることにより油液が流れる例を
示したが、第1の室30および第2の室31が圧縮されない
構造であっても、弁部材34が移動する際に生じる弁部材
34の上下の油液の移動により減衰力を発生させるように
してもよい。
は第2の室31が圧縮されることにより油液が流れる例を
示したが、第1の室30および第2の室31が圧縮されない
構造であっても、弁部材34が移動する際に生じる弁部材
34の上下の油液の移動により減衰力を発生させるように
してもよい。
【0035】また、上記本実施例では、油圧緩衝器の連
結部をロッドとしているが、倒立型の油圧緩衝器にあっ
ては、油圧緩衝器の連結部はシリンダ側となる。
結部をロッドとしているが、倒立型の油圧緩衝器にあっ
ては、油圧緩衝器の連結部はシリンダ側となる。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の油圧緩衝
器のアッパマウントによれば、油圧緩衝器と車体との間
に介装される弾性部材を基準位置から下方に撓みにくく
上方に撓みやすくしたことにより、油圧緩衝器の伸び行
程時に弾性部材を撓ませて基準位置から下方に移動する
油圧緩衝器の連結部の変位が小さくなり、その後、縮み
行程に切り換わり、基準位置から上方に変位する油圧緩
衝器の連結部に対して作用する弾性部材の弾性力が小さ
いので、油圧緩衝器の連結部が急激に減速されることが
ない。その結果、油圧緩衝器のストロークが伸び側から
縮み側に変化する際の衝撃および異音の発生を防止する
ことができるという優れた効果を奏する。
器のアッパマウントによれば、油圧緩衝器と車体との間
に介装される弾性部材を基準位置から下方に撓みにくく
上方に撓みやすくしたことにより、油圧緩衝器の伸び行
程時に弾性部材を撓ませて基準位置から下方に移動する
油圧緩衝器の連結部の変位が小さくなり、その後、縮み
行程に切り換わり、基準位置から上方に変位する油圧緩
衝器の連結部に対して作用する弾性部材の弾性力が小さ
いので、油圧緩衝器の連結部が急激に減速されることが
ない。その結果、油圧緩衝器のストロークが伸び側から
縮み側に変化する際の衝撃および異音の発生を防止する
ことができるという優れた効果を奏する。
【図1】本発明の一実施例の縦断面図である。
【図2】図1の装置の減衰力特性を示す図である。
【図3】図1の装置に連結された油圧緩衝器のロッドの
振動波形を示す図である。
振動波形を示す図である。
【図4】図1の装置に連結された油圧緩衝器のストロー
ク波形を示す図である。
ク波形を示す図である。
【図5】従来のストラット形式の前輪懸架装置の油圧緩
衝器のアッパマウントの縦断面図である。
衝器のアッパマウントの縦断面図である。
【図6】従来の他の懸架装置の油圧緩衝器のアッパマウ
ントの縦断面図である。
ントの縦断面図である。
【図7】従来の油圧緩衝器のアッパマウントのばね特性
を示す図である。
を示す図である。
【図8】図6に示す従来のアッパマウントに連結された
油圧緩衝器のストローク波形を示す図である。
油圧緩衝器のストローク波形を示す図である。
【図9】図6に示す従来のアッパマウントに連結された
油圧緩衝器のロッドの振動波形を示す図である。
油圧緩衝器のロッドの振動波形を示す図である。
26 アッパマウント 27 ゴム部材(弾性部材) 30 第1の室 31 第2の室 32 連通路 33,34 弁部材(減衰弁)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 9/00 - 9/58 B60G 15/06
Claims (1)
- 【請求項1】 油圧緩衝器を弾性部材を介して車体に連
結させる油圧緩衝器のアッパマウントにおいて、前記弾
性部材の内部に上下に配置される第1の室と第2の室
と、該第1の室と第2の室とを連通させる連通路と、前
記油圧緩衝器の連結部が所定の基準位置から上方へ変位
するとき前記連通路の通路面積を開き、下方へ変位する
とき前記連通路の通路面積を当該変位に対して一定の変
化率で絞る減衰弁とを設けたことを特徴とする油圧緩衝
器のアッパマウント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26820793A JP3348235B2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 油圧緩衝器のアッパマウント |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26820793A JP3348235B2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 油圧緩衝器のアッパマウント |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07103280A JPH07103280A (ja) | 1995-04-18 |
JP3348235B2 true JP3348235B2 (ja) | 2002-11-20 |
Family
ID=17455414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26820793A Expired - Fee Related JP3348235B2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 油圧緩衝器のアッパマウント |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3348235B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5463263B2 (ja) * | 2009-11-30 | 2014-04-09 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 車両用サスペンション制御装置 |
-
1993
- 1993-09-30 JP JP26820793A patent/JP3348235B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07103280A (ja) | 1995-04-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
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