JP3345663B2 - 磁気分布測定方法および磁気分布測定装置 - Google Patents

磁気分布測定方法および磁気分布測定装置

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JP3345663B2 JP03966396A JP3966396A JP3345663B2 JP 3345663 B2 JP3345663 B2 JP 3345663B2 JP 03966396 A JP03966396 A JP 03966396A JP 3966396 A JP3966396 A JP 3966396A JP 3345663 B2 JP3345663 B2 JP 3345663B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気分布測定方
法,磁気分布測定装置および磁気センサカプセルに関
し、さらに詳しくは、空間の磁気分布を測定するのに好
適な磁気分布測定方法,磁気分布測定装置および磁気セ
ンサカプセルに関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、頭部周囲の空間の磁気分布を測
定する磁気分布測定装置の説明図である。この磁気分布
測定装置500は、人の頭部に被せるドーム状の底部を
有する極低温容器CRと、その極低温容器CRの底部内
面に貼着した多数の磁気センサ5と、それら磁気センサ
5からの出力信号を受け入れるインタフェース装置25
と、前記多数の磁気センサ5からの出力信号を解析して
頭部周囲の空間の磁気分布を求め、その磁気分布から脳
Bの活動に関する情報を算出する情報処理装置35と、
前記算出した情報を表示する表示装置45とを具備して
いる。
【0003】前記極低温容器CRの上部には、比較的大
きな開口OPがある。この開口OPを通じて、極低温容
器CRの底部内面に多数の磁気センサ5を貼着する作業
を行う。また、この開口OPを通じて、各磁気センサ5
からの信号線を外部に導出する。また、この開口OPを
通じて、冷媒を極低温容器CRに満たす。冷媒を極低温
容器CRに満たした後、ガス抜き孔を有する蓋LDによ
り開口OPを塞いでおく。前記磁気センサ5は例えば超
伝導量子干渉デバイスであり、前記冷媒は例えば液体ヘ
リウム(4.2K)である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図4に示した磁気分布
測定装置500では、極低温容器CRの開口OPを通じ
て極低温容器CRの底部内面に磁気センサ5を貼着する
作業を行うが、その作業負担が非常に重い問題点があ
る。また、作業性を良くするために開口OPを比較的大
きくしているため、たとえゴムシールをしても、冷媒の
漏れが多くなり、多額の運転コストがかかる問題点があ
る。また、上記磁気分布測定装置500では、磁気セン
サ5は、頭部から放射状に発生する磁束Φrだけを検出
するため、頭部表面の磁気分布は測定できるが、少し離
れた空間での磁気分布は測定できない問題点がある。そ
こで、本発明の目的は、多数の磁気センサを配設する作
業の負担を大幅に軽減できると共に冷媒の漏れを少なく
でき、さらに、頭部表面から離れた空間での磁気分布の
測定をも可能にする磁気測定方法,磁気測定装置および
磁気センサカプセルを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の観点では、本発明
は、カプセルに磁気センサを入れた磁気センサカプセル
を容器に多数充填し、各磁気センサカプセルに入れた磁
気センサの位置情報とそれら磁気センサで検出した磁気
情報とから前記容器の内部空間の磁気分布を測定するこ
とを特徴とする磁気分布測定方法を提供する。上記第1
の観点による磁気分布測定方法では、容器に多数の磁気
センサカプセルを充填するが、この作業は単に容器内に
カプセルを詰め込むだけであり、作業は非常に容易であ
る。また、磁気センサを貼りつける作業がなく、磁気セ
ンサカプセルを容器に入れていくだけであるから、各磁
気センサカプセルからの信号線が出ると共に1個の磁気
センサカプセルが入る小さなサイズの開口を容器上部に
設ければ足り、極低温容器の場合に冷媒が漏れる割合を
小さくすることが出来る。さらに、容器内で磁気センサ
カプセルが積み上がった状態になるから、容器壁面から
離れた空間での磁気分布をも測定できるようになる。
【0006】第2の観点では、本発明は、極低温容器
と、その極低温容器の内部空間に充填した多数の磁気セ
ンサカプセルと、それら磁気センサカプセルに入れた磁
気センサの位置情報とそれら磁気センサで検出した磁気
情報とから前記内部空間の磁気分布を求める情報処理装
置とを具備したことを特徴とする磁気分布測定装置を提
供する。上記第2の観点による磁気分布測定装置では、
極低温容器に多数の磁気センサカプセルを充填するが、
この作業は単に極低温容器にカプセルを詰め込むだけで
あり、作業は非常に容易である。また、磁気センサを貼
りつける作業がなく、磁気センサカプセルを極低温容器
に入れていくだけであるから、各磁気センサカプセルか
らの信号線が出ると共に1個の磁気センサカプセルが入
る小さなサイズの開口を極低温容器上部に設ければ足
り、冷媒が漏れる割合を小さくすることが出来る。さら
に、極低温容器内で磁気センサカプセルが積み上がった
状態になるから、極低温容器壁面から離れた空間での磁
気分布をも測定できるようになる。
【0007】第3の観点では、本発明は、上記構成の磁
気分布測定装置において、前記磁気センサは、直交する
3つの軸の各方向の磁気を検出する3次元磁気センサで
あり、前記情報処理装置は、検出した各方向の磁気を
加算して所望の方向の磁気を検出することを特徴とす
る磁気分布測定装置を提供する。上記第3の観点による
磁気分布測定装置では、磁気センサとして3次元磁気セ
ンサを用い、直交する3つの軸の各方向の出力を加重
算して所望の方向の出力を合成するから、1つの磁気セ
ンサカプセルで全ての方向の磁気を測定できるようにな
る。なお、磁気センサとして1つの軸の方向の磁気のみ
を検出する磁気センサを用いた場合には、当該軸に直交
する方向の磁気は測定できない。また、磁気センサとし
て直交する2つの軸の各方向の磁気を検出する2次元磁
気センサを用いた場合には、当該2つの軸に直交する方
向の磁気は測定できない。
【0008】第4の観点では、本発明は、上記構成の磁
気分布測定装置において、カプセルの形状が球または球
に近い多面体であることを特徴とする磁気分布測定装置
を提供する。上記第4の観点による磁気分布測定装置で
は、カプセルの形状が球または球に近い多面体であるか
ら、カプセル同士の引っ掛かりが少なくなり、極低温容
器内に均等な密度で詰め込むことが容易になる。
【0009】第5の観点では、本発明は、上記構成の磁
気分布測定装置において、常温では潤滑性により磁気セ
ンサカプセル同士の滑りを良くし,極低温では凍結によ
り磁気センサカプセル同士を固定する物質(例えばグリ
ース)を磁気センサカプセルの外面に塗布したことを特
徴とする磁気分布測定装置を提供する。上記第5の観点
による磁気分布測定装置では、極低温容器に磁気センサ
カプセルを充填する作業時には、常温のため、前記塗布
物質の潤滑性により磁気センサカプセル同士の滑りが良
くなり、好適に極低温容器に多数の磁気センサカプセル
を充填することが出来る。一方、測定時には、極低温の
ため、前記塗布物質の凍結により磁気センサカプセル同
士が固定され、極低温容器内で位置ずれしなくなる。ま
た、常温に戻せば、極低温容器から磁気センサカプセル
を取り出す(例えば交換のため)ことも出来る。
【0010】第6の観点では、本発明は、直交する3つ
の軸の各方向の磁気を検出する3次元磁気センサをカプ
セルに入れたことを特徴とする磁気センサカプセルを提
供する。上記第6の観点による磁気センサカプセルは、
上記第1の観点による磁気分布測定方法および上記第2
〜第5の観点による磁気分布測定装置に好適に使用でき
る。
【0011】第7の観点では、本発明は、上記構成の磁
気センサカプセルにおいて、カプセルの形状が球または
球に近い多面体であることを特徴とする磁気センサカプ
セルを提供する。
【0012】上記第7の観点による磁気センサカプセル
は、上記第1の観点による磁気分布測定方法および上記
第2〜第5の観点による磁気分布測定装置に好適に使用
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図に示す実施形態により本
発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明
が限定されるものではない。
【0014】図1は、本発明の一実施形態にかかる磁気
センサカプセルを示す構成図である。この磁気センサカ
プセル10は、エポキシ樹脂製の直径3cmの球状のカ
プセル1の内部に、直交するa軸,b軸,c軸の各方向
の磁気を検出するa軸センサCa,b軸センサCb,c
軸センサCcを入れて接着剤で固定し、長さ1mの信号
線2およびコネクタ3を接続した構造である。前記a軸
センサCa,b軸センサCb,c軸センサCcは、超伝
導量子干渉デバイスである。
【0015】図2は、本発明の一実施形態にかかる磁気
分布測定装置の構成図である。この磁気分布測定装置1
00は、人の頭部に被せるドーム状の底部を有する極低
温容器CRと、その極低温容器CRの内部に充填した多
数(例えば300個)の磁気センサカプセル10と、そ
れら磁気センサカプセル10の磁気センサCa,Cb,
Ccからの出力信号を受け入れるインタフェース装置2
0と、前記磁気センサCa,Cb,Ccからの出力信号
を解析して頭部周囲の空間の磁気分布を求め、その磁気
分布から脳Bの活動に関する情報を算出する情報処理装
置30と、前記算出した情報を表示する表示装置40と
を具備している。
【0016】前記極低温容器CRの上部には、比較的小
さな開口OPがある。この開口OPを通じて、極低温容
器CRの内部に多数の磁気センサカプセル10を詰め込
む。また、この開口OPを通じて、各磁気センサカプセ
ル10の磁気センサCa,Cb,Ccからの信号線を外
部に導出する。また、この開口OPを通じて、冷媒を極
低温容器CRに満たす。冷媒を極低温容器CRに満たし
た後、ガス抜き孔を有する蓋LDにより開口OPを塞い
でおく。前記冷媒は、例えば液体ヘリウム(4.2K)
である。
【0017】極低温容器CRの内部に多数の磁気センサ
カプセル10を詰め込む作業は、磁気センサカプセル1
0を開口OPから内部に単に入れていくだけであるか
ら、開口OPを小さくしても作業性が悪くなることはな
い。すなわち、開口OPは、各磁気センサカプセル10
からの信号線が出ると共に1個の磁気センサカプセル1
0が入る程度の小さなサイズで足る。従って、極低温容
器CRから冷媒が漏れる割合を小さくでき、運転コスト
を低減することが出来る。
【0018】極低温容器CRの内部に多数の磁気センサ
カプセル10を詰め込む作業の際、カプセル1の外面に
グリースを塗布しておく。極低温容器CRに磁気センサ
カプセル10を充填する作業は常温で行うため、前記グ
リースが潤滑剤として働き、カプセル1の形状が球であ
ることとあいまって、磁気センサカプセル10同士の滑
りが良くなる。そして、これにより、極低温容器CRの
内部に均等な密度で磁気センサカプセル10を詰め込む
ことが出来る。測定時は極低温にするため、前記グリー
スが凍結し、磁気センサカプセル10同士が固定され
る。従って、極低温容器CR内で磁気センサカプセル1
0が位置ずれしなくなる。また、例えば磁気センサカプ
セル10を交換するときは、極低温容器CRを常温に戻
せば、前記グリースが解凍されるため、極低温容器CR
から磁気センサカプセル10を容易に取り出すことが出
来る。
【0019】図2に示すように、極低温容器CR内で、
磁気センサカプセル10は空間を埋めるように積み上が
った状態になっている。また、情報処理装置30は、直
交する3つの軸の各方向の磁気を表す磁気センサCa,
Cb,Ccの出力を加重加算して、所望の方向の出力を
合成することが出来る。このため、図3に示すように、
頭部から放射状に発生する磁束Φrを検出するだけでな
く、少し離れた空間に存在する弧状の磁束Φpをも検出
できるようになる。従って、頭部表面の磁気分布だけで
なく、少し離れた空間での磁気分布も測定できるように
なり、より精密に脳Bの活動に関する情報を算出できる
ようになる。
【0020】
【発明の効果】本発明の磁気分布測定方法,磁気分布測
定装置および磁気センサカプセルによれば、容器に多数
の磁気センサカプセルを単に入れていく作業で足り、磁
気センサを貼りつける作業が不要になるから、作業の負
担を大幅に軽減できる。また、容器の開口を小さくして
も磁気センサカプセルを入れる作業性が悪くなることは
ないから、容器の開口を小さくでき、容器が極低温容器
である場合に冷媒が漏れる割合を小さくでき、運転コス
トを低減することが出来る。さらに、容器内で磁気セン
サカプセルが積み上がった状態になるから、容器壁面か
ら離れた空間での磁気分布をも測定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる磁気センサカプセ
ルを示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる磁気分布測定装置
を示す構成図である。
【図3】図2の磁気分布測定装置で検出しうる磁束の説
明図である。
【図4】頭部周囲の空間の磁気分布を測定する磁気分布
測定装置の説明図である。
【符号の説明】
1 カプセル 2 信号線 3 コネクタ 10 磁気センサカプセル 20,25 インタフェース装置 30,35 情報処理装置 40,45 表示装置 100,500 磁気分布測定装置 CR 極低温容器 Ca a軸センサ Cb b軸センサ Cc c軸センサ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カプセルに磁気センサを入れた磁気セン
    サカプセルを容器に多数充填し、各磁気センサカプセル
    に入れた磁気センサの位置情報とそれら磁気センサで検
    出した磁気情報とから前記容器の内部空間の磁気分布を
    測定することを特徴とする磁気分布測定方法。
  2. 【請求項2】 極低温容器と、その極低温容器の内部空
    間に充填した多数の磁気センサカプセルと、それら磁気
    センサカプセルに入れた磁気センサの位置情報とそれら
    磁気センサで検出した磁気情報とから前記内部空間の磁
    気分布を求める情報処理装置とを具備したことを特徴と
    する磁気分布測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の磁気分布測定装置にお
    いて、前記磁気センサは、直交する3つの軸の各方向の
    磁気を検出する3次元磁気センサであり、前記情報処理
    装置は、検出した各方向の磁気を加重加算して所望の方
    向の磁気を検出することを特徴とする磁気分布測定装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の磁気分
    布測定装置において、カプセルの形状が球または球に近
    い多面体であることを特徴とする磁気分布測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項2から請求項4のいずれかに記載
    の磁気分布測定装置において、常温では潤滑性により磁
    気センサカプセル同士の滑りを良くし,極低温では凍結
    により磁気センサカプセル同士を固定する物質を磁気セ
    ンサカプセルの外面に塗布したことを特徴とする磁気分
    布測定装置。
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