JP3344557B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP3344557B2 JP03344498A JP3344498A JP3344557B2 JP 3344557 B2 JP3344557 B2 JP 3344557B2 JP 03344498 A JP03344498 A JP 03344498A JP 3344498 A JP3344498 A JP 3344498A JP 3344557 B2 JP3344557 B2 JP 3344557B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】表示画面の視覚特性及び表示
特性を改善し、CRTに遜色無い表示を可能とする薄膜
トランジスタ等のスイッチング素子を備えた液晶表示装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりネマティック液晶を用いた液晶
表示装置は、時計や電卓等セグメント型の液晶表示装置
に広く用いられている。特にTFT等の能動素子をスイ
ッチング素子として用い、画素をマトリクス状に配した
アクティブマトリクス型の液晶表示装置がよく使われて
いる。
【0003】このような液晶表示装置をCRTと比較す
ると、厚み(奥行き)を格段に薄くできること、消費電
力が小さいこと、フルカラー化が容易なこと等の利点を
有するため、パーソナルコンピュータ、各種モニター、
携帯テレビ、カメラの表示器等さらに広い分野で需要が
広がっている。しかし、CRTと比較して視野角、輝
度、色再現性等の面で劣っているため、その改善が強く
望まれている。
【0004】アクティブマトリクス型の液晶表示装置
は、透光性のアクティブマトリクス基板を有しており、
アクティブマトリクス基板には図8に示すように、液晶
層に電圧を印加するための複数の画素電極51がマトリ
クス状に形成されている。画素電極51を選択駆動する
ためのスイッチング手段である能動素子として、薄膜ト
ランジスタ(以下、TFTと称する)52がアクティブ
マトリクス基板に形成され、画素電極51に接続されて
いる。さらにカラー表示を行うため、図示しないが、ア
クティブマトリクス基板あるいは対向基板等に赤色、緑
色、青色等のカラーフィルター層が設けられている。
【0005】TFT52におけるゲート電極には走査線
53が、ソース電極には信号線54がそれぞれ接続され
ている。走査線53と信号線54とは、マトリクス状に
配列された画素電極51の周囲を通り、互いに直交する
ように配置されている。走査線53を介してゲート信号
が入力されることによりTFT52が駆動制御される。
また、信号線54を介し、TFT52の駆動時にTFT
52を介して表示信号が画素電極51に入力される。ま
た、TFT52のドレイン電極には、画素電極51及び
付加容量55が接続されている。付加容量55の絶縁層
を介し対向する側の電極はそれぞれ共通配線56に接続
されている。付加容量55は液晶層に印加される電圧を
保持する役割を持つ。
【0006】アクティブマトリクス型の液晶表示装置で
は、アクティブマトリクス基板と対向基板と間に液晶が
挟持されて、液晶容量を形成している。付加容量55
は、上記液晶容量と並列に接続されている。TFT52
をより詳しく説明すると、図9に示すように、透明な絶
縁性基板61上に、ゲート電極62が形成され、これを
覆うようにゲート絶縁膜63が形成されている。
【0007】ゲート電極62の上部に、ゲート絶縁膜6
3を介して半導体薄膜64が形成されている。半導体薄
膜64の中央上部にチャネル保護膜65が形成されてい
る。チャネル保護膜65と半導体薄膜64とのソース部
側に微結晶n+シリコン層からなるソース電極66a
が、ドレイン部側に同じく微結晶n+シリコン層からな
るドレイン電極66bが形成されている。ソース電極6
6aに対してソース配線となる金属層67aが接続され
ており、ドレイン電極66bに対してドレイン配線とな
る金属層67bが接続されている。
【0008】このTFT52の表面は、層間絶縁膜68
によって覆われており、さらに、その上に画素電極51
となる透明導電膜が形成されている。画素電極51は、
コンタクトホール69を介して、TFTのドレイン配線
となる金属層67bと接続されている。また、図示しな
いが、画素電極51上には、液晶を配向させるための配
向膜が表示領域全面にほぼ一様に形成されている。
【0009】上記のように、走査線53及び信号線54
と、画素電極51となる透明導電膜の間に層間絶縁膜6
8が形成されているので、上記の液晶表示装置では、走
査線53及び信号線54上に層間絶縁膜68を介して画
素電極51を積層することができる。このような構造
は、例えば、特開昭58―172685号公報に開示さ
れており、これによって液晶表示装置における画素の開
口率を向上させ、信号線54を伝わる信号等に起因する
電界を層間絶縁膜68でシールドして液晶の配向不良
(ディスクリネーション)を抑制したりする。層間絶縁
膜68としては、従来、SiN等の無機薄膜が用いられ
ている。上記SiN膜は、例えば、CVD法を用いるこ
とによって膜厚500nm程度に形成する。
【0010】ここで、上記液晶層として用いる液晶分子
は、屈折率異方性Δnを有しており、さらに、液晶分子
を挟持しているアクティブマトリクス基板及び対向基板
に対して、該液晶分子が傾斜して配向するために、観察
者の見る方向や角度によって表示画像のコントラストが
変化して、視角依存性が大きくなるという問題点が生じ
ている。上記の問題点について、ネマティック型の液晶
表示装置の中でもよく用いられているツイストネマティ
ック(TN)型の液晶表示装置について説明する。
【0011】図10に示すように、TN型の液晶表示素
子71に対して、中間表示の電圧が印加されると、液晶
分子72がやや立ち上がっている状態になる。このと
き、液晶表示素子71において、基板73,74表面の
法線方向を通過する直線偏光75、及び法線方向に対し
て傾きを持って通過する直線偏光76,77は、液晶分
子72と交わる角度がそれぞれ異なることになる。液晶
分子72には上述したように屈折率異方性Δnが存在す
るため、直線偏光75,76,77が液晶分子72を通
過すると正常光と異常光とが発生する。
【0012】これら正常光と異常光との位相差に伴っ
て、直線偏光75,76,77がそれぞれ楕円偏光に変
換されることになり、これが視覚依存性の発生源とな
る。さらに、実際の液晶層の内部では、液晶分子72
は、基板73と基板74の間の中間部付近と基板73又
は基板74の近傍とではチルト角が異なっており、また
法線方向を軸として液晶分子72が90°ねじれている
状態にある。
【0013】以上のことにより液晶層を通過する直線偏
光75,76,77は、それぞれ、その方向や角度によ
ってさまざまな複屈折効果を受け、複雑な視角依存性を
示すことになる。上記の視角依存性として、図11に示
す様に具体的には、上方向に視角良好となる様液晶表示
装置を配置し、画面法線方向から画面の下方向である正
視角方向に視角を傾けていくと、ある角度以上で表示画
像が着色する着色現象や、白黒が反転する反転現象が発
生する。
【0014】また、画面の上方向である反視角方向に視
角を傾けていくと、急激にコントラストが低下する。加
えて、上記の液晶表示装置では、表示画面が大きくなる
につれて、視野角が狭くなるという問題がある。大きな
液晶表示装置を近い距離で正面方向から見ると、視角依
存性の影響のため画面の上部と下部とで表示された色が
異なる場合がある。これは画面全体を見る見込み角が大
きくなり、液晶表示画面をより斜めの方向から見るのと
同じことになるためである。
【0015】このような視角依存性を改善するために、
光学異方性を有する光学素子として位相差板(位相差フ
ィルム)を液晶表示素子と一方の偏光板との間に挿入す
ることが提案されており、特開昭55―600号公報等
に記載されている。この方法は、上記のように直線偏光
から楕円偏光へ変換された光を、液晶層の片側又は両側
に介在された位相差板を通過させることによって、視角
に生じる正常光と異常光の位相差を補償して直線偏光の
光に再変換し、視角依存性の改善を可能にするものであ
る。したがって、この方法では、位相差板だけでなく液
晶層すなわち液晶表示素子の特性についても設定を行う
ことが必要となる。
【0016】そこで、より視角依存性を改善するため
に、上記の位相差板として屈折率楕円体における一つの
主屈折率方向が上記位相差板の表面の法線方向に対して
平行なものを用い、これに対して、液晶表示素子として
液晶材料の屈折率異方性Δnと液晶層の厚さdとの積で
あるリタデーション(retardation)Δn・
dの値が200nmから500nmの範囲にある構成を
とるものを用い、この液晶表示素子と偏光板の間に上記
の位相差板を介在させる液晶表示装置が提案されている
(特開平5−313159号公報)。この方法は、位相
差板及び液晶表示素子の特性を設定するだけでなく、液
晶表示素子を形成する配向膜のラビング方向、位相差板
の遅相軸方向、及び偏光板の透過軸の方向がそれぞれ平
行になるよう設定する構成をとり、これによって視角依
存性をさらに改善することを可能としている。
【0017】また、このような位相差板を用いた場合で
も、正視角方向の反転現象は狭い角度で見られる。さら
に、上記の位相差板として屈折率楕円体の主屈折率方向
が位相差板の表面の法線方向に対して傾斜しているもの
を用いる方法も提案されている(特開平6−75116
号公報、特開平8−50206号公報等)。この方法で
は、位相差板として次の2種類のものを用いている。
【0018】一つは、屈折率楕円体の3つの主屈折率の
うち、最小の主屈折率の方向が表面に対して平行であ
り、かつ残り2つの主屈折率の一方の方向が位相差板の
表面に対してθの角度で傾斜し、他方の方向も位相差板
表面の法線方向に対して同様にθの角度で傾斜してお
り、このθの値が20°≦θ≦70°を満たしている位
相差板である。もう一つは、位相差板の表面内に屈折率
異方性がなく、位相差板の表面法線方向における主屈折
率nbと位相差板の表面に平行な主屈折率na、nc
が、na=nc>nbの関係を満たす、すなわち、負の
一軸性を有しているもので、さらに、上記の位相差板表
面と平行をなす主屈折率na及びncの一方を軸とし
て、主屈折率nbを、位相差板表面の法線方向に平行な
状態から傾斜した状態に回転させることにより、上記屈
折率楕円体が傾斜した位相差板である。
【0019】上記の2種類の位相差板について、前者は
それぞれ一軸性のものと二軸性のものを用いることがで
きる。また、後者は位相差板を1枚のみ用いるだけでな
く、該位相差板を2枚組み合わせ、位相差板表面の法線
方向における主屈折率nb各々の上記傾斜方向が互いに
90°の角度をなすように設定したものを用いることが
できる。このような位相差板を液晶素子と偏光板の間に
少なくとも1枚以上介在させることによって構成される
液晶表示装置では、視角依存性をある程度まで改善させ
ることができる。その例として図12に示す様に、図1
1などと比べるとほぼ全方位にコントラストが改善さ
れ、正視角方向の反転も35°程度までは改善される。
【0020】また、さらに別の視角依存性の改善方法と
して1つの画素電極領域にチルト角や配向状態の異なる
領域を形成する構造も提案されている(特開平5―21
0099号公報、特開平7―64096号公報)。これ
らについても、ある程度まで視角依存性を改善させるこ
とができる。
【0021】さらに、新たな構造の液晶表示装置として
IPS(In Plane Switching)方式
と呼ばれる方式が開発され、量産化が進みつつある(日
経マイクロデバイス1997年7月号P108から10
9)。この方式は、現在実用化が進んでいる表示方式の
中で、視角特性が最も良好な液晶表示装置であり、コン
ピュータのモニターを中心に実用化されつつある。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記特開昭
58―172658号公報の方法では、図9に示すよう
に層間絶縁膜68として、透過絶縁膜であるSiNx、
SiO2、TaOx等をCVD法又はスパッタ法により
成膜すると、下地なる金属膜67a,67b,チャネル
保護層65等の表面上の凸凹が、層間絶縁膜68上に反
映されることになる。このため、画素電極51を層間絶
縁膜68上に形成したときに、下地となる各種の膜の段
差に基づいてより大きな段差が形成されることになるた
め、液晶分子の配向不良を引き起こすという問題点が生
じている。また、画素部となる部分を平坦化するため
に、従来から市販のポリイミド等の有機膜を塗布して成
膜した場合でも、画素電極51とドレイン電極66bと
を電気的に接続させるためのコンタクトホールを形成す
る必要がある。
【0023】具体的には、ポリイミド等の有機膜に対し
て、マスク材を用いてフォトパターニングを行い、エッ
チングによりコンタクトホールの加工を行い、さらに、
最後に不要となったフォトレジストを剥離する工程を追
加する必要がある。また、このような従来からある市販
の有機膜をそのまま前記構造の液晶表示装置に使用する
と層間絶縁膜68を形成した後に樹脂が着色して見え
る。これらのため、液晶表示装置として高い透光性、透
明性、色再現性等が得られない。
【0024】そして、このエッチング及び剥離工程を短
縮削減するために、感光性のポリイミド膜を使用する方
法も考えられが、従来材料をそのまま使用すると、より
着色が目だち表示品位が一層低下する。さらに、上記従
来の方法において、層間絶縁膜68の形成によって、走
査線53及び信号線54の上に画素電極51を積層させ
て液晶表示装置の開口率を向上させた場合、走査線53
及び信号線54と画素電極51との間の電気容量が増加
し表示品位が低下する問題がある。具体的には、SiN
膜等の無機薄膜は比誘電率が8と高いこと、CVD法等
を用いて該無機薄膜を成膜するために成膜応力に起因す
る欠陥や成膜時間(コストに反映)の観点から膜厚が5
00nm程度以下と薄くする必要がある。
【0025】よって、走査線53及び信号線54との間
の電気容量が大幅に増加し、このため以下の、に示
すような問題を招く。 信号線54と画素電極51とを積層させる構造とした
場合、信号線54と画素電極51との間の電気容量が大
きくなることにより、信号の漏れが大きくなる。そし
て、信号を保持する期間中に画素電極51に保持されて
いる信号電圧は、信号線54上のデータ信号の電位等に
よっては揺動を受ける。
【0026】そして、画素電極51が液晶に対して電圧
印加する際、電圧の実効値(実効電圧)が変動すること
になり、実際に得られる表示画面において、特に、縦方
向の隣接する画面に対して縦クロストークを招く問題が
ある。このような信号線54と画素電極51との間の電
気容量が表示画面に与える影響を減らす方法の1つとし
て、特開平6―230442号公報には、1信号線毎に
対応する画素に入力するデータ信号において、その極性
を反転させる駆動方法が提案されている。この駆動方法
は、隣接する画素同士の表示に相関性が高い液晶表示装
置、たとえば、白黒表示の液晶表示装置に対しては有効
な効果を与えることができる。
【0027】ところが、通常のノートブック型のパーソ
ナルコンピュータ等、画素電極を縦方向のストライプ状
に配列した液晶表示装置では、1本の信号線54に接続
されている隣接した画素同士は、表示色がそれぞれ異な
ることになる。とくに、カラー表示を行う場合では、赤
(R)・緑(G)・青(B)の3色に対応する3つの画
素電極51が、縦長の長方形状にこの順序で配置してい
る(この画素電極51の配列を、以下、縦ストライプ状
と称する)。このような縦ストライプ状の画素を有する
一般的なカラー表示の場合では、上記1つの信号線54
毎に対して極性反転させる駆動方法では、縦クロストー
クを低減させる効果が不十分である。
【0028】走査線53と画素電極51とを積層させ
る構造とした場合、走査線53と画素電極51との間の
電気容量が大きくなるため、TFT52を制御するスイ
ッチング信号に起因した、画素電極51への書き込み電
圧のフィールドスルーが大きくなるという問題が生じ
る。なお、上記無機薄膜の膜厚を、500nm以上の膜
厚に成膜することによって、電気容量の増加を低減する
ことは可能となる。しかし、無機薄膜の膜厚を大きくす
ると、製造プロセス上、製造時間がかかりすぎてコスト
アップとなったり、成膜残留応力の影響でクラックが生
じやすく欠陥増加や信頼性の低下を招く。
【0029】また、上記特開平5―313159号公報
の方法では、ある特定の方向に対して表示画面の視角依
存性を改善することはできるが、全方位について改善す
ることはできず限界があり問題である。さらに、上記特
開平6―75116号公報の方法でも、特に正視角方向
の反転現象を改善するには限界がある。また、この上記
特開平5―313159号公報の方法より、さらに改善
した上記特開平8―50206号公報の方法でも、上記
の従来の位相差板に比べ全方位の視角特性は大幅に改善
されるが、正視角方向の階調反転はいまだ十分改善され
たとは言い難い。
【0030】また、特開平7―64096号公報の分割
配向による方法は、上下方向の視角特性が平均化されて
正視角方向の反転現象は大幅に改善できる。その一方、
左右方向や反視角方向の視角特性の改善が十分ではない
という問題がある。また、IPS方式の液晶表示装置
は、前述の物に比べ、最も全方位の視角特性に優れる。
しかし、電極構造がくし歯である事などから画素部の開
口率が低い。従ってモニター等に利用する場合、必要な
輝度を得るために通常の2倍の光源の本数が必要であ
り、重量や寸法(特に構造上厚み)が増し、消費電力も
高くなる。よって特にノート型パソコン等に利用するの
は好ましくない。また、このようなハイエンドノートパ
ソコンかワークステーションでは正面輝度200cd/
2を必要とし、CRT並の場合は400cd/m2程度
が必要となる。そして開口率の低い液晶パネルを用いる
と、バックライト光源の本数等を増やす事になるが、液
晶部の温度上昇が大きく、使用困難であったり、余分な
冷却ユニットが必要となる場合がある。
【0031】本発明は、上記従来の問題を改善するもの
で、平坦な画素電極と各配線をオーバーラップさせて液
晶表示部の開口率の向上及び液晶の配向不良の抑制を図
ることができるとともに、かつ各信号配線と画素電極と
の間の容量成分が表示に与えるクロストーク等の影響を
低減して良好な表示品位を得ることができ、視角に依存
して生じるコントラストの低下、着色及び反転現象を改
善し、高輝度、低消費電力、高精細で色再現性に優れ、
色鮮やかな画質、そして特に、たとえば左右視角及び反
視角方向で70°以上、正視角方向で40°程度の広い
視角領域で、白色や赤色が鮮やかに映る液晶表示装置を
提供するものである。
【0032】中でも特にIPS方式に比べ、全方位の視
角特性は遜色がほとんど無く、軽量、薄型、低消費電力
であってモニターとしてはもちろんノート型パソコン等
携帯型の機器に使用できる優れた液晶表示装置を提供す
ることを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
液晶表示装置は、対向電極が設けられた対向基板と、走
査線、信号線、該走査線及び該信号線の交差点の近傍に
設けられたスイッチング素子、層間絶縁膜及び該層間絶
縁膜の上に設けられ前記スイッチング素子と接続された
画素電極を有する画素基板と、前記対向基板及び前記画
素基板の各々の対向する面に形成された配向膜と、前記
対向基板及び前記画素基板の間に封入される液晶と、前
記対向基板及び前記画素基板の各々に配置される偏光子
と、光源とを有し、前記対向基板又は前記画素基板にカ
ラーフィルター層を設けて成る液晶表示装置に於いて、
前記層間絶縁膜は前記光源から発して前記カラーフィル
ター層の波長帯のピーク波長近傍の光透過率がほぼ95
%以上である有機膜であって、前記対向基板と一方の偏
光子の間と前記画素基板と他方の偏光子の間の一方又は
両方に介在される位相差板であって、少なくとも代表層
において屈折率楕円体の3つの主屈折率na、nb、n
cが、na=nc>nbという関係を有し、主屈折率n
a及びncの一方が位相差板の表面に平行であり、その
平行である主屈折率の方向を軸として、主屈折率nb
を、位相差板の表面の法線方向に平行な状態から傾斜し
た状態へ時計まわり、又は反時計まわりに回転させるこ
とにより、前記屈折率楕円体が傾斜した位相差板を備
え、前記配向膜は、画素領域において前記液晶層の液晶
分子を異なる配向状態に配向させるものであり、前記液
晶層における液晶材料の波長450nmの光に対する屈
折率異方性Δnl(450)と波長550nmに対する
屈折率異方性Δnl(550)と、該位相差板の波長4
50nmの光に対する屈折率異方性Δnf(450)と
波長550nmに対する屈折率異方性Δnf(550)
とが、(Δnl(450)/Δnl(550)−1)/
(Δnf(450)/Δnf(550)−1)<0.2
5の関係を満たす範囲に設定されていることを特徴とす
る。本発明の請求項2記載の液晶表示装置は、対向電極
が設けられた対向基板と、走査線、信号線、該走査線及
び該信号線の交差点の近傍に設けられたスイッチング素
子、層間絶縁膜及び該層間絶縁膜の上に設けられ前記ス
イッチング素子と接続された画素電極を有する画素基板
と、前記対向基板及び前記画素基板の各々の対 向する面
に形成された配向膜と、前記対向基板及び前記画素基板
の間に封入される液晶と、前記対向基板及び前記画素基
板の各々に配置される偏光子と、光源とを有し、前記対
向基板又は前記画素基板にカラーフィルター層を設けて
成る液晶表示装置に於いて、前記層間絶縁膜は前記光源
から発して前記カラーフィルター層の波長帯のピーク波
長近傍の光透過率がほぼ95%以上である有機膜であっ
て、前記対向基板と一方の偏光子の間と前記画素基板と
他方の偏光子の間の一方又は両方に介在される位相差板
であって、少なくとも代表層において屈折率楕円体の3
つの主屈折率na、nb、ncが、na=nc>nbと
いう関係を有し、主屈折率na及びncの一方が位相差
板の表面に平行であり、その平行である主屈折率の方向
を軸として、主屈折率nbを、位相差板の表面の法線方
向に平行な状態から傾斜した状態へ時計まわり、又は反
時計まわりに回転させることにより、前記屈折率楕円体
が傾斜した位相差板を備え、前記配向膜は、画素領域に
おいて前記液晶層の液晶分子を異なる配向状態に配向さ
せるものであり、前記液晶層における液晶材料の波長6
50nmの光に対する屈折率異方性Δnl(650)と
波長550nmに対する屈折率異方性Δnl(550)
と、前記位相差板の波長650nmの光に対する屈折率
異方性Δnf(650)と波長550nmに対する屈折
率異方性Δnf(550)とが、(Δnl(550)/
Δnl(650)−1)/(Δnf(550)/Δnf
(650)−1)<0.25の関係を満たす範囲に設定
されていることを特徴とする。現在、実用中のTN型の
液晶を用いると使用上の問題は無いが左右70°の視角
でやや黄色味の色をおびる。上記の請求項1の構成によ
れば、左右視角70°の視角で色付きがほとんど見分け
なれないことが確認された。液晶自身の波長分散が小さ
くて、位相差板の波長分散が液晶と正負逆になることが
好ましく、上記の左辺の値がある程度の負の値であるこ
とがより好ましい。なお、右辺の数値が0.18の場合
には左右視角限界を70°で色付きが認識されなくな
り、右辺数値は0.18未満が好ましい。上記の請求項
2の構成によれば、左右視角70°の視角で色付きがほ
とんど見分けられないことが確認された。液晶自身の波
長分散が小さくて、位相差板の波長分散が液晶と正負逆
になることが好ましく、上記の左辺の値がある程度の負
値であることがより好ましい。なお、右辺の数値が
0.18の場合には左右視角限界を70°で色付きが認
識されなくなり、右辺数値は0.18未満が好ましい。
【0034】上記の請求項1または2に記載の構成によ
れば、層間絶縁膜を介して、上記信号配線と画素電極と
を平面的に重ね、開口率を向上させる際、有機材料から
なる層間絶縁膜を形成することで、画素部となる部分あ
るいは近傍の配線等の下層の段差部を表面上で平坦化す
ることができる。このため、配向膜ラビング処理表面の
均一化と電気容量低減と電気力線面の改善がなされ、液
晶の配向不良が抑制される。
【0035】また、上記層間絶縁膜として比誘電率の低
いものを用い、上記配線と画素電極との間の電気容量を
低減して信号の漏れも抑制されるので、クロストークや
画素電極に対する書き込み電圧のフィールドスルーを低
減でき、表示品位を向上できる。また、上記層間絶縁膜
は、良質で透明性の高い膜を、CVD法等によらずコー
ティング法で厚膜かつ生産性高く形成できる。厚膜化に
より上記電気容量を低減させる。
【0036】また、上記層間絶縁膜は、透明度が高く、
各色カラーフィルター部に入射される光源から発した光
の中、必要なピーク波長の光を95%以上透過する。こ
のため、効率よく光源からの光を利用でき、光源の光量
(本数)を落として低消費電力化を図っても、同等ある
いはより明るく、美しい色合いの表示ができ、200c
d/m2以上の正面輝度を容易に得ることができる。さ
らに、正視角方向の視角改善が良好な配向分割手法と、
左右及び反視角方向に視角改善良好な主屈折率軸傾斜型
の位相差板を用いた手法を組み合せることにより、互い
の方式の弱点が相殺され、全方位の視角がより平均化さ
れて着色や反転現象を解消した広視野角の液晶表示装置
を実現することができる。
【0037】本発明の請求項記載の液晶表示装置は、
前記画素内において上下一方向に視覚良好な領域を該上
下一方向と反対の他方向に視覚良好な領域の異なる配向
領域を有し、前記液晶の異なる配向領域の面積比が6:
4から19:1の範囲に設定されていることを特徴とす
る。
【0038】分割配向領域の面積比を変化させると、正
視角方向の階調反転とコントラストでは、一方が良くな
れば、他方が悪化する相反した特性変化を示す。上記の
請求項2構成によれば、上記位相差板との組み合せにお
いて、階調反転抑制とコントラストとの各々の視角特性
のバランスを保ち、正視角方向で最低視角20°以上、
最大40°程度を達成することができる。より具体的に
は上記面積比がほぼ17:3の場合、左右及び反視角方
向で70°以上、最低視角方向の正視角方向でコントラ
ストと階調反転の限界が共にそれぞれ40°程度とほぼ
等しくなる。一方、上記面積比が19:1の場合、正視
角方向で階調反転は従来の光学補償板式の限界35°よ
り改善されて37°〜38°程度、コントラストは充分
それ以上(60°以上)の視角限界となる。また、上記
面積比が6:4の場合、正視角方向でコントラストの限
界が20°以上階調反転の限界はそれ以上(55°以
上)となる。コントラストの低下は、階調反転に比べ気
にならない。
【0039】本発明の請求項記載の液晶表示装置は、
前記位相差板が、前記画素内で最も大きい面積の分割配
向領域において、前記配向膜の内面近傍の液晶分子が前
記画素電極により電圧を印加したときの傾斜方向と、前
記屈折率楕円体の傾斜方向とが反対になるように配置さ
れることを特徴とする。
【0040】上記の請求項の構成によれば、最大面積
部の液晶分子による光学特性と位相差板の光学特性とが
逆に設定される。したがって、配向膜の表面近傍の液晶
分子は、配向の影響を受けて電圧印加時も立ち上がらな
いが、その液晶分子の偏りを位相差板で補償することが
できる。これにより、視角を正視角方向に傾けたとき
に、階調反転現象が抑制され、かつ、黒くつぶれない良
好な表示画像を得ることができる。
【0041】さらに、反視角方向でもコントラストの低
下が抑制され、白みを帯びない良好な表示画面を得るこ
とができる。加えて、左右方向の階調反転現象も抑制で
きる。
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】本発明の請求項記載の液晶表示装置は、
前記走査線上、前記信号線上、走査線又は信号線と同一
材料からなる遮光性の配線上に前記配向の分割境界を配
置したことを特徴とする。
【0047】上記の請求項の構成によれば、配向分割
の境界が既に形成された遮光性の材料上にあるので、開
口率(画素部の光透過部の面積率)を下げることなく、
配向分割境界の液晶配向不良による光り洩れを遮蔽で
き、表示品位が向上する
【0048】
【0049】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の液晶表示装置の実施形態を示す。本実施形態の液晶表
示装置1は、図1(a)に示すように、液晶表示素子5
と、液晶表示素子5の一方側に配置される位相差板2a
及び他方側に配置される位相差板2bと、液晶表示素子
5及び位相差板2a,2bを挟持する偏光子としての一
対の偏光板3、4とを有している。液晶表示素子5は、
ガラスからなる対向基板6と、ガラスからなる画素基板
7との間に、シール材13で囲って液晶12を封入して
いる。対向基板6の表面には、ITO(インジウム錫酸
化物)等からなる共通電極としての透明電極8と、ポリ
イミド、ポリビニルアルコール等からなる配向膜10
と、図示しない画素毎に分割されて配列している複数の
カラーフィルターとが形成されている。同様に、画素基
板7の表面にも、ITO等からなる透明な複数の画素電
極9とポリイミド等からなる配向膜11が形成されてい
る。
【0050】画素電極9は、所定の各色カラーフィルタ
ーの位置に対応して配置し、形成されている。また、液
晶表示装置1には、画素電極9から見て裏面側となる位
置に、細長い形状の光源14と、光源14から照射され
る光を液晶表示素子5に導光するための導光体15が配
置されている。光源14と導光体15等周辺の部材から
なるバックライトユニットによって、液晶表示装置1に
おける表示画面に相当する領域全面に、光源14からの
光を均一に分散して照射する。ただし、光源14は導光
体15の一辺側に一灯しか記載していないが、輝度を向
上するには導光体15の両辺に複数本の光源を置いたり
導光体15を無くした直下型点灯を行ったり、コの字型
の光源を導光体15の周辺に沿って配置したりしてもよ
い。
【0051】配向膜10,11の各表面は、介在する液
晶層12の液晶分子が約90°のねじれ配向するよう
に、予めラビング処理が施されている。より具体的に
は、図3に示すように、液晶表示素子5において、対向
基板6上の配向膜10のラビング処理は矢印21の方向
となるように処理されており、画素基板7上の配向膜1
1のラビング処理は矢印21に対して直交する矢印22
の方向となるように処理されている。本実施形態の液晶
表示装置1では、図4に示すように、偏光板3,4は、
その吸収軸23,24が互いに直交するように配置され
ている。従って、液晶12に対して電圧印加しない場
合、液晶表示装置1の画素は、光を透過して白色表示を
行うノーマリホワイト表示方式となっている。
【0052】このとき、偏光板3の吸収軸23と配向膜
10のラビング方向21とは、互いに平行となるよう設
定されている。また、偏光板4の吸収軸24と配向膜1
1のラビング方向22も、同様に互いに平行となるよう
設定されている。ここで、位相差板2a,2bにおい
て、位相差板2a,2bに異方性を与える方向に傾斜す
る主屈折率nbの方向が、位相差板2a,2bの表面に
投影されている方向をそれぞれ25a,25bと定義す
る。このとき、液晶表示装置1では、図4に示すよう、
位相差板2bの方向25bとラビング方向22とは、互
いに平行で、かつ、互いに同一方向となるよう設定され
ている。
【0053】なお、位相差板2a,2bは、偏光板3と
偏光板4のいずれか一方に少なくとも1枚配置すれば位
相差は補償される。液晶表示装置1に用いられる位相差
板2aは、図2に示すように、少なくとも代表層におい
て、あるいは位相差板2a全体として平均的に屈折率楕
円体の3つの主屈折率na,nb,ncが、na=nc
>nbの関係、すなわち、屈折率異方性が負となる関係
にある。これより、位相差板2aは、光学軸が1つのみ
存在する一軸性を備えている。また、位相差板2aの表
面をx−y平面とする直交座標系xyzを定義すると、
主屈折率nbの方向は、位相差板2aの表面の法線方向
z軸に対し矢印Aの方向に角度θ傾いている。
【0054】更に、主屈折率ncも位相差板2aの表面
に平行なx軸方向に対し、矢印Bの方向に角度θ傾いて
いる。即ち、位相差板2aでは、全体として屈折率楕円
体が主屈折率naの方向を軸として反時計まわりに角度
θで傾斜している状態となっている。この屈折率楕円体
の傾斜は、主屈折率naの方向を軸として時計まわりに
傾斜してもよい。なお、位相差板2bについても、位相
差板2aと同一構成であるため説明は書略する。
【0055】本実施形態では、位相差板2a,2bとし
て、主屈折率nbの傾斜は、角度θが中央層で約20°
のものを用いている。このとき、主屈折率ncも、角度
θが中央層で約20°となっている。つまり、屈折率楕
円体が主屈折率naの方向を軸として、反時計まわりに
20°傾斜していることになる。位相差板2a,2bと
しては、異なったリタデーション(retadatio
n)値を設定することによって、位相差の補償機能を確
実に得ることができる。
【0056】リタデーション値としては、第1及び第2
のリタデーション値があり、第1のリタデーション値
は、位相差板全体として主屈折率ncと主屈折率naと
の差と、位相差板の厚さdfとの積(nc−na)×d
fである。これに対して、第2のリタデーション値は、
主屈折率ncと主屈折率nbとの差と、位相差板の厚さ
dfとの積(nc−nb)×dfである。本実施形態で
は、位相差板2a,2bとして、具体的には、透明な支
持体(たとえば、トリアセチルセルロース等)にディス
コティック液晶を塗布し、ディスコティック液晶を傾斜
配向させたものであって、第1のリタデーション値が0
nmであり、第2のリタデーション値が100nmであ
るものを用いている。
【0057】位相差板2に傾斜配向されているディスコ
ティック液晶は、液晶分子における円盤形状であるであ
るディスコティック構造を一つの構造単位として層を形
成している。
【0058】該ディスコティック構造の1単位における
円盤面と位相差板2の表面のなす傾斜角は、位相差板2
の深さ方向に連続又は不連続に変化している。このと
き、上記の傾斜角は平均値が15°〜75°であること
が好ましい。上記ディスコティック液晶の形成は、延伸
製法タイプ等従来の製造方法と比較して、塗布法によっ
て形成することができるので、位相差板2を容易に低コ
ストで製造することができる。しかも、延伸製法タイプ
のように張力の均一性を管理する必要がないことから、
大型製品(例えば20インチ以上)も比較的容易に、品
質良く作れる。
【0059】ここで、従来の液晶表示装置では、表示画
面が大きくなるほど表示画面における左右の視角差が大
きくなるという問題点が生じていた。
【0060】特に、画面サイズが20インチ以上の表示
画面では、観察者が表示画面から垂直距離で50cm離
れ、かつ、該表示画面の中心に対して視角が70°以上
となる位置から表示画面を見ると、観察者から見て遠い
側の端部において、顕著な着色現象が観察され、上記垂
直距離が小さくなると、上記着色現象の確認角度は70
°から更に小さくなっていた。なお、画面サイズが15
インチの従来の表示装置でも上記垂直距離35cmであ
れば、やはり左右視角70°程度で顕著な着色現象が確
認された。しかし、上述したようなディスコティック液
晶で構成する位相差板では、大型の位相差板を容易に製
造できることに加え、大型に伴う品質バラツキや品質低
下も少ない。
【0061】よって、従来より高品質の位相差板2a,
2bを得ることができる。したがって、本実施形態の液
晶表示装置では、視角差の認識されやすい大型の表示画
面を有する液晶表示装置のなかでも、パーソナル使用と
して画面からの観察距離の小さい15インチ以上、各種
モニターとして観察距離が少し離れるが広範な視角から
観察される20インチ以上、それらから40インチ程度
までの大型の液晶表示装置であっても高品位表示が可能
となる。また、このとき、位相差板2a,2bにおける
光学異方軸の傾斜角は、下地の配向処理や材料等を適宜
選択して容易に位相差板の厚み方向に変化させることが
できる。
【0062】このため、液晶層12の特性に対する光学
補償とともに、液晶表示素子5の内部側(液晶側)と外
部側(大気側)の構成部材の光学特性に応じて、最適な
光学補正を容易にとることができる。位相差板2a,2
bを液晶表示装置1に対して用い、これを左右方向及び
上方向の60°以上の方向より表示画面を目視確認した
ところ、着色及び反転が見られず、美しい表示が得られ
た。
【0063】また、位相差板2a,2bとして、透明な
支持体にディスコティック液晶を繰り返し塗布し、ディ
スコティック液晶構造単位の円盤面の傾斜角を厚さ方向
に変化させてハイブリット配向させたものであって、第
1のリタデーション値が0nmであって、第2のリタデ
ーション値が100nmであるものについても、上記と
同様に液晶表示装置1に用い、表示画面の左右及び上7
0°以上の方向より目視確認したところ、着色及び反転
が見られず、美しい表示が得られた。
【0064】上記のような位相差板2a,2bを用いる
ことによって、視角に応じて生じる正常光と異常光との
位相差を広い面積で品質良く補償しているので、視角の
広い範囲にわたって直線偏光に変換すること可能で、視
角変化に伴う着色現象や反転現象を解消でき、視角依存
性の少ない液晶表示装置を得ることができる。
【0065】本実施形態の液晶表示装置1では、位相差
板2a,2bとともに液晶層12として、波長450n
mの光に対する屈折率異方性Δn(450)と波長65
0nmに対する屈折率異方性Δn(650)の差Δn
(450)―Δn(650)が、0以上0.01以下の
範囲に設定されている液晶(以下、この設定条件を条件
とする)を用いることが好ましく、斜めの視角での着
色をより低減できる。
【0066】さらに、上記条件に加えて、波長435
nmの光に対する屈折率異方性Δn(435)と波長6
10nmに対す屈折率異方性Δn(610)の差Δn
(435)―Δn(610)が、0.00875以下の
範囲に設定されている液晶(以下、この設定条件を条件
とする)を用いることがより好ましい。
【0067】位相差板2a,2bや偏光子3,4等では
屈折率異方性が各部材において通常異なっている。たと
えば、本実施形態に挿入使用する位相差板2a,2bと
して用いられているものの多くは、その屈折率異方性
は、短波長側で大きく高波長側で小さくなっている。こ
のため、短波長側の屈折率異方性と高波長側の屈折率異
方性との差が小さい液晶を位相差板2a,2bと組み合
せて用いることにより、視角に応じて生じる正常光と異
常光との位相差をさらに効果的に補償することができ
る。尚、限界値は実験による目視評価(黄色み解消)で
行った。また、短波長側で屈折率がある程度小さく長波
長側である程度相対的に大きくなる液晶を用いてもより
効果的に視角改善できる。
【0068】本実施形態では、具体的には、液晶層12
として、波長550nmの光に対する屈折率異方性Δn
(550)が0.07、0.08及び0.095である
液晶材料を用い、液晶表示素子5のセル厚(液晶層12
の厚み)を約5μmに設定して良好な表示を確認した。
液晶層における液晶材料の波長450nmの光に対する
屈折率異方性Δnl(450)と波長550nmに対す
る屈折率異方性Δnl(550)と、該位相差板の波長
450nmの光に対する屈折率異方性Δnf(450)
と波長550nmに対する屈折率異方性Δnf(55
0)とが、(Δnl(450)/Δnl(550)−
1)/(Δnf(450)/Δnf(550)−1)<
0.25の関係を満たす範囲に設定すれば、左右視角7
0°の視角で色付きがほとんど見分けられないことが確
認された。
【0069】液晶自身の波長分散が小さくて、位相差板
の波長分散が液晶と正負逆になることが好ましく、上記
の左辺の値がある程度の負の値であることがより好まし
い。なお、右辺の数値が0.18の場合にはまったく色
付きが確認されなくなり、右辺数値は0.18未満が好
ましい。
【0070】また、液晶層における液晶材料の波長55
0nmの光に対する屈折率異方性Δnl(550)と波
長650nmに対する屈折率異方性Δnl(650)
と、該位相差板の波長550nmの光に対する屈折率異
方性Δnf(550)と波長650nmに対する屈折率
異方性Δnf(650)とが、(Δnl(550)/Δ
nl(650)−1)/(Δnf(550)/Δnf
(650)−1)<0.25の関係を満たす範囲に設定
すれば、左右視角70°の視角で色付きがほとんど見分
けられないことが確認された。なお、右辺の数値が0.
18の場合には、左右70°の視角でまったく色付きが
確認されなくなり、右辺数値は0.18未満が好まし
い。
【0071】また、図4の構成では、液晶層12で、液
晶分子は90°捩じれた状態で配向し、ノーマリホワイ
ト方式の表示方式を採用している。したがって、表示画
面の表示コントラスト、色再現性、及び視角依存性をよ
り向上させることができる。特に、ノーマリホワイト方
式は、鮮明な白表示が可能で、ノーマリブラック方式よ
り好ましい。
【0072】次に、本実施形態の液晶表示素子5に用い
られている画素基板の構造について以下に説明する。本
実施形態の液晶表示素子5に画素基板として用いられて
いる画素基板7は、図6にその一部を示すように、画素
基板7上にスイッチング素子としての複数のTFT31
が形成され、さらにその上に複数の画素電極(透明電
極)9が形成されている。なお、図6では、TFT31
に接続された画素電極9aと、画素電極9aに隣接する
画素電極9bが示されている。さらに、画素電極9aを
制御する1つのTFT31は、ガラス基板7上に形成さ
れたゲート電極32の上部に、これを覆うように形成さ
れている半導体薄膜34と、半導体薄膜34のソース部
に形成されているソース電極35と、同じくドレイン部
に形成されているドレイン電極36とからなっている。
【0073】TFT31のソース電極35には信号線3
7aが接続され、ドレイン電極36には画素電極9aへ
の接続電極38が接続されている。これらTFT31、
信号線37a及び接続電極38を覆うようにして、層間
絶縁膜40が形成されている。接続電極38はさらに、
コンタクトホール39を介して画素電極9aと接続して
いる。層間絶縁膜40としては、アクリル系感光性樹脂
やベンゾシクロブテン(Benzocyclobute
ne)や無色透明のポリイミド等の樹脂が用いられる。
これらの樹脂は透明性が高く、透光性に優れている。
【0074】本実施形態では、ポジ型の感光性アクリル
樹脂で、メタクリル酸とグリシジルメタクリレートとの
共重合体からなるベースポリマーに、ナフトキノンジア
ジト系のポジ型感光材を混合したものを層間絶縁膜40
として用い作成した。上記の材料を用いた層間絶縁膜4
0では、図5のグラフ40aに示すように、現像前で、
380nm〜540nmの低波長領域において、未反応
の上記感光材等に由来する着色が見られる。この層間絶
縁膜40を現像すると、図5のグラフ40bに示すよう
に、たとえば、i線(365nm)等の紫外光を照射す
ることにより、上記グラフ40aに見られた着色吸収が
消失し、光源14から照射される光においてピーク波長
の光の透過率がほぼ95%以上となる透光性が得られ
る。
【0075】たとえば、本実施の形態では、光源14か
らの光の青色光のピークスペクトルが435nmで、こ
のとき、層間絶縁膜40の透過率は概ね95%で、緑色
光と赤色光の各ピークスペクトル部では更に透過率はそ
れ以上高い値となっている。このため、効率良く光源1
4からの光を利用することができるため、光源14の光
量を少々落として低消費電力にしても、高輝度で見た目
が明るく、かつ、美しい色合いの表示が可能となる。
【0076】次に図6に示すように、画素電極9aは、
画素電極9aの一方に隣接する図示しない画素電極を駆
動する図示しないTFTに接続されている信号線37b
上に一部積層された積層部Cと、画素電極9aに画像信
号入力するための信号線37a上には、画素電極9aに
隣接する画素電極9bが一部積層された積層部C‘を有
する。さらに、層間絶縁膜40は、図1(b)に示すよ
うに、上記ゲート電極32に接続されるゲート線32a
や付加容量電極41等を含む平面状の領域を下層電極領
域として、画素電極9を含む平面状の領域を上層電極領
域として、上下の電極領域を一部積層させることができ
る。図1(b)では、ゲート線32aと画素電極9との
積層部をDとし、付加容量電極41と画素電極9との積
層部をEとして示す。
【0077】このようにして、ゲート線32a及び信号
線37bは、遮光性の金属材料で形成されいるので画素
となる光透過領域をゲート線32a及び信号線37bに
間隙部少なく形成できるので、画素の開口率を向上し光
の利用効率を向上できる。
【0078】画素電極32aの周辺での液晶の配向不良
領域はガラス基板7又は対向するガラス基板6の上に、
別途設けた遮光材料で隠す場合には、材料費も嵩むし、
遮光材自身の形成精度や互いに対向する基板6、7同士
の張合わせ精度に応じたマージン量等を考慮して余分に
遮光領域として形成する必要があり、開口率を下げてい
た。あるいは、画素電極32a周辺のゲート線32aや
信号線37bからの電界などによる配向不良による光漏
れが特に視野を斜めにした時に悪影響してコントラスト
を低下させる要因となる。また、遮光材料部が大きい
と、その部分の光の表面反射も大きくこれによってもコ
ントラストを低下させていた。
【0079】層間絶縁膜40は、従来の無機薄膜材料に
比較して、画素電極9a及び配向膜11が積層される面
を平坦化することができるため、ラビング等の配向膜処
理において、配向膜11の上面全体を均一に加工処理で
き、高品質化と画素の光透過領域をゲート線32a及び
信号線37bに間隙部少なく形成できるため開口率向上
を図れる。従って、上記光漏れ領域をゲート配線32a
や信号線37aが精度良く遮光でき、かつ遮光層の幅も
小さいので不要光表面反射も小さく画面のコントラスト
の識別が容易である。
【0080】さらに、層間絶縁膜40は、従来の無機薄
膜と比較して比誘電率が低いので、信号線37及びゲー
ト線32aと画素電極9との間の電気容量が低減され、
電界の影響が抑制される。このため、上記電気容量が表
示画面に与えるクロストーク等の影響を低減し、画素電
極9に対する書き込み電圧のフィールドスルーを低減で
きる。加えて、層間絶縁膜40は、良質で透明性の高い
膜を生産性良く、厚くも形成でき、一層電気容量を低減
できる。
【0081】また、液晶分子に付与するプレチルト角を
異ならせたり、図1(b)に示すように互いに配向の異
なる配向膜11a,11bを形成した。プレチルト角は
実物の液晶表示装置で測定できない。標準サンプルで測
定した条件で異なる配向膜11a、11bの各々を約2
°と約5°となる条件で配向処理作製した。また、対向
基板側では配向処理分割せず、標準サンプルの条件で約
3°となる製造条件とした。これにより、位相差板2
a,2bのみでは困難な全方位的な視野角向上ができ
る。
【0082】異なる配向領域を形成する方法としては各
種提案と開発がなされているが、一方の領域にのみ(こ
こではプレチルト角の小さい方のみとし、他方はマスク
パターンで遮光して)配向処理工程中に光照射(紫外
光)を行いプレチルト角を異ならせる方法で作製した。
ラビング等の配向処理を2回に分けてその方向を変える
方式もあるが画素基板7と対向基板の両者を加工するな
どプロセスが多く精度が悪くなる。また、レジスト汚染
やラビング時の静電気によるスイッチング素子破壊で不
良が増す恐れがある。しかし、このような光配向分割方
式により、生産性、精度及び品質良く液晶表示装置1を
作製できる。しかも、配向分割境界を図1(b)に示す
ように、ゲート線32aや付加容量電極41あるいは図
示しない信号線37の領域内に形成することにより、製
作寸法誤差を吸収して光透過領域の分割比を精度良く形
成でき、配向分割境界の配向不良部を遮光し光洩れを防
ぐ。
【0083】図1(b)における、配向分割比は、ほぼ
均等であるが分割比を異ならせることにより、製品の使
用目的に応じ任意に、かつ、全方位の視野角をバランス
よく改良することができる。分割配向領域の面積比を変
化させると、正視角方向の階調反転とコントラストで
は、一方が良くなれば、他方が悪化する相反した特性変
化を示す。 画素内における液晶の異なる配向領域の面
積比が6:4から19:1の範囲に設定することによ
り、位相差板との組み合せにおいて、階調反転抑制とコ
ントラストとの各々の視角特性のバランスを保ち、正視
角方向で最低視角20°以上、最大40°程度を達成す
ることができる。
【0084】配向分割比を概ね17:3の面積比にする
ことで、左右と上方向の視角がほぼ等しく、下方向の階
調反転と、コントラスト低下のバランスを取って、(両
者共、下方向の視角限界が約40°となる)OAモニタ
ーとして従来ない総合性能を有する製品を作れることを
確認した。また位相差板が、画素内で最も大きい面積の
分割配向領域において、配向膜の内面近傍の液晶分子が
画素電極により電圧を印加されたときの傾斜方向と、該
屈折率楕円体の傾斜方向とが反対になるように配置され
ている。
【0085】したがって、配向膜の表面近傍の液晶分子
は、配向の影響を受けて電圧印加時も立ち上がらない
が、その液晶分子の偏りを位相差板で補償することがで
きる。これにより、視角を正視角方向に傾けたときに、
階調反転現象が抑制され、かつ、黒くつぶれない良好な
表示画像を得ることができる。
【0086】さらに、反視角方向でもコントラストの低
下が抑制され、白みを帯びない良好な表示画面を得るこ
とができる。加えて、左右方向の階調反転現象も抑制で
きる。
【0087】なお、図6においては、ドレイン電極36
と画素電極9aとをTFT31近傍で接続させている
が、接続電極38を隣接するゲート電極32や付加容量
電極41の上部まで延長させて延長部を形成してもよ
い。また、該延長部の先端にコンタクトホールを形成す
ることによって、接続電極38を画素電極9aに接続し
てもよい。接続電極38はドレイン電極36と同一の材
料であってもよく、あるいは異種の材料であってもよ
い。
【0088】接続電極38の材料は、ガラス基板7の構
造、製造工程、製造ラインの制約等を考慮し、容易に選
択できる。上記のように接続電極38を延長した構造に
より、TFT31が小さい場合でも、付加容量電極41
やその他の遮光性金属材で形成された部分の上にコンタ
クトホール39を形成する事により、滑らかな側壁のコ
ンタクトホール39を形成でき、断線不良等を低減でき
る。
【0089】また、コンタクトホール39内に導電材料
を埋め込むことによっても、接続電極38あるいはドレ
イン電極36と画素電極9aを歩留まり良く接続し、画
素電極9aの積層面の平坦性も向上できる。また、図示
しないが、接続電極38は、上記のように延長部を形成
する場合、特に、画素電極9に層間絶縁膜40を介し平
面的に重なる部分で透明導電膜により形成してもよい。
これにより、開口率を更に向上できる。
【0090】コンタクトホール39は、図6に示すよう
に、遮光性のある接続電極38上や、図示しない付加容
量に接続される遮光性の配線上等に設けてもよい。この
ように、コンタクトホール39近傍を遮光性の配線や電
極上に形成することにより、コンタクトホール39の段
差等により生じる、液晶の配向乱れによる光洩れを隠す
ことができ、コントラストの低下を招かない。しかも、
コンタクトホール39は、上記遮光部と同一のガラス基
板7上に形成でき、遮光部とコンタクトホール39との
間の位置精度良く形成できるため、遮光部を広げる必要
がなく、画素の開口率がさらに向上できる。
【0091】また、本実施形態に用いた光源14は、図
7(a)に示すように、青(B)、緑(G)、赤(R)
の三色においてピークスペクトルを有する光を照射する
ものである。光源14からの光は、前述した層間絶縁膜
40を透過し、通常その後、あるいは前に、カラーフィ
ルター層を透過する。本実施形態で用いたカラーフィル
ターは、図7(b)に示すように、上記図7(a)で示
したスペクトルを有する光を、高透過率で透過させるも
のである。
【0092】具体的には、図7(b)の実線で示すグラ
フは従来の染色カラーフィルター42bの透過率であ
り、破線で示すグラフは本実施の形態で用いられている
凸版印刷社製の高透過染色カラーフィルター42aの透
過率である。
【0093】高透過染色カラーフィルター42aは、従
来の染色カラーフィルター42bと比較して、全体的に
高い透過率を示しているが、特に、赤色光のピーク値で
85%以上の透過性を示す。さらに、層間絶縁膜40
も、前述したように高い透過率を持ち、鮮やかな色が表
示できる。また、効率良く光源14からの光を利用し、
高輝度で見た目が明るい表示が可能となる。以上のよう
に、前述構成を備える本実施形態の液晶表示装置は、表
示画面における視覚依存性を特段に改善し、かつ、低消
費電力で、色鮮やかに明るく高品位に表示できる。
【0094】次に他の実施形態を図13及び図14を用
い説明する。尚、図1(b)に示す先の例と同一の構成
には同一符号を付す。本構造では配向分割部101a、
101bの面積比を画素基板7の光透過部で17:3と
した配向分割部を遮光するよう付加容量電極102を配
置した。図14に示す様に対向基板103上には3色の
カラーフィルタ層104、105、106が形成され、
最上層に配向膜107が形成されている。配向分割部1
01a、101bと配向膜107部の表面の液晶のプレ
チルト角を推定値としてそれぞえ約5°、約2°、約3
°とした。また光透過率を向上する為、ゲート配線32
aや付加容量電極102の部分を除いて、窒化シリコン
製の絶縁膜108を介在する事なく有機性の層間絶縁膜
109を画素基板7上に直接積層した。
【0095】開口率を向上する為、信号配線は低抵抗配
線材料のアルミニウムを用い、輝度を向上する為、バッ
クライト光源として2辺に各3灯、合計6灯配置した2
0インチ型UXGAパネルにおいて、正面輝度200c
d/m2、正面コントラスト300、消費電力45W、
応答速度32msec、左右及び上方向視角65°以
上、下方向視角40°以上の広視野角を実現した。尚、
点灯する光源を6灯用いても液晶表示装置表面の15°
以内の温度上昇(20°程度が限界)に押さえた。尚、
視角方向に関し、正視角方向に対し特性の劣る方向に液
晶表示装置を置いて説明したが、通常携帯製品では天地
逆転させ、画面下方向に視覚を良好にしている。
【0096】
【発明の効果】本発明の液晶表示装置は、配線と画素電
極とを一部重畳させて開口率を向上させる。その際有機
材料から成る層間絶縁膜を形成することにより、層間絶
縁膜の下層に形成された配線の段差を吸収し、画素部及
び画素周辺全体を平坦化することができ、液晶の配向不
良が抑制される。
【0097】さらに、上記層間絶縁膜は従来の無機薄膜
より比誘電率が低く、上記配線と画素電極との間の電気
容量が低減されて電界の影響も抑制される。このため、
上記配線と画素電極との間の電気容量が表示に与えるク
ロストーク等の影響を低減し、画素電極に対する書き込
み電圧のフィールドスルーも低減できる。
【0098】加えて、上記層間絶縁膜は、良質に透明性
の高い膜を生産性よく得ることができるため、膜厚を厚
くして、電気容量の増加を低減できる。
【0099】また、上記層間絶縁膜は、透明度が高く、
光源のピーク波長の光透過率が約95%以上である。
【0100】このため、効率良く(すなわち光源の光量
を落として少々低消費電力化を図っても)光源からの光
を利用することができる。
【0101】よって、低消費電力であっても、高輝度で
見た目明るく美しい表示を得ることができる。携帯製品
等に用いる場合、電池寿命が高時間となり、あるいはバ
ッテリー重量を低減できるので有効である。
【0102】さらに、本発明は位相差板と分割配向構造
を組み合せており、広い視角を全方位に、あるいは使用
目的に応じて容易に視角を任意方向に対し良好な表示装
置を設計変更できる。また、斜め視野角限界上でも、白
色や赤色が従来に比べ特段美しく目に映る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本実施形態の液晶表示装置の構成を
示す断面図である。(b)は、(a)の液晶表示装置に
おける画素基板の構成を示す説明図である。
【図2】位相差板における主屈折率を示す斜視図であ
る。
【図3】液晶表示装置における配向膜のラビング方向と
正視覚方向との関係を示す説明図である。
【図4】液晶表示装置における偏光板及び位相差板の光
学的な配置を示す斜視図である。
【図5】本実施形態の液晶表示装置に用いられる層間絶
縁膜の光の透過率を示す図である。
【図6】本実施形態の液晶表示装置における画素基板の
断面図である。
【図7】(a)は、本実施形態の液晶表示装置に用いた
光源から照射される光のスペクトルを示す図である。
(b)は、本実施形態の液晶表示装置のカラーフィルタ
ーの透過特性を示す図である。
【図8】アクティブマトリクス基板を備えた従来の液晶
表示装置の構成を示す回路図である。
【図9】従来の液晶表示装置におけるアクティブマトリ
クス基板のTFT部分の断面図である。
【図10】TN型液晶表示素子における液晶分子のねじ
れ配向を示す模式図である。
【図11】アクティブマトリクス基板を備えた従来の液
晶表示装置の視野角特性を示す図である。
【図12】アクティブマトリクス基板を備えた従来の液
晶表示装置の視野角特性を示す図である。
【図13】他の実施形態の液晶表示装置における画素基
板の構成を示す図である。
【図14】他の実施形態の液晶表示装置における一部の
構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1a 液晶表示装置 2a、2b 位相差板 3、4 偏光板 5 液晶表示素子 6 ガラス基板(画素基板) 7 ガラス基板 8、9 透明電極 10、11 配向膜 12 液晶 31 TFT 36 ドレイン電極 37 信号線 38 接続電極 39 コンタクトホール 40 層間絶縁膜

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向電極が設けられた対向基板と、走査
    線、信号線、該走査線及び該信号線の交差点の近傍に設
    けられたスイッチング素子、層間絶縁膜及び該層間絶縁
    膜の上に設けられ前記スイッチング素子と接続された画
    素電極を有する画素基板と、前記対向基板及び前記画素
    基板の各々の対向する面に形成された配向膜と、前記対
    向基板及び前記画素基板の間に封入される液晶と、前記
    対向基板及び前記画素基板の各々に配置される偏光子
    と、光源とを有し、前記対向基板又は前記画素基板にカ
    ラーフィルター層を設けて成る液晶表示装置に於いて、 前記層間絶縁膜は前記光源から発して前記カラーフィル
    ター層の波長帯のピーク波長近傍の光透過率がほぼ95
    %以上である有機膜であって、 前記対向基板と一方の偏光子の間と前記画素基板と他方
    の偏光子の間の一方又は両方に介在される位相差板であ
    って、少なくとも代表層において屈折率楕円体の3つの
    主屈折率na、nb、ncが、na=nc>nbという
    関係を有し、主屈折率na及びncの一方が位相差板の
    表面に平行であり、その平行である主屈折率の方向を軸
    として、主屈折率nbを、位相差板の表面の法線方向に
    平行な状態から傾斜した状態へ時計まわり、又は反時計
    まわりに回転させることにより、前記屈折率楕円体が傾
    斜した位相差板を備え、 前記配向膜は、画素領域において前記液晶層の液晶分子
    を異なる配向状態に配向させるものであり、 前記液晶層における液晶材料の波長450nmの光に対
    する屈折率異方性Δnl(450)と波長550nmに
    対する屈折率異方性Δnl(550)と、該位相差板の
    波長450nmの光に対する屈折率異方性Δnf(45
    0)と波長550nmに対する屈折率異方性Δnf(5
    50)とが、(Δnl(450)/Δnl(550)−
    1)/(Δnf(450)/Δnf(550)−1)<
    0.25の関係を満たす範囲に設定されている ことを特
    徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】対向電極が設けられた対向基板と、走査
    線、信号線、該走査線及び該信号線の交差点の近傍に設
    けられたスイッチング素子、層間絶縁膜及び該層間絶縁
    膜の上 に設けられ前記スイッチング素子と接続された画
    素電極を有する画素基板と、前記対向基板及び前記画素
    基板の各々の対向する面に形成された配向膜と、前記対
    向基板及び前記画素基板の間に封入される液晶と、前記
    対向基板及び前記画素基板の各々に配置される偏光子
    と、光源とを有し、前記対向基板又は前記画素基板にカ
    ラーフィルター層を設けて成る液晶表示装置に於いて、 前記層間絶縁膜は前記光源から発して前記カラーフィル
    ター層の波長帯のピーク波長近傍の光透過率がほぼ95
    %以上である有機膜であって、 前記対向基板と一方の偏光子の間と前記画素基板と他方
    の偏光子の間の一方又は両方に介在される位相差板であ
    って、少なくとも代表層において屈折率楕円体の3つの
    主屈折率na、nb、ncが、na=nc>nbという
    関係を有し、主屈折率na及びncの一方が位相差板の
    表面に平行であり、その平行である主屈折率の方向を軸
    として、主屈折率nbを、位相差板の表面の法線方向に
    平行な状態から傾斜した状態へ時計まわり、又は反時計
    まわりに回転させることにより、前記屈折率楕円体が傾
    斜した位相差板を備え、 前記配向膜は、画素領域において前記液晶層の液晶分子
    を異なる配向状態に配向させるものであり、 前記液晶層における液晶材料の波長650nmの光に対
    する屈折率異方性Δnl(650)と波長550nmに
    対する屈折率異方性Δnl(550)と、前記位相差板
    の波長650nmの光に対する屈折率異方性Δnf(6
    50)と波長550nmに対する屈折率異方性Δnf
    (550)とが、(Δnl(550)/Δnl(65
    0)−1)/(Δnf(550)/Δnf(650)−
    1)<0.25の関係を満たす範囲に設定されている
    とを特徴とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】上記層間絶縁膜は、ポジ型の感光性アクリ
    ル樹脂に対して紫外線を照射したものであることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】前記液晶層は、波長450nmの光に対す
    る屈折率異方性Δn(450)と波長650nmに対す
    る屈折率異方性Δn(650)の差Δn(450)―Δ
    n(650)が、0以上0.01以下の範囲に設定され
    ている液晶からなることを特徴とする請求項1乃至請求
    項3のいずれかに記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】前記画素内において、上下一方向に視覚良
    好な領域と該上下一方向と反対の他方向に視覚良好な領
    域の異なる配向領域を有し、前記液晶の異なる配向領域
    の面積比が6:4から19:1の範囲に設定されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記
    載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】前記位相差板が、前記画素内で最も大きい
    面積の分割配向領域において、前記配向膜の内面近傍の
    液晶分子が前記画素電極により電圧を印加したときの傾
    斜方向と、前記屈折率楕円体の傾斜方向とが反対になる
    ように配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項
    のいずれかに記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】前記走査線上、前記信号線上、走査線又は
    信号線と同一材料からなる遮光性の配線上に前記配向の
    分割境界を配置したことを特徴とする請求項1乃至請求
    6のいずれかに記載の液晶表示装置。
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