JP3344321B2 - 液体試料導入装置 - Google Patents

液体試料導入装置

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JP3344321B2 JP19235698A JP19235698A JP3344321B2 JP 3344321 B2 JP3344321 B2 JP 3344321B2 JP 19235698 A JP19235698 A JP 19235698A JP 19235698 A JP19235698 A JP 19235698A JP 3344321 B2 JP3344321 B2 JP 3344321B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスクロマトグラ
フ装置等へ自動的に液体試料を導入する液体試料導入装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスクロマトグラフ装置を用いた自動分
析を行う際には、液体試料導入装置が利用される。液体
試料導入装置は、予め液体試料が収容されている多数の
試料瓶の中から所定順序に従って適当な試料瓶を選択し
て所定位置にセットし、そのセットされた試料瓶から所
定量の液体試料を採取して所定のタイミングでもってガ
スクロマトグラフ装置の試料気化室内に注入する、とい
う機能を有している。
【0003】図4はこのような液体試料導入装置の要部
の概略構成図であり、(a)は正面図、(b)は側面図
である。複数のバイアル40を一列に並べて収納可能な
試料ラック20は、モータ24と、該モータ24の回転
軸に固定されたピニオン23と、試料ラック20に設け
られ、ピニオン23に噛合するラック22等から構成さ
れるラック駆動機構によりスライド往復動するようにな
っている。一方、試料吸引部30に含まれるシリンジ
は、バレル31と、バレル31先端に取り付けられたニ
ードル32と、バレル31に嵌挿されたプランジャ33
とから構成されており、プランジャ33はプランジャ駆
動機構34によりセプタム41を貫通してバイアル40
内に押し込み又は引き出されるようになっており、シリ
ンジ全体はシリンジ駆動機構35により上下に移動する
ようになっている。
【0004】この構成では、まず、試料吸引位置(シリ
ンジの真下)に所望のバイアル40がくるように試料ラ
ック20が移動され、その後、シリンジ駆動機構35に
よりニードル32がバイアル40上部のセプタム41を
貫通して瓶内に挿入されるまでシリンジが降下される。
そして、プランジャ駆動機構34によりプランジャ33
が引かれて、バイアル40内の試料液がバレル31内に
吸引される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば化学
工業プラント等の工場設備では、配管に流れている液体
の組成の変化を常時監視しておくことが必要な場合があ
り、そのためには、その配管から所定時間間隔毎に連続
的に(例えば昼夜を問わず)試料液を採取しなければな
らない。しかしながら、上記従来の液体試料導入装置で
は、予め試料液をバイアル40に採取して試料ラック2
0に収納しておく必要があるため、そのような連続的に
試料液を採取するような用途には適していなかった。
【0006】こうしたことから、連続的に流れる液体か
ら所定時間間隔毎に自動的に所定量の試料液を採取可能
な、しかも、複数種類の液体からの採取が可能な液体試
料導入装置が要望されている。本発明はこのような点に
鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、
常時流れている液体試料から適宜の時点で所定量の試料
液を自動的に採取することができる液体試料導入装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る液体試料導入装置は、 a)直線的に往復動可能な試料ラック内に収納されたフロ
ーセルと、 b)前記フローセルに一端が接続された非フレキシブル管
路と、該管路の他端に一端が連結されるとともに他端が
台座に固定されたフレキシブル管路とから成る液体導入
管と、 c)前記フローセルに一端が接続され、前記液体導入管の
非フレキシブル管路と略同方向に延伸する非フレキシブ
ル管路と、該管路の他端に一端が連結されるとともに他
端が台座に固定されたフレキシブル管路とから成る液体
導出管と、 d)前記フローセルの往復動に応じて前記液体導入管及び
液体導出管の非フレキシブル管路が回動可能なように、
該二本の非フレキシブル管路を緩やかに支持する支持手
段と、 e)前記試料ラックの往復動線上の所定位置から、フロー
セル内の液体を吸引する試料吸引手段と、 を備えることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る液体試料導入装置の
実施態様の一例としては、液体導入管及び液体導出管の
非フレキシブル管路をほぼ平行に延伸する直線状管路と
し、フレキシブル管路を螺旋状管路とすることができ
る。すなわち、フレキシブル管路は、その管路が全体と
して伸縮、ねじれ又は撓み等、変形自在になっているも
のであり、非フレキシブル管路はこのような変形が生じ
ないか或いは生じたとしてもほぼ僅かであるものであ
る。
【0009】この実施態様による液体試料導入装置で
は、支持手段は、少なくともフローセルの往復動の範囲
に対応した回動範囲で直線状管路が回動するとともに、
その回動の円弧の径方向に直線状管路がスライド移動す
るように、液体導入管及び液体導出管を担持する。試料
ラックが直線運動をすると、フローセルに接続された液
体導入管及び液体導出管の二本の直線状管路は、支持手
段による支持点近傍を中心として回転する。その際、フ
ローセルは円弧上ではなく直線上を動くため、その回転
途中で直線状管路はフローセルにより支持手段の方向へ
の押圧力を受け螺旋状管路の方向に往復動する。螺旋状
管路の他端は台座に固定されているから、上記回転と往
復動の二方向の動きを、伸縮、ねじれ或いは撓みによっ
て吸収する。
【0010】フローセルには液体導入管を介して試料液
が外部から導入され、その試料液はフローセルを通過し
た後に液体導出管を介して再び外部に取り出される。上
述のように、試料ラックが往復動してもフローセルには
連続的に試料液が流れるから、試料液の吸引を行う前の
適宜の時間に当該フローセルが試料吸引手段による試料
吸引位置までくるように試料ラックを移動することによ
り、吸引時点でフローセルに流れている試料液を試料吸
引手段により吸引して採取することができる。また、こ
のようなフローセルを試料ラック内に複数収納すること
により、相異なる試料液を所定順序で吸引することが可
能になる。
【0011】なお、螺旋状管路に作用する伸縮、ねじれ
或いは撓み等の力はできる限り小さいほうが好ましいか
ら、そのためには、支持手段は直線状管路と螺旋状管路
との接続箇所に近い位置で二本の直線状管路を支持する
構成とすることが望ましい。
【0012】また、試料液には強酸性溶液等の腐食性の
強い成分が含まれていることがあるから、液体導入管及
び液体導出管は、ステンレス鋼などの耐腐食性金属から
成るものとすることが望ましい。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る液体試料導入装置の一実
施例を図を参照して説明する。図1は本実施例の液体試
料導入装置の基本構成を示す概略構成図、図2はこの液
体試料導入装置の側面図、図3は図2中のフローセルの
詳細断面図である。
【0014】図3に示すように、略円筒形状のフローセ
ル10の側壁面下方には試料液入口101、側壁面上方
には試料液出口102が設けられており、上面開口はシ
リコンゴムから成るセプタム104が付設された蓋体1
03により密閉されるようになっている。このフローセ
ル10の試料液入口101及び試料液出口102には、
それぞれ液体導入管11及び液体導出管12の末端部
(図3では符号111、121で示す)が接続されてい
る。
【0015】図1及び図2に示すように、液体導入管1
1及び液体導出管12はともに、直線状管路部111、
121と螺旋状管路部112、122とが連結された構
造を有しており、その全体が各種有機溶媒に対して耐腐
食性を有するステンレス鋼から形成されている。両直線
状管路部111、121はほぼ平行に延伸する一方、両
螺旋状管路部112、122はその軸が互いにほぼ直交
するように配置されており、その螺旋状管路部112、
122の末端は台座13に固定された配管継手14、1
5(図2では配管継手15は14の後方に隠れていて見
えない)に固着されている。なお、両螺旋状管路部11
2、122の軸は互いに直交する状態である必要はない
が、後述のように図1の配置になっているとより好まし
い。
【0016】液体導入管11及び液体導出管12の直線
状管路部111、121は、螺旋状管路部112、12
2との連結部の近傍において、台座13に固定された支
持部16に遊挿されている。支持部16は、支点S近傍
を中心にして直線状管路部111、121を水平に回動
すべく水平方向の動きを規制している一方、直線状管路
部111、121の延伸方向(図2では左右方向)には
直線状管路部111、121が自在に滑動するようにし
ている。このような動きを可能にするためには、例え
ば、図1に示すように、その表面が滑らかな円弧状部材
でもって両側から直線状管路部111、121を軽く挟
み込む構造とすることができる。
【0017】このように液体導入管11及び液体導出管
12が接続されたフローセル10は、試料ラック20に
複数設けられたバイアル保持孔21のうちの一個に装着
される。また、配管継手14には、分析対象である液体
が流れる試料液管17からバルブ18を介して分岐して
試料液を導入する管路が接続され、配管継手15には送
液ポンプ19を備えた試料液を排出するための管路が接
続されている。なお、送液ポンプ19は試料液の導入側
に設けてもよいし、高い液圧でもって試料液が供給され
る場合には送液ポンプ19は不要である。
【0018】上記構成の液体試料注入装置の動作は次の
通りである。始めに試料ラック20は図1中の実線で示
す位置にあり、そのときフローセル10も実線で示す位
置にある。この位置は、当該フローセル10を試料ラッ
ク20に装着することが可能な位置であるとともに、例
えば、後述のように二個以上のフローセルを試料ラック
20に装着する場合に、試料吸引を行わない側のフロー
セルを退避させておく位置である。この状態において、
バルブ18を開放すると、試料液管17から取り込まれ
た試料液が液体導入管11→フローセル10→液体導出
管12と流れる。
【0019】図示しない制御部により試料液管17に流
れる液体の分析が指示されると、前述のようにモータや
ラック・ピニオン等から成るラック駆動機構は、上記フ
ローセル10が試料吸引位置(シリンジの真下)にくる
ように試料ラック20をスライド移動させる。これによ
り、フローセル10は距離L1だけ移動し、図1中に点
線で示す位置までくる。一方、フローセル10に固定さ
れている液体導入管11及び液体導出管12の直線状管
路部111、121は、ほぼS点を支点として図1中に
点線で示す位置まで回動する。
【0020】支点Sは直線状管路部111、121の全
長をM1:M2に分割している点であるから、フローセル
10の移動距離L1に対して、直線状管路部111、1
21の他端の移動距離はL2になる。ここで、M1がM2
より遥かに長くなるように支点Sを決めているので、L
2はL1よりも遥かに短くなっている。また、試料ラック
20は直線運動をするので、フローセル10が図1に示
した実線位置から点線位置まで移動する途中で、直線状
管路部111、121は支点S側へ向かう力を受け、最
大で距離Nだけ往復動する。なお、この距離Nは、直線
状管路部111、121の長さに依存しているから、直
線状管路部111、121の長さを充分に長く確保する
ことができれば距離Nを小さくすることができる。
【0021】液体導入管11及び液体導出管12の螺旋
状管路部112、122はいわゆるコイルバネの構造を
有しているから、それぞれ軸方向に伸縮するとともに軸
に垂直な方向に撓む。従って、各直線状管路部111、
121との連結部分におけるそれぞれ異なる方向の移動
(上記L2及びNに相当する移動)は、螺旋状管路部1
12、122の伸縮、ねじれ又は撓み等の動きにより吸
収され、移動後の状態でも管路に無理な力が加わること
なく、試料液の流れも継続される。なお、図1に示した
構成では、ほぼ直交する2つの方向の動きが、それぞれ
螺旋状管路部112、122の軸と同一方向及び該軸に
垂直な方向に作用する。このため、螺旋状管路部11
2、122に最も無理なく力が加わり、効果的に力が吸
収される。
【0022】このようしてフローセル10が試料吸引位
置まで移動したならば、既に述べたようにシリンジ駆動
機構35はシリンジを降下させ、ニードル32をフロー
セル10のセプタム104に貫通させ試料液に浸漬す
る。そして、プランジャ駆動機構34によりプランジャ
33を引いて、フローセル10内に流れている試料液を
バレル31内に吸引し、これをガスクロマトグラフ装置
の試料気化室内に注入する。
【0023】なお、図1ではフローセルを1個のみ試料
ラック20内に収納する構成を記載しているが、同様の
構成を有するフローセルを2個以上試料ラック20に収
納し、各フローセルに対してそれぞれ異なる試料液管か
ら試料液を導入するように構成することもできる。この
ような構成によれば、1台のガスクロマトグラフ装置に
対し、順次異なる試料液を与えて分析を繰り返すことが
できる。また、フローセル以外に、試料液を予め収容し
たバイアルを試料ラック20に収納し、フローセル中の
試料液の分析を行う合間をぬって他の試料の分析を行う
こともできる。
【0024】更には、上記実施例は一例であって、本発
明の趣旨に沿って適宜変形や修正を行なえることは明ら
かである。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る液体
試料導入装置では、直線往復動するフローセルに連続的
に試料液を供給した状態で該フローセルから試料液を採
取することができる。このため、成分が変化する可能性
のある試料液を所望の時点で自動的に採取し、ガスクロ
マトグラフ装置へ導入して分析することができる。
【0026】また、上記効果を得るために、フローセル
と配管継手との間をゴム管又は他の可撓性を有する配管
でもって接続することも考え得るが、このような配管材
料は試料液の成分によっては腐食が進行する恐れもあ
り、信頼性に乏しく、寿命も短い。これに対し、本発明
に係る液体試料導入装置では、金属等の剛性の高い材料
をフローセルへの液体導入管や液体導出管の材料として
使用することができるので、これらを耐腐食性の金属か
ら成る構成とすれば、試料液による腐食等の損傷の恐れ
がなく、安定に且つ安全に試料液を採取することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である液体試料導入装置の
基本構成を示す概略構成図。
【図2】 本実施例の液体試料導入装置の側面図。
【図3】 図2中のフローセルの詳細断面図。
【図4】 一般的な液体試料導入装置の要部の概略構成
図。
【符号の説明】
10…フローセル 11…液体導入管 12…液体導出管 111、121…
直線状管路部 112、122…螺旋状管路部 13…台座 14、15…配管継手 16…支持部 20…試料ラック 30…試料吸引部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 30/16 G01N 1/00 101

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)直線的に往復動可能な試料ラック内に
    収納されたフローセルと、 b)前記フローセルに一端が接続された非フレキシブル管
    路と、該管路の他端に一端が連結されるとともに他端が
    台座に固定されたフレキシブル管路とから成る液体導入
    管と、 c)前記フローセルに一端が接続され、前記液体導入管の
    非フレキシブル管路と略同方向に延伸する非フレキシブ
    ル管路と、該管路の他端に一端が連結されるとともに他
    端が台座に固定されたフレキシブル管路とから成る液体
    導出管と、 d)前記フローセルの往復動に応じて前記液体導入管及び
    液体導出管の非フレキシブル管路が回動可能なように、
    該二本の非フレキシブル管路を緩やかに支持する支持手
    段と、 e)前記試料ラックの往復動線上の所定位置から、フロー
    セル内の液体を吸引する試料吸引手段と、 を備えることを特徴とする液体試料導入装置。
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