JP3342443B2 - 油圧作動加工機 - Google Patents

油圧作動加工機

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばポータブル
型のパンチャーなどの油圧作動機構を備えた油圧作動加
工機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポータブル型のパンチャー(穿孔機)な
どの油圧作動加工機が広く用いられているが、このよう
な油圧作動加工機は一般に、シリンダ内に圧送される圧
油により押圧されてピストンが可動し、このピストンの
可動によって被加工材を穿孔,切断,若しくは折曲加工
する加工部を備えたピストン可動加工部の上側に、前記
ピストンへ圧油を圧送する電動機を有する圧送機構を備
えた油圧送部を設けた構成である。
【0003】パンチャーを例として具体的に説明すれ
ば、電源コードを介して油圧送部の電動機を作動させる
ことで、油が油路を介してピストン可動加工部のシリン
ダ内へ圧送され、これによりピストンがリターンバネに
抗して下動し、ピストンの下部に設けた穿孔加工部によ
って被加工材が穿孔され、所定ストローク下動すること
でキックスプリングによってピストンが戻り動するよう
に構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のこのような油圧
作動加工機においては、前記シリンダ内で油路によって
ピストンが可動するように構成した下側のピストン可動
加工部と、電動機を有する圧送機構を備えた油圧送部と
は、縦に一体に構成されていて、一般に短いものでも上
下方向に50cm以上の長さを有する構成であった。
【0005】また、この上下に長い本体部(ピストン可
動加工部の上部に油圧送部が直線状に連設されたもの)
の上部あるいは側部には、握持ハンドル部が突設されて
いて、このハンドル部に指で押圧して電動機を作動させ
圧送機構を始動させる操作スイッチが設けられている構
成であった。
【0006】従って、例えば前述のポータブル型のパン
チャーなどの従来の油圧作動加工機は、その本体部の長
さが長く、既設の材料に追い加工する場合に、例えば前
述のような既存のパンチャーや電動ドリルではこの長さ
が邪魔となって加工できない場合が多々ある。
【0007】例えば、近年、新築よりも増改築、つまり
リフォームがさかんとなり、例えば壁面に所定間隔を置
いて敷設されているL型アングルにパンチングしようと
する際に、図5の想像線に示すように、このL型アング
ルの上下間隔に対して本体部の長さが長く穴空けできな
い場合が多々あり、改造作業に制約が生じたりする。 また、既存のパンチャーや電動ドリルでは、図7に示す
ように壁面が障害となってこれらの工具をL型アングル
の加工位置にセットできないという問題があった。
【0008】本発明は、従来の油圧作動加工機にこのよ
うな問題点を見い出し、これを解決すべく、本体部は一
体で縦長であるという固定観念を打破して発想の転換を
図り、ピストン可動加工部と油圧送部とを分離するとい
う画期的な発想に基づき、本機の機能に支障を来たさず
して本体部の高さを実質的に飛躍的に減少させ、例えば
壁面にアングルが短い間隔を置いて既設されていても、
加工が可能となり、操作性にも秀れた画期的な油圧作動
加工機を提供することを目的としている。
【0009】また、更にシリンダ内のピストン構造を改
良することで、例えば加工材が既設されている壁面に近
づけてセッティングできることになる油圧作動加工機を
容易に実現可能となる一層秀れた油圧作動加工機を提供
することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
【0011】シリンダ1内に圧送される圧油により押圧
されてピストン2が可動し、このピストン2の可動によ
って被加工材3を穿孔,切断,若しくは折曲加工する加
工部4を備えたピストン可動加工部Aの上側に、前記ピ
ストン2へ圧油を圧送する電動機5を有する圧送機構6
を備えた油圧送部Bを設けた油圧作動加工機において、
前記ピストン可動加工部Aの上側に前記油圧送部Bを連
設したストレート状態からこのピストン可動加工部Aに
対して前記油圧送部Bが側方へ略直角若しくは所定角度
傾斜した状態となるように、前記ピストン可動加工部A
の上側に前記油圧送部Bを側方へ折曲回動自在に突設
し、この折曲回動枢着部7に前記油圧送部Bにより圧送
される圧油を前記ピストン可動加工部Aのシリンダ1内
へ導入する油路8を配設し、前記油圧送部Bを折曲回動
してもピストン可動加工部Aが加工作動し得るように構
成し、前記シリンダ1内を可動する前記ピストン2を、
シリンダ1に対して前記油圧送部Bを直角若しくは傾斜
突設する側と反対側に偏心した位置に垂下配設して、こ
の偏心させた側のピストン可動加工部Aの外面部の出っ
張り度が少なくなるように設定したことを特徴とする油
圧作動加工機に係るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】好適と考える本発明の実施の形態
(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてそ
の作用効果を示して簡単に説明する。
【0013】本発明は、従来例のようにピストン可動加
工部Aと油圧送部Bとが上下に一体構造となってストレ
ート状態となっておらず、下側のピストン可動加工部A
に対して上側の油圧送部Bが側方へ略直角若しくは所定
角度傾斜した状態に突設されているため、上下方向の全
体長は短い。
【0014】従って、例えば図5に示すように壁面に被
加工材3としてL型アングル3が所定間隔を置いて既設
されていて、このL型アングル3にパンチング(穿孔加
工)する場合に、例えばピストン可動加工部Aに対して
油圧送部Bが側方へ略直角に突設されているため、上下
方向の長さは略ピストン可動加工部Aの長さとなり、図
5の想像線に示す従来のストレート状の長さのものと比
べて非常に短い。
【0015】従って、このように既設アングルのスパン
が短くても、あるいはたとえ上下方向に障害物があって
も作業が可能となり、これによりリフォームの改造作業
の制約がそれだけなくなりリフォーム用の工具として非
常に実用性が発揮されることとなる。
【0016】一方、本発明は、ピストン可動加工部Aと
油圧送部Bとを従来のストレート連設状態(縦長タイ
プ)から直角若しくは折曲状態(折曲タイプ)に突設す
る構成としたため、内部構造の大幅な設計変更を要せ
ず、本機の機能にも支障がなく、大幅なコストアップと
もならない。
【0017】また、ピストン可動加工部Aに対して油圧
送部Bを側方へ折曲回動自在に突設することで、従来通
り縦長のタイプとしても、油圧送部Bを折曲して縦方向
の長さを短くした折曲タイプとしても選択使用でき、一
層秀れた油圧作動加工機となる。
【0018】
【実施例】本発明の具体的な実施例について図面に基づ
いて説明する。
【0019】本実施例は、図1,図2に示すようにポー
タブル型(ハンディータイプ)のパンチャー(穿孔機)
に本発明を適用したもので、その内部の基本構成は従来
例と同様であり、下側の固定部となるピストン可動加工
部Aには、油路8を介してシリンダ1内に圧送される圧
油により押圧されて所定ストローク下降するピストン2
が設けられ、このピストン2の下端部には加工部4とし
て穿孔用雄ダイス4Aが設けられている。
【0020】この雄ダイス4Aの下方には被加工材3と
して板材を挿入配設する挿入空間を介して板材受座部4
Bが設けられ、この板材受座部4Bには受孔4Cが設け
られている。
【0021】また、上側の折曲回動移動部となる油圧送
部Bには前記シリンダ1内へ圧油を圧送するための電動
機5が設けられ、この電動機5の回転部の回転によって
油路8を介してシリンダ1内へ油を圧送する圧送機構6
が設けられている。
【0022】この油圧送部Bの先端部には、指掛け操作
スイッチ15を設けたハンドル部10が突設されていて、電
源コード11をコンセントに差し込み、指掛け操作スイッ
チ15を押して電動機5を作動させると、回転部の回転に
よって圧送機構6により油路8を介してシリンダ1内へ
油が圧送され、これによりピストン2がリターンバネ12
に抗して下動する。
【0023】このピストン2の下動によって板材受座部
4B上にセットした被加工材3が雄ダイス4Aによって
貫かれてパンチング加工されるととなる。
【0024】この圧送機構6やピストン2が所定ストロ
ーク下動するとキックスプリング13によって油圧が解除
され、ピストン2がリターンバネ12によって戻り動する
構造などについては、公知の技術として詳しい説明は図
示することをもって省略する。
【0025】本実施例は、以上のようなパンチャーに対
して本発明を適用したもので、図2に示すように前記下
側のピストン可動加工部Aに対して側方へ直角に前記油
圧送部Bを突設した構成としている。
【0026】従って、本発明は、従来例のようにピスト
ン可動加工部Aと油圧送部Bとが上下に一体構造となっ
てストレート状態となっておらず、下側のピストン可動
加工部Aに対して上側の油圧送部Bが側方へ直角に突設
されているため、上下方向の全体長は短い。
【0027】従って、例えば図5に示すように壁面に被
加工材3としてL型アングル3が所定間隔を置いて既設
されていて、このL型アングル3にパンチング(穿孔加
工)する場合に、例えばピストン可動加工部Aに対して
油圧送部Bが側方へ略直角に突設されているから、上下
方向の長さは略ピストン可動加工部Aの長さとなり、図
5の想像線に示す従来のストレート状の長さのものと比
べて非常に短い。
【0028】従って、このように既設アングルのスパン
が短くても、あるいはたとえ上下方向に障害物があって
も作業が可能となり、これによりリフォームの改造作業
の制約がそれだけなくなりリフォーム用の工具として非
常に実用性が発揮されることとなる。
【0029】また、本実施例では、更に単にピストン可
動加工部Aに対して油圧送部Bを直角に突設したのでは
なく、前記ピストン可動加工部Aの上側に前記油圧送部
Bを連設したストレート状態からこのピストン可動加工
部Aに対して前記油圧送部Bが側方へ略直角若しくは所
定角度傾斜した状態となるように、前記ピストン可動加
工部Aの上側に前記油圧送部Bを側方へ折曲回動自在に
突設した構成とし、図3,図4に示すように折曲回動枢
着部7に前記油圧送部Bにより圧送される圧油を前記ピ
ストン可動加工部Aのシリンダ1内へ導入する油路8を
配設し、前記油圧送部Bを折曲回動してもピストン可動
加工部Aが加工作動し得るように構成している。
【0030】従って、図2に示すように内部構造の大幅
な設計変更を要せず、本機の機能にも支障がなく、大幅
なコストアップともならない構成となり、しかもピスト
ン可動加工部Aに対して油圧送部Bを側方へ折曲回動自
在に突設することで、従来通り縦長のタイプとしても、
油圧送部Bを折曲して縦方向の長さを短くした折曲タイ
プとしても選択使用でき、一層秀れた油圧作動加工機と
なる。
【0031】また、本実施例では、このピストン可動加
工部Aに対する油圧送部Bの回動操作並びに加工作業が
し易いようにピストン可動加工部Aの上部に補助ハンド
ル部14を突設し、この補助ハンドル部14を操って油圧送
部Bを折曲回動する構成としている。
【0032】また、本実施例では、ピストン可動加工部
Aに対して油圧送部Bを直角に折曲した状態,45度傾
斜した状態,並びに従来通りストレート状態の3段階の
位置で固定保持する折曲固定手段9を備えている。
【0033】具体的には、折曲回動枢着部7に差込ピン
9Aをピン孔9Bに引動自在に設け、この差込ピン9A
が前記所定位置で係合する係合孔9Cを設け、この差込
ピン9Aを一旦引いてピストン可動加工部Aに対して油
圧送部Bを回動し、所定の係合孔9Cに差込ピン9Aを
差し込み係止することで所定回動位置に固定保持できる
ように構成している。
【0034】従って、夫々の位置で油圧送部Bを固定保
持できるため、前述のように使用状況に応じて適切な回
動位置となるように切り替え使用できると共に、夫々の
状態において位置決め固定されているため、加工作業が
し易く非常に秀れた油圧作動加工機となる。
【0035】また、本実施例では、前記シリンダ1内を
可動する前記ピストン2を、シリンダ1に対して前記油
圧送部Bを直角若しくは傾斜突設する側とは反対側に偏
心した位置に垂下配設して、この偏心させた側のピスト
ン可動加工部Aの外面部の出っ張り度が少なくなるよう
に設定している。
【0036】即ち、図7に示すように、従来は単にシリ
ンダ1の中心部にピストン2の垂下可動部が垂設された
真円構造であったため、本体部の外側にはシリンダ1の
外径による出っ張りと、更にピストン可動加工部Aと油
圧送部Bとのケーシングのフランジ部を全周にわたって
ボルト止めするための出っ張り部16があり、そのため図
7に示すように壁面が障害となってこれらの工具をL型
アングル3の加工位置にセットできないという問題があ
った。
【0037】この点、本実施例では、図6に示すように
シリンダ1の片側に偏心させてピストン2を設けてい
る。
【0038】即ち、シリンダ1にシーリングするピスト
ン2下動のためのピストン盤の中心部より片側に偏心し
た位置にピストン2の垂下可動部を垂設したため、それ
だけ加工部4の位置を図6のように壁面側へ寄せること
ができ、また、不要な外周部の出っ張りも設計改良によ
ってできる限りなくしたケーシング構造とすることによ
って、ピストン可動加工部Aの外面部の出っ張り度を可
能な限り押さえている。
【0039】従って、このような簡易な設計改良によっ
て、本機の機能に支障を来たさずして本体部の高さを実
質的に飛躍的に減少させ、また作業時のセッティングの
スパン(壁面などに近づけられる距離)を短くでき、例
えば壁面にアングルが短い間隔を置いて既設されていて
も、壁面からのアングルの突出度が小さかったり、加工
位置が壁面寄りでも加工が可能となり、操作性にも秀れ
た画期的な油圧作動加工機ができることとなる。
【0040】以上のように本実施例は、従来例と基本構
成や加工能力が同等のタイプであっても、加工材の既設
スパンが半分以下でも加工可能であり、また、加工位置
(被加工材3の穴芯)を壁面に近づけてパンチングで
き、改造作業に伴う制約を大幅に解消でき、リフォーム
作業具として適切な油圧作動加工機となる。
【0041】尚、本実施例では、パンチャーを例に説明
したが、他の加工機に本発明を適用しても良く、また、
本実施例では、従来通りのストレート状態からピストン
可動加工部Aに対して油圧送部Bを折曲回動して使用で
きる構成としているが、折曲回動構造とせず、図2,図
5(実線)に示すように直角あるいは所定各度傾斜状態
に予め固定状態に突設した構成とし、せまいスパンにお
いて使用可能な専用機として構成しても良く、いずれに
おいても本発明の所期の目的は達成できることとなる。
【0042】また、同様に各部の構成についても適宜設
計し得るものである。
【0043】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、本
機の機能に支障を来たさずして本体部の高さを実質的に
飛躍的に減少でき、例えば壁面にアングルが短い間隔を
置いて既設されていても、加工が可能となり、操作性に
も秀れた画期的な油圧作動加工機となる。
【0044】また、ピストン可動加工部に対して油圧送
部を側方へ折曲回動自在に突設することで、従来通り縦
長のタイプとしても、油圧送部を折曲して縦方向の長さ
を短くした折曲タイプとしても選択使用でき、一層秀れ
た油圧作動加工機となる。
【0045】また、前記ピストン可動加工部に対して前
記油圧送部を折曲回動してもピストン可動加工部が加工
作動でき、簡易な改良で本機の機能に支障を来たさず、
しかも前記作用・効果を確実に発揮でき、一層秀れた画
期的な油圧作動加工機となる。
【0046】また、本発明においては、シリンダ内のピ
ストン構造の改良によって、例えば加工材が既設されて
いる壁面に近づけてセッティングできることになる油圧
作動加工機を容易に実現可能となる一層秀れた油圧作動
加工機となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のストレート状態での概略構成斜視図
である。
【図2】本実施例のピストン可動加工部に対して油圧送
部を直角に突設した状態での説明断面図である。
【図3】本実施例の折曲回動枢着部を示す要部の拡大説
明斜視図である。
【図4】本実施例の折曲回動枢着部の拡大説明断面図で
ある。
【図5】本実施例の壁面に所定間隔を置いて既設せれて
いるL型アングルを穿孔する使用状態説明図である。
【図6】本実施例の壁面に近づけてパンチングできるこ
とを示す説明図である。
【図7】従来例の壁面に近づけてパンチングできないこ
とを示す説明図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 ピストン 3 被加工材(L型アングル) 4 加工部 5 電動機 6 圧送機構 7 折曲回動枢着部 8 油路 A ピストン可動加工部 B 油圧送部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B30B 1/32 B30B 12/00 B25F 5/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内に圧送される圧油により押圧
    されてピストンが可動し、このピストンの可動によって
    被加工材を穿孔,切断,若しくは折曲加工する加工部を
    備えたピストン可動加工部の上側に、前記ピストンへ圧
    油を圧送する電動機を有する圧送機構を備えた油圧送部
    を設けた油圧作動加工機において、前記ピストン可動加
    工部の上側に前記油圧送部を連設したストレート状態か
    らこのピストン可動加工部に対して前記油圧送部が側方
    へ略直角若しくは所定角度傾斜した状態となるように、
    前記ピストン可動加工部の上側に前記油圧送部を側方へ
    折曲回動自在に突設し、この折曲回動枢着部に前記油圧
    送部により圧送される圧油を前記ピストン可動加工部の
    シリンダ内へ導入する油路を配設し、前記油圧送部を折
    曲回動してもピストン可動加工部が加工作動し得るよう
    に構成し、前記シリンダ内を可動する前記ピストンを、
    シリンダに対して前記油圧送部を直角若しくは傾斜突設
    する側と反対側に偏心した位置に垂下配設して、この偏
    心させた側のピストン可動加工部の外面部の出っ張り度
    が少なくなるように設定したことを特徴とする油圧作動
    加工機。
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