JP3342391B2 - 照明装置及びそれを用いた撮影装置 - Google Patents

照明装置及びそれを用いた撮影装置

Info

Publication number
JP3342391B2
JP3342391B2 JP6063998A JP6063998A JP3342391B2 JP 3342391 B2 JP3342391 B2 JP 3342391B2 JP 6063998 A JP6063998 A JP 6063998A JP 6063998 A JP6063998 A JP 6063998A JP 3342391 B2 JP3342391 B2 JP 3342391B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
optical member
optical
incident surface
flash
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6063998A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11242273A (ja
Inventor
伸広 藤永
良治 天明
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP6063998A priority Critical patent/JP3342391B2/ja
Publication of JPH11242273A publication Critical patent/JPH11242273A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3342391B2 publication Critical patent/JP3342391B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は照明装置及びそれを
用いた撮影装置に関し、例えばカメラ本体(撮影本体)
の一部に装着して、カメラ本体の撮影動作と連動させて
照明光(閃光)を被写体側へ効率良く照射し、撮影する
際に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、カメラ本体の一部に装着して
カメラの撮影動作に連動させて照明光(閃光)を被写体
側に照射して撮影するようにした照明装置(ストロボ装
置)が種々と提案されている。
【0003】例えば実開昭57−150826号公報で
は使用時にはカメラ撮影光軸から離れた位置に発光部を
保持固定し、非使用状態には発光部が前側に倒れ、カメ
ラと一体的な形状になるように構成した照明装置が提案
されている。
【0004】又、特開昭59−165037号公報では
閃光放電管から射出した光束を帯状に集光させ、その集
光部にファイバーを配置し、これを適宜束ねることによ
って所定の配光が得られるように構成した照明装置が提
案されている。
【0005】又、本出願人は特開平8−234277号
公報において、発光手段と発光手段からの光を被写体に
照射する為に光を部材を通して部材の長手方向に案内
し、光を折り曲げて被写体に向けて集光放射する光学手
段とを備え、発光手段からの光を部材を通してその部材
の長手方向に案内し、光を被写体に向けて集光放射する
ようにした光の利用効率の良い照明装置を提案してい
る。
【0006】実開平3−8329号公報では導光手段と
しての光学部材(光学パネル)の両端に閃光発光管の両
端を押える突起部を設けて、該突起部で閃光発光管を押
圧して反射鏡に当接させた構成の照明装置を提案してい
る。
【0007】図11は従来の導光部材(光学部材,光学
パネル、そしてライトガイドともいう)を用いた照明装
置の発光部近傍の断面概略図である。図11において、
発光部は閃光を発する円筒状の閃光発光管4と、該閃光
発光管4から発せられた光を入射面(光入射面ともい
う。)5aより入射させ長手方向に導き、集光させ、射
出面(光射出面ともいう。)5bより射出させる導光部
材5と、該閃光発光管4から発せられた光を必要範囲外
に極力逃さないように、効率よく入射面5a側に導く反
射鏡6によって構成されている。
【0008】上記の構成では、左右方向の配光は導光部
材5の射出面5bの曲率を変化させることにより比較的
容易に調節している。また上下方向の配光は導光部材5
の光入射面5aと光射出面5bまでの厚みを変えて、導
光部材5の上下の反射面の反射角を変えるか、閃光発光
管4と導光部材5の光入射面の間隔を変化させることに
より調節している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一般にカメラ等の装置
全体が小型・軽量化された撮影装置に装着する照明装置
(ストロボ装置)としては、 (a1). 小型軽量であること。
【0010】(a2). 光源手段からの照明光を効率良く被
写体側へ照射することができるこ (a3). 照明装置が熱を持たないで安全であること。 等が要望されている。
【0011】図11に示す照明装置においては発光部の
発光時に閃光発光管4が高温になるために導光部材5が
熱の影響(焼け、変形など)を受けないように、閃光発
光管4と導光部材5の光入射面5aとの隙間をあける必
要があり、かつ導光部材5と反射鏡6との間にすき間A
1′を開けて発光部近辺に熱がこもらないようにしてい
た。しかしながら、この隙間A′から有効光束が逃げる
ことがあり、この結果、発光部の効率を低下させ、かつ
上下方向の配光角が広くできない要因となっていた。ま
た、光射出方向に隙間を開けるため、その隙間分だけ発
光部の長さが伸びるため、小型化に不利な要因となって
いた。
【0012】また、発光光源と導光部材5との間に隙間
を空けるために、製造上、どうしても発光光源と導光部
材との距離がばらつき、配光特性等がばらつく要因とな
っていた。
【0013】特に近年、カメラの小型化が進んでおり、
従来このタイプの発光部ユニットのメリットは小型化が
主目的であるが、連続で発光させると熱が発光分近辺に
こもり、発光部近くの部材が高温となり発光部ユニット
自体の熱による損傷及び火傷などの人体への悪影響が心
配され、放熱などの熱対策を施さないと小型化が困難で
あるという問題があった。
【0014】本発明は、光源手段からの光を導光する為
の導光部材(光学部材)と反射鏡等の各要素の形状を適
切に構成することにより、発光光源から発生した熱を効
率よく逃してやることで、発光光源と導光部材の光入射
面の隙間を狭くし、導光部材の熱による変形や焼けなど
を防ぐとともに、照明装置自体が高熱になることを防止
し、効率よく発光光源からの光を前方へ導くことによ
り、高性能で安全な照明装置及びそれを用いた撮影装置
の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の照明装
置は、光源手段からの光束を光学部材を介して、所定の
照射角の照射光として照射する照明装置において、該光
学部材は該光源手段に対向した入射面、該入射面側に該
光源手段の一部と接触する該入射面と段差を有する突起
部、該入射面からの光束の一部を反射又は/及び全反射
させる反射面、該入射面と対向した射出面とを有してい
ることを特徴としている。
【0016】請求項2の発明の照明装置は、光源手段か
らの光束を光学部材を介して、所定の照射角の照射光と
して照射する照明装置において、該光学部材は該光源手
段側から被照射側方向に対して順次、互いに材質の異な
る第1光学部材と第2光学部材を配置しており、該第1
光学部材は該第2光学部材に比べて、より高い耐熱性の
光学材料より成っていることを特徴としている。請求項
3の発明は請求項2の発明において、前記第1光学部材
と第2光学部材との間に弾性のある光学樹脂を設けたこ
とを特徴としている。
【0017】請求項4の発明の投影装置は、請求項1か
ら3のいずれか1項の照明装置を有していることを特徴
としている。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明の照明装置をカメラ
(撮像装置)本体の上辺部に設けたときの実施形態1の
要部概略図、図2は、図1の照明装置における照明光束
導光用の光学部材(光学パネル,導光部材ともいう。)
の要部斜視図、図3は図1の照明装置における照明光束
導光用の光学部材と光源手段の要部断面図である。
【0023】図中、1はカメラ本体(撮影本体)、2は
レンズ鏡筒部であり、撮影レンズを保持している。以
下、カメラ本体1の上下方向をY軸、左右方向をX軸、
光軸方向をZ軸として表わす。
【0024】3は照明装置(発光部ユニット)であり、
カメラ本体1の右上部にカメラ本体1の左右方向(X方
向)又は上下方向(Y方向)に摺動自在に設けている。
照明装置3は光源手段としての閃光を発する円筒形状の
閃光放電管(閃光発光管,キセノン管,ストロボ)4、
該閃光放電管4からの放射光束のうち前方以外の、例え
ば後方(被写体側と反対方向)に放射される光束を被写
体側へ集光反射する一次元方向に曲率を有し、内面反射
を利用した反射鏡(反射傘)6、閃光放電管4から直接
入射した光束及び反射鏡6で反射して入射した光束を所
定形状の光束として集光し、被写体側へ効率良く照射す
る照明光束導光用の光学部材(光学パネル,ライトガイ
ド)5を有している。
【0025】6aは反射鏡6の一部に設けた導通部であ
り、閃光発光管4の一部の通電部と接触して電気的に通
電している。
【0026】光学部材5は平板状の透明部材(ガラス,
プラスチック等)より成っている。光学部材5は閃光放
電管4側からの光束を入射させる入射面5a、入射面5
aからの光束を全反射させる為の反射面としての上下面
5c(5c1 ,5c2 )と側面5d(5d1 ,5d
2 )、そして入射面5aから直接導光される光束、上下
面5cと側面5dで全反射をし、又は全反射を繰り返し
た後に導光される光束を被写体側へ射出させる射出面5
bとを有している。
【0027】5a′は光学部材5の光入射面5aの両端
に光入射面5aと段差Xを有した矩形状の突起部であ
る。この突起部5a′の面が閃光発光管4の放電部の外
側部(電極部)に当接するようになっている。これによ
り、発光時に放電部に比べ比較的温度の低い電極部に突
起部5a′に当てるようにすることで、光学部材5の突
起部5a′の熱による影響を極力抑えるとともに、閃光
発光管4と光学部材5の光入射面5aとの距離のばらつ
きを抑えている。
【0028】また、段差Xの寸法を変えることにより、
配光角と到達距離(ガイドナンバー)のバランスを微調
している。カメラ等で用いられる照明装置は、小型で光
の高い利用効率を主目的としている。そのために、限ら
れた光量で到達距離と配光角を両立させる必要がある。
閃光発光管4と光学部材5の光入射面5aとの光軸方向
の距離が変化するとわずかな変化量でも上下方向の配光
角に大きく影響する。この為、本実施形態では突起部5
a′を設けることにより閃光発光管4と光学部材5の光
入射面5aとの光軸方向の距離を厳しく設定している。
【0029】入射面5aと射出面5bとの間が導光部と
なっている。入射面5aと射出面5bは対向配置してい
る。即ち、入射面と射出面は撮影レンズの光軸方向に延
びる線上に配置している。入射面5aと射出面5bは平
面又は曲率を有した正又は負の屈折力の曲面(尚、本明
細書において曲面とは球面,非球面,楕円面,2次曲
面,シリンドリカル面,トーリック面等を言う。)より
成っている。
【0030】尚、入射面5a又は/及び射出面5bの一
部を曲面とし、他の部分を平面より構成しても良い。
【0031】尚、図3では光学部材5の入射面5aと射
出面5bは簡単の為に平面として示している。上下面5
1 ,5c2 と側面5d1 ,5d2 は入射面5aに対し
て大きな角度を持って広がった平面又は曲面より成って
いる。
【0032】光学部材5は入射面5aの入射面積に比べ
て射出面5bの射出面積が大きくなるような形状より成
っている。例えば、光学部材5はそのXY断面において
入射面5aから射出面5bにかけて側面5d1 ,5d2
の距離又は/及び上下面5c1 ,5c2 の距離が順次又
は一定の割合で増大する形状より成っている。
【0033】具体的にはXY断面積が一定の割合で又は
高次関数的に増加する導光部を有するようにしている。
【0034】尚、本実施形態において照明装置3をカメ
ラ本体1の側面に、上下方向(Y軸方向)又は左右方向
(X軸方向)に摺動可能に装着しても良い。
【0035】本実施形態の照明装置では閃光放電管4か
ら射出した光束を直接、又は反射鏡6で反射させた後に
光学部材5の入射面5aに導光している。入射面5aに
入射した光束の一部は直進し、射出面5bに導光され、
他の一部は上下面5c又は/及び側面5dで全反射して
射出面5bに導光される。
【0036】このように光学部材5の内面で全反射を繰
り返すことによって集光性の高い照明光束として射出面
5bより被写体側に所定の照明光束形状(例えばXY断
面内で正方形,X軸方向に長い長方形等)で照射してい
る。
【0037】特に閃光放電管の光束のうち径方向(Y方
向)の光束は上下面5c1 ,5c2で繰り返し全反射さ
せ、軸方向(X方向)の光束は射出面5dの曲面の屈折
作用で効率良く集光させて被写体側へ照射している。
【0038】光学部材5の入射面5aは矩形状をしてお
り、そのX軸方向の長さは閃光放電管4のX軸方向の有
効アーク長よりも若干長く、又、入射面5aのY軸方向
の長さは反射鏡6の開口部に対して隙間を生じない程度
の開口部の長さと略同じである。これによって閃光放電
管4からの光束を入射面5aより効率的に取り込んでい
る。射出面5bも入射面5aと同様に矩形状開口となっ
ている。
【0039】次に本発明に係る照明光束導光用の光学部
材5について説明する。図10は本発明に係る照明光束
導光用の光学部材を平板状のライトガイドより構成した
ときの要部断面図である。光学部材5は平面又は曲面よ
り成る多角形状(例えば4角形状)の入射面(光入射
面)5a、入射面5aより大きな面積を有する平面又は
曲面より成る多角形状(例えば4角形状)の射出面(光
射出面)5b、入射面5aから射出面5bまでを一定の
傾きを持った平面又は曲面より成る上下面5c1,5c2
、側面5d1 ,5d2 (尚側面5d1 ,5d2 は不図
示)とを有し、全体として多角形錐台(4角錐台)等の
平板形状より成っている。
【0040】尚、入射面5aと射出面5bは簡単の為に
平面で表わしている。閃光放電管(不図示)は入射面5
aから所定距離、離れた位置に配置している。Vd は入
射面5aの高さ(カメラ本体に装着したときの上下方
向,Y方向)、Aは入射面5aの高さ方向(Y方向)の
中央部(中心)、Ve は射出面5bの高さ、Bは射出面
5bの高さ方向の中央部(中心)、Lは光学部材5の長
さ(Z軸方向の長さ)である。LABは点Aと点Bを結ぶ
直線(以下「光軸」又は「照射光軸」という。)、LC
は射出面5bの端部Cを通り光軸LABに平行な軸であ
る。
【0041】次に本実施形態において光入射面5aの前
面に各角度成分に対して均一な拡散光源を配置した状
態、即ち光入射面5aの高さVd の全ての点で各角度成
分の強度が均一(配光分布が均一)で最大の入射角度α
の光が光入射面5aより入射した場合の光束の進行状態
について説明する。
【0042】この場合、光入射面5aの各点5a1 ,5
2 から入射した光束のうち入射角度の小さい成分は図
に示すようにそのまま直進し、射出面5bより射出す
る。一方、入射角の大きい成分は入射角の大きさに応じ
て光学部材5の面5c1 ,5c2 で所定回数全反射した
後、光射出面5bより射出する。図示の例では最大3回
の全反射を行い、射出する場合を示している。この様子
を図中に示した光線追跡図を用いて説明する。
【0043】光線追跡図は、光射出面5b上の中央部B
を通る。各全反射回数の成分の最大角を細線で示してい
る。各光線m2 〜m2 ′はそれぞれサフィックスが反射
回数、ダッシュの有無が射出面5bより射出するときの
上方と下方の光束を示している。例えばm2 は2回反射
点Bにおける上側の角度成分の最大値を意味し、m0
は全反射せず、射出面5bより射出する直接光の下側の
最大値を示す。
【0044】この場合の中央部Bにおける最大射出角
(半画角)はβb であり、光入射面5aの上端の点5a
1 からの光束が2回の全反射をした後、光射出面5bの
中央部Bから射出することがわかる。
【0045】一方、光射出面5bの端部の点Cを通る各
全反射回数の成分の最大角を二点鎖線で示した各光線が
3 ′〜n2 である。この場合は上側には最大2回の全
反射光が、下側には最大3回の全反射光が存在する。
【0046】又、C点における最大射出角は光軸から離
れる側にβC0、光軸側に近づく方向にβCiとなり、それ
ぞれ最大全反射回数に対応した成分であり、βC0が光射
出面5bから射出される最大の射出角成分である。
【0047】上記数値間には、 βC0>βb >βCi の関係がある。又、上記の例では光射出面5bの中央部
Bと端点Cの2点について示したが、その間の各点では
その中間の特性となり、端点Cと比べると外側(軸LC
に対して光学部材5の外方)に向かう射出角の最大値β
C0は小さくなり、光軸側に向かう最大角βCiは大きくな
る傾向にある。又、光束の光学部材5への入射角と射出
角の前後の最大値を比較すると、入射時の最大値αに対
し、射出時の最大値βC0は極めて小さくなっている。
【0048】以上のことから、光学部材5を介すること
によって入射面5aに一様な配光分布の光が入射した場
合、射出面5bから射出される光束は狭く絞られ、又、
その分布も中央部では光軸LABを中心にほぼ対称になる
が、周辺に向かうにつれて徐々に分布の中心が外側に移
動し、端部が最も分布が外側に向かう。そして端部の最
大値βC0がこの光学部材5を介した最大の射出角とな
る。
【0049】さらに、光入射面5aに不均一な(ムラの
ある)光強度分布の光束が入射した場合でも、上下面又
は/及び側面で全反射を繰り返すことによってその配光
ムラが徐々に緩和されて射出面5bより射出する。これ
は入射光が所定角度傾いた全反射面(上下面,側面)で
反射することにより、その角度成分が保存されず、傾斜
角度だけずれて合成されていく為である。
【0050】以上述べてきたように、光入射面5aから
入った光は光学部材5の上下面5c1 ,5c2 で全反射
を繰り返して集光されて光射出面5bから射出される。
最大入射角度αが大きくなるとそれに比例して射出され
る光束は、集光されて入射角よりかなり小さくなるが、
確実に上下方向で広がる。従って閃光発光管4と光学部
材5の光入射面5aを近づけることは、最大入射角度α
を大きくすることができるので、配光角を広げるのに有
効である。また最大入射角度αより大きな角度の光束
は、そのままではほとんど被写体を照射することのない
無駄な光となるため、効率の面でも近づけた方が有利で
ある。
【0051】ただし、発光光源から出る光エネルギーは
変化しないので、光学部材の光入射面を遠ざけることに
よる光量ロスを無視すると、光学部材の光入射面を発光
光源から遠ざけると、配光角は狭くなるが到達距離は長
くなる。しかし、前述のように光学部材に入る光線の最
大入射角を小さくすると、光量ロスが大きくなるので、
なるべく発光光源と光学パネルの光入射面の距離は近づ
けて設定するほうが、効率が良くなる。
【0052】さらに光学部材などの形状を変えることな
く配光角を広げるためには、光学部材5の光入射面に設
けた突起部5a′を閃光発光管4の一部に当接させるこ
とにより、同一の構成上で最大入射角度αを最大に取る
ことが出来る。ただし閃光発光管4に当接させるために
は、光学部材5の材質が熱に強いガラス等でできている
場合には問題ないが、材質がアクリル(PMMA)やポ
リカーボネート(PC)等の合成樹脂製の場合には、そ
のまま当接させると、熱によって変形や変色、焼け等が
発生する危険が有るため、耐熱製の部材を用いて当接す
る等何らかの熱対策(例えば光学パネルの光入射面にガ
ラス板を張り付ける等)をするのが良い。
【0053】また、閃光発光管4は通常Xe(キセノ
ン)管が使用されており、その外形は通常細いガラス管
でできているため、光学部材5が耐熱性の高いガラスで
できていても、直接閃光発光管4と光学部材5を当接さ
せると、閃光発光管4が当接によるストレスや外部から
の衝撃などにより割れてしまう危険があるため、何らか
の緩衝対策が必要となる。
【0054】図4は本発明の照明装置の実施形態2の要
部斜視図、図5は図4の光学部材5と光源手段6の要部
概略図である。
【0055】図4,図5において閃光発光管4は両端の
電極部近辺に配置された、弾性の有る材料から成る保持
部材11を用いて、光学部材5に反射鏡6を押し付けて
いる。すなわち、保持部材11の押し圧力により、閃光
発光管4の通電部と反射鏡6の通電部が電気的に接触す
るようにしている。
【0056】従来より、ストロボ発光の際の発光信号
(トリガー電圧)を閃光発光管の放電部近傍に掛けてい
る。この発光信号を掛けるために、金属製の反射部材を
介して閃光発光管にトリガー電圧を掛けることが、一般
的に行われている。
【0057】上記のように、光学部材の光入射面5aと
閃光発光管4との光軸方向の距離X′をほぼばらつき無
く確保するとともに、トリガー電圧を掛けるための閃光
発光管4と反射鏡6との電気的導通も容易に得ることが
できる。また、この保持部材11の押し圧部の厚みを変
えることにより、容易に光学部材の光入射面5aと閃光
発光管4との光軸方向の距離X′を調節することができ
る。
【0058】図6は本発明の実施形態3による撮影用の
照明装置の発光部の斜視図である。図7はその断面図で
ある。
【0059】閃光発光管4から射出した光束は直接また
は、反射鏡6で反射した後、光学部材5の光入射面5a
から入射し、光学部材5の内部を通過し直接または上
下、左右の面で全反射を繰り返した後、射出面5bから
被写体に向かって照射される。前記光学部材5は少なく
とも2種以上の光学材料より構成され、光射出面5b側
にアクリルやポリカーボネートなどの透明な光学材料よ
り成る第2光学部材(5−2)で構成し、光入射面5a
側にそれより耐熱性のあるガラスやシリコン樹脂などの
材料より成る第1光学部材(5−1)で構成している。
【0060】この構成により、光学部材5の光入射面5
a側の第1部材(5−1)に耐熱性が有るため、光学部
材の光入射面5aを閃光発光管4により近づけることが
可能となる。
【0061】図6において、光学部材5の光入射面5a
を反射鏡6の反射光射出面6aより閃光発光管4に近づ
けることにより、光学部材5と反射鏡6との上下方向の
隙間を小さくすることができ、光学部材5の光入射面5
a以外への光の漏れを極力防いで、光利用効率の向上を
図っている。
【0062】また光学部材5の光入射面5aを閃光発光
管4に近づけることにより、光学部材5の光入射面5a
に入射する光の入射角を広くとり、同一の構成で最大の
上下方向の配光角を得ることができるようにしている。
【0063】また少なくとも2種以上の光学材料より構
成された光学部材5は、その構成する複数の光学材料を
光の屈折率が近い材料を用いることにより、ほぼ同一の
材料を用いたときと同じ性能とみなすことができる。具
体的には、通常、光学材料に使用される樹脂材料の屈折
率は概ねnd=1.5前後であり、光入射面側に用いる
高耐熱部材であるガラスやシリコンや、またこれらの光
学材料をつなぐ接着剤や充填剤の屈折率も光射出側に用
いる光学樹脂材の屈折率になるべく近い材料を選択する
ことが望ましい。
【0064】また図6において、2種以上の光学材料
(5−1,5−2)より構成された光学部材5は、透過
光の伝達効率を低下させないために、閃光発光管4から
の光入射面側の第1光学部材(5−1)と光射出面側の
第2光学部材(5−2)の光透過面をなるべく密着させ
る必要がある。しかし部材同志を単に密着させても、部
材と部材の間にどうしてもごく薄い空気層ができてしま
う。この空気層によって光学部材5の光入射面5aから
入射した光の一部が反射され、光射出面5bから射出さ
れる光量が減少してしまう。また、単に密着させるだけ
では部材同志が動いてしまい、組立上や光の制御の点か
らも不利である。この空気層による光の損失を防止する
ためには、多色成形による製造が考えられるが、面精度
や部材の材質、製造コストなどを考えると、現在の製造
技術では困難である。
【0065】図8,図9は本発明の実施形態4の要部概
略図である。図8,図9では光入射面側の第1光学部材
(5−1)と光射出面側の第2光学部材(5−2)の間
に透明な充填材5−3(油,シリコン樹脂,接着剤な
ど)を入れることにより、第1,第2光学部材同志を結
合及び密着させることで、光学部材5内部での空気層に
よる反射での光の損失を防止するとともに、光学部材を
一体化して、光の制御を容易にしている。
【0066】図8において8はユニット全体を保持する
ケース、9は蓋、10はユニット全面を保護するパネル
である。
【0067】図8において、まず閃光発光管4と反射板
6をバンド(不図示)で固定し、ケース8のリブ8aに
バンドを引っかけてその張力で反射鏡6と閃光発光管4
を密着させ、反射鏡6の導通部6aと閃光発光管4の導
通部との電気的接触を取っている。
【0068】次に光学部材5を閃光発光管4の前方から
スライドさせて、左右方向はケース8下面の不図示の溝
部に光学部材5の下面の突起5eを合わせて振れを防止
し、前後方向はケース8の上面の角穴8bに光学部材5
の上面に設けられた不図示の位置決めダボを入れて位置
を出すようにしている。このようにして、閃光発光管4
と光学部材5の光入射面の距離を設定している。
【0069】本実施形態では光学部材5の光入射面5a
側の第1光学部材(5−1)と光射出面5bの第2光学
部材(5−2)の間に、別の透明な充填材(5−3)を
入れている。
【0070】図9は照明装置の発光部の断面図を示して
いる。ここで光学部材5は光入射面5a側により高い耐
熱性光学材料、光射出面5b側に光学樹脂部材からなる
光学材料を用い、光入射面5a側の第1光学部材(5−
1)と光射出面5b側の第2光学部材(5−2)の間に
例えば透明シリコン樹脂のような弾性のある弾性部材
(5−3)を介して接続している。
【0071】第1,第2光学部材の接続に使っている弾
性材料5−3が緩衝材となり、当接による荷重や振動、
衝撃を和らげる役割を果たし、簡単な構成で閃光発光管
4と光学部材の入射面5aを当接させることができる。
このことにより、発光光源から射出された光及び反射鏡
から反射した光を、効率よく光学部材の光入射面で取り
込んでいる。
【0072】上記のごとく閃光発光管4と光学部材5の
入射面5aを当接させることにより、光学部材5により
閃光発光管4を押して、その押し力で閃光発光管4が反
射鏡6を押して閃光発光管4の導通部と反射鏡6の導通
部との電気的接続も取ることもでき、弾性部材によって
閃光発光管4を反射鏡6に押し付ける必要がなくなる。
【0073】また、弾性のある材料を介して接続した光
学部材を使用することにより、閃光発光管4と光学部材
5の光入射面5a側の第1光学部材(5−1)を当接さ
せても、中間の弾性部材(5−3)が緩衝材の役割を果
たすために、特にほかの緩衝対策を施す必要もない。
【0074】上記実施例では射出光の照射角可変につい
ては言及していないが、光学部材の光射出面5bの前面
にレンズを配置して、このレンズを移動させることによ
り照射角の変更を行うようにしても良く、これによれば
容易に照射角を変更することができ、ズームレンズに対
応した配光を得ることができる。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、光源手段
からの光を導光する為の導光部材(光学部材)と反射鏡
等の各要素の形状を適切に構成することにより、発光光
源から発生した熱を効率よく逃してやることで、発光光
源と導光部材の光入射面の隙間を狭くし、導光部材の熱
による変形や焼けなどを防ぐとともに、照明装置自体が
高熱になることを防止し、効率よく発光光源からの光を
前方へ導くことにより、高性能で安全な照明装置及びそ
れを用いた撮影装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の要部概略図
【図2】図1の一部分の要部斜視図
【図3】図1の一部分の要部断面図
【図4】本発明の実施形態2の要部概略図
【図5】本発明の実施形態2の一部分の概略図
【図6】本発明の実施形態3の要部斜視図
【図7】本発明の実施形態3の要部断面図
【図8】本発明の実施形態4の要部斜視図
【図9】本発明の実施形態4の要部断面図
【図10】本発明の実施形態1の一部分の光路説明図
【図11】従来の照明装置の要部断面図
【符号の説明】
1 カメラ本体 2 レンズ鏡筒部 3 照明装置 4 閃光発光管 5 光学部材(導光部材) 6 反射鏡 5a 入射面 5b 射出面 5a′ 突起部 5c(5c1 ,5c2 ) 上下面 5d(5d1 ,5d2 ) 側面 5−1 第1光学部材 5−2 第2光学部材 5−3 充填材

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源手段からの光束を光学部材を介し
    て、所定の照射角の照射光として照射する照明装置にお
    いて、該光学部材は該光源手段に対向した入射面、該入
    射面側に該光源手段の一部と接触する該入射面と段差を
    有する突起部、該入射面からの光束の一部を反射又は/
    及び全反射させる反射面、該入射面と対向した射出面と
    を有していることを特徴とする照明装置。
  2. 【請求項2】 光源手段からの光束を光学部材を介し
    て、所定の照射角の照射光として照射する照明装置にお
    いて、該光学部材は該光源手段側から被照射側方向に対
    して順次、互いに材質の異なる第1光学部材と第2光学
    部材を配置しており、該第1光学部材は該第2光学部材
    に比べて、より高い耐熱性の光学材料より成っているこ
    とを特徴とする照明装置。
  3. 【請求項3】 前記第1光学部材と第2光学部材との間
    に弾性のある光学樹脂を設けたことを特徴とする請求項
    の照明装置。
  4. 【請求項4】 請求項1からのいずれか1項の照明装
    置を有していることを特徴とする撮影装置。
JP6063998A 1998-02-25 1998-02-25 照明装置及びそれを用いた撮影装置 Expired - Fee Related JP3342391B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6063998A JP3342391B2 (ja) 1998-02-25 1998-02-25 照明装置及びそれを用いた撮影装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6063998A JP3342391B2 (ja) 1998-02-25 1998-02-25 照明装置及びそれを用いた撮影装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11242273A JPH11242273A (ja) 1999-09-07
JP3342391B2 true JP3342391B2 (ja) 2002-11-05

Family

ID=13148099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6063998A Expired - Fee Related JP3342391B2 (ja) 1998-02-25 1998-02-25 照明装置及びそれを用いた撮影装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3342391B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4652836B2 (ja) * 2005-02-03 2011-03-16 キヤノン株式会社 照明装置および撮影装置
JP5261683B2 (ja) * 2007-09-18 2013-08-14 スタンレー電気株式会社 ストロボ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11242273A (ja) 1999-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3481599B2 (ja) 線状照明装置
JP3372785B2 (ja) 照明装置及びそれを用いた撮影装置
JP4792486B2 (ja) フレネルレンズライト用、特にスポットライトあるいはフラッドライト用光学系
JP2004093623A (ja) 照明装置及びそれを用いた表示装置
US10436408B2 (en) Lighting device, corresponding lamp and method
JP3544066B2 (ja) 照明装置および撮影用閃光発光装置
CN103185245A (zh) 照明装置及该照明装置所用的聚光体
JP2011003474A (ja) 光源装置およびそれを備えた擬似太陽光照射装置
US10253941B2 (en) Lighting device, corresponding lamp and method
CN107667245B (zh) 将来自若干led的光进行组合的发光设备
CN108139066B (zh) 用于调准光学转换器上产生的光斑的方法、包括光斑的装置及其用途以及使用金属焊料连接的转换器-冷却体组件
JP2007265688A (ja) コリメーションレンズ及びこれを用いた照明装置
US7499099B2 (en) Illumination apparatus and image-taking apparatus
JP3342391B2 (ja) 照明装置及びそれを用いた撮影装置
JP2002072310A5 (ja)
JP3342396B2 (ja) 照明装置及びそれを用いた撮影装置
JP2014203604A (ja) 照明装置
JP6610310B2 (ja) 無影灯
JP2005078929A (ja) 照明装置および電子機器
JPH11242267A (ja) 照明装置及びそれを用いた撮影装置
JP2012059493A (ja) 光源装置
JPH04204924A (ja) 照明装置
JP4280527B2 (ja) 照明装置
JP6639573B2 (ja) 照明ランプ
JP2004069723A (ja) 照明装置および撮影装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070823

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080823

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080823

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090823

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees