JP3342381B2 - 陽極化成装置 - Google Patents

陽極化成装置

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JP3342381B2 JP36100997A JP36100997A JP3342381B2 JP 3342381 B2 JP3342381 B2 JP 3342381B2 JP 36100997 A JP36100997 A JP 36100997A JP 36100997 A JP36100997 A JP 36100997A JP 3342381 B2 JP3342381 B2 JP 3342381B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解質溶液中で基
板に陽極化成処理を施す陽極化成装置及び該装置を含む
基板処理装置並びにこれらの装置を用いた基板処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】多孔質シリコンは、A.Uhlir及びD.R.Tur
nerにより、弗化水素酸(以降HFと略記する)の水溶
液中において正電位にバイアスされた単結晶シリコンの
電解研磨の研究過程において発見された。その後多孔質
シリコンの反応性に富む性質を利用して、シリコン集積
回路製造工程において厚い絶縁物の形成が必要な素子間
分離工程に応用する検討がなされ、多孔質シリコン酸化
膜による完全分離技術(FIPOS:Full Isolation by Porou
s Oxidized Silicon) などが開発された(K.Imai,Solid
State Electron 24, 159, 1981)。また最近では多孔
質シリコン基板上に成長させたシリコンエピタキシャル
層を、酸化膜を介して非晶質基板上や単結晶シリコン基
板上に貼り合わせる、直接接合技術などへの応用技術が
開発された(特開平5-21338号)。その他の応用例とし
て多孔質シリコンそのものが発光する、所謂フォトルミ
ネッセンスやエレクトロルミネッセンス材料としても注
目されている(特開平6-338631号)。図19は、シリコ
ン基板に陽極化成処理を施して多孔質シリコンを製造す
る装置の構成を示す図である。この装置は、シリコン基
板1301の裏面を金属電極1302に密着させ、シリ
コン基板1301の表面の外周部分をOリング1304
等でシールするようにして陽極化成槽1305をシリコ
ン基板1301上に配置してなる。槽内には、HF溶液
1303が満たされ、シリコン基板1301に対向する
ようにして対向電極1306が配置されている。この対
向電極1306をマイナス電極とし、金属電極1302
をプラス電極として直流電圧を印加することにより、シ
リコン基板1301が化成処理される。この方式には大
きな欠点が2つある。1つの欠点は、シリコン基板13
01の裏面が直接金属に接触しているために、シリコン
基板1301が金属に汚染されることである。そして、
もう1つの欠点は、シリコン基板1301の表面の化成
される領域が、HF溶液に接触している部分だけであ
り、Oリング1304の内側にしか多孔質シリコンが形
成されないということである。図20は、上記の問題点
を解決すべく開発された陽極化成装置(特開昭60-94737
号)の構成を示す図である。この陽極化成装置は、シリ
コン基板1401を挟むようにして、耐HF性のテフロ
ン製の陽極化成槽1402a及び1402bを配置してな
る(テフロンは、米国du Pont社の商品名)。そして、
陽極化成槽1402a、1402bには、夫々白金電極1
403a、1403bが設けられている。陽極化成槽14
02a、1402bは、シリコン基板1401と接する側
壁部に溝を有し、この溝に夫々フッ素ゴム製のOリング
1404a 、1404bがはめ込まれている。そして、
陽極化成槽1402a、1402bとシリコン基板140
1とは、このOリング1404a、1404bによりシー
ルされている。このようにしてシールされた陽極化成槽
1402a、1402bには、夫々HF溶液1405a、
1405bが満たされている。この陽極化成槽では、シ
リコン基板が直接金属電極に接触していないため、金属
電極によりシリコン基板が汚染される可能性が小さい。
しかしながら、化成処理を施すシリコン基板は、その表
面及び裏面をOリングによってシールされるために、依
然としてシリコン基板の表面の周辺領域に未化成部分が
残るという問題がある。また、処理すべきシリコン基板
そのものが化成槽に直接組み込まれて一体化する構造で
あるため、シリコン基板の交換作業が迅速にできないと
いう問題点がある。この問題点に鑑みて、シリコン基板
をその周辺(ベベリング)領域で支持する陽極化成装置
が開発された(特開平5-198556号)。この陽極化成装置
に拠れば、金属電極からの汚染を防止できると共に基板
表面の全領域を化成処理できる。また、この陽極化成装
置は、処理するウェハをホルダに固定し、このホルダを
化成槽に固定するという2段のプロセスでウェハを化成
槽内に固定するため、ウェハを直接化成槽に固定してウ
ェハが化成槽の一部をなす従来の装置よりも操作性が格
段に向上している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開平5-198556
号に記載の陽極化成装置は、金属汚染が殆ど発生せず、
且つ基板表面の全領域を化成処理することができる極め
て実用性が高い装置である。しかし、より生産性の高い
陽極化成装置が望まれるところである。上記特開平5-19
8556の生産的課題は、基板をホルダーにセットする方法
にある。即ち上記装置に於いて基板をホルダに組み込む
場合は、先ず、ウェハの中心がシール面の中心に一致す
るようにし、且つオリエンテーションフラット等の特殊
形状部分をホルダの対応部分に合わせ、次いで、シール
面をウェハの周辺に押し当ててウェハを固定する必要が
ある。ウェハを固定するためには相応の押し当て圧力が
必要となるので、例えばネジなどが使用される。従って
ロボットを用いて自動的に基板を移載することが困難で
あった。本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので
あり、基板の支持方法を改善して、陽極化成処理の効率
化を図ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る陽極化成装
置は、電解質溶液中で基板に陽極化成処理を施す陽極化
成装置であって、対向する一対の電極と、基板の片面の
一部を吸着する吸着面を有する保持部と、基板を前記吸
着面に押圧する押圧部とを備え、前記保持部及び前記押
圧部が支持部を構成し、該支持部により基板を前記一対
の電極間に支持することを特徴とする。
【0005】上記の陽極化成装置において、前記支持部
は、保持した基板の裏面に電解質溶液を接触させるため
の開口部を有することが好ましい。
【0006】上記の陽極化成装置において、前記保持部
は、基板のベベリング部の内側近傍を吸着する吸着機構
を有し、前記押圧部は、該基板のベベリング部を前記吸
着部の吸着面に押圧することが好ましい。
【0007】上記の陽極化成装置において、前記吸着機
構は、基板を真空吸着する機構であることが好ましい。
【0008】上記の陽極化成装置において、前記吸着機
構は、基板の裏面を吸引するための1又は複数の吸引孔
を含むことが好ましい。
【0009】上記の陽極化成装置において、前記吸着機
構は、基板のベベリング部の内側近傍に沿った環状の溝
を含むことが好ましい。
【0010】上記の陽極化成装置において、前記吸着面
は、基板の表面側の電解質溶液が該基板の裏面側に回り
込むことを防止するように該基板と密着することが好ま
しい。
【0011】上記の陽極化成装置において、前記支持部
は、夫々基板の外周の一部を支持する分離可能な複数の
要素支持部からなり、全要素支持部を一体化した状態で
基板の外周の全体を支持可能な状態になることが好まし
い。
【0012】上記の陽極化成装置において、前記支持部
を構成する各要素支持部は、要素槽壁部材と連結されて
1つのブロックをなし、全ブロックを一体化することに
より、要素槽壁部材により密閉された1つの陽極化成槽
が構成されることが好ましい。
【0013】上記の陽極化成装置において、前記の各ブ
ロックに属する要素支持部は、基板の外周のうち円周角
が180度以内の部分を支持することが好ましい。
【0014】上記の陽極化成装置において、前記ブロッ
クの個数が2以上であることが好ましい。
【0015】上記の陽極化成装置において、少なくとも
1つの前記要素槽壁部材が、前記陽極化成槽内に電解質
溶液を注入するための注入口を有することが好ましい。
【0016】上記の陽極化成装置において、少なくとも
1つの前記要素槽壁部材が、前記陽極化成槽から電解質
溶液を排出するための排出口を有することが好ましい。
【0017】上記の陽極化成装置において、前記注入口
及び前記排出口を用いて電解質溶液を循環させる手段を
更に備えることが好ましい。
【0018】上記の陽極化成装置において、前記陽極化
成槽内を洗浄する手段を更に備えることが好ましい。
【0019】上記の陽極化成装置において、前記陽極化
成槽を展開又は一体化する操作手段を更に備えることが
好ましい。
【0020】上記の陽極化成装置において、前記操作手
段は、前記陽極化成槽を複数のブロックに分離すること
により前記陽極化成槽を展開することが好ましい。
【0021】上記の陽極化成装置において、前記複数の
ブロックは、ヒンジにより連結されており、前記操作手
段は、前記ヒンジを軸とて前記陽極化成槽を展開するこ
とが好ましい。
【0022】上記の陽極化成装置において、前記支持部
を複数備えることが好ましい。
【0023】上記の陽極化成装置において、前記複数の
支持部は、保持すべき基板の軸方向に直列に配列されて
いることが好ましい。
【0024】上記の陽極化成装置において、前記複数の
支持部の配列の間隔は、規格の基板キャリアにおける基
板収納用の溝の間隔と略等しいことが好ましい。
【0025】本発明に係る他の陽極化成装置は、電解質
溶液中で基板に陽極化成処理を施す陽極化成装置であっ
て、複数のブロックからなり展開可能な陽極化成槽と、
前記陽極化成槽内に設けられた対向する一対の電極と、
前記一対の電極間に基板を支持する支持部とを備え、各
ブロックを一体化した状態で前記陽極化成槽は密閉され
ることを特徴とする。
【0026】上記の他の陽極化成装置において、前記支
持部は、分離可能な複数の要素支持部からなり、各要素
支持部は前記複数のブロックのいずれかに連結されてい
ることが好ましい。
【0027】上記の他の陽極化成装置において、前記ブ
ロックの個数が2以上であることが好ましい。
【0028】上記の他の陽極化成装置において、少なく
とも1つの前記ブロックが、前記陽極化成槽内に電解質
溶液を注入するための注入口を有することが好ましい。
【0029】上記の他の陽極化成装置において、少なく
とも1つの前記ブロックが、前記陽極化成槽から電解質
溶液を排出するための排出口を有することが好ましい。
【0030】上記の他の陽極化成装置において、前記注
入口及び前記排出口を用いて電解質溶液を循環させる手
段を更に備えることが好ましい。
【0031】上記の他の陽極化成装置において、前記陽
極化成槽内を洗浄する手段を更に備えることが好まし
い。
【0032】上記の他の陽極化成装置において、前記陽
極化成槽を展開又は一体化する操作手段を更に備えるこ
とが好ましい。
【0033】上記の他の陽極化成装置において、前記操
作手段は、前記陽極化成槽を複数のブロックに分離する
ことにより前記陽極化成槽を展開することが好ましい。
【0034】上記の他の陽極化成装置において、前記複
数のブロックは、ヒンジにより連結されており、前記操
作手段は、前記ヒンジを軸とて前記陽極化成槽を展開す
ることが好ましい。
【0035】上記の他の陽極化成装置において、前記支
持部を複数備えることが好ましい。
【0036】上記の他の陽極化成装置において、前記複
数の支持部は、保持すべき基板の軸方向に直列に配列さ
れていることが好ましい。
【0037】上記の他の陽極化成装置において、前記複
数の支持部の配列の間隔は、規格の基板キャリアにおけ
る基板収納用の溝の間隔と略等しいことが好ましい。
【0038】本発明に係る基板処理装置は、上記のいず
れかの陽極化成装置と、前記陽極化成装置により処理さ
れた基板を洗浄する洗浄装置と、前記洗浄装置により洗
浄された基板を乾燥させる乾燥装置とを備えることを特
徴とする。
【0039】上記の基板処理装置において、前記陽極化
成装置は、複数枚の基板を一括して処理することが好ま
しい。
【0040】上記の基板処理装置において、キャリアに
収容された基板を一括して前記陽極化成装置にセットす
る手段を更に備えることが好ましい。
【0041】上記の基板処理装置において、前記洗浄装
置及び前記乾燥装置は、複数枚の基板を一括して処理す
ることが好ましい。
【0042】
【発明の実施の形態】陽極化成反応によるシリコン基板
の多孔質、すなわち、細孔の形成処理は、例えばHF溶
液中で行われる。この処理には、シリコン結晶中の正孔
の存在が不可欠であることが知られており、その反応の
メカニズムは次のように推定される。先ずHF溶液中で
電界を与えられたシリコン基板内の正孔がマイナス側の
表面に誘起される。その結果、表面の未結合手を補償す
る形で存在しているSi-H結合の密度が増加する。このと
きマイナス電極側のHF溶液中のF-イオンが、 Si-H結
合に対して求核攻撃を行なって Si-F結合を形成する。
この反応によりH2分子が発生すると同時にプラス電極
側に1個の電子が放出される。
【0043】Si-F結合の分極特性のために表面近傍のS
i-Si結合が弱くなる。この弱いSi-Si結合はHF或いはH
2Oに攻撃され、結晶正面のSi原子はSiF4となって結晶表
面から離脱する。その結果、結晶表面に窪みが発生し、
この部分に正孔を優先的に引き寄せる電場の分布(電界
集中)が生じ、この表面異質性が拡大してシリコン原子
の蝕刻が電界に沿って連続的に進行する。なお、陽極化
成処理に使用する溶液は、HF溶液に限らず、他の電解
質溶液であっても良い。
【0044】本発明の好適な実施の形態に係る陽極化成
装置では、陽極化成反応面(基板の表面)における電界
の方向を阻害しないように、基板をその裏面とベベリン
グ部で支持する。したがって、この陽極化成装置を使用
することにより、ベベリング部を除き、基板表面の全領
域が陽極化成される。また、この陽極化成装置は、例え
ば、複数のブロックに分離可能な構造を有し、分離した
状態において基板を所定位置にはめ込んだ後、各ブロッ
クを一体化することにより、基板を支持することができ
る。
【0045】また、この陽極化成装置は、基板を真空吸
着する吸着機構(保持部)と、該吸着機構の吸着面に対
して基板を押圧する押圧部を有し、吸着面に対して基板
を押圧した状態で該基板を吸着するため、基板の表面か
ら裏面への電解質溶液のリークを極めて小さくすること
ができる。したがって、ベベリング部を除き、基板の表
面の全域を略均一に処理することができる。
【0046】図1は、本発明の好適な実施の形態に係る
基板ホルダの構造を示す断面図である。また、図2は、
図1に示す基板ホルダ100の構造を示す正面図であ
る。図3は、図1の一部を拡大した図である。101
は、シリコン基板である。一般には、陽極化成のために
は正孔の存在が重要であるため、P型のシリコン基板が
好適であるが、N型のシリコン基板であっても光を照射
するなどして正孔の生成を促進することにより陽極化成
処理を施すことができる。
【0047】102は、シリコン基板101を支持する
ための基板ホルダ100の本体であり、耐フッ酸性の材
料である四フッ化エチレン樹脂(商品名:テフロン)な
どにより構成される。本体102には、支持すべき基板
の直径よりも小さい径の円形若しくは円形に近い形状の
開口部104が設けられている。なお、本体102は、
陽極化成槽の一部をなすものとすることができる。
【0048】基板101は、本体102に組み込まれた
環状の支持部材103により支持される。この支持部材
103は、例えば、電解質溶液としてフッ酸を使用する
場合には、耐フッ酸性のフッ素ゴム等の材料により構成
することが好ましい。なお、他の電解質溶液を使用する
場合には、当該電解質溶液に対して耐性のある材料で構
成する必要がある。
【0049】この支持部材103には、吸着面1031
に通じる吸引孔105が設けられており、この吸引孔1
05内を減圧することにより基板を真空吸着することが
できる。また、支持部材102には、吸着面1031に
対して基板101を押圧する押圧部1032が設けられ
ている。これにより、支持部材103は、ウェハ101
を吸着面1031に押圧しながら吸着することができ、
高いシール機能を奏することができる。
【0050】この基板ホルダ100は、基板101を着
脱する際に3つのブロック100a,100b,100
cに分離される。各ブロック100a,100b,10
0cは、夫々本体102a,102b,102cに要素
支持部材103a,103b,103cを組み込んでな
る。なお、この例は、3つのブロックに分離可能な基板
ホルダに関するが、各ブロックの要素支持部材が基板の
半周を超えない大きさであれば分割の個数に制限はな
い。最少の分割数は2であるが、この場合、両ブロック
の要素支持部材を基板の半周分(180度)に相当する
ブロックにする必要がある。
【0051】要素支持部材103aには、1又は複数の
吸引孔105aが軸方向に設けられており、これらは本
体102a内に円弧状に配された吸引孔106aに通じ
ている。この吸引孔106aは、減圧ライン107aを
介して不図示のポンプに通じている。
【0052】要素支持部材103b,103cには、夫
々1又は複数の吸引孔105b,105cが軸方向に設
けられており、これらは本体102b,102c内に円
弧状に配された吸引孔106b,106cに通じてい
る。吸引孔106b及び106cは、ブロック100
a,100b,100cを一体化した際に互いに連結さ
れる。吸引孔106bは、減圧ライン107bを介して
不図示のポンプに通じている。
【0053】この基板ホルダ100に基板101をセッ
トするには、まず、基板ホルダ100を3つのブロック
に分割した状態で、基板101をブロック100aに位
置合せする。基板101をブロック100aに適正に位
置合せすると、基板101のベベリング部が、基板10
1の自重により押圧部1032により吸着面103側に
押圧されることになる。この状態で吸引孔105a内を
減圧することにより、基板101は、ブロック100a
に支持される。
【0054】次いで、3つのブロックを一体化すること
により、図1及び図2に示す状態となる。そして、この
状態で、吸引孔105b及び105c内を減圧すること
により、基板101のセットが完了する。
【0055】基板101のセットが完了すると、基板1
01と支持部材103が完全に密着した状態となり、電
解質溶液が吸着面1031を介してリークする可能性が
極めて低くなる。
【0056】図4及び図5は、基板ホルダの他の構成例
を示す図である。なお、図1及び図2に示す基板ホルダ
と同一の構成要素には同一の符号を付している。この構
成例は、支持部材103の吸着面1031に円弧状の溝
105a’,105b’,105c’を設けている点で
図1及び図2に示す構成例と相違する。
【0057】図6は、上記の基板ホルダの本体を陽極化
成槽の槽壁と一体化した陽極化成装置である。この陽極
化成装置は3つのブロックに分離される。
【0058】第1のブロックは、前述のブロック100
aに相当するブロックであり、陽極化成槽の一部をなす
要素槽壁部材102a’に、要素支持部材103a、マ
イナス電極108a、プラス電極108bを取り付けた
ものである。電極108a,108bの材料は、電解質
溶液によって腐蝕されない材質、例えば白金が好適であ
る。また、第1のブロックの要素槽壁部材102a’に
は、電解質溶液を供給又は排出するための給排孔109
が設けられている。
【0059】第2のブロックは、前述のブロック100
bに相当するブロックであり、吸引孔106bを有する
要素槽壁部材102b’に要素支持部材103bを取り
付けたものである。また、第3のブロックは、前述のブ
ロック100cに相当するブロックであり、要素槽壁部
材102c’に要素支持部材103cを取り付けたもの
である。なお、第3のブロックにも同様に吸引孔を設け
てもよい。
【0060】陽極化成は、基板101をセットした後
(第1〜第3のブロックを一体化した後)に、給排孔1
09を介して左右の槽内に電解質溶液を満たし、電極1
08a,108b間に電圧を印加することにより行う。
【0061】電解質溶液としては、フッ酸が好適であ
る。また、このフッ酸にアルコールを混ぜることも有効
である。アルコールを混ぜることにより、化成反応時に
発生する泡を基板表面から効率的に除去することができ
るからである。化成処理の結果は、フッ酸の濃度、電流
値等の条件に依存する。
【0062】上記の陽極化成装置の如き構成は、多数枚
の基板を一括して処理する陽極化成装置に適用した場合
により顕著な効果を奏する。図7は、多数枚の基板を一
括して処理可能な陽極化成装置の一例を示す図である。
図7に示す例は、前述の陽極化成装置と同様に、3つの
ブロックからなる陽極化成装置である。
【0063】このように、複数枚の基板を直列に配列し
て処理する場合、各基板101の裏面は、そのプラス電
極側(図中右側)の基板101に対してはマイナス電極
としての役割を果たし、そのマイナス電極(図中左側)
側の基板101に対してはプラス電極としての役割を果
たす。
【0064】陽極化成反応には、基板と電解質溶液が接
触することが不可欠であり、また、上記のように、基板
を直列に配列して一括処理する場合には各基板が電極の
役割を果たすため、開口部104の存在が重要である。
開口部104の径は特に限定されないが、各基板を夫々
均一に処理するためには、開口部104の径を大きくす
ることが好ましい。
【0065】一方、開口部104の径を大きくすると、
基板101と支持部材103の吸着面1031との接触
面積が小さくなるため、吸着面1031を介しての電解
質溶液のリークの可能性が高くなる他、基板101を支
持部材103に対して高精度に位置合せする必要も生じ
る。
【0066】そこで、如何にして開口部104の径を大
きくするかが課題となる。この課題は、支持部材103
に前述の押圧部1032を設けることにより解決され
る。すなわち、押圧部材1032を設けることにより、
開口部104の径を大きくしつつ、リークを低減すると
共に要求される基板の位置合せの精度を低くすることが
できる。
【0067】基板の全表面に化成処理を施すため、押圧
部1032により押圧する部分は、基板のベベリングの
みとすることが好ましい。なお、押圧部1032を設け
ると、該押圧部1032の内径が基板101の外径より
も小さいために、基板を軸方向(x方向)に移動させて
支持部103にセットすることが困難になる。しかしな
がら、この実施の形態に係る陽極化成装置の支持部材
は、円弧状の複数のブロックからなるため、基板を容易
にセットすることができる。
【0068】図8は、図7に示す陽極化成装置を3つの
ブロックに分割した状態を示す断面図である。各ブロッ
ク100a’,100b’,100c’の要素支持部材
103a,103b,103cの円周角θ1〜θ3は、
180度以下にする必要がある。この条件の下で、各ブ
ロックの要素支持部材の円周角θ1〜θ3は、基板10
1を搬送するための搬送ロボットの仕様に応じて決定す
ることができる。すなわち、円周角θ1〜θ3は、搬送
ロボットが基板101を保持する方法、搬送ロボットの
形状、大きさ、搬送ロボットの移動経路等を考慮して決
定すればよい。ここで、各ブロックの要素支持部材の円
周角を180度以下にすれば、ブロックの個数は幾つで
あってもよい。
【0069】基板101は、この例では、まず、第1の
ブロック100a’の要素支持部材103aに位置合せ
され、減圧ライン107aを介して吸引孔a内を減圧す
ることにより要素支持部材103aの吸着面に吸着され
る。
【0070】基板101が第1のブロック100a’の
要素支持部材103aにより支持された後、第1〜第3
のブロック100a’〜100c’を一体化することに
より、基板101は押圧部により吸着面に押圧される。
この状態で、吸引孔105b及び105c内を減圧して
基板を真空吸着することにより、基板101のセットが
完了する。
【0071】ここで、少なくとも2系統の減圧用の減圧
ラインを備えることが好ましい。1つは、基板101を
最初に第1のブロック100a’に固定するために吸引
孔105a内を減圧するための減圧ライン107aであ
る。
【0072】もう1つは、例えば、ブロックを一体化し
た後に、第2及び第3のブロックの吸引孔105b及び
105c内を減圧するための減圧ライン107b又は1
07cである。ここで、ブロックを一体化した際に、第
2及び第3のブロックの吸引孔105b及び105c
が、図1に示すように、吸引孔106b及び106cに
より連結される構造を有する場合には、吸引孔105b
及び105cのために1つの減圧用の減圧ラインを設け
れば十分である。ただし、図8に示すように、各ブロッ
ク毎に減圧用の減圧ライン(107a〜107c)を設
けてもよい。
【0073】図9は、3分割式の陽極化成装置の各ブロ
ックの要素槽壁部材を概略的に示す斜視図である。図示
の要素槽壁部材102a〜102cは、各ブロックの円
周角を120度にした例である。各ブロックの本体の内
側に設けられた溝110には、円周角を120度とした
要素支持部材がはめ込まれる。
【0074】図10は、2分割式の陽極化成装置の両ブ
ロックの要素槽壁部材を概略的に示す斜視図である。図
示の要素槽壁部材102a及び102bの円周角は共に
180度である。両ブロックの要素槽壁部材の内側に設
けられた溝110には、円周角を180度とした支持部
材がはめ込まれる。
【0075】上記のように、円周角を180度以下にす
れば、陽極化成装置の分割数は幾つであってもよいが、
分割数を大きくすると、構成が複雑になるのみならず、
各ブロックの要素槽壁部材の繋ぎ部分から電解質溶液が
漏れだすことを防ぐ機構も複雑になる。このような観点
から考えると、2分割又は3分割式が好ましい。
【0076】次に、前述の陽極化成装置の適用例を説明
する。
【0077】図11は、3分割式の陽極化成システムの
概略構成を示す図である。図11に示す陽極化成システ
ムは、200a、200b、200cの3つのブロック
で構成される3分割式の陽極化成装置200を組み込ん
だものである。
【0078】ブロック200a,200b,200c
は、夫々前述のブロック100a’,100b’,10
0c’に相当する。第1のブロック100a’の円周角
は150度、第2のブロックの円周角は90度、第3の
ブロックの円周角は120度である。各ブロックの要素
槽壁部材は、四フッ化エチレン樹脂(商品名:テフロ
ン)で構成されている。また、各ブロックの要素槽壁部
材に取り付けられた要素支持部材は、フッ素系ゴムで構
成されている。
【0079】なお、図11においては、電極等が省略さ
れているが、実際には、3つのブロックが一体化した状
態で、陽極化成装置200は、密閉された陽極化成槽を
構成する。
【0080】この陽極化成装置200には、8インチの
シリコン基板101を6.35mm間隔で25枚収容す
ることができるように、支持部材(103に相当)が取
り付けられている。
【0081】以下、この陽極化成システムの動作を説明
する。
【0082】まず、基板101のオリエンテーション・
フラットを真下にして、第1のブロック200a中の任
意の要素支持部材に位置合せする。そして、25個の要
素支持部材のうち基板101が載置された要素支持部材
の吸引孔(105aに相当)を減圧ライン207aによ
り減圧し、当該基板101を吸着する。以上の手順を繰
り返すことにより、第1のブロック200aに25枚の
基板101をセットすることができる。次いで、第2及
び第3ブロックを圧力ロッド210b及び210cによ
り移動させることにより、展開されていた第1〜第3の
ブロックを一体化する。その後、第2及び第3のブロッ
クの要素支持部材の吸引孔(105b,105cに相
当)を減圧ライン207bにより減圧し、25枚の基板
101のセットが完了する。
【0083】次いで、貯液タンク216に予め貯えられ
ていたフッ酸とエタノールの混合液(2:1)を液循環
用ポンプ215、フィルタ214、液給口213を通し
て陽極化成装置200に注入する。注入された混合溶液
は、陽極化成装置200内を満たすと、オーバーフロー
ライン211を通してオーバーフロー槽212に排出さ
れる。オーバーフロー槽212に排出された混合溶液
は、貯液タンク216に帰還する。
【0084】このような液循環を行いながら、25枚の
基板101の両端に直流電圧を印加する。この時の印加
電圧は、例えば、電流密度が1平方cm当たり1.0m
Aの定電流になるように調整することが好ましい。この
条件で、各基板101は、毎分1μmの速さで陽極化成
される。
【0085】陽極化成処理が終了したら、陽極化成装置
200内の混合液は、液回収ライン217を通して貯液
タンク216に戻される。その後、陽極化成装置200
は、3つのブロックに展開され、25枚の基板101が
取り出される。なお、混合液を廃棄する場合には、廃液
ライン218が使用される。
【0086】なお、上記の陽極化成システムは、陽極化
成装置200の内部にのみ処理用の混合溶液を満たすも
のであるが、該混合液を満たすための液槽を別途設け、
この液槽内において陽極化成装置200を使用すること
も可能である。この場合、基板を陽極化成装置にセット
する際には、そのセットに先立って、陽極化成装置20
0から混合溶液を排出すると共に液槽からも混合溶液を
排出し、基板の搬送ロボットが混合溶液に触れないよう
にすることが好ましい。また、陽極化成装置200から
基板を取り出す際には、その取り出しに先立って、陽極
化成装置200内の混合溶液を排出すると共に液槽から
も混合溶液を排出し、基板の搬送ロボットが混合溶液に
触れないようにすることが好ましい。ここで、陽極化成
装置200からの混合溶液の排出に際しては、例えば陽
極化成装置200を傾けることにより、基板の支持部の
溝内の混合溶液も排出されるようにすることが好まし
い。
【0087】図12は、図11に示す陽極化成システム
に洗浄用の設備を付加した例を示す図である。この陽極
化成システムは、洗浄用の純水を貯留する純水タンク2
19と、純水供給用ポンプ220と、排水ライン221
とを有する。この陽極化成システムでは、陽極化成装置
200内に純水供給ポンプ220により純水を供給する
ことにより基板や陽極化成装置200内を洗浄すること
ができる。陽極化成装置200の下部には排水ライン2
21が連結されており、この排水ライン221により陽
極化成装置200内の純水を排出することができる。排
水ライン221から排出された純水は、中和処理の後に
廃棄される。
【0088】図13は、図11又は図12に示す陽極化
成システムにおける展開方式を変更したものである。な
お、図13においては、処理用の混合液の循環系や減圧
ライン等は省略されている。この陽極化成システムは、
陽極化成装置200を展開する機構が前述の陽極化成シ
ステムと異なり、その他の点に関しては同様である。
【0089】図13に示す陽極化成装置200は、夫々
円周角が120度の3つのブロック220a,200
b,200cにより構成される。第1のブロック200
aと第2のブロック200bとはヒンジ204により連
結され、第1のブロック200aと第3のブロック20
0cとはヒンジ203により連結されている。
【0090】陽極化成装置200の展開又は一体化は、
夫々多関節圧力ロッド201,202の昇降により行
う。
【0091】図14は、2分割式の陽極化成システムの
概略構成を示す図である。図14に示す陽極化成システ
ムは、300a,300bの2つのブロックで構成され
る陽極化成装置3002分割式の陽極化成装置300を
組み込んだものである。
【0092】ブロック300a、300bの要素槽壁部
材は、例えば図10に示す構造を有し、夫々ポリポロピ
レンで構成されている。また、各ブロックの本体に取り
付けられた支持部材は、フッ素系ゴムで構成されてい
る。
【0093】なお、図14においては、電極等が省略さ
れているが、実際には、2つのブロックが一体化した状
態で、陽極化成装置300は、密閉された槽を構成す
る。
【0094】この陽極化成装置300には、6インチの
シリコン基板101を10mm間隔で25枚収容するこ
とができるように、支持部材(103に相当)が取り付
けられている。
【0095】この陽極化成システムにおいては、まず、
基板101のオリエンテーション・フラットを真下にし
て第1のブロック300a中の任意の要素支持部材に位
置合せする。そして、25個の要素支持部材のうち基板
が101が載置された要素支持部材の吸引孔(105a
に相当)を減圧ライン207aにより減圧し、当該基板
を吸着する。以上の以上の手順を繰り返すことにより、
第1のブロック300aに25枚の基板101をセット
することができる。次いで、圧力ロッド301により第
2のブロック300bを下降させることにより、展開さ
れていた第1及び第2のブロックを一体化する。その
後、第2のブロックの要素支持部材の吸引孔(105b
に相当)を減圧ライン207bにより減圧し、25枚の
基板101のセットが完了する。
【0096】なお、化成処理の手順は、図11に示す陽
極化成システムと同様である。
【0097】この陽極化成システムでは、2分割方式を
採用している他、基板の間隔を図11に示す陽極化成装
置200よりも広くしているため、装置の重量を軽減す
る目的で四フッ化エチレン樹脂よりも軽いポリプロピレ
ン材料を採用している。なお、ポリプロピレンも耐フッ
酸性の材料である。また、この陽極化成システムでは、
圧力ロッド301のアームの撓みによる位置合せの精度
の低下を防止する目的で第2のブロック300bを真上
から支持する構成を採用している。
【0098】次に、図11に示す陽極化成システムを組
み込んだ基板処理システムの構成例を説明する。図15
は、本発明の好適な実施の形態に係る基板処理システム
の概略構成を示す図である。この基板処理システムは、
キャリアに収容された25枚の基板を一括して処理す
る。具体的には、この基板処理システムは、キャリアか
ら基板を取り出して陽極化成システムにセットし、ここ
で化成処理を行った後、処理後の基板を純粋で洗浄し、
更に、洗浄後の基板を乾燥させた後、乾燥後の基板をキ
ャリアに収容する。
【0099】以下、図15を参照しながら、この基板処
理システムによる処理手順を更に詳細に説明する。ま
ず、8インチの規格キャリア402に25枚の基板を収
容して、キャリアセット400上に載置する。
【0100】この状態で、処理の開始が指示されると、
プッシャー401がキャリア402の下部の開口部を通
して上昇して、25枚の基板を突き上げる()。次い
で、図16に示すような基板搬送ロボット403が上方
から降下し、プッシャー401上の25枚のウェハを掴
む()。ここで、基板搬送ロボット403は、対向す
る2つの支持部403a及び403bを有し、この支持
部403a及び403bにより25枚の基板を抱えるよ
うにして掴む。各支持部403a及び403bには、溝
403cが設けられており、各基板は自重により各溝4
03c内で安定する。
【0101】次いで、基板搬送ロボット403は、25
枚の基板を陽極化成システム404に搬送する()。
前述のように、図11に示す陽極化成システム(40
4)は、基板を6.35mm間隔で支持して処理する。
一方、8インチの基板を収容するための規格キャリア4
02の溝の間隔も6.35mmである。したがって、こ
の基板処理システムでは、規格キャリア402内におけ
る基板の間隔を維持したまま当該基板を一括して処理す
ることができる。
【0102】陽極化成システムにおいて化成処理が終了
すると、基板搬送ロボット403は、処理後の25枚の
基板を一括して純水リンス槽405に搬送する()。
純水リンス槽405では、25枚の基板が基板搬送ロボ
ット403により保持された状態で洗浄を行う。これは
キャリアレス洗浄と呼ばれる方法である。
【0103】純水リンスが終了すると、基板搬送ロボッ
ト403は、25枚の基板をアルコール蒸気乾燥槽40
6に搬送する()。ここでも、25枚の基板は基板搬
送ロボット403により保持された状態で乾燥される。
アルコール蒸気乾燥槽406の底部には、エタノールや
イソプロピルアルコール等が入っており、これが加熱さ
れて蒸気が発生している。この蒸気は、槽の上部の冷却
管により凝集され、液体に戻る。この蒸気中に基板を晒
すことにより基板表面の水分をアルコールと置換するこ
とにより基板を乾燥させることができる。
【0104】乾燥された基板は、基板搬送ロボット40
3によりキャリアセット400の上方に搬送され
()、その下方のプッシャー403のボード上に載置
される()。次いで、プッシャー401が下降してキ
ャリア402の底部を通過することにより、25枚の基
板がキャリア402に戻される。
【0105】次に、図14に示す陽極化成システムを組
み込んだ基板処理システムの構成例を説明する。図17
は、本発明の他の実施の形態に係る基板処理システムの
概略構成を示す図である。この基板処理システムは、キ
ャリアに収容された基板を1枚づつ取り出して陽極化成
システムにセットし、全基板のセットが完了した後に化
成処理を一括して行い、処理後の基板をキャリアに収容
して一括して純粋で洗浄し、更に、洗浄後の基板をキャ
リアに収容したまま乾燥させる。
【0106】以下、図17を参照しながら、この基板処
理システムによる処理手順を更に詳細に説明する。ま
ず、6インチの規格キャリア501に25枚の基板を収
容し、キャリアセット500上に載置する。
【0107】この状態で、処理の開始が指示されると、
枚葉式の基板搬送ロボット502は、その先端部の裏面
吸着部(例えば、真空ピンセット)により、1枚づづ基
板の裏面を吸着して陽極化成システム504に搬送する
()。ここで、図14に示す陽極化成システム(50
4)は、基板を10mm間隔で支持して処理するため、
規格キャリア501内における基板の間隔を維持したま
ま当該基板を処理することはできない。そこで、基板の
間隔を変更する手段として、この実施の形態では枚葉式
の基板搬送ロボットが採用されている。
【0108】25枚の基板が陽極化成システム504に
移送されたら、キャリア搬送ロボット503は、空にな
ったキャリア501を純水リンス槽505内に予め搬送
する()。これと並行して、陽極化成システム504
では、化成処理が行われる。
【0109】化成処理が終了したら、基板搬送ロボット
502により、1枚ずつ陽極化成システム504から純
水リンス槽505内のキャリア内に搬送される()。
純水リンス槽505における洗浄が終了すると、25枚
の基板は、キャリア搬送ロボット503により、キャリ
ア501に収容されたままスピン乾燥機506に搬送さ
れる()。
【0110】乾燥された基板は、キャリア搬送ロボット
503により、キャリア501に収容されたままキャリ
アセット500上に搬送される。なお、スピン乾燥機5
06の右側にアンローダを設けて、乾燥後の基板を該ア
ンローダに搬送する構成を採用することもできる。
【0111】次に、上記の基板処理システム又は陽極化
成装置の適用例として、該装置を工程の一部に用いて半
導体基体を製造する方法を説明する。
【0112】図18は、半導体基体の製造方法を示す工
程図である。概略的に説明すると、この製造方法は、単
結晶シリコン基板に多孔質シリコン層を形成し、該多孔
質シリコン層の上に非多孔質層を形成し、その上に好ま
しくは絶縁膜を形成した第1の基板と、別途用意した第
2の基板とを、該絶縁膜を挟むようにして張り合わせた
後に、第1の基板の裏面から単結晶シリコン基板を除去
し、さらに多孔質シリコン層をエッチングして半導体基
板を製造するものである。
【0113】以下、図18を参照しながら半導体基体の
具体的な製造方法を説明する。
【0114】先ず、第1の基板を形成するための単結晶
Si基板51を用意して、その主表面上に多孔質Si層
52を形成する(図18(a)参照)。この多孔質Si
層52は、単結晶基板51の主表面を上記の基板処理シ
ステム又は陽極化成装置若しくは陽極化成システムによ
り処理することにより形成することができる。
【0115】次いで、多孔質Si層52の上に少なくと
も一層の非多孔質層53を形成する(図18(b)参
照)。非多孔質層53としては、例えば、単結晶Si
層、多結晶Si層、非晶質Si層、金属膜層、化合物半
導体層、超伝導体層等が好適である。また、非多孔質層
53には、MOSFET等の素子を形成しても良い。
【0116】非多孔質層53の上には、SiO2層54
を形成し、これを第1の基板とすることが好ましい(図
18(c)参照)。このSiO2層54は、後続の工程
で第1の基板と第2の基板55とを貼り合わせた際に、
その貼り合わせの界面の界面準位を活性層から離すこと
ができるという意味でも有用である。
【0117】次いで、SiO2層54を挟むようにし
て、第1の基板と第2の基板55とを室温で密着させる
(図18(d)参照)。その後、陽極接合処理、加圧処
理、あるいは必要に応じて熱処理を施すこと、あるいは
これらの処理を組合わせることにより、貼り合わせを強
固なものにしても良い。
【0118】非多孔質層53として、単結晶Si層を形
成した場合には、該単結晶Si層の表面に熱酸化等の方
法によってSiO2層53を形成した後に第2の基板5
5と貼り合わせることが好ましい。
【0119】第2の基板55としては、Si基板、Si
基板上にSiO2層を形成した基板、石英等の光透過性
の基板、サファイヤ等が好適である。しかし、第2の基
板55は、貼り合わせに供される面が十分に平坦であれ
ば十分であり、他の種類の基板であっても良い。
【0120】なお、図18(d)は、SiO2層54を
介して第1の基板と第2の基板とを貼り合わせた状態を
示しているが、このSiO2層54は、非多孔質層53
または第2の基板がSiでない場合には設けなくても良
い。
【0121】また、貼り合わせの際には、第1の基板と
第2の基板との間に絶縁性の薄板を挟んでも良い。
【0122】次いで、多孔質Si層53を境にして、第
1の基板を第2の基板より除去する(図18(e)参
照)。除去の方法としては、研削、研磨或いはエッチン
グ等による第1の方法(第1の基板を廃棄)と、多孔質
層53を境にして第1の基板と第2の基板とを分離する
第2の方法とがある。第2の方法の場合、分離された第
1の基板に残留した多孔質Siを除去し、必要に応じて
その表面を平坦化することにより再利用することができ
る。
【0123】次いで、多孔質Si層52を選択的にエッ
チングして除去する(図32(f)参照)。
【0124】図18(e)は、上記の製造方法により得
られる半導体基板を模式的に示している。この製造方法
に拠れば、第2の基板55の表面の全域に亘って、非多
孔質層53(例えば、単結晶Si層)が平坦かつ均一に
形成される。
【0125】例えば、第2の基板55として絶縁性の基
板を採用すると、上記製造方法によって得られる半導体
基板は、絶縁された電子素子の形成に極めて有用であ
る。
【0126】本発明は、上記の実施の形態に記載された
事項によって限定されるものではなく、特許請求の範囲
に記載された技術的思想の範囲内で様々な変形をなし得
る。
【0127】
【発明の効果】本発明によれば、基板の支持方法を改善
して、陽極化成処理の効率化を図ることができる。
【0128】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施の形態に係る基板ホルダの
構造を示す断面図である。
【図2】図1に示す基板ホルダの構造を示す正面図であ
る。
【図3】図1の一部を拡大した図である。
【図4】他の実施の形態に係る基板ホルダの構造を示す
断面図である。
【図5】図4に示す基板ホルダの構造を示す正面図であ
る。
【図6】基板ホルダの本体を陽極化成槽の槽壁と一体化
した陽極化成装置である。
【図7】多数枚の基板を一括して処理可能な陽極化成装
置の一例を示す図である。
【図8】図7に示す陽極化成装置を3つのブロックに分
割した状態を示す断面図である。
【図9】3分割式の陽極化成装置の各ブロックの要素槽
壁部材を概略的に示す斜視図である。
【図10】2分割式の陽極化成装置の両ブロックの要素
槽壁部材を概略的に示す斜視図である。
【図11】3分割式の陽極化成システムの概略構成を示
す図である。
【図12】図11に示す陽極化成システムに洗浄用の循
環系を付加した例を示す図である。
【図13】図11又は図12に示す陽極化成システムに
おける展開方式を変更した陽極化成システムを示す図で
ある。
【図14】2分割式の陽極化成システムの概略構成を示
す図である。
【図15】本発明の好適な実施の形態に係る基板処理シ
ステムの概略構成を示す図である。
【図16】基板搬送ロボットの概略構成を示す図であ
る。
【図17】本発明の他の実施の形態に係る基板処理シス
テムの概略構成を示す図である。
【図18】半導体基体の製造方法を示す工程図である。
【図19】従来の陽極化成装置の構成を示す図である。
【図20】従来の陽極化成装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
100 基板ホルダ 100a,100b,100c ブロック 100a’,100b’,100c’ ブロック 101 基板 102 本体 102a,102b,102c 本体 102a’,102b’,102c’要素槽壁部材 103 支持部材 103a,103b,103c 要素支持部材 104 開口部 105 吸引孔 105a,105b,105c 吸引孔 105a’,105b’,105c’ 溝 106 吸引孔 106a,106b,106c 吸引孔 107a,107b,107c 減圧ライン 108a マイナス電極 108b プラス電極 109 給排口 1031 吸着面 1032 押圧部 200 陽極化成装置 200a,200b,200c ブロック 201,202 関節圧力ロッド 203,204 ヒンジ 210b,210c 圧力ロッド 211 オーバーフローライン 212 オーバーフロー槽 213 液給口 214 フィルタ 215 液循環用ポンプ 216 貯液タンク 217 液回収ライン 218 廃液ライン 219 純水タンク 220 純水供給用ポンプ 221 排水ライン 300 陽極化成装置 300a,300b ブロック 301 圧力ロッド 400 キャリアセット 401 プッシャー 402 キャリア 403 基板搬送ロボット 403a,403b 支持部 403c 溝 404 陽極化成システム 405 純水リンス槽 406 アルコール蒸気乾燥槽 500 キャリアセット 501 キャリア 502 基板搬送ロボット 503 キャリア搬送ロボット 504 陽極化成システム 505 純水リンス槽 506 スピン乾燥機 51 単結晶Si基板 52 多孔質Si層 53 非多孔質層 54 SiO2層 55 第2の基板 1301 シリコン基板 1302 金属電極 1303 HF溶液 1304 Oリング 1305 陽極化成槽 1401 シリコン基板 1402a,1402b 陽極化成槽 1403a,1403b 白金電極 1404a,1404b Oリング 1405a,1405b HF溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−66429(JP,A) 特開 平6−291109(JP,A) 特開 平6−151406(JP,A) 特開 平4−372129(JP,A) 特開 平5−217990(JP,A) 実開 昭51−71963(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3063 C25D 17/00 C25D 17/08

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質溶液中で基板に陽極化成処理を施
    す陽極化成装置であって、 対向する一対の電極と、 基板の片面の一部を吸着する吸着面を有する保持部と該
    基板を前記吸着面に押圧する押圧部とを含む支持部と、 を備え、 前記支持部は、夫々基板の外周の一部を支持する分離可
    能な複数の要素支持部からなり、全要素支持部を一体化
    した状態で基板の外周の全体を支持可能な状態になるこ
    とを特徴とする陽極化成装置。
  2. 【請求項2】 前記保持部は、基板のベベリング部の内
    側近傍を吸着する吸着機構を有し、前記押圧部は、該基
    板のベベリング部を前記吸着部の吸着面に押圧すること
    を特徴とする請求項1に記載の陽極化成装置。
  3. 【請求項3】 前記吸着機構は、基板を真空吸着する機
    構であることを特徴とする請求項2に記載の陽極化成装
    置。
  4. 【請求項4】 前記吸着機構は、基板の裏面を吸引する
    ための1又は複数の吸引孔を含むことを特徴とする請求
    項3に記載の陽極化成装置。
  5. 【請求項5】 前記吸着機構は、基板のベベリング部の
    内側近傍に沿った環状の溝を含むことを特徴とする請求
    項3に記載の陽極化成装置。
  6. 【請求項6】 前記吸着面は、基板の表面側の電解質溶
    液が該基板の裏面側に回り込むことを防止するように該
    基板と密着することを特徴とする請求項1乃至請求項5
    のいずれか1項に記載の陽極化成装置。
  7. 【請求項7】 前記支持部を構成する各要素支持部は、
    要素槽壁部材と連結されて1つのブロックをなし、全ブ
    ロックを一体化することにより、要素槽壁部材により密
    閉された1つの陽極化成槽が構成されることを特徴とす
    る請求項1に記載の陽極化成装置。
  8. 【請求項8】 電解質溶液中で基板に陽極化成処理を施
    す陽極化成装置であって、 複数のブロックからなり展開可能な陽極化成槽と、 前記陽極化成槽内に設けられた対向する一対の電極と、 前記一対の電極間に基板を支持する支持部と、 前記陽極化成槽を展開又は一体化する操作手段と、 を備え、各ブロックを一体化した状態で前記陽極化成槽
    は密閉され、 前記複数のブロックは、ヒンジにより連結されており、
    前記操作手段は、前記ヒンジを軸として前記陽極化成槽
    を展開することを特徴とする陽極化成装置。
  9. 【請求項9】 前記支持部は、分離可能な複数の要素支
    持部からなり、各要素支持部は前記複数のブロックのい
    ずれかに連結されていることを特徴とする請求項8に記
    載の陽極化成装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9のいずれか1項
    に記載の陽極化成装置と、 前記陽極化成装置により処理された基板を洗浄する洗浄
    装置と、 前記洗浄装置により洗浄された基板を乾燥させる乾燥装
    置と、 を備えることを特徴とする基板処理装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項9のいずれか1項
    に記載の陽極化成装置により基板に陽極化成処理を施す
    ことを特徴とする基板処理方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の基板処理方法を工
    程の一部に含むことを特徴とするSOI基板の製造方
    法。
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