JP3341671B2 - 高温鋼板の下面冷却方法 - Google Patents

高温鋼板の下面冷却方法

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JP3341671B2 JP09881498A JP9881498A JP3341671B2 JP 3341671 B2 JP3341671 B2 JP 3341671B2 JP 09881498 A JP09881498 A JP 09881498A JP 9881498 A JP9881498 A JP 9881498A JP 3341671 B2 JP3341671 B2 JP 3341671B2
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直人 平田
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  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱間圧延された
高温鋼板の下面を冷却する方法に関するもので、特に、
導管付噴水冷却装置の冷却水の吹き上げを防止して、鋼
板に対し安定した冷却を行うための方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱間圧延された高温の熱延鋼板
や厚鋼板は、仕上圧延機の出側に設けられた冷却装置を
通過することによって冷却される。冷却装置は、鋼板の
上面に向けた冷却と鋼板の下面に向けた冷却とに分かれ
た複数のバンクによって構成されており、鋼板の上面に
対しては、スリットラミナーノズルまたはスプレーによ
る冷却が行われ、鋼板の下面に対しては、ジェットまた
はスプレーによる冷却が行われている。
【0003】このような装置によって高温鋼板を冷却す
るに際し、鋼板は水平状態で移動するから、鋼板の上面
側を冷却した冷却水は、冷却後、鋼板の上面端部まで滞
留した後に排水される。一方、鋼板の下面側を冷却した
冷却水は、冷却後、重力の影響によって直ちに鋼板下面
から落下し排水される。従って、鋼板の上下面を、同じ
水量で冷却した場合には、滞留水の影響によって、鋼板
上面側は鋼板下面側に比較して冷却能が強くなる。その
結果、冷却終了後における鋼板の上面温度と下面温度と
は一致せず、上下対称の冷却を行うことが困難になる結
果、鋼板に歪が発生する原因になる。
【0004】そこで、従来一般には、鋼板の下面に対す
る冷却水の水量を、上面に対する冷却水の水量の約2〜
3倍に多くして、鋼板上面と鋼板下面との冷却能のバラ
ンスを図っていた。その結果、鋼板上面に対する冷却水
量に比較し、鋼板下面に対する冷却水量が多くなるため
に、莫大な冷却水量が必要になり、設備コストおよびラ
ンニングコストの増大を招いていた。
【0005】上述した問題を解決する手段に関して従来
から種々研究開発がなされており、例えば、特公昭63
−4604号公報には、次のような高温鋼板の下面冷却
装置が開示されている。この装置は、高温鋼板の下方に
水槽が設けられ、水槽の水面下には、垂直方向上向きに
且つノズルの先端部が水面下に没する位置に冷却水噴射
用ノズルが設けられ、更に、前記ノズルの断面積よりも
大きい断面を有し、その下端部が水面下にそして上端部
が水面上に露出する長さを有する導管が設けられた構造
である(以下、この技術を「導管付噴水冷却」と呼
ぶ)。
【0006】上記特公昭63−4604号公報に開示さ
れている導管付噴水冷却によれば、ノズルから噴出した
水は、水槽内の水を同伴して水面上に噴出するため、水
槽の上方に噴出する噴流水の水量は、ノズルから噴出し
た水の水量に比べて数倍になる。また、鋼板の下面に衝
突した冷却水は、その大半が水槽内に落下し再度使用さ
れるため、単なるスプレー水による冷却に比べて冷却能
が優れており、しかも、冷却水の使用量が少なくて済
む。また、ノズルの断面積よりも大きい断面を有する導
管から冷却水が噴出するために、あたかも、大径ノズル
により冷却されている場合と同様の冷却を行うことがで
きる。
【0007】図1は、上述した導管付噴水冷却の原理を
示す説明図である。図1に示すように、高温鋼板1の下
方の、テーブルロール2a、2b間の中央に、冷却水が
収容された水槽3が配置されており、水槽3の下部に
は、冷却水4をいったん溜めて均一な圧力分布となるよ
うに、ヘッダ5が設けられている。円管ノズル6は、水
槽3の底部3aおよびヘッダ5を貫通し、垂直に設けら
れている。
【0008】円管ノズル6は、その上端を水槽3の上端
部よりある距離だけ下方に位置させることによって、完
全に水没している。導管7は、円管ノズル6よりも大径
で、その下端部が水面下に位置し、その上端部が、満水
状態時の液面レベルよりも上部に位置するような長さを
有しており、円管ノズル6から所定間隔をあけて上方に
固定されている。図1に示す例では、導管7が鋼板の移
動方向に3列配置されており、テーブルローラ近傍の冷
却を行うために、中央部を除く両側の導管7はテーブル
ロール2a,2bに向けて屈曲している。
【0009】上述した装置によって円管ノズル6から冷
却水4を噴射させると、噴射された冷却水は、水槽3内
の水を同伴して導管7の先端から水面上に噴出する。導
管7からの噴流水の水量Q′は、円管ノズル6からの噴
流水の水量Qの数倍になるので、大流量で冷却を行った
場合とほぼ同等の冷却能を得ることができる。このよう
にして、導管7から噴射された冷却水4は、高温鋼板1
の下面に衝突した後、直ちにに水槽3内に落下する。こ
のため、水槽3の液面レベル8は常に満水状態になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した装置によって
実際に高温鋼板の冷却を行う場合には、鋼板が冷却装置
に移送される数秒から数十秒前に、あらかじめ冷却水を
噴射しておき、高温鋼板のTop端を安定して冷却し得
るようにする必要がある。
【0011】しかしながら、図2に示すように、冷却装
置の上方に高温鋼板が存在しない場合には、導管7の設
置角度によって、円管ノズル6から噴出し水槽3内の水
を同伴した冷却水のうちの何%かが冷却装置の外に排出
されるため、水槽3内における液面8aが次第に低くな
る。その結果、冷却水の噴射を開始してから、ある時間
が経過すると、符号8bで示すように、水槽3内の液面
が導管7の下端部よりも低くなる結果、水槽3内の水を
同伴せず、円管ノズル6から直接噴射する「吹き上がり
現象」と呼ばれる状態になる。
【0012】このような「吹き上がり現象」が一度発生
すると、水槽3の上方に噴出する水量は、水槽内の水の
同伴がなされている場合と比較して少なくなり、あたか
も、円管ジェット冷却と同様の噴射状態になる。その
後、鋼板1が冷却装置に入ると、図1に示した状態にな
り、冷却水は鋼板1に衝突して水槽3内に戻るため、再
び水槽3で冷却水の同伴が生じ、通常の導管付噴水冷却
が行われるようになる。その結果、鋼板のTop端にお
いて冷却能の低下や温度むらが発生する原因になる。
【0013】また、冷却すべき鋼板1の幅が、冷却装置
の幅よりも狭い場合には、鋼板の下面に衝突しない噴流
水が、冷却装置外に飛散する結果、上述したと同様の理
由で水槽3内の液面高さが低くなり、鋼板のTop端の
みならず、鋼板全体で冷却能の低下や鋼板の温度むらが
発生する問題が生ずる。
【0014】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、熱間圧延された高温鋼板の下面を導管付噴水
冷却によって冷却を行うに際し、冷却装置の上方に鋼板
が無い場合や、冷却装置の幅よりも鋼板の幅が狭い場合
において、鋼板下面に対する冷却水の吹き上がり現象の
発生を防止し、高温鋼板をその全域にわたって均一に冷
却することができ、鋼板の材質のばらつきが減少して均
質な製品が得られ、製品歩留りを向上させることがで
き、しかも、冷却水の回収を行って、補給水量を著しく
少量にとどめてコスト削減を図ることができる、高温鋼
板の下面冷却方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、熱間圧延された高温の鋼板を挟み所定間隔をあけて
設けられた上下1対の拘束ロール間における前記鋼板の
下面側に、冷却水を収容 する水槽を配置し、前記水槽内
に、その水面下に位置する冷却水噴射ノズルと、前記ノ
ズルの上部に、その先端を水面上に露出させて位置する
導管とを設け、前記冷却水噴射ノズルから前記鋼板の下
面に向けて冷却水を噴射し、これにより生じた前記導管
からの同伴流で生じた水流により、前記鋼板の下面を冷
却する、高温鋼板の下面冷却方法において、前記水槽
に、前記導管からの冷却水の吹き上がりを防止するため
の補給水を導入する補給水配管を設け、且つ、前記水槽
の上方に、前記ノズルから前記導管を通して噴射された
冷却水の全量を前記水槽内に戻し、前記導管からの冷却
水の吹き上がりを防止するための遮蔽物を設け、下記
(3)および(4)式、 t<2v/gの場合: Ih=(Qp−Cw・Q・t+Qin・t)/(L・W) ・・・(3) t>2v/gの場合: Ih=(Qp−Cw・Q・t+X・Cw・Q・(t−2V/g)+Qin・t )/(L・W) ・・・(4) 但し、上記(3)および(4)において、 v:前記導管から噴射される噴流水速度(m/s) g:重力加速度(m/s 2 t:前記ノズルから冷却水の噴射を開始してから経過し
た時間(s) Ih:前記水槽内の前記導管下端部からの液面高さ
(m) Qp:前記水槽の前記導管下端部から上の容量(L×W
×Ihmax)(m 3 Cw:前記ノズルからの噴射水量と前記導管からの噴出
水量との比(Q’/Q) X:前記導管から噴出した冷却水が再び前記水槽内に戻
ってくる比率 Q:前記ノズルからの噴射水量(m 3 /s) Q’:前記導管から噴出される水量(m 3 /s) L:前記水槽の長手方向長さ(m) W:前記水槽の幅方向長さ(m) Qin:外部から前記水槽内に導入される補給水の量
(m 3 /s) によって表される前記水槽内の前記導管下端部からの液
面高さ(Ih)が常に正となるように、前記補給水の量
(Qin)を設定し、且つ、前記補給水の量(Qin)
を、前記導管から噴出される水量の5%以下とする こと
に特徴を有するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】図1に示した、この発明を実施す
るための鋼板下面の冷却装置において、図2に示すよう
に、冷却装置の上方に高温鋼板1が存在しない場合に
は、前述したように、導管7から噴射された冷却水の、
水量の数%から数十%は水槽3内に戻らず、冷却装置外
に排出される。このときの水槽内の液面高さは、次式で
表すことができる。
【0017】t<2v/gの場合 Ih=(Qp−Cw・Q・t)/(L・W) ・・・(1) t>2v/gの場合 Ih=(Qp−Cw・Q・t+ X・Cw・Q・(t−2V/g)/(L・W ) ・・・(2) 但し、 v :導管から噴射される噴流水速度(m/s) g :重力加速度(m/s2 ) t :ノズルから冷却水の噴射を開始してから経過した
時間(s) Ih:水槽内の導管下端部からの液面高さ(m) Qp:水槽の導管下端部から上の容量(L×W×Ihm
ax)(m3) Cw:円管ノズルからの噴射水量と導管からの噴出水量
との比(Q’/Q)X X :導管から噴出した冷却水が再び水槽内に戻ってく
る比率 Q :円管ノズルからの噴射水量(m3/s) Q’:導管から噴出される水量(m3/s) L :水槽長手方向長さ(m) W :水槽幅方向長さ(m)
【0018】ノズル6より冷却水の噴射が開始されてか
らの経過時間tによって、(1)式と(2)式とに分か
れているが、これは、ノズル6から冷却水の噴射を開始
してから、噴射された冷却水が再び導管7に戻るまでの
間と、それ以降とについて考慮しているためである。
【0019】上記(1)式および(2)式による算出結
果が正の場合には、水槽3内に冷却水が常に満たされた
状態となる。しかしながら、実際に設備を建設する場合
に、設備の設置スペ−スや導管角度など、レイアウト上
の問題によって、水槽3の容量Qpを大きくとれない場
合や、導管7の設置角度の関係などから、導管7から噴
出した噴流水が再び水槽に戻る比率Xが低くなる場合が
生ずる。このような場合には、前述した下面冷却装置に
生ずる吹き上がり現象を防止することができない。
【0020】そこで、この発明においては、図3に示す
ように、冷却水配管とは別に、水槽3内に、吹き上がり
を防止するための冷却水の補給水(以下、補給水とい
う)10を導入する配管(以下、補給水配管という)9
が設けられており、この補給水配管9から、水槽3内に
補給水10が導入されるようになっている。このよう
に、補給水配管9から、水槽3内に補給水10が導入さ
れることによって、吹き上がり現象が発生しても水槽3
内の液面高さを常に満水状態にすることが可能になる。
【0021】補給水配管9から導入する補給水10の量
(Qin)は、次に示す(3)式および(4)式によっ
て、Ih(水槽内の導管下端部からの液面高さ)が常に
正となるように設定すればよい。
【0022】t<2v/gの場合 Ih=(Qp−Cw・Q・t+Qin・t)/(L・W) ・・・(3) t>2v/gの場合 Ih=(Qp−Cw・Q・t+X・Cw・Q・(t−2V/g)+Qin・t )/(L・W) ・・・(4) 但し、Qin:外部から水槽内に導入される補給水の量
(m3/s)
【0023】ノズル6から噴出した冷却水が再び水槽3
内に戻る比率Xが低い場合には、鋼板下面を冷却した冷
却水が冷却装置外に排出されることを防止するために、
図4に示すように、テーブルロール2a、2bの上方
に、鋼板の拘束ロール11a、11bや、下開きのボッ
クス状の遮蔽板12などの障害物を設けて、ノズル6か
ら噴出した冷却水が装置外に排出されることを防止す
る。これによって、ノズル6から噴出した冷却水が再び
水槽3内に戻る比率を高めることができる。
【0024】更に、図3に示した、補給水配管9の設置
と、図4に示した、鋼板の拘束ロール11a、11bや
遮蔽板12などの障害物の設置とを組み合わせれば、補
給水配管9からの補給水10の量を更に低減することが
可能になる。
【0025】
【実施例】次に、この発明を実施例により図面を参照し
ながら、更に詳述する。図5は、この発明を厚鋼板の冷
却装置に適用した実施形態の概略説明図である。
【0026】図5に示すように、鋼板1を間に挟んで、
その上下に1対の拘束ロール11が1000mmピッチ
で10組設けられており、上下1対の拘束ロール11の
各組相互間が冷却バンクになっている。
【0027】冷却装置の入側および出側には、鋼板下面
の長手方向の温度分布を計測するための放射温度計13
a、13bが設けられている。拘束ロール11の各組相
互間における鋼板1の上面側には、スリットラミナーノ
ズル14が設けられており、鋼板1の下面側には、導管
付噴水冷却装置15が設けられている。
【0028】導管付噴水冷却装置15の詳細は、図1に
示した通りであって、テーブルロール2aと2bとの間
に、冷却水を収容する水槽3が配置され、水槽3には鋼
板の下面冷却用ノズルが設けられている。下面冷却用ノ
ズルは、水槽3の水中に、板幅方向に150mmピッチ
で、鋼板搬送方向に3列設けられた直径9mmの円管ノ
ズル6と、円管ノズル6の各々の上部に鋼板1の下面に
向けて設けられた直径36mmの導管7とから構成され
ている。
【0029】冷却装置15の幅は5mで、1ゾーン当た
りの下面冷却ノズルの本数は100本である。水槽3の
長さはライン幅方向に5m、ライン長手方向に0.65
mであり、導管下端部から水槽上部までの高さは0.2
mであって、その容量は0.65m3である。
【0030】このような冷却装置内を連続的に移送され
る高温鋼板1に対し、スリットラミナーノズル14から
鋼板1の上面に向けて所定量の冷却水を噴射することに
よって、鋼板1の上面は冷却され、そして、円管ノズル
6から鋼板1の下面に向けて冷却水を噴射することによ
って、導管7からの同伴流で生じた液流により、鋼板1
の下面は冷却される。鋼板1の下面を冷却した冷却水は
水槽3内に戻り、再び円管ノズル6から噴射される冷却
水に同伴される。図3に示すように、水槽3の両サイド
には、冷却水配管とは別に補給水配管9が設けられ、補
給水配管9から水槽3内に補給水10が導入されるよう
になっている。
【0031】この実施例において、スリットラミナーノ
ズル14による鋼板上面側の冷却水量は6.0m3 /m
in、導管付噴水冷却装置15による鋼板下面側の冷却
水量は3.8m3 /min、ノズル1本当たりの水量は
38l/minであって、ノズル6から噴射された冷却
水に同伴する導管7からの同伴水量を実測したところ、
下面冷却水量に対する同伴水量の比は3.5であった。
また、下面冷却水の噴射高さは約240mmで、この噴
射高さから導管出口から冷却水の平均流速を求めると、
約2.2m/sになる。
【0032】上述した冷却装置により、鋼板1の上面お
よび下面に対し同時に冷却水を噴射したところ、冷却水
の噴射開始から約15秒経過した時点で、下面冷却水の
吹き上がり現象が発生した。このことから、ノズル6か
ら噴出した冷却水が再び水槽内に戻ってくる比率Xは、
(2)式から逆算して0.38になる。
【0033】そこで、補給水配管9から、鋼板下面に対
する供給水量(導管から噴出される水量)の0%、5
%、30%および60%の4条件で、補給水10を導入
するテストを行った。更に、図4に示すように、テーブ
ルロール2a、2bの上方に、鋼板の拘束ロール11
a、11bおよび遮蔽板12を設け、且つ、補給水配管
9から、鋼板下面に対する供給水量の0%および5%の
2条件で、補給水10を導入するテストも併せて行っ
た。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1において、条件1〜4は、補給水配管
9から、鋼板下面に対する供給水の量の0%、5%、3
0%および60%の4条件で補給水を導入した場合であ
り、条件5、6は、テーブルロール2a,2bの上方
に、鋼板の拘束ロール11a、11bおよび遮蔽板12
を設け、且つ、補給水配管9から、鋼板下面に対する
水の量の0%および5%の2条件で補給水を導入した
場合を示す。
【0036】表1から明らかなように、補給水配管9か
らの導入水量を、鋼板下面供給水量の60%以上とした
条件4の場合には、実操業において、長時間にわたり安
定して下面冷却水が吹き上がらないことがわかった。ま
た、(2)式により、下面冷却装置に冷却水を導入して
から吹き上がるまでの時間をほぼ予測することができ
た。更に、遮蔽板12を設置した条件5および条件6の
場合には、遮蔽板12を設置しない場合と比較し、吹き
上がりが発生するまでの時間を飛躍的に長くすることが
できた。
【0037】次に、表1における条件1(補給水:0
%、冷却水遮蔽機構なし)、および、条件6(補給水:
5%、冷却水遮蔽機構あり)によって、板厚:50m
m、幅:1.5mm、長さ:13mの、20mpmの速
度で移動する熱間鋼板を冷却した結果を表2に示す。な
お、冷却水の噴射は、鋼板が冷却装置よりも上流側2m
に搬送された時点で、全ゾーンから一斉に噴射するタイ
ミングで行った。
【0038】
【表2】
【0039】冷却水の吹き上がり状態を観察したとこ
ろ、表2に示すように、補給水10を導入しない条件で
は、第5ゾーン目よりも下流側で下面冷却水の吹き上が
りが確認された。これに対し、補給水10を5%導入し
た条件では、吹き上がりが観察されなかった。
【0040】図6に、放射温度計13bによって計測し
た冷却終了後の鋼板の長手方向の温度分布を示す。図6
から明らかなように、鋼板のTop端においては、第5
バンク以降において下面冷却水が吹き上がり、同伴水量
が無くなっているために冷却能が落ち、鋼板の中央部以
降と比較して、鋼板温度が高くなった。これに対し、冷
却水遮蔽機構を設置し、且つ、補給水10を5%導入し
た条件では、吹き上がり現象は発生せず、鋼板のTop
端からBottomにかけて、ほぼ均一な冷却となって
いる。このことから、補給水10の導入量が吹き上がり
防止効果の低い5%程度であっても、遮蔽機構と組み合
わせることにより、実操業で吹き上がりを防止すること
ができた。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
熱間圧延された高温鋼板の下面を導管付噴水冷却によっ
て冷却を行うに際し、冷却装置の上方に鋼板が無い場合
や、冷却装置の幅よりも鋼板の幅が狭い場合において、
鋼板下面に対する冷却水の吹き上がり現象の発生を防止
し、高温鋼板をその全域にわたって均一に冷却すること
ができ、鋼板の材質のばらつきが減少して均質な製品が
得られ、製品歩留りが向上し、しかも、冷却水の回収を
行って、補給水量を著しく少量にとどめてコスト削減を
図ることができる等、多くの工業上有用な効果がもたら
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】導管付噴水冷却装置の原理を示す説明図であ
る。
【図2】導管付噴水冷却装置における吹き上がり現象を
示す説明図である。
【図3】この発明を実施するための冷却装置の一例を示
す説明図である。
【図4】この発明を実施するための冷却装置の他の例を
示す説明図である。
【図5】この発明を実施するための冷却装置を組み込ん
だ厚鋼板の冷却装置の概略説明図である。
【図6】冷却終了後の鋼板の長手方向の温度分布を示す
図である。
【符号の説明】
1 高温鋼板 2a、2b テーブルロール 3 水槽 3a 水槽底部 4 冷却水 5 ヘッダ 6 円管ノズル 7 導管 8a 水槽液面レベル 8b 吹き上がり現象が発生したときの水槽液面レベル 9 補給水配管 10 補給水 11a、11b 拘束ロール 12 遮蔽板 13a、13b 放射温度計 14 スリットラミナーノズル 15 導管付噴水冷却装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平田 直人 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 高橋 功 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−70126(JP,A) 特開 昭61−15927(JP,A) 特開 昭59−47010(JP,A) 特開 平5−245526(JP,A) 特開 昭55−156612(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 45/02 320

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延された高温の鋼板を挟み所定間
    隔をあけて設けられた上下1対の拘束ロール間における
    前記鋼板の下面側に、冷却水を収容する水槽を配置し、
    前記水槽内に、その水面下に位置する冷却水噴射ノズル
    と、前記ノズルの上部に、その先端を水面上に露出させ
    て位置する導管とを設け、前記冷却水噴射ノズルから前
    記鋼板の下面に向けて冷却水を噴射し、これにより生じ
    た前記導管からの同伴流で生じた水流により、前記鋼板
    の下面を冷却する、高温鋼板の下面冷却方法において、前記水槽に、前記導管からの冷却水の吹き上がりを防止
    するための補給水を導入する補給水配管を設け、且つ、
    前記水槽の上方に、前記ノズルから前記導管を通して噴
    射された冷却水の全量を前記水槽内に戻し、前記導管か
    らの冷却水の吹き上がりを防止するための遮蔽物を設
    け、下記(3)および(4)式、 t<2v/gの場合: Ih=(Qp−Cw・Q・t+Qin・t)/(L・W) ・・・(3) t>2v/gの場合: Ih=(Qp−Cw・Q・t+X・Cw・Q・(t−2V/g)+Qin・t )/(L・W) ・・・(4) 但し、上記(3)および(4)において、 v:前記導管から噴射される噴流水速度(m/s) g:重力加速度(m/s 2 t:前記ノズルから冷却水の噴射を開始してから経過し
    た時間(s) Ih:前記水槽内の前記導管下端部からの液面高さ
    (m) Qp:前記水槽の前記導管下端部から上の容量(L×W
    ×Ihmax)(m 3 Cw:前記ノズルからの噴射水量と前記導管からの噴出
    水量との比(Q’/Q) X:前記導管から噴出した冷却水が再び前記水槽内に戻
    ってくる比率 Q:前記ノズルからの噴射水量(m 3 /s) Q’:前記導管から噴出される水量(m 3 /s) L:前記水槽の長手方向長さ(m) W:前記水槽の幅方向長さ(m) Qin:外部から前記水槽内に導入される補給水の量
    (m 3 /s) によって表される前記水槽内の前記導管下端部からの液
    面高さ(Ih)が常に正となるように、前記補給水の量
    (Qin)を設定し、且つ、前記補給水の量(Qin)
    を、前記導管から噴出される水量の5%以下とする こと
    を特徴とする、高温鋼板の下面冷却方法
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