JP3340959B2 - アレーアンテナ - Google Patents

アレーアンテナ

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JP3340959B2
JP3340959B2 JP12429798A JP12429798A JP3340959B2 JP 3340959 B2 JP3340959 B2 JP 3340959B2 JP 12429798 A JP12429798 A JP 12429798A JP 12429798 A JP12429798 A JP 12429798A JP 3340959 B2 JP3340959 B2 JP 3340959B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射素子が直線状ま
たは平面状に並べられるアレーアンテナに関する。さら
に詳しくは、リッジ導波管に放射素子が結合される場合
の結合調整を簡単に、しかも確実に行うことができるア
レーアンテナの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の開口面アンテナは、パラボラアン
テナに代表されるように、その表面が放物面の形状に形
成されたものが使用されている。しかし、このようなパ
ラボラアンテナは、立体的な構造となり、形状が大きい
という問題があるため、このパラボラアンテナに代る方
式として、放射素子を直線状またはマトリクス状に並べ
た、直線または平面状のアレーアンテナが近年実用化さ
れている。
【0003】従来考えられている平面状のアレーアンテ
ナは、たとえば図7(a)〜(b)に示されるようなス
トリップライン放射器や、図8(a)〜(b)に示され
るような空洞部58を形成する金属壁面に多数設けられ
たスリット57から電波を放射するスロットタイプなど
が考えられている。ストリップライン放射器は、裏面に
アース板53を有する誘電体基板52上にパッチアンテ
ナ51がマトリクス状に並べて設けられ、各パッチアン
テナ51に給電のため、さらにアース板53の裏に誘電
体54を介してストリップライン55が形成され、その
ストリップライン55により結合ピン56を介して給電
される構造になっている。また、スロットタイプは、ラ
ジアル導波管58に絶縁された結合ピン59により給電
し、その空洞部の電磁波をスリット57より放射するも
のである。なお、図8(c)に示されるように、スリッ
トから直接放射しないで、空洞部58内に放射素子60
の一部を挿入し、空洞部58内の電界と結合させてエネ
ルギーを取り出す構造のものもある。この場合、空洞部
58内の電界の強さに応じて放射素子60の挿入深さを
変えることによりその放射電力が調整される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のストリップライ
ンタイプのものは、伝送損失が大きく、アンテナ特性を
劣化させるため、利得が高く高精度のアンテナが得られ
ない。また、スロット方式では、金属板にスリットを形
成するが、スリットからの放射電力の制御範囲が狭く、
設計上の制約が多い上にスリットの位置、長さ、幅など
により大幅にアンテナ性能が変化するため、その設定を
行うために何回も試作を行わなければならず、最適な設
計値が得られても製造のバラツキにより、充分に最適な
アンテナ性能を得ることが困難である。さらに、空洞を
使用するものでは、空洞内での電界分布が放射素子によ
り変動するため、放射素子からの放射電力を簡単に必要
な値に設定することができない。
【0005】さらに、これらの従来のアレーアンテナで
は、各放射素子からのそれぞれの出力の大きさ、位相な
どを精密に調整することができず、衛星放送受信用のア
ンテナのように、ゲインが得られれば問題にならないよ
うな用途のアンテナとしてはよいが、たとえば高速自動
車道路の自動料金収受システムなどのように、狭い範囲
で通信すべき範囲と通信すべきでない範囲が分れている
用途のアンテナとしては、サイドローブレベルの低い放
射パターンなどの厳しいアンテナ特性が要求され、従来
のアレーアンテナでは充分に要求を満足するアンテナが
得られないという問題がある。
【0006】本発明は、これらの問題を解決するため、
リッジ導波管を介して放射素子を結合させることによ
り、放射素子の間隔を狭くすることができ、しかも個々
の放射素子の結合度や位相を精密に調整することがで
き、良好な特性のアンテナを提供できるようにするもの
である。すなわち、個々の放射素子の結合度(放射電力
の比)の調整をする場合、放射素子を付けたままでは隣
接する放射素子間の干渉により正確な調整をすることが
できない。個々の放射素子の代りに測定用治具を使用し
て直接接続して結合度を調整しようとすると、放射素子
のインピーダンスが100〜220Ωと高く、測定器の
インピーダンスは通常50Ω程度と大きくずれており、
測定器を用いて調整しても設計通りのアンテナ特性が得
られないという問題がある。
【0007】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、リッジ導波管を介して放射素子にマ
イクロ波電力を供給するアレーアンテナにおいて、個々
の放射素子の結合度を正確に、しかも簡単に調整するこ
とができる構造とすることにより良好な特性のアレーア
ンテナを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によるアレーアン
テナは、内壁の一面または相対する二面にリッジが形成
されたリッジ導波管と、該リッジ導波管の管軸方向に対
して直角、かつ、リッジ導波管の幅広面に対して直角に
挿入された結合用プローブと、該結合用プローブの他端
部に設けられた放射素子とからなり、前記リッジの少な
くとも一つの内部に前記放射素子と前記結合用プローブ
とのインピーダンス整合部が形成され、該インピーダン
ス整合部内で前記結合用プローブと放射素子とが接続さ
れるように前記放射素子が取り付けられている。
【0009】このような構造にすることにより、結合度
を調整したり測定したりするときに、インピーダンス整
合部に測定用コネクタのインピーダンスと合せた測定用
治具を挿入して結合度を調整することができ、正確に結
合度を調整することができる。その結果、実際にアレー
アンテナにした場合でも、設計値通りのアンテナ特性が
得られる。
【0010】前記結合用プローブが前記リッジの頂部
(対向する管壁との間隔が狭くなる先端部)に誘電体を
介してねじ込まれ、該結合用プローブと対向する前記導
波管の壁面に取り付けられる固定ピンにより前記結合用
プローブの一端部が保持され、該結合用プローブの他端
部と前記放射素子とが接続されることにより、調整後の
結合用プローブをしっかりと固定することができ、アン
テナ特性を安定に維持することができる。前記放射素子
が設けられる結合用プローブが挿入されるリッジ導波管
を第1のリッジ導波管として、該第1のリッジ導波管が
複数本並列に並べられ、該複数本の第1のリッジ導波管
それぞれの第1の給電部に給電するため、該並列に並べ
られた複数本の第1のリッジ導波管と交差する方向に延
びる第2のリッジ導波管が設けられ、該第2のリッジ導
波管に設けられる複数の第2の結合用プローブが直接前
記複数の第1のリッジ導波管の前記第1の給電部とさ
れ、または該第1の給電部にそれぞれ接続され、前記第
2のリッジ導波管に外部回路と接続し得る第2の給電部
が設けられて平面アンテナが形成された構造のアレーア
ンテナとすることができる。 また、前記複数本の第1の
リッジ導波管に結合された放射素子が第1の偏波の信号
の送受信用に形成され、該偏波と直交する偏波の信号を
送受信し得る第2の放射素子が結合された第3のリッジ
導波管が複数本形成され、前記第1のリッジ導波管と第
3のリッジ導波管とが交互に配列され、該第3のリッジ
導波管にそれぞれ給電するための第4のリッジ導波管が
前記複数本の第3のリッジ導波管と交差する方向に延び
て設けられた構造にすることにより、たとえば直線偏波
における垂直偏波と水平偏波または円偏波における右旋
円偏波と左旋円偏波のような異なる偏波の信号を同時に
送受信することができる。 前記リッジ導波管の管壁の一
部が、前記複数本のリッジ導波管に共通の1枚の金属板
により形成され、かつ、前記放射素子または前記第2の
放射素子のそれぞれの周囲が導体壁により囲まれる構造
にすることにより、放射素子の軸対称特性が一様にな
り、個々の放射素子の振幅が一定になると共に、放射素
子間の相互作用がなくなり、アンテナ特性が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】つぎに、図面を参照しながら本発
明のアレーアンテナについて説明をする。
【0012】本発明のアレーアンテナは、図1にその一
実施形態の断面説明図が示されるように、内壁の一面に
リッジ2aが形成されたリッジ導波管2と、そのリッジ
導波管2の管軸方向に直角に、かつ、リッジ導波管2の
幅広面に対しても直角に挿入された複数個の結合用プロ
ーブ1aと、その結合用プローブ1aの他端部に設けら
れた放射素子1とからなり、リッジ2aの内側に放射素
子1および特性測定回路のそれぞれと結合用プローブ1
aとの間のインピーダンス状態を整合するため放射素
子1と結合用プローブ1aとのインピーダンス整合部1
1が形成され、インピーダンス整合部11内で結合用プ
ローブ1aと放射素子1とが接続されるように放射素子
1が取り付けられている。
【0013】リッジ導波管2は、両端が短絡され、実質
的に矩形の断面を有する導波管の内壁の長手方向に沿っ
て、リッジ2aが形成されている。図1に示される例で
は、その1つの管壁が複数本のリッジ導波管2に共通の
金属板2cで構成されており、その金属板2cの内面
(導波管の内部側)にリッジ2aが設けられている。こ
のリッジはさらに対向する内壁面にも設けられることが
ある。このリッジ2aは、図示しないネジなどで金属板
2cに取り付けられている。このリッジ2aは管壁と一
体構造で作られてもよい。そして、その中心部がその該
当する部分の金属板2cと共にくりぬかれ、インピーダ
ンス整合部11が形成されている。
【0014】すなわち、通常マイクロ波帯の測定器は5
0Ωでの測定となるように構成されているが、放射素子
1のインピーダンスは100〜220Ω程度と高い。そ
のため、50Ωと100〜220Ωとのインピーダンス
整合部11を設けて、50Ωの測定器で結合用プローブ
1aの結合度を治具を用いて調整し、測定すれば、イン
ピーダンス整合部11の効果で放射素子1からは適切な
値の電力を放射できる。インピーダンス整合部11は、
特性インピーダンスが(50・Ze)1/2Ω(Zeは放
射素子のインピーダンス)、長さが使用周波数の1/4
波長の長さとするのが目安である。このような構成にす
ることにより、結合用プローブ1aから導波管と反対側
を見たインピーダンスは測定用治具をつけた場合も、放
射素子をつけた場合も50Ωになる。なお、4aは結合
用プローブ1aをネジで保持する誘電体リングである。
結合用プローブ1aをネジで保持するのは、後述するよ
うに、その挿入深さ(挿入長)を調整することができる
ようにするためである。そして、この結合用プローブ1
aの一端側は対向する導波管壁からねじ込まれた誘電体
ネジからなる固定ピン17により保持され、その他端側
に放射素子1が接続されている。この放射素子1と結合
用プローブ1aとの接続は、たとえば図2に示されるよ
うに、結合用プローブ1aの他端部にスリワリ部1cを
入れておいて、放射素子1を差し込むことによりなされ
る。
【0015】放射素子1は、金属により適切なアンテナ
形状に形成されたもので、たとえば図3(a)〜(d)
にそれぞれ示されるように、先端部がカール状に形成さ
れたカール素子や、スパイラル素子、ヘリカル素子、ジ
グザグ素子(平面内で折り曲げられた素子)などが用い
られる。この放射素子1の中心軸と同心に前述のインピ
ーダンス整合部11の内径と同じ寸法の外径を有する円
筒部12bおよび蓋部12aを有する誘電体部12が取
り付けられている。また、蓋部12aが前述の金属板2
cの表面に当ったときに放射素子1が所定の高さになる
ように蓋部12a上の放射素子1の中心軸の周囲に位置
合せタブ13が設けられている。すなわち、この誘電体
部12の円筒部12bをインピーダンス整合部11の内
周に挿入することにより、放射素子1の先端が結合用プ
ローブ1aのスリワリ部1cに挿入され、所定の高さの
放射素子1になるような構造になっている。そして、結
合用プローブ1aの挿入長により結合度、すなわち放射
素子への電力配分を決定し、アンテナ特性を実現する。
【0016】つぎに、この構造の放射素子1の結合度な
どのアンテナ特性の調整方法について説明をする。ま
ず、調整する位置の放射素子1および放射素子1に取り
付けられた誘電体部12をリッジ2aから引き抜いて取
り外す。そして、図4に示されるような構造の測定用ア
ダプタ15をインピーダンス整合部11内に挿入してネ
ジ16により金属板2cに固定する。測定用アダプタ1
5は、図4に示されるように、外径が前述のインピーダ
ンス整合部11の内径と一致し、内径が50Ωの外軸に
なるような金属などの外導体15aと、その内周に挿入
されたテフロンなどからなる誘電体チューブ15bと、
その上端部に取り付けられたコネクタ15cと、そのコ
ネクタ15cの内軸に接続されている内導体15dとか
らなっており、リッジ2aのインピーダンス整合部11
内に挿入されることにより内導体15dが結合用プロー
ブ1aのスリワリ部1cに挿入されて接続される構造に
なっている。
【0017】この測定用アダプタ15のコネクタ15c
に図示しないネットワークアナライザーなどの測定器に
接続されたケーブルを接続し、図示しない給電部からリ
ッジ導波管2に給電して、その入力に対する出力を測定
し、測定器により測定しながら所定の特性になるように
結合用プローブ1aの挿入長を調整する。その調整は、
結合用プローブ1aと対向するリッジ導波管2の管壁に
設けられたネジ孔から挿入した調整棒により結合用プロ
ーブ1aを回すことにより行える。なお、所定の結合度
が得られたらそのネジ孔にポリカーボネートなどからな
る固定ピン17を結合用プローブ1aに突き当たるまで
ねじ込むことにより、ネジ孔を閉塞することができると
共に、結合用プローブ1aが動くこともなくなる。この
調整を各々の放射素子に接続する各結合用プローブにつ
いて行う。この際、1本のリッジ導波管2に並ぶ複数個
の放射素子1からの放射電力が、所望の値となるように
それぞれの結合用プローブ1aの挿入長を調整する。
【0018】すなわち、このアンテナ特性を調整しなが
らアレーアンテナを製造する方法は、リッジ導波管内の
電界と結合するように結合用プローブを複数本挿入し、
該結合用プローブにそれぞれ放射素子を接続することに
よりアレーアンテナを製造する場合に、前記リッジの内
部に前記放射素子と特性測定回路とのインピーダンス整
合部を形成し、前記結合用プローブを前記リッジ導波管
のリッジの頂部に誘電体を介してねじ込み、結合度を調
整したり測定したりするときに、該インピーダンス整合
部内に測定器と同じインピーダンスの測定用治具を挿入
して前記結合用プローブの他端部と接続し、前記測定用
治具に接続した測定器により結合特性を測定しながら前
記結合用プローブの挿入深さを調整し、ついで前記測定
用治具を外して放射素子を前記結合用プローブと接続す
るように挿入するものである。
【0019】この方法を用いることにより、特性が安定
し、非常に短時間で、しかも確実な調整をすることがで
きる。
【0020】前記結合用プローブの挿入深さの調整完了
後に前記結合用プローブの一端部と対向する導波管壁面
から固定ピンを挿入して前記結合用プローブを保持する
ことにより、特性の変動をなくすることができると共
に、調整用の孔を閉塞することができる。
【0021】本発明のアレーアンテナによれば、放射素
子の結合部を、リッジ導波管のリッジ部に形成すると共
、放射素子および特性測定回路のそれぞれと結合用プ
ローブとの間のインピーダンス状態を整合するための
ンピーダンス整合部が設けられているため、結合度の調
整時と、実際にアンテナとしたときの特性での差が生じ
ることがなく、理論設計通りのアンテナを製造すること
ができる。さらに、このインピーダンス整合部をリッジ
内に設けているため、特別のスペースをとる必要がな
く、小形のままインピーダンス整合部を設けることがで
きる。一方、リッジ2aは、その外壁が導体であれば内
部は何でも特性的には影響しないため、リッジ導波管と
しての性能に問題はない。しかも、リッジ内を空洞にす
ることができるため、材料の節約になると共に軽量化に
なる
【0022】つぎに、この結合構造を有する放射素子を
用いて2次元の平面アンテナを形成する例について説明
をする。図5は、その一実施形態の斜視説明図である。
【0023】この例は、図1に示される第1のリッジ導
波管2の管軸方向に沿って複数個の放射素子が設けられ
た直線アレーアンテナを複数本並列に並べて、マトリク
ス状に放射素子1が設けられることにより、平面アンテ
ナが形成されている。そして、この複数本の第1のリッ
ジ導波管2に給電できるように、この第1のリッジ導波
管2の裏面側にさらに第2のリッジ導波管5が、たとえ
ばリッジ導波管2の中心部を横断する(直交する)よう
に設けられている。そして、第2のリッジ導波管5の底
面に図示しないコネクタおよび給電用プローブが設けら
れ、外部の給電部と第2のリッジ導波管5とが結合さ
れ、第2のリッジ導波管5と第1のリッジ導波管2とが
図示しない給電用プローブにより結合されている。
【0024】図5に示される例では、放射素子1のそれ
ぞれの周囲が導体壁6で覆われている。すなわち、格子
状に導体壁6がリッジ導波管2の一壁面となる金属板2
cの表面に設けられ、格子状の導体壁6により囲まれた
空洞内に各放射素子1が位置するように構成されてい
る。このように放射素子1が1個づつ導体壁6により囲
まれることにより、方形キャビティ内に放射素子1が存
在することになり、導波管内の伝搬モードとなり、キャ
ビティ開口面における電磁界分布が一様になる。すなわ
ち、カール素子などの回転方向により位相変化を利用す
る放射素子においては、結合用プローブの方向から傾い
た方向での特性が、変動するという問題があるが、この
導体壁6が設けられることにより、放射素子1の軸対称
特性が一様になり、回転角に拘らず、個々の放射素子1
の振幅が一定になる。さらに、隣接する放射素子1間で
の相互作用もなくなり、さらにアンテナ特性が向上す
る。この導体壁6は、図5に示されるような方形ではな
く、円形に設けられていてもよい。
【0025】なお、図5では4本のリッジ導波管を並置
した例が図示されているが、この本数は、必要なアンテ
ナ特性が得られるようにn本のリッジ導波管を並置する
ことができる。また、第2のリッジ導波管5への給電回
路に図示しない整合回路が設けられることにより、結合
効率よく第2のリッジ導波管と結合することもできる。
このような平面アンテナにする場合でも、個々の放射素
子の特性を実際の構造と同じ状態で精度よく調整するこ
とができるため、非常に高性能のアンテナを提供でき
る。
【0026】図6は、平面アンテナのさらに他の実施形
態の図5と同様の説明図である。この例は、たとえば右
旋円偏波と左旋円偏波の両偏波を送受信することができ
るように直交する偏波のアンテナが設けられた例であ
る。すなわち、たとえば右旋円偏波用の放射素子1が第
1のリッジ導波管2に並べられて形成された右旋用アレ
ーアンテナと、左旋円偏波用の放射素子9が第3のリッ
ジ導波管7に並べて結合された左旋用アレーアンテナと
が、1本おきに並べられている。そして、第1のリッジ
導波管2に給電するための第2のリッジ導波管5および
第3のリッジ導波管7に給電するための第4のリッジ導
波管8が、それぞれ第1および第3のリッジ導波管2、
7と直交するように設けられている。この第2および第
4のリッジ導波管5、8には、図示されていないが、前
述のようにコネクタが設けられており、外部回路と結合
することができるようになっている。
【0027】本発明では、リッジ導波管を使用している
ため、そのリッジの高さを調整することによりリッジ導
波管のカットオフ周波数を下げることができ、リッジ導
波管の幅を細くすることができる。その結果、このよう
にたとえば右旋円偏波用と左旋円偏波用とを交互に配置
しても、右旋用同士、左旋用同士をそれぞれ独立して
0.5〜0.9λ0 (λ0 は自由空間波長)の間隔で配置
することができる。
【0028】図6に示される例では、右旋円偏波用の放
射素子1と、左旋円偏波用の放射素子9とがずれて配置
されるように構成されている。図6に示されるように右
旋円偏波用と左旋円偏波用とをずらせて配置することに
より、放射素子間の距離が大きくなり、相互の影響を減
らすことができるため好ましい。そのため、給電用の第
2および第4のリッジ導波管5、8も図6に示されるよ
うに、並べて配置しながら第1および第3のリッジ導波
管2、7の中心部に給電することができる。
【0029】また、前述の例では、左旋円偏波用と右旋
円偏波用の直交する円偏波の送受信用であったが、直線
偏波の水平偏波用と垂直偏波用などの互いに電界が直交
する偏波用のアンテナにすることもできる。さらに、図
6に示される例では、放射素子1、9の周囲を導体壁で
囲っていないが、図5に示される例と同様に各放射素子
を導体壁で囲うことにより相互の放射素子の結合の影響
をなくすることができると共に、放射素子の軸対称特性
の改善を行える。
【0030】さらに、前述の例では、第1または第3の
リッジ導波管2、7への給電を、それらのセンターで行
ったが、センターでなくても端部など他の部分から給電
することもできる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、リッジ導波管を用いた
アレーアンテナにおいて、インピーダンス整合部が設け
られているため、各放射素子の結合特性が得られるよう
にそれぞれの結合調整をするのに、マッチングの取れた
状態で調整をすることができる。そのため、設計値通り
のアンテナ特性のアレーアンテナが得られる。さらに、
放射素子の空間に対するインピーダンスと整合させるこ
とができるため、より一層アンテナ特性が向上する。ま
た、リッジ内にインピーダンス整合部による空洞を作る
ことができるため、アレーアンテナを小型化でき、重量
を軽減できると共に材料の節約をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアレーアンテナの一実施形態の断面説
明図である。
【図2】放射素子と結合用プローブとの接続構造の一例
を示す説明図である。
【図3】放射素子の形状例を示す図である。
【図4】測定用治具アダプタの一例の断面説明図であ
る。
【図5】図1のアレーアンテナを用いて平面アンテナを
構成する例の説明図である。
【図6】平面アンテナの構成の他の例を示す説明図であ
る。
【図7】従来のパッチ素子を用いた平面型アレーアンテ
ナの例を示す図である。
【図8】従来の空洞を用いた平面型アレーアンテナの例
を示す図である。
【符号の説明】
1 放射素子 1a 結合用プローブ 2 リッジ導波管 2a リッジ 11 インピーダンス整合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡戸 広則 東京都北区滝野川7丁目5番11号 株式 会社ヨコオ内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 21/06 H01P 5/04 605 H01P 5/103

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内壁の一面または相対する二面にリッジ
    が形成されたリッジ導波管と、該リッジ導波管の管軸方
    向に対して直角、かつ、リッジ導波管の幅広面に対して
    直角に挿入された結合用プローブと、該結合用プローブ
    の他端部に設けられた放射素子とからなり、前記リッジ
    の少なくとも一つの内部に前記放射素子と前記結合用プ
    ローブとのインピーダンス整合部が形成され、該インピ
    ーダンス整合部内で前記結合用プローブと放射素子とが
    接続されるように前記放射素子が取り付けられてなるア
    レーアンテナ。
  2. 【請求項2】 前記結合用プローブが前記リッジの頂部
    に誘電体を介してねじ込まれ、該結合用プローブと対向
    する前記導波管の壁面に取り付けられる固定ピンにより
    前記結合用プローブの一端部が保持され、該結合用プロ
    ーブの他端部と前記放射素子とが接続されてなる請求項
    1記載のアレーアンテナ。
  3. 【請求項3】 前記放射素子が設けられる結合用プロー
    ブが挿入されるリッジ導波管を第1のリッジ導波管とし
    て、該第1のリッジ導波管が複数本並列に並べられ、該
    複数本の第1のリッジ導波管それぞれの第1の給電部に
    給電するため、該並列に並べられた複数本の第1のリッ
    ジ導波管と交差する方向に延びる第2のリッジ導波管が
    設けられ、該第2のリッジ導波管に設けられる複数の第
    2の結合用プローブが直接前記複数の第1のリッジ導波
    管の前記第1の給電部とされ、または該第1の給電部に
    それぞれ接続され、前記第2のリッジ導波管に外部回路
    と接続し得る第2の給電部が設けられて平面アンテナが
    形成された請求項1または2記載のアレーアンテナ。
  4. 【請求項4】 前記複数本の第1のリッジ導波管に結合
    された放射素子が第1の偏波の信号の送受信用に形成さ
    れ、該偏波と直交する偏波の信号を送受信し得る第2の
    放射素子が結合された第3のリッジ導波管が複数本形成
    され、前記第1のリッジ導波管と第3のリッジ導波管と
    が交互に配列され、該第3のリッジ導波管にそれぞれ給
    電するための第4のリッジ導波管が前記複数本の第3の
    リッジ導波管と交差する方向に延びて設けられてなる請
    求項3記載のアレーアンテナ。
  5. 【請求項5】 前記直交する偏波が直線偏波における垂
    直偏波と水平偏波または円偏波における右旋円偏波と左
    旋円偏波である請求項4記載のアレーアンテ ナ。
  6. 【請求項6】 前記リッジ導波管の管壁の一部が、前記
    複数本のリッジ導波管に共通の1枚の金属板により形成
    され、かつ、前記放射素子または前記第2の放射素子の
    それぞれの周囲が導体壁により囲まれてなる請求項3、
    4または5記載のアレーアンテナ。
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