JP3339866B2 - 骨ねじ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、請求項１の前文に従った骨ねじに関す
る。

このような骨ねじは、DE 39 36 703 C2から公知
である。この骨ねじのねじ切りシャフトの自由前端は、
ねじの長手方向のボア内に導入される拡張部材によって
広げられる。このように広がることにより、一方では逆
回転に対する安全装置としての役割を果たし、他方では
骨材とねじとの間に作用する固定力を高める働きをす
る。

ここで不可欠な螺合機構は、最小の寸法を要する。

この発明の目的は、直径が非常に小さくかつ逆回転に
対するロックを有する骨ねじを提供することである。こ
の骨ねじは、骨内に固定が可能であり、かつ、骨内にね
じ込まれた後、第２の動作ステップにおいて、緻密に制
御された態様で、その先端部分が広がる。

この目的は、請求項１に従った骨ねじによって達成さ
れる。

この発明のさらなる発展形は、従属項に規定される。

ここで、この発明の実施例を図面を参照して下に記載
する。

図１は、骨ねじのねじ切りシャフト部分とヘッドとを
示す。

図２は、骨ねじの拡張部材を示す。

図３は、組立てられた状態の、ねじ込まれる前の骨ね
じを、部分的に断面で表わした図である。

図４は、図３の骨ねじの先端部分を、拡大して部分的
に断面で示した図である。

図５は、ねじ込まれた状態の、前端が拡張された骨ね
じを、部分的に断面で示した図である。

図６は、図５の骨ねじの拡張された前端を、拡大して
表わした図である。

図１から図４に示されるように、骨ねじ１はそれと一
体に形成されたねじ切りシャフト部分２とヘッド３とを
有する。ねじ切りシャフト部分２は、骨ねじに従来的に
使用されるように、雄ねじ４を有する。図１で特に示さ
れるように、骨ねじ１の内部を通って、同軸に位置合わ
せされた長手方向のボア５が延びる。

骨ねじはまた、骨ねじのヘッド３とは反対側の自由端
６に形成された、同軸の円錐形の窪んだ部分７を有す
る。この窪んだ部分７は、自由端６に向かってじょうご
状に開く。ねじ切りシャフト部分２の壁部にはスリット
８が形成されて、ヘッド３とは反対側の自由端６からね
じ切りシャフト部分２の長手方向の軸に平行に延びる。
スリット８は、ねじ切りシャフト部分２の長さの半分を
僅かに上回る長さを有するが、スリットの長さは、円錐
形の窪んだ部分７の軸方向の長さの少なくとも２倍とす
る。好ましくは、このようなスリットの対が、互いに対
して180゜の角度をなして設けられる。

長手方向のボア５の、円錐形の窪んだ部分７に隣接す
る部分における表面は、実質的にのこぎり歯形の部分９
を有する。のこぎり歯形の部分９は、ねじ切りシャフト
部分の内壁に周縁ノッチを設けることによって形成され
る。ここで、ノッチによって形成された歯の各々は、ヘ
ッド３の方を向いたフランクと自由端６の方を向いたフ
ランクとを有する。ヘッド３の方を向くフランクは、ね
じ切りシャフト部分２が拡張されていない状態において
は、ねじ切りシャフト部分の長手方向の軸に実質的に垂
直に位置合わせされ、一方、自由端６の方を向くフラン
クは、長手方向の軸と鋭角をなす。のこぎり歯形の部分
９は、ねじの軸方向の長さにわたって、円錐形の窪んだ
部分７の軸方向の長さに少なくとも等しい長さだけ延び
る。

ヘッド３は、自由端６とは反対側に軸方向に形成され
た窪み10を含む。窪み10は、この窪みと、それと協働す
るねじ回しとを使用して、骨内に骨ねじ１をねじ込むこ
とが可能となるように形成される。たとえば、窪み10は
六角形のねじ回しと係合するために六角形である。

タイロッドとして機能する拡張部材20は、その端部に
先端部分22が形成された、棒形状のシャフト21からな
る。シャフト21の直径は、シャフト21が骨ねじの長手方
向のボア５内に案内され、しかもその中で軸方向に移動
が可能なように寸法決めされる。シャフト21の長さは、
シャフト21がねじ内に挿入された際にヘッド３から突出
して、それと協働する道具と係合するのに十分な作動面
を有するような長さだけ、軸方向で骨ねじ１の長さより
も長いものとする。先端部分22は、シャフト21に隣接す
る側に、シャフト21に向かって先細りしかつ円錐形の窪
んだ部分７内にちょうど嵌まるように設計された円錐形
の部分23を有した外壁を有する。先端部分22は、シャフ
ト21から背を向ける側、すなわち、骨ねじ１のヘッド３
とは反対の側には、骨ねじの先端部を形成するポイント
24を有する。ポイント24もまた同様に円錐形であって、
ヘッド３とは反対側に向かって先細りする。ポイント24
の自由端は丸められている。先端部分22はさらに、その
軸方向の中央付近に、外周縁部25を有する。外周縁部25
の直径は、自由端６における円錐形の窪んだ部分７の直
径よりも僅かに大きい。この縁部25は、ポイント24の、
先端部分22の円錐形の部分23と密接する部分が、円錐形
の部分23よりも小さい直径を有し、したがって肩部を形
成するように、形成される。縁部25は、拡張部材がねじ
切りシャフト部分内に位置づけられてヘッドの方向へと
引っ張られた際に、のこぎり歯形の部分９の歯を捉える
ことができるように寸法決めされる。

この骨ねじをねじ込むのに好適なねじ回しは、その中
央に、拡張部材20のシャフト21を受取るための長手方向
のボアを含むものである。

動作においては、シャフト21がまず、ねじ切りシャフ
ト部分の自由端部６より始まる長手方向のボア５内に挿
入されて、先端部分22の円錐形の部分23が円錐形の窪ん
だ部分７内に嵌まるまで押し込まれる。これにより、図
３および図４に示されるように、骨ねじは通常のポイン
ト24を有するようになる。シャフト21の、ポイント24と
は反対側の端部は、ねじのヘッド３から突出する。ここ
で、ねじはねじ回しを使用して従来の方法でねじ込まれ
る。

特に図５および図６に示されるように、骨ねじ１が正
確に位置づけられた後に、ねじ切りシャフト部分２の自
由端部は、拡張部材20のシャフト21に図５に示される矢
印Ａの方向に張力を加えることによって、拡張される。
この張力は、シャフト21の自由部分をねじのヘッド３で
支えられるある種のリベットセッタに係合することによ
って、シャフト21に加えられる。これにより、先端部分
22はねじ切りシャフト部分２の長手方向のボア５内に引
き込まれて、縁部25が部分９の歯内にロックされる。こ
うして、スリットが設けられた部分が、緻密に制御され
た態様で広げられる。この拡張動作が完了した後に、シ
ャフト21の突出した部分は切断される。

部分９は必ずしものこぎり歯形でなくともよい。ノッ
チはまた、歯の湾曲した表面で形成されてもよい。しか
し、フランクの傾斜は必ず、拡張された状態において先
端部分22がノッチから逃げてしまうことのないようにす
るものであることが求められる。

フロントページの続き (72)発明者 ハルムス，ユルゲン ドイツ連邦共和国、76337 バルトブロ ン、ホゲーゼンシュトラーセ、60 (56)参考文献 特開 平６−125918（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−292686（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−243550（ＪＰ，Ａ) 実開 昭48−45057（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭51−17358（ＪＰ，Ｂ２) 特公 平５−53129（ＪＰ，Ｂ２) 特表 平４−502567（ＪＰ，Ａ) 米国特許2490364（ＵＳ，Ａ) 米国特許4778468（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61B 17/58 310

Claims (8)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ヘッド（３）と、 長手方向の軸と前記ヘッド（３）の反対側に自由端
   （６）とを有するねじ切りシャフト部分（２）と、 前記ねじ切りシャフト部分（２）を貫通して前記長手方
   向の軸に沿って延びる長手方向のボア（５）とを備え、 前記長手方向のボア（５）は、前記ねじ切りシャフト部
   分（２）の自由端（６）に向かって開くじょうご状に開
   いた部分（７）を含み、さらに、 前記ねじ切りシャフト部分（２）の前記じょうご状に開
   いた部分（７）に形成され、かつ、前記長手方向の軸に
   平行に延びる、少なくとも２本のスリット（８）と、 当該骨ねじの先端を形成する先端部分（22）と前記長手
   方向のボア（５）を貫通して延びるシャフト（21）とか
   ら形成された拡張部材（20）とを備えた骨ねじであっ
   て、 前記ねじ切りシャフト部分（２）と前記先端部分（22）
   とに設けられて前記ねじ切りシャフト部分（２）内に前
   記先端部分（22）を固定するための固定装置（９、25）
   を備えることを特徴とする、骨ねじ。
2. 【請求項２】前記固定装置は、前記ねじ切りシャフト部
   分（２）の内壁に設けられたノッチ（９）と、前記先端
   部分（22）に設けられかつ前記ノッチを捉える突出部
   （25）とによって形成されることを特徴とする、請求項
   １に記載の骨ねじ。
3. 【請求項３】前記拡張部材（20）は単一の部品として形
   成され、前記先端部分（22）は前記シャフト（21）の端
   部に設けられることを特徴とする、請求項１または請求
   項２に記載の骨ねじ。
4. 【請求項４】前記長手方向のボア（５）のじょうご状に
   開いた部分（７）は、実質的に円錐形であることを特徴
   とする、請求項１から請求項３までのいずれか１項に記
   載の骨ねじ。
5. 【請求項５】前記先端部分（22）は、前記シャフト（2
   1）に向かって先細りしかつ実質的に円錐形である第１
   の部分（23）と、前記第１の部分に隣接する第２の部分
   （24）とを含み、前記第２の部分（24）は当該骨ねじの
   先端に向かって先細りし、前記第１の部分（23）は前記
   長手方向のボア（５）のじょうご状に開いた部分（７）
   内にちょうど嵌まることを特徴とする、請求項１から請
   求項４までのいずれか１項に記載の骨ねじ。
6. 【請求項６】前記ねじ切りシャフト部分（２）は、前記
   じょうご状に開いた部分（７）に隣接する部分で前記ね
   じ切りシャフト部分の内壁にノッチ（９）を有し、前記
   先端部分（22）は、前記先端部分のうち、前記長手方向
   の軸に垂直な直径が最大になる位置で前記ノッチ（９）
   に係合する半径方向の突出部（25）を含むことを特徴と
   する、請求項４または請求項５に記載の骨ねじ。
7. 【請求項７】前記突出部（25）は、前記先端部分（22）
   の周囲に設けられた半径方向に突出する縁部（25）によ
   って形成されることを特徴とする、請求項２から請求項
   ６までのいずれか１項に記載の骨ねじ。
8. 【請求項８】前記ノッチ（９）はのこぎり歯形の部分と
   して形成されることを特徴とする、請求項２から請求項
   ７までのいずれか１項に記載の骨ねじ。