JP3337597B2 - 学習型認識判断装置 - Google Patents

学習型認識判断装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力されたパターンデ
ータの学習および認識を行う学習型認識判断装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来の学習型認識判断装置には、入力さ
れたパターンデータに対して、まず大分類を行って入力
データが属するカテゴリ群を選択し、次に選択されたカ
テゴリ群において、細分類を行うことによって入力デー
タの認識を行うものがある。この種の学習型認識判断装
置については、例えば電子情報通信学会論文誌D−IIVo
l.J75-D-II No.3 pp545-553「大規模ニューラルネッ
ト”CombNET−II”」に示されている。
【0003】図10はこの従来の学習型認識判断装置の構
成例を示すブロック図である。図10において、1は入力
パターン信号を各カテゴリ群に大分類する大分類部、2
は入力パターン信号を各カテゴリ群内で細分類する細分
類部、3は大分類部1の出力値(以下、適合度という)か
ら複数個のカテゴリ群を選択する群選択部、4は、群選
択部3で得られる群選択情報に基づいて、入力パターン
信号を入力する細分類部2を選択する細分類部入力信号
選択部、5は群選択部3で選択されたカテゴリ群の適合
度と細分類部2の出力値から入力パターン信号の識別を
行う識別部である。
【0004】大分類部1において、6は入力パターン信
号を入力する大分類部1の入力部、7は入力パターン信
号に対する各カテゴリ群の適合度を計算する多入力−出
力信号処理部である。
【0005】細分類部2において、8は細分類部入力信
号選択部4から出力される入力パターン信号を入力する
入力部、9は多入力−出力信号処理部、10は最上位層の
複数個の多入力−出力信号処理部9の出力の中から最大
値を選択する最大値選択部である。前記の多入力−出力
信号処理部9は、それに接続されている入力部8または
下層の多入力−出力信号処理部9の出力と、その連結の
度合である重み係数とを各々掛け合わせて総和したもの
を閾値処理して出力するものである。
【0006】ここでは、これら複数個の多入力−出力信
号処理部は層構造を持ち、各層内相互の結合がなく、上
位層にのみ信号が伝搬するようにネットワーク接続する
ことによって、入力パターン信号に対するカテゴリ郡内
の各カテゴリに類似する度合いが求められる。
【0007】識別部5において、11は、群選択部3で選
択されたカテゴリ群の適合度と、そのカテゴリ群に対応
する細分類部2の出力値から各カテゴリの類似度を計算
する類似度算出部、12は、類似度算出部11から得られた
各カテゴリの類似度最大値を求めることによって、入力
パターン信号の識別を行うカテゴリ識別部である。
【0008】以上のように構成された従来の学習型認識
判断装置について、以下にその動作を説明する。認識対
象物のn個の特徴データからなる入力パターン信号X
(数1)は、まず大分類部1の入力部6に入力される。
【0009】
【数1】X=(x1,x2,…,xn) 入力部6はパターンデータの特徴データに等しくn個用
意されており、各特徴データxiはそれぞれ対応する入
力部6に入力される。
【0010】大分類部1の各多入力−出力信号処理回路
7は、それに接続されている入力部6の入力xiとその
連結の度合である重み係数vij(1≦i≦mr;mrはカ
テゴリ群の数、1≦j≦n)とを乗算したものの総和を
計算した後、これを入力パターン信号X、および各多入
力−出力信号処理回路7の重み係数ベクトルVi(数2)
のノルム|X|,|V|の積で割算したものを出力す
る。
【0011】
【数2】Vi=(vi1,vi2,…,vin) つまり、重み係数ベクトルViをもつ多入力−出力信号
処理回路7の出力値sim(X,Vi)は(数3)のように表す
ことができる。
【0012】
【数3】
【0013】なお、重み係数ベクトルViについては、
類似した入力パターン信号に対して決まった多入力−出
力信号処理部7が最大出力を発生するように予め設計し
ておく。
【0014】これらの重み係数ベクトルViは、従来例
では以下のような手法で設計される。まず第1過程で
は、重み係数ベクトル設計用の入力パターン信号Xを入
力する毎に、最もsim(X,Vi)の大きいVcを求め(この
とき、XはVcに最適整合するという)VcをXに近づけ
る。また、1つの重み係数ベクトルに最適整合する入力
パターン信号がある一定数以上になったときには、その
重み係数ベクトルが担当する領域を2つに分割する。
【0015】第2過程では、重み係数ベクトル設計用の
全入力パターン信号に対して、最適整合するViを求
め、それが前回と変化したかどうかを調べる。そして、
変化があればそのViを修正する。このとき、第1過程
と同様に重み係数ベクトルの領域の分割も行う。これら
重み係数ベクトルの修正,分割がなくなるまで繰り返
す。
【0016】このようにして、重み係数ベクトルの設計
を行うことによって、入力パターン信号は複数のカテゴ
リ群に大分類される。各多入力−出力信号処理部7の出
力値は、入力パターン信号Xに対する各カテゴリ群の適
合度として群選択部3に出力される。
【0017】群選択部3では、大分類部1で得られた適
合度の大きい順に任意個のカテゴリ群を選び、どのカテ
ゴリ群が選択されたかを示す群選択情報とそれに対応す
る適合度を出力する。群選択部3から得られる群選択情
報に基づいて、細分類部入力信号選択部4は入力パター
ン信号を入力する細分類部2を選択し、入力パターン信
号をこれらの細分類部2へ出力する。
【0018】群選択部3で選択されたカテゴリ群に対応
する各々の細分類部2(すなわち、細分類部入力信号選
択部4から入力パターン信号を入力された細分類部2)
では、まず入力部8に入力パターン信号Xが入力され
る。入力部8は、入力パターン信号の特徴データ数に等
しくN個用意されており、各特徴データxiはそれぞれ
対応する入力部8に入力される。細分類部2の各多入力
−出力信号処理部9は、それに接続されている入力部8
または下層の多入力−出力信号処理部9の出力と、その
連結の度合である重み係数とを掛け合わせたものの総和
を閾値関数で変換した後、その値を上層へ出力する。
【0019】ここで、各細分類部2の最上位層の多入力
−出力信号処理部9は、各カテゴリ群に含まれるパター
ンデータのカテゴリ数と同じ個数に設定され、これらの
各カテゴリに対応している。最大値選択部10は最上位層
の各多入力−出力信号処理部9の出力値の中で最大のも
のを選び、この多入力−出力信号処理部9に対応するカ
テゴリと、その最大出力値を出力する。
【0020】なお、多入力−出力信号処理部9の重み係
数は、カテゴリ群内の各カテゴリをもつ入力パターン信
号に対して、その各カテゴリに対応する最上位層の多入
力−出力信号処理部9が最大出力を発生するように予め
学習されている。
【0021】具体的に、このような重み係数の学習方法
は、誤差逆伝搬法と呼ばれる学習アルゴリズムによって
行われる。誤差逆伝搬法については、例えば D. E.Rume
lhart, G. E.Hinton and R. J. Williams による“Lear
ningRepresentations by Back-Propagating Errors,”
Nature, vol.323, pp.533-536, Oct. 9. 1986 に示され
ている。
【0022】以下に誤差逆伝搬法の概略について説明す
る。まず、重み係数学習用の入力パターン信号Xが細分
類部2の入力部8に入力される。各多入力−出力信号処
理部9は、既に説明したように各々それに接続されてい
る入力部8または下層の多入力−出力信号処理部9の出
力と、その連結の度合である重み係数とを掛け合わせた
ものの総和を閾値関数で変換した後、その値を上層へ出
力する。ここで、全ての最上位層の多入力−出力信号処
理部9の出力信号okと望ましい出力信号tk(以下、教
師信号という)との誤差Eは(数4)のように求められ
る。
【0023】
【数4】E=0.5ΣpΣk(tk−ok)2 ただし、Σpは教師信号のパターン数に関する総和であ
る。学習の目的は、誤差Eを最小にする重み係数値を決
定することであり、各多入力−出力信号処理部9間の重
み係数の変更量Δwijは(数5)に基づいて計算される。
【0024】
【数5】Δwij=−ε∂E/∂wij ただし、εは学習レートと呼ばれる正の定数である。こ
のような(数5)に基づいた重み係数の更新を、学習用の
入力パターン信号が入力されるたびに繰り返すことによ
り、誤差Eを小さくすることができる。誤差Eが十分小
さくなると、出力信号が望ましい値に十分近くなったも
のとして、学習を終了する。
【0025】このような重み係数の学習方法によって、
カテゴリ群内の各カテゴリをもつ入力パターン信号に対
し、その各カテゴリに対応する最上位層の多入力−出力
信号処理回路9が最大出力を発生するようにすることが
できる。したがって、最上位層の複数個の多入力−出力
信号処理回路9の中で、最大出力を発生するものを最大
値選択部10で選ぶことにより、各カテゴリ群内におい
て、すなわち、各細分類部2において入力パターン信号
のカテゴリを認識することができる。
【0026】識別部5では、類似度算出部11において、
群選択部3で選択されたカテゴリ群の適合度と、そのカ
テゴリ群に対応する細分類部2の出力値から(数6)を用
いて細分類部2で得られた各カテゴリの類似度を計算
し、これらの類似度をカテゴリ識別部12出力する。
【0027】
【数6】
【0028】ただし、a,bは実定数とする。
【0029】最後に、カテゴリ識別部12は類似度算出部
11から得られる各カテゴリの類似度を比較し、それらの
中から最大となる類似度に対応するカテゴリを認識結果
として出力する。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成の学習型認識判別装置では、各細分類部の学習
は、群参照用パターンと学習すべき入力パターンの距離
すなわち群帰属度を考慮せず、単一の細分類部でまった
く独立に行われるので、カテゴリ群間の境界に位置する
入力パターンに対する認識精度が劣化するだけではな
く、学習時に類似度算出部のすべての層の重み係数を変
更する必要があって学習に時間がかかる。
【0031】また、未学習パターンを誤認識した時に再
度そのパターンを学習する(以下、追加学習という)際、
大分類部で群帰属度が最大と判断された細分類部にその
パターンのカテゴリが属しているとは限らず、どの細分
類部を学習すべきかの判断が出来ないので、追加学習が
出来ないという問題があった。
【0032】本発明は、前記従来技術の問題点を解決す
るものであり、入力パターンに対する群帰属度を用いて
各細分類部を協調的に学習することにより、カテゴリ群
の境界に位置するパターンの認識率の向上が可能で、学
習が高速で行われ、かつ効率的に追加学習を行うことの
できる学習型認識判断装置を提供することを目的とす
る。
【0033】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は(1)として、類似パターンの集合からなる
カテゴリ群を代表する群参照用パターン信号を複数個記
憶する群辞書と、群参照用パターン信号を用いて入力パ
ターン信号が各カテゴリ群に属する度合である群帰属度
を計算するファジィ大分類部と、入力パターン信号がカ
テゴリ群内に含まれる各カテゴリに類似する度合である
群内類似度を計算する類似度算出部と、類似度算出部の
伝達量変更部のビットシフト量を制御する荷重変更量制
御部と、類似度算出部と荷重変更量制御部とからなる複
数個の細分類部と、群帰属度から少なくとも1つのカテ
ゴリ群を選択する第1の群選択部と、細分類部で得られ
た群内類似度を選択された群帰属度により重み付けする
識別信号荷重部と、識別信号荷重部の出力から各カテゴ
リに属する度合であるカテゴリ類似度の算出を行うカテ
ゴリ類似度算出部と、カテゴリ類似度から認識結果また
は認識不可であることを表すリジェクト信号を出力する
認識結果算出部と、細分類部の学習に必要な第1の教師
信号を発生する第1の教師信号発生部と、各細分類部に
属するカテゴリ情報を記憶したカテゴリ情報記憶部と、
カテゴリ情報により入力パターン信号のカテゴリが存在
する細分類部の中で群帰属度の大きい方から少なくとも
1つの群帰属度を選択し、荷重変更量制御部へ出力する
第2の群選択部と、認識結果と第1の教師信号発生部か
ら出力される入力パターン信号のカテゴリ番号との比較
結果に応じて細分類部の学習を制御する学習制御部と、
認識結果算出部の認識結果を表示部に出力する認識結果
表示部と、性能評価用のデータを記憶した評価データ記
憶部と、認識結果が間違っている場合に正解の認識結果
を入力する正解入力部と、入力された正解の認識結果を
入力データに対応するカテゴリ番号である第2の教師信
号に変換する第2の教師信号発生部と、入力データに対
する群帰属度が最大の群番号を選択する群番号選択部
と、誤認識された入力データとそれに対応する第2の教
師信号と選択された群番号とを記憶する誤認識情報記憶
部と、誤認識情報記憶部に記憶されている入力データか
ら群番号別および第2の教師信号別の誤認識データ数を
カウントする誤認識データ計数部と、カウントされた誤
認識データ数の多い群番号と第2の教師信号に対応する
入力データと第2の教師信号を選択する第1の追加学習
候補データ選択部と、第1の教師信号発生部の第1の教
師信号出力と選択された第2の教師信号のどちらか1つ
を選択する第1の教師信号選択部とを備えた学習型認識
判断装置において、類似度算出部は、複数の階層からな
り、その最下層は複数の第3の単位認識ユニットによ
り、最下層の前層は複数の第2の単位認識ユニットによ
り、またそれ以外の層は複数の第1の単位認識ユニット
によりそれぞれ構成されており、第1の単位認識ユニッ
トは、信号入力部と、入力信号の出力に応じて量子化を
行う量子化器と、入力信号の量子化結果から量子化区間
に隣接する量子化区間を選択する隣接区間選択部と、入
力信号の属する量子化区間並びに、量子化区間に隣接す
る量子化区間に対する荷重値を記憶する荷重テーブル
と、単一または複数の経路入力端子を有する経路入力部
と、単一または複数の経路出力端子を有する経路出力部
と、量子化結果に応じて経路にかける荷重の設定位置を
変えることで経路入力部の経路入力端子と経路出力部の
経路出力端子との連結強度を変化させる経路荷重部を有
し、第2の単位認識ユニットは、信号入力部と、入力信
号の出力に応じて量子化を行う量子化器と、単一または
複数の経路入力端子を有する経路入力部と、単一または
複数の経路出力端子を有する経路出力部と、経路入力部
の経路入力端子に伝達された値を群帰属度の値によりビ
ットシフトする伝達量変更部と、伝達量変更部の出力に
応じて経路入力端子と量子化器の出力値が指し示す経路
出力部の経路出力端子との連結強度を増加する学習器を
有し、第3の単位認識ユニットは、複数の経路入力端子
からの入力信号を加算する加算器と、加算器の出力信号
を閾値処理する閾値処理部を有すること、を特徴とす
る。
【0034】また(2)として、学習型認識判断装置の荷
重変更量制御部に代えて、第2の群選択部の出力に応じ
て類似度算出部の学習回数を変更する学習強度制御部を
備えたことを特徴とする。
【0035】また、学習強度制御部は、第2の群選択部
の出力に応じて対応する細分類部の学習回数を変更する
ことを特徴とする。
【0036】また(3)として、学習型認識判断装置が、
第1の追加学習候補データ選択部で選択されたデータに
関する追加学習結果を評価する基準データと教師信号を
記憶した基準データ記憶部と、基準データに関する認識
結果を評価することにより追加学習の良否を判定する追
加学習結果良否判定部と、追加学習結果良否判定部で良
と判定された追加学習候補データのみを選択する第2の
追加学習候補データ選択部と、第1の教師信号選択部に
代えて、第1の教師信号発生部の出力と第1の追加学習
候補データ選択部により選択された教師信号と第2の追
加学習候補データ選択部により選択された教師信号のう
ちいずれか1つを選択する第2の教師信号選択部を備え
たことを特徴とする。
【0037】また、追加学習結果良否判定部は、追加学
習前後の誤認識データ数の増加数とリジェクトデータ数
の増加数の総和を比較することにより追加学習の良否を
判定することを特徴とする。
【0038】また(1),(2),(3)の構成において、フ
ァジィ大分類部は、入力パターン信号と群参照用パター
ン信号との距離を計算する複数個の距離計算部と、距離
計算部の出力の逆数を計算する複数個の第1の割算器
と、第1の割算器の各出力を加算する加算器と、加算器
の出力と距離計算部の各出力を乗算する複数個の乗算器
と、乗算器の出力の逆数を計算する複数個の第2の割算
器を備えたことを特徴とする。
【0039】また同様にして、類似度算出部は、第1ま
たは第2の教師信号選択部の出力を細分類部の中で最も
大きな値を出力することが望ましい第3の単位認識ユニ
ットの番号に変換する教師信号変換部を備え、最下層の
前層に位置する第2の単位認識ユニットの信号入力部に
教師信号変換部の出力を入力するように構成したもので
ある。
【0040】
【作用】前記構成(1)の学習型認識判断装置によれば、
まず、入力パターン信号をファジィ大分類部に入力す
る。ファジィ大分類部は、群辞書に記憶されている全て
の群参照用パターン信号を読み出して、入力パターン信
号が各カテゴリ群に属する度合である群帰属度を求め
る。これらの群帰属度を用いて、第1の群選択部は少な
くとも1つのカテゴリ群を選択し、識別信号荷重部に出
力する。
【0041】各細分類部は、類似度算出部により前記入
力パターン信号が各カテゴリ群内に含まれる各カテゴリ
に類似する度合である群内類似度ベクトルを計算し、識
別信号荷重部に出力する。
【0042】識別信号荷重部では、前記第1の群選択部
で選択されたカテゴリ群の群帰属度により、対応する細
分類部から得られる群内類似度ベクトルを重み付けし、
これをカテゴリ類似度算出部に出力する。カテゴリ類似
度算出部では、重み付けされた群内類似度ベクトルから
入力パターン信号の各カテゴリに属する度合であるカテ
ゴリ類似度を算出し、認識結果算出部がカテゴリ類似度
からの認識結果(カテゴリ番号)、または認識不可である
ことを表すリジェクト信号を出力する。学習制御部は、
第1の教師信号発生部から出力される入力パターン信号
の第1の教師信号(カテゴリ番号)と前記認識結果を比較
し、比較結果が等しい場合は、各細分類部の荷重更新を
行わずに次の入力パターン信号の学習を行い、比較結果
が異なる場合には、各細分類部の荷重値が更新されるよ
うに制御する。
【0043】荷重値が変更される場合、第2の群選択部
により、カテゴリ情報記憶部に記憶されたカテゴリ情報
により入力パターン信号のカテゴリが存在する細分類部
の中で群帰属度の大きい方から少なくとも1つの群帰属
度が選択され荷重変更量制御部に出力される。荷重変
量制御部は、選択された群帰属度に応じて対応する類似
度算出部における伝達量変更部のビットシフト量を変え
ることにより荷重変更量値を制御するので、入力パター
ン信号のカテゴリ群に対する群帰属度を用いながら各細
分類部が協調して学習され、カテゴリ群の境界に位置す
るパターンが精度よく学習できる。
【0044】また、類似度算出部を構成する各階層の単
位認識ユニットの信号入力部に入力パターン信号の各種
一連の特徴デ−タを入力すると、学習モードでは、各階
層の単位認識ユニットは、量子化器の出力に応じてネッ
トワ−クのより下層に位置する単位認識ユニットとの結
合経路を切り換え、最下層までの選択経路を決定する。
これにより最下層の第3の単位認識ユニットの出力を算
出し、最下層の前層の第2の単位認識ユニットの経路入
力端子に入力された値を、伝達量変更部で変更した値に
応じて、経路入力端子と量子化器の出力値が指し示す経
路出力端子との連結強度を学習器によって増加させるだ
けで学習が行えるので、全ての層の荷重値を変更する必
要がなく、そのため高速学習が可能である さらに、評価データ記憶部に記憶されている性能の評価
データが入力されると、前記と同様にして、評価データ
の認識結果が認識結果算出部から出力され、認識結果表
示部に表示される。第1の教師信号とその認識結果が異
なるとき、評価データに対する群帰属度が最大の群番号
が群番号選択部により選択されると共に、正解入力部か
ら入力された正解により、第2の教師信号発生部で評価
データの第2の教師信号(カテゴリ番号)に変換され、評
価データ,群番号,第2の教師信号が誤認識情報記憶部
に記憶される。誤認識データ計数部は、誤認識情報記憶
部に記憶されているデータから、群番号および第2の教
師信号別に誤認識データ数をカウントし、カウントされ
た誤認識データ数の多い群番号および第2の教師信号に
対応する評価データと第2の教師信号が第1の追加学習
候補データ選択部により選択される。その評価データに
ついて前記と同様に追加学習されるので、誤認識データ
をすべて追加学習するのではなく、誤認識性能の低い群
番号の細分類部またはカテゴリを優先的に追加学習す
る。
【0045】また構成(2)の学習型認識判断装置によれ
ば、荷重変更量制御部に代えて学習強度制御部を備え、
前記構成(1)で説明した学習型認識判断装置と同様にし
て、入力パターン信号の認識結果が認識結果算出部から
出力され、第1の教師信号との比較結果が異なる場合に
は、第2の群選択部により、カテゴリ情報記憶部に記憶
されたカテゴリ情報により入力パターン信号のカテゴリ
が存在する細分類部の中で群帰属度の大きい方から少な
くとも1つの群帰属度が選択され学習強度制御部に出力
される。学習強度制御部は、選択された群帰属度に応じ
て対応する類似度算出部の学習回数を変更するもので、
入力パターン信号のカテゴリ群に対する群帰属度を用い
て荷重更新回数を調整して学習する。
【0046】また構成(3)の学習型認識判断装置によれ
ば、前記構成(1)と同様にして、追加学習候補データが
選択される認識性能の低い群番号、カテゴリ毎に追加学
習が行われ、その度毎に追加学習結果を評価する基準デ
ータを記憶した基準データ記憶部の基準データの認識も
行われる。その認識結果から追加学習結果良否判定部
が、追加学習の良否を判定する。判定結果が良と判定さ
れた追加学習候補データのみが第2の追加学習候補デー
タ選択部により選択され、最終的な追加学習候補となり
追加学習される。このように、学習型認識判断装置が認
識することを目標としているデータである基準データに
より、影響を確認しながら追加学習候補データを選択す
る。
【0047】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。一般に学習型認識判断装置に入力されるパ
ターンデータとしては、音声等の時系列パターン、文字
・画像等の空間パターン等などがあるが、本発明におい
ては、いずれのパターンデータでもよいものとする。
【0048】図1は本発明の第1の実施例における学習
型認識判断装置の構成例を示すブロック図である。ま
た、以下の各図において同一作用効果のものには同一符
号を付す。図1において、101は入力パターン信号の類
似パターンの集合からなるカテゴリ群を代表する群参照
用パターン信号が複数個記憶されている群辞書、102
は、群辞書101に記憶されている群参照用パターン信号
を用いて、入力パターン信号が各カテゴリ群に属する度
合である群帰属度を計算するファジィ大分類部、103
は、入力パターン信号がカテゴリ群内に含まれる各カテ
ゴリに類似する度合である群内類似度を計算する類似度
算出部104と、後述する第2の群選択部の出力に応じて
類似度算出部104の荷重値変更量を制御する荷重変更量
制御部105からなる細分類部、106は群帰属度から複数個
のカテゴリ群を選択する第1の群選択部、107は、後述
するカテゴリ情報記憶部に記憶されているカテゴリ情報
により、入力パターン信号のカテゴリが存在する細分類
部の中で群帰属度の大きい方から少なくとも1つの群帰
属度を選択する第2の群選択部、108は各細分類部103に
属するカテゴリ情報を記憶してあるカテゴリ情報記憶
部、109は、第1の群選択部106で選択されたカテゴリ群
の群帰属度とそれに対応する細分類部103で得られた群
内類似度を乗算器110により乗算し、重み付けする識別
信号荷重部である。
【0049】また、111は、乗算器110の乗算結果をカテ
ゴリ毎に加算し、各カテゴリに属する度合であるカテゴ
リ類似度を算出するカテゴリ類似度算出部、112は、カ
テゴリ類似度から入力パターン信号の認識結果(カテゴ
リ番号)、または認識不可であることを表すリジェクト
信号を出力する認識結果算出部、113は各細分類部103の
荷重更新時(学習時)に必要な教師信号(カテゴリ番号)を
発生する第1の教師信号発生部、114は、認識結果算出
部112での認識結果と第1の教師信号発生部113から出力
される入力パターン信号のカテゴリ番号との比較結果に
応じて、荷重変更量制御部105における荷重値変更の有
無を制御する学習制御部、115は認識結果算出部112で認
識された認識結果を表示部に出力する認識結果表示部、
116は、後述する評価データ記憶部に記憶された性能の
評価データの入力により、第1の教師信号発生部113の
教師信号と認識結果算出部112から出力の評価データの
認識結果が間違っている場合に正解の認識結果を入力す
る正解入力部、117は入力された正解の認識結果を入力
データに対応する教師信号(カテゴリ番号)に変換する第
2の教師信号発生部、118は、実行モードにより第1の
教師信号発生部113の出力と、後述する第1の追加学習
データ記憶部に記憶されている教師信号(カテゴリ番号)
とを切り換える第1の教師信号選択部である。
【0050】また、119は初期の学習用データを記憶す
る学習データ記憶部、120は初期の学習結果を評価する
ためのデータを記憶する評価データ記憶部、121は前記
評価データから選択された追加学習用データと教師信号
(カテゴリ番号)を記憶する第1の追加学習データ記憶
部、122は入力データを実行モードにより切り換える入
力データ選択部、123は評価データに対する群帰属度が
最大の群番号を選択する群番号選択部、124は、評価デ
ータに対する認識結果とその教師信号(カテゴリ番号)で
ある第2の教師信号発生部117の出力から、認識結果の
正解,不正解を判定し、誤認識の場合に評価データ,教
師信号(カテゴリ番号),群番号選択部123で選択された
群番号を誤認識情報記憶部125に記憶させるため出力す
る誤認識データ選択部、126は、誤認識情報記憶部125の
記憶する情報から、群番号別,教師信号(カテゴリ番号)
別の誤認識データ数をカウントする誤認識データ計数
部、127は、カウントされた誤認識データ数の多い群番
号と教師信号(カテゴリ番号)に対応する誤認識データと
教師信号(カテゴリ番号)を選択し、第1の追加学習デー
タ記憶部121に出力する第1の追加学習候補データ選択
部である。
【0051】図2は第1の実施例におけるファジィ大分
類部の構成例を示すブロック図である。図2において、
101は群辞書、102はファジイ大分類部、201は入力パタ
ーン信号を入力する入力部、202は群辞書101の全ての群
参照用パターン信号と入力パターン信号との距離を計算
する距離計算部、203は距離計算部202の出力の逆数を計
算する割算器、204は各々の割算器203の出力の総和を求
める加算器、205は加算器204の出力と距離計算部202の
出力を乗算する乗算器、206は乗算器205の出力の逆数を
計算する割算器である。
【0052】図3は第1の実施例における学習型認識判
断装置の類似度算出部に用いる第1の単位認識ユニット
の構成例を示すブロック図である。図3において、301
は信号入力部で、信号入力端子301aを介して入力した
認識判断の対象となる特徴データを量子化器302に入力
する。量子化器302は、入力された特徴データを量子化
し、量子化したレベルを示す値を経路荷重部303cと隣
接区間選択部304に入力する。隣接区間選択部304は、前
記入力信号(特徴データ)の量子化区間に隣接する量子化
区間を選択し経路荷重部303cに出力する。
【0053】303a0は経路入力端子、303b1〜303b5
経路出力端子で、単位認識ユニットを組み合わせてネッ
トワークを構成するときに、これらの端子を相互に連結
するものである。また、kは第1の単位認識ユニットで
ある。
【0054】経路荷重部303cは、経路入力部303aと経
路出力部303bとの間を接続する荷重303c1〜303c
5と、後述する荷重テーブル303dに記憶されている荷重
値を前記量子化結果に応じて荷重303c1〜303c5に設定
する荷重設定部303c0とで構成される。
【0055】荷重テーブル303dには、入力信号の属す
る量子化区間に対する荷重値と前記隣接量子化区間に対
する荷重値が記憶されており、経路荷重部303cでは、
荷重設定部303c0が、前記量子化結果に基づいて、前記
荷重値をそれぞれの量子化区間に対応する位置に設定す
る。荷重303c1〜303c5は、経路入力部から入力された
経路信号を重み付けし、経路出力部303bは、この重み
付けした経路信号を経路出力端子303b1〜303b5に出力
する。
【0056】図4は第1の実施例における学習型認識判
断装置の類似度算出部でネットワ−クの最下層の前層に
用いる第2の単位認識ユニットの構成例を示すブロック
図である。図3に示した第1の単位認識ユニットkと同
様に、信号入力部311と、信号入力端子311aと、量子化
器312と、1個の経路入力端子313a0を有する経路入力
部313aと、3個の経路出力端子313b1〜313b3を有す
る経路出力部313bと、経路入力部313aの経路入力端子
313a0に伝達された値を群帰属度の値によりビットシフ
トする伝達量変更部314と、経路荷重部313cとによって
構成してある。ここで、pは第2の単位認識ユニットで
ある。
【0057】荷重313c1〜313c3は、経路出力部313b
の経路出力端子313b1〜313b3に出力する経路出力信号
に加える重み付けで、荷重変更処理過程においては、学
習器313c0により、伝達量変更部314の出力値に応じて
経路入力端子313a0と量子化器312の出力値が指し示す
経路出力端子313b1〜313b3の荷重が更新される。フォ
ワード処理過程においては、量子化器312には信号が入
力されず、荷重313c1〜313c3は、伝達量変更部314か
ら出力された信号を重み付けし、経路出力部 313b
は、この重み付けした経路信号を経路出力端子313b1
313b3に出力する。
【0058】図5は第1の実施例における学習型認識判
断装置の類似度算出部でネットワ−クの最下層に用いる
第3の単位認識ユニットの構成例を示すブロック図であ
る。323aは複数の経路入力端子323a1〜323a50からの
入力信号を加算する加算器、323bは経路信号を閾値処
理する閾値処理器、313b0は経路出力端子、qは第3の
単位認識ユニットである。
【0059】図6は第1の実施例における学習型認識判
断装置の類似度算出部の構成例を示すブロック図であ
る。図6において、104は類似度算出部、330は、荷重変
更及びフォワード処理モード信号を出力することによ
り、動作モードを切り換える動作モード選択部、331
は、図1に示す第1の教師信号発生部113から出力され
る教師信号(カテゴリ番号)を、それに対応する最終層の
単位認識ユニット番号に変換する教師信号変換部であ
る。
【0060】図6に示す類似度算出部の構成例では、2
個からなる2種類の特徴データ(第1特徴データ、第2
特徴データ)に基づき、3種類のカテゴリを認識するも
ので、単位認識ユニットを複数個組み合わせて2個の木
分岐構造を有し、一つの木分岐構造中に4層の階層を有
するようにネットワークを構成してある。例えば、第1
層、第2層を構成している単位認識ユニットk11〜k1
2、k21〜k30は、図3に示した第1の単位認識ユニッ
トkを用い、第3層を構成している単位認識ユニットp
31〜p350は、図4に示した第2の単位認識ユニットp
を用い、第4層を構成している単位認識ユニットq41、
q42、q43は、図5に示した第3の単位認識ユニットq
を用いている。
【0061】各木分岐構造中の1、2層目を構成する第
1の単位認識ユニットkの信号入力端子には、判断すべ
き特徴データを入力し、3層目を構成する第2の単位認
識ユニットpの信号入力端子には、荷重変更処理過程の
み入力データの教師信号(カテゴリ番号)を入力する。
【0062】以上のように構成された学習型認識判断装
置において、動作モードは、初期学習モード,評価モー
ド,追加学習モードに分かれる。まず初めに、初期学習
モードについて説明する。入力データ選択部122は、学
習データ記憶部119のデータを選択し、学習用パターン
信号をファジイ大分類部102と細分類部103に出力する。
【0063】認識対象物のn個の特徴データからなる学
習用パターン信号のXを(数7)に示す。
【0064】
【数7】X=(x1,x2,…,xn) まず、ファジィ大分類部102に入力される。図2に示す
ファジィ大分類部102では、入力部201から学習用パター
ン信号Xを入力し、r個の距離計算部202へ学習用パタ
ーン信号Xを出力する。各々の距離計算部202は、群辞
書101に記憶されている各カテゴリ群を代表する群参照
用パターン信号Vi(1≦i≦r;rは群参照用パターン
信号の数、すなわち、カテゴリ群の数)を読み出し、(数
8)に示す学習用パターン信号Xと群参照用パターン信
号Viの距離diを計算し、各々対応する割算器203、及
び乗算器205へ出力する。
【0065】
【数8】
【0066】ただし、fはf>1を満たす実数とする。
【0067】各々の割算器203は、距離diの逆数を計算
し、その出力を加算器204へ出力する。加算器204は、全
ての割算器203の出力の総和を計算し、その出力をr個
の乗算器205へ出力する。各々の乗算器205では、対応す
る距離計算部202と加算器204の出力を乗算し、その出力
をそれぞれ対応する割算器206に入力する。各々の割算
器206では、対応する乗算器205の出力の逆数を計算す
る。最終的にファジィ大分類部102では、この各割算器2
06の出力が学習用パターン信号Xに対する各カテゴリ群
の群帰属度μi(1≦i≦r)として、第1の群選択部106
に出力される。つまり、各カテゴリ群の群帰属度μi(1
≦i≦r)は、(数9)と表すことができる。
【0068】
【数9】
【0069】なお、群辞書101に記憶されている各カテ
ゴリ群を代表する群参照用パターン信号は、予め、従来
のクラスタリング手法、例えば、電子情報通信学会編
長尾真著「パターン情報処理」(コロナ社)に示されてい
るK平均アルゴリズム、およびIsodataアルゴリズム
や、Y.Linde, A.Buzo, and R.M.Gray による“AnAlgori
thm for Vector Quantizer design,” IEEE Trans. Com
mun. , COM-28,1, pp.84-95, Jan.1980 に示されている
LBGアルゴリズムを用いて設計される。
【0070】以下、K平均アルゴリズムを用いて群辞書
101を設計する方法について簡単に説明する。
【0071】(1)認識対象物の群辞書設計用のパターン
信号の集合から、r個(ただし、rは予め定められたカ
テゴリ群の数)のパターン信号を適当に選び、これらを
r個の群参照用パターン信号Vi(1≦i≦r)とする。
【0072】(2)全ての群辞書設計用のパターン信号X
について、それぞれ(数10)に示される距離diを最小に
するViを求める。
【0073】
【数10】di=‖X−Vi‖ このとき、Xはカテゴリ群Si(1≦i≦r)に属するも
のとする。
【0074】(3)各Siに属するパターン信号Xの平均
値を求め、これをVi´する。
【0075】(4)Vi´=Viが全てのiについて成立す
れば、このときの群参照用パターン信号Viを群辞書1
に記憶する。そうでなければ、Vi´を新たな群参照用
パターン信号Viとして、(2)に戻る。
【0076】このようにして、群参照用パターン信号を
設計することによって、全てのパターン信号はいくつか
の類似したパターン信号の部分集合(カテゴリ群)に分割
することができる。なお、Isodataアルゴリズムおよび
LBGアルゴリズムもこのK平均アルゴリズムと基本的
にはほぼ同じ手法である。
【0077】第1の群選択部106では、ファジィ大分類
部102で得られた群帰属度の大きい順に複数個のカテゴ
リ群を選び(選択された群帰属度以外は“0”とする)識
別信号荷重部109へ出力する。なお、カテゴリ群の選択
方法としては、ある閾値以上の群帰属度をもつカテゴリ
群を選択するようにしてもよい。
【0078】次に、第1の群選択部106で選択されたカ
テゴリ群に対応する各々の細分類部103の類似度算出部1
04では、以下のようにして類似度を算出する。ここで
は、学習用パターン信号が、第1特徴データ(2次元)と
第2特徴データ(2次元)から構成される4次元ベクトル
データで、3種類のカテゴリに分類する場合を例に類似
度算出部の動作を説明する。
【0079】図6に示す各類似度算出部104の各木分岐
構造の第1層目の第1の単位認識ユニットk11〜k12の
経路入力端子への経路信号として、常に1を与えてお
く。まず、動作モード選択部330からフォワード処理モ
ード信号が教師信号変換部331に出力される。
【0080】学習用パターン信号が、第1特徴データと
第2特徴データに分割されそれぞれ第1層目,第2層目
の第1の単位認識ユニットkの信号入力端子301a(図3
参照)に入力される。第1層目の各第1の単位認識ユニ
ットkは、第1特徴デ−タを量子化器302で量子化し、
量子化結果を荷重設定部303c0、および隣接区間選択部
304に出力する。隣接区間選択部304は、前記入力信号
(特徴データ)の量子化区間に隣接する量子化区間を選択
し、経路荷重部303cに出力する。荷重設定部303c
0は、予め設定されている入力データに対応する荷重
値、並びに隣接区間の荷重値を荷重テーブル303dから
読み出し対応する量子化レベル位置に設定する。このよ
うに、1つの第1の単位認識ユニットkにおいて複数の
経路が選択され、第2層目の第1の単位認識ユニットk
21〜k30の経路入力端子へ、経路信号と前記荷重値を掛
けた値が送られる。
【0081】第2層目の第1の単位認識ユニットkの信
号入力端子301aには、前記第2特徴デ−タを入力する
(図6の場合には、第2特徴デ−タをそれぞれk21〜k2
5、k26〜k30に入力する)。第1層目の場合と同様にし
て複数の経路信号が選択され、第3層目の第2の単位認
識ユニットp31〜p350の経路入力端子へ、経路信号と
前記荷重の値を掛けた値が送られる。
【0082】フォワード処理モードの場合、第3層の第
2の単位認識ユニットp31〜p350の信号入力端子311a
には、教師信号(カテゴリ番号)は入力されない。従っ
て、荷重の変更は行われず、学習時の荷重の状態が保持
されており、各第2の単位認識ユニットpの経路入力信
号にこれらの荷重を乗じて、第4層目の全第3の単位認
識ユニットqの経路入力端子へ、経路信号が送られる。
【0083】第4層目の各第3の単位認識ユニットqの
加算器323a(図5参照)は、入力された経路信号を加算
する。閾値処理器323bは、この信号を閾値処理し、経
路出力端子323b0に出力する。ここで、閾値処理をする
関数としては、シグモイド関数、ステップ関数等を用い
ることができる。
【0084】このようにして、入力したパターン信号の
特徴デ−タに基づき、その時点の荷重値による最終層の
単位認識ユニットの出力が計算される。この出力値が学
習用パターン信号Xに対する各カテゴリの群内類似度ベ
クトルとして識別信号荷重部109に出力される。
【0085】識別信号荷重部109では、まず、乗算器110
が、第1の群選択部106で選択されたカテゴリ群の群帰
属度μiと、そのカテゴリ群に対応する細分類部3から
得られる群内類似度ベクトル(ν1,ν2,…,νc)を乗
算し、それらの出力をカテゴリ類似度算出部111に出力
する。つまり、乗算器110は(群参照用パターン信号の数
×各細分類部におけるカテゴリ参照用パターン信号数の
総和)個用意されており、第1の群選択部106で選択され
たある第2の単位認識ユニットpのカテゴリ群の群帰属
度μp(1≦p≦r;rはカテゴリ群の数)と、その第2
の単位認識ユニットpのカテゴリ群に対応する細分類部
103から得られたある第3の単位認識ユニットqのカテ
ゴリの群内類似度νpq(1≦q≦c;cはカテゴリ群に
属するカテゴリ数)が入力される乗算器110の出力値ξpq
は、(数11)と表される。
【0086】
【数11】ξpq=μp・νpq カテゴリ類似誤算出部111では、全ての乗算器110の出力
値を各カテゴリ毎に加算しカテゴリ類似度rs(1≦s≦
C;NCはカテゴリの数)を算出する。認識結果算出部1
12は、誤算出されたカテゴリ類似度の大きい方から2つ
のカテゴリを選択し、それらの比の値が予め設定された
閾値より大きい場合は、認識不可としてリジェクト信号
を出力し、閾値より小さい場合は、カテゴリ類似度が最
大のカテゴリ番号を認識結果として出力する。
【0087】第1の教師信号発生部113は、学習用パタ
ーン信号Xに同期して、パターン信号Xのカテゴリに対
応する教師信号(カテゴリ番号)を生成し、第1の教師信
号選択部118に出力する。第1の教師信号選択部118は、
初期学習モードの場合、第1の教師信号発生部113の出
力を選択し、学習制御部114と細分類部103の類似度算出
部104に出力する。
【0088】学習制御部114は、前記のようにして算出
された学習用パターン信号Xに対する認識結果とパター
ン信号Xのカテゴリ番号を比較し、比較結果が等しい場
合は、各細分類部103の荷重更新を行わずに次の学習用
パターン信号の学習を行い、比較結果が異なる場合に
は、各細分類部103の荷重値が更新されるように制御す
る。
【0089】荷重値が変更される場合、第2の群選択部
107は、カテゴリ情報記憶部108に記憶されたカテゴリ情
報により学習用パターン信号のカテゴリが存在する細分
類部103の中で群帰属度の大きい方から複数の群帰属度
を選び、荷重変更量制御部105に出力する。荷重変更量
制御部105は、その選択された郡帰属度に応じて対応す
る類似度算出部104の荷重値を以下のように更新する。
【0090】図6に示す動作モード選択部330から荷重
変更処理モード信号が教師信号変換部331に出力され
る。教師信号変換部331は、第1の教師信号発生部113か
ら出力される教師信号(カテゴリ番号)を選択されたカテ
ゴリ群内での最終層の第3の単位認識ユニットqの番
号、すなわちq41、q42、q43のどれが最も大きい値を
出力することが望ましいかを示す信号に変換し、第3層
目の第2の単位認識ユニットpの信号入力端子311aに
出力する。第2の単位認識ユニットp31〜p350の量子
化器312は、例えばq41が最も大きい出力をする場合に
は、量子化レベル値が第3の単位認識ユニットq41につ
ながる経路に対応する値となるように設定されている。
【0091】荷重変更量制御部105は、選択された郡帰
属度の値に応じて伝達量変更部314(図4参照)のビット
シフト量を変更する。例えば、第2の群選択部107で選
択された細分類部103の中で、郡帰属度が最大の細分類
部103のビットシフト量は0で、2番目の細分類部103の
ビットシフト量は1といった具合にビットシフト量を変
更する。
【0092】図4に示す学習器313c0は、経路入力部31
3aの経路入力端子313a0と量子化器312の出力が示す経
路出力部313bの経路出力端子(ここでは、第3の単位認
識ユニットq41につながる経路313b1)との連結強度で
ある荷重値313c1を伝達量変更部314から出力された値
だけ増加させる。
【0093】このようにして、全ての入力データについ
て、認識結果算出部112の認識結果と第1の教師信号発
生部113から出力される教師信号(カテゴリ番号)が一致
するまで、以上の学習動作を繰り返すことにより、この
学習型認識判断装置は学習用パターン信号に対する認識
が可能となる。
【0094】このように第1の実施例によれば、学習用
パターン信号に対する認識結果が誤っている場合、その
学習用パターン信号の群帰属度が大きい複数のカテゴリ
群を第2の群選択部107で選択し、それらに対応する細
分類部103が、その学習用パターン信号のそれぞれのカ
テゴリ群に属する群帰属度を用いて、荷重変更量を調整
しながら協調して学習するので、カテゴリ群の境界に位
置するパターン信号を精度良く学習でき認識率も向上す
る。
【0095】また、類似度算出部104における荷重変更
処理過程では、3層目の第2の単位認識ユニットpの荷
重値のみを学習器313c0によって、伝達量変更部314か
ら出力された値だけ増加させるだけで学習が行えるの
で、全ての層の荷重値を変更する必要がなく高速学習が
可能である。
【0096】次に、評価モードの動作について説明す
る。評価モードは学習用パターン信号と異なる評価デー
タを用いて前記初期学習の性能を評価するモードであ
る。入力データ選択部122は評価データ記憶部120を選択
し、評価用パターン信号をファジイ大分類部102と細分
類部103に出力する。初期学習モード同様に評価用パタ
ーン信号に対する認識結果が算出され、認識結果表示部
115により認識結果が表示されると共に、誤認識データ
選択部124に出力される。
【0097】認識結果表示部115に表示された認識結果
が誤っている場合、正解入力部116から正解が入力さ
れ、第2の教師信号発生部117により誤正解に対する教
師信号(カテゴリ番号)が変換され、誤認識データ選択部
124に出力される。
【0098】群番号選択部123は、評価用パターン信号
に対する群帰属度が最大の群番号を選択し、誤認識デー
タ選択部124に出力する。誤認識データ選択部124は、評
価用パターン信号の認識結果を前記教師信号(カテゴリ
番号)から判定し、誤認識の場合その評価用パターン信
号のデータを評価データ記憶部120から読み出し、その
評価用パターン信号に対応する教師信号(カテゴリ番号)
および群番号と共に誤認識情報記憶部125に出力する。
【0099】誤認識データ計数部126は、誤認識情報記
憶部125に記憶されている情報から、群番号および教師
信号(カテゴリ番号)別に誤認識データ数をカウントし、
そのカウント結果を基に第1の追加学習候補データ選択
部127が、誤認識データ数の多い群番号と教師信号(カテ
ゴリ番号)に対応する評価用パターン信号のデータと教
師信号(カテゴリ番号)を第1の追加学習データ記憶部12
1に出力する。第1の追加学習データ記憶部121に記憶さ
れたデータについて、追加学習を行う。
【0100】以上のように、第1の実施例によれば、評
価データに関する誤認識データをすべて追加学習するの
ではなく、認識性能の低い誤認識データの多い群番号の
細分類部103またはカテゴリを優先的に選択し追加学習
するので追加学習の効率が向上する。
【0101】次に、追加学習モードについて説明する。
追加学習モードは前記評価モードで選択され第1の追加
学習データ記憶部121に記憶されているデータを用いて
追加学習するモードである。
【0102】入力データ選択部122は、第1の追加学習
データ記憶部121を選択し追加学習用パターン信号をフ
ァジイ大分類部102と細分類部103に出力する。第1の教
師信号選択部118が、第1の追加学習データ記憶部121に
記憶されている追加学習用パターン信号と教師信号(カ
テゴリ番号)を選択する以外は、前記初期学習モードと
同様に追加学習用パターン信号の学習が実行される。
【0103】以上のように、第1の実施例によれば、第
2の群選択部107により選択された追加学習パターンに
関連ある細分類部103のみ、重み係数が更新されるので
追加学習が学習型認識判断装置全体に影響を与えにく
く、学習済みデータの認識性能に影響がでにくい追加学
習が可能になる。
【0104】図7は本発明の第2の実施例における学習
型認識判断装置の構成例を示すブロック図である。図7
において、101は群辞書、102はファジィ大分類部、103
は細分類部、104は類似度算出部、106は第1の群選択
部、107は第2の群選択部、108はカテゴリ情報記憶部、
109は識別信号荷重部、110は乗算器、111はカテゴリ類
似度算出部、112は認識結果算出部、113は第1の教師信
号発生部、114は学習制御部、115は認識結果表示部、11
6は正解入力部、117は第2の教師信号発生部、118は第
1の教師信号選択部、119は学習データ記憶部、120は評
価データ記憶部、121は第1の追加学習データ記憶部、1
22は入力データ選択部、123は群番号選択部、124は誤認
識データ選択部、125は誤認識情報記憶部、126は誤認識
データ計数部、127は第1の追加学習候補データ選択
部、130は第2の群選択部107により選択された群帰属度
に応じて類似度算出部104の学習回数を制御する学習強
度制御部である。前記第1の実施例で説明した図1と異
なる構成は、荷重変更量制御部105の代わりに学習強度
制御部130を設けた点である。
【0105】図8は第2の実施例における学習型認識判
断装置の学習強度制御部の構成例を示すブロック図で、
401は荷重値更新回数の基準値を設定する基準荷重値更
新回数設定部、402は、基準荷重更新回数設定部401から
出力される荷重更新回数の基準値と、前記第2の群選択
部107により選択された群帰属度のうち対応する群帰属
度を乗算する乗算器、403は乗算器402の乗算結果に基づ
いて類似度算出部104の学習器313c0による荷重更新回
数を制御する荷重更新回数制御部である。
【0106】以上のように構成された学習型認識判断装
置について、以下その動作を説明する。初期学習モード
は、第1の実施例と同様に、学習用パターン信号の認識
結果が認識結果算出部112から出力され、教師信号(カテ
ゴリ番号)との比較結果が異なる場合には、第2の群選
択部107は、カテゴリ情報記憶部108に記憶されたカテゴ
リ情報により学習用パターン信号のカテゴリが存在する
細分類部103の中で群帰属度の大きい方から複数の群帰
属度を選択し、対応する細分類部103の学習強度制御部1
30に出力する。
【0107】各学習強度制御部130は、予め基準荷重更
新回数設定部401に設定されている荷重更新回数の基準
値と郡帰属度を乗算することにより重み付けし、荷重更
新回数制御部403に出力する。荷重更新回数制御部403
は、第1の実施例と同様の荷重変更処理を乗算器402か
ら出力される更新回数だけ繰り返す。
【0108】以上のように本実施例によれば、学習用パ
ターン信号に対する認識結果が誤っている場合、そのパ
ターンの群帰属度が大きい複数のカテゴリ群を第2の群
選択部107が選択し、それらに対応する細分類部103が、
その学習用パターン信号がそれぞれのカテゴリ群に属す
る群帰属度を用いて荷重更新回数を調整しながら協調し
て学習するので、カテゴリ群の境界に位置するパターン
を精度良く学習でき認識率も向上する。
【0109】また第1の実施例と同様に、類似度算出部
104における荷重変更処理過程では、3層目の第2の単
位認識ユニットpの荷重値のみを学習器313c0よって伝
達量変更部314から出力された値だけ増加させるだけで
学習が行えるので、全ての層の荷重値を変更する必要が
なく高速学習が可能である。
【0110】さらに、評価モードにおいても、評価デー
タを認識して追加学習候補データを選択し、評価データ
に関する誤認識データのすべて追加学習するのではな
く、認識性能の低い誤認識データの多い群番号の細分類
部またはカテゴリを優先的に選択して追加学習するの
で、追加学習の効率が向上する。追加学習モードでは、
選択された追加学習データを用いて、第2の実施例の初
期学習モードと同様にして追加学習が実行される。
【0111】以上のように、第2の実施例によれば、第
2の群選択部107により選択された追加学習パターンに
関連ある細分類部103のみ、重み係数が更新されるので
追加学習が学習型認識判断装置全体に影響を与えにく
く、学習済みデータの認識性能に影響がでにくい追加学
習が可能になる。
【0112】図9は本発明の第3の実施例における学習
型認識判断装置の構成例を示すブロック図である。図9
において、101は群辞書、102はファジィ大分類部、103
は細分類部、104は類似度算出部、105は荷重変更量制御
部、106は第1の群選択部、107は第2の群選択部、108
はカテゴリ情報記憶部、109は識別信号荷重部、110は乗
算器、111はカテゴリ類似度算出部、112は認識結果算出
部、113は第1の教師信号発生部、114は学習制御部、11
5は認識結果表示部、116は正解入力部、117は第2の教
師信号発生部、119は学習データ記憶部、120は評価デー
タ記憶部、121は第1の追加学習データ記憶部、122は入
力データ選択部、123は群番号選択部、124は誤認識デー
タ選択部、125は誤認識情報記憶部、126は誤認識データ
計数部、127は第1の追加学習候補データ選択部であ
り、図1と同じである。
【0113】図1と異なる構成として、135は、第1の
追加学習候補データ選択部127で選択されたデータに関
する追加学習効果を評価するため、基準となるデータす
なわち本発明の学習型認識判断装置が認識することを目
標とする基準データと教師信号(カテゴリ番号)を記憶す
る基準データ記憶部、136は前記基準データに関する認
識結果を評価することにより追加学習の良否を判定する
追加学習結果良否判定部、137は追加学習結果良否判定
部136で良と判定された追加学習候補データを選択する
第2の追加学習候補データ選択部、138は選択された追
加学習候補データを記憶する第2の追加学習候補データ
記憶部、139は第1の教師信号発生部113の出力と第1の
追加学習候補データ選択部127により選択された教師信
号(カテゴリ番号)と第2の追加学習候補データ選択部13
7により選択された教師信号(カテゴリ番号)のうちどれ
か1つを選択する第2の教師信号選択部であり、以上を
設けた点である。
【0114】以上のように構成された学習型認識判断装
置について、以下その動作を説明する。初期学習モー
ド,評価モードは、第1の実施例と同様であるので説明
を省略し、追加学習モードについてする説明する。
【0115】入力データ選択部122は、第1の追加学習
データ記憶部121を選択し、ファジイ大分類部102と細分
類部103にデータを出力する。評価モードにおいて選択
された認識性能の低い群番号、またはカテゴリ毎に第1
の追加学習データ記憶部121に記憶されている追加学習
パターン信号を、第1の実施例と同様に学習が行われ
る。第1の追加学習データ記憶部121に記憶されている
追加学習パターン信号が学習される度に、入力データ選
択部122によって、基準データ記憶部135に記憶されてい
る基準データが選択され第1の実施例と同様にして、基
準データに対する認識結果が算出される。
【0116】第1の追加学習データ記憶部127に記憶さ
れている全てのデータに対する学習と、基準データに対
する評価が終了するまで、前記動作が繰り返される。認
識結果は、追加学習結果良否判定部136により追加学習
の良否が判定され、良と判定された追加学習データは、
第2の追加学習候補データ選択部137により選択され最
終的な追加学習候補データとして第2の追加学習データ
記憶部138に記憶される。終了した時点で第2の追加学
習データ記憶部138に記憶されている追加学習データに
より、前記第1の実施例と同様に最終的な追加学習が実
行される。
【0117】次に、追加学習結果良否判定部136におけ
る判定処理について説明する。すべての基準データに対
する認識結果が算出された時点で、例えば追加学習後の
誤認識データ数のn倍とリジェクトデータ数の総和と、
追加学習前の同様の総和とを比較することにより、追加
学習結果の良否判定を行う。
【0118】以上説明したように第3の実施例によれ
ば、第1の追加学習候補データ選択部127により選択さ
れた候補データに関する追加学習が、学習型認識判断装
置が認識することを目標としているパターンデータであ
る基準データに与える影響を確認しながら、第2の追加
学習候補データ選択部137により最終的に追加学習する
データが選択されるので、無駄な追加学習データが削除
され追加学習の効率が向上する。
【0119】また、追加学習パターン信号に関連ある細
分類部のみ荷重値が更新されるので、追加学習が学習型
認識判断装置全体に影響を与えにくく、学習済みデータ
の認識性能に影響がでにくい追加学習が可能になる。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の実
施例によれば、学習用パターン信号に対する認識結果が
誤っている場合、荷重変更量制御部が、第2の群選択部
により選択された群帰属度に応じて対応する類似度算出
部における伝達量変更部のビットシフト量を変えること
により荷重変更量を制御するので、学習用パターンのカ
テゴリ群に対する群帰属度を用いながら各細分類部が協
調して学習されるので、カテゴリ群の境界に位置するパ
ターンが精度よく学習でき認識率が向上する。
【0121】また、類似度算出部を構成する各階層の単
位認識ユニットの信号入力部に学習用パターン信号の各
種一連の特徴デ−タを入力すると、初期学習モードで
は、各階層の単位認識ユニットは、量子化器の出力に応
じてネットワ−クのより下層に位置する単位認識ユニッ
トとの結合経路を切り換え、最下層までの選択経路を決
定することにより最下層の第3の単位認識ユニットの出
力を算出し、最下層の前層の第2の単位認識ユニットの
経路入力端子に入力された値を伝達量変更部で変更した
値に応じて経路入力端子と量子化器の出力値が指し示す
経路出力端子との連結強度を学習器によって増加させる
だけで学習が行えるので、全ての層の荷重値を変更する
必要がなく、高速学習が可能である。
【0122】第1の追加学習候補データ選択部を設ける
ことにより、誤認識データをすべて追加学習するのでは
なく、認識性能の低い群番号の細分類部またはカテゴリ
を優先的に追加学習するので、追加学習の効率が向上す
るだけでなく、第2の群選択部を設けることにより、追
加学習パターンに関連ある細分類部のみ、重み係数が更
新されるので、追加学習が学習型認識判断装置全体に影
響を与えにくく、学習済みデータの認識性能に影響がで
にくい追加学習が可能になる。
【0123】本発明の第2の実施例によれば、学習強度
制御部が、第2の群選択部により選択された群帰属度に
応じて、予め設定されている荷重更新回数の基準値に群
帰属度を乗算することにより重み付けし、対応する類似
度算出部の学習回数を変更するので、入力パターンのカ
テゴリ群に対する群帰属度を用いながら各細分類部が協
調して学習されるので、カテゴリ群の境界に位置するパ
ターンが精度よく学習でき認識率が向上する。
【0124】本発明の第3の実施例によれば、追加学習
結果良否判定部、第2の追加学習候補データ選択部を設
けることにより、本装置が認識することを目標としてい
るデータである基準データに与える影響を確認しなが
ら、追加学習候補データが選択されるので、無駄な追加
学習データが削除され追加学習の効率が向上できるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における学習型認識判断
装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例における学習型認識判断
装置のファジィ大分類部の構成例を示すブロック図であ
る。
【図3】本発明の第1の実施例における学習型認識判断
装置の類似度算出部で第1の単位認識ユニットの構成例
を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施例における学習型認識判断
装置の類似度算出部で第2の単位認識ユニットの構成例
を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施例における学習型認識判断
装置の類似度算出部で第3の単位認識ユニットの構成例
を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施例における学習型認識判断
装置の類似度算出部の構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施例における学習型認識判断
装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施例における学習型認識判断
装置の学習強度制御部の構成例を示すブロック図であ
る。
【図9】本発明の第3の実施例における学習型認識判断
装置の構成例を示すブロック図である。
【図10】従来の学習型認識判断装置の構成例を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1…大分類部、 2,103…細分類部、 3…群選択
部、 4…細分類部入力信号選択部、 5…識別部、
6,8,201…入力部、 7,9…多入力−出力信号処
理部、 10…最大値選択部、 11,104…類似度算出
部、 12…カテゴリ識別部、 101…群辞書、 102…フ
ァジィ大分類部、 105…荷重変更量制御部、106…第1
の群選択部、 107…第2の群選択部、 108…カテゴリ
情報記憶部、 109…識別信号荷重部、 110,205,402
…乗算器、 111…カテゴリ類似度算出部、 112…認識
結果算出部、 113…第1の教師信号発生部、 114…学
習制御部、 115…認識結果表示部、 116…正解入力
部、 117…第2の教師信号発生部、 118…第1の教師
信号選択部、 119…学習データ記憶部、 120…評価デ
ータ記憶部、 121…第1の追加学習データ記憶部、 1
22…入力データ選択部、 123…群番号選択部、 124…
誤認識データ選択部、 125…誤認識情報記憶部、 126
…誤認識データ計数部、 127…第1の追加学習候補デ
ータ選択部、130…学習強度制御部、 135…基準データ
記憶部、 136…追加学習結果良否判定部、 137…第2
の追加学習候補データ選択部、 138…第2の追加学習
候補データ記憶部、 139…第2の教師信号選択部、 2
02…距離計算部、 203,206…割算器、 204,323a…
加算器、 301,311…信号入力部、 301a,311a…信
号入力端子、 302,312…量子化器、 303a,313a…
経路入力部、 303a0,313a0,323a1〜323a50…経
路入力端子、 303b,313b…経路出力部、 303b1
303b5,313b1〜313b3,323b0…経路出力端子、 30
3c,313c…経路荷重部、 303c0…荷重設定部、 30
3c1〜303c5,313c1〜313c3…荷重、303d…荷重テ
ーブル、 304…隣接区間選択部、 313c0…学習器、
314…伝達量変更部、 323b…閾値処理器、 330…動
作モード選択部、 331…教師信号変換部、 401…基準
荷重更新回数設定部、 403…荷重更新回数制御部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−6744(JP,A) 特開 平7−325797(JP,A) 特開 平9−91266(JP,A) 特開 平6−176158(JP,A) 特開 平7−6149(JP,A) 特開 平6−301659(JP,A) 特開 平5−303642(JP,A) 小島良宏・他,「構造化ニューラルネ ットワーク(NARA)によるマルチフ ォント漢字認識」,電子情報通信学会技 術研究報告,日本,社団法人電子情報通 信学会・発行,1991年 9月20日,Vo l.91,No.231(NC91−30〜47), pp.9−16 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06N 1/00 - 7/08 G06G 7/60 G06K 9/00 G06T 7/00 JSTファイル(JOIS) CSDB(日本国特許庁)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 類似パターンの集合からなるカテゴリ群
    を代表する群参照用パターン信号を複数個記憶する群辞
    書と、前記群参照用パターン信号を用いて入力パターン
    信号が各カテゴリ群に属する度合である群帰属度を計算
    するファジィ大分類部と、前記入力パターン信号がカテ
    ゴリ群内に含まれる各カテゴリに類似する度合である群
    内類似度を計算する類似度算出部と、該類似度算出部の
    伝達量変更部のビットシフト量を制御する荷重変更量制
    御部と、前記類似度算出部と前記荷重変更量制御部とか
    らなる複数個の細分類部と、前記群帰属度から少なくと
    も1つのカテゴリ群を選択する第1の群選択部と、前記
    細分類部で得られた群内類似度を前記選択された群帰属
    度により重み付けする識別信号荷重部と、該識別信号荷
    重部の出力から各カテゴリに属する度合であるカテゴリ
    類似度の算出を行うカテゴリ類似度算出部と、前記カテ
    ゴリ類似度から認識結果または認識不可であることを表
    すリジェクト信号を出力する認識結果算出部と、前記細
    分類部の学習に必要な第1の教師信号を発生する第1の
    教師信号発生部と、各細分類部に属するカテゴリ情報を
    記憶したカテゴリ情報記憶部と、前記カテゴリ情報によ
    り前記入力パターン信号のカテゴリが存在する前記細分
    類部の中で群帰属度の大きい方から少なくとも1つの群
    帰属度を選択し、前記荷重変更量制御部へ出力する第2
    の群選択部と、前記認識結果と前記第1の教師信号発生
    部から出力される前記入力パターン信号のカテゴリ番号
    との比較結果に応じて前記細分類部の学習を制御する学
    習制御部と、前記認識結果算出部の認識結果を表示部に
    出力する認識結果表示部と、性能評価用のデータを記憶
    した評価データ記憶部と、前記認識結果が間違っている
    場合に正解の認識結果を入力する正解入力部と、入力さ
    れた正解の認識結果を入力データに対応するカテゴリ番
    号である第2の教師信号に変換する第2の教師信号発生
    部と、前記入力データに対する群帰属度が最大の群番号
    を選択する群番号選択部と、誤認識された前記入力デー
    タとそれに対応する前記第2の教師信号と選択された前
    記群番号とを記憶する誤認識情報記憶部と、該誤認識情
    報記憶部に記憶されている前記入力データから前記群番
    号別および前記第2の教師信号別の誤認識データ数をカ
    ウントする誤認識データ計数部と、前記カウントされた
    誤認識データ数の多い前記群番号と前記第2の教師信号
    に対応する前記入力データと前記第2の教師信号を選択
    する第1の追加学習候補データ選択部と、前記第1の教
    師信号発生部の第1の教師信号出力と前記選択された第
    2の教師信号のどちらか1つを選択する第1の教師信号
    選択部とを備えた学習型認識判断装置において、 前記類似度算出部は、複数の階層からなり、その最下層
    は複数の第3の単位認識ユニットにより、最下層の前層
    は複数の第2の単位認識ユニットにより、またそれ以外
    の層は複数の第1の単位認識ユニットによりそれぞれ構
    成されており、前記第1の単位認識ユニットは、 信号入力部と、入力信号の出力に応じて量子化を行う量
    子化器と、前記入力信号の量子化結果から量子化区間に
    隣接する量子化区間を選択する隣接区間選択部と、 前記入力信号の属する量子化区間並びに、該量子化区間
    に隣接する量子化区間に対する荷重値を記憶する荷重テ
    ーブルと、単一または複数の経路入力端子を有する経路
    入力部と、単一または複数の経路出力端子を有する経路
    出力部と、量子化結果に応じて経路にかける荷重の設定
    位置を変えることで前記経路入力部の経路入力端子と前
    記経路出力部の経路出力端子との連結強度を変化させる
    経路荷重部を有し、 前記第2の単位認識ユニットは、 信号入力部と、前記入力信号の出力に応じて量子化を行
    う量子化器と、単一または複数の経路入力端子を有する
    経路入力部と、単一または複数の経路出力端子を有する
    経路出力部と、経路入力部の経路入力端子に伝達された
    値を前記群帰属度の値によりビットシフトする伝達量変
    更部と、該伝達量変更部の出力に応じて前記経路入力端
    子と前記量子化器の出力値が指し示す前記経路出力部の
    経路出力端子との連結強度を増加する学習器を有し、 前記第3の単位認識ユニットは、 複数の経路入力端子からの入力信号を加算する加算器
    と、前記加算器の出力信号を閾値処理する閾値処理部を
    有すること、を特徴とする学習型認識判断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の学習型認識判断装置の荷
    重変更量制御部に代えて、第2の群選択部の出力に応じ
    て類似度算出部の学習回数を変更する学習強度制御部を
    備えたことを特徴とする学習型認識判断装置。
  3. 【請求項3】 前記学習強度制御部は、第2の群選択部
    の出力に応じて対応する細分類部の学習回数を変更する
    ことを特徴とする請求項2記載の学習型認識判断装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の学習型認識判断
    装置が、第1の追加学習候補データ選択部で選択された
    データに関する追加学習結果を評価する基準データと教
    師信号を記憶した基準データ記憶部と、前記基準データ
    に関する認識結果を評価することにより追加学習の良否
    を判定する追加学習結果良否判定部と、 該追加学習結果良否判定部で良と判定された追加学習候
    補データのみを選択する第2の追加学習候補データ選択
    部と、第1の教師信号選択部に代えて、第1の教師信号
    発生部の出力と第1の追加学習候補データ選択部により
    選択された教師信号と前記第2の追加学習候補データ選
    択部により選択された教師信号のうちいずれか1つを選
    択する第2の教師信号選択部を備えたことを特徴とする
    学習型認識判断装置。
  5. 【請求項5】 追加学習結果良否判定部は、追加学習前
    後の誤認識データ数の増加数とリジェクトデータ数の増
    加数の総和を比較することにより追加学習の良否を判定
    することを特徴とする請求項4記載の学習型認識判断装
    置。
  6. 【請求項6】 ファジィ大分類部は、入力パターン信号
    と群参照用パターン信号との距離を計算する複数個の距
    離計算部と、前記距離計算部の出力の逆数を計算する複
    数個の第1の割算器と、該第1の割算器の各出力を加算
    する加算器と、該加算器の出力と前記距離計算部の各出
    力を乗算する複数個の乗算器と、前記乗算器の出力の逆
    数を計算する複数個の第2の割算器を備えたことを特徴
    とする請求項1,2または4記載の学習型認識判断装
    置。
  7. 【請求項7】 類似度算出部は、第1または第2の教師
    信号選択部の出力を細分類部の中で最も大きな値を出力
    することが望ましい第3の単位認識ユニットの番号に変
    換する教師信号変換部を備え、最下層の前層に位置する
    第2の単位認識ユニットの信号入力部に前記教師信号変
    換部の出力を入力するようにしたことを特徴とする請求
    項1,2または4記載の学習型認識判断装置。
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