JP3336689B2 - 高周波電力供給装置 - Google Patents

高周波電力供給装置

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JP3336689B2 JP19719593A JP19719593A JP3336689B2 JP 3336689 B2 JP3336689 B2 JP 3336689B2 JP 19719593 A JP19719593 A JP 19719593A JP 19719593 A JP19719593 A JP 19719593A JP 3336689 B2 JP3336689 B2 JP 3336689B2
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勇藏 森
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株式会社ユーハ味覚糖精密工学研究所
森 勇蔵
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波電力供給装置に
係わり、更に詳しくは加工電極に高周波電力を供給して
該電極近傍で反応ガスに基づく中性ラジカルを生成し、
該中性ラジカルとワークの加工面を構成する原子又は分
子とのラジカル反応によって生成した揮発性物質を気化
させて除去し、加工を進行させてなる無歪精密加工装置
に用いる高周波電力供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加工電極に高周波電力を供給して
該電極近傍で反応ガスに基づく中性ラジカルを生成し、
該中性ラジカルとワークの加工面を構成する原子又は分
子とのラジカル反応によって生成した揮発性物質を気化
させて除去し、加工を進行させてなる無歪精密加工装置
は、本出願人の先願に係る特願平2−251522号
(特開平4−128393号公報)にて既に提供されて
いる。この加工装置においても、高周波電源で発生した
高周波電力を半同軸型空洞共振器を介してワークと加工
電極及び反応容器からなる加工系に供給し、この半同軸
型空洞共振器に共振周波数チューナを内蔵したものを用
いていた。
【0003】しかし、前述の共振周波数チューナは、空
洞共振器内に密装したリング状の短絡板を調節具にて軸
方向に移動させてインダクタ部の電流経路を変化させる
構造のものであり、そしてその調節具は、短絡板に固定
し円板壁から外部に導出した複数の操作杆と、各操作杆
を外部で連結する連結板と、該連結板に螺合するととも
に円板壁の外部に定位置回動可能に取付けた調節螺軸と
より構成したものであるため、共振器内部に可動部を有
し且つその駆動部も複雑であった。また、空洞共振器に
は高電圧を印加するため、駆動部を電動式にする場合に
は、その絶縁性に問題があった。
【0004】また、前記公報には、半同軸型空洞共振器
のキャパシタ部を形成するギャップ内に、その容量を調
節するためにテフロンシートを挿入することも開示され
ているが、加工進行に伴う加工系の負荷インピーダンス
の変動に応じてその容量を連続的に変化させることは不
可能である。
【0005】尚、平行平板コンデンサにおいて、そのギ
ャップ内に導体板の挿入量を調節して、容量を調節する
構造のもの、所謂バリコンは周知であるが、やはり導体
板の駆動部を必要とし、本発明において採用することは
できないのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般的に高周波電力を
用いる場合、電源と負荷の間でインピーダンスマッチン
グがとれてなければ、電力は負荷に有効に与えられず電
源に反射波として戻ってしまう。種々のプラズマプロセ
スにおいてエネルギー源は高周波電源であり、エネルギ
ー消費の場はプラズマである。このプラズマプロセス中
にチャンバー内部で構造物を移動させる場合、チャンバ
ー内部の電気回路が変化し、その結果、負荷インピーダ
ンスの変動が生じると考えられる。また、プロセスによ
っては、プラズマそのもののインピーダンスが時間的に
変化し、その結果、負荷インピーダンスの変動が生じる
場合も考えられる。インピーダンスマッチングは、ある
負荷インピーダンスに対して一意的に決まるものである
から、負荷の変動はインピーダンスマッチング状態を少
なからず乱すことになる。通常は、エネルギー源の出力
インピーダンスは50Ω、消費の場の入力インピーダン
スは一般的には50Ωではない複素数であるので、この
両者間の間にインピーダンスマッチング回路を設ける必
要がある。
【0007】そこで、負荷インピーダンスが変動する
際、その負荷に対してその都度マッチングをとり直すと
いう方法をとれば、負荷変動に完璧に対応できるが、こ
の場合、複雑な制御システムが必要となる可能性があ
る。実用機としてプラズマプロセス装置を世に送り出す
場合、制御システムはなるべく単純なものが望ましい。
また、シリコン単結晶を切断する実際の無歪精密加工装
置を考えた場合、切断加工プロセス中に、負荷の容量が
16時間で5pF程度変動し、シリコン固有の容量20
pFを考慮すると実に25%も変化するのであり、その
上プラズマそのものも変化するので、この負荷変動に対
するインピーダンスマッチングの不安定さを緩和する機
構が是非とも必要となる。
【0008】そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決
しようとするところは、加工系の負荷(プラズマ)にお
ける電力消費効率を明確に見積もれ、且つその効率が十
分実用性を有するとともに、ワークの加工進行に伴う加
工系の負荷インピーダンスの変動に追従できるインピー
ダンスマッチング機構を有し、そのマッチングを何ら機
械的な可動部を設けることなく連続的に行えて、負荷で
の電力消費効率を最大にすることが可能な高周波電力供
給装置を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、高周波電源で発生した高周波電力を、導体
からなる半同軸型空洞共振器を介してワークと加工電極
とを含む加工系に供給する高周波電力供給装置であっ
て、外側円筒壁の軸方向両端を軸と直交する第一円板壁
と第二円板壁で閉塞するとともに、第一円板壁の中心か
ら第二円板壁に向けて同軸状に内側円筒壁を延設し、該
内側円筒壁の内端を閉塞する中心円板壁と前記第二円板
壁とで平行なギャップを形成して配し、前記ギャップを
キャパシタ部とするとともに、内外円筒壁と第一円板壁
と第二円板壁とで形成される電流経路をインダクタ部と
してなる半同軸型空洞共振器を用い、その軸を鉛直方向
に設定し且つ第二円板壁を下方に向けて設定し、ワーク
の加工進行に伴う加工系の負荷インピーダンスの変動に
応じて、加工系での電力消費効率を最大にすべく、当該
空洞共振器内に液体誘電体を注入し、キャパシタ部のギ
ャップにおける液体誘電体の液面を調整することによっ
て、キャパシタ部の実効誘電率を変化させて半同軸型空
洞共振器の共振条件を連続的に変化させてなる高周波電
力供給装置を構成した。
【0010】ここで、前記中心円板壁の中心に第二円板
壁に開口した円孔を貫通し且つ該第二円板壁に導通する
ことなく電力供給用のロッドを延設するとともに、該第
二円板壁から突出したロッドにリング状の絶縁板及び固
定板を密閉状態で順次嵌挿し、絶縁ボルトで第二円板壁
の外面に締着している。
【0011】更に、前記中心円板壁の上面からロッドの
内部を通り、前記第二円板壁の円孔内に連通した液路を
形成するとともに、該液路に絶縁性のパイプを接続し、
該液路を通って液体誘電体を円孔と絶縁板で形成された
液溜に注入し、該液溜から溢れ前記第二円板壁の上面に
均一に流れ出した液体誘電体の液面の高さを、パイプか
らの注入と排出とで調整する。
【0012】また、本発明は、高周波電源で発生した高
周波電力を、導体からなる半同軸型空洞共振器を介して
ワークと加工電極とを含む加工系に供給する高周波電力
供給装置であって、外側円筒壁の軸方向両端を軸と直交
する第一円板壁と第二円板壁で閉塞するとともに、第一
円板壁の中心から第二円板壁に向けて同軸状に内側円筒
壁を延設し、該内側円筒壁の内端を閉塞する中心円板壁
と前記第二円板壁とで平行なギャップを形成して配し、
前記ギャップをキャパシタ部とするとともに、内外円筒
壁と第一円板壁と第二円板壁とで形成される電流経路を
インダクタ部としてなる半同軸型空洞共振器を用い、そ
の軸を鉛直方向に設定し且つ第一円板壁を下方に向けて
設定し、ワークの加工進行に伴う加工系の負荷インピー
ダンスの変動に応じて、加工系での電力消費効率を最大
にすべく、当該空洞共振器内に液体導電体を注入し、イ
ンダクタ部における液体導電体の液面を調整することに
よって、インダクタ部の実効電流経路を変化させて半同
軸型空洞共振器の共振条件を連続的に変化させてなる高
周波電力供給装置を構成した。
【0013】ここで、前記半同軸型空洞共振器の下面と
なる第一円板壁の一部にシリンダを該共振器内と連通す
るように下設し、該シリンダ内に密閉状態で上下スライ
ド可能にピストンを内挿し、該ピストンの上方に充填し
た液体導電体を、該ピストンを上下移動させることで、
共振器内に注入する量を増加、減少させて、その液面の
高さを調整する。
【0014】そして、前記液体導電体として、液体ガリ
ウム又は水銀等の液体金属若しくはシリコンオイルに金
属粉を混ぜた導電性の液体を用いる。
【0015】
【作用】以上の如き内容からなる本発明の高周波電力供
給装置は、半同軸型空洞共振器内に外部から液体誘電体
若しくは液体導電体を注入、排出し、それらの液面の高
さを調整することによって空洞共振器のキャパシタンス
若しくはインダクタンスを調節し、ワークの加工進行に
伴う加工系の負荷インピーダンスの変動に応じて、加工
系での電力消費効率を最大にするように当該半同軸型空
洞共振器の共振条件を連続的に変化させることが可能で
ある。
【0016】ここで、前記半同軸型空洞共振器のキャパ
シタ部に液体誘電体を注入した場合、該キャパシタ部を
構成するギャップ間の誘電率が、液体誘電体の誘電率と
真空の誘電率の合成として規定され、その液面の上昇に
よってキャパシタ部の実効誘電率が増大してキャパシタ
ンスが増加し、逆に液面の下降によってキャパシタ部の
実効誘電率が減少してキャパシタンスが減少するのであ
る。
【0017】また、前記半同軸型空洞共振器のインダク
タ部に液体導電体を注入した場合、高周波電流はその液
面に沿って流れるので、該液面によって電流経路が短絡
されたことになり、その液面の上昇によってインダクタ
部の実効電流経路が短くなってインダクタンスが減少
し、逆に液面の下降によってインダクタ部の実効電流経
路が長くなってインダクタンスが増加するのである。
【0018】
【実施例】次に添付図面に示した実施例に基づき更に本
発明の詳細を説明する。図1は本発明の高周波電力供給
装置を採用したプラズマプロセス装置の一例として無歪
精密切断装置の概念図を示している。この切断装置は、
反応ガスを含む雰囲気ガスが充填されたチャンバー1内
に、シリコン単結晶等のワーク2とワイヤー電極3が配
置し、高周波電源4で発生した高周波電力を、本発明を
構成するチューニング可能な半同軸型空洞共振器5を含
むマッチングユニットを介して前記ワイヤー電極3に供
給し、該ワイヤー電極3とワーク2間に反応ガスに基づ
く中性ラジカルを発生させ、この中性ラジカルとワーク
2の原子又は分子とのラジカル反応によって生成した揮
発性物質を気化させて除去し、ワーク2を送り装置によ
ってワイヤー電極3に接近する方向に連続的に送って加
工を進行させ、もってワーク2を切断する装置である。
【0019】本発明の要旨とするところは、高周波電源
4で発生した高周波電力を、導体からなる半同軸型空洞
共振器5を介してワーク2と加工電極(ワイヤー電極
3)とを含む加工系に供給する高周波電力供給装置であ
って、ワーク2の加工進行に伴う加工系の負荷インピー
ダンスの変動に応じて、加工系での電力消費効率を最大
にすべく前記半同軸型空洞共振器5の共振条件を、該空
洞共振器内に可動部を設けることなく外部から液体誘電
体若しくは液体導電体を注入、排出するだけで連続的に
変化させてなることにある。従って、本発明を採用する
プラズマプロセス装置としては、前述したプラズマCV
M(Chemical Vaporization Machining )法を加工原理
とする無歪精密切断装置に限定されるものではなく、広
く一般的に応用できるものである。
【0020】次に、図2に基づいて更に本発明の高周波
電力供給装置の具体的構成について説明する。前記半同
軸型空洞共振器5は、容量性負荷空洞共振器と呼ばれる
ものであり、外側円筒壁6の軸方向両端を軸と直交する
第一円板壁7と第二円板壁8で閉塞するとともに、第一
円板壁7の中心から第二円板壁8に向けて同軸状に内側
円筒壁9を延設し、該内側円筒壁9の内端を閉塞する中
心円板壁10を前記第二円板壁8とで平行なギャップを
形成して配し、前記ギャップをキャパシタ部Cとすると
ともに、内外円筒壁6,9と両円板壁7,8で形成され
る電流経路をインダクタ部Lとしてなるものである。
【0021】更に、前記中心円板壁10の中心に第二円
板壁8に開口した円孔11を貫通し且つ該第二円板壁8
に導通することなく加工電極に電力を供給するロッド1
2を延設し、そして第二円板壁2から突出した前記ロッ
ド12にテフロン等のリング状の絶縁板13及び固定板
14を順次嵌挿し、絶縁ボルト15,…で第二円板壁8
の外面に締着している。ここで、前記第二円板壁8と絶
縁板13及び固定板14とロッド12との間にはOリン
グ16を介装して、第二円板壁8とロッド12間を密閉
している。また、この第二円板壁8は、前記チャンバー
1の開放端に連結されており、チャンバー1を気密状態
に維持している。
【0022】そこで、先ず前記半同軸型空洞共振器5の
キャパシタ部Cに液体誘電体Dを注入し、その液面を調
整することによってキャパシタ部Cの実効誘電率を変化
させて半同軸型空洞共振器の共振条件を変化させる方式
について説明する。
【0023】図1及び図2に示すように、半同軸型空洞
共振器5の中心軸を鉛直方向に設定し且つ第二円板壁8
を下方に向けて設定し、即ち、前記キャパシタ部Cが下
方に位置するように配置する。そして、前記中心円板壁
10の上面からロッド12の内部を通り、前記第二円板
壁8の円孔11内に連通した液路17を形成し、該液路
17には、第一円板壁7の中心に形成した開口18から
内側円筒壁9内を通した絶縁性のパイプ19が接続され
ている。図示しない液体誘電体Dの供給系からパイプ1
9及び液路17を通って当該液体誘電体Dを円孔11と
絶縁板13で形成された液溜20に注入し、該液溜20
から溢れた液体誘電体Dは前記第二円板壁8の上面に均
一に流れ出し、第二円板壁8と中心円板壁10とで形成
されるギャップ内に充填し、その液面の高さを調整する
ことで、キャパシタ部Cの実効誘電率を変化させ、もっ
てキャパシタンスを変化させるのである。この液体誘電
体Dの液面の高さを調整するには、前記パイプ19から
の注入と、排出とで行うのである。
【0024】また、前記高周波電源4から半同軸型空洞
共振器5に高周波電力を導入するには、前記第一円板壁
7の上面に固定した接続具21を利用する。この接続具
21は、前記第一円板壁7に固定した円筒状の導電性ケ
ース22内に結合コンデンサ23を絶縁状態で内装し、
導電性ケース22の上端を導電板24で閉止し、該導電
板24に取付けたコネクタ25の中心同軸線26を結合
コンデンサ23の電極板27,27の一方に接続し、他
方の電極板27から下方に延びた導入電極28を前記第
一円板壁7に絶縁状態で貫通させて空洞共振器内に突出
させ、その先端と第一円板壁7の下面とを銅箔等で形成
した接続線29で接続した構造を有する。ここで、前記
導電性ケース22内では、前記結合コンデンサ23がテ
フロン製の保持板30,30で上下から挟んで固定する
とともに、導入電極28と第一円板壁7とはテフロン製
の封止部材31で密閉している。尚、図中32で示した
ものは、上下の電極板27,27間に介装したテフロン
シートであり、また33で示したものは、第一円板壁7
に形成した通孔で、これは半同軸型空洞共振器5内の圧
力を調整して液体誘電体Dの注入、排出を容易にするた
めのものである。
【0025】次に、半同軸型空洞共振器5の共振条件を
変化させて、加工系の負荷インピーダンスの変動に追従
してマッチングをとった場合の負荷での電力消費効率に
ついて理論的な解析と計算機シュミレーションの結果に
基づいて説明する。先ず、図3に基づいて前記半同軸型
空洞共振器5の電気的特性について説明する。
【0026】図3(a) に示す如く半同軸型空洞共振器5
の中心軸から内側円筒壁9の外面までの半径をr1 、外
側円筒壁6の内面までの半径をr2 とし、第一円板壁7
と第二円板壁8の間隔をb1 とし、キャパシタ部Cのギ
ャップ間隔をbとし、本実施例では2r2 =360m
m、2r1 =200mm、b1 =85.5mm、b=
3.5mmに設定した。共振器内側は、表皮抵抗による
損失を小さくするために銅板、銅箔を用いて形成した。
図3(b) は半同軸型空洞共振器5の等価回路を示してい
る。
【0027】前記高周波電源4から高周波電力が供給さ
れると、前記ギャップbに電界Eが集中するため容量と
して働き、この容量C0 とそれを取巻く導体壁によるイ
ンダクタンスL0 とで決まる周波数で共振する。高周波
の伝搬方向を半径方向にとったラジアル伝送線路を対象
とすると、ラジアル伝送線路は、伝搬するに従ってその
形状が変わってくるため、同軸線路等の一般の伝送線路
とは異なった性質を持ち、特性インピーダンスZ0 は半
径rの関数として次のように表される。
【0028】
【数1】
【0029】但し、hはラジアル伝送線路の高さであ
る。ここで、半径rにおけるアドミッタンスY(r) を、
伝送線路の特性アドミッタンスY0(r)(=1/Z0(r))
で除した規格化アドミッタンス〈Y(r) 〉を定義する。
【0030】
【数2】
【0031】ここで、V(r) 、I(r) は、r=rにおけ
る電圧、電流の値である。ラジアル伝送線路におけるイ
ンピーダンス変換は次のように表せる。
【0032】
【数3】
【0033】但し、
【数4】
【0034】である。ここで、Jm (x) 、Nm (x) (m
=0,1)は、それぞれm次のベッセル関数、ノイマン
関数である。また、j2 =−1(jは虚数単位)であ
る。そこで、r=r0 で短絡終端しているラジアル伝送
線路をr=rで見たときの規格化アドミッタンス〈Y
(r) 〉を求めると、Y(r0)=∞より、
【0035】
【数5】
【0036】となる。また、r=rから中心方向(r0
=0)を見たときの規格化アドミッタンスは、
【0037】
【数6】
【0038】となる。次に、この半同軸型空洞共振器5
の共振周波数を求める。等価回路より、この共振器は異
なる特性アドミッタンスY0(r)と、Y0'(r) を持つ開回
路と閉回路が結合した形となっている。また、結合部の
結合アドミッタンスjB1 は次のように表される。
【0039】
【数7】
【0040】ここで、r=r1 から見た開回路、閉回路
のそれぞれのサセプタンス成分と結合アドミッタンスの
和が零になれば、この回路は共振することから、Y0'(r
1)に対するアドミッタンスの和としてこれを表すと、
【0041】
【数8】
【0042】となる。x=kr1 ≪1の条件で近似を行
うと、
【0043】
【数9】
【0044】となり、更にギャップb(r=0〜r1
に比誘電率εr の誘電体を挿入した場合、特性インピー
ダンスZ0(r)は√εr 倍になる。また、ギャップb内の
容量をC0 とすると、前式(数8)の第2項は、
【0045】
【数10】
【0046】となるので、ギャップb内に誘電体を挿入
するとεr 倍になることがわかる。以上から、ギャップ
bに誘電体が挿入された共振器の共振周波数は次式で求
められる。
【0047】
【数11】
【0048】共振周波数は、液体誘電体Dの液面を変位
させて実効誘電率を変化させることによって変えること
ができる。しかし、加工系と一体となった全体の系を考
えると、共振条件を決定する容量Cは、共振器側の容量
0 と加工系の容量C1 の合成容量となる。ここで、容
量C1 は加工の進行とともに変動する可能性があるた
め、共振器側の容量C0 が大きいほど合成容量Cの変化
が少なく、共振周波数が安定することになる。しかし、
逆に容量C0 が小さいほど投入電力に対して得られる電
圧は大きくなる。ここで、容量C1 の変化は数pFと見
積もられるから、容量C0 を100pFと設定し、前述
の寸法が定められた。
【0049】そこで、半同軸型空洞共振器5と加工系を
含めた全体の系について説明する。一般に高周波電源4
の出力インピーダンスは50+0jΩであり、そこから
特性インピーダンス50Ωの伝送線路(同軸ケーブル)
で、前記半同軸型空洞共振器5からなるマッチング回路
に接続される。マッチング回路接続面から電源側を見た
インピーダンスは50+0jΩであるから、マッチング
回路接続面から負荷側を見たインピーダンスが50+0
jΩとなるようにマッチング回路を調整することで、イ
ンピーダンスマッチングは達成される。ここで、実部を
50Ωに調整することは、電流電圧比を50Ωに変圧す
ること、(言い換えれば、電源の電流電圧比50Ωを負
荷インピーダンスにまで昇圧すること)、虚部を0Ωに
調整することは、位相のずれを無くすこと、に対応して
いる。
【0050】図4は、共振器を用いた基本的なマッチン
グシステムの等価回路を示している。ここで、C0 は共
振器のキャパシタンス、L0 は共振器のインダクタン
ス、R 0 は共振器の内部抵抗、ZL はチャンバー、ワー
ク、加工電極を含めた加工系の負荷インピーダンスを表
している。また、C3 は結合コンデンサ23のキャパシ
タンスである。この回路では、共振条件をとることで負
荷インピーダンスZL の虚数成分を零に調整し、電源電
力の供給点を選ぶ(kを選ぶ)ことで昇圧比を決定でき
る。
【0051】図4に示した等価回路を用い、いくつかの
負荷抵抗に対してインピーダンスマッチングを行った際
の負荷での電力消費効率を計算した結果を次の表1に示
す。計算は、投入電源周波数を150MHz、C0 =1
00pF、負荷は実抵抗として行った。これより、内部
抵抗R0 が大きくなるほど負荷での電力消費効率が下が
ってくること、また負荷抵抗が大きくなるほど負荷での
電力消費効率が下がってくることが分かる。
【0052】
【表1】
【0053】前者は自明であるが、後者については少し
説明を加える。負荷に対してインピーダンスマッチング
をとるということは、負荷に見合う電圧に昇圧(あるい
は減圧)することである。そのため、負荷抵抗が大きく
なるほど、大きな昇圧を行わなければならない。また、
0 両端の電位を上げるためには、その電位に見合う電
荷が回路内を動きまわる必要がある。従って、大きな昇
圧を行うためには共振回路内を流れる電流量が増加し、
内部抵抗での消費が増加、結果として負荷での電力消費
効率が減少することとなる。
【0054】表1では、C0 =100pFとして計算を
行ったが、C0 を小さくすれば負荷での電力消費効率は
増加し、C0 を大きくすれば効率は減少する傾向が見ら
れる。これも先程の説明と同様で、C0 両端の電位を上
げるための電荷量は容量が小さいほどすくなくて済み、
回路内を流れる電流が少なくて済むためである。
【0055】ここで注意すべきことは、負荷による電力
消費効率が小さくても、インピーダンスマッチングはと
れているのであるから、反射電力は零になっていること
である。一般に高周波における実質投入電力は、入射電
力マイナス反射電力で定義されているが、たとえ反射電
力が零で、有効に電力が使われているように見えても、
実はマッチング回路の内部抵抗で大半の電力が使われて
いる、ということもある。このことから、高周波電力供
給系の設計において、十分な電力消費効率が得られるよ
うな小さい内部抵抗を持った共振回路が必要であると言
える。
【0056】高周波電流は導体の表面のみに流れるた
め、共振回路の内部抵抗を小さくするためには、電流の
流れる表面の表面積を大きくすることが効果的である。
そのために、本発明では半同軸型空洞共振器を用いてい
るのであって、その結果、周波数150MHz、共振器
容量100pFの共振器を内部抵抗数mΩで製作できる
ことが計算でき、表1より、10kΩ程度の負荷インピ
ーダンスに対して、十分実用的なインピーダンスマッチ
ング回路が作製できることが分かる。
【0057】そこで、図4に示す如く、負荷インピーダ
ンスZL として、実抵抗R1 に並列に容量C1 (チャン
バー内部の浮遊容量等)が入った場合と、実抵抗R1
直列に容量C1 が入った場合の二種類の場合を考える。
【0058】先ず、実抵抗R1 に並列に容量C1 が入っ
た場合は、容量C1 は共振器容量C 0 に並列に入るわけ
であるから、C1 の変化に対しては、例えばC1 の増加
分だけ共振器容量C0 あるいは共振器インダクタンスL
0 を減少させればよく、共振条件を調整することのみで
完全に加工系の負荷インピーダンスの変化を吸収でき
る。従って、負荷に並列に入る容量の変化に対しては、
反射電力が最小となるように共振条件を調整することで
完全に追従できる。
【0059】次に、実抵抗R1 に直列に容量C1 が入っ
た場合は、負荷インピーダンスが変動した場合、反射電
力及び電力消費効率がどのように変化するか計算を行っ
た。図5は負荷インピーダンスの虚部成分(C1 )が変
動したときの反射率と負荷での電力消費効率を、図6は
負荷インピーダンスの実部成分(R1 )が変動したとき
の反射率と電力消費効率を、それぞれ計算したものであ
る。計算は周波数150MHz、C0 =100pF、R
0 =3mΩ、C1 =20pF(図5では変動)、R1
2Ω(図6では変動)で行った。これらの図を見ると、
1 の変動に関しては、インピーダンスマッチング時の
50〜200%の変動があっても、電力消費効率として
は80%以上を保っているが、C1 の変動に関しては、
インピーダンスマッチング時の75〜150%の変動が
あるだけで、電力消費効率が約5%にまで低下している
ことが分かる。尚、電力消費効率と反射率にいていのグ
ラフの対称性から、電力消費効率の低下は主に反射電力
の増加によるものと言える。
【0060】図5及び図6を見れば、負荷変動に対する
インピーダンスマッチングのずれには主に虚部すなわち
位相項が利いていると考えられる。そこで、負荷変動後
に、反射が最小になるように共振条件(C0 )を調整し
たとして、反射率及び電力消費効率がどのように改善さ
れるかを計算したのが図7である。このグラフより、C
0 を調整することでC1 の変動による電力消費効率の低
下はかなり抑えられ、75〜150%の負荷変動に対し
て85%以上の電力消費効率が保てることが分かった。
【0061】図5及び図6の計算条件の他にも、C1
2pF、R1 =20Ω、200Ω等の条件で何通りか計
算を行ってみたが、何れの場合も、負荷変動に対して敏
感に反射率が増加する場合に対しては、共振条件
(C0 )の調整によって、この不安定さを緩和できるこ
とが分かった。即ち、負荷抵抗に直列に入る容量の変化
も、共振条件の調整によって、その影響を緩和できるこ
とが分かった。
【0062】上記のことを確かめるため、簡単な実験を
行った。その実験装置の概略を図8に示す。図8のよう
に実抵抗R1 (2Ω)と平行平板コンデンサC1 (20
pF)とを直列に接続し、それらを共振器容量C0 と並
列に取付け、インピーダンスマッチングをとった後、平
行平板コンデンサC1 の容量を変化させたときに、どれ
だけの反射電力が生じるかを測定した。また、その時共
振条件を調整することでどこまで反射電力を減らすこと
ができるかを測定した。その実験結果を図9に示す。こ
の実験結果より、共振条件の調整のみによって負荷変動
に対する電力供給システムの不安定さは緩和できるとい
う、計算結果は妥当なものであると言える。
【0063】前述の半同軸型空洞共振器5の場合、キャ
パシタ部Cは平行平板コンデンサで作られているため、
この容量を変化させるためには、極板面積、極板間距
離、あるいは極板間の誘電率の何れかを変化させれば良
いが、極板面積、極板間距離を変化させることは、空洞
共振器の構造そのものを変化させることとなり、複雑な
機構が必要となると容易に予想される。そこで、本発明
は、極板間に誘電損失の少ない液体誘電体Dを定量的に
出し入れして容量を変化させようとするのである。先
ず、一般に高周波特性が良いとされているいくつかの液
体誘電体に対して誘電損失の測定を行った。その結果を
次の表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】表2より、FC−72、TSF−451と
いった液体誘電体は、テフロンと同程度の誘電損失であ
ることが分かる。上記の誘電体の誘電損失による電力損
失を計算したところ、内部抵抗に換算して数mΩに相当
することが分かり、誘電損失は実用上の許容範囲内であ
ると言える。
【0066】次に、実際に半同軸型空洞共振器5のキャ
パシタ部Cに液体誘電体Dを注入することによってその
キャパシタンスC0 がどのように変化するかを実験で確
かめ、図10にその結果を示している。図中の実線は計
算値であり、良く一致していると言える。以上の予備実
験により、150MHz帯という高周波領域においても
誘電損失の小さい液体誘電体が存在し、その液体を半同
軸型空洞共振器のキャパシタ部に注入、排出することに
よって、その誘電率に見合う容量変化が起こることが確
かめられ、実際の高周波電力供給システムに適用可能で
あることが実証された。
【0067】一方、半同軸型空洞共振器5の共振条件を
変化させるには、インダクタ部Lに液体導電体Mを注
入、排出することによってその液面を調整することによ
っても可能である。プラズマプロセスによっては、共振
器のキャパシタ部Cの極板間にプラズマを発生させる可
能性があるが、この場合、共振器容量を変化させること
は難しい。このような場合、共振条件を変化させるに
は、共振器のインダクタ部LのインダクタンスL0 を変
化させれば良い。これを実現する手段として、半同軸型
空洞共振器5の内面の電流経路の一部に液体金属等の液
体導電体Mを用い、その液面を上下させることによっ
て、構造物を動かすことなく、電流の経路を変化させる
ことができ、インダクタンスを変化させることができ
る。
【0068】このインダクタンスを変化させることがで
きる半同軸型空洞共振器5を用いた高周波電力供給装置
の概念を図11に示す。即ち、前記半同軸型空洞共振器
5の中心軸を鉛直方向に設定し且つ第一円板壁7を下方
に向けて設定し、当該空洞共振器内に液体導電体Mを注
入し、インダクタ部Lにおける液体導電体Mの液面を調
整し、その電流経路を変化させるのである。半同軸型空
洞共振器5に液体導電体Mを注入するには、図示したよ
うに共振器の下面となる第一円板壁7の一部にシリンダ
34を共振器内と連通するように下設し、該シリンダ3
4内に密閉状態で上下スライド可能にピストン35を内
挿し、該ピストン35の上方に充填した液体導電体M
を、該ピストン35を上下移動させることで、共振器内
に注入する量を増加、減少させて、その液面の高さを変
化させるのである。
【0069】前記液体導電体Mとして、本実施例では液
体ガリウムを用いている。ガリウムは、融点が30.1
5℃であるので、常温若しくは若干加熱するだけで液体
となり、本発明において使用可能である。このガリウム
の主な物性値を次の表3に示す。
【0070】
【表3】
【0071】前記液体導電体Mとしては、液体ガリウム
以外に水銀等の液体金属若しくはシリコンオイルに金属
粉を混ぜた導電性の液体を用いることも可能である。
【0072】
【発明の効果】以上にしてなる本発明の高周波電力供給
装置によれば、高周波電源で発生した高周波電力を、導
体からなる半同軸型空洞共振器を介してワークと加工電
極とを含む加工系に供給する高周波電力供給装置であっ
て、ワークの加工進行に伴う加工系の負荷インピーダン
スの変動に応じて、加工系での電力消費効率を最大にす
べく前記半同軸型空洞共振器の共振条件を、該空洞共振
器内に可動部を設けることなく外部から液体誘電体若し
くは液体導電体を注入、排出するだけで連続的に変化さ
せてなるので、半同軸型空洞共振器内に外部から液体誘
電体若しくは液体導電体を注入、排出するといった簡単
な操作によって、それらの液面の高さを調整することに
よって空洞共振器のキャパシタンス若しくはインダクタ
ンスを調節し、ワークの加工進行に伴う加工系の負荷イ
ンピーダンスの変動に追従して、当該半同軸型空洞共振
器の共振条件を連続的に変化させて、反射電力を最小に
し、加工系での電力消費効率を最大にすることが可能で
ある。
【0073】即ち、半同軸型空洞共振器を用いたインピ
ーダンスマッチング回路を構成することで、エネルギー
の内部消費が少ない高周波電力供給装置を作製すること
ができる。また、プロセス中の負荷変動に対して、反射
電力が極小となるように共振条件を制御することによ
り、インピーダンスマッチングの不安定さを緩和するこ
とができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波電力供給装置を用いて構成した
無歪精密切断装置の概念図である。
【図2】本発明の要部の拡大断面図である。
【図3】半同軸型空洞共振器の(a) 簡略図とその(b) 等
価回路図である。
【図4】加工系を含むシステム全体の等価回路図であ
る。
【図5】負荷インピーダンスZL として実抵抗R1 に直
列に容量C1 が入った場合において、容量C1 を変化さ
せた時の反射率と電力消費効率の変化を示すグラフであ
る。
【図6】同じく実抵抗R1 を変化させた時の反射率と電
力消費効率の変化を示すグラフである。
【図7】同じく負荷容量C1 を変化させた際に反射電力
が最小となるように共振器容量C0 を調整した時の反射
率と電力消費効率の変化を示すグラフである。
【図8】負荷容量C1 を変化させた場合の反射率におけ
るC0 の調整効果を確かめる実験の概念図である。
【図9】同じく負荷容量C1 の変化に対する反射率の変
化の実験結果を示すグラフである。
【図10】半同軸型空洞共振器のキャパシタ部に注入する
液体誘電体の注入量と共振器容量C0 との関係を示すグ
ラフである。
【図11】半同軸型空洞共振器のインダクタ部に液体導電
体を注入してそのインダクタンスを調整する構造を示す
概念図である。
【符号の説明】
1 チャンバー 2 ワーク 3 ワイヤー電極 4 高周波電源 5 半同軸型空洞共振器 6 外側円筒壁 7 第一円板壁 8 第二円板壁 9 内側円筒壁 10 中心円板壁 11 円孔 12 ロッド 13 絶縁板 14 固定板 15 絶縁ボルト 16 Oリング 17 液路 18 開口 19 パイプ 20 液溜 21 接続具 22 導電性ケース 23 結合コンデンサ 24 導電板 25 コネクタ 26 中心同軸線 27 電極板 28 導入電極 29 接続線 30 保持板 31 封止部材 32 テフロンシート 33 通孔 34 シリンダ 35 ピストン C キャパシタ部 L インダクタ部 C0 共振器のキャパシタンス L0 共振器のインダクタンス R0 共振器の内部抵抗 ZL 負荷インピーダンス C1 負荷のキャパシタンス R1 負荷の抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05H 1/46 B23K 10/00 503 C23F 4/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波電源で発生した高周波電力を、導
    体からなる半同軸型空洞共振器を介してワークと加工電
    極とを含む加工系に供給する高周波電力供給装置であっ
    て、外側円筒壁の軸方向両端を軸と直交する第一円板壁
    と第二円板壁で閉塞するとともに、第一円板壁の中心か
    ら第二円板壁に向けて同軸状に内側円筒壁を延設し、該
    内側円筒壁の内端を閉塞する中心円板壁と前記第二円板
    壁とで平行なギャップを形成して配し、前記ギャップを
    キャパシタ部とするとともに、内外円筒壁と第一円板壁
    と第二円板壁とで形成される電流経路をインダクタ部と
    してなる半同軸型空洞共振器を用い、その軸を鉛直方向
    に設定し且つ第二円板壁を下方に向けて設定し、ワーク
    の加工進行に伴う加工系の負荷インピーダンスの変動に
    応じて、加工系での電力消費効率を最大にすべく、当該
    空洞共振器内に液体誘電体を注入し、キャパシタ部のギ
    ャップにおける液体誘電体の液面を調整することによっ
    て、キャパシタ部の実効誘電率を変化させて半同軸型空
    洞共振器の共振条件を連続的に変化させてなることを特
    徴とする高周波電力供給装置。
  2. 【請求項2】 前記中心円板壁の中心に第二円板壁に開
    口した円孔を貫通し且つ該第二円板壁に導通することな
    く電力供給用のロッドを延設するとともに、該第二円板
    壁から突出したロッドにリング状の絶縁板及び固定板を
    密閉状態で順次嵌挿し、絶縁ボルトで第二円板壁の外面
    に締着してなる請求項1記載の高周波電力供給装置。
  3. 【請求項3】 前記中心円板壁の上面からロッドの内部
    を通り、前記第二円板壁の円孔内に連通した液路を形成
    するとともに、該液路に絶縁性のパイプを接続し、該液
    路を通って液体誘電体を円孔と絶縁板で形成された液溜
    に注入し、該液溜から溢れ前記第二円板壁の上面に均一
    に流れ出した液体誘電体の液面の高さを、パイプからの
    注入と排出とで調整してなる請求項2記載の高周波電力
    供給装置。
  4. 【請求項4】 高周波電源で発生した高周波電力を、導
    体からなる半同軸型空洞共振器を介してワークと加工電
    極とを含む加工系に供給する高周波電力供給装置であっ
    て、外側円筒壁の軸方向両端を軸と直交する第一円板壁
    と第二円板壁で閉塞するとともに、第一円板壁の中心か
    ら第二円板壁に向けて同軸状に内側円 筒壁を延設し、該
    内側円筒壁の内端を閉塞する中心円板壁と前記第二円板
    壁とで平行なギャップを形成して配し、前記ギャップを
    キャパシタ部とするとともに、内外円筒壁と第一円板壁
    と第二円板壁とで形成される電流経路をインダクタ部と
    してなる半同軸型空洞共振器を用い、その軸を鉛直方向
    に設定し且つ第一円板壁を下方に向けて設定し、ワーク
    の加工進行に伴う加工系の負荷インピーダンスの変動に
    応じて、加工系での電力消費効率を最大にすべく、当該
    空洞共振器内に液体導電体を注入し、インダクタ部にお
    ける液体導電体の液面を調整することによって、インダ
    クタ部の実効電流経路を変化させて半同軸型空洞共振器
    の共振条件を連続的に変化させてなることを特徴とする
    高周波電力供給装置。
  5. 【請求項5】 前記半同軸型空洞共振器の下面となる第
    一円板壁の一部にシリンダを該共振器内と連通するよう
    に下設し、該シリンダ内に密閉状態で上下スライド可能
    にピストンを内挿し、該ピストンの上方に充填した液体
    導電体を、該ピストンを上下移動させることで、共振器
    内に注入する量を増加、減少させて、その液面の高さを
    調整してなる請求項4記載の高周波電力供給装置。
  6. 【請求項6】 前記液体導電体として、液体ガリウム又
    は水銀等の液体金属若しくはシリコンオイルに金属粉を
    混ぜた導電性の液体を用いてなる請求項4又は5記載の
    高周波電力供給装置。
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