JP3336061B2 - 高純度白色石膏の製造方法 - Google Patents

高純度白色石膏の製造方法

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JP3336061B2 JP04253893A JP4253893A JP3336061B2 JP 3336061 B2 JP3336061 B2 JP 3336061B2 JP 04253893 A JP04253893 A JP 04253893A JP 4253893 A JP4253893 A JP 4253893A JP 3336061 B2 JP3336061 B2 JP 3336061B2
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    • C01F11/46Sulfates
    • C01F11/468Purification of calcium sulfates

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿式石灰石−石膏法排
煙脱硫プロセスにより得られる石膏の付加価値を高める
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】現在工業的に広く採用されている排煙脱
硫プロセスは湿式石灰石−石膏法である。この方法は、
排煙中の亜硫酸ガスを吸収液中に吸収し、生成する酸を
液中で炭酸カルシウム(石灰石)や水酸化カルシウム
(消石灰)を用いて中和し、かつ亜硫酸イオンを空気酸
化することにより、硫酸カルシウム(石膏)の結晶(一
部未酸化の亜硫酸カルシウムを含むが、以下これらを包
括的に石膏と称す。)を析出させ、これを晶析操作で成
長させて大粒径の石膏粒子からなるいわゆる排脱石膏を
得るものである。得られた石膏は各種用途に有効利用さ
れる。具体的には、吸収液を塔内でスプレーするガス連
続/液分散型のガス吸収塔で亜硫酸ガスを吸収し、次い
で酸化、中和および晶析を行うことが従来より実施され
てきたが、最近では吸収、酸化、中和および晶析を同一
容器内で行う液連続/ガス分散型のコンパクトな方法が
実績を増やしつつ注目を集めている(たとえば特公昭5
5−37295号参照)。
【0003】湿式石灰石−石膏法排煙脱硫プロセスにお
いては、排煙中に存在するダストが石膏を生成し晶析す
る石膏晶析域に混入し、これにより石膏母体の品質を低
下させるばかりでなく、石膏晶析域で石膏表面にダスト
が付着したり、石膏スラリーから石膏を脱水回収する過
程で石膏表面にダストが比較的強固に付着するため、こ
れが得られる石膏の品質を低下させる原因となり、得ら
れた石膏の用途が限られてしまうという問題がある。従
来は、良質の石膏が望まれる場合には、脱硫装置の前段
に集塵装置や除塵塔を設置して石膏晶析域に混入するダ
ストの量を低減するという手段が採られてきた。しかし
ながら、より白色度の高い石膏が望まれる場合も多く、
そのような場合には上記手段を採ったとしても十分では
ない。
【0004】このためダストを除去して石膏の純度を向
上させる手段として、浮遊法、pH変化による溶解物の
不溶化を利用した方法、磁場を利用した方法などが提案
されている(特開昭53−104572号、特開昭53
−112296号、特開昭54−9194、特開平3−
238023号、特開平4−59024号などの各公報
を参照)。しかしながら、これらはいずれもダストと石
膏の分離が不十分であるばかりでなく、石膏に付着した
ダストは実質的に分離が不可能であることから、未だ十
分な品質の石膏を得ることができず、その白色度も十分
ではないという欠点を有している。
【0005】また、石膏晶析域に石膏とダストとを分離
するための工夫を施すことも提案されている(特公平3
−59730号公報参照)。しかしながら、この方法は
単に沈降分離による分離効果を期待しているものである
ために沈降分離域を非常に大きくする必要があるばかり
でなく、ダストの剥離作用が不十分であるためにすでに
ダストが付着した石膏粒子からのダストの分離にはほと
んど効果がなく、そのため十分な品質の石膏を得ること
はできず、また白色度も十分ではない。
【0006】一方、石膏と不純物の分離に界面活性剤を
用いる技術が知られている(特公昭51ー9714号公
報あるいは特開昭53ー50092号公報参照)。しか
しながら、前者は湿式燐酸製造の際に副生する燐酸副生
石膏を対象とするものであって不純物は有機質であり、
この場合は通常使用される攪拌機で十分不純物の遊離が
可能であることから、本発明が対象とする湿式石灰石−
石膏法排煙脱硫プロセスから得られる石膏の場合のよう
に、表面にダストが比較的強固に付着していて単に界面
活性剤を使用するだけではダストを有効に除去すること
ができない現状に対しては何等の解決手段を示唆するも
のでもない。また、後者は排煙脱硫プロセスにおいて得
られる石膏を対象としてはいるが、その明細書に記載さ
れるように石膏に付着したダストは除去し難いとの認識
に基づくものであるため、石膏に付着したダストを遊離
することについてはほとんど考慮していない。さらに、
引き抜いた石膏スラリーに直接界面活性剤を添加するこ
とから、多量の界面活性剤を必要とし、またダストを分
離した後に石膏スラリーを濃縮する際に界面活性剤を含
有する多量の分離液が発生し、その処理を別途考えなく
てはならないという致命的欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、湿式石灰石
−石膏法排煙脱硫プロセスから得られるいわゆる排脱石
膏が、排煙中のダストが強固に付着しているためにその
品質および白色度が十分でなく、またそれを解決するた
めの効果的な方法が未だ見いだされていないことに鑑
み、当該石膏粒子からダストを効果的に分離除去して品
質および白色度の向上した排脱石膏を得ることを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、湿式石灰石−
石膏法排煙脱硫プロセスの吸収液から白色度の高い石膏
を製造する方法において、(1)湿式石灰石−石膏法排
煙脱硫プロセスの石膏晶析域から石膏粒子とダストと吸
収液を含むスラリーを抜き出し、(2)抜き出したスラ
リーに固液分離操作を行ってその含水率を20%以下に
調整し、(3)含水率を調整したスラリーに界面活性剤
を含有する水性液体を加えてその固形分濃度を1〜30
%に調整し、(4)固形分濃度を調整したスラリーに高
剪断力を作用させ、(5)高剪断力を作用させたスラリ
ーに分級操作を行って大粒径石膏粒子を主成分とする画
分をダストを含む残りの画分から分離することからなる
ことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】一般に、湿式石灰石−石膏法排煙脱硫プロセス
では、吸収塔底部の石膏晶析域から石膏粒子を含む吸収
液が抜き出され、石膏粒子が分離除去された後、吸収液
はプロセスに戻される。あるいは、石膏粒子を含む吸収
液は、石膏晶析域内もしくは別に設けられた特に大粒径
の石膏粒子を選択的に含む領域から抜き出されることも
ある。本発明における「石膏晶析域」という用語は、石
膏粒子を含む吸収液が通常抜き出される上記領域のいず
れをも意味するものである。
【0010】石膏晶析域から抜き出された吸収液は析出
した石膏粒子とともに排煙中から取り込まれたダストを
含む。このダストは、石油炊きの場合には主にカーボン
ダストであり、また石炭炊きの場合は主にフライアッシ
ュである。吸収液中に含まれるダストの量は、排煙から
取り込まれるダストの量と吸収液循環路から除去される
ダストの量との物質収支が成立する値に落ちつく。した
がって、排煙脱硫装置の吸収塔の前段に電気集塵機や冷
却除塵塔などのダスト除去手段を設けてダストを予め除
去すれば吸収液中のダストの量が下がり、本発明の方法
で得られる石膏の白色度はさらに向上することが期待さ
れる。ただし、ダストの予備的除去を行わなくとも、本
発明の方法によれば従来得られていた排脱石膏に比べて
白色度の高いものが得られる。
【0011】通常、湿式石灰石−石膏法排煙脱硫装置か
ら得られる製品石膏はその粒径が平均50μm以上にな
るように晶析されるが、吸収液中には粒径50μm以下
の石膏も含まれる。一方、排煙中から吸収液に捕捉され
るダストは単独では一般に5μm以下の粒径を有するが
凝集して50μm以上になることもある。本発明におい
て分離除去の対象となるのは、これらの小粒径石膏粒子
および50μm以上のものを含むすべてのダストであ
る。
【0012】本発明の方法においては、石膏晶析域から
石膏およびダストを含有する吸収液を抜き出し、まず固
液分離操作を行って含水率を20%以下に調整する。こ
こでの含水率が20%を越えると次の工程で界面活性剤
含有液が大きく希釈されるため、界面活性剤含有液を循
環再利用する場合の界面活性剤の補給量が多くなり、ま
た界面活性剤含有液の十分な循環再利用が困難となるた
め処理工程から排出される排水の量も増大する。固液分
離装置としては、例えばフィルタープレス、遠心分離
機、真空濾過機、ベルトプレスなど、一般に脱水機とし
て分類される機器が好適に使用される。通常、デカンタ
ー式遠心分離機では15%以下、バスケット型遠心分離
機では5%以下の含水率に調整することができる。なお
分離された吸収液は排煙脱硫装置に返送することができ
る。
【0013】含水率を調整した後のスラリーには、界面
活性剤を含有する水性液体を添加する。水性液体として
は、通常の市水、工水のほか、それらを用いた石膏飽和
水を使用することができるが、後記の分級操作後の固液
分離操作で分離された分離液を循環使用することが好ま
しい。ここで、水性液体添加後のスラリー濃度は1〜3
0%以下にする。スラリー濃度が30%を越えると取扱
いが困難になり、また高剪断力が作用し難くなる。一
方、スラリー濃度が1%未満であると取扱う水の量が大
量となるため、設備が過大となり実用的見地から好まし
くない。添加する界面活性剤としては、洗浄用、脱墨
用、起泡用、分散用界面活性剤を用いることができる。
界面活性剤の濃度は、0.05〜0.2%程度であるこ
とが好ましい。水性液体添加後のスラリーのpHは1〜
3であることが好ましい。この条件下では石膏表面のご
く一部が溶解し、界面活性剤を含有する液体と石膏との
間に高剪断力を作用させたときのダストの剥離効果が促
進される。このpH調整用の酸としては、石膏に対して
適当な溶解能力を有する塩酸または硝酸を用いることが
好ましい。
【0014】界面活性剤を添加したスラリーには、次い
で高剪断力を作用させる。この剪断力は石膏粒子表面と
吸収液との間に作用し、界面活性剤と協動的に作用して
石膏粒子表面に付着したダストを効果的に剥離する。し
たがって、高剪断力作用手段としては通常の攪拌装置で
は不十分であり、吸収液と石膏粒子表面との間に十分な
相対速度を与えるものが必要となる。また、この高剪断
力は、大粒子のダストおよびダストの凝集物を石膏粒子
にくらべて十分小さい粒径に分散させ、後続の分級操作
においてダストが大粒径石膏粒子を含む画分に混入しな
いようにする働きもする。以上のことから、ホモミキサ
ー、回転盤式ホモジナイザー、ホモジナイザー式ポン
プ、あるいは液中へのジェット噴射や超音波を利用した
装置などが好適な手段として挙げられる。
【0015】高剪断力を作用させた後、石膏およびダス
トを含む界面活性剤含有スラリーに対して分級操作を行
う。ここで重要なことは、ダストを含む画分には石膏粒
子が含まれていてもよいが、大粒径石膏粒子を主成分と
する画分にはダストがほとんど含まれないように分割す
ることである。高剪断力を付与した後のスラリーを静置
すると石膏粒子およびダストが沈降するが、沈積層の大
部分は白色化した大粒子石膏であり、上層部に少量の中
粒子石膏とダストが混合した状態で堆積する。また、液
体画分にはダストが分散した状態で存在する。したがっ
て、ほとんどの大粒子白色石膏は適当な条件で分級すれ
ばダストを含まない状態で分離することができる。一
方、中粒子石膏とダストの混合物および液体画分を改め
て攪拌静置すると、中粒子の白色石膏が沈降し、ダスト
は液体画分に分散した状態になる。このときの中粒子石
膏の白色度は先に分離した大粒子石膏とほぼ同等または
それ以上である。したがって、こうして得られた大粒子
白色石膏と中粒子白色石膏を合わせて製品石膏とするこ
とが可能である。すなわち、1段目では大粒子石膏を選
択的に分離しダストはほとんど含まれないような条件で
分級を行い、続く2段目では条件を変えて中粒子石膏と
ダストとを分離するように2段で分級することができ
る。もっとも、中粒子石膏とダストとの混合物を改めて
攪拌静置せずに石膏晶析域に返送してもよい。分級装置
としては、重力式の沈降槽、水力式のエリトリエータ
ー、遠心力を利用した遠心分離機等が好適に使用され
る。また、多段液体サイクロン等を用いれば、単一の装
置で実質的に上記2段の分級操作を行うことも可能であ
る。
【0016】なお、スラリーを石膏晶析域から抜き出す
際の流れに随伴して混入してくるダストは石膏粒子表面
に強固に付着しておらず、界面活性剤を加えて高剪断力
を作用させなくても分離除去が可能であることから、ス
ラリーの含水率を20%以下に調整するに先立ち、沈降
槽、液体サイクロン、遠心分離機などの分級手段を用い
て抜き出した吸収液をダスト含有量の低い大粒子画分と
ダスト含有量の高い画分とに予備的に分割し、ダスト含
有量の低い大粒子画分のみをその後の処理の対象として
もよい。このようにすれば、製品石膏の品質がより改善
されることになる。
【0017】大粒径石膏粒子を主成分とする画分は、界
面活性剤含有液を分離除去し、含水率を所望の値に調整
して製品の白色石膏とする。このときの含水率は通常1
5%以下とする。このための手段としては、例えばフィ
ルタープレス、遠心分離機、真空濾過機、ベルトプレス
など、一般に脱水機として分類される機器が好適に使用
される。なお、このとき分離された液は、界面活性剤を
含有する水性液体として循環利用することができる。
【0018】一方、上記分級操作によって分離されたダ
ストを含む画分は、そのまま界面活性剤を含有する水性
液体として循環利用することもできるが、好適には固液
分離を行ってダストと石膏粒子を主成分とする画分と液
体を主成分とする画分とに分割し、後者の画分のみを界
面活性剤を含有する水性液体として循環利用する。この
ための固液分離装置としては、大粒径石膏粒子を主成分
とする画分の含水率調整と同様、一般に脱水機として分
類される機器が好適に使用される。
【0019】なお、排煙脱硫装置の前段に電気集塵機や
冷却除塵塔などの集塵装置を設置すれば、石膏晶析域自
体へのダストの混入量を低減することができるため、製
品石膏の白色度をより高める可能性がある。また、これ
らの集塵装置を有する場合には、分級操作によって分離
されたダストを含む画分をスラリー状態のまま、あるい
は適当に含水率を低下して同装置の前流に噴霧し、乾燥
固体として捕集することもできる。石炭炊きの場合にこ
の方法を適用すれば、乾燥固体中に適量のフライアッシ
ュと石膏が含まれるので、少量の消石灰を添加すること
によりエトリンガイトを生成させて固化することができ
る。したがって、乾燥固体からの有害物質の溶出を容易
に防止できる。石油炊きの場合にも、フライアッシュに
相当するもの、たとえば粘土を添加すれば同様の効果が
得られる。かくしてプロセスを無排水化することができ
る。
【0020】
【実施例】図1は、本発明の方法を実施するための装置
の一例を示すものである。湿式石灰石−石膏法排煙脱硫
装置の石膏晶析域1より石膏粒子およびダストを含む吸
収液を抜き出し、固液分離手段2で含水率が20%以下
に調整された石膏スラリーを得る。これを高剪断力作用
手段3に移送して界面活性剤と水とを加え、スラリー濃
度1〜30%において高剪断力を作用させる。次いで、
分級手段4で大粒径石膏粒子を主成分とする画分とダス
トを含む画分とに分割する。この後、前者の画分は固液
分離手段5で吸収液を分離除去して製品の白色石膏と
し、後者の画分も同様に固液分離手段6で吸収液を分離
除去してダストを含む低品質石膏として利用するか廃棄
する。分離された吸収液はいずれも高剪断力作用手段3
に返送する。
【0021】実施例1 重油燃焼ボイラーの湿式石灰石−石膏法排煙脱流装置
(吸収、酸化、中和および晶析を同一容器内で行う液連
続ガス分散型)の石膏晶析域から、石膏およびダストを
含む吸収液を抜き出し、遠心分離機で含水率13.0%
の石膏を得た。顕微鏡観察によれば、この石膏は排煙中
のダストを付着あるいは混入した石膏であった。この石
膏(ダスト含有率0.03%)200gに、石膏を除い
た吸収液に界面活性剤0.1%を添加した液1000m
lを加え、ホモジナイザー(特殊機化工製オートホモミ
キサーM型)を用いて7000rpmの条件で5分間高
剪断力を作用させつつ混合均一化した。この石膏混合液
を静置し、容器底部に大粒子石膏を主成分とした白色石
膏画分を得た。このとき容器上部の液中にはダストが浮
遊しているのが観察された。上部の液および大粒子石膏
層の上にわずかに堆積した少量の灰色層を除去した後、
容器底部の大粒子石膏を取り出して乾燥し、その白色度
を白色計(ミノルタ製色彩白色計CR−210型)で測
定したところ、L値として84.6の値を得た。
【0022】実施例2 実施例1と同じ条件で石膏およびダストを含む吸収液を
抜き出し、液体サイクロンに供給した。上部流として得
た画分は吸収塔に返送し、下部流として得た画分(大粒
子石膏画分)は遠心分離機で脱水処理して含水率10.
5%の石膏(ダスト含有率0.03%)を得た。この石
膏を実施例1と同様に処理して得た白色石膏の白色度は
86.5であった。
【0023】比較例1 実施例1と同じ条件で吸収液を抜き出し、そのまま静置
して上部の液を除去した後に沈降している固形分を乾燥
して石膏を得た。その白色度を実施例1と同様に測定し
たところ71.0であった。
【0024】比較例2 ホモジナイザーの代わりに角度付きファンタービン型の
攪拌羽根を用いて300rpmで10分間攪拌した以外
は実施例1と同様の操作を行った。得られた石膏の白色
度の測定結果は80.0であった。なお、このとき石膏
中にダストの凝集したものの混入が認められ、所望の石
膏の品質が得られなかった。
【0025】実施例3 重油燃焼ボイラーの湿式石灰石−石膏法排煙脱流装置
(吸収、酸化、中和および晶析を同一容器内で行うタイ
プ)であって前段に乾式の電気集塵機および除塵塔を有
するものの吸収塔底部の石膏晶析域から吸収液を抜き出
し、以後は実施例1と同様の操作を行った。得られた石
膏の白色度は86.8であった。
【0026】
【発明の効果】本発明の方法によれば、界面活性剤と高
剪断力との相乗作用により、石膏粒子表面に強固に付着
したダストが有効に剥離され、またダスト凝集物が解砕
されて大粒径石膏粒子への混入が防止されるので、極め
て品質および白色度の高い排脱石膏が得られる。そし
て、界面活性剤を添加する前に石膏スラリーから吸収液
を分離するため、この分離された吸収液を回収して吸収
塔に戻し、また高剪断力を付与した後に分離される界面
活性剤含有廃液も回収して循環使用することにより、廃
液発生量は著しく低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の好適な実施に用いられる装置を
例示する図である。
【符号の説明】
1 石膏晶析域 2 固液分離手段 3 高剪断力作用手段 4 分級手段 5 固液分離手段 6 固液分離手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−114630(JP,A) 特開 昭61−197021(JP,A) 特開 昭54−99074(JP,A) 特開 昭49−110574(JP,A) 特開 昭52−111880(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01F 11/46 B01D 53/34

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿式石灰石−石膏法排煙脱硫プロセスの
    吸収液から白色度の高い石膏を製造する方法において、 (1)湿式石灰石−石膏法排煙脱硫プロセスの石膏晶析
    域から石膏粒子とダストと吸収液を含むスラリーを抜き
    出し、 (2)抜き出したスラリーに固液分離操作を行ってその
    含水率を20%以下に調整し、 (3)含水率を調整したスラリーに界面活性剤を含有す
    る水性液体を加えてその固形分濃度を1〜30%に調整
    し、 (4)固形分濃度を調整したスラリーに高剪断力を作用
    させ、 (5)高剪断力を作用させたスラリーに分級操作を行っ
    て大粒径石膏粒子を主成分とする画分をダストを含む残
    りの画分から分離することからなることを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】 界面活性剤を含有する水性液体を加えた
    後のスラリーのpHを1〜3とする請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 高剪断力を作用させる手段として、ホモ
    ミキサー、回転盤式ホモジナイザー、ホモジナイザー式
    ポンプまたは液中へのジェット噴射を用いる請求項1記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 分級操作を行う手段として、沈降槽、エ
    ルトリエーター、遠心分離機または多段液体サイクロン
    を用いる請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 分離した大粒径石膏粒子を主成分とする
    画分に固液分離操作を行って含水率をさらに所望の値に
    調整するとともに、その際に分離された液体を回収し界
    面活性剤を含有する水性液体の少なくとも一部として循
    環再使用する請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 ダストを含む残りの画分に固液分離操作
    を行って含水率を調整するとともに、その際に分離され
    た液体を回収し、界面活性剤を含有する水性液体の少な
    くとも一部として循環再使用する請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 石膏晶析域から抜き出したスラリーに予
    備分級操作を行って大粒子石膏画分を分離し、この分離
    された大粒子石膏画分に対して工程(2)の固液分離操
    作を行う請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 湿式石灰石−石膏法排煙脱硫プロセスが
    その前段にダスト含有量を減少させる手段を有する請求
    項1記載の方法
  9. 【請求項9】 湿式石灰石−石膏法排煙脱硫プロセスが
    その前段に乾式集塵装置を有し、工程(5)で分離され
    たダストを含む残りの画分を乾式集塵装置へ送られる排
    煙中に噴霧し、該集塵装置内で乾燥固体化することを特
    徴とする請求項8記載の方法。
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