JP3335740B2 - イオン加速装置における冷却システム - Google Patents

イオン加速装置における冷却システム

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JP3335740B2
JP3335740B2 JP34148393A JP34148393A JP3335740B2 JP 3335740 B2 JP3335740 B2 JP 3335740B2 JP 34148393 A JP34148393 A JP 34148393A JP 34148393 A JP34148393 A JP 34148393A JP 3335740 B2 JP3335740 B2 JP 3335740B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオン加速装置における
冷却システムに関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】図4は400kV超級の
イオン加速装置の全体を示すが、その全体は100で示
され、直方形状のシールドケーシング1は、その底壁部
としてこれと一体的に形成されたグランド底2を備えて
おり、このようなシールドケーシング1内に、やはり直
方形状であるが、その八隅はアール加工を施されてお
り、上記シールドケーシング1に内蔵されている高電圧
ターミナル3が、グランド底2から所定の高さで4本の
絶縁材で成る支柱7により支持されている。
【0003】高電圧ターミナル3には、高電圧(例え
ば、400kV)の高電圧電源装置5から、その高電圧
がブッシング5b内に配設された保護抵抗を介して印加
され、また、その匡体部5a内には高電圧発生部、例え
ば、コックロフト・ウォルトン型のスタックが内蔵され
ており、これは公知のようにダイオードとコンデンサか
ら成る倍電圧回路をカスケード的に接続し、その端部で
400kVの高圧が得られ、これが上述したように高電
圧ターミナル3に供給されている。ブッシング5bは絶
縁材で成るが、この外周部には等間隔で金属フープ6が
取り付けられており、この間に抵抗Rが接続されて高電
圧ターミナル3と高電圧電源装置5のグランド側とを等
電位で分割し、一様な電界を形成することによりコロナ
を発生しないようにし、放電の頻度を低減するようにし
ている。上述の絶縁支柱7の高さは、このようにして高
電圧ターミナル3には高電圧、例えば400kVが印加
されているのであるが、この電圧とグランド電位との間
で絶縁破壊が生じないような高さである。
【0004】高電圧ターミナル3は、勿論、金属で成る
が、この内部にイオン源8、ガスボックス9などが配設
されており、更に、これらを駆動するための電源を制御
するための電源制御器なども配設されている。
【0005】イオン源8やガスボックス9は、このイオ
ン加速装置100の駆動中に加熱されるのであるが、こ
れら、特にイオン源8を冷却するために、冷媒循環用チ
ューブ10、11が高電圧ターミナル3とグランド底2
との間で、図示するように絶縁支柱7のまわりに巻心を
同一としてらせん状に巻回されて配設されており、その
上端部は高電圧ターミナル3の底壁部に固定されたブラ
ケット17に取り付けられた一対の継手13a、13b
に固定されている。また、グランド底2には、冷媒循環
用チューブ10、11の下端部を固定するための継手1
2a、12bがグランド底2の下方に位置するように該
グランド底2にブラケット14を介して固定されてい
る。なお、継手12a、12bはブラケット14を介し
てグランド底2に電気的に接続されているものとする。
以上のようにして、らせん状に巻回した冷媒循環用チュ
ーブ10、11の上下端部は、継手13a、13b及び
12a、12bにおいてそれぞれ高電圧ターミナル3及
びグランド底2に対して固定されている。また、上方の
継手13a、13bにはイオン源8などに冷媒を循環す
るための接続用チューブ18、19が繋れていて、これ
らはカップリング20、21を介して金属で成りイオ
ン源8を囲繞しているチューブ22に接続されている。
図4ではイオン源8のみに配管されているが、ガスボッ
クス9やその他の装置、例えば質量分離磁石などにも配
管されているものとする。
【0006】上述のガスボックス9内には、イオンの材
料となる材料ガスタンクが配設されており、このガスタ
ンクの送給口からイオン源8に材料ガスが供給されるの
であるが、これらは毒性のものが多く、これらが高電圧
ターミナル3内、すなわち大気中に拡散しないように絶
縁性で成る排風ダクトが図示せずとも接続されて下方に
延びており、グランド底2の下方に配設される別途配管
を通って、シールドケーシング1の外方に配設された排
気ガス除外設備に接続されている。
【0007】更に、高電圧ターミナル3とシールドケー
シング1の一側壁部との間には、公知の加速管4が接続
されており、この外周部には金属性のフープ6が等間隔
で取り付けられており、これらは抵抗Rで接続されてい
て、上述のブッシング5bと同様に、高電圧ターミナル
3の側壁部とシールドケーシング1の内壁との間の空間
を形成させている。更に、図示しないが、高電圧ターミ
ナル3内に設けられるイオン源8、ガスボックス9など
を駆動するための電力を供給するための電力供給装置
が、高電圧ターミナル3の他側壁部とシールドケーシン
グ1のこれと対向する内壁面との間にブッシングを介し
て接続されている。
【0008】グランド底2の下方では、上述のブラケッ
ト14に固定された継手12a、12bに冷媒往路用チ
ューブ23及び冷媒復路用チューブ24の一端部が結合
されており、これらの他端部はシールドボックス1の底
部近くに形成した開口1aを挿通している。シールドボ
ックス1の外方には、不純物を取り除くためのフィルタ
やフレオンを冷却するための熱交換器と貯水用のリザー
バタンク、そして吐出圧を高めるためのポンプなどがセ
ットになったフレオンユニット25が設置されている。
このユニット25の吐出側コネクタは冷媒往路用チュー
ブ23の端部に結合されており、またこの帰路側コネク
タは冷媒復路用チューブ24の端部に結合されている。
すなわち、本従来例では冷媒としてフレオンが用いられ
ている。
【0009】従来例のイオン加速装置100は以上のよ
うに構成されるのであるが、次に、この作用について説
明する。高電圧電源装置5によりブッシング5bを介し
て、400kVの直流電圧が高電圧ターミナル3に印加
されるが、絶縁支柱7により高電圧ターミナル3とグラ
ンド底2との間の耐電圧は保証されている。図示しない
電力供給装置(例えば、これは絶縁トランスなどで成
る)から高電圧ターミナル3内の各装置に電力が供給さ
れ、イオン源8用の電源からは高周波電圧rf、もしく
は直流電圧DCがパワーとしてこれに供給されると同時
に、ガスボックス9内に収納されているガスタンクより
材料ガスがイオン源8内に導入される。よって、このイ
オン源8内にプラズマが発生する。このプラズマは、図
示しない引出電極に加えられた電圧により加速管4に入
射するが、高電圧ターミナル3には高電圧電源装置5に
より、例えば、400kVが印加されているので、この
電圧とイオン源8からのイオンの価数の積のエネルギを
もって、この加速管4の出口からそのエネルギに対応す
る速度で出射する。
【0010】この時、プラズマの生成の電源により、イ
オン源8に供給される電力の大部分は熱に変換されるた
め、このイオン源8の温度が上昇する。この上昇の範囲
を一定内に抑えるために冷媒で冷却する必要があるが
このためにグランド側から冷媒、すなわち、本従来例で
はフレオンが高電圧ターミナル3内に電気的に絶縁性が
高い材質で成る冷媒往路用チューブ10を介して供給さ
れ、チューブ18を通って、イオン源8に巻回される配
管22内を冷媒としてのフレオンが通る。この冷媒は往
路用のチューブ18からイオン源8の周囲を流れ、復路
用チューブ19を通り、らせん状に巻回された冷媒復路
用チューブ11を通って、グランド底2内に配設された
チューブ24を通りフレオンユニット25内で熱交換さ
れ、ポンプによりフレオンが吐出されて冷媒往路用チュ
ーブ23内に導入される。
【0011】以上のようにして、例えばイオン源8は冷
媒としてのフレオンと熱交換して所定温度以下に冷却さ
れるのであるが、次にこの冷媒としてのフレオンの作用
について説明する。
【0012】冷媒としてのフレオンは電気抵抗値が非常
に高く、高電圧ターミナル3に印加される400kVと
いう高電圧に対しても、電流が殆ど流れない(マイクロ
アンペアμAのオーダ)ために絶縁材として取扱うこと
ができる。また、イオン加速装置100において高電圧
ターミナル3とシールドボックス1のグランド電位の側
壁に内部が真空に保たれた配管としての加速管4が取り
付けられており、この配管内に形成される電界中をイオ
ンが通過することによってイオンを高速で加速すること
ができる。このためには、イオン源8中でイオンを生成
しなければならないが、このイオンの生成のためにはガ
スボックス9から、このガス及び蒸気をイオン源8中に
供給し、更に図示しない電力装置からパワーを投入する
ことによって原子状または分子状の材料を解離及び電離
させプラズマを生成する。そしてイオン源8中に生成さ
れたプラズマから正の電界を印加してイオンのみをプラ
ズマ中から引き出す。このようにしてイオンが生成され
加速されるが、この過程においてイオン源8中に投入さ
れた電力の大部分は熱に代わる。もしこのまま冷却しな
ければイオン源8自体を熱的に損傷することになる。ま
た高電圧ターミナル3内で使用されている電源等から発
生する熱を除去し、電源の適切な使用環境温度を保たな
ければならない。このために冷媒としてのフレオンを高
電圧ターミナル3内で循環させているのであるが、フレ
オンはフレオンユニット25内でフィルタを通過して不
純物や水分を取り除いた後、熱交換されリザーバタンク
に入りポンプにより吐出され、冷媒往路用チューブ23
を通り絶縁支柱7に巻回されている往路用チューブ10
をらせん状に流れて、例えばイオン源8の周囲を取り囲
んでいる配管22を通る時にイオン源8と熱交換してこ
れを冷却する。この後、復路用チューブ11、グランド
底2の下方の冷媒復路用チューブ24を通ってフレオン
ユニット20の復路側に戻り、以下循環を繰り返す。
【0013】従来の400kV超級のイオン加速装置1
00は以上のようにフレオンを用いて冷却しており、上
述のように絶縁支柱7にらせん状に巻回しているが、フ
レオン自体の電気抵抗値が非常に高いために高電圧ター
ミナル3とグランド底2との間に絶縁支柱7と同様にら
せん状の絶縁物が置かれたことと同等と考えることがで
きるので、400kV程度の印加電圧ではコロナや放電
の発生は起こりにくい。
【0014】然しながら、最近フレオンの使用はオゾン
層の破壊など地球環境への悪影響を及ぼすため、機器の
種類によっては近い将来全廃される傾向にあり、現在で
も入手が困難になってきている。また、それに替わる冷
媒も市場に出てきてはいるが単位当りの価格が高く、装
置のランニングコストを上昇する要因ともなっている。
そこでフレオンではないコストも安く、また入手し易い
冷媒として環境への悪影響もない純水が採用されてきつ
つある。
【0015】ここで純水を用いた場合の冷却システムに
ついて図5を参照して説明する。なお、図4に対応する
部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省
略する。
【0016】本従来例では、シールドボックス1の外側
に純水製造装置30が設置されており、これから吐出し
た純水は冷媒往路用チューブ23’を通り、グランド側
のコネクタ12a’が電気的にグランド電位であること
から、この時、内部の純水もこのコネクタ12a’の位
置ではグランド電位であることを決定される。そして、
フレオンの場合と同様、イオン源8を冷却しグランド側
に戻り純水製造装置30に至る。ここで、冷媒復路用チ
ューブ24’から戻ってきた抵抗値の低くなった純水を
フィルタ(イオン交換樹脂等)を通過させ、不純物を取
り除いた後、その抵抗値を再び高めてリザーバタンクに
入りポンプにより突出され、冷媒往路用チューブ23’
に送り出される。以下、循環を繰り返しイオン源8を冷
却するのであるが、純水はフレオンと比較して電気抵抗
値が低いため、いわばらせん状の抵抗が高電圧ターミナ
ル3とグランド底2との間に取り付けられていると考え
られ、純水中では電子やイオンなどが水と共に運ばれ、
常に動いていることから、時間的な電荷の移動によりそ
の周囲に電場の揺らぎが生じていると考えられる。この
ことから定常的に電流が流れる固形の抵抗と同じように
は単純に考えられない。
【0017】また、往路ではシールドボックス1の外側
に設置された純水製造装置30内のフィルタを通過した
直後は電気抵抗も高いが、一方復路ではイオン源18の
周囲を囲繞している金属性のチューブ22を通過するた
めこの金属が溶解し、抵抗値が下がってしまう。つまり
この2種の抵抗値の違う純水を通している絶縁性のチュ
ーブを2本束ねてしまうと、それぞれ2本の絶縁性チュ
ーブの中を流れている電荷量が違うため、この2本の間
に電位差が生じ、コロナが発生する。そしてこのコロナ
の発生は、23’、24’のチューブ自体に損傷を与え
てしまう他、シールドボックス1と高電圧ターミナル3
との間に強電界が空間中に存在するために放電の誘発を
招き易い。
【0018】そこで図5で示すように、直線状の冷媒往
路用チューブ23aと冷媒復路用チューブ23bを図示
するように空間を隔てて取り付けているが、これにより
確かに空間でこれら2本のチューブ23a、23b間の
電位差を小さくなるが、直線状ではシールドボックス1
と高電圧ターミナル3との間に印加される高電圧に対
し、チューブ23a、23bの沿面距離が充分ではない
ため、その直線的なチューブ23a、23bに沿って放
電が起こり易い。勿論、高電圧ターミナル3とグランド
底2との間の距離を充分にとって直線的なチューブ23
a、23bを取り付けると、その沿面距離が長くなるの
で放電の確率を小さくすることができるが、装置全体を
非常に大きくするという問題を生ずる。
【0019】他方、直線的な2本の絶縁チューブ23
a、23b間の距離を大きくするために一方は絶縁支柱
7に図4と同様に巻き付け、他方は他の絶縁支柱7にら
せん状に巻き付けることも考えられるが、高電圧ターミ
ナル3の床部に穴を更に多く開けることになり、これで
は切りかいたこの穴部の角からコロナの発生の確率が高
くなり、放電を誘発し易くなる。また、イオン加速にと
もない電子が逆流しX線を発生するが、高電圧ターミナ
ル3の床部に穴を開けている所からX線が外部に洩れる
という問題も発生する。
【0020】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は上述のよう
な問題に鑑みてなされ、純水を用いて冷却しながら40
0kV超級の印加電圧まで充分に耐電圧を確保すること
を可能にするイオン加速装置における冷却システムを提
供することを目的とする。
【0021】
【問題点を解決するための手段】以上の目的は、シール
ドボックス内で少なくともイオン源を内蔵させた高電圧
ターミナルをグランド電位の床より所定の高さに配設さ
せ、高電圧電源装置により前記高電圧ターミナルに所定
の高電圧を印加し、電力供給装置により前記イオン源な
どに電力を供給するようにし、前記イオン源などを純水
で冷却させるようにしたイオン加速装置における冷却シ
ステムにおいて、らせん状に巻回され、一端部を前記高
電圧ターミナルに対し固定し、他端部を前記床又は前記
シールドボックスの一側壁部に対し固定した絶縁材で成
る往路用チューブと、らせん状に巻回され、一端部を前
記高電圧ターミナルに対し固定し、他端部を前記床又は
前記シールドボックスの一側壁部に対し固定した絶縁材
で成る復路用チューブとを備え、前記往路用チューブと
前記復路用チューブは電気的絶縁を確保する距離を巻径
方向に関して隔てて、それぞれ巻心を異ならせて配設さ
れ、前記往路用チューブを通って冷却用の純水を流し、
前記高電圧ターミナル内に配設された熱交換用チューブ
を通り、前記イオン源などを冷却して、前記復路用チュ
ーブ内へと導入して、純水を循環させるようにしたこと
を特徴とするイオン加速装置における冷却システム、に
よって達成される。
【0022】
【作用】高電圧ターミナルとグランド底又はシールドボ
ックスの一側壁部との間に両端部を固定させた冷媒往路
用チューブ及び冷媒復路用チューブは、それぞれ巻心を
異ならせてらせん状に巻回し、所定距離以上、これらの
間隔をおいて配設しているので、高電圧ターミナルとグ
ランド底又はシールドボックスの一側壁部との間の沿面
距離、すなわち耐電圧距離を大きくとることができると
ともに、冷媒往路用チューブ及び冷媒復路用チューブで
の純水の抵抗値の違いに起因する電場の歪みを緩和し、
コロナ放電を防止することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例によるイオン加速装置
における冷却システムについて図面を参照して説明す
る。なお、従来例に対応する部分については同一の符号
を付し、その詳細な説明は省略する。
【0024】図1において、ナイロン系またはポリウレ
タンで成る絶縁性チューブ41、42は、それぞれ異な
る巻心P1、P2のまわりにらせん状に巻回されてお
り、これは自然の状態、すなわちこれに引っ張り力も圧
縮力も作用していない状態でも、このらせん形状を維持
する。この上端部は、それぞれ高電圧ターミナル3の底
壁部に径がφaなる円形の開口3aが形成されている
が、これを挿通して高電圧ターミナル3の床に固定され
たブラケット43に固定されているカップリング44、
45に結合されており、これは他方、従来例と同様に接
続チューブ18、19に接続され、図示せずともイオン
源8を囲繞している熱交換用配管の端部にそれぞれ接続
されている。また、チューブ41、42の下端部は、グ
ランド底2にも上方の高電圧ターミナル3の底に形成し
た開口に直対向して同じ径φaの円形の開口2aを形成
しており、ここをグランド底2に固定されたブラケット
48に取り付けられたカップリング46、47に結合さ
れている。これは一方、純水製造装置30へと導かれて
いる冷媒往路用チューブ23及び冷媒復路用チューブ2
4に接続されている。なお、円形開口3a、2aの径φ
a及びらせん状のチューブ41、42間の距離d、両チ
ューブ41、42の線径φtは以下のようにして定めら
れている。
【0025】すなわち、このらせん状の絶縁性チューブ
41、42はナイロンやポリウレタンからなるが、いづ
れも復元性があり柔軟性に富んでいるため、自然長では
高電圧ターミナル3とグランド底2との間の距離hより
短くても取り付けることができ、またチューブ41、4
2の全長はコイル状に巻かれているので当然のことなが
らhより大とすることができる。
【0026】このチューブの全長Lは、コイル状に巻か
れたチューブ41、42の巻径mとターン数Nからおお
よその長さが算出することができる。このため直線状の
チューブを図5に示すように、高電圧ターミナル3の床
面とグランド底2との間に取り付けた場合より、絶縁性
チューブ41、42の全長をはるかに大とし、よって沿
面距離を長く確保することができる。コイルとしての絶
縁チューブ41、42のターン数Nとこのコイルの巻径
mを決めるには、純水を電気的に抵抗値の高い導体とみ
なせば、らせん状のチューブ41、42を純水が流れて
いる状態では、らせん状の抵抗を高電圧ターミナル3の
床面とグランド底2との間に取り付けたものと見なせ
る。よって高電圧における電界強度の計算式からチュー
ブ41、42の外径φtとピッチ間隔l(エル)との二
つのパラメータの内、チューブ41、42の外径は高電
圧ターミナル3内で冷却しなければならない、すなわ
ち、熱交換をしなければならない熱量の関係から自ずと
その流量が決まり、それに従いこれらチューブ41、4
2の外径も決まる。これから電界強度を最小にするコイ
ルのピッチ間隔l(エル)が決定される(参考文献:
L.L.ALSTON eds. High Volt
age Oxford University Pre
ss 1968)。
【0027】次に、コイルとしての絶縁性チューブ4
1、42の巻径mについてであるが、これを大きくして
チューブ41、42の沿面距離を長くすることが望まし
いが、あまりこの巻径を大きくすると弾力性のあるチュ
ーブではあるが、形状を保持することが難しくなるた
め、外径の大きさにはある制限が加わる。次に、2本の
チューブ41、42間の距離dであるが、これは往路用
チューブ41と復路用チューブ42とでこの中を流れる
純水中の不純物の純度が違い、このため純水の抵抗値に
差があることから、取付時の両者のチューブ41、42
のピッチ間隔l(エル)のずれから、チューブ41、4
2の高さ方向での電位に差が生じることなどにより、高
電圧ターミナル3の床とグランド底2との間の空間の電
界に歪みが生じる。上述の原因から2本のチューブ4
1、42間の絶縁距離を確保するための空間を設けるこ
とによってそのような電場の歪みを緩和することが可能
であるが、このための距離としては400kV超級の印
加電圧に対して数10cmで充分である。これから2本
のチューブ41、42を取り付けるための高電圧ターミ
ナル3の底壁に形成した円形開口3aの径φaも数10
cmでもよいので逆流してきたX線の漏れの心配やコロ
ナ放電の発生の確率を極力小として両チューブ41、4
2間でコロナ放電を発生することを未然に防止すること
ができる。
【0028】以上、本発明の実施例について説明した
が、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明
の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0029】例えば以上の実施例では、絶縁性チューブ
41、42が平面的に見て円形でらせん状に巻回した
が、これは円形でなくてもよく、例えばある種のアンテ
ナのように平面的にみて矩形状に巻回してもよい。
【0030】また以上の実施例では、らせん状のチュー
ブ41、42として図示するように連続的に曲線が続く
コイル状のチューブ41、42としたが、高電圧ターミ
ナル3の床部とグランド底2との間で、ある間隔で直線
部分を含んでいてもよい。
【0031】また以上の実施例では、冷却水を供給す
る、もしくは戻すらせん状のチューブ41、42は、高
電圧ターミナル3の床部とグランド底2との間に取り付
けたが、これに代えて高電圧ターミナル3の側壁部と、
シールドボックス1のこれと対向する側壁部との間に図
示と同形状の絶縁性チューブ41、42を取り付けても
よい。この場合には、図1で示すようなブラケット4
5、46、コネクタ43、44、46、47をそれぞれ
高電圧ターミナル3の側壁部及びシールドボックス1の
これと対向する側壁部に取り付ければよい。勿論、この
場合には従来例で図4に示したように、イオン加速装置
4と又はブッシュ5bと相並んで設けてもよく、これら
長さとほぼ等しくなるように、上述の巻径や巻ピッチな
どを定めればよく、特に高電圧ターミナル3の相対向す
る側壁部、すなわち図4に示すようにイオン加速管4及
び高電圧供給装置のブッシュ5bに、それぞれ並列して
取り付けた場合には、往路用のチューブを流れる純水の
抵抗と、復路用のチューブを流れる純水の抵抗とは、上
述したように相違があるのであるが、これらの間は大き
く隔離されることにより、これらの間の放電発生は更に
その確率を小とすることができる。
【0032】また以上の実施例では、絶縁性チューブ4
1、42の巻方向は同一としたが、これは相反する方向
であってもよい。この場合、図2に示すような幾何学的
関係が考えられる。すなわち、往路用チューブ51、と
復路用チューブ52との間の距離、すなわち上記実施例
のdに対応する距離は図2においてd1 とd2 との平均
値をとればよい。その他巻径及び巻ピッチmについては
同様に考えればよい。
【0033】図3は更に変形例を示すものであるが、上
記実施例に対応する部分については同一の符号を付し、
その詳細な説明は省略する。
【0034】すなわち、本変形例では互いに離間して配
置される絶縁支柱7、7のそれぞれに往路用のチューブ
61、復路用のチューブ62が図示するように巻回され
ており、その上端部は高電圧ターミナル3の床に形成さ
れた円形開口63を挿通しており、これに取り付けられ
たブラケット内のコネクタ65、66に接続されてい
る。同様にグランド底2も高電圧ターミナル3の床に形
成された開口63に直対向してこれと同大の円形開口7
4が形成されており、これにもブラケットに固定された
コネクタ77、78に下端部が固定されている。
【0035】この場合にも、往路用のチューブ61と復
路用のチューブ62とは巻心を異ならせて巻回されてい
るためにその距離を十分に離すことができ、またらせん
状に巻回されていることにより、コロナ放電の発生を防
止することは上記実施例と同様である。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のイオン加速
装置における冷却システムによれば、冷媒往路用チュー
ブ及び冷媒復路用チューブを巻心位置を異ならせて巻回
することにより所定距離以上の間隔をおいて配設するよ
うにしているので、高電圧ターミナルとグランド底又は
シールドボックスの一側壁部との間の沿面距離を大きく
とることができるとともに、両チューブ間におけるコロ
ナ放電を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるイオン加速装置の要部の
側断面図である。
【図2】図1における絶縁性チューブの変形例を示す部
分断面図である。
【図3】変形例のイオン加速装置の部分破断側面図であ
る。
【図4】従来例のイオン加速装置の部分破断側面図であ
る。
【図5】他従来例のイオン加速装置の部分破断側面図で
ある。
【符号の説明】
1 シールドボックス 2 グランド底 3 高電圧ターミナル 41 絶縁性チューブ 42 絶縁性チューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 英夫 神奈川県茅ケ崎市萩園2500番地 日本真 空技術株式会社内 (72)発明者 阿川 義昭 神奈川県茅ケ崎市萩園2500番地 日本真 空技術株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−334987(JP,A) 特開 平5−266994(JP,A) 特開 平2−96400(JP,A) 実開 昭57−166398(JP,U) 実公 昭46−9881(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05H 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールドボックス内で少なくともイオン
    源を内蔵させた高電圧ターミナルをグランド電位の床よ
    り所定の高さに配設させ、高電圧電源装置により前記
    電圧ターミナルに所定の高電圧を印加し、電力供給装置
    により前記イオン源などに電力を供給するようにし、前
    記イオン源などを純水で冷却させるようにしたイオン加
    速装置における冷却システムにおいて、 らせん状に巻回され、一端部を前記高電圧ターミナルに
    対し固定し、他端部を前記床又は前記シールドボックス
    の一側壁部に対し固定した絶縁材で成る往路用チューブ
    と、 らせん状に巻回され、一端部を前記高電圧ターミナルに
    対し固定し、他端部を前記床又は前記シールドボックス
    の一側壁部に対し固定した絶縁材で成る復路用チューブ
    とを備え、前記往路用チューブと前記復路用チューブは電気的絶縁
    を確保する距離を巻径方向に関して隔てて、それぞれ巻
    心を異ならせて配設され、 前記往路用チューブを通って冷却用の純水を流し、前記
    高電圧ターミナル内に配設された熱交換用チューブを通
    り、前記イオン源などを冷却して、前記復路用チューブ
    内へと導入して、純水を循環させるようにしたことを特
    徴とするイオン加速装置における冷却システム。
  2. 【請求項2】 前記所定の高電圧が400kV超級のと
    き、前記往路用チューブと前記復路用チューブは、前記
    シールドボックス内に収まる範囲内で数10cm以上の
    距離を隔てていることを特徴とする請求項1に記載のイ
    オン加速装置における冷却システム。
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