JP3335669B2 - アルミナ担体の細孔半径を制御する方法 - Google Patents

アルミナ担体の細孔半径を制御する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、細孔分布の制御されたアルミナ
担体の細孔半径を制御する方法に関する。
【0002】
【従来技術】多孔質無機酸化物であるアルミナは、比較
的比表面積が大きく、その表面は複雑な物理的、化学的
性質を有するため、吸着剤、触媒担体等として広く利用
されている。例えば擬ベーマイト、ベーマイトゲル等を
焼成して得られるγ−アルミナは比表面積が大きくか
つ、酸性質を有すること、また、それに活性金属種を担
持させて触媒とする場合、金属の分散性が良好なこと、
成形性が良くかつ、機械的強度に優れていることから触
媒担体として特に注目されてきた。一般に触媒担体とし
て要求される条件は (1)大きい比表面積を有すること (2)細孔容積が大きいこと (3)活性金属種の分散性が良好なこと、特に浸漬法に
より活性金属種を担持させる場合、担体内部表面にまで
均一に分散する (4)バインダー、滑剤等を使用することなく成形性が
良好であること (5)適切な細孔径分布を有すること (6)機械的破壊強度が大なること 等が挙げられる。これらの条件は、担体を得る場合の出
発原料、例えばアルミニウム塩、アルミニウムアルコキ
シド等を中和分解、あるいは加水分解して得られるアル
ミナ水和物を調製する際の操作条件に支配されるが、前
記いずれの項をも満足することは非常に困難である。す
なわち、担体として具備すべき物理性状の面から見る
と、比表面積を大にすることは小さい細孔分布を意味
し、細孔容積は小となる。これとは逆に比表面積が小な
ることは大口径の細孔分布を有することを意味し、細孔
容積は大となる。また、アルミナ水和物において、その
結晶性が良好であると担体とする際の成形性が悪く、結
晶粒子が不揃いの場合には担体の機械的破壊強度が弱く
なる。一方、反応面から見ると、触媒の細孔径は反応に
関する活性および選択性に大きく関与する。細孔径が小
なる場合、反応分子の細孔内での拡散速度が小さいため
触媒の活性は低いものとなる。細孔径が大なる場合では
反応分子の細孔内での拡散速度は大となるが、細孔径が
大き過ぎる場合には反応に関与する内部有効表面積の減
少を招く。したがって、目的とする反応を満足させるに
はその反応に応じて適切に調整された細孔径を有し、有
効比表面積の大きい担体を得る必要がある。この点に関
し、これまでに提案された細孔の調整法としては、通常
の方法によりアルミニウム塩等を中和分解して得られる
無定形のアルミナ水和物、擬ベーマイトゲル等にクエン
酸、グルコール酸等の脂肪族水溶性ポリカルボン酸を添
加することにより、アルミナの細孔容積を制御する方法
〔US.4179411(1979)〕、アルミナ出発
原料の分解直後に得られるアルミナヒドロゲルに、メト
セル、アビセル、カルボワックス等の有機物を添加し、
焼成することによりそれらの有機物が除去された空孔で
細孔を形成させる方法〔J.Catalysis.,
1,547,(1962)〕〔Bull,Japan
Petrol.,Inst.,13,24(197
1)〕、あるいは、アルミナヒドロゲルにポリエチレン
グリコール、ポリエチレンアミン等の水溶性重合体を添
加することにより細孔分布を調整する方法〔特開昭52
−104498(1977)〕等が提案されている。一
方、擬ベーマイトゲル、ベーマイト等を分子量の異なる
アルコールで洗滌することにより、細孔の発現に関与す
るアルミナ二次粒子間の層間水をアルコール分子と置換
し、それを焼成して細孔の制御された触媒担体とする方
法も提案されている〔Bull,Japan Petr
ol.,Inst.,13,24(1971)〕〔特開
昭50−123588(1975)〕。これはアルミナ
二次粒子間に存在する水をアルコールに置換することに
より、水の場合では焼成時に生ずるアルミナ二次粒子間
のセルフスチーミング効果に起因する粒子間の凝集を防
ぎ、アルコールの種類を選ぶことで粒子間の凝集の程度
を変化させ、細孔径を制御しようとするものである。同
様の手法によるものとして、炭酸塩水溶液を使用するも
のもある〔特開昭52−77891(1977)〕。他
方、アルミナ担体に発現する細孔径10Åから1000
Åを有するミクロポアと称されるものは、アルミナ担体
の前駆体である擬ベーマイトゲル、ベーマイト等の水和
物を構成する二次粒子間の空間の大きさにより支配され
ると考えられている。この二次粒子は、殆んど比表面積
を有しない一次粒子の凝集により形成されるが、この一
次粒子の大きさを調整することにより均一多孔質のアル
ミナを得ようとする試みもなされている。例えば、アル
ミナヒドロゲル形成物質からアルミナヒドロゲルを得る
場合、このアルミナヒドロゲルのpHをアルミナヒドロ
ゲル溶解領域とベーマイトゲル沈殿領域との間を交互に
変動させ、そのいずれかの領域でアルミナヒドロゲル形
成物質を添加することにより最終的に結晶成長した疎凝
集体のアルミナヒドロゲルが得られ、これを乾燥、焼成
することにより均一多孔質のアルミナが調整できるとの
提案もある(特開昭60−54917)。以上、アルミ
ナ、或いはそれを触媒担体とする際の細孔径制御に関す
る従来の技術について要点のみ記述した。
【0003】
【目的】最近では、目的とする反応の活性および選択性
の向上を計るため、比表面積が可能な限り大きく、又、
正確に制御された細孔分布を有する触媒担体が要求され
ている。この際、単に細孔分布のみに注目するだけでは
なく、アルミナ出発原料を中和分解、又は加水分解して
得られるアルミナ水和物の性質にも留意することが求め
られてきた。すなわち、一般に触媒担体として使用され
るアルミナはアルミナ出発原料を中和分解、又は加水分
解してアルミナ水和物を得る。この水和物は熟成を経て
乾燥し、擬ベーマイトゲル、ベーマイト等の中間アルミ
ナ水和物とされる。これを更に擂かい、成形し、所定の
条件で焼成してγ−アルミナ等の触媒担体とされる。こ
の過程に於いて中和分解、又は加水分解等の反応条件が
アルミナ水和物の結晶性に関与する。特に、この時のp
Hと分解温度によってはベーマイト中に触媒担体として
は好ましくないバイヤライトの混在を生ずる。このバイ
ヤライトの混在するものを熟成すると時間の経過に伴っ
て、著しくバイヤライトの結晶は生長する。純粋なベー
マイトとバイヤライトの混在するゲルを各々焼成し担体
としたもののX線回折図を見ると、両者において全く区
別することはできない。また、物理的性質が同一でも化
学的性質は異なる。一方、結晶性の良好なアルミナ水和
物、および熟成を経て結晶性を高めた擬ベーマイトゲ
ル、ベーマイトに関しては成形時の成形性が悪く、従っ
てバインダーおよび、滑剤等を要することになる。ま
た、結晶性の悪い場合には焼成時において焼き縮みを生
じ担体としての物理性状は変化する。同様の観点から高
分子の有機物、有機重合体を細孔制御剤として用いた場
合、それらの調整剤は担体とする焼成時に燃焼させるこ
と等により除去されるが、その有機分子が存在すること
によって発現される細孔内は、見掛けの焼成温度と細孔
内温度とは異なるため、細孔を構成する細孔表面はシン
タリングにより構造が変化する。他方、アルミナ水和物
に大きさの異なる二次粒子が存在する場合には、細孔を
制御するとしてもその分布は比較的ブロードなものとな
る。また、活性金属種を金属塩水溶液として浸漬法によ
り担持させようとする場合、粒子表面の不均一性から不
均一な状態に担持される。したがって、細孔を制御する
場合、前述の点を充分考慮する必要がある。すなわち、
本発明の目的は、アルミナ担体の細孔半径を、pH、温
度によりアルミナ水和物の構造に影響を及ぼさず均一に
制御された二次粒子よりバインダーを必要とせず再現よ
く任意に制御できる新しい方法を提供する点にある。
【0004】
【構成】本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意研
究した結果、アルミナ出発原料を中和分解、又は加水分
解して生成するアルミナ水和物ゲルに於いて分解溶液の
粘性率の変化がアルミナ水和物一次粒子の生長に関与す
ること、およびそれらが凝集して二次粒子を形成した
際、その二次粒子間に発現する細孔の細孔径および細孔
分布に関係することを見出した。言い換えれば粘性率を
変化させることは一次粒子表面の表面張力が変化するこ
とから粒子の凝集力が異なり粒子の大きさが変化するこ
とを意味する。したがって粘性率を正確に制御し、二次
粒子層間水による細孔の収縮を防止すれば良い。そこ
で、これらの点を解決する方法としてアルコールを用
い、その濃度、種類、分解温度等の条件を組み合せるこ
とにより細孔半径25〜130Åの範囲で正確に制御す
る方法を確立するに至った。すなわち、本発明は、アル
ミニウム塩またはアルミニウムアルコキシドを中和分解
または加水分解し、得られたアルミナ水和物を乾燥、成
形、焼成して得られるアルミナ担体の細孔半径を制御す
る方法であって、前記中和分解または加水分解の溶液中
にアルコールを配合し溶液の粘性率を制御することを特
徴とするアルミナ担体の細孔半径を25〜130Åの範
囲内で正確に制御する方法に関する。
【0005】使用するアルミニウム塩に格別の制限はな
いが、代表的なアルミニウム塩としては、硫酸アルミニ
ウム、硝酸アルミニウム、アルミン酸ソーダ等があり、
アルミニウムアルコキシドとしては、アルミニウムイソ
プロポキサイド、アルミニウムエトキシド、アルミニウ
ムブトキシド等がある。硫酸アルミニウムや硝酸アルミ
ニウム等はアンモニヤ、炭酸ソーダ等のアルカリ水で中
和分解され、アルミン酸ソーダ等は酸性水又は炭酸ガス
の吹き込みにより中和分解され、またアルミニウムイソ
プロポキサイド等のアルコキシド類は水により加水分解
されて、アルミナ水和物ゲルを形成する。
【0006】この際、中和分解、または加水分解に供さ
れる溶液中にアルコールを溶液状態で共存させる。その
使用量は系が均一溶液系を保つかぎり必要に応じていく
らでも混合できる。共存させる方法としては、先ず分解
温度、pH、撹拌強度、時間等同一条件下にアルコール
の種類、例えばメタノール、エタノールおよび異性体ア
ルコールを含むプロパノール、ブタノール、ペンタノー
ル、ヘキサノール等の一種又は二種以上を分解溶液とし
て用いられる水と混合する。二種以上のアルコールを組
合せて用いる場合には、いずれか一方のアルコールが水
に対して溶解度を有するか、水に対して溶解度を有しな
いアルコールでも分子量の小さいアルコールに溶解させ
て供すれば良い。この場合、アルコールと水とのモル比
を一定としアルコールの種類を変えた場合、粘性率の変
化、すなわちアルコール分子が大きくなるにしたがって
それに比例して細孔径は大きい方向に制御される。ま
た、単一のアルコールを用い水に対するモル比を変えた
場合、同様に粘性率の変化に比例して細孔径は制御され
る。また、二次粒子間に入り込んだアルコール分子は、
水のみが存在する場合に生ずるセルフスチーミング効果
による細孔の収縮を防止する。同様の理由から、中和分
解および加水分解時にアルコール分子を共存させ加温し
た場合、得られるアルミナ担体は、大きな比表面積を有
すると同時に粘性率に支配された細孔径を有するものと
なる。また、このアルコールの存在によりゲル熟成時に
見られるゲルの相転位は十分防止できる。
【0007】加水分解のpHは6から10の範囲が好ま
しい。又撹拌はゲルの均一性を得る点からホモジナイザ
ー等による強く、均等な撹拌が望ましい。また加温分解
する場合、所定の温度、例えば常温〜150℃で示すア
ルコールの蒸気圧以上に不活性ガスを用いて加圧するこ
とが好ましい。
【0008】前述の技術により調整された細孔は、全細
孔容積に占める35%以上が細孔径分布20Å以内に制
御されたシャープな細孔分布曲線を描く。一方、反応の
目的によりブロードな細孔分布を有する触媒の要求され
る場合がある。例えば、石油留分の脱硫、脱窒素、脱金
属等の反応に於いてその留分に存在する硫黄化合物分
子、窒素化合物分子、有機金属化合物を除去する際、各
々の分子の大きさに対応した細孔分布を有することが望
まれる。この様な場合、前述の条件の範囲でシャープに
細孔分布を制御されたゲルを、二種以上混合することに
よりその両者の平均値で示されるブロードな細孔分布を
有する担体アルミナが得られ、それに活性金属種を担持
させて触媒とすることができる。
【0009】この際の触媒担体としてのアルミナの柱状
成形方法について述べる。所定の条件で得られたアルミ
ナ水和物を含水率50〜90%に乾燥したところで30
分の範囲内で擂かいし、所定の直径を有する柱状に押し
出し成形する。その後、450から700℃の範囲の所
望の温度で2〜5時間焼成して担体とする。一方、中和
分解後のアルミナ水和物ゲルにおいてSO4 2-、Na+等
の電解質の除去に関しては、分解時に供されるアルコー
ル共存の分解溶液と等しい溶液を用い洗滌すればよいこ
とは云うまでもない。
【0010】
【実施例】以下、実施例を挙げて発明実施の態様を説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。 比較例 先ず、細孔制御の程度を比較する上での基準試料とする
ため、加水分解液として水のみを用い、アルミナ担体調
製原料としてアルミニウムイソプロポキサイドを使用し
た。すなわち、500mlのビーカーに、粉末状にした
アルミニウムイソプロポキサイド100gを採り、それ
に純水300mlを加え、15分間激しく撹拌し、得ら
れたヒドロゲルを常温で真空乾燥し、含水率約60wt
%の所で成形し、続いて120℃で2時間乾燥後、55
0℃で2時間焼成し、γ−アルミナ担体とした。細孔分
布の測定はカルロエルバ社製、ソープトマチックにより
行なった。以下に測定結果を示す。 加水分解時の温度 43℃ 80℃ 比表面積(m2/g) 278.3 269.2 細孔容積(cc/g) 0.3376 0.3855 平均細孔半径(Å) 24.3 28.9 細孔容積分布(%) 〜20Å 41.1 37.3 20〜40Å 52.7 56.3
【0011】実施例1 比較例に示されたと同様に、アルミナ担体調製原料とし
てアルミニウムイソプロポキサイドを用い、分解液とし
ては、イソプロピルアルコール100mlに純水200
mlを加えたもの、およびイソプロピルアルコール20
0mlに純水100mlを加えたものを用意した。50
0mlのビーカーに、粉末状にしたアルミニウムイソプ
ロポオキサイド100gを採り、濃度の異なる二種類の
アルコール溶液を用い各々で加水分解を行なった。43
℃で15分間激しく撹拌し、得られたヒドロゲルを常温
で真空乾燥し成形し、120℃で2時間乾燥後550℃
で2時間焼成し、γ−アルミナ担体とした。細孔分布の
測定結果を以下に示す。 アルコール濃度 100ml 200ml 比表面積(m2/g) 256.9 246.5 細孔容積(cc/g) 0.3976 0.3887 平均細孔半径(Å) 31.0 31.5 細孔容積分布(%) 〜20Å 33.6 34.1 20〜40Å 52.6 50.7 比較例の結果に示された平均細孔半径および細孔容積分
布と実施例1に示された各々の結果を比較すると明らか
なように加水分解液として純水のみによった場合に比
べ、イソプロピルアルコールを混合した場合の細孔半径
は大きくなり、又アルコール濃度が高くなるに比例して
細孔径分布は大きい方に移動する。
【0012】実施例2 実施例1に示されたと同様の実験条件下に於いて加水分
解液としてn−ブチルアルコール200mlに純水10
0mlを加えたものを用いた。その結果を下記に示す。 比表面積(m2/g) 335.9 細孔容積(cc/g) 1.7965 平均細孔径(Å) 107.0 細孔容積分布(%) 60〜80Å 20.3 80〜100Å 35.4 比較例に示された平均細孔半径および細孔容積分布の結
果に比較して明らかなようにn−ブチルアルコールの濃
度が高い所では著しく細孔分布が大きい方に制御され
る。
【0013】実施例3 実施例1に示されたと同様の実験条件下に於いて加水分
解溶液としてn−ブチルアルコール100ml、イソプ
ロピルアルコール100mlを純水100mlに加えた
ものを用いた。その結果を下記に示す。 比表面積(m2/g) 339.9 細孔容積(cc/g) 1.5812 平均細孔径(Å) 93.0 細孔容積分布(%) 60〜80Å 32.6 80〜100Å 21.7 比較例に示された平均細孔半径および細孔容積分布と実
施例3に示された結果を比較して見ると明らかなように
純水を用いた場合に比較すれば各々の値は著しく大き
く、またn−ブチルアルコールを用いた実施例2の場合
に比較すれば小さい値を示す。すなわちn−ブチルアル
コールとイソプロピルアルコールの混合加水分解溶液を
用いた場合、各々の混合割合に応じた粘性率の変化に比
例して細孔分布の制御されることが明確である。
【0014】実施例4 異なる分解条件で得られたアルミナ水和物(ベーマイト
ゲル)を混合し、成形、乾燥、焼成して小さな細孔径か
ら大きい細孔径までブロードな細孔分布を有するγ−ア
ルミナ担体の調製法について述べる。先ず、下記に示さ
れた性状を有するγ−アルミナ担体A,Bを調製した。 A B A,Bの平均値 比表面積(m2/g) 285.4 337.8 311.6 細孔容積(cc/g) 0.3606 1.4626 0.9116 平均細孔径(Å) 25.2 86.6 55.9 細孔容積分布(%) 〜20Å 40.9 3.2 22.1 20〜40Å 53.3 5.1 29.2 40〜60Å 3.6 33.3 18.5 60〜80Å 2.2 35.0 18.6 そこで、γ−アルミナ担体A,Bを調製する過程で得ら
れるアルミナ水和物を等量混合し、成形、乾燥、焼成し
てγ−アルミナ担体とした場合の細孔分布を測定した。
その結果を下記に示す。この際の成形、乾燥、焼成等の
処理条件は上記担体A,Bを調製した場合と全く同一で
ある。 比表面積(m2/g) 302 細孔容積(cc/g) 0.8486 平均細孔径(Å) 56.2 細孔容積分布(%) 〜20Å 23.4 20〜40Å 27.5 40〜60Å 19.3 60〜80Å 20.0 この結果を上記A,Bの平均値と比較すると明らかなよ
うにほぼ一致した値を示し、小さい細孔から大きい細孔
までブロードな細孔分布を有する担体の得られることが
分る。
【0015】実施例5 実施例1に示されたと同様の実験条件下に於いて加水分
解溶液としてヘキシルアルコール100mlを純水20
0mlを加えたものを用いた。その結果を下記に示す。 比表面積(m2/g) 254.7 細孔容積(cc/g) 0.6051 平均細孔径(Å) 47.5 細孔容積分布(%) 20〜40Å 34.6 40〜60Å 45.3
【0016】
【効果】
(1)触媒設計をする上で触媒の細孔径、細孔分布を反
応の目的に応じ細孔半径25〜130Åの範囲で任意に
再現性よく制御することができた。 (2)構造の明確な単一相のアルミナで、かつ対象とす
る反応に最適に制御された物理的、化学的性質を具備し
た触媒担体、例えば、反応物の分子の大きさに対応した
細孔径分布を有する触媒の担体が提供でき、これにより
反応効率を向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭50−3992(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 37/36 C01F 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム塩またはアルミニウムアル
    コキシドを中和分解または加水分解し、得られたアルミ
    ナ水和物を乾燥、成形、焼成して得られるアルミナ担体
    の細孔半径を制御する方法であって、前記中和分解また
    は加水分解の溶液中にアルコールを配合し溶液の粘性率
    を制御することを特徴とするアルミナ担体の細孔半径を
    25〜130Åの範囲内で制御する方法。
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