JP3334564B2 - 鋼管または鋼板端部の超音波探傷装置 - Google Patents

鋼管または鋼板端部の超音波探傷装置

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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鋼管の管端部ま
たは鋼板の板端部の超音波探傷装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】鋼管の検査工程の1つとして、管端部に
対する垂直超音波探傷が行われている。このような超音
波探傷を行うに際し、管端部にベベル加工が施されてい
る場合には、外面からの超音波探傷では、ベベル部に未
探傷領域の生ずるおそれがある。このように未探傷領域
が生ずるのは、形状が急に変化する管端ベベル部におい
ては、探触子の接触媒質が安定して保たれないためであ
って、その発生を避けることができない。
【0003】管端部に対しては、管端部限界まで完全に
探傷することが、製品の品質保証上重要であり、特に、
管端ベベル部の未探傷領域は、次工程の管周方向継手溶
接等において、疵が存在してはならない領域であること
から、従来は、ベベル部を、鋼管の内面側から再度探傷
していた。
【0004】このような鋼管ベベル部の超音波探傷装置
として、例えば、実開昭62−44256号公報には携
帯式の探傷装置が、また、実開昭63−35955号公
報には自動式の探傷装置が提案されている。しかしなが
ら、これらの探傷装置では、管端部外面からの探傷と内
面からの探傷の2回の探傷工程を必要とするために、作
業能率が悪い。
【0005】管端部の探傷を1回で行うことができれ
ば、作業能率が向上し有利である。このような1回で済
む探傷手段として、管内面を大型の探触子(例えばハリ
ソニック社製のペイントブラシ型探触子)を使用して探
傷する方法がある。この方法は、一定長さの大型探触子
を、管軸に沿って管内に挿入し、その一端を管端に合致
させた上、管体を回転させることにより、ベベル部を含
む管端部の広い領域を探傷するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、大型の
探触子を使用した場合には、探触子を管体内にこれと平
行に挿入し、管体の内表面と振動子との間のギャップを
常に一定に保つことが必要であり、実際の探傷が非常に
難しくなる。即ち、図6に管端部に対する大型振動子の
挿入状態を断面図で示すように、鋼管13の管端部内に
挿入された振動子12に管端部首曲がりなどにより少し
傾きが生じ、振動子12の両端部A点とB点とで、管内
面との間の距離が1/4波長ずれた場合には、A点とB
点では往復で半波長のずれが生じたことになる。この結
果、例えば、鋼管13の管端部にA点からB点まで、ラ
ミネーション状の疵14が存在していた場合には、疵1
4からのエコーは干渉して、疵を過小評価することにな
る。
【0007】大型探触子を使用すると、このような僅か
な傾きでも、探触子両端で1/4波長以上のずれにな
る。実際に、5MHzの振動子を使用し、接触媒質に水
を使用して探傷した場合には、1/4波長は74μmで
ある。従って、例えば、長さ50mmの振動子を使用し
た場合でも、振動子の許容される傾きは0.074/5
0=15/10000となり、エンジニアリング上、こ
れ以上に保てるかどうかの限界である。
【0008】実際に探傷しても、大型探触子を使用する
と、僅かな傾きでも表面エコー(Sエコー)が増大して
表面不感帯が増大することからも、探傷が不可能である
ことがわかる。特に管端部は曲がりが発生しやすいの
で、大型探触子を使用した場合には、表面不感帯が増大
しやすい。
【0009】この欠点を補う手段として、長さが最大2
5mm以下の複数個の探触子を軸方向に並べて使用する
か、または、検査すべき鋼管の1回転毎に探触子を軸方
向に移動させ、複数回転で検査必要領域をカバーし探傷
する方法がある。
【0010】しかしながら、長さが最大25mm以下の
複数個の探触子を使用する場合には、探触子を密に並べ
ても、探触子相互間に感度低下領域が発生するため、探
触子を管周方向に2列に千鳥状に並べて配置することに
なる。このような探触子の千鳥状配置は、管の曲率に対
し自由に対応させることが困難なため、鋼管のサイズ毎
に対応しにくくて汎用性がなく、且つ、装置が大型化す
る問題がある。また、1回転毎に探触子を軸方向に移動
させる方法は、鋼管を数回転させ、その間探傷を続けな
ければならず、能率の低下が免れない。
【0011】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、鋼管または鋼板端部に対する超音波探傷を、
ベベル部を含む長さ25mm以上の広範囲の領域にわた
り、その内面または外面から、能率的に且つ感度の低下
が生ずることなく、探触子の傾きに対しても安定して行
うことができる装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、長手方向の
一端面にグリップを有するホルダーの両側面下部に設け
られた、被検材の内面または外面に接する倣い機構と、
前記ホルダーの一端部に設けられた、被検材の端面に接
触する端面倣い機構と、一端を前記端面倣い機構の位置
に一致させて前記ホルダー内に前記ホルダーの長手方向
に沿って設けられた、複数素子からなる所定長さのアレ
イ探触子とからなることに特徴を有するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、この発明の装置を、鋼管端
部を探傷する場合について、図面を参照しながら説明す
る。図1は、この発明の装置の一実施態様を示す概略斜
視図、図2は図1のA−A線断面図、図3は概略側面図
である。図面に示すように、一端面にグリップ2を有す
るほぼ長方形の箱状ホルダー1の両側面下部には、検査
すべき鋼管の内周面に接する倣い機構として、周方向倣
いローラ3が左右両側に4個設けられている。周方向倣
いローラ3は、縦長孔を有する支持金物4によって、ホ
ルダー1の側面下部に上下に位置調節自在に取り付けら
れている。ホルダー1のグリップ2側の端部には、検査
すべき鋼管の管端面に接触する端部倣い機構として、管
端倣いローラ5が設けられている。
【0014】ホルダー1内には、その下部に例えば32
素子からなるアレイ探触子6が、その一端を管端倣いロ
ーラ5の位置に一致せしめて軸方向に設けられ、探触子
6の下部には、検査すべき鋼管内面に接触するシュー7
が設けられている。ホルダー1内の探触子6の上部に
は、パッキング材8が挿入されている。
【0015】上記探触子6、シュー7およびパッキング
材8とホルダー1の内面との間には隙間が設けられてお
り、この隙間には例えば水からなる接触媒質9が充填さ
れている。10は接触媒質9の送給用配管であり、探触
子6の長手方向に、両側から接触媒質9が供給されるよ
うになっている。11は探触子6に取り付けられている
ケーブル線である。
【0016】周方向倣いローラ3は、支持金物4によ
り、ホルダー1の側面下部に上下に位置調整自在に取り
付けられているので、装置全体を、鋼管1の曲率に対応
した所定位置に固定することができる。また、周方向倣
いローラ3の高さを調節することによって、鋼管の内面
または外面の何れの面からも探傷することができ、鋼板
端部に対する探傷も可能である。このような周方向倣い
ローラ3および管端倣いローラ5によって、安定して探
傷を行うことができる。なお、鋼板端部を探傷する場合
には、端部倣いローラは当て板状のものでもよい。
【0017】超音波探傷は、シューを使用したギャップ
法または局部水浸法によって行われる。図4に示すよう
に、複数個の振動子が管軸方向に並んだアレイ探触子6
は、隣り合った2素子以上を同時に励振させながら、全
領域を順次探傷する。
【0018】例えば、32素子のアレイ振動子の場合、
2素子ずつ順次31回励振することによって、広範囲の
探傷でありながら、1回の送受信における軸方向の探触
子長さが小さいこと(この例では2/32)により、探
触子の傾き、シューの片減りおよび管端首曲がり等に対
し、肉厚方向の不感帯が少ない安定した探傷が可能にな
る。なお、単一素子のみを順にならしていく方法にしな
いのは、単一素子の場合には、隣接する素子との間に感
度の谷が生ずるからである。
【0019】判定回路としては、図5に示すように、ア
レイ素子の表面エコー(Sエコー)用ゲート、Sエコー
追従によりSエコー直後を監視するSエコー追従ゲート
および探傷ゲートからなる3ゲート方式を使用する。図
5において、aは、探触子の下に被検材がある場合の波
形であり、bは、探触子の下に被検材がない場合の波形
である。
【0020】図5に示すように、各アレイ素子の表面エ
コーの幅または探傷ゲートにより、探触子の下に被検材
が存在しない場合には、波形bに示すように、Sエコー
の幅が広がり、Sエコー追従ゲートにSエコーがもつれ
込むことによって判別し、波形aに示すように、探触子
の下に被検材が存在するとき即ち管内に入っているアレ
イ素子についてのみ探傷を有効と判断し、各アレイ素子
が管内にどこまで入っているかが判別される。
【0021】32素子のアレイの場合、2素子ずつ順次
判定し、Sエコー幅監視用ゲートにエコーが入った場合
には材料がないものとして、判定対象外とすることがで
き、これによって、管端または板端の端部限界まで探傷
することができる。
【0022】
【実施例】次に、この発明を、実施例により更に説明す
る。外径:406.4mm(16”)、肉厚:12.7
mm、管端部30度のベベル加工の鋼管に対する、ベベ
ル部を含む探傷を、下記の32素子電子走査型超音波探
傷装置を使用し、シユーを使用したギャップ方式によっ
て、管内面側から行った。
【0023】 超音波探触子:32素子ポリマーアレイ超音波探触子 振動子材質 :P(VDF−trFE) フッ化ビニリデン−3フッ化エチレン共重合体 振動子寸法 :128mm(4mm×32素子)×6mm 振動子中心周波数:5MHz パルス繰返し周波数は6kHz、同時励振素子数は3素
子とし、順に1素子ずつずらし、30回で1巡するよう
に探傷した。
【0024】被検材は、管端部外面に、直径:5mm、深
さ:肉厚の1/2の平底穴を加工して人工的に疵を付
し、ゲートおよび感度はその疵を十分に検出し得るよう
に設定した。その結果、管端から128mmのベベル部
を含む領域を、管1回転の間に探傷することができた。
【0025】次に、検出力を調査するために、鋼管のベ
ベル部肉厚中央に、肉厚方向に平行に、2mm、4mm
および6mmの3段階の深さのノッチを、幅10mm、
厚さ0.5mmの電極を使用して放電加工により形成
し、本発明装置によりアレイ振動子を使用して探傷した
ところ、上記3段階の深さのノッチの何れも確実に検出
することができ、ベベル部を含む広範囲にわたり十分な
検出力を有することが明らかであった。
【0026】これに対し、比較のために、5C6×25
N(周波数5MHz、振動子寸法6×25mm)の通常
の振動子を使用して探傷したところ、4mmおよび6m
mの深さのノッチは検出することができたが、2mmの
深さのノッチは検出することができなかった。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
鋼管または鋼板端部に対する超音波探傷を、ベベル部を
含む長さ25mm以上の広範囲の領域にわたり、その内
面または外面から、管1回転の間に能率的に且つ感度の
低下が生ずることなく、探触子の傾きに対しても安定し
て行うことができる等、工業上有用な効果がもたらされ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の装置の一実施態様を示す概略斜視図
である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】この発明の装置の概略側面図である。
【図4】電子走査型超音波探傷器のブロック図である。
【図5】3ゲート方式のゲート設定図である。
【図6】従来の大型振動子を使用した管端部の探傷状態
を示す図である。
【符号の説明】
1 ホルダー 2 グリップ 3 周方向倣いローラ 4 支持金物 5 管端倣いローラ 6 アレイ探触子 7 シュー 8 パッキング材 9 接触媒質 10 配管 11 ケーブル線 12 振動子 13 鋼管 14 疵
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 29/00 - 29/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向の一端面にグリップを有するホ
    ルダーの両側面下部に設けられた、被検材の内面または
    外面に接する倣い機構と、前記ホルダーの一端部に設け
    られた、被検材の端面に接触する端面倣い機構と、一端
    を前記端面倣い機構の位置に一致させて前記ホルダー内
    前記ホルダーの長手方向に沿って設けられた、複数素
    子からなる所定長さのアレイ探触子とからなることを特
    徴とする、鋼管または鋼板端部の超音波探傷装置。
JP17556097A 1997-07-01 1997-07-01 鋼管または鋼板端部の超音波探傷装置 Expired - Fee Related JP3334564B2 (ja)

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