JP3333857B2 - 交流電力の位相制御回路 - Google Patents

交流電力の位相制御回路

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、無接点方式の交流電
力調整装置において、その設定入力として電流信号を使
う位相制御方式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】サイリスタやトライアック等(以下では
主素子という)を用いた従来の交流電力調整装置で、入
力電流信号(例えば4〜20mA) による位相制御方式の例
を、図3のブロック図に示す。出力値を設定するために
外部から入力電流信号4が送られてくると、この入力電
流信号4をI−V変換部60によって電圧に変換し、その
電圧に対応した点弧位相をもつ点弧パルスを点弧パルス
作成部7で発生させる。この点弧パルスをフォトカプラ
あるいはパルストランスなどによる絶縁型点弧パルス増
幅部8(図3にはフォトトランジスタを用いたフォトカ
プラ81を示した)で、主素子2(図3では1台のサイリ
スタ)をゲートドライブするための点弧パルスに増幅
し、主素子2をゲートドライブする。主素子がサイリス
タの逆並列接続あるいはトライアックの場合には、絶縁
型点弧パルス増幅部8は独立した2つの出力点弧パルス
を発生する回路に変更される。
【0003】I−V変換部60の例を図4に示す。入力電
流信号4は抵抗65で電圧に変換され、オペアンプ66で増
幅及びインピーダンス変換されて、点弧パルス作成部7
へ送られる。次に、点弧パルス作成部7の例を図5に示
す。I−V変換部60の出力電圧は、可変抵抗72とでソー
スフォロワ回路を構成しているFET71のゲートに入力
され、コンデンサ73を充電するための電流を調整する。
充電状態によって変化するコンデンサ73の充電電圧をP
UT76のアノードに接続する。一方、位相制御回路電源
部5から供給された交流電源の全波あるいは半波整流波
形をもつ電圧を抵抗74と抵抗75で分圧し、PUT76のゲ
ートに接続して、抵抗74と抵抗75で決まる電圧をコンデ
ンサ73の充電電圧が越えたときPUT76をトリガーし、
点弧パルスを作成する。したがって、コンデンサ73への
充電電流の大きさによって点弧パルスの位相が決定され
るのである。なお、可変抵抗72はI−V変換部60の特性
のバラツキを調整するためのものである。ゼロクロス時
放電回路は1サイクル毎にコンデンサ73に蓄積された電
荷を放電して初期状態を一定にするための回路である。
【0004】なお、FET71をトランジスタに替えるこ
ともできるが、この場合には、I−V変換部60の出力電
圧をトランジスタを制御するために電流信号に変換する
ためのトランジスタ回路が必要となる。I−V変換部60
及び点弧パルス作成部7のための電源、すなわち、位相
制御回路電源部50は、交流電源1に絶縁トランス51を介
して絶縁して接続され、交流電源より電力を供給されて
いる。
【0005】位相制御回路200 と、主素子2が接続され
ている交流電源1とは、絶縁トランス51及び絶縁型点弧
パルス増幅部8によって絶縁されているため、外部から
の入力電流信号4は交流電源1と絶縁されていることに
なり、入力電流信号4の発生源機器での感電に対する安
全を確保し、絶縁耐圧不足や過電圧印加による部品破壊
を防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】交流電源1と外部から
の入力電流信号4の発生源機器とを絶縁する手段として
絶縁トランス51を用いると、機器の形状、重量及びコス
トが大となる。この点含めて回路を簡略化し、小型、
軽量で低コストの位相制御回路を実現することが課題で
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、この発明では、入力電流信号の大きさに応じて主素
子の点弧パルスの位相を調整して交流電力を調整する交
流電力調整装置の位相制御回路において、入力と出力と
の間に絶縁機能を有し、前記入力電流信号を電圧信号
変換するI−V変換手段と、該I−V変換手段の出力電
圧信号に対応した点弧位相を持つ点弧パルス作成部とを
備え、該点弧パルス作成部より出力される点弧パルスに
よって前記主素子を制御している。入力電流信号と出力
電圧との間に絶縁機能を有するI−V変換手段として、
特に有力な手段は、入力電流レベルを電圧レベルにアナ
ログ的に変換する機能を有するフォトカプラがある。
【0008】このようなI−V変換手段を備えているの
で、この発明による位相制御回路は、その位相制御回路
電源部を交流電源に直接接続して構成してもよい。
【0009】
【作用】入力電流信号と出力電圧との間に絶縁機能を有
するI−V変換手段を備えているので、外部からの入力
電流信号の発生源機器と位相制御回路電源部とは、I−
V変換手段の部分で絶縁される。したがって、位相制御
回路電源部を交流電源と絶縁する必要はなくなる。
【0010】入力電流レベルを電圧レベルにアナログ的
に変換する機能を有するフォトカプラは、入力電流信号
を光に変換する発光ダイオードと、これに光結合された
複数個の直列接続されたフォトダイオードで構成されて
おり、光起電力を出力電圧として利用するもので、出力
側には電源を必要としない。更に、出力部に接続する抵
抗値により、入力電流と出力電圧の相関関係を大幅に調
整することができる。
【0011】
【実施例】図1及び図2に、この発明の実施例を示す。
図において、従来技術と同じ機能をもつ部分には従来技
術の場合と同じ符号を付した。従来技術と共通する部分
は説明を省略する。図1は全体の構成を示すブロック図
であり、図2はI−V変換部6と点弧パルス作成部7の
構成と接続を示すブロック図である。入力電流信号4と
出力電圧との間に絶縁機能を有するI−V変換手段とし
て、入力電流レベルを電圧レベルにアナログ的に変換す
る機能を有するフォトカプラを用いた例を示している。
なお、点弧パルス作成部7の構成は従来技術と同じ構成
である。
【0012】ここに用いるフォトカプラ61は、入力電流
信号4に対応した光を発生する発光ダイオードと、これ
に光結合された複数個の直列接続されたフォトダイオー
ドとで構成されており、このフォトダイオードは光量に
応じて光起電力を発生するものである。このフォトダイ
オードの出力端子間には抵抗62を接続し、出力アノード
端子には、位相制御回路電源部5より供給される全波あ
るいは半波整流波形を持つ電圧を接続し、出力カソード
端子は点弧パルス作成部7のFET71のゲート端子に接
続する。
【0013】一方、位相制御回路電源部5は交流電源1
に直接接続されている。この電源部は全波あるいは半波
整流回路と抵抗という簡単な構成であり、その出力はフ
ォトカプラ61の出力アノード端子を経て、ゼロクロス時
放電回路、可変抵抗72及び抵抗74に接続されている。点
弧パルス作成部7及び絶縁型点弧パルス増幅部8は従来
技術と同じであるので説明は省略する。
【0014】
【発明の効果】この発明によれば、入力電流信号4と出
力電圧との間に絶縁機能を有するI−V変換手段を備え
ているので、外部からの入力電流信号4の発生源機器と
位相制御回路電源部5とは、I−V変換手段の部分で絶
縁される。したがって、位相制御回路電源部5を交流電
源1と絶縁する必要はなくなる。このため、従来技術で
は必要であった位相制御回路電源部50と交流電源1との
間の絶縁トランス51は不要となる。したがって、位相制
御回路の形状、重量及びコストを大きくしていた最大の
要因であった絶縁トランス51を無くすることができ、位
相制御回路の小型、軽量及び低コスト化を実現できる。
【0015】更に、入力電流信号4と出力電圧との間に
絶縁機能を有するI−V変換手段として、入力電流レベ
ルを電圧レベルにアナログ的に変換する機能を有するフ
ォトカプラを使用すると、このフォトカプラは光起電力
を出力電圧として利用するもので、出力側には電源を必
要としない。そのため、従来技術のオペアンプによる場
合のように直流電源を必要とすることはなく、位相制御
回路電源部5に必要な機能が大幅に簡略化できる。この
ことによって、位相制御回路のより小型、軽量及び低コ
スト化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による位相制御回路の実施例を示すブ
ロック図
【図2】この発明のよるI−V変換部及び点弧パルス作
成部の構成と接続を示すブロック図
【図3】従来技術による位相制御回路を示すブロック図
【図4】従来技術によるI−V変換部を示すブロック図
【図5】従来技術による点弧パルス作成部を示すブロッ
ク図
【符号の説明】
1 交流電源 2 主素子 3 負荷 4 入力電流信号 5, 50 位相制御回路電源部 51 絶縁トランス 6, 60 I−V変換部 61 フォトカプラ 62, 65 抵抗 66 オペアンプ 7 点弧パルス作成部 71 FET 72, 可変抵抗 73 コンデンサ 74, 75 抵抗 76 PUT 77 ゼロクロス時放電回路 8 絶縁型点弧パルス増幅部 81 フォトカプラ 82 抵抗 100, 200 位相制御回路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力電流信号の大きさに応じて主素子の
    弧パルスの位相を調整して交流電力を調整する交流電力
    調整装置の位相制御回路において、入力と出力との間に絶縁機能を有し前記 入力電流信号を
    電圧信号に変換するI−V変換手段と、該I−V変換手
    段の出力電圧信号に対応した点弧位相を持つ点弧パルス
    作成部とを備え、該点弧パルス作成部より出力される点
    弧パルスによって前記主素子を制御することを特徴とす
    る交流電力の位相制御回路。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のI−V変換手段が、入力
    電流レベルを電圧レベルにアナログ的に変換する機能を
    有するフォトカプラであることを特徴とする交流電力の
    位相制御回路。
  3. 【請求項3】請求項1及び請求項2のいずれかに記載の
    交流電力の位相制御回路において、 位相制御回路のための電源部を電力調整される交流電源
    に直接接続していることを特徴とする交流電力の位相制
    御回路。
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