JP3333200B2 - 径方向に対称なホログラム及びその製造方法 - Google Patents
径方向に対称なホログラム及びその製造方法Info
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Description
びこの製造方法によって製造されたホログラムに関する
ものである。
の光学系で大きな役割を果している。現在、ホログラム
は、高解像度結像光学系、集束及び平行化光学系、非球
面素子の試験、及び屈折性素子の色収差補正を含む幅広
い用途において回折性光学素子として広く使用されてい
る。
レート上に形成し、この写真プレートを現像することに
より回折性光学素子用のホログラムを製造することが既
知である。米国特許第4607914号の名称「オプティカル
システム デザイン テクニークス ユージング ホ
ログラフィク オプティカル エレメント(Optical Sy
stem Design Techniques Using Holographic Optical E
lement)」、米国特許第4649351号の名称「アパラタス
アンド メソッド フォー コヒーレントリィ アデ
ィング レーザ ビームス(Apparatus and Method
for Coherently Addirg Laser Beams)」、及び米
国特許第4813762号の名称「コヒーレント ビーム カ
ミング オブ レーザズ ユージング マイクロレンズ
イズ アンド ディフラクティブ カップリング(Cohe
ret Beam Comig of Lasers Using Microlenses and Dif
fractive Coupling)」を参照されたい。
よって作られたホログラムは、ホログラムの干渉縞を作
り出す内部形態を含んでいる。これら干渉作用を利用し
たホログラムは、典型的には個別に作られ、精密な装置
を用いてコヒーレントな光ビームによる干渉縞を写真プ
レート上に形成する必要がある。従って、これらのホロ
グラムは大量生産するのは困難である。
ため、コンピュータ設計ホログラム(CGH)が開発され
た。CGHは、特別な機能を達成する所望のホログラフィ
ックパターンを計算し、次にこのパターンをフォトリソ
グラフィ又は他の技術を利用してガラス又は他の基板上
に形成することによって製造されている。この技術は、
例えば米国特許第4960311号の名称「ホログラフィック
エクスポージャ システム フォー コンピュータ
ジェネレイテッド ホログラムス(Holographic Exposu
re System For Computer Gemerated Holograms)」に記
載されている。
ることも既知である。この反復性個別エンコーディング
では、ホログラムを矩形セルの2次元アレイに分割して
いる。そして、各矩形セルについて初期透過率値が選択
され、ホログラムのための最適化された位相が計算され
る。次に、反復性最適化処理が用いられてセルの透過率
値が最適化される。次に、ホログラムについての誤差関
数が画像品質に基いて計算される。単一のセルについて
変更が行なわれ、出力パターンの変更が計算される。次
に、誤差関数が再計算される。誤差関数の変化に基き、
この変化が受け入れられ又は拒絶される。この処理は誤
差関数が受け入れられる値に到達するまで反復繰り返さ
れ、画像品質が最適化される。これらの処理を反復して
行なう場合コンピュータを用いることは理想である。こ
の理由は、光学系の設計に莫大な時間がかかるからであ
る。
用いる例として、特開昭59−50480号公報に記載された
名称「チェッキング デバイス オブ リプロディユー
スド イメージ オブ カルキュレーティング ホログ
ラム(Checking Device of Reproduced Imege of Calcu
lating Hologram)」及び米国特許第4969700号発明の名
称「コンピュータ エイディッド ホログラフィー ア
ンド ホログラフィック コンピュータ グラフィック
ス(Computer Aided Holography and Holographic Conp
uter Graphics)を参照されたい。反復エンコーディン
グも1984年に発行された雑誌“アプライド オプティッ
クス(Applied Optecs)の第23巻No.18,第3099頁〜第31
04頁に記載された文献「コンピュータ ジェネレイデッ
ド ホログラムス フォー ジュオメトリック トラン
スフォーメーションズ(Computer Gemerated Holograms
for geometric Transfarmation)」及び1984年に発行
された雑誌“アプライド オプティックス(Applied Op
tics)”第23巻、No.14,第2441頁〜第2447頁に記載され
ている文献「コンピュータージェネレイデッド レイン
ボー ホログラムス(Computer−Generated Rainbow Ho
lograns)」に記載されている。また、反復個別軸上エ
ンコーディング法は、1989年に発行された雑誌“オプテ
ィカル ソサイエティー オブ アメリカ(Optecal So
ciety of Amereca)”の第479頁〜第481頁に記載されて
いる文献「イテラティブ エンコーディング オブ ハ
イ−エフィシェンシ ホログラム フオー ジェネレー
ション オブ スポット アレイズ(Iterative Encord
ing of High−Efsiciency Holograms for Gemeration o
f Spot Arrays)」に記載されており、この文献の記載
内容は本願発明の内容として援用する。
ィング法を実施する際の多くの障害は、この方法によっ
て達成される回折効率が低いこと、典型的な場合50%以
下の回折効率しか得られないことである。カルフォルニ
ア州、パサディナのオプティカル リザーチ アソツエ
ーツ社から市販されているCODE Vのような市販のCGH
ソフトウエア パッケージは現在入手でき、このソフト
ウエアはホログラムを高効率光学系用の連続位相プロフ
ァイルとしてモデル化している。反復エンコーディング
法は理論的に100%の回折効率を達成できるが、この回
折効率を達成するためには連続位相プロファイルが必要
である。しかしながら、ホログラムは本質的に不連続な
大規模集積化(“VLSI")製造技術を用いて一般的に製
造される。不幸なことに、VLSI製造技術では連続位相プ
ロファイルを製造することができない。従って、連続位
相プロファイルに基いて製造する場合、回折効率が大幅
に低下してしまう。
ロファイルを近似したものとして離散的位相レベル
(N)を用いる径方向対称性ホログラムが開発されてい
る。この方法では、最初にCGHは、上述したCODE Vの
ような光学設計光線追跡プログラムで連続位相オンリホ
ログラムとしてモデル化される。次に、連続位相関数が
サンプリングされ最も近接した個別の位相レベル(N)
に近似される。この方法は、“Direct Sampling"方法と
して既知である。
次式で与えられる。
は最小の回折格子周期である。コリメータレンズ又は集
束性レンズの場合、Tminはホログラムfナンバと関係し
次式で与えられる。
して規定することができ、λは光源の波長である。
で与えられる。
造する場合、J個のフォトリソグラフィ マスキング及
びエッチング工程が用いられる。この方法で製造された
ホログラムは一連の円形リングを有し、2個の隣接する
リング間の位相レベル(N)の数の差は、この差がN−
1に等しい縞間を除いて、1に等しい。マスクの数
(J)と位相レベル(N)の数との間の関係は以下の式
で与えられる。
明の名称「ハイ−エフィシェンシ マルチレベル ディ
フラクティブ オプティカル エレメンツ(High−Effi
ciency Multilevel Diffractive Optical Elements)」
に記載されている。
は、製造工程に固有の微細な形態サイズの限界に起因し
て小さなfナンバが要求される場合、回折効率が低くな
ってしまう。CGHのfナンバが低下するとCGHの格子周期
も減少するので、式(1)では少数の位相レベルしか用
いることができない。さらに、式(3)は、CGHの最小
形態サイズ(δ)がTmin/Nよりも一層小さい場合だけ有
効である。
イズ(δ)がTmin/N程度の場合、実際のCGH回折効率は
式(3)で与える回折効率よりも顕著に低下する。大き
なfナンバ素子(fナンバ>30)の場合90%を超える回
折効率が報告されているが、上述した工程の小さなfナ
ンバのCGHの場合の回折効率は、製造上の形態サイズの
限界に起因して一般的に約40〜50%である。従って、小
さなfナンバが要求される場合、高い回折効率を有する
ホログラムについは位相が連続する必要がある。
ログラム及びその製造方法を提供することにある。
ログラム(CGH)を提供することにある。
法のホログラムよりも一層高い回折効率を有する小さな
fナンバのホログラムの製造方法を提供することであ
る。
ついての径方向対称性反復個別軸上(“RSIDO")エンコ
ーディング法及びこの方法によって作成されたホログラ
ムによって実現される。本発明の径方向対称性反復個別
軸上ホログラムは、径方向の位相が一定の複数の同心状
の縞を決定することにより製造される。次に、各同心状
の縞について多数の径方向位相遷移点及びこれら位相遷
移点間の径方向位相値を決定する。これら径方向位相遷
移点及び径方向位相値は繰り返し最適化されて、ホログ
ラムの性能を最大にする最適化された径方向位相遷移点
及び最適化された径方向位相値が得られる。径方向対称
性ホログラムは、これら最適化された径方向位相遷移点
及び径方向位相値に基いて基板上に形成する。
る。このホログラムは、各リング毎の径方向位相遷移点
及び径方向位相値によって完全に特徴付けられる。径方
向位相遷移点は最初にサブ最適化法によって選択され、
径方向位相値はホログラムリング間に分配される。初期
ホログラム透過率が選択され、回折パターンを計算す
る。次に、画像品質の目安となる誤差関数を計算する。
この誤差関数は、高い性能を有する回折パターンが作成
されたとき誤差関数が最小になるように選択する。
回折パターン及び新しい誤差関数を計算する。試みた透
過率が誤差関数を減少させた場合、この変更を受け入れ
る。誤差関数が増加する場合、ホログラムの透過率の変
更が順次の反復で減少する可能性がある場合条件付き受
け入れる。全てのホログラムリングが1回で新しくなっ
た後には、単一の変更が完全であると考える。この反復
処理は、受け入れることができる回折パターンを発生さ
せるホログラム透過関数が見い出されるまで連続して行
なう。この反復性最適化ルーチンを用いて、ホログラム
回折効率を最大にし収差を最小にする径方向遷移点と径
方向位相値との最適な組を決定する。
他のいかなる方法で得られるホログラムよりも一層高い
回折効率のホログラムを作成することができる。通常の
エンコードされたホログラムよりも一層高い回折効率を
得ることができる。この理由は、既知の方法では、製造
作業における固有の形態サイズの制約に起因して同一の
高い回折効率を得るためには大きなfナンバが必要にな
るからである。
ーディング法とは相異する。この理由は、既知のIDOエ
ンコーディング法はホログラムを矩形セルのアレイに分
割し各セルの透過率を反復最適化ルーチンにより決定し
ているからである。これに対して、RSIDOエンコーディ
ング法では、ホログラムをリングアレイに分割してい
る。リングの透過率及び各リングの境界は反復最適化ル
ーチンによって決定される。さらに、従来のIDOエンコ
ーディング法を用いて透過関数を径方向に対称にエンコ
ードする場合、得られるホログラムは、RSIDOエンコー
ディングホログラムとは大幅に相異する。すなわち、従
来のIDOエンコーディング法は、取り得る位相遷移点を
矩形セルの境界の位置に限定しているからである。
なホログラムのDirect Sampling法とも相異する。特
に、RSIDOエンコーディング法は、任意の位相のリング
の位置ではなく一定位相の縞の位置によって離散的なホ
ログラム透過率を繰り返し決定している。各縞は、同一
の位相遷移を有する数個のリングを含んでいる。RSIDO
エンコーディング法は、任意の位相のリング位置ではな
く一定位相の縞の位置を決定しており、反復最適化法を
行なうための計算時間が大幅に減少する。
ホログラムは、一般的に径方向に対称なホログラムのDi
rect Sampling法によって製造されたホログラムとも相
異する。この一般的に径方向に対称なホログラムは一連
の同心状のリングを有し、2個の隣接するリング間の位
相レベル(N)の差は、位相レベルの差が位相レベルの
数から1を減算した値(N−1)に等しい縞間を除いて
1に等しい。これに対して、RSIDOエンコーディング法
によって作成されたホログラムは一般的に径方向に対称
なホログラムとは相異する。この理由は、N個の位相レ
ベルを有するRSIDO法によるホログラムでは、2個の隣
接する縞間の位相レベルの数(N)における差は1より
も大きく且つ予め定めた位相レベルの数から1を減算し
た値(N−1)以下であり、すなわち位相間引が存在す
る。
詳細に説明する。しかしながら、本発明は種々の形態と
して実施することができ、ここで説明する実施例だけに
限定されるものではない。また、ここで説明する実施例
は説明全体を完全にし当業者に本発明の範囲を十分に説
明するためのものである。尚、全体を通して同一又は類
似の部材には同一符号を付して説明する。
グラムの製造方法について説明する。ブロック10に示す
ように、最初に所望の光学系を特定する。この工程にお
いて、設計者は光学系の性能特性を決定する。例えば、
設計者は光学系中において光を平行光とするためのホロ
グラムを使用することを望む場合がある。これら所望の
用途の場合、設計者は所望の結果を達成するための所望
の光学系の性能を特定する。
を特定する。一旦所望の光学系が特定されると、設計者
は当業者にとって周知の幾何学的、放射性又はスカラ回
折計算を行なうことによって所定の光学系の光学パラメ
ータの組を特定することができる。これら光学系のパラ
メータは、光学素子の曲率、光学素子の屈折率、光学素
子の位置及び大きさ、像点、焦点距離、像の大きさ、1
個以上の光学素子が光学系中に含まれている場合には素
子間の相対的間隔、及び光源の波長を含むことができ
る。
ロック30で示すように光学系の定数を決定する。当業者
にとって周知の光学定数は、特定された光学系のパラメ
ータの組を利用して決定することができる。例えば、光
学系のFナンバは、素子の焦点距離をその素子の直径で
除算することにより通常決定される。素子の焦点距離及
び直径は、共にブロック30で示す工程において特定され
た初期の光学系のパラメータである。一旦Fナンバが計
算されると、このFナンバは特定された光学系の結像性
能を改善するための種々の変更に亘って同一に維持す
る。
れた光学系パラメータの組及びブロック30で特定された
光学定数から各同心状の縞についての多数の径方向の位
相遷移点及びこれら位相遷移点間の径方向位相値を決定
する。多数の径方向位相遷移点及び径方向位相値を決定
するため、初めにレイリーサマーフェルドの回折式を用
いて図2に示す軸上光学系における単一の径方向対称素
子又はリングをモデル化する。像面のスカラ振幅及び位
相分布は次式で与えられる。
び位相振幅であり、その積分は全ホログラム面(ds)に
亘って行なう。(5)式において、κを用いて波数(κ
=2π/λ)を指定し、kは加算インデックスとし、r
は光学素子の像面の径方向の距離ベクトルとし、は単
位法線とし、jは とする。スカラ振幅及び位相分布は、入射波A(r21)
にホログラム透過関数H(P1)を乗算することにより得
られる。
り分離式が生ずる。
及びθはホログラム面における座標であり、Rは図3に
示すホログラムの半径である。この式は加算すると以下
のように近似される。
(θ=LΔθ)で表わされ、像面の点はm及びnで指定
され、Lは加算インデックスである。式(8)は以下の
ように書き直すことができる。
求めるのに必要な計算時間の大部分を表わす。しかしな
がら、Ckmnはホログラム透過率に対して完全に独立して
いる。従って、これらの和は前処理されて3次元アレイ
として記憶することができる。この記憶されたアレイに
より、ホログラム透過率が変化する毎に画像振幅及び位
相分布を速かに計算することができる。
の回折式に基き、ホログラム全体は図4に示すK個の同
心状のリングの組として表わすことができる。ホログラ
ム透過率の振幅はホログラム全体に亘って1である(co
ntinuous phase−only hologram)。各リングの位相φ
kは一定値に限定され、以下の組のN個の値のうちの1
個の値に限定される。
ら、ホログラム透過率は以下の式で与えられる。
イズ(δ)は形態の配置精度(Δρ)よりもはるかに大
きい。この特性を考慮するため、K個のリングを一定位
相のP個の同心状の縞にグループ化する。ここでP
〈〈Kである。P個の縞の各々はK個のリングのうちの
少なくともδ/Δρ個のリングを含む。
の最小形態サイズの大きさになる。Δρは最小形態配置
精度に設定する。最小形態サイズの典型的な値は0.3μ
m〜1.0μmであり、最小配置精度の典型的な値は0.03
μm〜0.5μmである。
のスカラ振幅及び位相分布で置き換えると、次式が得ら
れる。
る。
与を表わし、Spmnは以下の式で与えられる。
グラムの位相透過率は原点からの径方向の距離の関数と
してプロットした。最小形態サイズ(δ)は7Δρに等
しいので、各縞は少なくとも7個のリングを含む。
る。一方のアレイは、位相が一定の予め定めた位相レベ
ルから次の位相レベルに遷移する半径を示すインデック
スks(p)を含む。他方のアレイは各同心状の縞の位相
値(φp)を含む。
点及び径方向位相値が決定されると、次にホログラム透
過関数が特定され、次にブロック50で示すように誤差関
数が決定される。この誤差関数は出射面における強度分
布から決定される画像品質に基くものである。
(η)、二乗平均誤差(MSE)、S/N比(SNR)又は他の
画像基準のような誤差測定技術から決定できる。光学的
相互結合及びファイバの光結合を含む多くのCGHの場
合、性能を回折効率に基礎を置くことで十分である。こ
の場合、有用な誤差関数は次式で与えられる。
り与えられる。各部分Pmnのパワーは単一の構成部分の
区域が乗算された強度となる。同様に、ホログラムに入
射する全パワーは定数で与えられる。
ログラムへの入射パワーで除算することにより決定さ
れ、次式で表わされる。
mnはインデックス(m,b)を有する像面座標に向けて偏
向されるパワーである。
させるように選択する。例えば、光学的に相互結合する
場合、検出器は像面の特定の位相に配置され、M及びB
点は検出器の表面領域に亘って分配する。
され入射波面の範囲に亘って適正な性能が与えられる。
例えば次式で与えられる誤差関数により、 Q個の入射波面について高性能なCGHが得られる。式(1
9)において、ηqはq番目の入射波面に対する回折効
率であり、aqは使用によって特定された“重み付け”と
称せられる定数である。重み付け値は適切に調整され、
各入射波面と関連する相対重要度を変化させる。
定した複数の径方向位相遷移点及び径方向位相値を繰り
返し最適化して式(19)で示す誤差関数を最小にする径
方向位相遷移点及び径方向位相値を見い出す。初期径方
向位相遷移点及び径方向位相値が選択された後、最内周
側の縞の位相値及び位置について変更を行なう。誤差関
数を再計算し、変更を受け入れ又は拒絶する。各縞につ
いて順次の順序で最外周に達するまで変更を行なう。こ
れにより、単一の相互作用が構成される。
する回折パターンの変化だけを計算することにより、直
ちに再計算される。この再計算処理は、最適化された位
相遷移点及び位相値に到達したとき高い光学性能が生ず
るまで連続して行なう。これらの最適化された位相遷移
点及び位相値はエンコーディングアレイにより保持す
る。
(δ)でいかにして限定されるかを示す。現在、約0.5
μmの形態が最新の深い紫外線ウエファステッパを用い
て製造される最小の形態である。従って、2個の位相レ
ベルを用いてfナンド=1の素子を製造することがで
き、この結果Nを式(4)で述べた2J個の位相レベルに
限定した場合41%の最大の回折効率が生ずる。ここで、
Jはマスクの数である。Direct Sampling法を用いて約9
4%の回折効率を得るためには約0.2μmの形態サイズが
必要である。他方において、RSIDOエンコーディング法
は、以下に示すように制限されに限定された位相レベル
Nを有する。
ルに限定されない。ここで、J個のマスクを用いる。
てfナンバ=1を有する素子の場合の最小形態サイズ
(δ)に対する回折効率の関係を示す。δ=0.7μmの
場合、80%以上の回折効率に到達することができる。図
8及び図9は、fナンバ=1.5及びfナンバ=2の素子
の場合の最小形態サイズ(δ)と回折効率との関係をそ
れぞれ示す。RSIDOエンコーディング法によれば、0.7μ
mの既知の製造形態サイズを用いて式(3)により与え
られる分析結果に接近するfナンバ=2の素子が得られ
る。
irect Sampling法とを比較し得られたホログラムの差異
を示す。図10A,図10B及び図10Cは種々の半径に対するf
ナンバ=1を有するRSIDOエンコーディングされた位相
プロファイルを示す。8個の位相レベルが用いられ、生
じた回折効率は67%である。図10Aはホログラムの回折
周期が最小形態サイズ(δ=1.0μm)に比較してより
大きい矩い半径を示す。この場合、RSIDOエンコーディ
ング法はDirect Sampling法と同様である。この位相レ
ベルは7から0である。一方、必ずしも矩形とする必要
はない。RSIDOエンコーディング法は縞を僅かに移動さ
せて回折効率を改善することができる。この場合、連続
する関数は100%の回折効率を有するので、縞調整を行
なって回折効率に対するエンコーディングの効果を補償
する。
ログラムの位相プロファイルを示す。ここで、ホログラ
ムの格子周期は最小形態サイズに比べて小さいので、8
個全ての位相レベルは1個の周期に適合していない。こ
れは、Direct Sampling法をもはや用いることができな
い限界を示す。RSIDOエンコーディング法は、細孔の回
折効率が得られるまで位相レベルを任意に選択すること
になる。この方法が極めて類似した縞についていかにし
て種々の位相レベルを選択するかについて注意された
い。
が通常の径方向に対称なホログラムと相違することを示
す。すなわち、RSIDOエンコードされたホログラムにお
いては、少なくとも2個の隣接する縞間の位相レベル
(N)の数の差が1以上であって予め定めた同心状の縞
の数から1だけ減算した値以下であるからであり、すな
わち“位相間引き”が存在するからである。位相間引き
を用いてホログラムの性能が最適化される。
を有するホログラムを示す。図10Cは格子周期が最小形
態サイズ(δ)の約2倍となる端部付近のホログラム縞
を示す。設計者は選択されるべきπラジアンだけ分離し
た位相レベル(N)を予期するが、RSIDOエンコーディ
ング法ではより可能性の少ない選択によって最高の回折
効率が得られることが決定される。
ling法を用いる径方向に対称なホログラムの取り得る最
良の比較結果を示す1組の表を示す。fナンバ=5の素
子の場合、小さな最小形態サイズを用いれば、2個の方
法によって互いにほぼ同一の結果が得られる。しかしな
がら、fナンバ<5の素子の場合、図11A及び図11Bに示
すようにRSIDOエンコーディング法によって一層高い回
折効率が得られる。図11Cの表は、近接フォトリソグラ
フィ マスクアライナのような装置の限界であるδ=2.
0μmの場合に、RSIDOを用いて5以上のfナンバの素子
の回折効率をいかにして一層高くできるかを数値的に示
す。
ングする前に100%の回折効率を有する位相連続関数を
用いて開始した結果である。さらに、RSIDO法は、エン
コーディングして1個又は2個の光学素子系についての
不十分な初期連続関数の回折効率を改善するのに有用で
ある。例えば、回折効率がたかだか4.35%の位相連続関
数をスタート関数として用いた。適切な強化スケジュー
ルを有するRSIDOエンコーディングにより、0.7μmの形
態サイズで8段階の位相レベルのホログラムにおいて81
%の回折効率が生じた。
とができる。CODEVのような光線追跡プログラムを用い
て連続位相プロファルを決定しその後エンコーディング
する代りに、エンコーディング及びホログラム位相関数
を1回の工程で決定することができる。この処理によ
り、2回の工程処理よりも一層高い性能のホログラムを
作成することができる。
折効率を有する連続位相関数を用いてスタートするRSID
Oエンコーディング法が好適である。この場合、誤差関
数は位相離散関数と位相連続関数との間の相関により決
定する。
によって最適化された位相遷移点及び最適化された位相
値が決定され保持された後ブロック70においてホログラ
ムの製造を行なう。この工程において、保持されている
最適化された位相遷移点及び位相値に対応する同心状の
縞を有する複数のマスクを作成する。次に、これらマス
クを用いて径方向に対称なホログラム基板に当業者にと
って周知のエッチング処理を行なう。堆積技術のような
他の製造技術も用いることができる。
の部分だけを用いることも当業者にとって周知であり、
この場合得られるホログラムは必ずしも径方向に対称で
はない。RSIDOエンコーディング法はこれらの用途にも
用いることができる。
技術を用い本発明に基いて製造した径方向に対称なホロ
グラムの断面を示す走査電子顕微鏡写真である。この顕
微鏡写真は、格子周期が最小形態サイズに比べて小さい
ため、1個の格子周期(T)に整合していない8個の位
相レベルを有する本発明のホログラムを示す。一定位相
の縞間に8個の位相レベルを用いて形成されたホログラ
ムと5個の位相レベルだけを用いて形成されたホログラ
ムが示されるので、RSIDOエンコーディング法の“位相
間引き”特性が示される。
し、説明に際し特有の用語を用いたが、これら用語は一
般的な意味で用いたものであり以下の述べる本発明の範
囲を限定するものではない。
するプロセスを示す線図である。
イリーソマフェルド回折式に基く軸上光学系にモデル化
する方法を示す線図である。
ある。
率を示す線図である。
コンピュータ形成ホログラムのプロファイルを示す線図
である。
(Direct Sqmpling法)が最小形態サイズ(δ)によっ
ていかに制約を受けるかを示す線図である。
最小形態サイズに対する回折効率を示す線図である。
る最小形態サイズに対する回折効率を示す線図である。
最小形態サイズに対する回折効率を示す線図である。
ンバ=1のエンコードされた位相プロファイルを示す線
図である。
た径方向に対称なホログラムと本発明のRSIDO法によっ
て製造された径方向に対称なホログラムとの比較結果を
示す1組の表である。
された径方向に対称なホログラムの断面を示す走査型顕
微鏡写真である。
Claims (4)
- 【請求項1】複数の一定位相の縞を有するホログラムの
製造方法であって、 光学系のパラメータを特定する工程と、 一周期内で用いられる位相レベルの最大数を決定する工
程と、 各周期毎に、最少形態サイズにより形成される多数の位
相レベルを決定する工程と、 各同心状の縞について、位相レベルが最大数の光学系の
パラメータから、複数の位相遷移点並びに位相遷移点間
の位相値を決定する工程と、 複数の位相遷移点及び位相値を各周期について繰り返し
最適化して、最適化された位相遷移点及び最適化された
位相値を得る工程と、 前記最適化された位相遷移点及び最適化された位相値に
対応する一定位相の同心状の縞を有するホログラムを製
造する工程とを具え、 少なくとも1個の周期内において、少なくとも2個の隣
接する縞が、1つの位相レベルよりも大きな位相レベル
の差により分離されていることを特徴とするホログラム
の製造方法。 - 【請求項2】請求項1に記載の方法において、さらに、
マスタホログラムを製造する工程と、 マスタホログラムを用いて、基板に複数のホログラムを
形成する工程とを具えることを特徴とするホログラムの
製造方法。 - 【請求項3】請求項1に記載の方法において、前記最適
化する工程が、 光学系の誤差関数を決定する工程と、 前記複数の位相遷移点及び位相値を変更する工程と、 前記変更された位相遷移点及び位相値が光学系の誤差関
数を減少させるか否かを決定する工程と、 前記誤差関数が減少する場合、変更された位相遷移点及
び位相値を保持する工程とを含むことを特徴とするホロ
グラムの製造方法。 - 【請求項4】請求項3に記載の方法において、前記光学
系の誤差関数を決定する工程が、前記位相遷移点と位相
値により表わされる位相離散関数と位相連続関数とを相
関させる工程を含むことを特徴とするホログラムの製造
方法。
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