JP3330446B2 - 細胞分離器具および細胞分離方法 - Google Patents

細胞分離器具および細胞分離方法

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JP3330446B2
JP3330446B2 JP08227994A JP8227994A JP3330446B2 JP 3330446 B2 JP3330446 B2 JP 3330446B2 JP 08227994 A JP08227994 A JP 08227994A JP 8227994 A JP8227994 A JP 8227994A JP 3330446 B2 JP3330446 B2 JP 3330446B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液中から所定の血液
成分を採取するための細胞分離器具および細胞分離方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】採血を行う場合、現在では、血液の有効
利用および供血者の負担軽減などの理由から、採血血液
を遠心分離などにより各血液成分に分離し、輸血者に必
要な成分だけを採取し、その他の成分は供血者に返還す
る成分採血が行われている。
【0003】このような成分採血において、血小板製剤
を得る場合、供血者から採血した血液を血液成分分離回
路に導入し、該血液成分分離回路に設置された遠心ボー
ルと呼ばれる遠心分離器により血漿、バフィーコート
(白血球と血小板とを含む)および赤血球の3成分に分
離し、その内のバフィーコートを容器に回収して血小板
製剤とし、残りの血漿および赤血球は、供血者に返血す
ることが行われる。
【0004】しかしながら、この方法では、多くの血小
板を得ようとすると、それに混入する白血球の量も増大
するため、他人へ輸血する際の適合性や感染(例えば、
肝炎やGVHDの発症)等の問題が生じ、好ましくな
い。
【0005】そこで、得られたバフィーコートを白血球
除去フィルターに通過させ、白血球を分離除去し、この
乏白血球血小板を容器に回収して血小板製剤とすること
が提案されている。
【0006】しかしながら、この方法でも、白血球除去
フィルターに捕捉された白血球は、供血者に返還されな
いため、供血者においては、一時的に免疫力が低下し、
感染防御に支障を来すおそれがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、細胞
分離フィルターにて捕捉された細胞を有効に利用するこ
とができ、特に成分採血に際し、目的とする成分以外の
血液成分を可能な限り供血者に返還することができる細
胞分離器具および細胞分離方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(18)の本発明により達成される。
【0009】(1) 第1の血液成分を供給する第1の
ラインと、該第1のラインから供給された第1の血液成
分中から所定の細胞を分離除去する細胞分離フィルター
と、該細胞分離フィルターを通過した第2の血液成分を
貯留する容器と、前記細胞分離フィルターと前記容器と
を接続する第2のラインと、前記第2のラインの途中に
接続され、前記細胞分離フィルターに洗浄用液体を供給
する第3のラインとを有することを特徴とする細胞分離
器具。
【0010】(2) 前記第1のラインの途中にポンプ
が設置されている上記(1)に記載の細胞分離器具。
【0011】(3) 前記第1のラインは、前記第1の
血液成分を貯留する第2の容器と、該第2の容器に連通
するチューブとで構成されている上記(1)または
(2)に記載の細胞分離器具。
【0012】(4) 前記第1のラインおよび/または
前記第2のラインの流路を遮断し得る流路開閉手段を有
する上記(1)に記載の細胞分離器具。
【0013】(5) 採血血液より少なくとも前記第1
の血液成分と第3の血液成分とを得る血液成分分離回路
を有し、該血液成分分離回路により得られた前記第1の
血液成分を前記第1のラインへ移送するよう構成されて
いる上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の細胞分
離器具。
【0014】(6) 前記第1のラインの途中に接続さ
れ、前記細胞分離フィルターを通過した後の前記洗浄用
液体を前記血液成分分離回路へ移送する第4のラインを
有する上記(5)に記載の細胞分離器具。
【0015】(7) 前記洗浄用液体は、電解質液また
は糖液である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載
の細胞分離器具。
【0016】(8) 前記洗浄用液体は、第3の血液成
分である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の細
胞分離器具。
【0017】(9) 前記血液成分分離回路は、前記第
3の血液成分を貯留する第3の容器を有し、前記第3の
ラインは、前記第3の容器に貯留された第3の血液成分
を洗浄用液体として前記細胞分離フィルターに供給する
ものである上記(5)または(6)に記載の細胞分離器
具。
【0018】(10) 前記血液成分分離回路は、生体に
対し脱血および/または返血を行う第5のラインを有す
る上記(5)、(6)または(9)に記載の細胞分離器
具。
【0019】(11) 第1のラインから第1の血液成分
を供給し、細胞分離フィルターを通過させて、所定の細
胞が分離除去された第2の血液成分を得、該第2の血液
成分を第2のラインを介して容器に回収した後、前記第
2のラインの途中に接続された第3のラインから前記細
胞分離フィルターに洗浄用液体を供給し、前記細胞分離
フィルターに捕捉されている細胞を前記洗浄用液体とと
もに前記第1のラインへ逆送することを特徴とする細胞
分離方法。
【0020】(12) 血液成分分離回路により採血血液
を分離して第1の血液成分を得、該第1の血液成分を第
1のラインから供給し、細胞分離フィルターを通過させ
て、所定の細胞が分離除去された第2の血液成分を得、
該第2の血液成分を第2のラインを介して容器に回収し
た後、前記第2のラインの途中に接続された第3のライ
ンから前記細胞分離フィルターに洗浄用液体を供給し、
前記細胞分離フィルターに捕捉されている細胞を前記洗
浄用液体とともに前記第1のラインへ逆送することを特
徴とする細胞分離方法。
【0021】(13) 前記第1のラインへ逆送された細
胞を含む洗浄用液体をさらに前記血液成分分離回路へ移
送する上記(12)に記載の細胞分離方法。
【0022】(14) 前記洗浄用液体は、電解質液また
は糖液である上記(11)ないし(13)のいずれかに記載
の細胞分離方法。
【0023】(15) 前記洗浄用液体は、第3の血液成
分である上記(11)ないし(13)のいずれかに記載の細
胞分離器具。
【0024】(16) 血液成分分離回路により採血血液
を分離して第1の血液成分および第3の血液成分を得、
前記第1の血液成分を第1のラインから供給し、細胞分
離フィルターを通過させて、所定の細胞が分離除去され
た第2の血液成分を得、該第2の血液成分を第2のライ
ンを介して容器に回収した後、前記第2のラインの途中
に接続された第3のラインから前記細胞分離フィルター
に前記第3の血液成分を供給し、前記細胞分離フィルタ
ーに捕捉されている細胞を前記第3の血液成分とともに
前記第1のラインへ逆送することを特徴とする細胞分離
方法。
【0025】(17) 前記第1のラインへ逆送された細
胞を含む第3の血液成分をさらに前記血液成分分離回路
へ移送する上記(16)に記載の細胞分離方法。
【0026】(18) 血液成分分離回路により採血血液
を分離して第1の血液成分および第3の血液成分を得、
前記第1の血液成分を第1のラインから供給し、細胞分
離フィルターを通過させて、所定の細胞が分離除去され
た第2の血液成分を得、該第2の血液成分を第2のライ
ンを介して容器に回収した後、前記第2のラインの途中
に接続された第3のラインから前記細胞分離フィルター
に前記第3の血液成分を供給し、前記細胞分離フィルタ
ーに捕捉されている細胞を前記第3の血液成分とともに
前記第1のラインへ逆送し、さらに、この細胞を含む第
3の血液成分を前記第1のラインの途中に接続された第
4のラインを介して前記血液成分分離回路へ移送するこ
とを特徴とする細胞分離方法。
【0027】
【実施例】以下、本発明の細胞分離器具および細胞分離
方法を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明
する。
【0028】図1は、本発明の細胞分離器具の構成例を
示す平面図である。同図に示すように、細胞分離器具1
Aは、血液成分分離回路2と、該血液成分分離回路2で
得られたバフィーコート(第1の血液成分)を供給する
第1のライン3と、該第1のライン3より供給されたバ
フィーコート中から白血球(細胞)を分離除去する細胞
分離フィルター4と、該細胞分離フィルター4を通過し
た血小板(第2の血液成分)を貯留する血小板バッグ
(容器)6と、細胞分離フィルター4と血小板バッグ6
とを接続する第2のライン5と、第2のライン5の途中
に接続された第3のライン7とを有している。以下、こ
れらについて順次説明する。
【0029】第1のライン3は、バフィーコートバッグ
(第2の容器)31と、該バフィーコートバッグ31内
に連通するようその一端がバフィーコートバッグ31に
接続されたチューブ32とで構成されている。チューブ
32の他端は、細胞分離フィルター4の流入口42に接
続されている。
【0030】チューブ32の途中には、該チューブ32
の内部流路を遮断・解放し得る流路開閉手段としてのバ
ルブ81と、例えばローラポンプよりなる送液用のポン
プ91とが設置されている。
【0031】図5に示すように、細胞分離フィルター4
は、両端に流入口42および流出口43を有するケーシ
ング41と、該ケーシング41内に挿入された濾過部材
45とで構成されている。ケーシング41の対向する内
面には、導入された血液成分を濾過部材45の表面に均
一に分配するための多数の凹部44が形成されている。
濾過部材45としては、例えば、ポリプロピレン、ポリ
エステル、ポリウレタン、ポリアミド等の合成樹脂より
なる織布、不織布、メッシュ、発泡体等の多孔質体を1
層または2層以上積層してなるものが挙げられる。
【0032】第2のライン5は、主に、一端が細胞分離
フィルター4の流出口43に接続され、他端が血小板バ
ッグ6内に連通するよう血小板バッグ6に接続されたチ
ューブ51で構成されている。
【0033】チューブ51の途中には、該チューブ51
の内部流路を遮断・解放し得る流路開閉手段としてのバ
ルブ82が設置されている。また、チューブ51のバル
ブ82と血小板バッグ6との間には、T字状の分岐コネ
クタ52を介してチューブ53の基端が接続され、チュ
ーブ53の先端は、空気貯留バッグ54に接続されてい
る。血小板バッグ6には、例えば、生理食塩水、GA
C、PAS、PSM−1のような血小板保存液が予め入
れられていてもよい。
【0034】第3のライン7は、細胞分離フィルター4
に洗浄用液体を供給するためのラインであり、主にチュ
ーブ71と、該チューブ71の先端に設置されたキャッ
プ付きの針管72と、チューブ71の途中に設置された
チャンバー73とで構成されている。チューブ71の基
端は、T字状の分岐コネクタ74を介してチューブ51
の途中(チューブ51の両端を含む)に接続されてい
る。なお、チャンバー73は、針管72側から供給され
る洗浄用液体中から気泡を除去する機能を有するもので
ある。
【0035】第3のライン7より供給される洗浄用液体
としては、例えば、生理食塩水、ハンクス平衡塩溶液、
ダルベッコ平衡塩溶液のような各種電解質液、またはブ
ドウ糖液、ACD−A液、CPDA−1液のような各種
糖液、血液抗凝固剤が好適に使用される。このような洗
浄用液体は、供血者に返還される細胞の機能を維持また
は回復させる機能を有するからである。なお、本実施例
では、生理食塩水が用いられる。
【0036】血液成分分離回路2は、供血者(ドナー)
に対し脱血および返血を行う第5のライン10と、遠心
ボール(遠心分離器)14と、血漿バッグ(第3の容
器)21と、血漿バッグ用空気貯留バッグ22と、これ
らを所望に接続するチューブと、2つのポンプ92、9
3とを有する。
【0037】第5のライン10は、主に、チューブ10
1と、チューブ101の先端に接続された穿刺針102
と、チューブ101の途中に設置された気泡除去用のチ
ャンバー103とで構成されている。チューブ101の
穿刺針102とチャンバー103との間には、ト字状の
分岐コネクタ104および108を介してそれぞれチュ
ーブ105および109が接続されている。チューブ1
05の先端には、キャップ付きの針管106が設置さ
れ、チューブ105の途中には、気泡除去用のチャンバ
ー107が設置されている。また、チューブ109の先
端には、キャップ付きの針管110が設置され、チュー
ブ109の途中には、例えばローラポンプよりなる送液
用のポンプ92と、気泡除去用のチャンバー111とが
設置されている。
【0038】チューブ101の基端は、T字状の分岐コ
ネクタ12を介してチューブ13および20の一端と接
続されている。チューブ20の分岐コネクタ12とチャ
ンバー103との間には、チューブ101内の流路を開
閉するバルブ83が設置されている。
【0039】チューブ13の他端は、遠心ボール14の
流入口143に接続され、チューブ13の途中には、例
えばローラポンプよりなる送液用のポンプ93が設置さ
れている。
【0040】遠心ボール14は、上端に流入口143が
形成された鉛直方向に伸びる管体141と、該管体14
1の回りで回転するローター142とで構成されてい
る。ローター142には、その底部および周壁内面に沿
って血液の流路が形成され、該流路の上部に連通するよ
う流出口144が形成されている。
【0041】遠心ボール14の流出口144には、チュ
ーブ15の一端が接続され、チューブ15の他端は、T
字状の分岐コネクタ16を介してチューブ17および1
8の一端と接続されている。
【0042】チューブ17の他端は、バフィーコートバ
ッグ31に接続され、チューブ17の途中には、チュー
ブ17内の流路を開閉するバルブ85が設置されてい
る。また、チューブ18の他端は、気泡除去用のチャン
バー19に接続され、チューブ18の途中には、チュー
ブ18内の流路を開閉するバルブ86が設置されてい
る。チューブ20の他端は、気泡除去用のチャンバー1
9に接続され、チューブ20の途中には、チューブ20
内の流路を開閉するバルブ84が設置されている。
【0043】空気貯留バッグ22は、一連の処理後に血
漿バッグ21内からエアーを排出し、これを貯留するた
めのバッグであり、そのため、血漿バッグ21および空
気貯留バッグ22は、チューブ23により接続されてそ
の内部同士が連通している。また、血漿バッグ21に
は、チューブ24の一端が接続され、チューブ24の他
端は、気泡除去用のチャンバー19に接続されている。
【0044】前記各バッグ31、6、54、21および
22は、それぞれ、樹脂製の可撓性を有するシート材を
重ね、その周縁部を融着(熱融着、高周波融着等)また
は接着して袋状にしたものである。
【0045】各バッグ31、6、54、21および22
を構成するシート材の構成材料としては、例えば、軟質
ポリ塩化ビニルが好適に使用される。この軟質ポリ塩化
ビニルにおける可塑剤としては、例えば、ジ(エチルヘ
キシル)フタレート(DEHP)、ジ−(n−デシル)
フタレート(DnDP)等が使用される。なお、このよ
うな可塑剤の含有量は、ポリ塩化ビニル100重量部に
対し、30〜70重量部程度とするのが好ましい。
【0046】また、各バッグ31、6、54、21およ
び22のシート材の他の構成材料としては、ポリオレフ
ィン、すなわちエチレン、プロピレン、ブタジエン、イ
ソプレン等のオレフィンあるいはジオレフィンを重合ま
たは共重合した重合体を用いることができ、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体(EVA)、EVAと各種熱可塑性エラストマー
とのポリマーブレンド等、あるいは、これらを任意に組
み合せたものが挙げられる。さらには、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチルテ
レフタレート(PCHT)のようなポリエステルや、ポ
リ塩化ビニリデンを用いることもできる。
【0047】なお、血小板バッグ6を構成するシート材
は、血小板保存性を向上するために、ガス透過性に優れ
るものが好ましく、そのために、例えば、シート材とし
て、前記ポリオレフィンやDnDP可塑化ポリ塩化ビニ
ル等を用いたり、また、シート材の厚さを比較的薄く
(例えば、0.1〜0.5mm程度、特に、0.1〜0.
3mm程度)するのが好ましい。
【0048】チューブ32、51、53、71、10
1、105、109、13、15、17、18、20、
23、24および251の構成材料としては、例えば、
ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、PE
TやPBTのようなポリエステル、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリウレタン、ポリエステルエラストマ
ー、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体等の熱可
塑性エラストマー等が挙げられるが、その中でも特に、
ポリ塩化ビニルが好ましい。各チューブがポリ塩化ビニ
ル製であれば、十分な可撓性、柔軟性が得られるので取
り扱いがし易く、また、クレンメ等による閉塞にも適す
るからである。
【0049】また、分岐コネクタ52、74、75、1
04、108、12、252および253の構成材料に
ついても、前記チューブの構成材料と同様のものを用い
ることができる。
【0050】なお、流路開閉手段は、前述したような各
チューブの途中に装着されたバルブ(コック)に限ら
ず、例えば可撓性チューブを挟持してその内腔を閉塞し
得るクレンメであってもよい。
【0051】次に、図1に示す細胞分離器具1Aを用い
た本発明の細胞分離方法について説明する。
【0052】[A−0]バルブ83、85を開、その他
のバルブを閉とした状態で、ポンプ92、93を作動
(正転)し、抗凝固剤を、針管110、チャンバー11
1およびチューブ109を介して、分岐コネクタ10
8、チューブ101およびチャンバー103内に導入
し、また、生理食塩水を、針管106、チャンバー10
7およびチューブ105を介して、分岐コネクタ104
および穿刺針102内に供給し、プライミングしてお
く。
【0053】[A−1]一旦ポンプ92、93を停止
し、チューブ105をクレンメ等で閉塞し、供血者の血
管に穿刺針102を穿刺し、ポンプ93を作動(正転)
すると、供血者からの採血血液は、穿刺針102、チュ
ーブ101、チャンバー103およびチューブ13を介
して移送され、遠心ボール14の流入口143より管体
141を経てローター142内に導入される。
【0054】また、この採血と同時に、ポンプ92を作
動して、針管110、チャンバー111およびチューブ
109を介して、例えば、ACD−A液、CPD液、C
PDA−1液、ヘパリンナトリウム液等の抗凝固剤を供
給し、この抗凝固剤を採血血液中に混入させる。
【0055】[A−2]遠心ボール14内に導入された
血液は、ローター142の回転(例えば、4800rpm
)により、ローター142の流路内で内層より血漿
層、バフィーコート層および赤血球層に分離される。
【0056】[A−3]バルブ85を閉じ、バルブ86
を開き、ローター142内の血漿(第3の血液成分)を
流出口144より流出させ、チューブ15、18、チャ
ンバー19、チューブ24を介して血漿バッグ21内に
回収する。このとき、血漿バッグ21内への血漿の流入
に伴い、血漿バッグ21内の空気が排出され、この空気
がチューブ23を介して空気貯留バッグ22へ移送さ
れ、貯留される。
【0057】[A−4]ローター142内からバフィー
コートが流出する直前に、ローター142の駆動を継続
しつつ、ポンプ92、93を停止し採血を停止した後、
バルブ84、85を開、その他のバルブを閉として再度
ポンプ93を駆動し、血漿バッグ21内の血漿を、チュ
ーブ24、チャンバー19、チューブ20、13および
管体141を介してローター142内に供給する。これ
により、ローター142内のバフィーコートが流出口1
44より流出し、チューブ15および17を介してバフ
ィーコートバッグ31内に回収される。なお、このと
き、バフィーコートバッグ31は、チューブ32の接続
側端部を上方に向けて置かれている。
【0058】[A−5]バフィーコートバッグ31への
バフィーコートの回収が終了したら、ポンプ93および
ローター142を停止し、バルブ83、85を開、その
他のバルブを閉とし、ポンプ93を逆回転して、遠心ボ
ール14内に残った赤血球および血漿を、管体141、
チューブ13、チャンバー103、チューブ101およ
び穿刺針102を介して、供血者に返血する。
【0059】なお、この後または、その途中で、バルブ
84、85を開、その他のバルブを閉とし、ポンプ93
を回転して、血漿バッグ21の血漿を、チューブ24、
チャンバー19、チューブ20、13を介してローター
142内に入れ、続いて、バルブ83、85を開、その
他のバルブを閉とし、ポンプ93を逆回転して、血漿バ
ッグ21から移した遠心ボール14内の血漿を、管体1
41、チューブ13、チャンバー103、チューブ10
1および穿刺針102を介して、供血者に返血してもよ
い。
【0060】[A−6]上記工程[A−5]と前後し
て、バルブ81を開き、ポンプ91を逆回転させて針管
72より生理食塩水(細胞の洗浄用液体)を供給し、第
3のライン7、チューブ51、細胞分離フィルター4お
よびチューブ32の流路を生理食塩水でプライミングし
ておく。
【0061】[A−7]バルブ81、82を開、その他
のバルブを閉とし、バフィーコートバッグ31をチュー
ブ32の接続側端部が下方となるような姿勢とし、ポン
プ91を作動(正転)して、バフィーコートバッグ31
内のバフィーコートを流出させる。これにより、バフィ
ーコートは、チューブ32を介して流入口42より細胞
分離フィルター4内に導入され、血小板はそのほとんど
が濾過部材45を通過するが、白血球(細胞)は濾過部
材45に捕捉される。このようにして白血球が分離、除
去された血小板(濃厚血小板血漿)は、流出口43より
流出し、チューブ51を介して、血小板バッグ6内に回
収される。
【0062】[A−8]血小板バッグ6への血小板の回
収が終了したら、バルブ81を開、その他のバルブを閉
とし、ポンプ91を逆回転させつつ針管72より生理食
塩水(細胞の洗浄用液体)を供給する。これにより、生
理食塩水は、チャンバー73、チューブ71、51、細
胞分離フィルター4およびチューブ32を介して、前記
バフィーコートの流れとは逆方向に移送され、バフィー
コートバッグ31内に回収される。
【0063】このとき、細胞分離フィルター4において
は、生理食塩水は、流出口43より流入し、濾過部材4
5を通過して流入口42より排出されるが、生理食塩水
の濾過部材45の通過に伴い、濾過部材45に捕捉され
ていた白血球は、洗い出されて生理食塩水に混入し、生
理食塩水とともにバフィーコートバッグ31内に回収さ
れる。
【0064】なお、生理食塩水に代表される洗浄用液体
の供給量は、濾過部材45に捕捉されていた白血球を洗
い出すのに十分な量とされ、本実施例の場合、10〜2
00ml程度、特に30〜80ml程度とするのが好まし
い。
【0065】[A−9]バフィーコートバッグ31への
白血球混入生理食塩水の回収が終了したら、バルブ8
3、85を開、その他のバルブを閉とし、ポンプ93を
逆回転して、バフィーコートバッグ31内の白血球混入
生理食塩水を、チューブ17、15、ローター142内
の流路、管体141、チューブ13、チャンバー10
3、チューブ101および穿刺針102を介して、供血
者に返還する。
【0066】[A−10]供血者への白血球の返還が終
了したら、供血者の血管から穿刺針102を抜き取る。
【0067】[A−11]バルブ82を閉じた状態で、
血小板バッグ6をチューブ51の接続側端部が上方とな
るような姿勢とし、血小板バッグ6を圧迫してバッグ内
の空気を排出する。排出された空気は、チューブ51お
よび53を介して空気貯留バッグ54内に移送、回収さ
れる。
【0068】[A−12]チューブ51の分岐コネクタ
52と血小板バッグ6との間を、例えば融着により封止
し、さらにこの封止部を切断、分離することにより、血
小板製剤入りの血小板バッグ6が得られる。
【0069】以上のように、本発明では、供血者の採血
血液より分離されたバフィーコートから、細胞分離フィ
ルター4により白血球を分離、除去するため、白血球の
混入率が極めて低い血小板製剤を得ることができる。し
かも、細胞分離フィルター4で分離、除去した白血球
を、洗浄用液体で洗い出して供血者に返還するため、供
血者においては、白血球の欠乏による免疫力の低下を生
じるおそれがなくなる。
【0070】図2は、本発明の細胞分離器具の他の構成
例を示す平面図である。同図に示す細胞分離器具1B
は、前記細胞分離器具1Aの構成に、第4のライン25
が付加されたものである。以下、細胞分離器具1Aと異
なる点について説明し、同様の事項についてはその説明
を省略する。
【0071】第4のライン25は、細胞分離フィルター
4を通過した後の洗浄用液体を血液成分分離回路2へ移
送するためのラインであり、主にチューブ251で構成
されている。
【0072】このチューブ251の一端は、T字状の分
岐コネクタ252を介してチューブ32の途中(チュー
ブ32の両端を含む)に接続され、他端は、T字状の分
岐コネクタ253を介して血液成分分離回路2に設置さ
れたチューブ18の途中に接続されている。また、チュ
ーブ251の途中には、該チューブ251の内部流路を
遮断・解放し得る流路開閉手段としてのバルブ87が設
置されている。
【0073】次に、図2に示す細胞分離器具1Bを用い
た本発明の細胞分離方法について説明する。
【0074】[B−0]〜[B−7]それぞれ、前記工
程[A−0]〜[A−7]と同様の工程を実行する。
【0075】[B−8]血小板バッグ6への血小板の回
収が終了したら、バルブ83、84、87を開、その他
のバルブを閉とし、ポンプ91を逆回転させつつ針管7
2より生理食塩水(細胞の洗浄用液体)を供給する。こ
れにより、生理食塩水は、チャンバー73、チューブ7
1、51、細胞分離フィルター4、チューブ32、25
1、18、チャンバー19、チューブ20、チャンバー
103、チューブ101および穿刺針102を介して移
送される。
【0076】このとき、細胞分離フィルター4において
は、前述したように、生理食塩水の通過に伴い、濾過部
材45に捕捉されていた白血球は、洗い出されて生理食
塩水中に混入する。従って、濾過部材45に捕捉されて
いた白血球は、生理食塩水とともに供血者に返還され
る。
【0077】[B−9]〜[B−11]それぞれ、前記
工程[A−10]〜[A−12]と同様の工程を実行す
る。このような構成の細胞分離器具1Bでは、白血球混
入生理食塩水を、ローター142内の経路を通らない比
較的短い流路で供血者に返還できるので、返還できる白
血球数のロスを少なくすることができるという利点があ
る。
【0078】図3は、本発明の細胞分離器具の他の構成
例を示す平面図である。同図に示す細胞分離器具1C
は、第3のライン7の構成が異なる以外は、前記細胞分
離器具1Aと同様のものである。以下、細胞分離器具1
Aと異なる点について説明し、同様の事項についてはそ
の説明を省略する。
【0079】第3のライン7は、主に前記と同様のチュ
ーブ71で構成されており、チューブ71の基端は、T
字状の分岐コネクタ74を介してチューブ51の途中に
接続され、先端は、血液成分分離回路2に設置されたチ
ャンバー19に接続されている。また、チューブ71の
途中には、該チューブ71の内部流路を遮断・解放し得
る流路開閉手段としてのバルブ88が設置されている。
【0080】次に、図3に示す細胞分離器具1Cを用い
た本発明の細胞分離方法について説明する。
【0081】[C−0]〜[C−5]それぞれ、前記工
程[A−0]〜[A−5]と同様の工程を実行する。
【0082】[C−6]上記工程[C−5]と前後し
て、バルブ81、88を開、その他のバルブを閉とし、
ポンプ91を逆回転させて、血漿バッグ21内の血漿
(細胞の洗浄用液体)を供給し、チューブ24、チャン
バー19、チューブ71、51、細胞分離フィルター4
およびチューブ32の流路を血漿でプライミングしてお
く。
【0083】[C−7]前記工程[A−7]と同様の工
程を実行する。
【0084】[C−8]血小板バッグ6への血小板の回
収が終了したら、バルブ81、88を開、その他のバル
ブを閉とし、ポンプ91を逆回転させて、血漿バッグ2
1内の血漿(細胞の洗浄用液体)を、チューブ24、チ
ャンバー19、チューブ71、51、細胞分離フィルタ
ー4およびチューブ32を介して移し、バフィーコート
バッグ31内に回収する。
【0085】このとき、細胞分離フィルター4において
は、血漿は、流出口43より流入し、濾過部材45を通
過して流入口42より排出されるが、血漿の濾過部材4
5の通過に伴い、濾過部材45に捕捉されていた白血球
は洗い出されて血漿中に混入し、血漿とともにバフィー
コートバッグ31内に回収される。
【0086】[C−9]バフィーコートバッグ31への
白血球混入血漿の回収が終了したら、バルブ83、85
を開、その他のバルブを閉とし、ポンプ93を作動(正
転)して、バフィーコートバッグ31内の白血球混入血
漿を、チューブ17、15、ローター142内の流路、
管体141、チューブ13、チャンバー103、チュー
ブ101および穿刺針102を介して、供血者に返還す
る。
【0087】[C−10]〜[C−12]それぞれ、前
記工程[A−10]〜[A−12]と同様の工程を実行
する。このような構成の細胞分離器具1Cでは、洗浄用
液体として供血者の血漿を用いるため、供血者に返還さ
れる白血球の機能を維持する上で有利であり、また、不
要な液体を供血者に投与しないで済み、血液の希釈も防
止できるという利点がある。
【0088】図4は、本発明の細胞分離器具の他の構成
例を示す平面図である。同図に示す細胞分離器具1D
は、第3のライン7の構成が異なる以外は、前記細胞分
離器具1Bと同様のものである。以下、細胞分離器具1
Bと異なる点について説明し、同様の事項についてはそ
の説明を省略する。
【0089】第3のライン7は、主に前記と同様のチュ
ーブ71で構成されており、チューブ71の基端は、T
字状の分岐コネクタ74を介してチューブ51の途中に
接続され、先端は、T字状の分岐コネクタ75を介して
血液成分分離回路2に設置されたチューブ24の途中に
接続されている。また、チューブ71の途中には、該チ
ューブ71の内部流路を遮断・解放し得る流路開閉手段
としてのバルブ88が設置されている。
【0090】また、チューブ24の分岐コネクタ75と
チャンバー19の間には、チューブ24の内部流路を遮
断・解放し得る流路開閉手段としてのバルブ89が設置
されている。
【0091】次に、図4に示す細胞分離器具1Dを用い
た本発明の細胞分離方法について説明する。
【0092】[D−0]〜[D−5]それぞれ、前記工
程[A−0]〜[A−5]と同様の工程を実行する。
【0093】[D−6]上記工程[D−5]と前後し
て、バルブ81、88を開、その他のバルブを閉とし、
ポンプ91を逆回転させて、血漿バッグ21内の血漿
(細胞の洗浄用液体)を供給し、チューブ24、71、
51、細胞分離フィルター4およびチューブ32の流路
を血漿でプライミングしておく。
【0094】[D−7]前記工程[A−7]と同様の工
程を実行する。
【0095】[D−8]血小板バッグ6への血小板の回
収が終了したら、バルブ83、84、87、88を開、
その他のバルブを閉とし、ポンプ91を逆回転させて、
血漿バッグ21内の血漿(細胞の洗浄用液体)を、チュ
ーブ24、71、51、細胞分離フィルター4、チュー
ブ32、251、18、チャンバー19、チューブ2
0、チャンバー103、チューブ101および穿刺針1
02を介して移送する。
【0096】このとき、細胞分離フィルター4において
は、前述したように、血漿の通過に伴い、濾過部材45
に捕捉されていた白血球は、洗い出されて血漿中に混入
する。従って、濾過部材45に捕捉されていた白血球
は、血漿とともに供血者に返還される。
【0097】[D−9]〜[D−11]それぞれ、前記
工程[A−10]〜[A−12]と同様の工程を実行す
る。このような構成の細胞分離器具1Dは、前述した細
胞分離器具1Bと細胞分離器具1Cとの利点を兼ね備え
ている。
【0098】次に、本発明の細胞分離器具および細胞分
離方法の具体的実施例について説明する。
【0099】(実施例1)図1に示す構成の細胞分離器
具1Aを用い、前述した細胞分離方法に従い、供血者か
らの採血(複数のドナーから採血した同一血液型の血液
をプール)、遠心分離器による血液成分の分離、バフィ
ーコートからの白血球の分離、除去による血小板の回
収、洗浄用液体による細胞分離フィルターの洗浄および
白血球を含む洗浄用液体の供血者への返還(採血針10
2に空バッグを接続し、この空バッグ内に白血球を含む
洗浄用液体を採取)の各工程を順次行った。
【0100】遠心分離器は、ヘモネティクス社製の遠心
ボール(容量:225ml)を用いた。また、細胞分離フ
ィルターは、図5に示す構造であって、ポリウレタン製
多孔質体よりなる膜2枚の積層体(厚さ:4mm、有効濾
過面積:25cm2 )を濾過部材としたものを用いた。
【0101】各ポンプは、正転/逆転可能なローラポン
プを用いた。各バルブは、流路の開閉を自動制御し得る
チューブ圧閉式の電磁バルブを用いた。各バッグおよび
各チューブは、いずれもDnDP可塑化ポリ塩化ビニル
製のものを用いた。採血量は、約4500mlであった。
また、洗浄用液体である生理食塩水は、100ml供給し
た。
【0102】(実施例2)図2に示す構成の細胞分離器
具1Bを用い、前述した細胞分離方法に従い、供血者か
らの採血(複数のドナーから採血した同一血液型の血液
をプール)、遠心分離器による血液成分の分離、バフィ
ーコートからの白血球の分離、除去による血小板の回
収、洗浄用液体による細胞分離フィルターの洗浄および
白血球を含む洗浄用液体の供血者への返還(採血針10
2に空バッグを接続し、この空バッグ内に白血球を含む
洗浄用液体を採取)の各工程を順次行った。
【0103】遠心分離器、細胞分離フィルター、各ポン
プ、各バルブ、各バッグおよび各チューブは、いずれ
も、前記実施例1と同様のものを用いた。採血量は、約
4500mlであった。また、洗浄用液体である生理食塩
水は、100ml供給した。
【0104】(実施例3)図3に示す構成の細胞分離器
具1Cを用い、前述した細胞分離方法に従い、供血者か
らの採血(複数のドナーから採血した同一血液型の血液
をプール)、遠心分離器による血液成分の分離、バフィ
ーコートからの白血球の分離、除去による血小板の回
収、洗浄用液体による細胞分離フィルターの洗浄および
白血球を含む洗浄用液体の供血者への返還(採血針10
2に空バッグを接続し、この空バッグ内に白血球を含む
洗浄用液体を採取)の各工程を順次行った。
【0105】遠心分離器、細胞分離フィルター、各ポン
プ、各バルブ、各バッグおよび各チューブは、いずれ
も、前記実施例1と同様のものを用いた。採血量は、約
4500mlであった。また、洗浄用液体である血漿は、
100ml供給した。
【0106】(実施例4)図4に示す構成の細胞分離器
具1Dを用い、前述した細胞分離方法に従い、供血者か
らの採血(複数のドナーから採血した同一血液型の血液
をプール)、遠心分離器による血液成分の分離、バフィ
ーコートからの白血球の分離、除去による血小板の回
収、洗浄用液体による細胞分離フィルターの洗浄および
白血球を含む洗浄用液体の供血者への返還(採血針10
2に空バッグを接続し、この空バッグ内に白血球を含む
洗浄用液体を採取)の各工程を順次行った。
【0107】遠心分離器、細胞分離フィルター、各ポン
プ、各バルブ、各バッグおよび各チューブは、いずれ
も、前記実施例1と同様のものを用いた。採血量は、約
4500mlであった。また、洗浄用液体である血漿は、
100ml供給した。
【0108】<実験および評価>上記実施例1〜4につ
いて、バフィーコートバッグ31に回収されたバフィ
ーコート、血小板バッグ6に回収された濃厚血小板血
漿、および細胞分離フィルター4を通過後の白血球混
入洗浄用液体をそれぞれサンプリングし、これらに含ま
れる白血球数を測定した。また、については、血小板
数も測定した。これらの測定結果を下記表1に示す。
【0109】なお、細胞数の測定方法は、についての
白血球数は、希釈、染色後、血球計算板(Nageotte血算
板)を用いて視算し、その他は、自動血球計数装置(東
亜医用電子社製、Sysmex K-2000 型)を用いた。
【0110】
【表1】
【0111】上記表1の結果から明らかなように、実施
例1〜4については、いずれも、細胞分離フィルターで
分離、除去された白血球の大半を、供血者に返還できる
ことが確認された。
【0112】本発明の細胞分離器具において、第1、第
2、第3、第4および第5のラインは、それぞれ、図示
の構成に限定されない。例えば、第1のラインは、バッ
グ31を有さず、チューブ32のみで構成されていても
よい。また、第2のラインにおいて、分岐コネクタ5
2、チューブ53および空気貯留バッグ54は、省略さ
れていてもよい。また、第2のラインに複数の血小板バ
ッグ6が接続されていてもよい。さらに、図1および図
2に示す構成において、第3のライン7は、チューブ7
1の先端に、洗浄用液体を貯留する可撓性を有するバッ
グ(容器)が接続されていてもよい。
【0113】また、ポンプ91を有さず、落差によって
バフィーコートや洗浄用液体の移送を行う構成としても
よい。なお、本発明において、容器、第2の容器、第3
の容器は、それぞれ、前記可撓性を有するバッグに限ら
ず、例えば、ボトル等の硬質の容器であってもよい。
【0114】さらに、血液成分分離回路の構成や血液成
分の分離方法(操作手順)も、前記各実施例のものに限
定されない。本発明の細胞分離器具は、各図に示す実施
例と異なり、血液成分分離回路、特に第5のラインを有
する血液成分分離回路が接続されていないものであって
もよい。この場合、例えば特公昭61−30582号公
報に記載されたチューブ接続装置および接続方法を用い
て、例えば第1のラインのチューブや第3のラインのチ
ューブと、血液成分分離回路に設置された所定のチュー
ブとを無菌的に接続することができ、これにより、採血
から白血球の返血までの操作を閉鎖系にて無菌的に行う
ことができる。
【0115】なお、本発明は、前述したバフィーコート
から白血球を除去して血小板製剤を得るのに適用する場
合に限らず、例えば、血液中から血漿製剤、アルブミン
製剤、赤血球製剤等を製造する場合に適用してもよく、
また、洗浄用液体により回収される細胞も、白血球(リ
ンパ球)に限定されない。
【0116】また、本発明は、細胞の培養やそれに関連
した操作に適用することもできる。この場合、洗浄用液
体としては、例えば、RPMI1640培地、199倍
地、イーグル培地のような各種細胞培養用の液体培地を
用いることができる。
【0117】また、洗浄用液体を媒介にして細胞分離フ
ィルターから回収された細胞は、前記各実施例のよう
に、供血者に直ちに返還する場合に限らず、例えば容器
に貯留して後に返還したり、あるいは他の目的で利用す
ることもできる。
【0118】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の細胞分離器
具および細胞分離方法によれば、細胞分離フィルターに
より、所定の細胞を分離、除去するため、例えば血液製
剤を得るに際し、その血液製剤中の白血球(特にリンパ
球)の除去率が高くなり、肝炎、エイズ、GVHD等の
感染をより高い確率で防止することができる。
【0119】また、細胞分離フィルターにて分離、除去
された細胞を、洗浄用液体を媒介として回収するため、
回収された該細胞を有効に利用することができ、特に、
成分採血に際し、細胞分離フィルターにて分離、除去さ
れた白血球を供血者に返還することができるので、白血
球の欠乏による免疫力の一時的な低下を防止することが
できる。
【0120】また、洗浄用液体として、電解質液、糖液
または血漿のような血液成分を用いる場合には、回収す
る細胞の機能を良好な状態に維持し得るとともに、生体
に対し悪影響を及ぼさない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の細胞分離器具の構成例を示す平面図で
ある。
【図2】本発明の細胞分離器具の構成例を示す平面図で
ある。
【図3】本発明の細胞分離器具の他の構成例を示す平面
図である。
【図4】本発明の細胞分離器具の他の構成例を示す平面
図である。
【図5】本発明の細胞分離器具における細胞分離フィル
ターの構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D 細胞分離器具 2 血液成分分離回路 3 第1のライン 31 バフィーコートバッグ 32 チューブ 4 細胞分離フィルター 41 ケーシング 42 流入口 43 流出口 44 凹部 45 濾過部材 5 第2のライン 51 チューブ 52 分岐コネクタ 53 チューブ 54 空気貯留バッグ 6 血小板バッグ 7 第3のライン 71 チューブ 72 針管 73 チャンバー 74、75 分岐コネクタ 81〜89 バルブ 91〜93 ポンプ 10 第5のライン 101 チューブ 102 採血針 103 チャンバー 104 分岐コネクタ 105 チューブ 106 針管 107 チャンバー 108 分岐コネクタ 109 チューブ 110 針管 111 チャンバー 12 分岐コネクタ 13 チューブ 14 遠心ボール 141 管体 142 ローター 143 流入口 144 流出口 15 チューブ 16 分岐コネクタ 17、18 チューブ 19 チャンバー 20 チューブ 21 血漿バッグ 22 血漿バッグ用空気貯留バッグ 23、24 チューブ 25 第4のライン 251 チューブ 252、253 分岐コネクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−15448(JP,A) 特開 平3−73825(JP,A) 特開 平3−287067(JP,A) 特表 昭62−502174(JP,A) 特表 平7−507463(JP,A) 特表 平7−509153(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 1/02 570 A61M 1/02 520 A61J 3/00 300 A61K 35/14

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の血液成分を供給する第1のライン
    と、該第1のラインから供給された第1の血液成分中か
    ら所定の細胞を分離除去する細胞分離フィルターと、該
    細胞分離フィルターを通過した第2の血液成分を貯留す
    る容器と、前記細胞分離フィルターと前記容器とを接続
    する第2のラインと、前記第2のラインの途中に接続さ
    れ、前記細胞分離フィルターに洗浄用液体を供給する第
    3のラインとを有することを特徴とする細胞分離器具。
  2. 【請求項2】 前記第1のラインの途中にポンプが設置
    されている請求項1に記載の細胞分離器具。
  3. 【請求項3】 採血血液より少なくとも前記第1の血液
    成分と第3の血液成分とを得る血液成分分離回路を有
    し、該血液成分分離回路により得られた前記第1の血液
    成分を前記第1のラインへ移送するよう構成されている
    請求項1または2に記載の細胞分離器具。
  4. 【請求項4】 第1のラインから第1の血液成分を供給
    し、細胞分離フィルターを通過させて、所定の細胞が分
    離除去された第2の血液成分を得、該第2の血液成分を
    第2のラインを介して容器に回収した後、前記第2のラ
    インの途中に接続された第3のラインから前記細胞分離
    フィルターに洗浄用液体を供給し、前記細胞分離フィル
    ターに捕捉されている細胞を前記洗浄用液体とともに前
    記第1のラインへ逆送することを特徴とする細胞分離方
    法。
  5. 【請求項5】 血液成分分離回路により採血血液を分離
    して第1の血液成分を得、該第1の血液成分を第1のラ
    インから供給し、細胞分離フィルターを通過させて、所
    定の細胞が分離除去された第2の血液成分を得、該第2
    の血液成分を第2のラインを介して容器に回収した後、
    前記第2のラインの途中に接続された第3のラインから
    前記細胞分離フィルターに洗浄用液体を供給し、前記細
    胞分離フィルターに捕捉されている細胞を前記洗浄用液
    体とともに前記第1のラインへ逆送することを特徴とす
    る細胞分離方法。
  6. 【請求項6】 血液成分分離回路により採血血液を分離
    して第1の血液成分および第3の血液成分を得、前記第
    1の血液成分を第1のラインから供給し、細胞分離フィ
    ルターを通過させて、所定の細胞が分離除去された第2
    の血液成分を得、該第2の血液成分を第2のラインを介
    して容器に回収した後、前記第2のラインの途中に接続
    された第3のラインから前記細胞分離フィルターに前記
    第3の血液成分を供給し、前記細胞分離フィルターに捕
    捉されている細胞を前記第3の血液成分とともに前記第
    1のラインへ逆送することを特徴とする細胞分離方法。
  7. 【請求項7】 血液成分分離回路により採血血液を分離
    して第1の血液成分および第3の血液成分を得、前記第
    1の血液成分を第1のラインから供給し、細胞分離フィ
    ルターを通過させて、所定の細胞が分離除去された第2
    の血液成分を得、該第2の血液成分を第2のラインを介
    して容器に回収した後、前記第2のラインの途中に接続
    された第3のラインから前記細胞分離フィルターに前記
    第3の血液成分を供給し、前記細胞分離フィルターに捕
    捉されている細胞を前記第3の血液成分とともに前記第
    1のラインへ逆送し、さらに、この細胞を含む第3の血
    液成分を前記第1のラインの途中に接続された第4のラ
    インを介して前記血液成分分離回路へ移送することを特
    徴とする細胞分離方法。
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