JP3326001B2 - 微量の液体の自動注入装置 - Google Patents

微量の液体の自動注入装置

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JP3326001B2
JP3326001B2 JP07186194A JP7186194A JP3326001B2 JP 3326001 B2 JP3326001 B2 JP 3326001B2 JP 07186194 A JP07186194 A JP 07186194A JP 7186194 A JP7186194 A JP 7186194A JP 3326001 B2 JP3326001 B2 JP 3326001B2
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秀文 川島
裕義 山崎
一賀 矢嶋
可浩 三宅
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株式会社生体機能研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体試料を分析又は分
取精製する際に用いる液体クロマトグラフィーでの試料
の自動注入、例えば、放射性トレーサー自動合成装置の
自動注入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液体クロマトグラフィーにおい
て、サンプルループに試料を導入する方法としては試料
溶液の入った容器とサンプルループをポンプにより循環
する方法やシリンジポンプを用いる方法などが知られて
いる。しかし、液体試料を循環する方法では微量の試料
溶液の扱いには不向きであり、シリンジポンプを用いる
方法では迅速な導入に問題がある。また、どちらの方法
においてもサンプルループ内へ気泡が導入されやすく、
この気泡が導入されると液体クロマトグラフィーに重大
な支障をきたすことが多かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年の医学基礎研究や
臨床診断薬として賞用されているポジトロン標識薬剤は
ますますその需要が増している。ポジトロン標識薬剤を
合成する際には放射線被曝を軽減するため遠隔操作によ
る自動合成装置によって行われるのが望ましいが、現在
のところ一部手動で行う半自動合成装置が多いのが実情
である。その大きな原因の一つに目的物の分取、精製に
よく用いられる液体クロマトグラフィーの迅速かつ効率
のよい分取機構があまり無いことが挙げられ、この問題
点を解決する装置が待ち望まれていた。
【0004】また、ポジトロン標識薬剤に用いられる11
Cや18F等は超短半減期核種なので、その合成に際して
は迅速に処理しなければならない。また標識合成におい
ては超微量かつ低濃度の標識化合物を取り扱わなければ
ならないので、目的物の分取、精製操作の際におこる試
料の損失を極力少なくするための工夫が必要となる。特
に分取液体クロマトグラフィーではサンプルループ内へ
できるだけ短時間にかつ損失を少なく導入しなければな
らない。更に、微量の液体試料を用いた通常の分取液体
クロマトグラフィーの場合、試料注入の最後の段階でサ
ンプルループ内へ気泡が導入されやすく、この気泡が導
入されると目的物の分取に重大な支障をきたすため、効
果的な気泡抜きの機構が待ち望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、微量の液体試
料を貯留する貯留手段と、液体試料の供給を受ける受取
手段と、気泡を含んだ液体試料を脱泡するための脱泡容
器と、上記貯留手段と該脱泡容器との間を接続する注入
チューブと、上記受取手段と上記脱泡容器との間を接続
する注出チューブと、貯留手段の液体試料を注入チュー
ブへ注出させ、脱泡容器へ強制的に送り込む送液手段
と、注出チューブ内を通る液体試料の存在を外部から検
出する検出手段とを備えた微量の液体の自動注入装置に
して、円筒の一端が次第に細くなりながら緩やかに曲が
り、内部の液を外部に導く排出口を形成して底部をな
し、最上部をなす該円筒の他端に内部の気体を外部に排
出する開閉可能な排気手段を備えると共に、周りに熱媒
体を流すためのジャケットを備える、気泡を含んだ液体
を脱泡するための密封された縦型の脱泡容器を備えたこ
とを特徴とする微量の液体の自動注入装置を提供するも
のである。
【0006】更に本発明は、微量の液体試料を貯留する
貯留手段と、液体試料の供給を受ける受取手段と、円筒
の一端が次第に細くなりながら緩やかに曲がり、内部の
液を外部に導く排出口を形成して底部をなし、最上部を
なす該円筒の他端に内部の気体を外部に排出する開閉可
能な排気手段を備えると共に、周りに熱媒体を流すため
のジャケットを備えた密封された縦型の脱泡容器と、上
記貯留手段と該脱泡容器との間を接続すると共に、外部
からの送液で内部の液体試料を出入りできる、弾性体よ
りなる注入チューブと、上記受取手段と上記脱泡容器と
の間を接続する注出チューブと、貯留手段の液体試料を
注入チューブへ注出させ、脱泡容器へ強制的に送り込む
送液手段と、注出チューブ内を通る液体試料の存在を外
部から検出する検出手段とを備えたことを特徴とする微
量の液体の自動注入装置を提供するものである。
【0007】
【作用】本発明によれば、注出チューブの一端を上記脱
泡容器の排出口に接続する一方、注入チューブの一端を
脱泡容器の上部近傍に開口して、脱泡容器の排気手段を
開くことにより、送液手段の圧力で注入チューブの上記
一端から、貯留手段の気泡を含んだ液体試料を脱泡容器
の上部から下部へ自然落下させて脱泡させる。
【0008】また、円筒の一端が次第に細くなりながら
緩やかに曲がり、内部の液を外部に導く排出口を形成し
て脱泡容器の底部をなしていることにより、脱泡された
微量の液体試料を効率よく集め、脱泡されて脱泡容器内
に溜まった液体試料を、脱泡容器の排気手段を閉じるこ
とにより、送液手段の作動で生じる脱泡容器内の空気圧
で注出チューブの上記一端より注出チューブ内へ送り出
し、注出チューブ内を上記受取手段に向かって送り出さ
れた液体試料を検出手段で検出することにより、液体試
料の終端に含まれる気泡を未然に排出して受取手段に気
泡が導入されるのを防ぎ、脱泡した液体試料を迅速で正
確に、しかも損失することなく受取手段に導入すること
ができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の装置を図面に示す実施例につ
いて詳細に説明する。図1は、本発明の微量の液体の自
動注入装置の構成を示す概略ブロック図であり、図2
は、本発明の微量の液体の自動注入装置の第1実施例を
用いた、液体クロマトグラフィーを行う装置を示したブ
ロック図である。
【0010】図1において、1は、脱泡を行う微量の液
体試料を貯留する貯留容器からなる貯留手段であり、2
は、気泡を含んだ液体試料を脱泡するための脱泡容器で
あり、該脱泡容器2は、ガラス製の円筒の一端が次第に
細くなりながら緩やかに曲がり、脱泡容器2内の脱泡さ
れた液体試料を外部に排出するための排出口4を形成し
て底部を形成し、脱泡容器2の上部には脱泡容器2内の
気体を排気したり密閉したりするための電動バルブから
なる排気手段5を備え、更に気泡を含んだ液体試料が温
媒又は冷媒を必要とする場合に、脱泡容器2の周りに熱
媒体を流すためのガラス製のジャケット3を備える。
【0011】貯留容器1と脱泡容器2は注入チューブ6
で接続され、該注入チューブ6の一端は脱泡容器2内の
上方に開口配置されている。貯留容器1内の気泡を含ん
だ液体試料は、送液手段7によって強制的に注入チュー
ブ6を通って脱泡容器2に送り込まれる。
【0012】8は、脱泡容器2で脱泡された液体試料の
供給を受ける受取手段であり、脱泡容器2の排出口4と
注出チューブ9で接続されている。また、注出チューブ
9上には注出チューブ9内の液体試料を外部から検出す
る検出手段10が備えられている。
【0013】上記のような構成において、送液手段7に
よって、注入チューブ6を介して送液された貯留手段1
内の気泡を含んだ液体試料は、注入チューブ6から排気
手段5を開くことによって密封状態が解かれた脱泡容器
2内に滴下する際に、気泡を形成している比重の軽い気
体と比重の重い液体に分離され、比重の重い液体のみが
滴下し、液体試料は脱泡される。
【0014】次に、排気手段5を閉じて脱泡容器2を密
封状態にして脱泡容器2内の気圧を上昇させ、その圧力
により脱泡容器2内の脱泡された液体試料を排出口4よ
り注出チューブ9に押し出して、脱泡された液体試料を
受け取る受取手段8に送液される。その際に、検出手段
10によって、注出チューブ9内の液体試料を検出し、
液体試料の後にある気体が受取手段8に浸入するのを防
ぐ。
【0015】次に、図1で示した構成の微量の液体の自
動注入装置を液体クロマトグラフィーを行う装置に使用
した場合の第1実施例を図2を用いて詳細に説明する。
【0016】図2において、気泡を含んだ液体試料11
は、反応液と、水、食塩水又は塩酸からなる溶解液から
なり、上記貯留手段1は、反応液を供給する反応液供給
手段12と、溶解液を供給する溶解液供給手段13と、
該溶解液供給手段13から供給された溶解液を射出され
るための窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段14を備
える。
【0017】更に、貯留手段1は、液体試料11を貯留
するための密封された貯留容器20を備え、該貯留容器
20は、液体試料を貯留するガラス製のフラスコ21
と、該フラスコ21の周りに冷媒又は温媒を流すための
ガラス製のジャケット22と、上記フラスコ21を密封
するための密封手段23からなる。
【0018】上記フラスコ21は、半球面の容器をなし
た底部の開口部から円筒形のガラス管が延在した形状を
なし、該底部と相対する側にある開口部を有する端部の
側面の外周を螺刻して接続部を形成している。
【0019】上記ジャケット22は、円形の平板の一方
の平面から、外径が該平板と同じ直径をなした円筒が延
在して大略円柱状の容器を形成し、該容器の開口部を更
に円形の平板で密封して、中空の円柱容器を形成した
後、該円柱容器の一方の平板に、上記フラスコ21の側
面の外径とほぼ同じ大きさの円形の穴を形成して上面と
し、該穴に上記フラスコ21をフラスコ21の底部から
挿入して、フラスコ21の螺刻された端部を突出させる
ように配置し、ジャケット22の上記穴と、その穴に隣
接するフラスコ21の側面とを密封するように固着す
る。
【0020】更に、上記ジャケット22の側面の下端部
に円形の穴を形成し、該穴から外方に向かって円筒形の
ガラス管が延在して送入口221を形成し、更にまた、
上記ジャケット22の側面の上端部に円形の穴を形成
し、該穴から外方に向かって円筒形のガラス管が延在し
て送出口222を形成している。
【0021】上記ジャケット22は、反応液が温媒又は
冷媒を必要とする場合は、ジャケット22の送入口22
1及び送出口222を温媒(図示せず)又は冷媒(図示
せず)に接続し、例えば液体の温媒又は冷媒を上記送入
口221から送入し、上記送出口222から送出して循
環させて、フラスコ21内の反応液又は液体試料11を
暖めたり、冷やしたりするものである。
【0022】また、上記密封手段23は、ガラス製のガ
ラス部材24と、上記フラスコ21と該ガラス部材24
を接続する接続部材25と、ガラス部材24にチューブ
を接続して密封する密封部材26からなる。
【0023】上記ガラス部材24は、中空の大略球形を
したガラスからなる部材の一端に円形の穴を形成し、該
穴から外方に向かってガラス製の円筒が延在して、該円
筒の外周面を螺刻して接続部を形成する。更に、該接続
部と相対するガラスからなる部材の端部に複数の穴が形
成され、その各々の穴から外方に向かって細長い円筒形
のガラス管が延在しチューブ接続部を形成する。
【0024】図3は、接続部材25を示した概略図であ
り、(a)は平面図、(b)は側面図を示している。図
3に示すように、上記接続部材25は、一端を開放した
大略円柱状のプラスチック材からなる容器をなし、その
内周面を螺刻し、平面をなす底部に円形の穴を形成した
1対のプラスチック部材251、251’と、該プラス
チック部材251,251’を回動自在に接続するテフ
ロンからなるテフロン部材252からなる。
【0025】図4は、上記接続部材25を使用して、フ
ラスコ21の接続部212と、ガラス部材24の接続部
241を接続した状態を示した概略部分断面図である。
図4に示すように、該テフロン部材252は、上記プラ
スチック部材251の内径とほぼ同じ外径を有する円盤
252aの1方の平面に、プラスチック部材251の円
形の穴の直径とほぼ同じ外径を有すると共に、プラスチ
ック部材251の底部の厚さよりも大きい厚みを有する
円盤252bの1方の平面を同軸上に接合する。
【0026】そして更に、円盤252bの他方の平面
に、プラスチック部材251の円形の穴の直径よりも大
きい外径を有する円盤252cの1方の平面を同軸上に
接合し、円盤252cの他方の平面に、上記252bと
同形状の円盤252dの一方の平面を同軸上に接合し、
円盤252dの他方の平面に、上記252aと同形状の
円盤252eの一方の平面を同軸上に接合し、上記円盤
252aの他方の平面から同軸上に上記プラスチック部
材251の底部に形成した円形の穴の直径よりも小さい
直径の貫通穴を形成してなり、該貫通穴の両端部にあた
るテフロン部材の内周面の両端部はアールが設けてあ
る。
【0027】上記円盤252aが一方のプラスチック部
材251の底部の内側の面に接するように、上記円盤2
52b部に、プラスチック部材251の底部の円形の穴
がくるようにプラスチック部材251の底部を上記円盤
252aと円盤252cで挟むようにしてプラスチック
部材251を蝶着する。
【0028】更に、上記テフロン部材252の上記円盤
252eが他方のプラスチック部材251’の底部の内
側の面に接するように、上記円盤252d部に、プラス
チック部材251’の底部の円形の穴がくるようにプラ
スチック部材251’の底部を上記円盤252cと円盤
252eで挟むようにしてプラスチック部材251’を
蝶着して接続部材25が形成される。
【0029】ここで、上記フラスコ21の螺刻部212
と上記ガラス部材24の接続部241は、上記接続部材
25の一対のプラスチック部材251、251’によっ
て螺着される。
【0030】図5は、密封部材26を構成する部品を示
した部品構成図であり、図6は、密封部材26を使用し
て、テフロンチューブと、ガラス部材24のチューブ接
続部242を接続した状態を示した概略部分断面図であ
る。
【0031】図5及び図6に示すように、上記密封部材
26は、一端を開放した大略円柱状の容器をなす、テフ
ロンからなる袋ナットの他端の平面にチューブ28を通
す貫通穴を形成したナット261と、シール用のOリン
グ262と、シール部材263と、一端を開放した大略
円柱状の容器をなす、テフロンからなる袋ナットの他端
の平面に上記ガラス部材24のチューブ接続部242を
通す貫通穴を形成したナット264と、シール用のOリ
ング265と、シール部材266と、上記ナット261
と264に対応したボルト部をそれぞれの両端に備えた
テフロンからなるボルト267とからなる。
【0032】また、ボルト267に螺合する際に、締め
付けやすいように、上記ナット261及び264の側面
をカットして、ナット261及び264の側面の相対す
る位置に平面を形成するとよい。
【0033】上記Oリング262は、上記ナット261
に通すチューブ28の外径とほぼ同じ大きさの内径を有
し、ナット261の内径よりも小さい外径を有する。
【0034】上記シール部材263は、大略漏斗形をな
し、外径の大きい側の開口端に円形のつばを形成し、外
径の小さい側の開口端の内径は上記チューブ28の外径
とほぼ同じ大きさをなした、テフロンからなる、シール
をより完全にするためのものである。
【0035】上記Oリング265は、上記チューブ接続
部242の外径とほぼ同じ大きさの内径を有し、ナット
264の内径よりも小さい外径を有する。
【0036】上記シール部材266は、大略漏斗形をな
し、外径の大きい側の開口端に円形のつばを形成し、外
径の小さい側の開口端の内径は上記チューブ接続部24
2の外径とほぼ同じ大きさをなした、テフロンからな
る、シールをより完全にするためのものである。
【0037】上記ボルト267は、円柱状の円盤267
aの一方の平面から同軸上に円柱が延在し、該円柱の外
周面には上記ナット261に対応して螺刻されたボルト
部267bと、上記円盤267aの他方の平面から同軸
上に円柱が延在し、該円柱の外周面には上記ナット26
4に対応して螺刻されたボルト部267cとからなる。
【0038】また、ボルト267にナット261及び2
64を螺合する際に、締め付けやすいように、上記ボル
ト267の円盤267aの側面をカットして、ボルト2
67の円盤267aの側面の相対する位置に平面を形成
するとよい。
【0039】更に、円盤267aと相対する側の上記ボ
ルト267cの平面から同軸上に円柱形の貫通しない穴
267dを形成し、該貫通しない穴267dは、円盤2
67a部で終わっている。更にまた、円盤267aと相
対する側の上記ボルト部267bの平面から同軸上に上
記貫通しない穴267dよりも小さい直径の円柱形の貫
通穴267eを形成する。
【0040】ここで、上記密封部材26は、チューブ2
8を、上記ナット261の貫通穴を形成した平面からナ
ット261の貫通穴に挿入して、Oリング262をナッ
ト261の開口端から、ナット261の内部に入るよう
にチューブ28に挿入する。次に、シール部材263を
外径の大きい側の開口端がナット261の内部でOリン
グ262に接するようにチューブ28に挿入し、ボルト
267のボルト部267bの貫通穴267eに挿入し、
ナット261をボルト部267bに螺合させる。
【0041】更にまた、ガラス部材24のチューブ接続
部242を、上記ナット264の貫通穴を形成した平面
からナット264の貫通穴に挿入して、Oリング265
をナット264の開口端から、ナット264の内部に入
るようにチューブ接続部242に挿入する。次に、シー
ル部材266を外径の大きい側の開口端がナット264
の内部でOリング265に接するようにチューブ接続部
242に挿入し、上記チューブ28をチューブ接続部2
42に挿入するように上記ボルト267のボルト部26
7cの貫通しない穴267dに挿入し、ナット264を
ボルト部267cに螺合させる。
【0042】このような密封部材26を使用して、反応
液供給手段12から反応液を送液するテフロンチューブ
(外径3mm、内径1mm)30、窒素ガス供給手段1
4から供給される窒素ガスを伴った、溶解液供給手段1
3から供給された溶解液を送液するテフロンチューブ
(外径3mm、内径1mm)31、液体試料11を送液
するテフロンチューブ(外径3mm、内径1mm)32
をガラス部材24に密封接続する。
【0043】また、図7に示すように、チューブ32の
一端は上記フラスコ21内にある撹拌子40の貫通穴4
0aに挿入してフラスコ21の底に接して開口配置され
ている。該撹拌子40は、円筒の外周面から該円筒の軸
に対して等角度の3方の放射状の方向に、円筒の長さと
同じ長さの板状の直方体が延在して羽部40bを形成
し、撹拌子40の一端が大略円すい形をなすように該羽
部40bの一端をくさび形に形成している。更に、上記
それぞれの羽部40bには、棒状のマグネット40cが
内蔵されている。
【0044】ここで図2において、S極とN極を有する
マグネット41aと、該マグネット41aを水平方向に
回転させる電動機41bとを備えたマグネットスターラ
41の上に上記貯留容器20を配置して、電動機を作動
させてマグネット41aを回転させることにより、羽部
40bに内蔵されている棒状のマグネット40cに作用
して撹拌子40は回転し、液体試料11は撹拌される。
【0045】次に、上記注入チューブ6は、テフロンチ
ューブ32、シリコンゴムチューブ(外径3mm、内径
1mm)33、テフロンチューブ(外径3mm、内径1
mm)34、チューブを接続するジョイント42、44
からなり、テフロンチューブ32の他端は、ジョイント
42によってシリコンゴムチューブ33の一端に接続さ
れ、シリコンゴムチューブ33の他端は、上記送液手段
7を構成するローラーポンプ43を通ってジョイント4
4によってテフロンチューブ34の一端に接続されてい
る。
【0046】次に、上記脱泡容器2は、液体試料11を
脱泡するガラス製の脱泡フラスコ51と、該脱泡フラス
コ51の周りに冷媒又は温媒を流すためのガラス製のジ
ャケット3と、上記脱泡フラスコ51を密封するための
密封手段53とからなる。
【0047】上記脱泡フラスコ51は、円筒部511の
一端が次第に細くなりながら緩やかに90゜曲がり排出
口4を形成し、上記フラスコ21と同様に円筒部511
の他端の端部の側面の外周を螺刻して接続部を形成して
いる。
【0048】上記ジャケット3は、上記ジャケット22
と同じように使用し、ほぼ同じ形状及び構造をなしてい
るが、ジャケット22との相違点は、ジャケット3の側
面の下部に脱泡フラスコ51の排出口4の外径とほぼ同
じ大きさの穴が形成され、排出口4を該穴から排出口4
が突出するように配置し、ジャケット3の上記穴と、そ
の穴に隣接する脱泡フラスコ51の側面とを密封するよ
うに固着することにある。
【0049】また、上記密封手段53は、ガラス製のガ
ラス部材54と、上記脱泡フラスコ51と該ガラス部材
54を接続する接続部材55と、ガラス部材54にチュ
ーブを接続して密封する密封部材56と、脱泡フラスコ
51内を排気し、又は密封状態を解除するための開閉可
能な上記排気手段5である電動バルブ、例えば電動3方
バルブ57とからなる。なお、ガラス部材54は上記ガ
ラス部材24と、接続部材55は上記接続部材25と、
密封部材56は上記密封部材26と同じ構造であるため
説明を省略する。
【0050】上記テフロンチューブ34の他端は、密封
部材56、ガラス部材54、接続部材55を介して、接
続部材55の下端付近に位置するように脱泡フラスコ5
1の内部に開口配置されている。
【0051】また、上記電動3方バルブ57の配管57
aは、テフロンチューブ(外径3mm、内径1mm)3
5の一端に接続されており、配管57bは密封され、配
管57cは開放されている。テフロンチューブ35の他
端は、密封部材56を介してガラス部材54の内部に開
口配置されている。
【0052】上記脱泡フラスコ51の排出口4は、ジョ
イント45によって上記注出チューブ9であるテフロン
チューブ(外径1.59mm、内径0.8mm)36の一
端に接続されており、該テフロンチューブ36の他端
は、例えば、上記検出手段10であるオムロン社製のE
E−SG3のようなフォトセンサ60を通って、上記受
取手段8を構成し、チューブの接続を切り換えることに
よって液の流れを切り換える、例えばセンシュー科学社
製のE1E−010のような電動6方バルブ61の配管
61aに接続されている。
【0053】ここで、上記受取手段8は、上記電動6方
バルブ61と、サンプルループ62によって構成されて
おり、電動6方バルブ61までが本発明の微量の液体の
自動注入装置を構成しており、電動6方バルブ61以降
は液体クロマトグラフィーを行う装置を示している。
【0054】電動6方バルブ61の配管61bは、サン
プルループ62の一端が接続されており、サンプルルー
プ62の他端は電動6方バルブ61の配管61eに接続
されており、電動6方バルブ61の配管61cは、例え
ば日本分光社製のPU−980のようなポンプ63に接
続され、電動6方バルブ61の配管61fは、不用な試
料を廃棄するために開放されている。
【0055】また、電動6方バルブ61の配管61d
は、例えばYMC社製ODSカラムのODS−AQ(カ
ラム内径10mm、長さ250mm)のような逆相カラ
ムでできた分取カラム64に接続されており、分取カラ
ム64は、例えば紫外可視分光光度計検出器からなる、
例えば日本分光社製のUV970のような検出器65に
接続され、検出器65は、チューブの接続を切り換える
ことによって液の流れを切り換える電動3方バルブ66
の配管66aに接続されている。電動3方バルブ66
は、通常、配管66aと配管66cが接続されており、
配管66bは閉じている。また、配管66bは密封され
たガラス製の回収容器67内に開口配置されている。
【0056】ローラーポンプ43が作動してから規定時
間が経過したかどうかを判定して電動3方バルブ57の
開閉制御を行い、フォトセンサ60からの信号により電
動6方バルブ61に信号を送って電動6方バルブ61の
駆動制御を行い、検出器65からの信号により電動3方
バルブ66に信号を送って電動3方バルブ66の駆動制
御を行う制御部70を備えている。
【0057】以下、図8のフローチャートを用いて、グ
リニヤール反応で得られた反応液を含む液体試料からの
1-[11C]オクタン酸の精製分取を目的に本実施例の
装置を用いて液体カラムクロマトグラフィーを行った例
を説明する。
【0058】図8において、ステップS1からステップ
S7までが、本発明の装置を用いた微量の液体を自動注
入するフローを示している。
【0059】最初に、ステップS1において、制御部7
0によって、電動3方バルブ57を開け、すなわち電動
3方バルブ57の配管57aと配管57cとを接続さ
せ、更に電動6方バルブ61を作動させて、配管61a
と配管61b、配管61cと配管61d、配管61eと
配管61fをそれぞれ接続させて初期設定を行い、貯留
容器20のフラスコ21に反応液供給手段12から反応
液をテフロンチューブ30を介して送液する。この後、
フラスコ21内で必要に応じて反応液の溶媒留去を行
う。
【0060】ここで、上記反応液が、長鎖の脂肪酸のよ
うに温度が低いと結晶になるような場合、例えば液体の
温媒として60℃の温水を上記送入口221から送入
し、上記送出口222から送出して循環させて、フラス
コ21内の反応液又は液体試料11を暖めて結晶になる
のを防ぐ。
【0061】次に、ステップS2において、液体クロマ
トグラフィーに使用する、水、食塩水又は塩酸からなる
溶出液と同様の溶解液を、溶解液供給手段13からテフ
ロンチューブ31を介して、窒素ガス供給手段14から
の窒素ガスのガス圧でガラス部材24内に射出させて入
れ、反応液の残渣を溶解し、2mlの液体試料11を作
る。この際に、マグネットスターラ41を作動させて撹
拌子40を回転させることによってフラスコ21内の液
体試料11を撹拌させる。なお、液体試料11の全体の
液量は、液体クロマトグラフィーに使用するサンプルル
ープ62の容量と同じになるように調節する。
【0062】次に、ステップS3において、ローラーポ
ンプ43を作動させて、フラスコ21内の気泡を含んだ
液体試料11が、毎分3.5mlの流速でテフロンチュ
ーブ32、ジョイント42、シリコンゴムチューブ3
3、ジョイント44を介してテフロンチューブ34から
脱泡容器2の脱泡フラスコ51に滴下する。ここで、気
泡を含んだ液体試料11が、テフロンチューブ34から
脱泡フラスコ51に滴下する際に、気泡を形成している
比重の軽い気体と比重の重い液体に分離され、比重の重
い液体のみが滴下し、液体試料11は脱泡される。
【0063】次に、ステップS4において、制御部70
によって、脱泡フラスコ51に脱泡された脱泡液体試料
15が一定量溜まったかどうかの判定を行う。すなわ
ち、ローラーポンプ43が作動してから規定時間(通常
40秒から90秒)、本実施例の場合80秒経過したか
どうかの判定を行う。なお、上記規定時間は、送液する
液体試料11の粘度や量により設定を変え、また液体試
料11が最後の一滴まで完全に移送されるための待ち時
間を含んでいる。
【0064】ステップS4において、ローラーポンプ4
3が作動してから80秒経って、脱泡フラスコ51内に
脱泡液体試料15が一定量溜まる(Y)と、ステップS
5に進み、ステップS5で、制御部70によって電動3
方バルブ57が閉じられ、すなわち電動3方バルブ57
の配管57aと配管57bとを接続させて、脱泡フラス
コ51内は密封状態となり、更に、脱泡フラスコ51内
に液体試料11が滴下して、脱泡液体試料15が脱泡フ
ラスコ51内に貯留され、脱泡フラスコ51内の気圧が
上昇して脱泡液体試料15の液面を押し下げようとする
ため、脱泡液体試料15は、脱泡フラスコ51の排出口
4からジョイント45を介してテフロンチューブ36に
排出され、ステップS6に進む。
【0065】また、ステップS4において、ローラーポ
ンプ43が作動してから80秒経っておらず、脱泡フラ
スコ51内に脱泡液体試料15が一定量溜まっていない
場合(N)、ローラーポンプ43が作動してから80秒
経つまでステップS4を繰り返す。
【0066】次に、ステップS6において、テフロンチ
ューブ36内の脱泡液体試料15はフォトセンサ60を
経由して電動6方バルブ61の配管61aに導入される
が、ここで制御部70は、フォトセンサ60がテフロン
チューブ36内の脱泡液体試料15を検知したかどうか
を、フォトセンサ60からの電気信号により検出し、フ
ォトセンサ60が脱泡液体試料15を検知してオン状態
となっていることを検出する(Y)と、ステップS7に
進む。
【0067】また、ステップS6において、フォトセン
サ60がオフ状態のままである場合(N)は、ステップ
S6を繰り返す。
【0068】次に、ステップS7において、テフロンチ
ューブ36内の脱泡液体試料15の末端がフォトセンサ
60に達し、該フォトセンサ60がテフロンチューブ3
6内の脱泡液体試料15を検知しなくなると、フォトセ
ンサ60はオフ状態となるが、制御部70は、フォトセ
ンサ60がオフ状態になったかどうかを検出し、フォト
センサ60がオフ状態になったことを検出する(Y)
と、ステップS8に進む。
【0069】また、ステップS7において、フォトセン
サ60がオン状態のままである場合(N)は、ステップ
S7を繰り返す。
【0070】次に、ステップS8からステップS10ま
でが、液体クロマトグラフィーを行うフローを示してい
る。
【0071】ステップS8において、制御部70は、電
動6方バルブ61を作動させて、配管61aと配管61
f、配管61bと配管61c、配管61dと配管61e
をそれぞれ接続させる。それによって、サンプルループ
62は、配管61bと配管61cによってポンプ63と
接続され、サンプルループ62内の脱泡液体試料15
は、ポンプ63による、水、食塩水又は塩酸からなる溶
出液の毎分5mlの送液によりサンプルループ62内か
ら押し出され、配管61e、配管61dを経て、分取カ
ラム64に送液される。
【0072】ここで、フォトセンサ60と配管61a間
のテフロンチューブ36内に残った脱泡液体試料15
は、脱泡液体試料15の終端に含まれる気泡をサンプル
ループ62内に入れないために、配管61fを通じて廃
棄される。
【0073】次に、ステップS9において、分取カラム
64に導入された脱泡液体試料15は、分取カラム64
によって分離、精製され、吸着性の最も弱い成分から先
に分取カラム64から溶出していき、その溶出液は検出
器65に導入され、制御部70は、検出器65が目的物
である1-[11C]オクタン酸を検出したかどうかを検
出器65からの電気信号により検出し、検出器65が目
的物である1-[11C]オクタン酸を検出する(Y)
と、ステップS10に進む。
【0074】また、ステップS9において、検出器65
が目的物である1-[11C]オクタン酸を検出しない場
合(N)は、目的物を検出するまでステップS9を繰り
返す。
【0075】次に、ステップS10において、制御部7
0は、検出器65からの信号を受けて電動3方バルブ6
6を動作させて、配管66aと配管66bを接続させ
て、回収容器67に1-[11C]オクタン酸のフラクシ
ョンが回収されて液体クロマトグラフィーが終了する。
【0076】上記のように、液体試料11を貯留容器2
0に導入してから12分後に検出器65が目的物である
1-[11C]オクタン酸を検出し、得られた溶液中に1-
11C]オクタン酸(2.22GBq)を液体として得
ることができる。
【0077】本発明の装置は、上記実施例に限定される
ものではなく、図9、図10を用いて本発明による微量
の液体の自動注入装置の第2実施例を説明する。
【0078】図9は、本発明の微量の液体の自動注入装
置の構成を示す概略ブロック図であり、図10は、図9
の第2実施例の微量の液体の自動注入装置を用いた、液
体クロマトグラフィーを行う装置を示したブロック図で
ある。ここでは、第1実施例と同じところは説明を省略
し、相違点のみ説明する。
【0079】図9において、第1実施例を示した図1と
の相違点は、送液手段7を貯留手段1の後ろに配置し、
貯留手段1は注入チューブ6によって送液手段7と脱泡
容器2とに接続されることにある。
【0080】図1の第1実施例では貯留手段1の液体試
料を送液手段7によって吸い出すことによって、液体試
料を貯留手段1から脱泡容器2に送液したのに対して、
図9の第2実施例においては、貯留手段1の液体試料を
送液手段7によって押し出すことによって、液体試料を
貯留手段1から脱泡容器2に送液するものである。
【0081】次に、図10において、第1実施例を示し
た図2との相違点は、上記第1実施例では貯留容器20
から脱泡容器2に液体試料11を送液する送液手段7と
してローラーポンプ43を使用したが、本第2実施例で
は送液手段7として、溶解液供給手段13からの溶解液
をガラス部材24に入れる際に使用した窒素ガス供給手
段14からの窒素ガスのガス圧を使用して、貯留容器2
0内の液体試料11を脱泡容器2に送液するものであ
る。
【0082】また、液体試料11を送液する注入チュー
ブ6はテフロンチューブ31とテフロンチューブ(外径
3mm、内径1mm)32’とからなり、テフロンチュ
ーブ32’の一端は上記フラスコ21内にある撹拌子4
0の貫通穴40aに挿入してフラスコ21の底に接して
開口配置され、密封部材26を使用してガラス部材24
に密封接続されており、テフロンチューブ32’の他端
は、脱泡容器2の密封部材56、ガラス部材54、接続
部材55を介して、接続部材55の下端付近に位置する
ように脱泡フラスコ51の内部に開口配置されている。
【0083】次に、図11のフローチャートを用いて、
グリニヤール反応で得られた反応液を含む液体試料から
の1-[11C]オクタン酸の精製分取を目的に本実施例
の装置を用いて液体カラムクロマトグラフィーを行った
例を、上記第1実施例と同じところは説明を省略し、相
違点のみを説明する。
【0084】図11において、ステップS3’で、窒素
ガス供給手段14からの窒素ガスのみをテフロンチュー
ブ31を介してフラスコ21内に注入し、それにより密
封手段23によって密封されたフラスコ21内の気圧が
上昇し、フラスコ21内の液体試料11の液面を押し下
げようとするため、フラスコ21内の気泡を含んだ液体
試料11が、毎分50mlの流速でテフロンチューブ3
2’から脱泡容器2の脱泡フラスコ51に滴下する。こ
こで、気泡を含んだ液体試料11が、テフロンチューブ
32’から脱泡フラスコ51に滴下する際に、気泡を形
成している比重の軽い気体と比重の重い液体に分離さ
れ、比重の重い液体のみが滴下し、液体試料11は脱泡
される。
【0085】次に、ステップS4’において、制御部7
0によって、脱泡フラスコ51に脱泡された脱泡液体試
料15が一定量溜まったかどうかの判定を行う。すなわ
ち、窒素ガス供給手段14からの窒素ガスのみをフラス
コ21内に注入してから規定時間、本実施例の場合50
秒経過したかどうかの判定を行う。ここで、上記規定時
間は、液体試料11が最後の一滴まで完全に移送される
ための待ち時間を含んでいる。
【0086】ステップS4’において、窒素ガス供給手
段14からの窒素ガスのみをフラスコ21内に注入して
から50秒経って、脱泡フラスコ51内に脱泡液体試料
15が一定量溜まる(Y)と、ステップS5に進む。
【0087】また、ステップS4’において、窒素ガス
供給手段14からの窒素ガスのみをフラスコ21内に注
入してから50秒経っておらず、脱泡フラスコ51内に
脱泡液体試料15が一定量溜まっていない場合(N)、
窒素ガス供給手段14からの窒素ガスのみをフラスコ2
1内に注入してから50秒経つまでステップS4’を繰
り返す。上記以外のフローは第1実施例と同じであるた
め、説明を省略する。
【0088】脱泡容器2については様々な形状が考えら
れるが、その中で最も脱泡性能が良く、微量な液体試料
の輸送効率が良い形状および寸法を図11に示す。図1
2(a)は平面図、図12(b)は正面図を示してい
る。図12から分かるように、脱泡容器2は、上記第1
実施例及び第2実施例で説明した形状をしており、最も
効率のよい大きさは、図12において、ジャケット3の
高さAが65mm、ジャケット3の円筒部の直径Bが4
0mm、接続部材55の下端から湾曲するまでの脱泡フ
ラスコ51の円筒部511の長さCが45mm、脱泡フ
ラスコ51の内径Dが10mm、脱泡フラスコ51の排
出口4の外径Eが4mm、内径Fが2mm、ガラス部材
54の球形部の外径Gが24mm、ガラス部材54のチ
ューブ接続部の長さHが20mm、外径Jが5mm、内
径Kが3mm、ジャケット3の送出口の外径Lが6m
m、内径Mが4mmであり送入口も同じである。
【0089】ここで、図12の脱泡容器を図2の装置に
使い、テフロンチューブ36にでてきた液体試料の液量
と気泡の有無を測定し、液体試料の輸送効率と脱泡の効
果を測定すると表1のような結果が得られた。
【表1】 液体試料量 送液後の回収率 テフロンチューブ36における気泡の有無 0.2ml 99.9%以上 なし 0.3ml 99.9%以上 なし 0.5ml 99.9%以上 なし 1.0ml 99.9%以上 なし 2.0ml 99.9%以上 なし 表1におけるデータはそれぞれ5回測定を行った結果で
あり、送液後の回収率は5回測定を行った結果の平均値
であり、良好な結果が得られた。
【0090】また、本発明における装置の脱泡容器は、
上記の図12に示したものだけに限定されるものではな
く、様々な形状および寸法の脱泡容器が考えられること
は言うまでもない。
【0091】
【発明の効果】上記のように本発明による微量の液体の
自動注入装置によれば、脱泡容器の空間部で液体と気体
に分離するため、脱泡後の液体試料中に気泡が入らず、
また、円筒の一端が次第に細くなりながら緩やかに曲が
り、内部の液を外部に導く排出口を形成して脱泡容器の
底部をなしていることにより、微量の脱泡液体試料を効
果的に集めることができ、密封された脱泡容器への液体
試料注入に伴う脱泡容器内の気圧上昇によって脱泡後の
液体試料を注出することができるため、液体試料の脱泡
工程での損失がほとんどなく、微量の液体試料に対して
効率よく迅速に脱泡を行うことができる。また、脱泡容
器から脱泡された液体試料を注出するチューブ内の液体
試料の終端をフォトセンサにより検知することにより、
液体試料の終端に含まれる気泡がサンプルループに導入
されるのを未然に防ぐことができる。このように、液体
クロマトグラフィー用の液体試料の自動注入装置として
最適な装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の微量の液体の自動注入装置の第1実
施例の構成を示した概略ブロック図である。
【図2】 本発明の第1実施例の装置を用いた、液体ク
ロマトグラフィーを行う装置を示したブロック図であ
る。
【図3】 本発明の第1実施例の装置に使用した接続部
材を示した図であり、(a)が正面図、(b)が側面図
である。
【図4】 本発明の第1実施例の装置に使用した接続部
材の拡大組立断面図である。
【図5】 本発明の第1実施例の装置に使用した密封部
材の部品構成図である。
【図6】 本発明の第1実施例の装置に使用した密封部
材の拡大組立断面図である。
【図7】 本発明の第1実施例の装置に使用した撹拌子
を示した図であり、(a)が正面図、(b)が平面図で
ある。
【図8】 図2に示した装置を用いて、液体クロマトグ
ラフィーを行ったフローチャートである。
【図9】 本発明の微量の液体の自動注入装置の第2実
施例の構成を示した概略ブロック図である。
【図10】 本発明の第2実施例の装置を用いた、液体
クロマトグラフィーを行う装置を示したブロック図であ
る。
【図11】 図10に示した装置を用いて、液体クロマ
トグラフィーを行ったフローチャートである。
【図12】 本発明の装置に用いた脱泡容器の実施例を
示した図であり、(a)は平面図、(b)は正面図であ
る。
【符号の説明】
1 貯留手段 2 脱泡容器 3,22 ジャケット 4 排出口 5 排気手段 6 注入チューブ 7 送液手段 8 受取手段 9 注出チューブ 10 検出手段 11 液体試料 12 反応液供給手段 13 溶解液供給手段 14 窒素ガス供給手段 15 脱泡液体試料 20 貯留容器 21 フラスコ 23,53 密封手段 32,32’,34,36 テフロンチューブ 33 シリコンゴムチューブ 42,44,45 ジョイント 43 ローラーポンプ 51 脱泡フラスコ 57 電動3方バルブ 60 フォトセンサ 61 電動6方バルブ 62 サンプルループ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−300743(JP,A) 特開 昭62−167470(JP,A) 特開 平2−61557(JP,A) 特開 平6−34615(JP,A) 特開 平6−273403(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 30/04 G01N 1/00 101 G01N 30/16

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微量の液体試料を貯留する貯留手段と、
    液体試料の供給を受ける受取手段と、気泡を含んだ液体
    試料を脱泡するための脱泡容器と、上記貯留手段と該脱
    泡容器との間を接続する注入チューブと、上記受取手段
    と上記脱泡容器との間を接続する注出チューブと、貯留
    手段の液体試料を注入チューブへ注出させ、脱泡容器へ
    強制的に送り込む送液手段と、注出チューブ内を通る液
    体試料の存在を外部から検出する検出手段とを備えた微
    量の液体の自動注入装置にして、 円筒の一端が次第に細くなりながら緩やかに曲がり、内
    部の液を外部に導く排出口を形成して底部をなし、最上
    部をなす該円筒の他端に内部の気体を外部に排出する開
    閉可能な排気手段を備えると共に、周りに熱媒体を流す
    ためのジャケットを備える、気泡を含んだ液体を脱泡す
    るための密封された縦型の脱泡容器を備えたことを特徴
    とする微量の液体の自動注入装置。
  2. 【請求項2】 微量の液体試料を貯留する貯留手段と、 液体試料の供給を受ける受取手段と、 円筒の一端が次第に細くなりながら緩やかに曲がり、内
    部の液を外部に導く排出口を形成して底部をなし、最上
    部をなす該円筒の他端に内部の気体を外部に排出する開
    閉可能な排気手段を備えると共に、周りに熱媒体を流す
    ためのジャケットを備える、気泡を含んだ液体を脱泡す
    るための密封された縦型の脱泡容器と、 上記貯留手段と該脱泡容器との間を接続すると共に、外
    部からの送液で内部の液体試料を出入りできる、弾性体
    よりなる注入チューブと、 上記受取手段と上記脱泡容器との間を接続する注出チュ
    ーブと、 貯留手段の液体試料を注入チューブへ注出させ、脱泡容
    器へ強制的に送り込む送液手段と、 注出チューブ内を通る液体試料の存在を外部から検出す
    る検出手段とを備えたことを特徴とする微量の液体の自
    動注入装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の装置にして、上記貯留
    手段は、密封されていることを特徴とする微量の液体の
    自動注入装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の装置にして、上記受取
    手段は、電動6方バルブ及びサンプルループからなるこ
    とを特徴とする微量の液体の自動注入装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の装置にして、上記送液
    手段は、ローラーポンプからなり、上記注入チューブを
    外部よりしごいて、貯留手段内の液体試料を注入チュー
    ブに引き込むことを特徴とする微量の液体の自動注入装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の装置にして、上記送液
    手段は、上記貯留手段に気体を注入する手段からなり、
    該気体を注入する手段から注入された気体の圧力によ
    り、貯留手段内の液体試料を押し出すことを特徴とする
    微量の液体の自動注入装置。
  7. 【請求項7】 微量の液体試料を貯留する密封された貯
    留手段と、 電動6方バルブ及びサンプルループからなる、液体試料
    の供給を受ける受取手段と、 円筒の一端が次第に細くなりながら緩やかに曲がり、内
    部の液を外部に導く排出口を形成して底部をなし、最上
    部をなす該円筒の他端に内部の気体を外部に排出する開
    閉可能な排気手段を備えると共に、周りに熱媒体を流す
    ためのジャケットを備える、気泡を含んだ液体を脱泡す
    るための密封された縦型の脱泡容器と、 上記貯留手段と該脱泡容器との間を接続すると共に、外
    部からの送液で内部の液体試料を出入りできる、弾性体
    よりなる注入チューブと、 上記受取手段と上記脱泡容器との間を接続する注出チュ
    ーブと、 上記注入チューブを外部よりしごいて、上記貯留手段の
    液体試料を注入チューブへ引き込んで、脱泡容器へ強制
    的に送り込む送液手段と、 注出チューブ内を通る液体試料の存在を外部から検出す
    る検出手段とを備えて、 注出チューブの一端を上記脱泡容器の排出口に接続する
    一方、注入チューブの一端を脱泡容器の上部近傍に開口
    して、脱泡容器の排気手段を開くことにより、送液手段
    の圧力で注入チューブの上記一端から貯留手段の液体試
    料を脱泡容器の上部から下部へ落下させて脱泡させると
    共に、脱泡されて脱泡容器内に溜まった液体試料を、脱
    泡容器の排気手段を閉じることにより、送液手段の作動
    で生じる脱泡容器内の気圧の上昇で上記脱泡容器の排出
    口より注出チューブ内へ送り出し、注出チューブ内を上
    記受取手段に向かって送り出された液体試料を検出手段
    で検出するようにしたことを特徴とする微量の液体の自
    動注入装置。
  8. 【請求項8】 微量の液体試料を貯留する密封された貯
    留手段と、 電動6方バルブ及びサンプルループからなる、液体試料
    の供給を受ける受取手段と、 円筒の一端が次第に細くなりながら緩やかに曲がり、内
    部の液を外部に導く排出口を形成して底部をなし、最上
    部をなす該円筒の他端に内部の気体を外部に排出する開
    閉可能な排気手段を備えると共に、周りに熱媒体を流す
    ためのジャケットを備える、気泡を含んだ液体を脱泡す
    るための密封された縦型の脱泡容器と、 上記貯留手段と該脱泡容器との間を接続すると共に、外
    部からの送液で内部の液体試料を出入りできる、弾性体
    よりなる注入チューブと、 上記受取手段と上記脱泡容器との間を接続する注出チュ
    ーブと、 上記貯留手段に気体を注入し、該気体の圧力により、貯
    留手段内の液体試料を上記注入チューブ内に押し出し
    て、脱泡容器へ強制的に送り込む送液手段と、 注出チューブ内を通る液体試料の存在を外部から検出す
    る検出手段とを備えて、 注出チューブの一端を上記脱泡容器の排出口に接続する
    一方、注入チューブの一端を脱泡容器の上部近傍に開口
    して、脱泡容器の排気手段を開くことにより、送液手段
    の圧力で注入チューブの上記一端から貯留手段の液体試
    料を脱泡容器の上部から下部へ落下させて脱泡させると
    共に、脱泡されて脱泡容器内に溜まった液体試料を、脱
    泡容器の排気手段を閉じることにより、送液手段の作動
    で生じる脱泡容器内の気圧の上昇で上記脱泡容器の排出
    口より注出チューブ内へ送り出し、注出チューブ内を上
    記受取手段に向かって送り出された液体試料を検出手段
    で検出するようにしたことを特徴とする微量の液体の自
    動注入装置。
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