JP3199781B2 - 分離媒質中で所定の動作方向を有する帯域を検出する装置 - Google Patents

分離媒質中で所定の動作方向を有する帯域を検出する装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分離科学の技法、特
に、例えば小部分(以下、フラクションと呼ぶ)コレク
タ装置として周知の装置によって実施される様な分離さ
れた検体を収集する技法に関する。
【0002】
【従来の技術】分離装置によって分離される材料を自動
的に収集することは、分離科学において周知である。一
つの型式の分離装置は、電気泳動によって分離を行う電
気泳動装置として周知である。この方法では、試料は、
分子の種として媒質中で分離され、電位の影響の下で媒
質を通って移動する。
【0003】電気泳動装置の1つの種類は、毛細管電気
泳動装置である。毛細管電気泳動装置では、媒質は、小
さい直径の毛細管内にある。この管は、通常、融合され
た石英で作られる。電気泳動媒質は、毛細管泳動におい
てゲルまたは液体でもよい。分子の種の分離された帯域
ないし領域(以下バンドと呼ぶ)は、媒質を通して光を
伝達し分子の種が媒質に沿って移動する際に吸光度の差
異によって分子の種を検知する検出器によって検知され
る。該バンドの体積は、例えば20ナノリットルの様に
小さい。
【0004】その上に容器を有する回転テーブルの様な
フラクションコレクタ装置は、分離装置によって分離さ
れたフラクションを収集するのに使用されていた。しか
しながら、従来技術のフラクションコレクタ装置は、毛
細管内の試料成分ないしバンドの小さい体積のために最
初の吸光度検知器の評価分析の後に更に使用する様に毛
細管電気泳動装置からフラクションを収集するのは容易
ではない。バンド内の試料濃度が既に低い状態であり得
るために、フラクション収集過程における一層の希釈
は、回避されねばならない。これは、電気的接地結合部
と、毛細管との双方が電気的連続性を与えるために必要
である収集用電解液に浸漬されるため、実施するのに困
難である。電解液のこの体積は試料バンドを更に希釈す
る。
【0005】
【発明の要約】上述の問題を解決するため、分離媒質に
おいて所定の運動方向を有するバンドを検出する装置
は、光源と、光検出器と、分離媒質を保持する毛細管
と、バンドを検出する様に配置され分離媒質を横切って
電位を加える装置とを備えている。該装置は、異なる成
分に対応して異なるバンドを受取る様に構成される収集
捕捉装置と、該収集捕捉装置の少くとも一部および毛細
管の一端を制御装置からの信号に応答して相互に対して
移動する装置とによって特徴づけられる。
【0006】有利に、特定の異なる成分は、20ナノリ
ットルから2ミリリットルまでの体積を有し、収集捕捉
装置は、幾つかの試料収集カップを保持するキャリア
と、該試料収集カップ内の電解質緩衝液に電気的に接触
して電導性の電解液に浸漬される様に構成される接地電
極とを有している。
【0007】一実施例では、該試料収集カップは、
(1)電解液を収容する様に構成される2つのウェル
と、(2)緩衝液イオンの流れを許容するが分離される
試料の移動を許容しない様に締付けられる半透膜によっ
て被われるウェルの底と、(3)電解液レベルが充分に
高ければウェルの間の流体および電気の結合を与えるが
ウェル内の電解液または緩衝液のいづれかのレベルがブ
リッジの高さよりも低ければ該結合を防止する、2つの
ウェルの間を結合するブリッジとを備えている。該収集
捕捉装置は、キャリアと、圧力制御可能な容器を有する
試料注入装置とを備えている。
【0008】該収集捕捉装置は、(1)支持板と、
(2)圧力制御可能な容器を被う着脱可能なキャップに
結合される毛細管と共に、ガイド上を摺動可能に水平に
該支持板を移動する装置と、(3)キャリアの上方に毛
細管端部の引上げを行う装置と、(4)支持板を移動し
これにより次の試料収集カップをフラクション収集のた
めの位置に移動するか、または、次の試料の注入のため
に取り外し可能なキャップの円錐形の孔を毛細管の下の
位置に移動する、割出し装置とを備えている。複数の試
料収集カップを一体に固定してよく、キャリアは、一体
に固定された試料収集カップの各グループに対して一度
にキャリアに配置し、試料収集カップをキャリアに割付
けることができる。試料収集カップは、ソルトトラップ
でもよく、または固相抽出用試料収集カップでもよい。
【0009】電気泳動を実施するため、電位は、分離媒
質を横切って設定され、試料は、それを介する電気泳動
のために分離媒質に挿入され、媒質の一端は、可動腕に
よってフラクションコレクタ装置の上方に運ばれ、該可
動腕は、毛細管がトラップを組込む試料収集カップのウ
ェルより上にある状態で設置され、次に、毛細管が試料
収集カップのウェル内の電解液に進入するまで降下され
る。
【0010】毛細管がウェル内の電解液中に降下され、
従って電気的連続性を生じた後、電気泳動にかけられる
材料およびまたは電気浸透される材料は、毛細管から収
集用のウェル内の電解液へ移動される。重要な試料成分
がウェルに完全に溶出したとき、結電が遮断されて、可
動腕は、上昇されて回転された後、毛細管が、収集され
た試料バンドの間の廃棄物質を収集するキャリア内の電
解液に浸かるまで降下される。
【0011】有利に、試料収集カップは、電気泳動分離
後に分離された試料成分を濃縮するのに使用され、試料
収集カップは、電気泳動装置から取外されたキャリア内
に並べて堆積される。更に電解液が試料収集カップに添
加されて電解液がブリッジを被う様にし、電極は、キャ
リア内の電解質緩衝液に挿入される。100ボルトから
200ボルトまでの電位差が電極に加えられ、従って、
ウェル内の試料の分子は、半透膜の上面まで下方へ移動
し、充分な時間が濃縮を生じさせるために経過した後、
試料収集カップは除去されて、堅い面上に横たわる半透
膜を伴って垂直に置かれる。半透膜の直ぐ上にある濃縮
された試料は、ピペットで除去される。
【0012】一実施例では、濃縮された塩溶液が細い孔
内に支持され、希薄な緩衝液が毛細管におけると同一の
孔に入れられ、試料バンドは毛細管からウェル内の希薄
な緩衝液へ排出され、ウェル内の緩衝液へのフラクショ
ン収集の後にソルトトラップ内で濃縮される。
【0013】他の実施例では、電解液レベルは、電気的
連続性を与えるためにブリッジより上のレベルまで試料
収集カップ内で上昇され、電極に加えられる電圧の極性
で試料をウェルからウェルへ移動させる様に電位が加え
られ、これにより分離された試料は、ウェルから移動し
て、孔内の濃縮された塩溶液へ円錐状の底部によって下
方に導かれ、そこで半透膜に達する以前に捕捉される。
従って、半透膜に付着することも半透膜を通過すること
も不可能である。試料は、ミクロピペットによって除去
される。
【0014】更に他の実施例では、分離された試料分子
(以下アナレート(analate)と呼ぶ)は、その
溶液によって微粒子の詰ったベッドで捕捉され、該ベッ
ドの粒子は、アナレートが溶解または懸濁されている溶
剤とアナレートとの相互作用よりも強くアナレートに対
して相互作用する一方、アナレートが溶解または懸濁さ
れている溶剤に対しては弱く相互作用するような粒子に
選定される。濃縮されたアナレートは、ベッドの粒子お
よびアナレートの双方に強く相互作用する第2の溶剤に
よってベッド粒子から溶出される。
【0015】上述により、本発明の電気泳動装置は、例
えば(1)毛細管電気泳動によりバンドの比較的小さい
体積を収集可能であり、(2)試料は電気泳動装置の電
極に析出(プレートアウト)しないが、緩衝液には付着
され、しかも過度に希釈されず、(3)試料が試料収集
カップにおいて便利に濃縮可能であり、(4)試料収集
カップが便利に取扱われて、挿入される試料収集カップ
を有する他のキャリアにおいて濃縮するか貯蔵するため
に電気泳動装置から除去されてもよく、(5)半透膜と
の接触によって悪影響を受ける溶離液が収集過程の一部
としてソルトトラップにおける高濃縮度の塩溶液の上で
濃縮可能であるような、幾つかの利点を備えることが認
められる。
【0016】
【実施例】図1では、キャビネット12と、電源14
と、試料注入装置16と、検知装置18と、試料変更装
置20と、電気泳動装置22と、収集捕捉手段としての
フラクションコレクタ装置21と、を備える毛細管電気
泳動装置10が示されている。この毛細管電気泳動装置
は、ロバートウィリアムアリントンの名前で本特許出願
人と同一の出願人による1988年11月29日付米国
特許出願第277,566号に開示されるがフラクショ
ンコレクタ装置21を備える毛細管電気泳動装置10に
類似する。キャビネット12は、その上部を除去されて
図1に示される。該キャビネットは、分子の種を分離す
るために一体に結合される電源14と、試料変更装置2
0と、電気泳動装置22と、検知装置18と、試料注入
装置16と、フラクションコレクタ装置21とを支持す
る。
【0017】電気泳動装置22は、試料変更装置20に
結合され、毛細管の電気泳動分離領域の少くとも1つの
部分を水平に維持する様に構成される。検知装置18
は、電気泳動装置22に結合され、分離を監視し下記で
説明されるべき精密な試料体積を導く改良された方法の
ために吸光度検出セルを有している。フラクションコレ
クタ装置21は、複数の試料収集カップ412−448
と、キャリア411と、電極と、駆動機構とを有してい
る。試料収集カップは、分離された分子の種を収容する
様に構成される。
【0018】キャリア411を移動して個々の試料を取
り入れるため、試料注入装置、フラクションコレクタ装
置21は、キャリア411と、キャップ98を有する圧
力制御可能な容器80とを備えている。キャリア411
と圧力制御可能な容器80とは、ガイドレール406,
407上を摺動可能に水平に移動する支持板410(図
7及び図20)上に支持される。毛細管30は、圧力制
御可能な容器80を被う取り外し可能なキャップ98
(図14)を経て導かれてもよい。該容器80は、支持
板410(図7)の凹所に装着され、キャリア411と
共に移動する。
【0019】密封片400A(図7)は、截頭円錐形の
形状であり、可動腕が降下されたときにキャップ98の
円錐形の孔501(図13)とシールを形成する。該容
器80は、前述の特許出願に開示される様に、毛細管に
最初に電解液を充填して毛細管に試料を装填するために
可撓性の配管94を経てそれに加えられる真空を有して
もよい。配管94は、装着面405の孔502を経て試
料注入装置16の圧力制御装置へ導かれる。試料注入装
置の圧力制御装置は、装着面405の下に配置される。
操作の際、試料注入装置は、キャップ98の下の容器8
0内に負圧を生じさせ、該負圧は、前述の特許出願に開
示されるのと同様な態様で緩衝液容器60A,60B,
60Cまたは60Dの1つから緩衝液を毛細管30に吸
引するか、または試料変更装置20に配置される試料チ
ューブの1つから小量の試料を吸引する。
【0020】キャリア411は、幾つかの試料収集カッ
プ412−448(図13)を保持する。キャリア41
1は、電導性の電解質緩衝液451に浸漬される接地用
の電極505(図7)を備えている。電極505は、可
撓性の導体90によって結合され、図1の高圧電源14
の端子105に結合される電気的接地へ装着面405の
孔503を経て導かれる。また、キャリア411は、電
解質緩衝液450に浸漬される電極535(図15)を
有している。
【0021】この配置により、試料変更装置20は、毛
細管30の一端を試料に接触させ、試料注入装置16
は、該毛細管の一端部において試料を吸引して、電気泳
動に好適な電位で毛細管の一端を緩衝液に接触させる。
電力は、試料に低拡散を伴って急速に電気泳動をかける
ために、試料が毛細管の水平な部分内にある際に高電位
で加えられる。分離されたバンドは、検知されて(1)
センサーにおける分離媒質の両側の狹いスリットを経て
光を伝達し、(2)バンドの吸光度を測定し、(3)検
知されたバンドからの信号に応答して、検知されたバン
ドの1つ、またはそれ以上、またはその内の一部を受け
る様に所定の位置に移動される試料収集カップにバンド
を集めることによって、収集される。
【0022】好適実施例では、試料変更装置20は試料
中に毛細管の一端を挿入し、試料注入装置16が該毛細
管端部内に試料を吸引した後、試料変更装置20は、電
解液部50からの緩衝液に毛細管の該端部を挿入する。
電力が加えられ、試料が毛細管の水平部分にあるとき、
電圧は、分離を加速するために上昇される。
【0023】一つの実施例では、毛細管は電気泳動のそ
の長さにわたって水平であり、試料変更装置は試料から
緩衝液へ毛細管の端部を移動する必要がない。この実施
例では、試料を収容する水平な毛細管は、再シール可能
な容器に穿孔する様な或る好適な方法によって緩衝液に
水平に挿入される。他の実施例では、試料チューブおよ
び緩衝液は、毛細管の端部を移動するのではなく毛細管
の端部に接触する様に、移動される。
【0024】電気泳動装置22は、電気泳動の際の温度
制御のためにキャビネット12内に配置され、毛細管3
0と、着脱可能なカバー板32と、水平な棚34とを有
し、該カバー板32は、キャビネット12の水平な棚3
4上に休止する。カバー板32と棚34とは、それ等の
間で毛細管30の長さの変更を可能にする様に成形され
る棚34の凹所内に、カバー板32と棚34(図3)と
の間に毛細管30を収容する。これは、試料変更装置と
光センサーとの間の距離が変化しても、毛細管30が水
平な位置に維持される際に試料変更装置による毛細管3
0の端部の移動を可能にする。
【0025】毛細管30は、(1)電気泳動装置22か
ら試料変更装置20内に延びていて、試料変更装置20
により、試料および緩衝液へ移動して試料および緩衝液
と接触するために保持される第1端部と、(2)好まし
くは水平であり、電気泳動が高電圧において或る環境の
下で行われる電気泳動装置内にある中央部分と、(3)
電気泳動装置から検知装置17,18、試料注入装置1
6およびフラクションコレクタ装置21へ延びる第2端
部とを有している。
【0026】毛細管30は、好適実施例では0.03m
mから0.2mmまでの内径を有する石英から作られ、
任意の分離媒体を含んでもよい。好適実施例の毛細管壁
は、0.1mmから0.2mmまでの範囲の厚さであ
る。電気泳動のための通常の型式の毛細管は、該好適実
施例に対して考慮されるが、その他の寸法の管およびそ
の他の材料の管を使用してもよい。
【0027】棚34における細長い水平の凹所内の毛細
管30の水平な部分を冷却することによって温度制御を
与えるため、水平な棚34(図3)および着脱可能な水
平なカバー板32(図3に想像線で示す)は、好ましく
は高度に熱伝導性の材料で作られ、および/またはカバ
ー板32は、毛細管30の冷却を容易にする様に多数の
孔を有している。カバー板32は、ハンドル36によっ
て取り外されてもよい。
【0028】毛細管30が細長い凹所および水平な棚3
4を越えて試料変更装置20および検知装置18まで延
びるのを可能にするため、(1)ノッチ40が、試料変
更装置20からの毛細管30を収容するために水平な棚
34の一側部(図3で見て左端)に設けられ、(2)他
のノッチは、毛細管30が検知装置18の孔38を通っ
て電気泳動装置の外へ通過するのを可能にする様に、図
3で見て右端である他の端部に設けられる。
【0029】毛細管30に試料を供給するため、試料変
更装置20は、試料保持リール44と、可動腕46と、
ロータヘッド48と、電解液部50とを備えている。試
料保持リール44と、電解液部50とは、間隔を設けら
れた容器内に試料と、電解液とを収容する。可動腕46
は、ロータヘッド48によって支持され、電極52を電
解液に挿入し、毛細管30の端部を電解液および試料に
挿入するために二方向へ可動である。
【0030】この電極52および毛細管30は、試料変
更装置20の可動腕46にブラケット54によって装着
される。ブラケット54は、水平なレベルに、即ち、毛
細管の端部が電解液に接触する様に降下されるとき、水
平な部分の長さを最大限にする様にカバー板34内の凹
所のレベルおよびセンサー72のレベルと同一のレベル
に毛細管30を装着する。一実施例では、可動腕は、試
料変更装置20のロータヘッド48のスロット56を通
って上下に移動する。
【0031】他の実施例では、可動腕およびその軸は、
上下に移動して回転し、ロータケーシングは、不可欠で
はない。これは、可動な試料保持リール44において5
8B等として示される試料チューブへの毛細管30の浸
漬を可能にする。試料保持リール44は、その40個の
試料チューブの任意のものを毛細管30の下にもたらす
様にプログラム可能に回転可能であり、ロータヘッド4
8は、試料チューブの上または電解液部50の緩衝液容
器60A,60B,60Cまたは60Dの上のいづれか
に毛細管30を設置する様に回転可能である。
【0032】所望の緩衝液容器または試料チューブがロ
ータヘッド48の回転によって選択されるとき、可動腕
46は、試料チューブ内の試料または緩衝液容器内の電
解液62A,62B,62Cまたは62Dのいづれかに
接触して毛細管30の端部を置く様に下方へ移動する。
毛細管30の端部が緩衝液容器内の電解液中に浸漬する
とき、電極マニホールド301は、緩衝液容器内の電解
液中の電極52を付勢する。従って、所望の緩衝液容器
は、電極52によって付勢され、毛細管30によって選
択される。
【0033】電解液部50(図1)は、毛細管を横切る
電位を生じさせるために、上述の様に緩衝液容器中に電
極と、毛細管との双方を浸漬するのではなく、複数の白
金電極を総ての緩衝液容器に同時に浸漬する容易に可動
な電極マニホールド301を備えている。この作用は、
緩衝液における永続的な接続として下記で説明されるそ
の他の電気的接続により毛細管30に電気泳動のための
一定の電位を生じさせるが、プログラムされた時間で回
路が遮断されかつ付勢されてもよい。
【0034】電極マニホールド301は、それに取付け
られる着脱可能な4本の白金線の電極300A,300
B,300C,300Dを有している。これ等の電極
は、4個の緩衝液容器60A,60B,60C,60D
に浸漬する。旋回可能に装着される接地クラッパ301
Aは、図2に示された上方から接近可能な蓋144が開
放されるときに電導性の電極マニホールド301に向っ
て旋回することで安全接地として作用する様に、装着面
405の下に配置される電磁石(図1に示さず)によっ
て解放される。好ましくは、接地クラッパ301Aは、
接地に対する抵抗経路と、接地に対して高度に電導性で
ない経路とを有すべきであり、従って、高エネルギの火
花は接地過程の際に形成されない。高エネルギの火花
は、近くの電子回路機構を破裂し得る。
【0035】検知装置18(図1)は、吸光度モニター
70と、センサーカセット74の内部に配置されるセン
サー72とを有している。吸光度モニター70と、セン
サー72とは、液体クロマトグラフィー吸光度検出器に
対する米国特許第4,726,680号、第4,52
3,097号に記載される吸光度検出器の光学素子と、
回路機構と、構造とを利用する。
【0036】毛細管電気泳動の目的のため、分離される
バンドの体積分解能を制限する検出体積は、液体クロマ
トグラフィー吸光度検出器に対する体積よりも小さい。
毛細管電気泳動に対する検出体積は、100ナノリット
ルよりも小さくなければならず、屡々1ナノリットルか
ら10ナノリットルまでの範囲内にある。これは、分離
されるバンドの非常に小さい体積のためである。
【0037】吸光度モニター70は、センサーの一側部
を照明する光源と、センサー72の反対側を出る光を検
出する光検出器とを備えている。該光検出器は、流れセ
ルが検出器の側部に装着されていて垂直の流れ軸線また
は平面を有するのではなく、上にあって水平の流れ軸線
または平面を有する様に、その側部において回転される
ものとほぼ同一の光検出器である。勿論、流れセルと、
分離装置とは、前記特許に記載される様な液体クロマト
グラフィーに対するものではなく、ここに記載される様
な毛細管電気泳動に対して適用される。
【0038】バンドを検知するため、毛細管30は、孔
38(図1)を通ってセンサー72(図1)に進入す
る。センサー72は、非常に細い測定光線が毛細管30
の液体充填部分を正確に通過する様に、該光線に整合す
るために調節可能なスリットを備えてもよい。スリット
の位置は、下記で説明する様にねじ調節装置76(図
1)によって調節される。
【0039】バンドを検知するため、毛細管30は、セ
ンサーカセット74(図1)の孔38を通過した後にセ
ンサー72(図1)に進入する。センサー72は、非常
に細い測定光線が毛細管30の液体充填部分を正確に通
過する様に、該光線に整合するために調節可能なスリッ
トまたは固定されたスリットを備えてもよい。或る実施
例では、調節可能なスリットの位置は、下記で説明する
様にねじ調節装置76(図1)によって調節されてもよ
いが、これは、不可欠ではない。
【0040】試料注入装置16は、緩衝液及び電極を有
する圧力制御可能な容器80と、電気的インターフェー
ス82と、低圧の真空タンク84と、結合用の配管94
によって容器80に結合される圧力制御電磁弁88とを
備えている。容器80は、圧力制御電磁弁88の共通ポ
ート108に連通する。圧力センサー80Aは、試料注
入の際に緩衝液の表面に作用する真空圧力を検知する様
に配管94Aを経て配管94に結合される。電極として
作用する容器80は、電気泳動の際に毛細管30への電
気的接続を与えてもよい。
【0041】これ等の目的のため、容器80は、導体9
0を経て接地端子の電源14への結合部(図示せず)を
有している。圧力センサー80Aは、ケーブル92を経
て測定された圧力信号を与える様に電気的インターフェ
ース82への結合部と、圧力管路ないし配管94を経て
圧力制御電磁弁88への結合部とを有している。圧力制
御電磁弁88は、真空ポンプ組立体86に結合される真
空タンク84を連通する。電気的インターフェース82
は、試料に比例する信号を与えるために積分器を備えて
もよく、電気的インターフェース82に結合される電算
機で実施されてもよい。
【0042】毛細管30は、フラクションコレクタ装置
21内に延び、フラクションコレクタ装置の上昇し回転
する可動腕460に装着される。キャリア411には電
解質緩衝液が部分的に充填される。
【0043】電気泳動のために毛細管30を経て電気的
接続を設定するため、フラクションコレクタ装置21
は、容器80内に電極(図示せず)を収容し、毛細管3
0および該電極は電解質緩衝液中に浸漬する。導体90
は、該電極と、電源14の接地端子105とに接続され
る。結合用の配管94は、キャップ98を貫通するが、
電解質緩衝液中に浸漬しない。
【0044】測定される圧力によって試料の制御された
量を毛細管30の端部に吸引するため、(1)配管94
と、電極と、毛細管30とは、着脱可能なキャップ98
内に気密に密封され、(2)キャップ98は容器80に
気密に密封され、(3)圧力センサー80Aは、配管9
4A,94を経て容器80の内部に連通し、該内部の圧
力を検知する。ケーブル92は、図1に関連して説明さ
れないコンピュータ119または通常のコントローラへ
導線106によって接続される電気的インターフェース
82に圧力センサー80Aを結合する。代りのもので
は、信号は、通常の記録設備で記録されてもよく、試料
注入装置および可動腕460の作用は、手動で実施され
てもよい。
【0045】容器80に負圧を供給するため、配管94
は、圧力制御電磁弁88の共通のポート108に連通す
る。圧力制御電磁弁の通常は開放されているポート11
0は、大気へ通気され、圧力制御電磁弁の通常は閉鎖さ
れている継手112は、真空タンク84へ導く配管11
4に結合され、従って、圧力制御電磁弁88の付勢によ
り、真空圧力が容器80に加わる。
【0046】圧力制御電磁弁88を付勢するため、導線
116は、電源に接続されるコントローラまたはコンピ
ュータまたは手動操作の電気スイッチ117に電気的に
結合され、圧力制御電磁弁88のソレノイドに電力を供
給する。このコントローラまたは手動操作の電気スイッ
チは、毛細管が可動腕460によってウェル内に保持さ
れる際に試料の注入を開始する信号を供給する。
【0047】真空圧力を真空タンク84内に維持するた
め、配管120は、真空タンク84を真空ポンプ組立体
86に結合する。真空ポンプ組立体86は、継手126
を介して電動機124に機械的に結合される真空ポンプ
122を有している。真空センサー128は、真空タン
ク内の圧力が過大になるとき、導線130の信号によっ
て電動機124を作動させる。これは、制御された負圧
を真空タンク84内に生じさせる。好ましくは、真空セ
ンサーの設定は、調節可能であるか、またはプログラム
可能である。
【0048】高圧の電源14は、キャビネット12の内
部に配置され、接地用の端子105と、高圧端子132
とを装着する。電源14は、好ましくは、400マイク
ロアンペアまでの電流で、1,000ボルトから40,
000ボルトまでに調節される電圧を供給可能である。
高圧絶縁ケーブル134は、高圧端子132に結合さ
れ、白金線電極52および電極マニホールド301にお
いて終る(結合を図示せず)。
【0049】通常の空気冷却、温度制御ユニット(図示
せず)は、キャビネット12内に収容される。該ユニッ
トに組込まれるファンは、通気ユニット136に配置さ
れる通気スロット140を経て温度調節された空気を吹
出す。空気調節機構への戻り空気は、通気スロット13
8を通る。この空気調節の特徴は、電気泳動過程が所定
の期間にわたって著しく変化しない反復可能な温度にお
いて作用することを保証する。進入してセンサー72の
上を流れる空気は、センサーカセット74およびセンサ
ー72に熱的に結合される熱伝達用のフィン76Aを吹
き抜けた後、図示しない通常のバッフルにより毛細管の
試料入口端部とセンサー72との間の毛細管を越えて進
む。電気泳動分離の温度制御は、電気泳動装置の一般的
な特徴である。
【0050】通気スロット140は、図1のセンサー装
着板302によってセンサー72に熱的に結合される。
該センサーは、通気スロット140を出る空気がセンサ
ーカセット74に装着されるフィン76Aを通過する際
に該空気によって温度制御される。該センサーカセット
と、その直ぐ下に配置されるセンサーとは、着脱可能な
装着用ねじ(図示せず)で捕捉されることによって吸光
度検出器に着脱可能に固定される。
【0051】図2では、ロータヘッド48と、可動腕4
6と、毛細管30と、58Bの様な試料チューブと、蓋
144とを示す図1の線2−2に沿うキャビネット12
の断面図が示される。該図に示す様に、キャビネット1
2は、(1)絶縁され、(2)前から後ろへ上方に傾斜
する上側面12Aを有し、(3)選択的に金属側部と、
透明な上面とを有する蓋144(図2)を装着される。
蓋144は、ヒンジ150によってキャビネット12に
枢着される。キャビネット12は、蓋144の側部と共
に、安全のために電気的に接地される外側金属面を選択
的に有している。該図に示す様に、ブラケット54は、
電極52に隣接する位置で毛細管30を装着し、従っ
て、毛細管30は、試料チューブ58Bに挿入可能であ
り、電極52は、可動腕46を回転することによって電
解液62Aに挿入するために緩衝液容器60Aへ移動さ
れる。
【0052】新しい試料を所望のとき、ロータ49は、
新しい試料を可動腕46の下の所定の位置に移動する様
に試料保持リール44を回転し、可動腕は、緩衝液容器
60Aと試料保持リール44との間に旋回可能である。
可動腕が回転する際、毛細管30は、棚34(図3)の
ノッチ40を通って延び、可動腕46が移動する際によ
り長いかまたはより短い毛細管を収容する様に拡張また
は収縮する棚34内のコイルに挿入される。この配置に
より、毛細管30は、ブラケット54と、水平な棚34
(図3)の凹所と、センサー72(図1)とのその結合
の間で水平のままである。
【0053】図3では、可動腕46、高電圧用可撓性の
導体134、毛細管30および棚34内の凹所に設置さ
れる毛細管30を有するセンサー72の単純化された部
分図が示される(カバー板32は、この図では除去され
る)。試料から緩衝液まで移動するために毛細管30の
一端を装着する様に構成される開口部を有するブラケッ
ト54が示される。この図に最も良く示される様に、水
平な棚34は、可動腕46が緩衝液位置と試料位置との
間を旋回する際により長いかまたはより短い毛細管を収
容し得る様に、毛細管30がその中で螺旋状に巻かれて
いる凹所を有している。毛細管30を支持するブラケッ
ト54と、表面34内の凹所と、センサー72の継手と
は、総てが同一水平面にあり、従って、電気泳動装置が
作用する際、毛細管は、水平のままである。
【0054】代表的に、毛細管の内径は、50マイクロ
メートルから75マイクロメートルまでであり、外径は
375マイクロメートルである。毛細管の所定の長さの
内部は、電解質の緩衝液で充満される。電場は通常の装
置によって毛細管の軸線に沿って設定され、電流は毛細
管を通って流れる。
【0055】第4図では、調節部160と、光学スリッ
ト部162と、毛細管30に対する第1継手組立体16
4と、毛細管30に対する第2継手組立体166とを有
するセンサー72を示し部分的に破断されて断面の側面
図が示される。毛細管30は、第1継手組立体164お
よび第2継手組立体166に収容され、該継手組立体
は、光学スリット部162のスリットの間でセンサー7
2の軸線に沿って毛細管30を延びる様にする。毛細管
30の軸線に垂直の方向の2つのスリットの位置は、調
節部160によって調節される。
【0056】センサー72は、吸光度モニター70(図
1)に装着するカセットないし装着板に取付けられ、毛
細管30を収容する。毛細管30を装着するため、2つ
の継手組立体164,166は、調節可能である。これ
等は、構造が同一であり、継手組立体166のみを特に
詳細に説明する。
【0057】第2継手組立体166は、ゴムワッシャー
180と、ステンレス鋼のスクイーザ182と、樹脂の
ねじ付きの蓋184と、樹脂のねじ付きのファスナ18
6とを有している。ファスナ186は、ねじ付きのスリ
ーブを支持する所定の位置に、蓋184を保持するため
に締付けられて設置される。また、ファスナ186は、
毛細管30のまわりにシールを与える様にステンレス鋼
のスクイーザ182をゴムワッシャー180に向って押
圧する。
【0058】この実施例では、センサー72のハウジン
グ188と、ファスナ186と、蓋184とは、総てが
デルリン(デュポン社の商標)の様な比較的硬い樹脂で
形成される。ゴムワッシャー180は、熱可塑性ゴムの
クラトン(Kraton)でもよい可撓性の弾性材料で
ある。中心孔は、光学的な検知が行われる光学スリット
部162を通過してセンサー72の反対側の第1の継手
組立体164を通って長手方向軸線に沿って延びる毛細
管30を収容する様に、ゴムワッシャー180と、ステ
ンレス鋼のスクイーザ182と、蓋184と、ファスナ
186とを貫通して延びる。
【0059】毛細管30のまわりにゴムワッシャー18
0を押圧するため、ゴムワッシャー180は、毛細管3
0を収容する円筒形の中心開口部を有しほぼ円筒形であ
る。ゴムワッシャー180は、センサーのハウジング1
88内の端ぐり孔に一致する様に嵌合する。スクイーザ
182は、ほぼ円筒形であるが、ゴムワッシャー180
に隣接して位置し内方へ勾配のある円錐と、毛細管30
を収容する中心孔とを有し、従って内方へ押されると
き、ワッシャーをその中心開口部に向って内方へまた端
ぐり孔に対して外方へ押圧する。
【0060】スクイーザ182をゴムワッシャー180
に向って押圧するため、ファスナ186は、つまみハン
ドル190と、ねじ付きのシャンク192とを有し、ね
じ付きのシャンク192は、蓋184を通って内方へ延
び、このとき蓋184は、デルリン製のハウジングのタ
ップ孔にねじ込まれるように対応するねじ付きの金属ス
リーブ194に係合する。タップ孔内のねじは、ハウジ
ングの孔内に塑造された金属スリーブ内にあり、所定の
位置に固定された状態を維持しかつねじを収容する。継
手の機構は、毛細管30が光センサー72内に不動に保
持される様な態様で毛細管30を収容する様に構成され
る。
【0061】調節部160は、ハウジング188に対し
て固定して装着される(図示しない通常の装置によっ
て)ねじ調節装置76と、光学スリットキャレッジ20
0とを有している。光学スリットキャレッジ200は、
ステンレス鋼であり、ねじ調節装置76のシャンクの雄
ねじに相補状の雌ねじによってその上部の202の位置
でねじ止めされ、従って、ねじ調節装置76が回転され
る際、光学スリットキャレッジは、センサー72のハウ
ジング188に対して上下に移動する。光学スリット部
162は、一緒に昇降する様に光学スリットキャレッジ
200の下部に装着され、毛細管30の長手方向軸線に
整合する長手方向軸線を有する比較的短い光学スリット
206を各側部に備えている。毛細管30に隣接してま
たがる2つの光学スリットがあり(図5)、図4の線5
−5に沿う断面は、毛細管30に対する2つの光学スリ
ット206,206Aの関係を一層明らかに示す。図5
は、好適実施例において100マイクロメータであるス
リットの小さい寸法を示す。好ましくは、スリットの間
の距離は、毛細管の外径の1倍から3倍までである。
【0062】特に、ゴムワッシャー180は、所定の位
置に毛細管30を保持する様に毛細管のまわりに圧縮さ
れる。ゴムワッシャー180は、好ましくは、毛細管が
ゴムワッシャーを貫通して押される様に如何なる紫外線
吸収材料をも該石英管に付着させない、白く食物品位の
クラトン(商標)熱可塑性ゴムで作られる。クラトン
は、シェル社(Shell Corporation)
から入手可能である。ゴムワッシャーは、ファスナ18
6を回転することによって雌円錐状のスクイーザ182
をゴムワッシャーに向って押圧することで毛細管のまわ
りを締付ける様に半径方向に圧縮される。ファスナ18
6と、スクイーザ182と、ゴムワッシャー180と
は、ハウジング188のねじ付き凹所にねじ込まれる蓋
184によってセンサー72のハウジング188内に捕
捉される。締付け装置と、捕捉装置と、ハウジングと
は、有利にデルリン(デュポンの商標)樹脂で作られ
る。
【0063】一実施例では、光学スリットキャレッジ2
00は、その1つが206で示され各々が250マイク
ロメータ(0.01″)長さ×100マイクロメータ
(0.004″)巾である一対の光学スリットをセンサ
ーを通って延びる毛細管30上に心出するためにねじ調
節装置76によって移動される。しかしながら、光学ス
リットは、所定の位置に固定されてもよい。二重の光学
スリットは、光学スリットキャレッジの分岐(図5)を
横切って相互に正確に対向して装着され正確に対応する
要素である。毛細管30は該分岐内に横たわる。光学ス
リットの長手方向は、毛細管30の軸線に垂直である。
調節可能な光学スリットの実施例において、ねじ調節装
置76が回転されるとき、光学スリット206は、毛細
管30に対して横方向へ移動する。毛細管30は、2つ
のホルダによって分岐内に強固に保持される。
【0064】センサー72は、図1でキャビネット12
内に配置される吸光度モニター70に挿入される。図1
では、検知装置は全体が18で示される。毛細管30
は、水または緩衝液が充填される。吸光度モニターの光
源からの光は、センサー72の対の光学スリットの1つ
に進入し、センサー72が適正に調節されるとき、光
は、他の光学スリットを出て、吸光度モニターの光検出
器上に当たる。この調節を行うため、図4に76として
示されるねじ調節装置が回転され、吸光度モニター70
の表示が監視される。ねじ調節装置76の回転方向の一
端末から出発して図6を参照すると、次のことが認めら
れる。
【0065】光学スリットの位置Cにおいて、光学スリ
ットは、毛細管30を完全に越え、光は、対の光学スリ
ットの間の自由空間を通って進む。ねじ調節装置76が
回転されると、光線は毛細管30の弯曲した端縁を通過
し、これは、第1の光学スリットを通過する光の大部分
を偏向させ、従って、光は、第2の光学スリットを通過
しない。光学スリットの位置Bでは、ほぼ総ての光が喪
失して、最小の光の伝達が吸光度モニターに表示され
る。
【0066】毛細管30が水または電解質緩衝液で適正
に充填される(光の通路において管内に空気がない)と
仮定した場合、対の光学スリットが毛細管において心出
しされる様にねじ調節装置を連続して回転すると、適正
な整合状態において最大限まで伝達度を再度増大する。
これは、図6の光学スリット位置Aとして示される。
【0067】ねじ調節装置76をより一層回転すること
により、横行方向における対称のためにAからB′へ移
動した後にB′からC′へ移動するとき、図示の様な伝
達度の表示を生じる。吸光度モニターは、それ自体の局
部的な最大伝達の読みによって決定される光学スリット
位置Aに設定された状態になるように、ねじ調節装置7
6によって操作されるべきである。
【0068】調節可能な光学スリットを有する流れセル
について記載したが、この配置が固定孔を有する流れセ
ルに対して必然的に優れていることを論ずる意図はな
い。該記述は、毛細管電気泳動に好適な幾つかの流れセ
ルの配置の内の1つに関する情報を与えるためのみに含
まれる。
【0069】図7では、可動腕460、キャリア411
および試料収集カップ412の部分的に断面で破断され
た部分立面図が示される。可動腕460は、電気泳動お
よび試料収集のための位置と、試料注入手順に関与する
ための他の位置とへ移動するために上下へ搬送される様
に可動腕を貫通して装着される毛細管30の一端を有し
ている。
【0070】412で示される試料収集カップは、毛細
管がウェル430Aの緩衝液に挿入される位置へ1つづ
つキャリア411によって移動されるように構成され
る。該ウェルは、キャリア内の電解質緩衝液451へ半
透膜430Dを介して連通して個々のウェル内の試料の
電気泳動を可能にし、ウエル430Aの底の近くに配置
された半透膜により後述する方法で濃縮する。
【0071】試料収集カップは、参考として本願に含む
米国特許第4,164,464号の図13の試料収集カ
ップ80に構造において類似する。フラクションコレク
タ装置21は、支持板410およびキャリア411を移
動可能なラック802と、キャリア411の分割壁45
2のいづれかの側部を接地または遮断のいづれかに電気
的に接続する第1,第2の電気スイッチ201A,20
1Bとを備えている。導体90Aまたは90Bによる接
地結合の代りに、低圧(接地に対して)の電源135が
使用されてもよい。
【0072】この配置により、いづれかの方向への泳動
はウエル内で行われてもよく、また、キャリア411
は、試料の濃縮のために支持板410におけるその連結
位置から除去されるか、または、ウエル内の試料の濃縮
の際に毛細管電気泳動装置内に留まっていてもよい。泳
動の方向は、ウエルの底の半透膜に対して濃縮する様に
一層希薄な分子の種をブリッジ453を横切って他のウ
エルへ移動するために適正な電位を選択することによっ
て制御される。試料を濃縮するため、緩衝液は、通常、
僅かな量がブリッジ453より上に付与される。
【0073】使用の際、試料収集カップ毎にキャリア4
11を整合させて移動するため、ラック802は、ピニ
オン(図7に示さず)に係合する様にブロック408、
409の下で該ブロックの間に延びる。これは、ブロッ
ク408,409と、支持板410と、キャリア411
と、ブロック408,409によって係合される平行な
ガイドレール406,407に沿って支持板410内に
装着される容器(図7に示さず)との移動を可能にす
る。ブロック408,409は、キャリア411に着脱
可能に係合する支持板410に固定される。
【0074】容器80は、支持板410(図7)の凹所
に装着されキャリア411と共に移動される(図20参
照)。毛細管30をキャップ98および容器80に結合
するため、キャップ98および容器80は、毛細管の下
の位置に移動される。また、毛細管30は、締付け可能
なねじ付きのブッシュ400と、密封片400Aと、管
固定用の弾性を有するワッシャー400B(図7)とに
よってキャップ98内に密封可能に導かれる。ブッシュ
400は可動腕460にねじ込まれている。ブッシュ4
00のねじ込みにより、密封片400Aに向ってワッシ
ャー400Bが圧縮され、毛細管30を保持する様にワ
ッシャーが押圧される。可動腕460は上昇可能な回転
ロッド470によって支持されている。回転ロッドは、
想像線で示す上昇回転機構404によって上昇され回転
される。
【0075】試料を収集するため、試料収集カップ41
2は、430A,430Bとして示され電解液を収容す
る2つのウェルを有している。ウェルの底は、緩衝液イ
オンの流れを許容するが分離される試料の移動を許容し
ない様に締付けられる半透膜430D,430Cによっ
て夫々被われる。毛細管30において生じる電気泳動の
移動のための電気的連続性は、ウェル430A内の電解
液と、半透膜430Dと、キャリア411内にある電解
質緩衝液451と、電極505と、電気的接地へ導く導
体90とを経て与えられる。
【0076】分離されるバンドは、毛細管30からウェ
ル430Aの電解液中に電気泳動的に溶出されるか、ま
たは電気浸透的に排出され、ウェル430Aでは、これ
等は、半透膜430Dによって捕捉される。各試料収集
カップ412は、電解液レベルが図7に示すものよりも
高ければウェル430A,430Bの間に流体および電
気的の結合を与える、ブリッジ453を有している。ブ
リッジ453は、キャリア411の一部である分割壁4
52によって支持される。
【0077】分離される試料をウェル430A内に保っ
て、これ等がウェル430Bへ移送されるのを防止する
には、(1)ウェル430A,430B内の電解液また
は緩衝液のレベルがブリッジ453の頂上の高さよりも
低いか、または(2)キャリア411の2つの側部にお
ける電解液または緩衝液のレベル450,451が分割
壁452の頂上の高さよりも低いかのいづれかである。
分割壁452とブリッジ453との間の空間を越えてキ
ャリア411内の電解液を吸引する毛管力を考慮して、
ウェル430A,430B内の電解液は試料収集の際に
ブリッジ453の高さよりも低いことが好ましい。
【0078】キャリア411は支持板410によって支
持され、次に、支持板はガイドレール406,407に
またがる軸受としてのブロック408,409によって
支持される。これは、毛細管30が試料収集カップから
引出された後にキャリアが図7の平面に垂直な方向へ摺
動するのを可能にする。
【0079】上昇回転機構404は毛細管の引出しを行
うために可動腕460を上昇する。上昇した毛細管、可
動腕、ブッシュおよび回転ロッドの位置は、夫々30
A,460A,400C,470Aとして想像線で示さ
れる(図7)。該想像線の位置では、毛細管は、キャリ
ア411の上方に持上げられている。割出し機構(図7
に示さず)により、支持板410が移動され、次の試料
収集カップが試料収集のための位置に移動されるか、ま
たは、次の試料の注入のために、容器80のキャップ9
8の円錐形の孔501(図13)が毛細管30の下の位
置に移動される。
【0080】図8では、毛細管30と、上昇回転機構4
04の可動腕460および回転ロッド470との2つの
別の位置が示される。該2つの位置は、可動腕460お
よび回転ロッド470の2つの異なる回転位置に相当す
る収集位置(実線で描かれる)と、廃棄位置(想像線3
0Bで描かれる)とである。
【0081】図8の収集位置から廃棄位置へ移動するた
め、最初に可動腕460は、図7に想像線で示す位置に
上昇回転機構404によって持上げられる。図8の毛細
管30Bの廃棄位置(想像線)は、予備の重要でない物
質を毛細管から出す際に使用される。該廃棄試料は、キ
ャリア411内にある電解質緩衝液451中に排出さ
れ、後で捨てられてもよい。図8の想像線位置は、図1
に示す可動腕460および毛細管30の試料注入位置に
も相当する。可動腕は、試料収集カップ412の他の側
部のウェル430Bにある電解液中に毛細管30を設置
する様に回転されてもよい。
【0082】図9は、試料収集カップ412の展開斜視
図である。同展開図中の430Dは、半透膜の試料収集
カップへの組付け方を示す。同図に示す如く、試料収集
カップは、下方に伸長してウェルの壁を形成する管状の
シリンダーXと、該シリンダーXの外径より僅かに大き
な直径を有し、ウェルを閉塞する半透膜Yと、前記シリ
ンダーXの外径より僅かに小さな内径を有する弾性バン
ドもしくはリングZと、を含む。半透膜Yをシリンダー
X上に載置し、弾性バンドZを強制的に嵌装してシリン
ダーXを所定に密封する。完成組立体を430Cで示
す。
【0083】試料収集カップ412は、ブリッジ453
の下方に一体成形されたキー453Aを有しており、こ
れは、図9の線10−10に沿った断面図である図10
に明確に示されている。このキー453Aは、図11及
び図12に示すように、キャリア411の分割壁452
の数個の溝穴601A,602A,603A等の一つに
嵌合する。
【0084】図11は、キャリア411の分割壁452
の平面図である。図12は分割壁の一部破断側面図であ
る。キー453Aと前記溝穴は、符号412から448
で示す試料収集カップ(図1)の群がキャリア411内
で近接して配置されかつ正確に位置決めされるようにそ
のサイズが決定され且つ隔置されている。これは、ガイ
ドレール406と407に沿ってキャリア411を移動
する割出し機構(図9での図示なし)をもって試料収集
カップを毛細管30の下に正確に位置決めするのに必要
となる。或いは、これらの試料収集カップを互いに離し
て置くより寧ろ一緒に締結して、キーと溝穴を使用して
締結された試料収集カップの各グループ毎に一度にキャ
リアに配置し、それらをキャリア上に割り付けることが
可能である。
【0085】フラクションの収集に際しては、作業は、
最初の試料収集カップ412から開始して、公知のいく
つかのフラクション収集パターンの内の一パターンに従
って収集が完了するまで作業を続行する。図14及び図
15を使って一つの試料収集カップに就いての特定のフ
ラクション収集サイクルを説明する。また、図7及び図
8も再度参照する。
【0086】試料が試料収集カップ412に収集される
直前に観察を開始したとする。最初、可動腕460が図
7の460Aに図示される如く位置決めされる。図示し
ない従来のプログラマーにより高電圧を事前に切断して
おく。上昇回転機構404により可動腕が図7の460
に示す位置に降下する。これにより毛細管30が試料収
集カップ412のウェル430A中の電解液中に降下す
る。ここを「収集」位置と呼ぶ。毛細管をウェル430
A中の電解液中に降下し、電気導通を達成した後でプロ
グラマーが高電圧電力供給を開始すると、電気泳動もし
くは電気浸透物質が毛細管30からウェル430A中の
電解液中に移動する。この毛細管からの物質には目的の
試料成分が含まれる。この物質中の溶質は、ウェル底部
の半透膜を通過出来ないためにウェル中に捕捉される。
【0087】目的の試料成分がウェル中に完全に溶離さ
れると、プログラマーにより電力供給が停止される。次
いで上昇回転機構404が可動腕460を図7の460
Aに示す位置に上昇させ、回転ロッド470を回転し
て、可動腕460を図14に示す位置まで回転する。上
昇回転機構404が可動腕460を降下させて図8の仮
想線で示す位置に置くとともに、毛細管がキャリア41
1中の電解質緩衝液451中に沈下する位置30Bに位
置決めされる。ここを「廃棄」位置と呼び、ここで電気
導通が再度なされる。プログラマーにより高電圧が印加
され、収集された試料バンド間の廃棄物質が電解質緩衝
液451中に溶離されて、後に排出される。
【0088】収集される所望の試料の次のバンドを溶離
するときは、プログラマーにより電力供給が停止されて
可動腕460が上昇され、割出し機構(図7での図示な
し)がピニオンをラック802に対して回転して図14
において上方に向けて一つの試料収集カップの幅分だけ
キャリア411を前進させる。可動腕460が図13に
示す如くキャリア411に対して直角の位置まで回転
し、毛細管を保持して再度降下するが、今回は次の試料
収集カップ413中に降下する。プログラマーにより再
度高電圧が印加される。
【0089】上記サイクルが連続して繰り返される。但
し、可動腕が一つの試料収集カップから次の高次番号を
付された試料収集カップに連続的に移動するとは限らな
い。例えば、準備作業において、試料変更装置20(図
1)に入れられた第1試料から10回繰り返して同一の
分離を行ない、各分離された試料から例えば三つの試料
成分もしくはフラクションを収集し、同一試料に戻り同
様のことを実施することが望ましい場合がある。
【0090】上記のように10回の同一の分離過程で、
第1の試料から三つの試料成分を収集する場合には、第
1,第2,及び第3の試料収集カップにおいて1回目の
分離試料を収集し、次にキャリアと試料収集カップを再
度第1の試料収集カップの位置まで戻し、10の同一試
料の内の2回目の分離試料を前記三つの試料収集カップ
に収集し、これを10回繰り返すことで、使用するカッ
プを節約出来ると共に、試料が吸着する恐れのある試料
収集カップ表面積を削減出来ることにより歩留りを向上
出来るといった利点がある。次いで、試料変更装置20
に配置された別の第2の試料の三つの試料成分を第4乃
至第6の試料収集カップにおいて10回収集する。
【0091】試料収集カップ412の如き試料収集カッ
プを使用する大きな利点は、試料収集カップを電気泳動
分離後の分離された試料を濃縮するのに使用できるとい
う点であり、米国特許第4,164,464号に記載の
方法と同様な方法で行われる。試料収集カップ412
は、電気泳動装置から取り外されたキャリア411中に
横に並んで配置され、前記米国特許及び以下に説明する
ごとく、緩衝液に電位をかけることで試料がキャリアに
濃縮される。
【0092】図15は、キャリア411中の試料収集カ
ップ412の断面図であり、試料収集カップには、図中
430Eで示す如くブリッジ453が覆われるまで追加
して注がれた緩衝液が入っている。電極505と535
は、キャリア411中の電解質緩衝液451と450中
に配置されて、ほぼキャリアの全高に亘って伸長する。
電解質緩衝液451と450は、分割壁452によって
機械的且つ電気的に分離される。100乃至200ボル
トの電位差がB5で示すごとく電極505と535にか
けられ、「−」及び「+」記号により識別される。ウェ
ル430A中に正に帯電した試料分子が下方に移動して
430Dで示す半透膜の上面上方で捕捉される。
【0093】濃縮が開始するのに充分な時間が経過する
と試料収集カップが取り外されて、垂直に置かれると共
に半透膜が堅固な表面上に載置される。半透膜の直ぐ上
方に濃縮した試料は、ピペットで取り除いて再使用する
ことが可能である。試料が半透膜に固着する場合には、
電極505と535の電圧を瞬間的に反転して試料を半
透膜から離れさすことも、また、図9に示すごとく半透
膜を取り外すことも可能である。
【0094】或いは、図7及び図8に示すごとく、スイ
ッチ201A−201Bを使用して濃縮を実施すること
も可能であり、100乃至200ボルトの電位差を有す
る電解質緩衝液451、450を導入するのに利用でき
る。これにより図1の電気泳動装置からキャリア411
を取り外さずに濃縮が可能となる。更に、電気泳動を開
始する前に試料収集カップ412内のブリッジ453面
の上方まで緩衝液を満たすことも可能となる。
【0095】図15の電極の極性は、正に帯電した試料
分子を選択できる様な極性である。試料が負に帯電して
いる場合には、電極505と535の極性は、図15に
示すものを反転させれば良い。或いは、濃縮時間が重要
でない場合には、電極の電位を図に示すままにしてお
き、試料収集カップの向きを変えてウェル430Aが正
電極近傍の電解質緩衝液450に接触するようにする。
このように、図15に示す位置方向を維持することが可
能であり、且つ、ウェル430Aから濃縮する負に帯電
した試料がブリッジ上の電解質緩衝液430Eを介して
ウェル430B中に濃縮するが、このウェル430B
は、この場合は図15のウェル430Aの位置に反転さ
れて配置される。
【0096】収集される試料成分が分子量約3000ダ
ルトン以上の比較的大きな分子からなる場合には、半透
膜を微細孔セロファン等の微細孔を有した比較的帯電さ
れていない半透膜とすることが可能である。淡白質が微
細孔セロファンにより捕捉される大きな分子の例であ
る。収集されつつある試料成分が最も微細な孔を有する
セロファンを通過してしまう程小さな分子から成る場合
には、係る半透膜に代えて特殊な半透膜を430Dと4
30C(図7)に使用して試料成分を捕捉することが出
来る。陽イオン(正に帯電したイオン)のみを選択的に
通過するナフィオン(Nafion)(E.I.Dup
on de Nemours社の商標)がこの例であ
る。
【0097】本実施例では、キャリア411内の電解質
緩衝液451と450中の電解質緩衝液の陽イオンは、
上記特殊な半透膜を通過することが可能である。フラク
ション収集中において、陽イオンのみが選択的に特殊な
半透膜を通過可能であるため、陰イオン(負に帯電し
た)試料分子は、特殊な半透膜を通過せずにウェル43
0A中に捕捉される。収集後の濃縮(図15)に際して
は、電極505と535にかかる電位の極性が図15に
示す極性とは反対になる。
【0098】正電位の電解質緩衝液451中の陽イオン
は、特殊な半透膜430Dを通過してウェル430Aに
入り、ブリッジ453の上方を通過してウェル430B
に入り、且つ、特殊な半透膜430Cを通過し負電位の
電解質緩衝液450中へ入る。電解質緩衝液の陰イオン
はいづれの特殊な半透膜も通過できない。試料収集カッ
プ412中の陽イオンの流れにより試料収集カップ中の
陰イオンの試料分子を430Dに示す特殊な半透膜の方
へ引き寄せる電場が形成される。試料分子は、この特殊
な半透膜を通過するような電荷を有しておらず、従っ
て、この特殊な半透膜を通過出来ず、特殊な半透膜の上
方に濃縮する。
【0099】分離された試料分子(即ち、アナレート)
が陽イオンである場合には、430C及び430Dで示
す部位に使用する半透膜は、陰イオンを通過する特殊な
半透膜としても良い。これらの特殊な半透膜では陰イオ
ンが通過されてフラクション収集中及び濃縮中の電気導
通が維持されるが、陽イオンのアナレートは捕捉され
る。勿論、電気泳動用の高電圧及び濃縮用の低電圧は、
陰イオンのアナレートに代わり陽イオンを分離する場合
には反転される。図15に示す電極極性は、陽イオンの
アナレートを濃縮するのに適したものである。緩衝液容
器60A,60B,60Cまたは60D(図1)にかか
る高電圧の電気泳動電圧は、陰イオンのアナレートに対
しては負であり、毛細管中の電気浸透流が逆支配要素で
ない場合には、陰イオンのアナレートに対して正とな
る。
【0100】DNA等の目的の試料物質のあるものは、
セロファンの半透膜に固着する傾向がある。半透膜に接
触させずにDNAを電気濃縮する公知の装置は、一般に
「ソルトトラップ(SALT TRAP)」と呼ばれ
る。
【0101】ソルトトラップは、酢酸アンモニウム等の
高濃縮(約7モル)の塩領域を含む。この塩を含んだ領
域は、電位源の第1極性に電気接触した第1端部を有す
る。濃縮する物質または試料を含んだより濃縮度の低い
緩衝液は、前記塩を含んだ領域の第2端部の上方を覆う
ことになる。より濃縮度の高い塩溶液は、より濃縮度の
低い緩衝液より濃密であり、故に、後者は、より濃縮度
の高い塩溶液の上方に安定浮遊する。この上部の緩衝液
は電位源の第2極性と電気接触している。通常のソルト
トラップ装置では「U」字型管の底部に上記の濃縮度の
高い塩溶液を有しており、「U」字型管の一方の腕が濃
縮する試料を含んだ希釈緩衝液の下に存在する。第2の
電気接触がこの希釈緩衝液により達成される。「U」字
型管の他方の腕は、第1の電気接触を達成する濃縮度の
低い緩衝液を含んだ包囲タンク内に沈下する。
【0102】適当に配列した電極間に適切な極性の電圧
をかけると、帯電した試料が「U」字型管の試料を含ん
だ緩衝液の下側にある濃縮度の高い塩溶液の頂部へ移動
する。電荷の局部的な保存状態を維持するために濃縮度
の高い塩溶液のイオンが「U」字型管の他端部から出て
くる。「U」字型管中の塩溶液が濃縮されていることか
ら、「U」字型管の他端部から出てくる前に多量の試料
がトラップ中に移入する。しかしながら、この「U」字
型管は、上に重なる緩衝液の浮沈平衡を乱さずに「U」
字型管から濃縮度の高い塩溶液と試料とを取り除く細心
の技術が必要とされ、故に、試料の損失を招くこととな
る。
【0103】図16に一般的用途に容易に使用でき、且
つ、フラクションコレクタ装置21(図1)の一部とし
て使用するのに特に適したソルトトラップ205を示
す。このソルトトラップでは濃縮度の高い塩溶液である
「捕捉溶液」の位置を維持するための浮沈平衡を必要と
しない。
【0104】本実施例では、フラクションコレクタ装置
は、毛細管30と、ウェル630A、ウェル630B、
半透膜630C、半透膜630D、孔630F、ブリッ
ジ630G、及びコーン状底部630Hから成るソルト
トラップとを含む。半透膜630Dは、図9の半透膜4
30Dの構成要素であり、同半透膜にも同様に組付けさ
れる。半透膜630D(例えば、セロファン)は、孔6
30F中の濃縮度の高い塩溶液を支持する。この塩溶液
は該孔を満たすことはない。係る濃縮度の高い塩溶液の
例は、7モルの酢酸アンモニウムである。
【0105】孔603Fの上方はコーン状底部630H
を有するウェル630Aであり、0.01モルのトリス
酢酸緩衝液等の毛細管中の緩衝液と同じ希釈された緩衝
液を含んでいる。上部の希釈された緩衝液が下部の濃縮
度の高い塩溶液より濃度が低いため、上部の緩衝液は下
部の塩溶液の上を安定して浮遊する。
【0106】下部の濃縮度の高い塩溶液は、孔630F
を満たさないため、ウェル630A中の緩衝液中へ著し
く拡散することはない。フラクションの収集中、収集さ
れる試料成分は、毛細管30からウェル630A内の希
釈された緩衝液中に溶離もしくは排出される。フラクシ
ョンの収集は「廃棄」位置が電解質緩衝液451に代わ
り電解質緩衝液450に毛細管30が浸漬されることと
なる点以外は図7及び図8に示したものと同様な方法で
起こる。
【0107】ウェル630A中の緩衝液が毛細管30中
の緩衝液と同様(即ち、同じ成分と濃縮度)であること
は有益である。ウェル630B中の緩衝液をウェル63
0A中の緩衝液と同様にすることは可能である。キャリ
ア411中の電解質緩衝液450が毛細管30中の緩衝
液と同様であるのは有益なことである。毛細管の廃棄位
置30Cでは毛細管が電解質緩衝液450中に浸漬され
るから、キャリア411中の電解質緩衝液450と毛細
管30中の緩衝液とを同様にする必要がある。
【0108】キャリア411中の電解質緩衝液451と
孔630F中の濃縮度の高い塩溶液とを同様にする必要
があり、これにより、孔630Fの底部の半透膜を横断
した拡散が防止される。電解質緩衝液451の濃縮度が
低い場合には、拡散により孔の底部の半透膜上方での塩
濃縮が低減される。係る塩の拡散ではソルトトラップの
効果が低減されるが、特に、半透膜上方での緩衝液密度
が結果的に低減されることで孔630F中に負の密度勾
配が生じて浮沈不安定が起きるためである。
【0109】図17にウェル630A中の緩衝液のフラ
クションを収集した後でソルトトラップへ試料を濃縮す
る例を示す。図15に於いて説明したと同様に作業が進
められる。試料収集カップ630内の電解液面をブリッ
ジ630G上方の面630Eまで上昇させて電気導通を
もたらす。この電解液の成分とウェル630A及び63
0B中の緩衝液の成分とを同じにする。電極にかける電
圧の極性は図15のものとは反対に示されているが、こ
れは、通常DNAが負に帯電しているためである。
【0110】或いは、図16、図7及び図8に示すスイ
ッチ201A−201Bを使用して濃縮を実施すること
が可能である。このスイッチを電解質緩衝液451と4
52間に電位差を発生させるために使用することが可能
である。これにより、図1の装置からキャリア411を
取り外さずに試料の濃縮が可能となり、また、電気泳動
中に試料収集カップ630をブリッジ630上方で満た
すことが可能となる。
【0111】動作に就いて説明する。分離される試料
(DNAもしくは他の物質)がウェル630Aから移動
し、コーン状底部630Hに案内されて孔630F中の
濃縮度の高い塩溶液中に降下して、そこで、公知の
「U」字型管ソルトトラップで捕捉されるものと同様の
原理で捕捉される。分離される試料は、半透膜630D
に達する前に捕捉されるため、該半透膜に固着も通過も
しない。孔630A中の試料及び緩衝液を後でマイクロ
ピペットで除去することが出来る。キャリア411から
試料収集カップ630を取り外して堅固な表面上に置い
てマイクロピペットにより半透膜を破らないようにする
ことが賢明である。この作業のあとで従来のソルトトラ
ップ中に存在する濃縮度の高い塩溶液から試料を除去す
るのと同様な方法で試料を処理することが可能である。
DNAのエタノール沈澱がかかる処理の一例である。
【0112】本発明の目的上有益な別の捕捉技術は、固
相抽出であり、特に、ミセル細管電気泳動に於いては有
益である。固相抽出に於いては、粒子が充填されたベッ
ドでアナレートをその溶液から捕捉する。アナレートが
溶解もしくは浮遊する溶剤と該アナレートとの間の相互
作用よりも強く、該アナレートに対して相互作用する物
質が、ベッドの粒子として選択される。また、ベッドの
粒子は、アナレートが溶解もしくは浮遊する溶剤に対し
ては弱く相互作用する必要がある。
【0113】上記の相互作用によりアナレートが溶剤か
ら除去され、ベッドの粒子の表面上で捕捉される。濃縮
されたアナレートは、後でベッドの粒子及びアナレート
の双方と強力に相互作用する第2の溶剤によりベッドの
粒子から溶離される。第2溶剤は最初の溶剤と混和する
ことができ、且つ、ベッドの粒子の孔から最初の溶剤を
容易に排除出来ることが好ましい。ベッドの粒子として
使用できるものは多々ある。
【0114】多孔質シリカ粒子に接着したC18炭化水素
から成る物質は、幅広い用途がある。該粒子は、直径約
100マイクロメーターの大きさである。固相抽出捕捉
技術は、公知であり、これに関する批評論文としては、
G.A.ジャンク(Junk)のアメリカン ケミカル
アドバンス イン ケミカル シリーズ 214(1
984年)の水中有機汚染物質、・・・試料採取、分析
及び毒性試験に於ける「水からの有機化合物蓄積のため
の合成ポリマー」(“Synthetic Polym
ers for Accumulating Orga
nic Compounds from Wate
r”,Organic Pollutants in
Water・・・Sampling,Analysi
s,and Toxicity Testing, A
merican Chemical Society
Advances in Chemistry Ser
ies,214(1984))がある。液体クロマトグ
ラフィー試料クリーンアップ用の固相抽出は、良く知ら
れており、多数の会社のものが市販されており、例え
ば、カリフォルニア州ハーバー市(Harbor Ci
ty,Califormia)のアナリティケム イン
ターナショナル社(Analytichem Inte
rnational Inc.)が販売しているボンド
エルートR(Bond ElutR)ユニットがあ
る。これらのユニットには数種の用途に合わせた豊富な
ベッド充填物質が取り揃っている。
【0115】図18に固相抽出を利用する試料収集カッ
プ730とキャリア411とを有するフラクションコレ
クタ装置の断面図を示す。試料収集カップ730には電
解質緩衝液450は存在しないが存在した場合でも、そ
の量は重要ではない。分離されたアナレートは、毛細管
30を出てウェル730A中の緩衝液中に入り、粒状の
ベッド730F、膜フィルター730D、電解質緩衝液
451及びアースされた電極505を介した通路により
電気導通がなされる。
【0116】膜フィルター730Dが半透膜に代わって
使用される。該膜フィルター730Dは、比較的大きな
孔を有しているがベッド730Fの粒子は通過出来ない
大きさになっている。緩衝液及びイオンは、該膜フィル
ターを容易に通過出来る。フラクション収集の合間に毛
細管は、30Bの位置に移動して廃棄物質を電解質緩衝
液451中に排出する。
【0117】フラクション収集が終了すると、ウェル7
30A中に分離されたアナレートは、先ず粒子が充填さ
れたベッド730Fに捕捉され、次いで該ベッドから溶
離されるが、かかる捕捉溶離は、下記の如くなされる。
試料収集カップ730をキャリア411から取り外す。
取り外すと同時にウェル730A中に分離されたアナレ
ートを含む緩衝液をベッド730F中にコーン状底部7
30Hを介してつぎ込む。緩衝液は、ベッド及び膜フィ
ルター730Dを通過して膜フィルターの底部表面から
滴下して廃棄物となるが、分離されたアナレートは、ベ
ッド中の粒子表面に捕捉される。
【0118】図19は固相抽出を示す図である。緩衝液
はベッドを通過する時の粘性摩擦力によりベッド中に保
持され、ピペット750からの蒸留水でウェル730A
を再度満たすことでベッドより流し出すことが出来る。
この蒸留水は、廃棄物となるが、膜フィルター730D
から滴下(752)するので回収する必要はない。捕捉
されたアナレートは、次いで前記したような適切な第2
の溶剤でベッドから溶離される。メタノールもしくはア
セトニトリットがC18接着位相粒子状のベッドに使用さ
れる溶離用の溶剤の例である。溶離用の溶剤は、ピペッ
ト(750)でウェル730A中につぎ込まれ、ベッド
からアナレートを除去し、アナレートと共に膜フィルタ
ー730Dを通過して、収容容器753中へ滴下する。
溶離用の溶剤は、充分な揮発性を有し、成分754が容
易に蒸発して濃縮されたアナレートが生成されることが
好ましい。
【0119】図20は、キャリア411と、支持板41
0とピニオン800と、真空の容器80の立面図であ
る。容器80には、取外し可能なキャリア411及び容
器80と一緒に支持板410を駆動するように配置され
たピニオン800が取付けられている。
【0120】真空の容器80は、支持板410に取り付
けられた容器ホルダー96とホースにより真空源に上記
の如く接続され且つ試料注入をするために毛細管30
(図1)に真空圧力をかけるようにされた取外し可能な
キャップ98とを含む。
【0121】支持板410は、その中で流出液を濃縮す
るために取外し可能な、又は濃縮が進行中に作業を継続
するためにもしくはその他の理由により置換可能な、キ
ャリア411を支持する。支持板410とキャリア41
1は、共にピニオン800により駆動される。ピニオン
800は、支持板410中央部のラック802に係合し
ており、一度に一つの試料収集カップづつ毛細管30の
下にキャリア411を漸次移動し、毛細管30がキャリ
ア中の緩衝液中に挿入されて廃棄物の除去もしくは分離
された分子種の抽出がなされるようになっている。
【0122】毛細管による電気泳動を行う前に毛細管3
0を図1に示すように配列する必要があり、また、分離
する試料を試料保持リール44の試料チューブに入れ
る。分離に適した電解質緩衝液を緩衝液容器60A,6
0B,60C及び容器ホルダー96に入れる。試料収集
カップをキャリア411内に配置し、緩衝液を追加し、
第1の収集位置にある支持板410上にキャリアを載置
する。
【0123】毛細管電気泳動装置10は、従来のプログ
ラムされた制御装置もしくはコンピューターで制御する
ことが好ましいが、手動で操作してもよい。操作するに
際しては、適切な電解質緩衝液がまだ毛細管30に入っ
ていない場合には、可動腕46で毛細管30の一端部を
所望の緩衝液容器60A、60Bもしくは60Cに挿入
して、導線116を介して外部信号を送り、圧力制御電
磁弁88を起動し、配管94と114を介して緩衝液容
器と低圧力の真空タンク84とを接続して緩衝液容器内
に部分的に真空をかける。これにより、緩衝液が緩衝液
容器60A、60Bもしくは60Cから毛細管30及び
容器ホルダー96に引き込まれて、毛細管30が完全に
満たされる。圧力センサー80Aを外部制御装置もしく
はコンピューター(図示なし)により真空タンク84内
に数種類の低減圧力もしくは部分的な真空が存在するよ
うにプログラム可能とすることが有益である。
【0124】毛細管を急速に満たすためには高い真空圧
を利用し、微量の試料をゆっくりと採取するためには低
い真空圧を利用するのが望ましい。典型的な高い真空圧
は、水頭500センチメートルもしくは2分の1気圧で
あり、また、典型的な低い真空圧は、水頭30.5セン
チメートル(12インチ)である。分離を実施する際に
は、毛細管30の垂直部分を試料保持リール44の58
B等の試料チューブ内に浸す。微量の試料が、緩衝液の
入った容器ホルダー96に負圧をかけることで毛細管3
0中に引き込まれる。
【0125】圧力制御電磁弁88が作動して容器ホルダ
ー96内の圧力を低減する場合に、圧力は即時に低減さ
れない。これにより試料の量の誤差が生じる。毛細管3
0の孔が100マイクロメーター以下と非常に小さいた
めに、大気圧以下の圧力差で起こる流れは層流となり、
流速は圧力に比例する(転移流及び乱流での流速は、圧
力に正比例しない)。従って、採取される試料の量は、
流速の時間積分に比例する。
【0126】流速が圧力に比例することから、試料の量
も容器ホルダー96内の負のゲージ圧の時間積分に比例
する。圧力センサー80Aが緩衝液の入った容器ホルダ
ー96内の負のゲージ圧をモニターし、ケーブル92を
介して電気インターフェース82及び導線106を介し
て外部制御装置もしくはコンピューター119に伝達す
る。コンピューターが所定時間圧力制御電磁弁88を作
動して容器ホルダー96内の圧力を低減し、一方で低減
圧力の積分を累積して表にしてピークデータの表示や修
正を行う。好適な実施例では、制御装置が圧力制御電磁
弁88を作動して試料を採取すると同時に累積積分をモ
ニターする。積分値が所定値に達すると制御装置が圧力
制御電磁弁の作動を停止する。これにより所定量に相当
する試料採取が再現可能なことが判明した。
【0127】本好適な実施例を改良するには、本好適な
実施例に於けると同様な方法で校正用もしくは「ダミ
ー」試料を採取することが必要となる。この場合、制御
装置で累積積分を測定し、積分値が所定値に達した時に
圧力制御電磁弁の作動を停止すると共に、圧力制御電磁
弁88が作動停止した後で圧力が平衡になった時の積分
の最終値を測定する。所定の積分値と積分の最終値の差
が誤差を表し、この誤差は、所定値から該誤差を引いて
修正され、修正所定値が得られる。
【0128】更に、前記修正所定値を用いて好適な実施
例を使い試料採取を行う。これらの採取試料は、所定の
量と正確に合致する。試料を採取する別の方法は、所定
の量の試料採取を可能とする圧力制御電磁弁88の適切
な起動時間を相互作用により決定出来るように制御装置
をプログラムすることである。
【0129】試料が毛細管30の端部内に採取されると
(約10億分の1リットル等の微量の試料のみが採取さ
れる)、可動腕46が毛細管30の端部を緩衝液容器6
0A、60Bもしくは60Cの一つに移動する。高電圧
の電源14が入りマニホールド301が作動して電位が
かけられ廃棄位置でフラクションコレクター装置が作動
開始する。この場合、高電圧の電源が自動手段により入
ることが好ましい。試料が移動し始め、毛細管にかかる
電位に反応して毛細管30中で分離する。
【0130】図21に回転ロッド470を垂直移動及び
回転して毛細管30(図1)の位置決めをする上昇回転
機構404を有する回転ロッド組立体900の斜視図を
示す。回転ロッド組立体900は、回転ロッド470
と、上昇回転機構404とから成り、該上昇回転機構4
04は、軸1002の付いたステッピングモーター10
01と、クランクアーム1011と、クランクロッド1
003と、球形の外径と筒状穴とを有してクランクロッ
ドを滑り嵌めで収容して該クランクロッドと穴間で相対
回動及び摺動を可能とする軸受け1004と、該軸受け
1004を保持する球形凹所を有する軸受け保持具10
05と、前記回転ロッド470に堅固に取り付けられた
作動腕1006と、及び案内ブロック1010中を摺動
する案内棒1008と1009(図21に図示なし)に
支持された支持ブロック1001とを含む。
【0131】軸受け保持具1005の球形凹所は、軸受
け1004を球状に密接した状態で保持する。球形の軸
受け1004は、軸受け保持具1005内で任意の角度
で回転可能に揺動自在とされるが、軸受け保持具100
5内での並進運動は不可能である。
【0132】可動腕460は、図21において、二つの
最低位置間の中間であるその最高位置に示されている。
モーターの軸1002がA1方向に回転すると、クラン
クロッド1003がA2方向に移動し、軸受け1004
が左下方へ揺動し、回転ロッド470がA3方向へ回転
して降下し、毛細管30を支持する可動腕460がA4
で示す如く後方下方へ揺動する。
【0133】軸1002がB1方向に回転すると、クラ
ンクロッド1003がB2方向に移動する。軸受け10
04が右方向へ揺動し、回転ロッド470がB3方向に
回転して降下し、可動腕460が毛細管30をB4方向
へ移動する。ステッピングモーター1001の軸100
2が高い中心位置から何れの方向へでも120°進んだ
時に、毛細管位置決め動作が良好に行われることが判明
した。240°の回転で毛細管が一方の最低位置から他
方の最低位置まで移動する。
【0134】図22にキャリア411を割出し、可動腕
460を制御し、電気泳動中に毛細管30からのフラク
ションの自動収集が可能となるように毛細管30に動力
を与えるのに使用する回路のブロック図を示す。この回
路は、制御装置810、電源からフラクションコレクタ
装置21の緩衝液と毛細管に亘って電圧をかけて電気泳
動により分離とフラクションコレクタ装置内への収集を
実施する回路812、及びキャリア411を移動して流
出する試料もしくは廃棄物質を収容する試料収集カップ
412−448中の選択された試料収集カップを位置決
めし、且つ、電解質緩衝液中に流出液を入れるかもしく
は試料を試料収集カップ中に入れるように毛細管30を
位置決めする回路814とを含む。
【0135】制御装置810は、センサーを通過するバ
ンドと、バンドのない溶剤、及びバンドがセンサーを出
て毛細管30の端部に到達するまでの時間を補償する時
間遅延とを識別するパルスを発生出来る装置なら何れの
装置でも良く、また、規則的な時間間隔でパルスを発生
するサイクルタイマーを組み込んで置くことも可能であ
る。この制御装置を1965年8月24日付けのロバー
ト ウィリアム アリントン(Robert Will
iam Alligton)の米国特許第3,202,
188号に開示されたものと同様な簡単なものとしても
良く、また、感知信号を受け、プログラムされた出力を
与えて複数のバンドまたは任意の選択パターンの電気泳
動からのバンドを収集する今日使用されているプログラ
ム可能なコンピューター制御装置の多くと同様に複雑な
ものとしても良い。
【0136】可動腕460と回転ロッド470を制御す
るには、回路814は、ステッピングモーター位置制御
用の回路820と、キャリアモーター制御用の回路82
4、及び適切な回路論理をもたらす835,836及び
838等のANDゲートを含む。これらの回路は、ピー
クが検出された後で制御装置820の入力820Dを介
してステッピングモーター1001を反時計方向に起動
するゲート836に信号が加えられるように配列され
る。
【0137】ステッピングモーター1001は、毛細管
30を保持する可動腕460を昇降回転する回転ロッド
470を上昇させかつ回転する。それにより、短時間の
後に始動されるキャリアモーター825がキャリア41
1を次の試料収集カップまで割り出す。上昇が開始する
とすぐに回路820のDOWN出力820Bが切れ、回
路812が切れる。ステッピングモーター1001が回
転ロッド470を回転して完全に上昇させると導線82
0AのUP出力信号がインバーター837を介して伝達
されてゲート836が切れ、ステッピングモーターがU
P位置で停止する。これと同時に、導線820Aの信号
が制御装置810からの信号を有するゲート838内で
ANDされる。ゲート838の出力がキャリアモーター
制御用の回路824に伝達され、キャリアモーター82
5が始動されて次の試料収集カップを所定位置に着け
る。次の試料収集カップの所でキャリアモーターが停止
して、回路824の導線824AのSTOP出力で、ゲ
ート835が回路820を介してステッピングモーター
1001(図21)を時計方向に起動する。これにより
可動腕460の毛細管30が回転し下降して次の試料収
集カップへと戻る。可動腕が最下点まで降下しきると、
回路820からのDOWN出力820Bがインバーター
839を介してゲート835に入りゲートが切られる。
その結果ゲート835からの出力で回路820の時計方
向入力(CW)820Cが切られて可動腕460の下降
が停止し、ステッピングモーター1001が停止する。
【0138】次に動作を説明する。回転ロッド組立体9
00を制御装置810(図21)の制御の下に符号98
(図1)で示す容器のキャップまで移動し、毛細管の他
端部を試料まで移動して、真空により試料を毛細管の他
端部へ吸引する。その後、制御装置810により可動腕
460で毛細管30の一端部を緩衝液まで移動する。回
転ロッド組立体900が毛細管の一端部をキャリア41
1内の電解質緩衝液451中で電気泳動を行う位置まで
移動して、電源を入れる。電源が入ると、試料を含むバ
ンドが選択されるまで電気泳動が実施され、次いで回転
ロッド組立体900が毛細管の一端部が取り付けられた
可動腕460を移動して該一端部を第1の試料収集カッ
プ内に挿入し該試料収集カップ内で試料収集が実施され
る。試料収集が完了すると、次のバンドが検出されるま
で可動腕を緩衝液中に戻し、バンドが検出されると、フ
ラクションコレクタ装置を所定位置に移動して次の分離
バンドを新たな試料収集カップ内につぎ込むか、もしく
は、適切なプログラムが提供されれば、同一の試料収集
カップ内での所定回数のピークが収集されるまで該同一
の試料収集カップ内につぎ込む。バンドの電気泳動が完
了すると、キャリアを取り外して緩衝液に電位を印加し
て試料収集カップ内で試料を濃縮する。
【0139】より詳細には、センサー72(図1)がバ
ンドを検出すると、制御装置810(図22)がゲート
836を介して回路820に信号を送り、該回路により
ステッピングモーター1001を反時計方向へ回転し、
クランクロッド1003を揺動して可動腕460(図2
1)を回転上昇する。
【0140】回転ロッド組立体900が毛細管30(図
1)の端部を上昇すると、信号が回路812に送られて
高電圧電源が切られる。回転ロッド組立体900が可動
腕を回転してキャリアにより前進された次の試料収集カ
ップの上部、次いで該試料収集カップ内へ移動し、導線
820BのDOWN信号をゲート835に再度送ってス
テッピングモーター1001を停止して、回路820の
CW入力を遮断する。これと同時に、電源にDOWN信
号を送って再度電力を印加してバンドを試料収集カップ
内で電気泳動する。
【0141】一実施例では、試料収集カップが一つのウ
ェルに半透膜を有する濃縮装置であり、バンドが該ウェ
ルにつぎこまれる。電力がキャリア内の緩衝液を介して
印加され、前記試料収集カップ内へ向けて電気泳動が継
続するが、一方でウェル内の液面は、該ウェルのブリッ
ジ以下にされて緩衝液の他方の側への流出が防止され
る。
【0142】別の実施例では、試料収集カップがソルト
トラップであり、また、更に別の実施例では、試料収集
カップが固相抽出用試料収集カップである。これら双方
の実施例では、分離された試料は、濃縮度の高い緩衝液
上に層状にされるか、次の濃縮まで毛細管バンドにより
半透膜から離れて保持される。
【0143】全試料が電気泳動されてバンド状に分離さ
れて収集が完了すると、キャリア411を取り外し、電
位を印加して試料を濃縮する。半透膜濃縮装置に於いて
濃縮を行う場合には、緩衝液を試料収集カップのブリッ
ジより僅かに上方まで満たし、ブリッジを越えてイオン
を伝達して、半透膜上に試料を濃縮させる。同様に、ソ
ルトトラップに於いても、電位をトラップ全体に亘り印
加して試料を厚い層に濃縮する。
【0144】分離された試料バンドは、センサー72を
介して移動されて、吸光度モニターにより記録される。
フラクションコレクタ装置が起動されて毛細管の端部を
試料収集カップまで移動する。
【0145】分離が完了すると、試料保持リール44が
一つの試料チューブの位置だけ回転し、可動腕46が毛
細管30端部を緩衝液容器60A−60Dから次の試料
チューブまで移動させる。この動作サイクルを次の試料
に就いても繰り返す。緩衝液容器の液面を同一高さにし
て、電気泳動分離を実施中は、容器80を大気(圧力制
御電磁弁88の動作を停止した状態で)に通じさせてお
くことに留意する必要がある。この予防措置がなされな
いと、電解質緩衝液が毛細管30内をサイホン作用によ
り流れてしまう。これは、毛細管30内でのサイホン流
は、一種の層流であり、層流が起こると、試料が軸方向
に混ざり合い、分離の分解能が低減するため好ましくな
い。以上の説明から、本発明に係わる毛細管電気泳動装
置は、以下の点で有益であることが明白である。(1)
試料収集中の真空レベルの積分により高度に正確な試料
導入が可能であること、(2)分離した試料バンドを最
小限の希釈度で量的に収集出来ること、及び(3)収集
した試料を多大な損失なしに、且つ、試料収集カップか
ら除去せずに再濃縮が出来ることである。
【0146】本発明の好適実施例を詳細に説明したが、
上記に開示した内容を鑑みるに、数多くの修正変更を上
記好適実施例に施すことが可能である。従って、本書冒
頭の特許請求の範囲内に於いて本発明を上記に詳細に説
明した以外の方法で実施することも可能であることを理
解しておくべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による毛細管電気泳動装置の単純化され
た全体斜視図である。
【図2】図1に示す装置の試料変更機構をほぼ切断する
左から見た断面図である。
【図3】図2の試料変更装置の一部の単純化された部分
的斜視図である。
【図4】本発明の実施例に有用なセンサーを部分的に破
断して示した側部立面図である。
【図5】図4の線5−5に沿う断面図である。
【図6】図4,図5の実施例に関連する光学スリットの
異なる位置での伝達を示す曲線を有する線図である。
【図7】作用サイクルの一部を示す図1のフラクション
コレクタ装置の横断面図である。
【図8】フラクションコレクタ装置の作用サイクルの他
の部分を示す図7と同一の平面を通る横断面図である。
【図9】図1,7,8のフラクションコレクタ装置に使
用されトラップを組込んだ試料収集カップの斜視図であ
る。
【図10】図9の線10−10に沿う断面図である。
【図11】図1、7−10のフラクションコレクタ装置
の一部を形成するキャリアの分割壁の上側平面図であ
る。
【図12】図11の分割壁の側面図である。
【図13】図1のフラクションコレクタ装置の部分の拡
大された部分的平面図である。
【図14】図1のフラクションコレクタ装置の部分の拡
大された部分的平面図である。
【図15】最初の試料収集過程の際の希釈後に半透膜の
トラップにおける試料の再濃縮のために使用される試料
収集カップおよびフラクションコレクタ装置の部分的な
概略断面図である。
【図16】試料収集のためにソルトトラップを有する様
に変更された試料収集カップの他の実施例の部分的な概
略断面図である。
【図17】ソルトトラップにおける最初の分離後に試料
の再濃縮のために結合される試料収集カップの他の実施
例の部分的な概略断面図である。
【図18】試料収集のために固相抽出を含む様に変更さ
れた図7の一部である試料収集カップの他の実施例の部
分的な概略断面図である。
【図19】固相抽出によって捕捉された試料の溶出のた
めに結合される試料収集カップの他の実施例の部分的な
概略断面図である。
【図20】図1の一部を形成し本発明の実施例に使用さ
れるフラクションコレクタ装置の側部立面図である。
【図21】図1のフラクションコレクタ装置の一部の等
角投影図である。
【図22】試料収集を制御する系統のブロック図であ
る。
【符号の説明】
21:収集捕捉手段としてのフラクションコレクタ装置 30:毛細管 52:電極 80:容器 206,206A:光
学スリット 301:電極マニホールド 406,407:ガイ
ドレール 410:支持板 411:キャリア 412、630,730:試料収集カップ 430A、430B:ウェル 453:ブリッジ 450,451:電解質
緩衝液 505:電極 800:ピニオン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/447 B01D 57/02 G01N 1/10 G01N 30/00

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、光検出装置(206,206
    A)と、分離媒質を保持するための毛細管(30)と、
    帯域を検出するように配列された前記分離媒質に亘り電
    位を印加するための電極(52,505)とから成る分
    離媒質中で所定の動作方向を有する帯域を検出する装置
    において、 異なる帯域を対応する異なる室に収容するようにされた
    収集捕捉手段(21)と、少なくとも前記収集捕捉手段
    の一部と前記毛細管(30)の一方の端部とを制御装置
    (810)からの信号に応答して相対的に移動するため
    の手段(820,825,1001)とを有し、前記毛
    細管内で分離された分離媒質中の試料成分は前記収集捕
    捉手段の対応する異なる室へ、電気泳動により排出され
    ことを特徴とする分離媒質中で所定の動作方向を有す
    る帯域を検出する装置。
  2. 【請求項2】 前記異なる室のあるものが20ナノリッ
    トル(50000分の1ミリリットル)から2ミリリッ
    トルの体積を有することを特徴とする請求項1記載の装
    置。
  3. 【請求項3】 前記収集捕捉手段(21)が多数の試料
    収集カップ(412)を保持するキャリア(411)と
    該キャリア(411)中の電解質緩衝液(451)と電
    気接触するように導電性の電解液中に浸漬された接地電
    極(505)とを含むことを特徴とする請求項1または
    2記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記試料収集カップが電解液を収容する
    ようにされた二つのウェルを有することを特徴とする請
    求項3記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記ウェル(430A)の底部が、緩衝
    液イオンを透過させるが分離された試料を透過させない
    締め具で固定された半透膜(430D)で覆われること
    を特徴とする請求項4記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記各試料収集カップ(412)が前記
    二つのウェル間にブリッジ(453)を有し、該ブリッ
    ジは電解液面が充分に高い場合には、該ウェル間で流体
    電気結合を生じさせ、該ウェル中の電解液面が該ブリッ
    ジの高さより低い場合には、該流体電気結合を防止する
    ことを特徴とする請求項4又は5の何れかに記載の装
    置。
  7. 【請求項7】 前記収集捕捉手段(21)が前記キャリ
    ア(411)と、試料注入手段(16)と、圧力制御可
    能な容器(80)と、支持板(410)と、該支持板を
    ガイドレール(406,407)上で水平方向に摺動可
    能に移動するための手段(800)とを備え、前記毛細
    管(30)は前記圧力制御可能な容器(80)を覆う取
    外し可能なキャップ(98)に接続することができ、更
    に、前記収集捕捉手段(21)が、毛細管の端部を保持
    する昇降可能な可動腕(460)と、前記キャリア(4
    11)の上方で前記毛細管(30)の端部を上昇下降さ
    せる回転ロッド(470)と、前記支持板を移動して試
    料収集カップを順次に試料収集位置に移動する割り出し
    手段とを備えることを特徴とする請求項3ないし6の何
    れかに記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記収集捕捉手段(21)が前記キャリ
    ア(411)と、試料注入手段(16)と、圧力制御可
    能な容器(80)と、支持板(410)と、該支持板を
    ガイドレール(406,407)上で水平方向に摺動可
    能に移動するための手段(800)とを備え、前記毛細
    管(30)は前記圧力制御可能な容器(80)を覆う取
    外し可能なキャップ(98)に接続することができ、更
    に、前記収集捕捉手段(21)が、毛細管の端部を保持
    する昇降可能な可動腕(460)と、前記キャリア(4
    11)の上方で前記毛細管(30)の端部を上昇下降さ
    せる回転ロッド(470)と、前記支持板を移動して次
    の試料を真空圧力により毛細管内に注入するために、前
    記取外し可能なキャップ(98)の円錐形の孔(50
    1)を毛細管の下の位置に移動する割り出し手段とを備
    えていることを特徴とする請求項3ないし6の何れかに
    記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記試料収集カップ(412)は、試料
    収集カップに一体に形成されたキー状部分を備えている
    請求項3ないし8のいずれかに記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記試料収集カップ(412)が相互
    に一緒に締結され、前記毛細管の端部を前記締結された
    各試料収集カップへ案内するのを容易にするように、前
    記キャリアが前記試料収集カップを割り付ける手段を備
    えていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記試料収集カップ(630)がソル
    トトラップである請求項3ないし8の何れかに記載の装
    置。
  12. 【請求項12】 前記試料収集カップが固相抽出用試料
    収集カップ(730)であることを特徴とする請求項3
    ないし8の何れかに記載の装置。
  13. 【請求項13】 毛細管(30)中の分離媒質に亘り電
    位を確立する段階と、該分離媒質中に試料を導入し、該
    分離媒質を介して電気泳動を行う段階とから成る電気泳
    動を実施する方法において、前記分離媒質の一方の端部
    を可動腕(460)を使ってキャリア(411)の上方
    に運ぶことと、トラップを組み込んだ試料収集カップ
    (412)のウェルの上方に毛細管がある状態で前記可
    動腕(460)を位置決めすることと、毛細管が前記試
    料収集カップのウェル内の電解液に進入するまで前記可
    動腕を降下することと、毛細管が前記ウェル内の電解液
    中まで降下したあとで、電気導通を確立して、前記ウェ
    ル内の電解液内で毛細管からの物質を電気泳動及びもし
    くは電気浸透させることと、目的の試料成分を前記ウェ
    ルに完全に溶離した後で電源を切り、前記可動腕を上昇
    し、回転し、かつ毛細管がキャリア内の電解質緩衝液中
    に浸漬するまで降下し、次いで収集された試料帯域間の
    廃棄物質を電解質緩衝液中へ排出することとを特徴とす
    る電気泳動を実施する方法。
  14. 【請求項14】 電気泳動分離を完了した後で、前記試
    料収集カップを使用して分離された試料成分を濃縮する
    ことを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 試料収集カップが電気泳動装置から取
    外したキャリア中で横に並んで配列され、電解液を試料
    収集カップに更に追加して電解液でブリッジを覆い、電
    極をキャリア中の電解質緩衝液中に挿入し、100乃至
    200ボルトの電位差を前記電極に印加してウェル内の
    試料の分子を半透膜の上面に向けて下方に移動し、且
    つ、濃縮が起きるに充分な時間が経過した後で、前記試
    料収集カップを取り外して垂直に置くと共に半透膜を堅
    固な表面上に載置し、且つ、前記半透膜上方の濃縮した
    試料をピペットで除去することを特徴とする請求項13
    又は14記載の方法。
  16. 【請求項16】 ウェルの細い孔(630F)内に濃縮
    度の高い塩溶液を保持することと、毛細管中のものと同
    一の希釈された緩衝液を前記細い孔に入れることと、毛
    細管からの試料バンドをウェル内の前記希釈された緩衝
    液に排出することと、ウェル内の希釈された緩衝液への
    試料成分収集が完了した後でソルトトラップ内で試料を
    濃縮することとを特徴とする請求項13ないし15の何
    れかに記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記試料収集カップ内の電解液面を前
    記ブリッジの上方の面まで上昇させて電気導通をもたら
    し、印加する電圧の極性を有する電位を前記電極に付与
    し、ウェルからウェルへ試料を移動することにより、分
    離試料がウェルから移動してコーン状の底部により下方
    の孔中の濃縮度の高い塩溶液中に案内され、該濃縮度の
    高い塩溶液中で半透膜に到達する前に捕捉されて、該半
    透膜に固着も透過もしないようにし、且つ、マイクロピ
    ペットで試料を除去することにより試料の濃縮が行われ
    ることを特徴とする請求項15又は16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 粒子が充填されたベッド内で溶液内の
    アナレートを捕捉する段階を備え、該ベッドの粒子の材
    料は、アナレートを溶解し又は浮遊させる溶剤とアナレ
    ートとの間の相互作用よりも強くアナレートに対して相
    互作用をする一方、該溶剤に対しては弱く相互作用する
    ような材料に選択され、 更に、ベッドの粒子及びアナレートの双方と強力に相互
    作用する第2の溶剤で該ベッド内の粒子から濃縮アナレ
    ートを溶離する段階を備えることを特徴とする請求項1
    3ないし16の何れかに記載の方法。
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